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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150373
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ホイールナット締付具
(51)【国際特許分類】
   B25B 23/14 20060101AFI20220929BHJP
   B25B 21/00 20060101ALI20220929BHJP
   B23P 19/06 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
B25B23/14 640D
B25B21/00 H
B23P19/06 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052951
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】597095120
【氏名又は名称】株式会社岡常歯車製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】高部 義幸
(72)【発明者】
【氏名】野田 一行
【テーマコード(参考)】
3C038
【Fターム(参考)】
3C038AA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タイヤホイールナットに対して同時に締付けを行うホイールナット締付具において、大小相違するホイールピッチに対応可能なホイールナット締付具を提供する。
【解決手段】タイヤホイールに付設された複数個のホイールナットに対応させる複数個のソケット1を、平盤状ケーシング3の前面から突出状として配設し、上記平盤状ケーシングの外周縁3Cに沿って移動可能に手動操作レバー2を突設し、さらに、回転駆動工具5に連動連結自在な入力軸6を、上記平盤状ケーシングの後面の中心から突出状に有し、該入力軸の回転トルクを、上記平盤状ケーシングに内蔵したギア群を介して、上記ソケットに伝達するよう構成し、上記手動操作レバーを上記外周縁に沿って移動させると、ソケット配設ピッチ円の直径を増減させて、複数個の上記ホイールナットのホイールピッチ円に一致させる全ソケットラジアル位置同時調整手段を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤホイールに付設された複数個のホイールナットに対応させる複数個のソケット(1)を、平盤状ケーシング(3)の前面(3F)から突出状として、配設し、
上記平盤状ケーシング(3)の外周縁(3C)に沿って移動可能に手動操作レバー(2)を突設し、
さらに、回転駆動工具(5)に連動連結自在な入力軸(6)を、上記平盤状ケーシング(3)の後面(3B)の中心から突出状に有し、
該入力軸(6)の回転トルクを、上記平盤状ケーシング(3)に内蔵したギア群(G100 )を介して、上記ソケット(1)に伝達するよう構成し、
上記手動操作レバー(2)を上記外周縁(3C)に沿って移動させると、ソケット配設ピッチ円(P1 )の直径(D1 )を、増減させて、複数個の上記ホイールナットのホイールピッチ円に一致させる全ソケットラジアル位置同時調整手段(Y)を、
具備することを特徴とするホイールナット締付具。
【請求項2】
上記平盤状ケーシング(3)は、
前面壁部(12)と第1外周壁部(13)とを有する円形浅皿状の第1外板(11)と、
後面壁部(16)と第2外周壁部(17)とを有する円形浅皿状の第2外板(15)と、
上記第1外板(11)と第2外板(15)によって形成される円形盤状空間(K)に収納されると共に、上記手動操作レバー(2)が固設された中板(20)とを、備え、
上記第1外周壁部(13)と第2外周壁部(17)とを、相互に嵌合した状態で、上記手動操作レバー(2)が、ラジアル方向に挿通される周方向窓部(8)が、形成されている
請求項1記載のホイールナット締付具。
【請求項3】
上記全ソケットラジアル位置同時調整手段(Y)は、
上記入力軸(6)の軸心(L6 )の一方向(X6 )から見て、上記第1外板(11)と第2外板(15)には、相互に重なり合う同一形状の円弧状ガイド溝(21)が貫設され、
