(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150264
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】セルフチェックアウト装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20220929BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20220929BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G07G1/00 311Z
G07G1/01 301D
G07G1/12 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052796
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志村 高広
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142BA01
3E142CA12
3E142DA08
3E142GA41
3E142JA01
3E142KA20
(57)【要約】
【課題】店員による顧客の監視行為の負担を軽減することができるセルフチェックアウト装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】実施形態のセルフチェックアウト装置は、自装置を操作する利用者の操作状況に基づいて、熟練度を推定する推定部と、前記推定部が推定した前記熟練度に基づいて、当該利用者が操作に不慣れである旨を店員へ通知する通知部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置を操作する利用者の操作状況に基づいて、熟練度を推定する推定部と、
前記推定部が推定した前記熟練度に基づいて、当該利用者が操作に不慣れである旨を店員へ通知する通知部と、
を備えるセルフチェックアウト装置。
【請求項2】
前記推定部が推定した前記熟練度に基づいて、店員の呼び出しを指示するための操作子を表示装置に表示する表示制御部を更に備え、
前記通知部は、前記利用者から前記店員の呼び出しが指示された場合、当該利用者が操作に不慣れである旨を前記店員が操作する端末装置へ通知する、
請求項1に記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項3】
商品に付されたコードシンボルから商品コードを読取る読取部を更に備え、
前記推定部は、前記読取部による前記商品コードの読取に係る時間の間隔に応じて、前記熟練度を推定する、
請求項1又は2に記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項4】
前記推定部は、会計処理に伴う操作の時間の間隔に応じて、前記熟練度を推定する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項5】
前記推定部は、誤操作の回数に応じて、前記熟練度を推定する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項6】
セルフチェックアウト装置のコンピュータを、
自装置の操作に対する利用者の熟練度を推定する推定部と、
前記推定部が推定した前記熟練度に基づいて、当該利用者が操作に不慣れである旨を店員へ通知する通知部と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、セルフチェックアウト装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の小売店には、購入対象の商品を登録する商品登録処理と会計処理とを店員の操作により実行するPOS(Point Of Sales)端末が設置されている。また、近年では、商品登録処理と、会計処理とを顧客の操作により実行するセルフPOS端末を設置する小売店が増えている。
【0003】
ところで、セルフPOS端末においては、顧客が操作に困って、各セルフPOS端末を監視する店員に助けを求める場合がある。セルフPOS端末には、店員を呼び出すためのボタン等が実装されているが、操作に慣れていない顧客は、店員を呼び出す操作に手間取ってしまったり、そもそもボタンの存在自体を知らなかったりするため、結局、店員が目視で顧客の行動を確認する必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、店員による顧客の監視行為の負担を軽減することができるセルフチェックアウト装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のセルフチェックアウト装置は、自装置を操作する利用者の操作状況に基づいて、熟練度を推定する推定部と、前記推定部が推定した前記熟練度に基づいて、当該利用者が操作に不慣れである旨を店員へ通知する通知部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態