(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150290
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20220929BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G06T1/00 500A
H04N5/232 290
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052837
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 利博
【テーマコード(参考)】
5B057
5C122
【Fターム(参考)】
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CC03
5B057CE04
5B057CE20
5B057DA17
5B057DB02
5B057DB09
5B057DC30
5C122DA03
5C122EA07
5C122EA61
5C122FH21
5C122GA21
5C122HB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本人確認書類の厚さを確認できる動画データを提供することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理装置であるサーバ40は、本人確認書類を撮影して得られた複数のフレームの各々に対し、ユーザに関する所定の情報を含む対象領域に所定の情報を隠す画像処理を実行する画像処理部455、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの本人確認書類を撮影して得られた複数のフレームの各々に対し、前記ユーザに関する所定の情報を含む対象領域に前記所定の情報を隠す画像処理を実行する処理部、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記複数のフレームの各々から、前記ユーザに関する所定の情報を検出する検出部、
を更に備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、
前記複数のフレームのうち、前記所定の情報が最初に検出されたフレームより所定数前にあるフレームから、前記所定の情報が最後に検出されたフレームより所定数後にあるフレームまでに対し、前記対象領域に前記所定の情報を隠す画像処理を実行する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記検出部は、
本人確認書類を撮影して得られたフレームおよび前記所定の情報との関係の学習により得られた推定器を用いて、前記複数のフレームの各々から、前記ユーザに関する所定の情報を検出する、
請求項2または請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記本人確認書類を撮影して得られた複数のフレームを受信する通信部、
を更に備える、請求項1から請求項4までのうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザの本人確認書類を撮影して得られた複数のフレームの各々に対し、前記ユーザに関する所定の情報を含む対象領域に前記所定の情報を隠す画像処理を実行することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
ユーザの本人確認書類を撮影して得られた複数のフレームの各々に対し、前記ユーザに関する所定の情報を含む対象領域に前記所定の情報を隠す画像処理を実行する処理機能、
を実現させるプログラム。
【請求項8】
ユーザおよびユーザの本人確認書類を撮影して得られた動画データを保持するデータベース部、
を備える、記憶装置と、
前記記憶装置から取得した前記本人確認書類に含まれる複数のフレームの各々に対し、前記ユーザに関する所定の情報を含む対象領域に前記所定の情報を隠す画像処理を実行する処理部、
を備える、情報処理装置と、
を備える、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、本人確認書類の特定の情報にモザイク処理等の画像処理を施す技術が開発されている。例えば、特許文献1では、本人確認書類の画像データに対し、モザイク処理などの画像処理を施す技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載した技術では、画像データに対して画像処理を施すため、厚さなどを確認することは困難であり、例えば本人確認書類に係る非対面本人確認において、確認者は当該本人確認書類が偽造されているか否かを判別することは困難である。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、本人確認書類の厚さを確認できる動画データを提供することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ユーザの本人確認書類を撮影して得られた複数のフレームの各々に対し、前記ユーザに関する所定の情報を含む対象領域に前記所定の情報を隠す画像処理を実行する処理部、を備える情報処理装置が提供される。
【0007】
前記情報処理装置は、前記複数のフレームの各々から、前記ユーザに関する所定の情報を検出する検出部、を更に備えてもよい。
【0008】