さらに、上記中板(20)には、上記入力軸(6)の軸心(L6 )の一方向(X6 )から見て、上記第1外板(11)と第2外板(15)の上記円弧状ガイド溝(21)に対してX字状に交叉する傾斜状ガイド溝(23)が、貫設され、
上記第1外板(11)と第2外板(15)の上記円弧状ガイド溝(21)と、上記中板(20)の上記傾斜状ガイド溝(23)との、交叉点(Om )の各々に、上記ソケット(1)の軸部(10)の軸心点(O10)の各々を、一致させつつ全ての該ソケット(1)のラジアル方向位置を同時に調整するように構成した請求項2記載のホイールナット締付具。
【請求項4】
上記ギア群(G100 )は、
上記入力軸(6)に固設された太陽ギア(G1 )と、
該太陽ギア(G1 )の周囲に等ピッチにて配設されて、該太陽ギア(G1 )に噛合する複数の遊星ギア(G2 )と、
上記ソケット(1)が取着されるソケット用軸部(10)に固着されると共に、上記遊星ギア(G2 )に噛合するソケット用ギア(G3 )とから、
構成されている請求項1,2又は3記載のホイールナット締付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のタイヤホイールに対して、複数個のホイールナットを締付けるホイールナット締付具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホイールナット締付具として、複数個のホイールナットを同時に締付ける工具として、図17に示すように、複数個のソケット51をケーシング52の前面52Aから突出状として配設し、そのケーシング52の内部に複数のギア54を設け、かつ、ケーシング52の後面52Bに、電動回転工具53を一体状に取付けた構造のものが知られている(特許文献1)。
従来のこのようなホイールナット締付具は、同一のホイールピッチのタイヤに対しては、好適なものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3313923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のホイールナット締付具(図17及び特許文献1参照)では、ホイールピッチが相違する種々の自動車を修理する必要がある自動車修理工場等に於ては、多種類のホイールナット締付具を一揃え準備せねばならないという問題があった。
【0005】
また、電動回転工具53の寿命が長いのに対し、ギア54及びソケット51等から成る付属部位の耐久性が短いために、全体一体構造の図17に示すホイールナット締付具を、比較的短い使用期間で廃棄せねばならないという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は、タイヤホイールに付設された複数個のホイールナットに対応させる複数個のソケットを、平盤状ケーシングの前面から突出状として、配設し;上記平盤状ケーシングの外周縁に沿って移動可能に手動操作レバーを突設し;さらに、回転駆動工具に連動連結自在な入力軸を、上記平盤状ケーシングの後面の中心から突出状に有し;該入力軸の回転トルクを、上記平盤状ケーシングに内蔵したギア群を介して、上記ソケットに伝達するよう構成し;上記手動操作レバーを上記外周縁に沿って移動させると、ソケット配設ピッチ円の直径を、増減させて、複数個の上記ホイールナットのホイールピッチ円に一致させる全ソケットラジアル位置同時調整手段を;具備する構成である。
【0007】
また、上記平盤状ケーシングは;前面壁部と第1外周壁部とを有する円形浅皿状の第1外板と;後面壁部と第2外周壁部とを有する円形浅皿状の第2外板と;上記第1外板と第2外板によって形成される円形盤状空間に収納されると共に、上記手動操作レバーが固設された中板とを、備え;上記第1外周壁部と第2外周壁部とを、相互に嵌合した状態で、上記手動操作レバーが、ラジアル方向に挿通される周方向窓部が、形成されている。
【0008】
また、上記全ソケットラジアル位置同時調整手段は;上記入力軸の軸心の一方向から見て、上記第1外板と第2外板には、相互に重なり合う同一形状の円弧状ガイド溝が貫設され;さらに、上記中板には、上記入力軸の軸心の一方向から見て、上記第1外板と第2外板の上記円弧状ガイド溝に対してX字状に交叉する傾斜状ガイド溝が、貫設され;上記第1外板と第2外板の上記円弧状ガイド溝と、上記中板の上記傾斜状ガイド溝との、交叉点の各々に、上記ソケットの軸部の軸心点の各々を、一致させつつ全ての該ソケットのラジアル方向位置を同時に調整するように構成した。