に係るセルフチェックアウトシステムの一例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るセルフPOS端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るセルフPOS端末の特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る店員呼び出し画面の一例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る店員端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る店員端末の特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るセルフPOS端末の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係るセルフPOS端末の会計処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、セルフチェックアウトシステム及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、セルフチェックアウトシステム及びプログラムの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。
【0008】
(セルフチェックアウトシステムの構成)
図1は、第1実施形態に係るセルフチェックアウトシステム1の一例を示す説明図である。セルフチェックアウトシステム1は、セルフPOS端末10と、店員端末20とを備える。
【0009】
これら各装置は、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)等のネットワークNを介して相互に接続されている。また、
図1に示すセルフチェックアウトシステム1には、複数台のセルフPOS端末10と、1台の店員端末20とが示されているが、各装置の台数は任意である。
【0010】
セルフPOS端末10は、例えば、購入対象の商品を登録する商品登録処理と、商品登録処理により登録された商品の会計処理とが顧客の操作により実行されるセルフチェックアウト装置である。セルフPOS端末10は、セルフチェックアウト装置の一例である。セルフPOS端末10の詳細な説明については後述する。
【0011】
店員端末20は、例えば、店員が、セルフPOS端末10の監視業務等を行う際に使用する端末装置である。
【0012】
店員端末20としては、例えば、アテンダント端末が挙げられる。アテンダント端末は、各セルフPOS端末10の状態を監視するための装置である。なお、店員端末20は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末であってもよい。店員端末20は、端末装置の一例である。店員端末20の詳細な説明については後述する。
【0013】
(セルフPOS端末のハードウェア構成)
次に、セルフチェックアウトシステム1が備える各装置のハードウェア構成について説明する。
図2は、セルフPOS端末10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
セルフPOS端末10は、制御部101と、記憶部102と、通信インタフェース103と、表示部104と、操作部105と、印字部106と、入出金部107と、スキャナ108と、カメラ109と、カードリーダライタ110と、パトランプ111とを備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス112を介して相互に接続している。
【0015】
制御部101は、セルフPOS端末10の全体の動作を制御し、セルフPOS端末10が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備える。
【0016】
CPUは、セルフPOS端末10の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部102等に格納されたプログラムを実行する。
【0017】
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部102は、制御プログラム113、商品マスタ114、登録商品テーブル115及び熟練度判定テーブル116を記憶する。なお、商品マスタ114、登録商品テーブル115及び熟練度判定テーブル116は、店舗に設置されたセルフPOS端末10を含む各種装置を管理するストアサーバ(不図示)等に記憶されていてもよい。
【0018】
制御プログラム113は、オペレーティングシステムや、セルフPOS端末10が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。制御プログラム113には、本実施形態に係る特徴的な機能を発揮させるプログラムが含まれる。
【0019】
商品マスタ114は、店舗で販売している各種商品の商品情報を記憶している。例えば、商品情報には、商品を識別可能な商品コードや、商品名称や、価格等が含まれる。
