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  • 特開-磁気粘性流体装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150405
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】磁気粘性流体装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 35/00 20060101AFI20220929BHJP
   F16F 9/53 20060101ALI20220929BHJP
   F16D 37/02 20060101ALI20220929BHJP
   F16D 63/00 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
F16D35/00 631D
F16F9/53
F16D37/02 Z
F16D63/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052989
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 仁志
(72)【発明者】
【氏名】上嶋 優矢
(72)【発明者】
【氏名】古家 知弘
(72)【発明者】
【氏名】末廣 隆史
【テーマコード(参考)】
3J058
3J069
【Fターム(参考)】
3J058AB27
3J058BA67
3J058CC13
3J058CD30
3J069AA41
3J069DD25
3J069EE35
(57)【要約】
【課題】磁気粘性流体の劣化を抑え長期に亘り安定して作動する回転型の磁気粘性流体装置を実現できるようにする。
【解決手段】磁気粘性流体装置は、磁気粘性流体200の所定厚さの層を挟んで相対回転する第1の部材101及び第2の部材102と、磁界発生部128とを備えている。磁気粘性流体200の分散媒は、25℃における粘度が0.03Pa以上、5.0Pa以下のポリαオレフィン油である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気粘性流体と、
前記磁気粘性流体の所定厚さの層を挟んで相対回転する第1の部材及び第2の部材と、
磁界を発生させる磁界発生部とを備え、
前記磁気粘性流体の分散媒は、25℃における粘度が0.03Pa以上、5.0Pa以下のポリαオレフィン油である、磁気粘性流体装置。
【請求項2】
前記磁界発生部は、第1の部材と第2の部材との間に挟まれた磁気粘性流体の層を厚さ方向に横切るように磁路を形成する、請求項1に記載の磁気粘性流体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、磁気粘性流体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気粘性(Magneto Rheological:MR)流体は、鉄(Fe)等の磁性粒子をオイル等の分散媒に分散させた流体である。MR流体は、磁界の作用がない場合には分散媒中に磁性粒子がランダムに浮遊している。MR流体に外部から磁界を作用させると、磁界の向きに沿って磁性粒子が多数のクラスタを形成し、降伏応力が増大する。このようにMR流体は電気信号によってレオロジー特性又は力学的な性質を容易に制御できる材料であるため、種々の分野への応用が検討されている。現状では自動車向けショックアブソーバ及び建設機械向けシートダンパ等の直動型のMR流体装置として主に用いられているが、クラッチやブレーキといった回転型のMR流体装置への応用も進められている。
【0003】
回転型のMR流体装置は、2つの相対回転する部材の間にMR流体が充填されており、磁界を発生させてMR流体の粘性を変化させることにより、2つの部材の間のトルクの伝達を制御する(例えば、特許文献1を参照。)。このような回転型のMR流体装置は小型化すると共に、効率良くトルクの伝達が行えるようにすることが求められている。このため、MR流体の使用量をできるだけ少なくすると共に、MR流体全体に占めるトルクを伝達する2つの部材の間に充填され、MR効果を発揮するMR流体の割合をできるだけ大きくすることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-181778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、MR流体全体に占めるMR効果を発揮する部分の割合を大きくすると、MR流体の劣化が生じやすくなることを本願発明者らは見いだした。ダンパ等の直動型のMR流体装置の場合、装置内に充填されているMR流体のうち、運動エネルギーの消散に寄与するのは、オリフィス部分に存在するものだけである。一方、小型化された回転デバイスの場合、MR流体は、相対回転する2つの部材の間にしか充填されておらず、そのほぼすべてがトルクの伝達に寄与する。このため、回転型のMR流体装置は、直動型のMR流体装置と比べてMR流体の全体量が少ないだけでなく、トルクの伝達に寄与しないMR流体の割合が小さいため、劣化が生じやすくなる。