前記処理部は、前記複数のフレームのうち、前記所定の情報が最初に検出されたフレームより所定数前にあるフレームから、前記所定の情報が最後に検出されたフレームより所定数後にあるフレームまでに対し、前記対象領域に前記所定の情報を隠す画像処理を実行してもよい。
【0009】
前記検出部は、本人確認書類を撮影して得られたフレームおよび前記所定の情報との関係の学習により得られた推定器を用いて、前記複数のフレームの各々から、前記ユーザに関する所定の情報を検出してもよい。
【0010】
前記情報処理装置は、前記本人確認書類を撮影して得られた複数のフレームを受信する通信部、を更に備えてもよい。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザの本人確認書類を撮影して得られた複数のフレームの各々に対し、前記ユーザに関する所定の情報を含む対象領域に前記所定の情報を隠す画像処理を実行することと、を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、ユーザの本人確認書類を撮影して得られた複数のフレームの各々に対し、前記ユーザに関する所定の情報を含む対象領域に前記所定の情報を隠す画像処理を実行する処理機能、を実現させるプログラムが提供される。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザおよびユーザの本人確認書類を撮影して得られた動画データを保持するデータベース部、を備える、記憶装置と、前記記憶装置から取得した前記本人確認書類に含まれる複数のフレームの各々に対し、前記ユーザに関する所定の情報を含む対象領域に前記所定の情報を隠す画像処理を実行する処理部、を備える、情報量処理装置と、を備える、情報処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、本人確認書類の厚さを確認できる動画データを提供することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび情報処理システムを提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略を説明するための説明図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理端末10の機能構成例を説明するための説明図である。
【
図3】本実施形態に係る審査端末20および審査システム30の機能構成例を説明するための説明図である。
【
図4】本実施形態に係るサーバ40の機能構成例を説明するための説明図である。
【
図5】本実施形態に係るサーバ40が保険証に対して画像処理を実行する具体例を説明するための説明図である。
【
図6】本実施形態に係る情報処理システムの動作処理の一例を説明するための説明図である。
【
図7】本実施形態に係る情報処理システムの動作処理例を説明するための説明図である。
【
図8】本実施形態に係るサーバ40の動作処理例を説明するための説明図である。
【
図9】本実施形態に係るサーバ40のハードウェア構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
<<1.情報処理システムの概要>>
行政または民間などのサービスを利用するに当り、ユーザは申込データに加え、当該ユーザの身分を証明するための本人確認書類を提出する場合がある。そして、行政または民間企業などの確認者は、提出された各種データを確認する必要がある。
【0018】
例えば、確認者は、申込データの記載事項を確認し、ユーザおよび本人確認書類の動画データから、当該本人確認書類に含まれる各種印字情報に違和感がないか、また、本人確認書類の厚み等を確認することにより本人確認書類が偽造されていないかなどの確認を行う。
【0019】
一方、本人確認書類には、他者に提供してはいけない情報、または提供すべきでない情報が含まれている場合がある。
【0020】
そこで、本実施形態に係る情報処理システムは、本人確認書類を撮影して得られた複数のフレームの各々に対し、ユーザに関する所定の情報を含む対象領域に所定の情報を隠す画像処理を実行する。
【0021】
以下、本実施形態に係る情報処理システムが、ユーザの本人確認書類を撮影して得られた動画データに対し、ユーザの所定の情報を含む対象領域に所定の情報を隠す画像処理を実行する技術について、順次説明する。まずは、
図1を参照して、情報処理システムの概略を説明する。なお、以下の説明では、動画データを複数のフレームと表現する場合がある。
【0022】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概略を説明するための説明図である。本実施形態に係る情報処理システムは、ネットワーク1と、情報処理端末10と、審査端末20と、審査システム30と、サーバ40とを有する。
【0023】
(ネットワーク1)
ネットワーク1は、情報処理端末10および審査システム30と、審査端末20および審査システム30と、審査システム30およびサーバ40とをそれぞれ接続する。
【0024】
例えば、ネットワーク1Aは、無線通信WiFiを用いて、情報処理端末10および審査システム30を接続してもよい。
【0025】
また、ネットワーク1Bは、IEEEなどの規格に則った通信用のイーサネットケーブルなどの通信ケーブルによる広域インターネット回線や専用回線を用いて、審査端末20および審査システム30と、審査システム30およびサーバ40をそれぞれ接続してもよい。
【0026】
(情報処理端末10)
