(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150265
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】サーバおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20220929BHJP
G06Q 10/06 20120101ALI20220929BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G06Q10/08
G06Q10/06 302
B65G1/137 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052797
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松野 浩和
【テーマコード(参考)】
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB06
3F522BB19
3F522BB28
3F522BB33
3F522DD04
3F522DD22
3F522DD32
3F522EE15
3F522GG03
3F522GG05
3F522GG09
3F522GG18
3F522GG22
3F522GG44
3F522GG46
3F522HH02
3F522HH13
3F522HH17
3F522HH22
3F522HH35
3F522HH37
3F522JJ02
3F522LL15
5L049AA10
5L049AA16
5L049CC52
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ピッキング作業に要する時間を短縮することが可能なサーバおよびプログラムを提供する。
【解決手段】無線中継器と、カート端末とが、無線通信回線(例えば無線LAN)を介してサーバと接続されるシステムにおいて、サーバは、商品の保管位置をそれぞれの商品に関連付けて記憶した商品位置記憶部と、カートの位置を記憶するカート位置記憶部と、制御部300を備える。制御部300は、発注先から受注した、ピッキングする商品に最も近い位置に位置するカートを商品の保管位置とカートの位置とに基づいて決定するカート決定手段302と、決定したカートに取り付けられたカート端末に対してピッキングする商品に係る情報を表示可能に送信する商品情報送信手段303と、を備える。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の保管位置をそれぞれの商品に関連付けて記憶した商品位置記憶部と、
カートの位置を記憶するカート位置記憶部と、
発注先から受注した、ピッキングする商品に最も近い位置に位置するカートを前記商品の保管位置と前記カートの位置とに基づいて決定するカート決定手段と、
決定したカートに取り付けられたカート端末に対して前記ピッキングする商品に係る情報を表示可能に送信する商品情報送信手段と、
を備えたサーバ。
【請求項2】
繁忙期か否かを判断する繁忙期判断手段、をさらに備え、
前記カート決定手段は、繁忙期の場合にピッキングする商品に最も近い位置に位置するカートを決定する、
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
発注先別に発注先の商品をピッキングする熟練度を作業者別に記憶する熟練度記憶部と、
受注した発注先の情報に基づいて、当該発注先に係る前記熟練度が高い順に作業者を決定する作業者決定手段と、
決定された作業者が携帯する携帯端末に対してピッキング指示の情報を送信する指示情報送信手段と、
を備えたサーバ。
【請求項4】
繁忙期か否かを判断する繁忙期判断手段、をさらに備え、
前記作業者決定手段は、繁忙期以外の場合に、前記熟練度に基づいて作業者を決定する、
請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
商品の保管位置をそれぞれの商品に関連付けて記憶した商品位置記憶部と、カートの位置を記憶するカート位置記憶部と、を備えたサーバを、
発注先から受注した、ピッキングする商品に最も近い位置に位置するカートを前記商品の保管位置と前記カートの位置とに基づいて決定するカート決定手段と、
決定したカートに取り付けられたカート端末に対して前記ピッキングする商品に係る情報を表示可能に送信する商品情報送信手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項6】
発注先別に発注先の商品をピッキングする熟練度を作業者別に記憶する熟練度記憶部を備えたサーバを、
受注した発注先の情報に基づいて、当該発注先に係る前記熟練度が高い順に作業者を決定する作業者決定手段と、
決定された作業者が携帯する携帯端末に対してピッキング指示の情報を送信する指示情報送信手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、サーバおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を保管・出荷する物流倉庫等において受注した商品等をピッキングする場合には、例えばピッキングカートを使用する。作業者は、受注情報を確認しながら、物流倉庫内を巡回して商品をピッキングする。その際に、受注の開始から終了までのルートを短くする等によりピッキング時間の短縮を図っている(例えば特許文献1)。
【0003】