【0020】
登録商品テーブル115は、商品登録処理により登録された商品の商品情報を記憶する情報テーブルである。
【0021】
熟練度判定テーブル116は、セルフPOS端末10を利用する顧客(以下、利用者の一例)のセルフPOS端末10の操作に対する習熟の度合いを示す熟練度を推定するための情報を記憶する情報テーブルである。
【0022】
例えば、熟練度判定テーブル116は、スキャナ108による商品コードの読取に係る時間の間隔(以下、読取時間間隔ともいう)と、数値化した熟練度とを対応付けて記憶する。また、例えば、熟練度判定テーブル116は、会計処理に伴う各操作の時間の間隔(以下、会計操作時間間隔ともいう)と熟練度とを対応付けて記憶する。
【0023】
通信インタフェース103は、ネットワークNを介して、店員端末20と通信するためのインタフェースである。
【0024】
表示部104は、例えば液晶ディスプレイ等である。操作部105は、例えば表示部104に積層されたタッチパネルである。表示部104は、表示装置の一例である。
【0025】
印字部106は、例えば一取引に係る取引内容が示されたレシートを印字するプリンタである。
【0026】
入出金部107は、例えば、硬貨や紙幣等の入金や出金を実行する自動釣銭機である。入出金部107は、商品の代金として硬貨や紙幣等の貨幣の入金を受け付ける。また、入出金部107は、釣銭がある場合に、釣銭額の貨幣を出金する。
【0027】
スキャナ108は、商品から商品登録処理に必要な情報を読み取る装置である。スキャナ108は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮影素子を備える。
【0028】
例えば、スキャナ108は、商品に付されているコードシンボルを撮影し、当該コードシンボルから商品コードを読み取る。スキャナ108は、読取部の一例である。
【0029】
カメラ109は、顧客の行動を撮影する装置である。カメラ109は、CCDやCMOS等の固体撮影素子を備える。カメラ109は、例えば、セルフPOS端末10を操作する顧客の行動を撮影できるように、セルフPOS端末10の高い位置に設けられる。また、カメラ109を複数台設けてもよい。なお、カメラ109は、セルフPOS端末10とは別体であってもよい。
【0030】
カメラ109が撮影した映像(画像)は、通信制御部1001により、セルフPOS端末10を識別可能なセルフPOS端末コードと対応付けたセルフPOS映像として、店員端末30に送信される。なお、本実施形態では、セルフPOS映像はリアルタイムで店員端末30に送信されるものとする。セルフPOS映像は、例えば、店員が顧客の行動を確認するために用いられる。
【0031】
カードリーダライタ110は、カードに付されている記憶媒体が記憶する情報の読み取り及び書き込みを実行する装置である。カードリーダライタ110は、クレジットカードの記憶媒体に対して、各種情報の読み出しや書き込みを実行する。
【0032】
パトランプ111は、セルフPOS端末10に異常等が発生したこと等を店員に通知する警告灯である。
【0033】
(セルフPOS端末の機能構成)
次に、セルフPOS端末10が備える特徴的な機能について説明する。ここで、
図3は、セルフPOS端末10が備える特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
セルフPOS端末10の制御部101は、記憶部102の制御プログラム113をRAMに展開し、制御プログラム113に従って動作することで、
図4に示す各機能部をRAM上に生成する。
【0035】
具体的には、セルフPOS端末10の制御部101は、機能部として、通信制御部1001と、操作制御部1002と、顧客コード入力部1003と、商品登録部1004と、会計処理部1005と、測定部1006と、推定部1007と、検知部1008と、表示制御部1009と、通知部1010とを備える。
【0036】
通信制御部1001は、通信インタフェース103を制御して、ネットワークNを介した通信を制御する。例えば、通信制御部1001は、セルフPOS映像を店員端末20に送信する。
【0037】
操作制御部1002は、操作部105を制御して、各種操作を受け付ける。
【0038】
顧客コード入力部1003は、カードリーダライタ110を制御して、顧客カードに記憶されている顧客コードの入力を受け付ける。
【0039】
商品登録部1004は、顧客が購入する商品を、顧客の操作により登録する商品登録処理を実行する。商品登録部1004は、例えばスキャナ108が商品に付されたコードシンボルを読み取ることで、商品コードの入力を受け付ける。商品登録部1004は、入力された商品コードの商品情報を商品マスタ114から抽出する。そして、商品登録部1004は、抽出した商品情報を登録商品テーブル115に登録する。
【0040】
会計処理部1005は、入出金部107を制御して、会計処理を実行する。例えば、会計処理部1005は、商品登録部1004が登録商品テーブル115に登録した商品の合計価格を算出する。会計処理部1005は、入出金部107に入金された貨幣と、算出した合計価格とを比較して釣銭があるか否かを判定する。会計処理部1005は、釣銭がある場合に、釣銭を入出金部107に出金させる。