情報処理端末10は、あるサービスに申し込みを行うユーザにより利用される端末である。例えば、情報処理端末10は、例えば、
図1に示すように、PC(Personal Computer)10Aやスマートフォン10Bであってもよい。以下の説明では、情報処理端末10がPC10Aである例を主に説明する。
【0027】
(審査端末20)
審査端末20は、申込データおよび本人確認書類を確認する確認者により利用される端末である。例えば、審査端末20は、PC(Personal Computer)、スマートフォンまたはタブレット端末であってもよい。以下の説明では、
図1に示すように審査端末20がPCである例を主に説明する。
【0028】
(審査システム30)
審査システム30は、ユーザの申込データおよび本人確認書類の画像データを保持する。本実施形態に係る審査システム30は、例えばサーバやPCなどであってもよい。
【0029】
例えば、ユーザが利用する情報処理端末10は、申込データと、本人および本人確認書類を撮影して得られた動画データとを審査システム30に送信する。そして、審査システム30は、受信した当該申込データおよび動画データをサーバ40に送信する。なお、以下の説明では、本人および本人確認書類を撮影して得られた動画データを単に動画データと表現する場合がある。
【0030】
(サーバ40)
サーバ40は、情報処理装置の一例であり、ユーザの本人確認書類を撮影して得られた複数のフレームの各々に対し、前記ユーザに関する所定の情報を含む対象領域に所定の情報を隠す画像処理を実行する。
【0031】
以上、本実施形態に係る情報処理システムの概略を説明した。続いて、
図2を参照して、本実施形態に係る情報処理端末10の機能構成例を説明する。
【0032】
<<2.情報処理端末10の機能構成例>>
図2は本実施形態に係る情報処理端末10の機能構成例を説明するための説明図である。
【0033】
本実施形態に係る情報処理端末10は、
図2に示すように、カメラ部11と、操作部13と、表示部15と制御部17と、通信部19とを備える。
【0034】
カメラ部11は、ユーザおよびユーザの本人確認書類を撮影する。
【0035】
操作部13は、ユーザの操作を受け付ける。例えば、操作部13は、ユーザの操作により、申込みに関する各種情報の入力を受け付ける。
【0036】
なお、操作部13は、例えば、マウスやキーボードなどの各種入力装置であってもよい。
【0037】
表示部15は、申込画面などの各種情報を表示する。表示部15は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置であってもよい。
【0038】
制御部17は、情報処理端末10の動作全般に係る制御を行う。例えば、制御部17は、通信部19による各種通信の制御を行う。
【0039】
通信部19は、審査システム30との間で各種通信を行う。例えば、通信部19は、ユーザにより入力された申込データおよび動画データを審査システム30に送信する。
【0040】
以上、本実施形態に係る情報処理端末10に係る機能構成例を説明した。続いて、
図3を参照して、本実施形態に係る審査端末20および審査システム30の機能構成例を説明する。
【0041】
<<3.審査端末20および審査システム30の機能構成例>>
図3は、本実施形態に係る審査端末20および審査システム30の機能構成例を説明するための説明図である。まずは、本実施形態に係る審査端末20の機能構成例を説明する。
【0042】
本実施形態に係る審査端末20は、
図3に示すように、操作部21と、表示部23と、制御部25と、通信部27とを備える。
【0043】
操作部21は、確認者の操作入力を受け付ける。例えば、操作部21は、確認者により審査対象の選択に係る操作入力を受け付ける。
【0044】
なお、操作部21は、例えば、マウスやキーボードなどの各種入力装置であってもよい。
【0045】
表示部23は、審査対象として選択された申込データや処理後動画データを表示する。なお、処理後動画データに関する詳細は後述する。
【0046】
表示部23は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED装置であってもよい。
【0047】
制御部25は、審査端末20の動作全般に係る制御を行う。例えば、制御部25は、通信部27による各種通信を制御する。
【0048】
通信部27は、審査システム30との間で各種通信を行う。例えば、通信部27は、確認者により選択された審査対象に関する情報を審査システム30に送信する。
【0049】
また、通信部27は、送信した審査対象に対応する処理後動画データを審査システム30から受信する。
【0050】
以上、本実施形態に係る審査端末20の機能構成例を説明した。続いて、本実施形態に係る審査システム30の機能構成例を説明する。
【0051】
本実施形態に係る審査システム30は、
図3に示すように、データベース部31と、制御部33と、通信部35とを備える。
【0052】
データベース部31は、申込データや当該申込データに対応するユーザおよび本人確認書類の動画データなどの各種顧客情報を保持する。
【0053】
また、データベース部31は、サーバ40により画像処理が実行された処理後動画データを保持する。なお、データべース部31は、サーバ40から受信した処理後動画データを処理前の動画データに上書き保存してもよい。
【0054】
制御部33は、審査システム30の動作全般に係る制御を行う。例えば、制御部33は、通信部35による各種通信を制御する。
【0055】
通信部35は、審査端末20との間で各種通信を行う。また、通信部35は、サーバ40との間で各種通信を行う。