しかしながら、複数台のピッキングカートが稼働している物流倉庫において、更なるピッキング時間の短縮が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ピッキング作業に要する時間を短縮することが可能なサーバおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のサーバは、商品の保管位置をそれぞれの商品に関連付けて記憶した商品位置記憶部と、カートの位置を記憶するカート位置記憶部と、発注先から受注した、ピッキングする商品に最も近い位置に位置するカートを前記商品の保管位置と前記カートの位置とに基づいて決定するカート決定手段と、決定したカートに取り付けられたカート端末に対して前記ピッキングする商品に係る情報を表示可能に送信する商品情報送信手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態に係る物流倉庫の内部を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るシステムを示す図である。
【
図4】
図4は、サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、エリア情報部の構成を示すメモリマップである。
【
図6】
図6は、作業者情報部の構成を示すメモリマップである。
【
図7】
図7は、カート情報部の構成を示すメモリマップである。
【
図8】
図8は、受注商品部の構成を示すメモリマップである。
【
図9】
図9は、カート端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、受注商品部の構成を示すメモリマップである。
【
図11】
図11は、サーバの機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図12】
図12は、サーバの制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、カート端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。実施形態では、例えばスーパーマーケット等の量販店や専門店、コンビニエンスストア等の店舗を発注先の一例として説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0008】
実施形態の物流倉庫(以降「倉庫」という)は、例えば店舗に配送する商品を大量に保管している。商品の配送を希望する店舗から商品を受注すると、作業者は、倉庫内をピッキングカート(以降「カート」という)を移動させながら、受注した商品をピッキングしてカート内に入れる作業を行う。ピッキングした商品をカートに入れる際には、受注した店舗別に用意されたパレットに入れる。このようにしてピッキングされた商品を、発注先の店舗に配送する。
【0009】
図1は、実施形態に係る倉庫Sの内部を示す図である。倉庫Sには、商品を保管する棚Aと棚Bが設けられている。棚Aは、区分棚AA、区分棚AB、区分棚ACの3個のエリアに区分されている。棚Bは、区分棚BA、区分棚BB、区分棚BCの3個のエリアに区分されている。区分棚AAには、例えば商品ID(Identity、商品およびメーカーを特定するコード)が「001」の商品(
図5を参照、以降同様)が20個保管されている。区分棚ABには、例えば商品IDが「002」の商品が40個保管されている。区分棚ACには、例えば商品IDが「003」の商品が30個保管されている。区分棚BAには、例えば商品IDが「004」の商品が45個保管されている。区分棚BBには、例えば商品IDが「005」の商品が34個保管されている。区分棚BCには、例えば商品IDが「006」の商品が56個保管されている。
【0010】
また、倉庫S内では、複数のカートKが、商品のピッキング作業をしながら移動している。それぞれのカートKは、別々の作業者によって移動させられる。カートKは、カート置き場KOに集められて置かれており、作業者はカート置き場KOからカートKを持ち出して、各棚から受注した商品のピッキング作業を行う。
【0011】
詳細は後述するが、カートKは、ホームポジションHに対する現在の位置(ホームポジションを(x座標=0、y座標=0)としたときの座標位置)が管理されている。また、棚A及び棚Bに保管されている商品の保管位置も、ホームポジションHに対する座標として管理されている。このように、カートKの位置とそれぞれの商品の保管位置とを管理することで、カートKと商品との距離を算出することができる。すなわち、商品が位置する座標位置とカートKの座標とに基づいて、当該商品とカートKとの距離を算出することができる。
【0012】
次に、倉庫Sに設けられたシステムについて説明する。
図2は、実施形態に係るシステムを示す図である。
図2に示すように、システム10は、カート端末1、サーバ3、無線中継器5、携帯端末7を有する。サーバ3と無線中継器5は、通信回線(例えばLAN(Local Area Network))2を介して互いに接続されている。無線中継器5とカート端末1は、無線通信回線(例えば無線LAN)6を介して接続される。無線中継器5と携帯端末7は、無線通信回線6を介して接続される。すなわち、サーバ3は、無線中継器5を介してカート端末1および携帯端末7と接続される。
【0013】
サーバ3は、倉庫S内に保管されている商品の種類と数と各商品の保管位置の座標を管理する。また、サーバ3は、倉庫S内に位置するカート端末1の位置の座標を管理する。また、サーバ3は、倉庫S内に位置する携帯端末7の位置の座標を管理する。また、サーバ3は、倉庫S内にいる各作業者の、各店舗等の商品に対する熟練度を管理する。具体的には、サーバ3は、各作業者別に、当該作業者が店舗別の商品のピッキング経験の多さ等に基づくピッキングの速さ(すなわち熟練度)を管理する。すなわち、ある店舗の種々の商品のピッキング経験が多い作業者は、当該店舗の商品をピッキングする速さや正確さが他の作業者より優れているとして、熟練度が高い、として管理される。このようにして、作業者別に、店舗別の熟練度が管理される。
【0014】