【0041】
測定部1006は、セルフPOS端末10の各種処理に関する時間を測定する。例えば、測定部1006は、読取時間間隔を測定する。具体的には、測定部1006は、商品登録部1004が、ある商品の商品登録処理を完了してから次の商品の商品登録処理を完了するまでの時間を、読取時間間隔として測定する。
【0042】
また、例えば、測定部1006は、会計操作時間間隔を測定する。具体的には、測定部1006は、操作制御部1002と協働することで、会計処理に含まれるある操作を行うためのボタンの入力を受付けてから、次の操作を行うためのボタンの入力を受付けるまでの時間を、会計操作時間間隔として測定する。
【0043】
推定部1007は、セルフPOS端末10を操作する顧客の操作状況に基づいて、熟練度を推定する。例えば、推定部1007は、読取時間間隔に応じて、熟練度を推定する。具体的には、推定部1007は、熟練度判定テーブル116を参照し、測定部1006が測定した読取時間間隔に対応付けられた熟練度を当該顧客の熟練度として推定する。このとき、推定部1007は、読取時間間隔が短いほど、顧客の熟練度を高く推定する。
【0044】
また、例えば、推定部1007は、会計操作時間間隔に応じて、熟練度を推定する。具体的には、推定部1007は、熟練度判定テーブル116を参照し、測定部1006が測定した会計操作時間間隔に対応付けられた熟練度を当該顧客の熟練度として推定する。このとき、推定部1007は、会計操作時間間隔が短いほど、顧客の熟練度を高く推定する。
【0045】
検知部1008は、推定部1007が推定した熟練度に基づいて、セルフPOS端末10の操作に不慣れな顧客を検知する。具体的には、検知部1008は、推定部1007が推定した熟練度が閾値よりも低い場合、当該顧客をセルフPOS端末10の操作に不慣れな顧客として検知する。
【0046】
なお、この例では、推定部1007は、測定部1006が読取時間間隔又は会計操作時間間隔を測定する度に顧客の熟練度の推定を行い、検知部1008は、推定部1007が熟練度の推定を行う度に検知を試みるものとする。しかし、検知部1008は、推定部1007が予め定めた回数の熟練度の推定を行ったとき、熟練度の平均値が閾値を下回る場合、当該顧客をセルフPOS端末10の操作に不慣れな顧客として検知してもよい。
【0047】
表示制御部1009は、各種画面を表示部104に表示させる制御を行う。例えば、表示制御部1009は、顧客が購入対象の商品を登録する際に表示させる商品登録画面を表示させる。また、表示制御部1009は、会計処理の際に表示させる会計処理画面を表示させる。
【0048】
また、表示制御部1009は、推定部1007が推定した熟練度に基づいて、店員の呼び出しを指示するための操作子を表示部104に表示する。例えば、表示制御部1009は、検知部1008が、セルフPOS端末10の操作に不慣れな顧客を検知した場合、店員の呼び出しを指示するための呼び出し画面を表示部104に表示する。
【0049】
通知部1010は、推定部1007が推定した熟練度に基づいて、当該顧客が操作に不慣れである旨を店員へ通知する。例えば、通知部1010は、顧客から店員の呼び出しが指示された場合、当該顧客が操作に不慣れである旨を店員端末20へ通知する。
【0050】
以下、
図4を用いて店員の呼び出しについて詳しく説明する。
図4は、店員の呼び出し画面の一例を示す説明図である。
【0051】
表示制御部1009は、検知部1008が、セルフPOS端末10の操作に不慣れな顧客を検知した場合、店員呼び出し画面1041をポップアップ表示する。店員呼び出し画面1041は、「店員を呼び出します。」というメッセージ1042、「OK」ボタン1043、及び「CANCEL」ボタン1044から構成される。
【0052】
例えば、操作制御部1002が顧客から「OK」ボタンの入力を受付けた場合、通知部1010は、呼び出し通知を生成する。呼び出し通知には、通知元のセルフPOS端末10を識別する識別コードと、顧客が店員を呼び出している旨の情報とが含まれる。通知部1010は、通信制御部1001を制御し、生成した通知を店員端末20へ送信する。
【0053】
ここで、顧客が店員を呼び出すのは、顧客が操作に不慣れであることに起因すると考えられるため、顧客が店員を呼び出している旨の通知は、操作に不慣れである旨の通知の一例であると言える。
【0054】
なお、通知部1010は、検知部1008が、セルフPOS端末10の操作に不慣れな顧客を検知した場合に、店員の呼び出しを指示するための表示なしで、すぐに通知を店員端末20へ送信してもよい。
【0055】
また、表示制御部1009は、検知部1008が、セルフPOS端末10の操作に不慣れな顧客を検知した場合、予め表示部104に表示された呼び出しボタンを強調表示してもよい。この場合、表示制御部1009は、例えば、予め表示された呼び出しボタンを点滅表示させたり、拡大表示させたりすることで強調表示する。
【0056】
(店員端末のハードウェア構成)
