(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022015051
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】マスクスタンド
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220114BHJP
A62B 25/00 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B25/00
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020117664
(22)【出願日】2020-07-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2020-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】502339587
【氏名又は名称】和田 雅善
(74)【代理人】
【識別番号】100114421
【弁理士】
【氏名又は名称】薬丸 誠一
(72)【発明者】
【氏名】和田 雅善
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA18
(57)【要約】
【課題】使用したマスクを衛生的かつ簡単に一時保管することができるマスクスタンドを提供する。
【解決手段】本発明に係るマスクスタンド1は、2つの領域部分2A,2Bを有する座板2と、2つの領域部分2A,2Bの境界から立ち上がり、上縁3aにてマスク20の本体部21を掛止する立板3と、各領域部分2A,2Bから立ち上がり、マスク20の左右の耳掛け22,22を掛止する一対の掛止片4,5とを備える。これにより、マスク20は、密閉されず、風通しの良い開放空間に置かれるため、カビや菌が繁殖しにくく、衛生的である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの領域部分を有する座板と、
2つの領域部分の境界から立ち上がり、上縁にてマスクの本体部を掛止する立板と、
各領域部分から立ち上がり、マスクの左右の耳掛けを掛止する一対の掛止片とを備える
マスクスタンド。
【請求項2】
第1方向に第1領域部分、第2領域部分及び第3領域部分を有し、第2領域部分は、第2の1領域部分及び第2の2領域部分に分割され、第2の1領域部分は、第1領域部分に連結されるが、第2の2領域部分及び第3領域部分とは分離され、第2の2領域部分は、第1領域部分に谷折り可能に連結されかつ第3領域部分に連結されるが、第2の1領域部分とは分離されるように形成された1枚の板を用いて構成され、
第1領域部分及び第2の1領域部分が座板となり、
第2の2領域部分及び第3領域部分が立板となり、
第1領域部分及び第2の1領域部分のそれぞれに形成される切り起こしが一対の掛止片となる
請求項1に記載のマスクスタンド。
【請求項3】
一対の掛止片は、マスクの耳掛けに張力を付与した状態で耳掛けを掛止する
請求項1又は請求項2に記載のマスクスタンド。
【請求項4】
一対の掛止片は、掛止凹部を備える
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のマスクスタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不織布マスクや布マスク等のマスクを一時的に保管するためのマスクスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
使用したマスクを一時的に保管するものとして、マスクを収容するケースが知られている(特許文献1ないし3)。特許文献1に記載のケースによれば、抗菌性を有する紙製の保護シートでマスクを挟み込むことにより、マスクを衛生的に取り扱うことができるとされる。また、特許文献2に記載のケースによれば、極力手を触れずに簡単な操作でマスクを収容しかつ再び取り出すことができるため、マスクを衛生的に取り扱うことができるとされる。特許文献3に記載のケースによれば、雑菌の繁殖を抑える銅箔をマスクに接触させることにより、マスクを衛生的に取り扱うことができるとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3222103号公報
【特許文献2】特開2012-11035号公報
【特許文献3】特開2012-61288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記いずれのものも、ケースということで、マスクは湿気を帯びた状態で密閉され、カビや菌が繁殖しやすくなっており、決して衛生的であるとは言えない。