サーバ3は、受注した商品の種類に基づいて、受注したすべての商品をピッキングするために移動する距離が最も短い一つのカートKを決定(選択)する。サーバ3は、決定したカートKに対して、受注した商品の情報(商品を特定する商品コード、商品名、受注数、等)を表示させる受注情報と、移動ルートを示すルート情報を送信する。また、サーバ3は、携帯端末7に対し、当該携帯端末7を携帯する作業者に、ピッキング作業を行うよう指示を出す指示情報を送信する。
【0015】
カート端末1は、各カートKに取り付けられている。そのため、サーバ3が把握するカート端末1の位置情報は、当該カート端末1が取り付けられたカートKの位置情報でもある。カート端末1は、サーバ3から受信した受注情報とルート情報を表示する。また、カート端末1は、所定時間毎(例えば毎分1回)に、当該カート端末1の位置情報(座標)をサーバ3に送信する。
【0016】
携帯端末7は、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Data Assistant)、タブレット端末等の携帯可能な端末装置である。携帯端末7は、各作業者が携帯する。そのため、サーバ3が把握する携帯端末7の位置情報は、当該携帯端末7を携帯する作業者の位置情報でもある。携帯端末7は、サーバ3から受信した情報を報知する。また、携帯端末7は、所定時間毎(例えば毎分1回)に、当該携帯端末7の位置情報(座標)をサーバ3に送信する。
【0017】
次に、カートKについて説明する。
図3は、カートKを示す図である。
図3に示すように、カートKは、キャスターが回転して移動可能であり、ピッキングした商品を店舗別に区分けして収納する。カートKは、複数のパレット51を有する。各パレット51は、例えば上方が開口された箱状のケースであり、他のパレット51に収納された商品が混在することはない。実施形態では、4個のパレット51(パレット511、パレット512、パレット513、パレット514)が設けられている。すなわち、実施形態のカートKは、最大4店舗の商品を区分けして収納することが可能である。受注数が多い場合には、複数のパレット51を一つの店舗用として使用することもある。
【0018】
各パレット51の下部には、計量部22(秤)が設けられている。計量部22は、当該パレット51に入れられた商品の重量を計量する。計量部22は、パレット51毎にそれぞれ設けられており、カートK(カート端末1)は、どのパレット51に商品が入れられたかを把握することができる。
【0019】
また、カートKには、スキャナ21が取り付けられている。スキャナ21は、商品に付されたバーコード等のシンボルを光学的または撮像して読み取る。
【0020】
また、カートKには、カート端末1が取り付けられている。カート端末1は、作業者が操作し易い位置(例えばカートKの取っ手)に取り付けられる。
【0021】
カート端末1は、サーバ3から受信した受注情報とルート情報を表示する。作業者は、表示されたルート情報の通りにカートKを移動させ、表示された受注情報を見ながら受注された商品のピッキングを行う。
【0022】
作業者は、ピッキングした商品に付されたシンボルをスキャナ21に読み取らせる。カート端末1は、当該シンボルから取得した商品コードを受注情報に含まれる商品コードと比較して、一致していれば当該所品の商品情報を記憶する。また、計量部22は、パレット51に入れられた所品の重量を計量し、スキャナ21で読み取られた商品が入れられたかを判断する。
【0023】
ここからは、サーバ3のハードウェアについて説明する。
図4は、サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ3は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、メモリ部34等を備えている。CPU31は制御主体となる。ROM32は各種プログラムを記憶する。RAM33はプログラムや各種データを展開する。メモリ部34は各種プログラムを記憶する。CPU31、ROM32、RAM33、メモリ部34は、互いにバス35を介して接続されている。CPU31とROM32とRAM33が、制御部300を構成する。すなわち、制御部300は、CPU31がROM32やメモリ部34に記憶されRAM33に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するサーバ3の制御処理を実行する。
【0024】
RAM33は、受注商品部331、ルート記憶部332を備えている。受注商品部331は、受注した商品の受注情報(商品コード、商品名、受注数、等)を記憶する。受注商品部331については
図8で後述する。ルート記憶部332は、受注した商品をピッキングするカートKの移動ルートを記憶する。ルートの決め方は後述する。
【0025】
メモリ部34は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、サーバ3を制御する制御プログラムを記憶する制御プログラム部341、エリア情報部342(商品位置記憶部)、作業者情報部343(熟練度記憶部)、カート情報部344(カート位置記憶部)を有する。エリア情報部342については
図5で後述する。作業者情報部343については、
図6で後述する。作業者情報部343については
図7で後述する。
【0026】
また、制御部300は、バス35およびコントローラ36を介して、操作部37、表示部38と接続している。コントローラ36は、制御部300からの指示を受けて、操作部37、表示部38を制御する。ただし、説明の都合上、コントローラ36が行う制御を制御部300が行うとして説明する。操作部37は例えばキーボードやタッチパネルであり、サーバ3の操作者が操作する。表示部38は例えば液晶表示器であり、サーバ3の操作者に対して情報を表示する。
【0027】