図5は、店員端末20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。店員端末20は、制御部201と、記憶部202と、通信インタフェース203と、表示部204と、操作部205とを備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス206を介して相互に接続している。
【0057】
制御部201は、店員端末20の全体の動作を制御し、店員端末20が有する各種の機能を実現するコンピュータである。
【0058】
制御部201は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。CPUは、店員端末20の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部202等に格納されたプログラムを実行する。
【0059】
記憶部202は、HDDやSSDなどの記憶装置である。記憶部202は、制御プログラム307を記憶する。
【0060】
制御プログラム207は、オペレーティングシステムや、店員端末20が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。制御プログラム207には、本実施形態に係る特徴的な機能を発揮させるプログラムが含まれる。
【0061】
通信インタフェース203は、ネットワークNを介して、セルフPOS端末10と通信するためのインタフェースである。
【0062】
表示部204は、例えば液晶ディスプレイ等である。操作部205は、例えばタッチパネル等の入力装置である。
【0063】
(店員端末の機能構成)
次に、店員端末20が備える特徴的な機能について説明する。ここで、
図6は、セルフPOS端末10が備える特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。
【0064】
店員端末20の制御部201は、記憶部202の制御プログラム207をRAMに展開し、制御プログラム207に従って動作することで、
図5に示す各機能部をRAM上に生成する。
【0065】
具体的には、店員端末20の制御部201は、機能部として、通信制御部2001と、操作制御部2002と、表示制御部2003とを備える。
【0066】
通信制御部2001は、通信インタフェース203を制御して、ネットワークNを介した通信を制御する。例えば、通信制御部2001は、セルフPOS端末10の通信制御部1001が送信した通知を受信する。また、例えば、通信制御部2001は、セルフPOS映像を受信する。
【0067】
操作制御部2002は、操作部205を制御して、各種操作を受け付ける。
【0068】
表示制御部2003は、各種画面を表示部204に表示させる制御を行う。例えば、表示制御部2003は、通信制御部2001が受信したセルフPOS映像を表示部204に表示する制御を行う。また、表示制御部2003は、通信制御部2001が受信した通知の内容を表示部204に表示する制御を行う。
【0069】
(セルフPOS端末の処理)
次に、実施形態に係るセルフPOS端末10の処理について説明する。
図7は、セルフPOS端末の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0070】
商品登録部1004は、商品登録処理を開始する(ステップS1)。
【0071】
測定部1006は、読取時間間隔を測定する(ステップS2)。
【0072】
推定部1007は、測定部1006が測定した読取時間間隔に基づいて、セルフPOS端末10の操作に対する顧客の熟練度を推定する(ステップS3)。
【0073】
検知部1008は、セルフPOS端末10を利用している顧客が操作に不慣れであるか否かを確認する(ステップS4)。顧客が操作に不慣れである場合(ステップS4:Yes)、検知部1008は、セルフPOS端末10を利用している顧客が操作に不慣れであることを検知する。
【0074】
表示制御部1009は、店員の呼び出しを指示するための表示を表示部104に表示する(ステップS5)。具体的には、表示制御部1009は、「店員を呼び出します。」というメッセージ、「OK」ボタン及び「CANCEL」ボタンを表示部104にポップアップで表示する。
【0075】
操作制御部1002は、店員の呼び出しの指示の有無を確認する(ステップS6)。ここで、利用者から「OK」ボタンの入力を受付けた場合、操作制御部1002は、店員の呼び出しの指示があったと判断する。一方、「CANCEL」ボタンの入力を受付けた場合、操作制御部1002は、店員の呼び出しの指示がなかったと判断する。
【0076】
店員の呼び出しの指示があった場合(ステップS6:Yes)、通知部1010は、顧客が店員を呼び出している旨の通知を生成し、通信制御部1001を制御して、店員端末20へ通知を送信し、本処理を終了する(ステップS8)。
【0077】
一方、店員の呼び出しの指示がなかった場合(ステップS6:No)、商品登録部1004は、商品登録処理を続行する(ステップS7)。
【0078】
商品登録部1004は、1つの商品の商品登録処理が終了する毎に商品登録処理を終了するか否かを確認する(ステップS9)。ここで、商品登録部1004は、操作制御部1002が顧客から商品登録終了の指示を受付けた場合、商品登録処理を終了すると判断する。