【0009】
また、上記ギア群は;上記入力軸に固設された太陽ギアと;該太陽ギアの周囲に等ピッチにて配設されて、該太陽ギアに噛合する複数の遊星ギアと;上記ソケットが取着されるソケット用軸部に固着されると共に、上記遊星ギアに噛合するソケット用ギアとから;構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るホイールナット締付具によれば、大小相違するホイールピッチに対応可能となり、自動車修理工場等の作業現場に、1個のホイールナット締付具を備えておくだけで、種々の車両(のタイヤ)に対応自在である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の一形態を示す側面図である。
図2】斜視図である。
図3】中板の一例を示す図であって、(A)は正面図、(B)は(A)のa-a断面図である。
図4】第2外板の正面図である。
図5】第2外板の平面図である。
図6】第1外板の正面図である。
図7】第1外板の平面図である。
図8】要部断面側面図である。
図9】ホイールピッチが150mmの場合に対応した状態を示す要部正面説明図である。
図10】ホイールピッチが140mmの場合に対応した状態を示す要部正面説明図である。
図11】ホイールピッチが114mmの場合に対応した状態を示す要部正面説明図である。
図12】ホイールピッチが150mmの場合に対応した状態を示す要部説明図である。
図13】ホイールピッチが140mmの場合に対応した状態を示す要部説明図である。
図14】ホイールピッチが120mmの場合に対応した状態を示す要部説明図である。
図15】ホイールピッチが114mmの場合に対応した状態を示す要部説明図である。
図16】ホイールピッチが100mmの場合に対応した状態を示す要部説明図である。
図17】従来例を示す一部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1に示す本発明の実施の一形態に於て、3は円形の平盤状ケーシングであって、その前面3Fから突出状として、複数個のソケット1が配設されている。
このソケット1の個数は、自動車のタイヤホイールナットの個数と同じとする。つまり、各タイヤホイールナットに各ソケット1が対応する。図例では5個の場合を例示している。
【0013】
また、図1図2に示すように、(円形)平盤状ケーシング3の外周縁3Cに沿って移動可能として、手動操作レバー2が、突設されている。そして、電動(又は空圧若しくは油圧作動)の回転駆動工具5の出力回転筒部5Aに連動連結自在な入力軸6が、平盤状ケーシング3の後面3Bから突設されている。
具体的には、円形状の後面3Bの中心から、六角棒状の入力軸6が、後方へ突出状であり、これに回転駆動工具5の出力回転筒部5Aが(接続分離自在として)連結接続できる。
【0014】
そして、図1図2、及び、(後述する)図9図16に示すように、上記手動操作レバー2をケーシング3の外周縁3Cに沿って移動させると、ソケット配設ピッチ円P1 の直径D1 を、増減させて、複数個のホイールナットのホイールピッチ円に一致させる全ソケットラジアル位置同時調整手段Yを、具備している。
【0015】
ここで、平盤状ケーシング3について、具体的にその構造・形状等を説明する。
図1図8に於て、この平盤状ケーシング3は、前面壁部12と第1外周壁部13とを有する円形浅皿状の第1外板11を、有する(図7参照)。さらに、後面壁部16と第2外周壁部17とを有する円形浅皿状の第2外板15を有する(図5参照)。
【0016】
そして、上記第1外板11と第2外板15によって形成される円形盤状空間Kに収納される円形状中板20とを、備える。
上記第1外周壁部13と第2外周壁部17とを、相互に嵌合した状態で、(図2に示すように、)手動操作レバー2が、ラジアル方向に挿通される周方向窓部8が、形成されている。
【0017】
図7に示すように、第1外板11の第1外周壁部13には切欠状凹部13Aが形成され、さらに、図5に示すように、第2外板15には、底辺に沿って(四角状)凹凸歯部15Aを有する切欠状凹部15Cが形成される。