また、制御部300は、バス35を介して、通信部39と接続している。通信部39は、通信回線2および無線通信回線6を介して、カート端末1および携帯端末7と接続する。また、通信部39は、商品を受注するために外部装置(図示せず)と接続している。
【0028】
ここからは、エリア情報部342について説明する。エリア情報部342は、棚別に保管している商品の種類と数を記憶する。また、エリア情報部342は、商品を保管している保管位置(座標)を当該商品に関連付けて記憶する。
図5は、エリア情報部342の構成を示すメモリマップである。
図5に示すように、エリア情報部342は、棚ID部3421、区分棚部3422、区分座標部3423、商品ID部3424、数量部3425を有する。
【0029】
棚ID部3421は、棚を特定するIDを記憶する。実施形態では、棚Aを特定する棚IDと棚Bを特定する棚IDを記憶する。区分棚部3422は、各棚を複数に区分した各区分棚を特定する情報を記憶する。実施形態では、棚Aは区分棚AA、区分棚AB、区分棚ACに区分される。棚Bは区分棚BA、区分棚BB、区分BC棚に区分される。区分座標部3423は、各区分棚の座標を示す情報を記憶する。例えば、区分棚AAはx座標=30、y座標=66の位置に位置する。
【0030】
商品ID部3424は、各区分棚に保管されている商品を特定する商品コードと当該商品を製造したメーカーを特定するメーカーコードを含む商品IDを記憶する。例えば、区分棚AAに記憶されている商品の商品IDは、「001」である。数量部3425は、各区分棚に保管されている商品の保管数を記憶する。
【0031】
ここからは、作業者情報部343について説明する。作業者情報部343は、作業者の各種情報を記憶する。作業者情報部343は、各作業者について、店舗別の商品のピッキング作業における熟練度を記憶する。作業者情報部343は、各作業者の現在の位置情報を(座標)を記憶する。作業者情報部343は、各作業者がカートKを用いてピッキング作業中であるか否かの情報を記憶する。
【0032】
図6は、作業者情報部343の構成を示すメモリマップである。
図6に示すように、作業者情報部343は、作業者ID部3431、作業カート番号部3432、熟練度部3433、位置情報部3434を有する。作業者ID部3431は、作業者を特定する作業者のIDを記憶する。作業カート番号部3432は、作業者がカートKを使用してピッキング作業をしているか否か、および使用しているカートKを特定するカート番号を記憶する。作業カート番号部3432にカート番号が記憶されている場合には、当該作業者は当該カート番号で特定されるカートKを使用してピッキング作業を行っていることを示す。作業カート番号部3432にカート番号が記憶されていない場合には、当該作業者はピッキング作業を行っていないことを示す。
【0033】
熟練度部3433は、当該作業者の店舗別の商品のピッキング作業の熟練度を記憶する。例えば作業者IDが「AAA」の作業者は、スーパーAの熟練度として「優」を記憶し、スーパーBの熟練度として「可」を記憶している。これは、作業者IDが「AAA」の作業者は、スーパーAの商品のピッキングの経験が豊富であって、作業者IDが「AAA」の作業者がスーパーAの商品のピッキング作業を短時間で行うことができることを示す。すなわち、作業者IDが「AAA」の作業者は、スーパーAの商品の棚における保管場所を経験上熟知していて、スーパーAの商品をピッキングする場合に素早く商品を探してピッキングすることが可能である。また、熟練度が「優」の店舗の商品をピッキングする作業者は、ピッキングのミスが少ない。
【0034】
一方、作業者IDが「BBB」の作業者は、スーパーAの熟練度として「良」を記憶し、スーパーBの熟練度として「優」を記憶し、スーパーCの熟練度として「良」を記憶している。この作業者IDが「BBB」の作業者は、スーパーBの商品のピッキングの経験が豊富であって、スーパーBの商品を短時間でピッキングすることができることを示す。しかしながら、スーパーAの熟練度は「良」である。これは、スーパーAの商品のピッキングの経験は作業者IDが「AAA」の作業者ほど豊富ではなく、経験はあるものの作業者IDが「AAA」の作業者ほど短時間ではピッキングができないことを示す。
【0035】
また、作業者IDが「CCC」の作業者は、スーパーAの熟練度として「可」を記憶し、スーパーCの熟練度として「良」を記憶している。この作業者IDが「CCC」の作業者は、スーパーAの商品のピッキングの経験は作業者IDが「BBB」の作業者より少なく、作業者IDが「BBB」の作業者ほど短時間ではピッキングができないことを示す。すなわち、スーパーAの商品のピッキングは、作業者IDが「AAA」の作業者が最も短時間で行い、次に作業者IDが「BBB」の作業者、作業者IDが「CCC」の作業者が最も時間がかかる、ことを示す。また、熟練度が低い作業者ほど、ピッキング作業の際のミスも多い可能性が高い。
【0036】
位置情報部3434は、各作業者が現在いる位置の位置情報(座標位置)を作業者別に記憶する。すなわち、位置情報部3434は、各作業者が携帯する携帯端末7の現在の位置情報(座標)を作業者別(すなわち携帯端末7別)に記憶する。
【0037】
ここからは、カート情報部344について説明する。カート情報部344は、各カートKに係る情報を記憶する。
図7は、カート情報部344の構成を示すメモリマップである。
図7に示すように、カート情報部344は、カート番号部3441、作業者ID部3442、位置情報部3443を有する。カート番号部3441は、各カートKに付されている番号であって、カートKを特定する番号を記憶する。作業者ID部3442は、当該カートKを使用している作業者を特定する作業者IDを記憶する。作業者ID部3442に作業者IDが記憶されているカートKは、当該作業者によって使用されていることを示す。作業者ID部3442に作業者IDが記憶されていないカートKは、使用されていないことを示す。