【0005】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、使用したマスクを衛生的かつ簡単に一時保管することができるマスクスタンドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るマスクスタンドは、
2つの領域部分を有する座板と、
2つの領域部分の境界から立ち上がり、上縁にてマスクの本体部を掛止する立板と、
各領域部分から立ち上がり、マスクの左右の耳掛けを掛止する一対の掛止片とを備える
マスクスタンドである。
【0007】
ここで、本発明に係るマスクスタンドの一態様として、
第1方向に第1領域部分、第2領域部分及び第3領域部分を有し、第2領域部分は、第2の1領域部分及び第2の2領域部分に分割され、第2の1領域部分は、第1領域部分に連結されるが、第2の2領域部分及び第3領域部分とは分離され、第2の2領域部分は、第1領域部分に谷折り可能に連結されかつ第3領域部分に連結されるが、第2の1領域部分とは分離されるように形成された1枚の板を用いて構成され、
第1領域部分及び第2の1領域部分が座板となり、
第2の2領域部分及び第3領域部分が立板となり、
第1領域部分及び第2の1領域部分のそれぞれに形成される切り起こしが一対の掛止片となる
との構成を採用することができる。
【0008】
また、本発明に係るマスクスタンドの他態様として、
一対の掛止片は、マスクの耳掛けに張力を付与した状態で耳掛けを掛止する
との構成を採用することができる。
【0009】
また、本発明に係るマスクスタンドの別の態様として、
一対の掛止片は、掛止凹部を備える
との構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、マスクは、密閉されず、風通しの良い開放空間に置かれるため、カビや菌が繁殖しにくい。このため、本発明によれば、使用したマスクを衛生的に一時保管することができる。
【0011】
また、本発明によれば、立板の上縁にマスクの本体部を置き、マスクの左右の耳掛けを一対の掛止片に引っ掛けるだけで、セットが完了する。このため、本発明によれば、使用したマスクを簡単に一時保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るマスクスタンドの一方向から見た斜視図である。
【
図2】
図2は、同マスクスタンドの反対方向から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、同マスクスタンドの使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るマスクスタンドの一実施形態について、図面を参酌して説明する。
【0014】
図1及び
図2に示すように、マスクスタンド1は、座板2と、立板3と、一対の掛止片4,5とを備える。座板2は、矩形状の領域部分(一方の領域部分)2Aと、この領域部分2Aの3箇所から櫛歯状に延出する領域部分(他方の領域部分)2Bの2つの領域部分2A,2Bを有し、床、机、テーブル等の平面に載置される。立板3は、座板2の2つの領域部分2A,2Bの境界から立ち上がり、マスクの本体部の内面の幅方向の中心線に沿って曲線状の上縁3aを有し、上縁3aにてマスクの本体部を掛止する。一対の掛止片4,5は、座板2の各領域部分2A,2Bから立ち上がり、マスクの左右の耳掛けを掛止する。
【0015】
座板2は、立板3を挟むようにして、立板3の一方の面側に位置する領域部分(一方の領域部分)2Aと、立板3の他方の面側に位置する領域部分(他方の領域部分)2Bとを有するため、立板3が倒れるのを防止する。
【0016】
立板3は、上縁3aを有する本体部3Aと、脚部3Bとを備える。脚部3Bは、本体部3Aよりも幅狭で、本体部3Aの側縁よりも内側に位置する。本実施形態においては、脚部3Bは、2本であり、互いに離間し、立板3の中心線に対して線対称に配置される。
【0017】
一方の掛止片4は、立板3の一方の面側に位置する領域部分(一方の領域部分)2Aから立ち上がる切り起こしである。他方の掛止片5は、立板3の他方の面側に位置する領域部分(他方の領域部分)2Bから立ち上がる切り起こしである。一対の掛止片4,5は、立板3から等距離の位置に配置される。言い換えれば、立板3は、一対の掛止片4,5の中間位置に配置される。各掛止片4,5は、フック形状を有し、上方に向かって凹となる掛止凹部4a,5aを備える。各掛止片4,5は、曲げたり、ひねったりできる可撓性ないし柔軟性を有する。
【0018】