【0006】
本開示の課題は、磁気粘性流体の劣化を抑えた回転型の磁気粘性流体装置を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の磁気粘性流体装置は、磁気粘性流体と、磁気粘性流体の所定厚さの層を挟んで相対回転する第1の部材及び第2の部材と、磁界発生部とを備え、磁気粘性流体の分散媒は、25℃における粘度が0.03Pa以上、5.0Pa以下のポリαオレフィン油である。
【0008】
本開示の磁気粘性流体装置は、磁気粘性流体の分散媒が、粘度が0.03Pa以上、5.0Pa以下のポリαオレフィン油である。このため、回転型の磁気粘性流体装置であっても、磁気粘性流体の劣化が生じにくく、長期間に亘って安定に動作させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の磁気粘性流体装置によれば、磁気粘性流体の劣化を抑え長期に亘り安定に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態の磁気粘性流体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態の磁気粘性(MR)流体装置は、図1に示すように、回転型のMR流体装置であり、相対回転する第1の部材と、第2の部材とを有している。本実施形態において、第1の部材はロータ101であり、第2の部材はケース102である。
【0012】
ロータ101は円盤状であり、中心にシャフト112の一方の端部が接続されている。ロータ101と一体に回転する。ロータ101は磁性体であることが好ましいが、非磁性体とすることもできる。
【0013】
ケース102は、第1ケース121と第2ケース122とを有しており、第1ケース121と第2ケース122との間には、ロータ101を収容する空洞が形成されている。空洞には、磁気粘性流体(MR流体)200が充填されている。空洞の第1ケース121側の面121aとロータ101の第1主面101aとの間には厚さt1のMR流体の層が存在し、空洞の第2ケース122側の面122aとロータ101の第2主面101bとの間には厚さt2のMR流体の層が存在している。
【0014】
第2ケース122は、シャフト112が通る軸孔を有している。シャフト112と軸孔との間はシール部材127によりシールされており、空洞内に充填されたMR流体200が漏出しないように構成されている。軸孔の空洞と反対側の端部には、シャフト112を回転自在に保持する軸受128が設けられている。
【0015】
磁界を発生させるコイル131が、空洞の外縁を囲むように配置されている。ケース102は磁性体により形成されており、ヨークとして機能し、図1に示すように、空洞に充填されたMR流体200の層を厚さ方向に横切るような磁路が形成される。磁路を通る磁束の磁束密度は、コイル131に印可する電流の強さに応じて変化する。これにより、第1ケース121側の面121aとロータ101の第1主面101aとの間及び第2ケース122側の面122aとロータ101の第2主面101bとの間のMR流体の粘度が変化する。この粘度に応じてロータ101とケース102との間に抵抗力が生じる。なお、空洞とコイル131との間もMR流体が漏れ出さないようにシールされている。
【0016】
但し、コイル131の位置は空洞の外縁部に限らず、流体に対して適切に磁路が形成される位置であればよい。例えば、第1ケース121内のロータ101と対面する位置や、第2ケース122のロータ101と対面する位置等とすることができる。また、第1ケース121及び第2ケース122がそれぞれ一体に成型されている例を示したが、第1ケース121及び第2ケース122はいずれも、複数の部材が組み合わされて形成されていてもよい。
【0017】
本実施形態のMR流体装置において、第1ケース121側の面121aとロータ101の第1主面101aとの間隔t1及び第2ケース122側の面122aとロータ101の第2主面101bとの間隔t2の大きさは、ロータ101とケース102との間に生じる抵抗力を変化させる。なお、間隔t1と間隔t2とは、同じであっても、異なっていてもよい。
【0018】
また、本実施形態のMR流体装置は、磁路の一部がロータ101の回転軸に沿った方向に延びており、ロータ101とケース102との間に位置するMR流体の層と直交している。このため、ロータ101とケース102との間に充填されているMR流体の層全体において、磁路を通る磁束の磁束密度に応じて粘度が変化するため、さらに効率良くトルクを伝達することができる。
【0019】
MR流体装置において、MR流体の全体積に対するトルク伝達に寄与する有効仕事体積の割合である有効体積率は以下の式(1)により表される。
有効体積率=全体積/有効仕事体積・・・(1)
【0020】