【0038】
位置情報部3443は、当該カートKの現在の位置情報(座標)をカートK別に記憶する。すなわち、位置情報部3443は、カートKに取り付けられているカート端末1の現在の位置情報をカートK別(すなわちカート端末1別)に記憶する。
【0039】
ここからは、受注商品部331について説明する。受注商品部331は、受注商品に係る受注情報を記憶する。
図8は、受注商品部331の構成を示すメモリマップである。なお、
図8は、スーパーA店からの受注に係る受注情報のみを示しているが、受注商品部331は、受注があったすべての店舗の受注情報を、店舗別に記憶する。
【0040】
図8に示すように、受注商品部331は、発注先部3311、商品ID部3312、受注数部3313、ピッキング数部3314、カート番号部3315を有する。
【0041】
発注先部3311は、受注商品の発注先を記憶する。商品ID部3312は、受注した商品を特定する商品IDを記憶する。受注数部3313は、受注した商品の受注数を記憶する。ピッキング数部3314は、受注した商品のうちピッキングしたピッキング数を記憶する。カート番号部3315は、当該受注した商品のピッキングに使用したカートKのカート番号を記憶する。
【0042】
ここからは、カート端末1のハードウェアについて説明する。
図9は、カート端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図9に示すように、カート端末1は、CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14等を備えている。CPU11は制御主体となる。ROM12は各種プログラムを記憶する。RAM13はプログラムや各種データを展開する。メモリ部14は各種プログラムを記憶する。CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU11がROM12やメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するカート端末1の制御処理を実行する。
【0043】
RAM13は、受注商品部131、ルート記憶部132、商品情報部133を備えている。受注商品部131は、サーバ3から受信した、受注した商品の受注情報(商品コード、商品名、受注数、等)を記憶する。受注商品部131の構成は、受注商品部331と同等である。ルート記憶部132は、サーバ3から受信した、受注した商品をピッキングするカートKの移動ルートを記憶する。ルート記憶部132に記憶されるルート情報は、ルート記憶部332に記憶されるルート情報と同じ情報である。
【0044】
メモリ部14は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、カート端末1を制御する制御プログラムを記憶する制御プログラム部141、商品マスタ142を有する。商品マスタ142は、商品の情報(商品ID、商品名、等)を商品別に記憶する。
【0045】
また、制御部100は、バス15およびコントローラ16を介して、操作部17、表示部18、GPS(Global Positioning System)19、IDリーダ20、スキャナ21、計量部22と接続している。コントローラ16は、制御部100からの指示を受けて、操作部17、表示部18、GPS19、IDリーダ20、スキャナ21、計量部22を制御する。ただし、説明の都合上、コントローラ16が行う制御を制御部100が行うとして説明する。操作部17は例えばキーボードやタッチパネルであり、カート端末1を移動させる作業者が操作する。表示部18は例えば液晶表示器であり、作業者に対して情報を表示する。GPS19は、カート端末1(すなわちカートK)の現在位置を把握する。IDリーダ20は、作業者の携帯している名札等に記載されている作業者IDを読み取る。スキャナ21は、商品に付されている商品IDを読み取る。計量部22は、カートK(正確にはパレット51)に入れられた商品の重量を計量する。
【0046】
また、制御部100は、バス15を介して、通信部23と接続している。通信部23は、通信回線2および無線通信回線6を介して、サーバ3および携帯端末7と接続する。
【0047】
ここからは、受注商品部131について説明する。受注商品部131は、受注商品部331と同等の構成を有しており、発注先部1311、商品ID部1312、受注数部1313、ピッキング数部1314、カート番号部1315を有する。発注先部1311、商品ID部1312、受注数部1313、ピッキング数部1314、カート番号部1315は、上述した発注先部3311、商品ID部3312、受注数部3313、ピッキング数部3314、カート番号部3315と同等の機能を有する。なお、受注商品部331は、受注したすべての店舗の情報を記憶しているが、受注商品部131は、現在商品をピッキングしている、あるいは商品をピッキングしようとしている店舗の情報のみを記憶する。
【0048】
ここからは、サーバ3の機能構成について説明する。
図11は、サーバ3の機能構成を示す機能ブロック図である。
図11に示すように、制御部300は、ROM32やメモリ部34の制御プログラム部341に記憶された制御プログラムに従うことで、繁忙期判断手段301、カート決定手段302、商品情報送信手段303、作業者決定手段304、指示情報送信手段305として機能する。
【0049】
繁忙期判断手段301は、現在が繁忙期であるか否か(閑散期であるか)を判断する。繁忙期判断手段301は、例えば現在が予め決められた期間(例えば、一日のうちの特定の時間帯や、一年のうちの特定の期間)である場合に繁忙期であると判断してもよい。この場合、現在が予め決められた期間ではない場合には繁忙期でないと判断する。また、繁忙期判断手段301は、サーバ3の操作によって現在が繁忙期であると指定された場合に繁忙期であると判断してもよい。この場合、操作によって現在が繁忙期であると指定されていない場合には繁忙期でないと判断する。