【0079】
商品登録処理を終了しない場合(ステップS9:No)、ステップS2の処理に移行する。一方、商品登録処理を終了する場合(ステップS9:Yes)、会計処理(A)に移行する。
【0080】
ここで、
図8は、セルフPOS端末の会計処理の一例を示すフローチャートである。
【0081】
まず、会計処理部1005は、会計処理を開始する(ステップS10)。
【0082】
測定部1006は、会計操作時間間隔を測定する(ステップS11)。
【0083】
推定部1007は、測定部1006が測定した会計操作時間間隔に基づいて、セルフPOS端末10の操作に対する顧客の熟練度を推定する(ステップS12)。
【0084】
検知部1008は、セルフPOS端末10を利用している顧客が操作に不慣れであるか否かを確認する(ステップS13)。顧客が操作に不慣れである場合(ステップS13:Yes)、検知部1008は、セルフPOS端末10を利用している顧客が操作に不慣れであることを検知する。
【0085】
表示制御部1009は、店員の呼び出しを指示するための表示を表示部104に表示する(ステップS14)。具体的には、表示制御部1009は、「店員を呼び出します。」というメッセージ、「OK」ボタン及び「CANCEL」ボタンを表示部104にポップアップで表示する。
【0086】
操作制御部1002は、店員の呼び出しの指示の有無を確認する(ステップS15)。ここで、利用者から「OK」ボタンの入力を受付けた場合、操作制御部1002は、店員の呼び出しの指示があったと判断する。一方、「CANCEL」ボタンの入力を受付けた場合、操作制御部1002は、店員の呼び出しの指示がなかったと判断する。
【0087】
店員の呼び出しの指示があった場合(ステップS15:Yes)、通知部1010は、顧客が店員を呼び出している旨の通知を生成し、通信制御部1001を制御して、店員端末20へ通知を送信し、本処理を終了する(ステップS17)。
【0088】
一方、店員の呼び出しの指示がなかった場合(ステップS15:No)、会計処理部1005は、会計処理を続行する(ステップS16)。
【0089】
会計処理部1005は、会計処理に係る操作が終了する毎に、会計処理が完了したか否かを確認する(ステップS18)。
【0090】
会計処理が完了していない場合(ステップS18:No)、ステップS11の処理に移行する。一方、会計処理が完了した場合(ステップS18:Yes)、本処理を終了する。
【0091】
(セルフPOS端末の効果)
次に、実施形態に係るセルフPOS端末10の効果について説明する。実施形態に係るセルフPOS端末10は、セルフPOS端末10を操作する顧客の操作状況に基づいて、熟練度を推定する推定部1007と、推定部1007が推定した熟練度に基づいて、当該顧客が操作に不慣れである旨を店員に通知する通知部1010を備える。
【0092】
これにより、セルフPOS端末10の操作に対する熟練度が低いと推定された顧客がいる場合、店員に顧客が操作に不慣れである旨が通知される。
【0093】
したがって、店員は、直接目視しなくても、セルフPOS端末10の操作に手間取っている顧客の存在を知ることができる。つまり、実施形態に係るセルフPOS端末10によれば、店員による顧客の監視行為の負担を軽減することができる。
【0094】
また、実施形態に係るセルフPOS端末10は、推定部1007が推定した熟練度に基づいて、店員の呼び出しを指示するための表示を表示部104に表示する表示制御部1009を備える。そして、通知部1010は、顧客から店員の呼び出しが指示された場合、当該顧客が操作に不慣れである旨を店員端末20へ通知する。
【0095】
これにより、操作に対する熟練度が低いと推定された場合であっても、店員を呼ぶか否かの判断は顧客に委ねられる。したがって、例えば、操作に対する熟練度が高い顧客が、携帯電話の着信があって手を止めたため、操作に対する熟練度が低いと推定されてしまったような場合、当該顧客は店員を呼ぶことはないと考えられるため、店員が不要な呼び出しを受けることがなくなる。
【0096】
また、推定部1007は、商品コードの読取時間の間隔に応じて、熟練度を推定する。これは、セルフPOS端末10の操作に慣れていない顧客は、商品コードの読取操作に手間取る可能性が高いためである。
【0097】
また、推定部1007は、会計処理に伴う操作の時間の間隔に応じて、熟練度を推定する。これは、セルフPOS端末10の操作に慣れていない顧客は、会計処理に伴う操作に時間がかかる可能性が高いためである。
【0098】
ここからは、上述した各実施形態の変形例について説明する。なお、上述した各実施形態と同等の構成については同じ参照符号を付し、説明を省略する。
【0099】
(変形例1)
上述した実施形態では、顧客自身が商品データの登録から決済までを行うセルフPOS端末10について説明した。しかし、セルフPOS端末10は、店員が登録した商品データに基づいて算出される代金の会計を顧客自身が行うセミセルフ方式のPOS端末であってもよい。
【0100】
(変形例2)