一般的な直道型のMR流体装置における有効体積率は5以上である。一方、回転型のMR流体装置の場合、従来は、ロータを収容する空洞に大きなデッドボリュームが存在し、磁路が形成されない部分にもMR流体が充填されていたため、有効体積率は大きな値であった。しかし、MR流体装置を小型化するために、空洞を小さくしてデッドボリュームができるだけ生じないような構成とすると、有効体積率は小さくなる。特に、本実施形態のように、ロータとケースとの間に位置するMR流体の層と直交するように磁路が形成されるようにすると、ロータとケースとの間に位置するMR流体の層全体がトルクの伝達に寄与するため、デッドボリュームはほとんど0に近くなっている。このため、有効体積率が、2.0以下、さらには1.5以下となる。
【0021】
本願発明者らは、有効体積率が2.0以下の回転型のMR流体装置において、MR流体装置に充填されるMR流体の分散媒の種類による劣化速度を調査したところ、分散媒を所定の粘度を有するポリαオレフィン(PAO)油とすることにより、有効体積率が小さい装置において長期間使用してもMR流体の粘性の増減を抑えられることを見いだした。
【0022】
本実施形態のMR流体は、磁性粒子を分散させる分散媒の25℃における粘度が0.03Pa以上、好ましくは0.05Pa以上、より好ましくは0.1Pa以上、5.0Pa以下、好ましくは4.0Pa以下、より好ましくは1.0Pa以下のポリαオレフィン油である。分散媒の粘度をこのような値とすることにより、MR流体の劣化を抑えることができる。なお、ポリαオレフィン油の粘度は、実施例に示す方法により測定することができる。
【0023】
また、分散媒の100℃における動粘度は、好ましくは4mm2/s以上、より好ましくは7mm2/s以上、さらに好ましくは10mm2/s以上であり、好ましくは100mm2/s以下、より好ましくは50mm2/s以下、さらに好ましくは40mm2/s以下である。このような範囲とすることにより、劣化を防ぎつつMR流体のダイナミックレンジを確保することができる。具体的なMR流体のダイナミックレンジは特に限定されないが、好ましくは10以上、より好ましくは20以上である。ダイナミックレンジがこれよりも大きければ、クラッチやブレーキ等の回転型のMR流体装置において使用することができる。なお、ダイナミックレンジは、磁界を作用させていない場合のせん断応力(基底粘度)に対する、500mTの磁界を作用させた場合のせん断応力(MR効果)の比である。
【0024】
本実施形態のMR流体の磁性粒子は、特に限定されず、鉄、窒化鉄、炭化鉄、カルボニル鉄、二酸化クロム、低炭素鋼、ニッケル又はコバルト等を用いることができる。また、アルミニウム含有鉄合金、ケイ素含有鉄合金、コバルト含有鉄合金、ニッケル含有鉄合金、バナジウム含有鉄合金、モリブデン含有鉄合金、クロム含有鉄合金、タングステン含有鉄合金、マンガン含有鉄合金又は銅含有鉄合金等の鉄合金を用いることもできる。ガドリニウム、ガドリニウム有機誘導体からなる常磁性、超常磁性又は強磁性化合物粒子及びこれらの混合物からなる粒子等を用いることもできる。中でも、カルボニル鉄は磁性粒子として適した平均粒子径のものが容易に得られるため好ましい。
【0025】
磁性粒子の平均一次粒子径は、特に限定されないが、MR流体として機能させつつ、沈降を押さえる観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは1μm以上、よりさらに好ましくは5μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μm以下、よりさらに好ましくは20μm以下である。また、磁性粒子は、特に限定されないが、沈降を押さえる観点から密度が好ましくは5g/cm3以上、より好ましくは6g/cm3以上、好ましくは9g/cm3以下、より好ましくは8g/cm3以下である。
【0026】
磁性粒子は、必要に応じて、ポリαオレフィン油との親和性を向上させるために、粒子自体の表面よりも疎水性が高くなるような処理が行われていてもよい。例えば、磁性粒子本体の表面に水酸基を導入し、水酸基と反応する官能基を有する疎水性の化合物を結合させればよい。また、磁性粒子本体の表面に導入した水酸基と化合物とを2官能性のカップリング剤を介して結合することもできる。
【0027】
磁性粒子のMR流体全体に対する比率は、磁気粘性効果を発揮させる観点から、好ましくは55質量%以上、より好ましくは65質量%以上であり、基底粘度を押さえる観点から、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
【0028】
本実施形態のMR流体は、種々の添加剤を添加することができる。長期安定性を確保する観点から、潤滑剤に一般に用いられている公知の添加剤、例えば、沈降防止剤、金属型洗浄分散剤、無灰型洗浄分散剤、油性剤、摩耗防止剤、極圧剤、錆止め剤、摩擦調整剤、固体潤滑剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、消泡剤、着色剤、粘度指数向上剤および流動点降下剤などを添加することもできる。磁気粘性流体組成物の各種の性能を確保するために、潤滑剤に一般に用いられている公知の添加剤、例えば金属型清浄分散剤、無灰型清浄分散剤、油性剤、摩耗防止剤、極圧剤、さび止め剤、摩擦調整剤、固体潤滑剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、消泡剤、着色剤、粘度指数向上剤及び流動点降下剤などを添加することができる。