【0050】
カート決定手段302は、発注先から受注した、ピッキングする商品に最も近い位置に位置するカートKを、商品の保管位置とカートK(すなわちカート端末1)の位置とに基づいて決定する。具体的には、カート決定手段302は、区分棚部3422に記憶されている商品が保管されている位置情報と、位置情報部3443に記憶されている各カートKの現在の位置情報に基づいて、ピッキングする商品と各カートKとの距離(カートKの移動距離)を算出し、すべての商品をピッキングする場合の距離が最も短い位置にいるカートKを決定(選択)する。この際、倉庫SにおいてカートKが通行可能な経路は予め定められているため、カートKはこの経路を通って移動するものとしてピッキングする商品と各カートKとの移動距離を算出し、最も移動距離が短いカートKが決定される。
【0051】
また、カート決定手段302は、繁忙期判断手段301が繁忙期であると判断した場合に、カートKを決定する。カート決定手段302は、繁忙期判断手段301が繁忙期ではないと判断した場合に、カートKを決定しない。
【0052】
商品情報送信手段303は、決定したカートKに取り付けられたカート端末1に対してピッキングする商品に係る受注情報を表示可能に送信する。具体的には、商品情報送信手段303は、決定したカートKに取り付けられたカート端末1に対して、受注商品部331に記憶されたピッキングする商品の商品ID、受注数、を含む受注情報をカート端末1が表示可能に送信する。
【0053】
実施形態における商品情報送信手段303は、カートKが移動するルートを示すルート情報を含む。カートKが移動するルートは、区分棚部3422に記憶されている商品が保管されている位置の位置情報と、位置情報部3443に記憶されている各カートKの現在の位置の位置情報に基づいて、例えば、カートKに最も近い位置に位置する商品から遠い位置に位置する商品へとピッキングする順にしたがって、公知のルート決定手段によって決められる。
【0054】
作業者決定手段304は、受注した発注先の情報に基づいて、当該発注先に係る熟練度が高い順に作業者を決定する。具体的には、作業者決定手段304は、受注した発注先(店舗)の情報に基づいて熟練度部3433に記憶された作業者別の各店舗に対する熟練度に基づいて、当該店舗に対する熟練度が最も高い作業者を決定する。なお、決定しようとする作業者に係る作業カート番号部3432にカート番号が記憶されている場合は、当該作業者はカート番号が記憶されているカートKで作業中であるため、その次に熟練度が高い作業者が決定される。また、決定しようとしている作業者が例えばアルバイト等で残りの業務に携われる時間が少ない場合(例えばあと30分で退社時刻の場合)、その次に熟練度が高い作業者が決定される。
【0055】
また、作業者決定手段304は、繁忙期判断手段301が繁忙期でないと判断した場合に、作業者を決定する。作業者決定手段304は、繁忙期判断手段301が繁忙期であると判断した場合に、作業者を決定しない。
【0056】
指示情報送信手段305は、決定された作業者が携帯する携帯端末7に対してピッキング指示の情報を送信する。具体的には、指示情報送信手段305は、決定された作業者が携帯する携帯端末7に対して、カートKを使用してピッキング作業を行う旨の指示を示す指示情報を送信する。
【0057】
ここからは、サーバ3の制御について説明する。
図12は、サーバ3の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図12に示すように、サーバ3の制御部300は、店舗から商品の受注があったかを判断する(S11)。商品の受注があったと判断した場合には(S11のYes)、制御部300は、当該受注情報を受注商品部331に記憶する(S12)。
【0058】
次に繁忙期判断手段301は、現在が繁忙期であるかを判断する(S21)。現在が繁忙期であると判断した場合には(S21のYes)、カート決定手段302は、ピッキングする商品に最も近い位置に位置するカートKを、商品が保管されている位置の位置情報とカートK(すなわちカート端末1)の位置情報とに基づいて決定する(S22)。制御部300は、決定したカートKのカート番号を、カート番号部3315とカート番号部3441に記憶する。次に制御部300は、受注商品部331に記憶された受注情報とカートKの位置情報に基づいて、当該カートKが移動するルートを決定する(S23)。
【0059】
次に制御部300は、ピッキング作業を行う作業者を決定する(S24)。S23で決定する作業者は、第1案として、受注先の店舗の商品のピッキングに係る熟練者を決定する。この場合、熟練度部3433に記憶された熟練度に基づいて、最も熟練度が高い作業者を決定する。また、この場合カートKが移動するルートが決定しているため、必ずしも受注先の店舗の熟練者でなくてもよい。例えば、第2案として、位置情報部3434に記憶されている作業者の位置に基づいて、ピッキングする商品に最も近い位置にいる作業者を決定してもよい。なお、作業者の決定に際し、作業カート番号部3432に記憶されている情報に基づいて、すでに作業中の作業者を除いて決定する。制御部300は、決定した作業者の作業者IDは、作業者ID部3442に記憶する。また、第3案として、例えば、熟練度が「優」か「良」を満たす作業者であって、その中でピッキングする商品に最も近い位置にいる作業者を決定してもよい。
【0060】
次に制御部300は、決定した作業者が携帯する携帯端末7に、ピッキング作業を指示する指示情報を送信する(S25)。そして、商品情報送信手段303は、決定したカートKに取り付けられているカート端末1に対し、受注商品部331に記憶されている受注情報と、S23で決定したルート情報を送信する(S26)。そして制御部300は、S11に戻る。指示を受けた作業者は、決定されたカートKを使用して受注商品のピッキング作業を行う。