座板2、立板3及び一対の掛止片4,5は、それぞれ透明な合成樹脂板で構成される。あるいは、色付きの合成樹脂板、金属板、紙等であってもよい。要は、マスクを掛止可能な剛性を有するものであれば、どのような材質の板であってもよい。
図3に示すように、座板2、立板3及び一対の掛止片4,5は、アクリル板といった合成樹脂板等の1枚の板10を用いて構成される。すなわち、マスクスタンド1は、立板3及び一対の掛止片4,5を倒すと、1枚の板10になる。
【0019】
板10は、第1方向に長い矩形状であり、第1方向(板10の長手方向)に並ぶ第1領域部分11、第2領域部分12及び第3領域部分13を有する。すなわち、第1領域部分11は、板10の第1方向の一端部であり、第2領域部分12は、第1領域部分11と隣り合う部分であり、第3領域部分13は、第2領域部分12と隣り合う部分であって、板10の第1方向の他端部を含む部分である。第1領域部分11、第2領域部分12及び第3領域部分13は、第1方向と直交する第2方向(板10の幅方向)に沿った境界を有する。このため、第1領域部分11、第2領域部分12及び第3領域部分13は、それぞれ矩形状である。なお、板10の第1方向の他端部の端縁10aは、立板3の上縁3aとなる部分であり、曲線状である。
【0020】
第2領域部分12は、第2の1領域部分12A及び第2の2領域部分12Bを有する。第2の1領域部分12Aは、第1領域部分11に連結されるが、第2の2領域部分12B及び第3領域部分13とは表裏を貫通する切込線14により分離される。第2の2領域部分12Bは、第1領域部分11及び第3領域部分13に連結されるが、第2の1領域部分12Aとは表裏を貫通する切込線14により分離される。第2の2領域部分12Bと第1領域部分11との境界は、谷折り可能な谷折り線15となっている。
【0021】
第1領域部分11及び第2の1領域部分12Aが座板2となる。より詳しくは、第1領域部分11が座板2の一方の領域部分2Aとなり、第2の1領域部分12Aが座板2の他方の領域部分2Bとなる。
【0022】
第2の2領域部分12B及び第3領域部分13が立板3となる。より詳しくは、第2の2領域部分12Bが立板3の脚部3Bとなり、第3領域部分13が立板3の本体部3Aとなる。
【0023】
第1領域部分11に形成された切り起こし16が一方の掛止片4となる。第2の1領域部分12Aに形成された切り起こし17が他方の掛止片5となる。切り起こし16は、第1領域部分11の第2方向の中央部に形成される。切り起こし17は、第2の1領域部分12Aの中央部、より詳しくは、第2の1領域部分12Aのうち、第2方向の中央部に位置する部分に形成される。切り起こし16の先端部は、第1領域部分11の第1方向の端縁に接する。切り起こし17の先端部は、第2の1領域部分12Aの第1方向の端縁に接する。これにより、各切り起こし16,17は、第1方向の端縁から第1領域部分11及び第2領域部分12の境界に向かって起こされ、各切り起こし16,17の基端に設定される谷折り線18,19にて谷折りにされて、立ち上げられる。
【0024】
本実施形態に係るマスクスタンド1は、以上の構成からなる。使用したマスクを一時的に保管するにあたっては、
図4に示すように、まず、立板3の上縁3aに(マスク20の本体部21の内面の幅方向の中心線が重なるようにして)マスク20の本体部21を置き、次に、マスク20の左右の耳掛け22,22を一対の掛止片4,5に引っ掛ける。これにより、マスクスタンド1へのマスク20のセットが完了する。
【0025】
なお、立板3の上縁3aから掛止片4,5の掛止凹部4a,5aまでの距離は、マスク20の本体部21の幅方向の中心線から耳掛け22の折り返し端までの距離よりも長くなるように設定されている。このため、一対の掛止片4,5は、マスク20の耳掛け22,22に張力を付与した状態で耳掛け22,22を掛止する。そうすると、マスク20の本体部21に対しては、左右均等に張力が働くため、立板3は、直立姿勢に維持される。このため、立板3が谷折り線15を境として弾性復元力により倒れようとしていても、立板3のきれいな直立姿勢を維持することができる。
【0026】
このように、本実施形態に係るマスクスタンド1によれば、マスク20は、密閉されず、風通しの良い開放空間に置かれるため、カビや菌が繁殖しにくい。このため、使用したマスク20を衛生的に一時保管することができる。
【0027】
また、本実施形態に係るマスクスタンド1によれば、立板3の上縁3aにマスク20の本体部21を置き、マスク20の左右の耳掛け22,22を一対の掛止片4,5に引っ掛けるだけで、セットが完了する。このため、使用したマスク20を簡単に一時保管することができる。
【0028】