【0056】
例えば、通信部35は、情報処理端末10から受信した動画データをサーバ40に送信する。そして、通信部35は、当該動画データに画像処理が施された処理後動画データをサーバ40から受信する。
【0057】
また、通信部35は、審査端末20から審査対象に関する情報を受信し、当該審査対象に対応する申込データおよび処理後動画データを審査端末20に送信する。
【0058】
以上、本実施形態に係る審査システム30の機能構成例を説明した。続いて、
図4を参照し、本実施形態に係るサーバ40の機能構成例を説明する。
【0059】
<<4.サーバ40の機能構成例>>
図4は、本実施形態に係るサーバ40の機能構成例を説明するための説明図である。本実施形態に係るサーバ40は、
図3に示すように、データベース部41と、通信部43と、制御部45とを備える。
【0060】
データベース部41は、ある基準となる本人確認書類および当該本人確認書類に含まれる所定の情報の位置を保持する。
【0061】
通信部43は、審査システム30との間で各種通信を行う。例えば、通信部43は、審査システム30から、ユーザおよびユーザの本人確認書類を撮影して得られた動画データを受信する。また、通信部43は、受信した動画データに画像処理を実行した処理後動画データを審査システム30に送信する。
【0062】
制御部45は、サーバ40の動作全般に係る制御を行う。
図4に示すように、サーバ40は、学習部451と、推定器453と、画像処理部455とを備える。
【0063】
学習部451は、ある基準となる本人確認書類と、本人確認書類に含まれる所定の情報の位置との組みを教師データとする機械学習技術により学習データを生成する。
【0064】
また、学習部451は、本人確認書類が把持されている画像、光の反射や白飛び、回転、カード部分の拡大・縮小、または背景などの各種パラメータを調整した画像をある基準となる本人確認書類として学習してもよい。
【0065】
推定器453は、検出部の一例であり、ユーザの本人確認書類の動画データからユーザに関する所定の情報を検出する。例えば、推定器453は、ユーザの本人確認書類の動画データを入力し、当該動画データに含まれる複数のフレームの各々から、ユーザに関する所定の情報を検出し、当該所定の情報の位置を推定する。なお、推定器453の機能は、学習部451により生成された学習データにより得られる。
【0066】
また、推定器453は、ユーザの本人確認書類の動画データの画素値を所定数に変換してもよい。これにより、推定器453は、より高い精度で複数のフレームの各々から、ユーザに関する所定の情報および当該所定の情報の位置を推定し得る。
【0067】
画像処理部455は、本人確認書類の動画データに含まれる複数のフレームの各々に対し、ユーザに関する所定の情報を含む対象領域に所定の情報を隠す画像処理を実行する。画像処理に係る具体例は後述する。
【0068】
以上、本実施形態に係るサーバ40の機能構成例を説明した。続いて、
図5を参照して、本実施形態に係る画像処理の具体例を説明する。
【0069】
<<5.所定の情報を隠す画像処理に係る具体例>>
図5は、本実施形態に係るサーバ40が保険証に対して画像処理を実行する具体例を説明するための説明図である。なお、
図5に示す保険証Cは、本人確認書類の一例である。なお、本実施形態に係る本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカード等であってもよい。
【0070】
2020年10月1日より施工された健康保険法改正により、健康保険事業遂行等の目的以外で、被保険者の記号M1、番号M2および保険者番号M3等の告知を求めることが禁止された。
【0071】
そのような背景もあり、本人確認書類として健康保険証の写しを提出する際に、ユーザ、あるいは審査側の端末は、ユーザの健康保険証の所定の情報を含む対象領域に対し、所定の情報を隠す画像処理を実行する必要が生じた。なお、所定の情報を隠す画像処理は、
図5に示すようなモザイク処理やマスキング処理やコントラスト低下処理などの所定の情報が隠れる程度の任意の画像処理であってもよい。
【0072】
例えば、推定器453は、動画データに含まれる複数のフレームの各々からカード券面(記号M1や番号M2などの情報が付されている面)の特徴に合致する領域を検出する。そして、画像処理部455は、動画データに含まれる複数のフレームの各々に対し、所定の情報を含む対象領域にモザイク処理などの画像処理を実行し、処理後動画データを生成する。
【0073】
また、確認者は、処理後動画データから保険証Cがコピーなどでない、本人確認書類そのものかを判別する必要がある。この場合、ユーザが、例えば保険証Cを回転させた動画データを提出することにより、確認者は、保険証Cの厚みを確認することで保険証Cが本人確認書類そのものか否かを判別し得る。
【0074】
一方、画像処理部455は、推定器453により検出された所定の情報に対し、画像処理を実行するが、例えば、複数のフレームのうちカード券面を検出したフレーム以外のフレームにおいても、確認者が所定の情報を視認できるフレームが存在する可能性がある。
【0075】
そこで、本実施形態に係る画像処理部455は、所定の情報が最初に検出されたフレームより所定数前にあるフレームから、所定の情報が最後に検出されたフレームより所定数後にあるフレームまでに対し、対象領域に所定の情報を隠す画像処理を実行してもよい。
【0076】