【0061】
一方、S21において、繁忙期判断手段301が、現在が繁忙期ではない(すなわち閑散期である)と判断した場合には(S21のNo)、作業者決定手段304は、受注した発注先の情報に基づいて、当該発注先に係る熟練度が高い順に作業者を決定する(S31)。繁忙期でない場合には、作業者は繁忙期ほど頻繁にピッキング作業を行わない可能性がある。そのため、受注した商品から近い位置にいる作業者よりは、離れた位置に位置している作業者であっても熟練者を作業者とした方が、ミスが少ないピッキング作業を行うことが可能である。結果として、ピッキング作業時間の短縮につながる。そして、指示情報送信手段305は、決定した作業者が携帯する携帯端末7に、ピッキング作業を指示する指示情報を送信する(S32)。
【0062】
携帯端末7に指示情報を受信した作業者は、カート置き場KOに置かれている1台のカートKを決定して、決定したカートKに取り付けられたカート端末1から、当該カートKのカート番号を、自身の作業者IDとともにサーバ3に送信する。
【0063】
次に制御部300は、カートKから、カート番号と作業者IDを受信したかを判断する(S33)。受信するまで待機し(S33のNo)、カート番号と作業者IDを受信したと判断した場合には(S33のYes)、制御部300は、受信したカート番号をカート番号部3441に記憶し、受信した作業者IDを、カート番号を記憶したカート番号部3441に関連付けられ作業者ID部3442に記憶する(S34)。
【0064】
次に制御部300は、カート番号を受信したカート端末1に対し、受注商品部331に記憶された受注情報を送信する(S35)。実施形態では、制御部300は、S35においてルート情報は送信しない。しかしながら、S31において決定した作業者の熟練度が高くない場合(例えば、熟練度が「良」や「可」の場合)、あるいは作業者の熟練度が低い場合(例えば、熟練度が「可」の場合)には、制御部300は、S23の処理のようにカートKが移動するルートを決定し、かつ制御部300は、S35の処理において、S26の処理のように決定したルート情報をカート端末1に送信するようにしてもよい。そして制御部300は、S11に戻る。
【0065】
また、S11において、店舗からの商品の受注ではないと判断した場合には(S11のNo)、制御部300は、カート端末1からピッキング終了を示す信号を受信したかを判断する(S41)。カート端末1からピッキング終了を示す信号を受信したと判断した場合には(S41のYes)、制御部300は、処理を終了する。また、カート端末1からのピッキング終了を示す信号の受信ではないと判断した場合には(S41のNo)、制御部300は、カート端末1あるいは携帯端末7から、位置情報を受信したかを判断する(S42)。カート端末1からカート番号とともにカートKの位置情報を受信したと判断した場合には(S42のYes)、制御部300は、位置情報部3443に、受信したカート番号に関連付けて当該カートKの最新の位置情報を記憶する(S43)。また、携帯端末7から作業者IDとともに作業者(すなわち携帯端末7)の位置情報を受信したと判断した場合には(S42のYes)、制御部300は、位置情報部3434に、受信した作業者IDに関連付けて当該作業者の最新の位置情報を記憶する(S43)。また、カート端末1あるいは携帯端末7からの位置情報の受信ではないと判断した場合には(S42のNo)、制御部300は、S11に戻る。
【0066】
このような実施形態のサーバ3によれば、ピッキングする商品に最も近い位置に位置するカートKを決定して、当該カートKに取り付けられたカート端末1に対して受注情報を送信する。そのため、ピッキングする商品に最も近い位置に位置するカートKによってピッキング作業を行うことができるため、ピッキング作業に要する時間を短縮することができる。
【0067】
ここからは、カート端末1の制御について説明する。
図13は、カート端末1の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図13に示すように、カート端末1の制御部100は、サーバ3から受注情報を受信したかを判断する(S51)。S35の処理によりサーバ3から受注情報を受信したと判断した場合には(S51のYes)、制御部100は、受注商品部131に受注情報を記憶する(S52)。そして制御部100は、受注商品部131に記憶した受注情報を、表示部18に表示する(S53)。そして制御部100は、S51に戻る。
【0068】
また、サーバ3からの受注情報の受信ではないと判断した場合には(S51のNo)、制御部100は、サーバ3から受注情報とルート情報を受信したかを判断する(S61)。S26の処理によりサーバ3から受注情報とルート情報を受信したと判断した場合には(S61のYes)、制御部100は、受注商品部131に受注情報を記憶する(S62)。また、制御部100は、ルート記憶部132に受信したルート情報を記憶する(S62)。そして制御部100は、受注商品部131に記憶した商品情報を、表示部18に表示する(S63)。また制御部100は、ルート記憶部132に記憶したルート情報を表示部18に表示する(S63)。そして制御部100は、S51に戻る。
【0069】
また、サーバ3からの受注情報とルート情報の受信ではないと判断した場合には(S61のNo)、制御部100は、スキャナ21によって商品に付されたシンボルが読み取られたかを判断する(S71)。商品に付されたシンボルが読み取られたと判断した場合には(S71のYes)、制御部100は、読み取られたシンボルに基づいて商品マスタ142に記憶されている当該商品の商品情報を読み出して商品情報部133に記憶する(S72)。そして制御部100は、S51に戻る。
【0070】