従って、図2に示したように、第1外板11と第2外板15とを、相互に嵌合して合体した状態では、周方向窓部の一辺には、凹凸歯部15Aが形成され、この凹凸歯部15Aに手動操作レバー2の基部の小突出子2Aが、係合可能である。
【0018】
次に、全ソケットラジアル位置同時調整手段Yについて、以下説明する。
図1に示すように、入力軸6の軸心L6 の一方向X6 から見て、第1外板11と第2外板15には、相互に重なり合って見える同一形状の円弧状ガイド溝21が貫設されている(図4図6参照)。さらに、この円弧状ガイド溝21の円弧を含む円の中心点の位置に、小円孔22が貫設されている。ソケット1の個数に対応して、同数の円弧状ガイド溝21・小円孔22が、配設される(図例では、5個の場合を示す)。
【0019】
各円弧状ガイド溝21は、第1外板11の円の中心点O11、及び、第2外板15の円の中心点O15からの半径線に対して、大きな角度をもって傾斜状に配設されている。
さらに、中板20には、図12図16に示すように、前記一方向L6 (図1参照)から見て、第1外板11と第2外板15の上記円弧状ガイド溝21に対してX字状に交叉する傾斜状ガイド溝23が、貫設されている(図3参照)。
【0020】
そして、第1外板11と第2外板15の円弧状ガイド溝21と、中板20の傾斜状ガイド溝23との、交叉点Om の各々に、ソケット1の軸部10を挿通することによって、その軸部10の軸心点O10の各々を、上記交叉点Om に一致させつつ、全てのソケット1のラジアル方向位置を、同時に調整するように、全ソケットラジアル位置同時調整手段Yが構成されている。
【0021】
そして、入力軸6の回転(回転トルク)を、平盤状ケーシング3に内蔵したギア群G100 を介して、ソケット1(の軸部10)に伝達する。
このギア群G100 は、図8、及び、図9図11に示すように、以下のような構成である。
即ち、入力軸6に(大径の)太陽ギアG1 を固設する。さらに、太陽ギアG1 の周囲に等ピッチにて複数(図9図11の図例では5個)の小型の遊星ギアG2 を配設する。
【0022】
さらに、ソケット1が取着されるソケット用軸部10に固着されると共に、遊星ギアG2 に常に噛合するようにソケット用ギアG3 を配設する。このソケット用ギアG3 は、遊星ギアG2 に対して、一対一で対応するように、複数個(図例では5個)配設されている。
このように、図示の実施形態では、ギア群G100 は、上記太陽ギアG1 と遊星ギアG2 とソケット用ギアG3 とから、構成されている。
【0023】
しかも、ソケット用ギアG3 は、ソケット用軸部10に固着一体化されているので、図12図16等に於て、既に説明したように、円弧状ガイド溝21に沿って移動すると共に、ソケット配設ピッチ円P1 の直径D1 の大小に対応できる。
つまり、図9図10図11は、各々、ソケット配設ピッチ円P1 が、150mm,140mm,114mmの場合を示しており、図12図13図15に各々対応した状態を示す。
【0024】
以上説明したように、図8図11に例示したギア群G100 の構成と、図12図15に例示した全ソケットラジアル位置同時調整手段Yとは、巧妙に結合されて、種々のソケット配設ピッチ円P1 に対応してソケット1のラジアル位置を調整自在であり、しかも、回転駆動工具5から、一本の入力軸6に付与される回転トルクを、複数のソケット用軸部10に、円滑に均等分割しつつ伝達できる。
【0025】
なお、本発明に於て、ホイールナットの「締付け」とは、「仮締付け」をも包含している。つまり、本発明によって、「仮締付け」を行った後に、スパナやトルクレンチ等にて、規定トルクをもって最終的締付けを行う工程を付加しても良い。勿論、本発明は、ホイールナットの「締付け」の他に、ホイールナットの「脱着」に使用することも可能である。
【0026】