例えば、推定器453は、券面未検出から券面検出に遷移する遷移タイミング1と、券面検出から券面未検出に遷移する遷移タイミング2を推定してもよい。この場合、画像処理部455は、遷移タイミング1より所定数前のフレームから、遷移タイミング2より所定数後のフレームまでの各フレーム対して、所定の情報にモザイク処理などの画像処理を実行してもよい。これにより、画像処理部455は、推定器453が所定の情報を検出し得なかったフレームに対しても、モザイク処理などの画像処理を実行することにより、所定の情報が確認者に視認される可能性をより低減し得る。
【0077】
以上、本実施形態に係る所定の情報を隠す画像処理の具体例を説明した。続いて
図6~
図8を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの動作を順次説明する。
【0078】
<<6.本実施形態に係る情報処理システムの動作処理例>>
図6は、本実施形態に係る情報処理システムの動作処理の一例を説明するための説明図である。まず、情報処理端末10は、申込データと本人および本人確認書類が撮影された動画データをアップロードする(S101)。
【0079】
そして、審査システム30は、アップロードされた対象データを一時保存する(S105)。
【0080】
次に、サーバ40は、一時保存された本人および本人確認書類が撮影された動画データを受信する(S109)。
【0081】
そして、サーバ40は、対象領域に所定の情報を隠す画像処理を実行する(S113)。
【0082】
そして、サーバ40は、処理後動画データを審査システムに送信する(S117)。
【0083】
そして、審査システム30は、処理後動画データを一時保存していた動画データに置き換えて保存し(S121)、情報処理システムは、本実施形態に係る情報処理システムは動作処理を終了する。
【0084】
以上、本実施形態に係る情報処理システムの動作処理例を説明した。続いて、
図7を参照して、確認者が審査対象を審査する際における情報処理システムの動作処理例を説明する。
【0085】
図7は、本実施形態に係る情報処理システムの動作処理例を説明するための説明図である。まず、審査端末20は、確認者により未審査データが照会され、審査対象データが選択される(S201)。
【0086】
そして、審査システム30は、確認者により選択された審査対象に対応する申込データおよび処理後動画データを審査端末20に送信する(S205)。
【0087】
次に、審査端末20は、受信した申込データおよび処理後動画データを表示する(S209)。
【0088】
そして、審査端末20は、確認者により行われた審査の判定結果を審査システム30に送信する(S213)。
【0089】
そして、審査システム30は、審査結果を保管し(S217)、本実施形態に係る情報処理システムは動作処理を終了する。
【0090】
以上、確認者が審査対象を審査する際における情報処理システムの動作処理例を説明した。続いて、
図8を参照して、本実施形態に係るサーバ40が対象領域に対し、画像処理を実行する動作処理例を説明する。
【0091】
図8は、本実施形態に係るサーバ40の動作処理例を説明するための説明図である。まず通信部35は、ユーザおよびユーザの本人確認書類を撮影して得られた動画データを受信する(S301)。
【0092】
続いて、推定器453は、受信した動画データから本人確認書類の券面を検出する(S305)。
【0093】
そして、推定器453は、券面未検出状態から券面検出状態に遷移するタイミングを特定する(S309)。
【0094】
次に、推定器453は、券面未検出状態から券面検出状態に遷移するタイミングを特定する(S313)。
【0095】
そして、推定器453は、画像処理を実行するフレームおよび対象領域を決定し、記憶する(S317)。
【0096】
そして、画像処理部455は、対象領域に所定の情報を隠す画像処理を実行する(S321)。
【0097】
そして、通信部43は、処理後動画データを審査システム30に送信し(S325)、本実施形態に係るサーバ40は動作処理を終了する。
【0098】
以上、本実施形態に係るサーバ40の動作処理例を説明した。続いて、本実施形態の作用効果を説明する。
【0099】
<<7.本実施形態の作用効果>>
以上説明した本実施形態によれば、多様な作用効果が得られる。例えば、本実施形態に係るサーバ40によれば、動画データに対し、ユーザに関する所定の情報を含む対象領域に所定の情報を隠す画像処理を実行することで、ユーザによるマスキングなどの手間を削減し、かつ、マスキング等の実施漏れの可能性も低減し得る。
【0100】
また、推定器453は、学習部451により生成された学習データを用いることにより、光の反射などの外乱を考慮することが可能になり、所定の情報をより高い精度で検出し得る。
【0101】
<<8.本実施形態に係るサーバ40のハードウェア構成>>
以上説明した情報処理は、ソフトウェアと以下に説明するサーバ40のハードウェアとの協働により実現される。なお、以下に説明するハードウェア構成は情報処理端末10、審査端末20および審査システム30にも適用可能である。
【0102】
図9は、本実施形態に係るサーバ40のハードウェア構成を示したブロック図である。サーバ40は、CPU(Central Processing Unit)402と、ROM(Read Only Memory)404と、RAM(Randome Access Memory)406と、内部バス408と、入出力インターフェース410と、表示部412と、入力部413と、音声出力部414と、記憶部415と、ドライブ416と、ネットワークインターフェース417と、外部インターフェース418と、を備えることができる。