また、商品に付されたシンボルの読み取りではないと判断した場合には(S71のNo)、制御部100は、ピッキング終了の操作がされたかを判断する(S73)。ピッキング終了の操作がされたと判断した場合には(S73のYes)、制御部100は、サーバ3に対して、ピッキング終了を示す信号を送信する(S74)。そして制御部100は、S51に戻る。なお、受注した商品がすべて商品情報部133に記憶されている場合に、ピッキング終了の操作をすることができる。受注した商品がすべて商品情報部133に記憶されていない場合には、ピッキング終了の操作はできない。
【0071】
また、ピッキング終了の操作ではないと判断した場合には(S73のNo)、制御部100は、所定時間(例えば1分)が経過したかを判断する(S75)。所定時間が経過したと判断した場合には(S75のYes)、制御部100は、サーバ3に対して、現在のカート端末1(すなわちカートK)の位置情報を送信する(S76)。そして制御部100は、S51に戻る。
【0072】
また、所定時間の経過ではないと判断した場合には(S75のNo)、制御部100は、カート番号の送信が指示されたかを判断する(S77)。作業者は、S32において、携帯端末7にピッキングの指示を受信すると、使用するカートKを作業者の判断で決定する。そして、作業者は、操作部17を操作して、決定したカートKのカート番号(カート端末1に記憶されている)と自身の作業者ID(例えばネームプレートをIDリーダ20で読み取って入力する)を関連付けて、サーバ3に送信する操作を行う。制御部100は、送信操作が行われたかを判断する(S77)。送信操作が行われたと判断した場合には(S77のYes)、制御部100は、当該カート番号と作業者IDをサーバ3に送信する(S78)。そして制御部100は、S51に戻る。また、送信操作は行われていないと判断した場合には(S77のNo)、制御部100は、S51に戻る。
【0073】
このような実施形態のサーバ3は、商品の保管位置をそれぞれの商品に関連付けて記憶したエリア情報部342と、カートKの位置を記憶するカート情報部344と、発注先から受注した、ピッキングする商品に最も近い位置に位置するカートKを商品の保管位置とカートKの位置とに基づいて決定するカート決定手段302と、決定したカートKに取り付けられたカート端末1に対してピッキングする商品に係る受注情報を表示可能に送信する商品情報送信手段303と、を備える。
【0074】
このような構成の実施形態のサーバ3は、ピッキングする商品に最も近い位置に位置するカートKを決定して受注情報を送信するため、ピッキングのためにカートKが移動する距離が短いため、ピッキング作業に要する時間を短縮することが可能となる。
【0075】
また、実施形態のサーバ3は、発注先別に当該発注先の商品をピッキングする熟練度を作業者別に記憶する作業者情報部343と、受注した発注先の情報に基づいて、当該発注先に係る熟練度が高い順に作業者を決定する作業者決定手段304と、決定された作業者が携帯する携帯端末7に対してピッキング指示の情報を送信する指示情報送信手段305と、を備える。
【0076】
このような構成の実施形態のサーバ3は、発注先に係る熟練度が高い順に作業者を決定する。そのため、熟練者によってピッキング作業を行うため、ピッキング作業に要する時間を短縮することが可能となる。
【0077】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0078】
例えば、実施形態では、繁忙期にカート決定手段302と商品情報送信手段303、が機能し、繁忙期以外に作業者決定手段304と指示情報送信手段305が機能するようにした。しかしながらこれに限らず、繁忙期とそれ以外という区分け以外の区分けによってカート決定手段302と商品情報送信手段303、および作業者決定手段304と指示情報送信手段305を機能し分ける様にしてもよい。
【0079】
なお、実施形態のサーバ3で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0080】
また、実施形態のサーバ3で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態のサーバ3で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0081】
また、実施形態のサーバ3で実行されるプログラムを、それぞれROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 カート端末
3 サーバ
7 携帯端末
18 表示部
19 GPS
20 IDリーダ
21 スキャナ
22 計量部
51 パレット
100 制御部
131 受注商品部
1311 発注先部
1312 商品ID部
1313 受注数部
1314 ピッキング数部
1315 カートID部
132 ルート記憶部
133 商品情報部
300 制御部
301 繁忙期判断手段
302 カート決定手段
303 商品情報送信手段
304 作業者決定手段
305 指示情報送信手段
331 受注商品部
3311 発注先部
3312 商品ID部
3313 受注数部
3314 ピッキング数部
3315 カート番号部
332 ルート記憶部
342 エリア情報部
3421 棚ID部
3422 区分位置部
3423 区分座標部
3424 商品ID部
3425 数量部
343 作業者情報部
3431 作業者ID部
3432 作業カート番号部
3433 熟練度部
3434 位置情報部
344 カート情報部
3441 カート番号部
3442 作業者ID部
3443 位置情報部
511 パレット
512 パレット
513 パレット
514 パレット
H ホームポジション
K カート
S 倉庫
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】