上述した実施形態では、推定部1007は、読取時間間隔及び会計操作時間間隔に基づいて、セルフPOS端末10の操作に対する顧客の熟練度を推定する形態について説明した。しかし、推定部1007は、これらに加えて、誤操作の回数に基づいて、セルフPOS端末10の操作に対する顧客の熟練度を推定してもよい。
【0101】
この場合、推定部1007は、例えば、取消ボタンの操作回数を誤操作の回数とみなし、誤操作の回数が閾値を超えた場合、読取時間間隔又は会計操作時間間隔に基づいて推定した熟練度を低下させる等の処理を行う。また、推定部1007は、誤操作の回数のみから、熟練度を推定してもよい。
【0102】
本変形例によれば、操作に不慣れではあるが、操作の速度は熟練度が低いと推定されるほど遅くないような顧客についても、操作に不慣れな顧客として検知できるようになる。
【0103】
(変形例3)
推定部1007は、カメラ109が撮像した顧客の映像(顧客の行動を映したセルフPOS映像)に基づいて、操作の熟練度を推定してもよい。
【0104】
この場合、推定部1007は、セルフPOS映像を解析し、顧客の行動を認識する。例えば、推定部1007は、「顧客が店員を探すような素振りを見せた」、「顧客がカードリーダライタ110へクレジットカードを挿入する際に挿入方向を誤った」等の行動を認識した場合、当該顧客の操作の熟練度を低く推定する。
【0105】
また、本変形例では、例えば、顧客が商品登録処理中に携帯端末の操作を始めた場合、推定部1007は、顧客の当該行動を認識し、読取時間間隔が長くなっても、操作の熟練度を低く推定しない等の処理を行うことが可能である。
【0106】
本変形例によれば、読取時間間隔や操作時間間隔等では操作の熟練度が低いと推定できないような顧客についても、顧客の行動を認識することで、操作に不慣れな顧客として検知することができる。
【0107】
(変形例4)
推定部1007は、来店回数を加味して、操作の熟練度を推定してもよい。本変形例では、顧客コードと来店回数を対応付けておき、顧客コード入力部1003により顧客コードの入力が受付けられた場合に、推定部1007は、当該顧客の来店回数を把握する。推定部1007は、例えば、推定の対象となる顧客の来店回数が閾値を超えている場合、推定した熟練度に係数(1以上の数値)を乗じた数値を熟練度として推定する処理を行う。
【0108】
本変形例によれば、来店回数の多い顧客について、来店回数が少ない顧客よりも熟練度を高く推定することができるため、店員が不必要な呼び出しを受ける可能性を低減することができると考えられる。
【0109】
(変形例5)
推定部1007は、セルフPOS端末10に設けた重量センサの検出結果に基づいて、操作の熟練度を推定してもよい。本変形例では、例えば、推定部1007は、一度安定した重量センサの検出結果が再び不安定になった場合、セルフPOS端末10を操作している顧客の操作の熟練度を低く推定する。
【0110】
これは、一度重量センサの検出結果が安定した後に再び不安定になる場合は、顧客が登録済の商品を何度も取り出したり置き直したりを繰り返していると考えられ、このような行動を取る顧客は、操作の熟練度が低いと推定できるからである。
【0111】
(変形例6)
上述した実施形態では、通知部1010が、通信制御部1001を制御して、店員の呼び出しを指示する通知を店員端末20へ送信する形態について説明した。しかし、通知部1010は、パトランプ111を光らせることで、操作に不慣れな顧客が存在することを店員に通知してもよい。
【0112】
また、通知部1010は、段階的に通知の内容を変更してもよい。例えば、通知部1010は、推定部1007により推定された熟練度が閾値を下回った場合、初回は、パトランプ111を青に光らせる。
【0113】
そして、同じ顧客が、複数回熟練度が閾値を下回ると推定された場合、通知部1010は、2度目はパトランプ111を黄色に光らせ、3度目はパトランプ111を赤に光らせる。さらに、4度目は店員の呼び出しを指示する通知を店員端末20へ送信する。
【0114】
このように、段階的に通知の内容を変化させることで、店員はセルフPOS端末10を操作している顧客にどの程度注意を払えばよいのかを把握することができ、店員による顧客の監視行為の負担を軽減することが可能になる。
【0115】
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0116】
さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0117】
また、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0118】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0119】
1 セルフチェックアウトシステム
10 セルフPOS端末
20 店員端末
1001、2001 通信制御部
1002、2002 操作制御部
1003 顧客コード入力部
1004 商品登録部
1005 会計処理部
1006 測定部
1007 推定部
1008 検知部
1009、2003 表示制御部
1010 通知部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】