【0029】
また、磁性粒子とポリαオレフィン油との親和性を向上させる親和性向上剤を添加することができる。親和性向上剤は、例えば、一般的に潤滑剤に使用されている高分子分散剤や界面活性剤を用いることができる。親和性向上剤の添加量は、特に限定されないが、溶媒の質量に対して1質量%から45質量%の範囲が望ましい。
【0030】
本実施形態のMR流体装置は、小型で効率良くトルクを伝達したり、抵抗力を発生させたりすることができると共に、MR流体の劣化が生じにくいので、長期に亘り安定して使用することができる。このため、入力装置、ブレーキ及びクラッチ等として用いることができる。
【実施例0031】
以下に、実施例を用いて本開示のMR流体装置についてさらに詳細に説明する。なお、実施例は、例示であり本開示を限定することを意図するものではない。
【0032】
<粘度測定方法>
平板の直径が20mmで平板の間隔が1mmの平行平板型回転粘度計を用い、溶媒の粘度測定を行った。測定の際のせん断速度は100s-1、測定温度は25℃、測定時間は30秒とした。
【0033】
<ダイナミックレンジ測定方法>
平板の直径が20mmで平板の間隔が0.5mmの平行平板型回転粘度計を用い、MR流体のダイナミックレンジの測定を行った。磁界を作用させずに、せん断速度を100s-1として30秒間測定を行ったせん断応力の値を基底粘度とした。磁束密度が500mTの磁界を作用させて120秒間測定を行ったせん断応力の値をMR効果とした。MR効果/基底粘度の値をダイナミックレンジとした。
【0034】
<耐久性評価方法>
平板の直径が46mmで平板の間隔が1mmの平行平板型回転粘度計を用い、トルク測定を行った。測定は、回転数を300rmpとして、磁束密度が500mTの磁界を作用させた状態で行った。トルクが初期状態から20%増減するまでの時間を劣化時間とした。なお、試験装置におけるMR流体の有効体積率は1.0である。
【0035】
得られたトルクの値と、劣化時間とを以下の式(2)にあてはめ、劣化が生じるまでの散逸エネルギー(Ed)を算出した。
散逸エネルギー[J]=0.147×トルク[Nm]×回転数[rpm]×劣化時間[s]・・・(2)
【0036】
(実施例1)
分散媒を、25℃における粘度が0.034Paで、100℃における動粘度が4.1mm2/sのポリαオレフィン油とし、磁性粒子を、平均一次粒径が6μmのカルボニル鉄粉としてMR流体を調製した。磁性粒子および分散媒を容器中にてへらを用いて手で混合した後、自転・交点型の撹拌機(倉敷紡績社製:マゼルスター)を用いて高速せん断混合することにより磁性粒子を分散媒中に分散させた。磁性粒子のMR流体全質量に対する割合は約83質量%とした。トルクが20%上昇するまでの時間は20.50時間であり、散逸エネルギーは2.1×106Jであった。ダイナミックレンジは278であった。
【0037】
(実施例2)
分散媒を25℃における粘度が0.13Paで、100℃における動粘度が10mm2/sのポリαオレフィン油とした以外は、実施例1と同様にした。トルクが20%上昇するまでの時間は28.08時間であり、散逸エネルギーは3.2×106Jであった。ダイナミックレンジは195であった。
【0038】
(実施例3)
分散媒を25℃における粘度が0.96Paで、100℃における動粘度が39mm2/sのポリαオレフィン油とした以外は、実施例1と同様にした。トルクが20%上昇するまでの時間は23.33時間であり、散逸エネルギーは3.0×106Jであった。ダイナミックレンジは42であった。
【0039】
(実施例4)
分散媒を25℃における粘度が3.6Paで、100℃における動粘度が100mm2/sのポリαオレフィン油とした以外は、実施例1と同様にした。トルクが20%上昇するまでの時間は23.25時間であり、散逸エネルギーは3.3×106Jであった。ダイナミックレンジは20であった。
【0040】
(比較例1)
分散媒を25℃における粘度が0.011Paで、100℃における動粘度が1.7mm2/sのポリαオレフィン油とした以外は、実施例1と同様にした。トルクが20%上昇するまでの時間は14.83時間であり、散逸エネルギーは1.7×106Jであった。ダイナミックレンジは1136であった。
【0041】
表1に各実施例及び比較例についてまとめて示す。
【0042】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0043】
本開示の磁気粘性流体装置は、磁気粘性流体の劣化を抑え長期に亘り安定して作動させることができ、ブレーキ及びクラッチ等を含む回転型のトルク伝達装置等として有用である。
【符号の説明】
【0044】
101 ロータ
101a 第1主面
101b 第2主面
102 ケース
112 シャフト
121 第1ケース
121a 第1ケース側の面
122 第2ケース
122a 第2ケース側の面
127 シール部材
128 軸受
131 コイル
200 MR流体
図1