また、本実施形態に係るマスクスタンド1によれば、マスクスタンド1とマスク20の本体部21が接触するのは、立板3の上縁3aのみである。すなわち、マスク20の本体部21の内面は、立板3の上縁3aと線接触するのみである。このため、ケースタイプのものに比べて、常にマスク20の本体部21の内面を清潔に保つことができる。
【0029】
また、本実施形態に係るマスクスタンド1によれば、マスクスタンド1を使用しないときは、1枚のフラットな板に展開することができる。このため、マスクスタンド1を使用しないときは、場所を取らずに片付けることができ、また、簡単に携行することもできる。
【0030】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0031】
たとえば、上記実施形態においては、マスクスタンド1は、1枚の板を用いて構成される。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。立板は、倒れないように座板に固定される構造であってもよい。
【0032】
また、上記実施形態においては、第2領域部分12は、第2方向に、1つ目の第2の1領域部分12A、1つ目の第2の2領域部分12B、2つ目の第2の1領域部分12A、2つ目の第2の2領域部分12B、3つ目の第2の1領域部分12Aを有するものであり、これに伴い、座板2の他方の領域部分2Bには、3本の櫛歯が設けられるとともに、立板3の脚部3Bは、2本設けられる。しかし、本発明において、これらの数に限定されるものではない。たとえば一例として、第2領域部分は、第2方向に、1つ目の第2の2領域部分、1つ目の第2の1領域部分、2つ目の第2の2領域部分を有するものであり、これに伴い、座板の他方の領域部分には、1本が設けられるとともに、立板の脚部は、2本設けられるようにすることができる。
【0033】
また、上記実施形態においては、切り起こし16,17は、一部(先端部)が領域部分11,12の端縁に接するように形成される。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。切り起こしは、領域部分の端縁に接しない内側領域に形成されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1…マスクスタンド、2…座板、2A…一方の領域部分、2B…他方の領域部分、3…立板、3a…上縁、3A…本体部、3B…脚部、4,5…掛止片、4a,5a…掛止凹部、10…板、10a…端縁、11…第1領域部分、12…第2領域部分、12A…第2の1領域部分、12B…第2の2領域部分、13…第3領域部分、14…切込線、15…谷折り線、16,17…切り起こし、18,19…谷折り線、20…マスク、21…本体部、22…耳掛け
【手続補正書】
【提出日】2020-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に第1領域部分、第2領域部分及び第3領域部分を有し、第2領域部分は、第2の1領域部分及び第2の2領域部分に分割され、第2の1領域部分は、第1領域部分に連結されるが、第2の2領域部分及び第3領域部分とは分離され、第2の2領域部分は、第1領域部分に谷折り可能に連結されかつ第3領域部分に連結されるが、第2の1領域部分とは分離されるように形成された1枚の板を用いて構成され、
第1領域部分及び第2の1領域部分が、座板となり、
第2の2領域部分及び第3領域部分が、座板から立ち上がり、上縁にてマスクの本体部を掛止する立板となり、
第1領域部分及び第2の1領域部分のそれぞれに形成される切り起こしが、マスクの左右の耳掛けを掛止する一対の掛止片となる
マスクスタンド。
【請求項2】
一対の掛止片は、マスクの耳掛けに張力を付与した状態で耳掛けを掛止する
請求項1に記載のマスクスタンド。
【請求項3】
一対の掛止片は、掛止凹部を備える
請求項1又は請求項2に記載のマスクスタンド。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
そして、本発明に係るマスクスタンドは、
第1方向に第1領域部分、第2領域部分及び第3領域部分を有し、第2領域部分は、第2の1領域部分及び第2の2領域部分に分割され、第2の1領域部分は、第1領域部分に連結されるが、第2の2領域部分及び第3領域部分とは分離され、第2の2領域部分は、第1領域部分に谷折り可能に連結されかつ第3領域部分に連結されるが、第2の1領域部分とは分離されるように形成された1枚の板を用いて構成され、
第1領域部分及び第2の1領域部分が座板となり、
第2の2領域部分及び第3領域部分が立板となり、
第1領域部分及び第2の1領域部分のそれぞれに形成される切り起こしが一対の掛止片となるものである。