【0103】
CPU402は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従ってサーバ40内の動作全般を制御する。CPU402が後述するROM404、RAM406及びソフトウェアと協働することにより、例えば、学習部451、推定器453、および画像処理部455などの機能が実現され得る。
【0104】
ROM404は、CPU402が使用するプログラムおよび演算パラメータ等を記憶する。RAM406は、CPU402の実行において使用するプログラム、およびその実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。
【0105】
CPU402、ROM404、RAM406は、内部バス408によって相互に接続され、さらに入出力インターフェース410を介して後述する表示部412、入力部413、音声出力部414、記憶部415、ドライブ416、ネットワークインターフェース417、外部インターフェース418と接続される。
【0106】
表示部412は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED装置などの表示装置であり、映像データを映像に変換して出力する。また、入力部413は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、センサ、スイッチ及びレバーなどメンバーが情報を入力するための入力手段と、メンバーによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU402に出力する入力制御回路などから構成され得る。また、音声出力部414は、スピーカ及びヘッドホンなどの音声出力装置であり、音声データなどを音声に変換して出力する。
【0107】
記憶部415は、本実施形態にかかるデータベース部41の一例として構成されたデータ記憶用の装置である。記憶部415は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置及び記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。記憶部415は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid Strage Drive)、あるいは同等の機能を有するメモリ等で構成される。この記憶部415は、ストレージを駆動し、CPU402が実行するプログラムや各種データを記憶する。
【0108】
ドライブ416は、記憶媒体用リーダライタであり、サーバ40に内蔵、または外付けされる。ドライブ416は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記憶媒体に記憶されている情報を読み出して、RAM406に出力する。また、ドライブ416は、リムーバブル記憶媒体に情報を書き込むことも可能である。
【0109】
ネットワークインターフェース417は、例えば、インターネットなどの通信網に接続するためのデバイス等で構成された通信インターフェースである。また、ネットワークインターフェース417は、有線LAN(Local Area Network)または無線LAN対応通信装置であってもよいし、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0110】
外部インターフェース418は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS-232Cポートまたは光オーディオ端子などのような外部接続機器を接続するための接続ポートで構成された接続インターフェースである。
【0111】
<<9.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0112】
例えば、本実施形態に係る情報処理端末10、審査端末20、審査システム30およびサーバ40の動作の処理におけるステップは、必ずしも説明図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、情報処理端末10、審査端末20、審査システム30およびサーバ40の動作の処理における各ステップは、説明図として記載した順序と異なる順序で処理されてもよく、並列的に処理されてもよい。
【0113】
また、情報処理端末10、審査端末20、審査システム30およびサーバ40に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した情報処理端末10、審査端末20、審査システム30およびサーバ40の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。
【0114】
また、推定器453は、動画データに含まれる複数のフレームのうち、一部のフレームに対して所定の情報を検出し、また、所定の情報の位置を推定してもよい。これにより、複数の動画データや大量の動画データに対する画像処理などにおいて、CPUやメモリなどに生じ得る負荷を低減し得る。
【符号の説明】
【0115】
10 情報処理端末
11 カメラ部
13 操作部
15 表示部
17 制御部
19 通信部
20 審査端末
21 操作部
23 表示部
25 制御部
27 通信部
30 審査システム
31 データベース部
33 制御部
35 通信部
40 サーバ
41 データベース部
43 通信部
45 制御部
451 学習部
453 推定器
455 画像処理部