本発明は、以上詳述したように、タイヤホイールに付設された複数個のホイールナットに対応させる複数個のソケット1を、平盤状ケーシング3の前面3Fから突出状として、配設し;上記平盤状ケーシング3の外周縁3Cに沿って移動可能に手動操作レバー2を突設し;さらに、回転駆動工具5に連動連結自在な入力軸6を、上記平盤状ケーシング3の後面3Bの中心から突出状に有し;該入力軸6の回転トルクを、上記平盤状ケーシング3に内蔵したギア群G100 を介して、上記ソケット1に伝達するよう構成し;上記手動操作レバー2を上記外周縁3Cに沿って移動させると、ソケット配設ピッチ円P1 の直径D1 を、増減させて、複数個の上記ホイールナットのホイールピッチ円に一致させる全ソケットラジアル位置同時調整手段Yを;具備する構成であるので、ホイールピッチD1 が相違する多種多様な自動車についてタイヤ交換等の作業が必要な現場に於て、本発明に係るホイールナット締付具は、手動操作レバー2を操作すれば、(図9図11、及び、図12図16に例示した如く、)容易かつ迅速に、ホイールピッチD1 を、大・中・小と、変更自在であり、自動車毎に異なったホイールピッチD1 を有する(複数個の)全てのホイールナットに各ソケット1を同時に嵌合出来ると共に、直ちに回転駆動工具5のスイッチを押圧しつつ全ての上記ホイールナットを同時に締付けることができ、あるいは、逆に、全てのホイールナットを同時に緩めることができる。このように、作業能率が著しく改善される。
さらに、本発明によれば、ホイールピッチD1 が相違するホイールに対して、1個のホイールナット締付具をもって対応できるため、ホイールピッチD1 が相違したタイヤについて、交換等の作業が必要な作業現場に於て、工具保管場所が狭くてもよくなると共に、締付具を複数個、買い揃える必要もなく、経済的利点も大きい。
【0027】
また、本発明は、上記平盤状ケーシング3は;前面壁部12と第1外周壁部13とを有する円形浅皿状の第1外板11と;後面壁部16と第2外周壁部17とを有する円形浅皿状の第2外板15と;上記第1外板11と第2外板15によって形成される円形盤状空間Kに収納されると共に、上記手動操作レバー2が固設された中板20とを、備え;上記第1外周壁部13と第2外周壁部17とを、相互に嵌合した状態で、上記手動操作レバー2が、ラジアル方向に挿通される周方向窓部8が、形成されている構成であるので、ケーシング3の厚みが薄く、軽量かつシンプルに形成できる。作業者にとって取扱い易く、作業能率向上が図り得る。
【0028】
また、上記全ソケットラジアル位置同時調整手段Yは;上記入力軸6の軸心L6 の一方向X6 から見て、上記第1外板11と第2外板15には、相互に重なり合う同一形状の円弧状ガイド溝21が貫設され;さらに、上記中板20には、上記入力軸6の軸心L6 の一方向X6 から見て、上記第1外板11と第2外板15の上記円弧状ガイド溝21に対してX字状に交叉する傾斜状ガイド溝23が、貫設され;上記第1外板11と第2外板15の上記円弧状ガイド溝21と、上記中板20の上記傾斜状ガイド溝23との、交叉点Om の各々に、上記ソケット1の軸部10の軸心点O10の各々を、一致させつつ全ての該ソケット1のラジアル方向位置を同時に調整するように構成したので、全ソケットラジアル位置同時調整手段Yは、厚み寸法が小さい薄型のケーシング3に対して、高精度にホイールピッチD1 を調整自在として、比較的シンプルかつ円滑に作動自在として、形成できた。特に、全体が軽量であり、かつ、部品点数も増加せず、厚さ寸法も小さく、作業者の手によって、ホイールピッチD1 を円滑に、かつ、正確に、操作可能である。
【0029】
また、上記ギア群G100 は;上記入力軸6に固設された太陽ギアG1 と;該太陽ギアG1 の周囲に等ピッチにて配設されて、該太陽ギアG1 に噛合する複数の遊星ギアG2 と;上記ソケット1が取着されるソケット用軸部10に固着されると共に、上記遊星ギアG2 に噛合するソケット用ギアG3 とから;構成されているので、種々のソケット配設ピッチ円P1 に対応してソケット1のラジアル位置を調整自在であり、しかも、回転駆動工具5から、一本の入力軸6に付与される回転トルクを、複数のソケット用軸部10に、円滑に均等分割しつつ伝達できる。
【符号の説明】
【0030】
1 ソケット
2 手動操作レバー
3 平盤状ケーシング
3B 後面
3C 外周面
3F 前面
5 回転駆動工具
6 入力軸
8 周方向窓部
10 ソケット用軸部
11 第1外板
12 前面壁部
13 第1外周壁部
15 第2外板
16 後面壁部
17 第2外周壁部
20 中板
21 円弧状ガイド溝
23 傾斜状ガイド溝
1 直径
1 太陽ギア
2 遊星ギア
3 ソケット用ギア
100 ギア群
K 円形盤状空間
6 軸心
10 軸心点
Om 交叉点
1 ソケット配設ピッチ円
6 一方向
Y 全ソケットラジアル位置同時調整手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17