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  • 特開-カードケース及びその使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150531
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】カードケース及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/18 20060101AFI20220929BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
A45C11/18 D
A45C11/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021053170
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】514232719
【氏名又は名称】株式会社カーブスジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】増本 岳
(72)【発明者】
【氏名】中内 夢二
(72)【発明者】
【氏名】稲辺 知輝
(72)【発明者】
【氏名】松井 敬寛
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA04
3B045CE06
3B045CE07
3B045CE09
3B045DA32
3B045DA33
3B045EA02
3B045EA03
3B045FC02
3B045FC04
3B045GB04
3B045JA01
3B045JB01
3B045JC03
3B045KA01
3B045LA01
3B045LA05
3B045LB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】通常持ち歩くカードケースで、直接指でタッチパネルに触れることなく操作を行うことが可能となるカードケースを提供する。
【解決手段】カード類を収納するポケットを形成する矩形形状の2枚のシート部材11を有し、前記2枚のシート部材の4つの周縁部の内の3つの周縁部を枠21a,21b、21c,21dで固定し、残りの1つの周縁部側に、前記カード類を前記ポケットに挿入可能な開口を形成し、前記2枚のシート部材の一方のシート部材に前記カード類を外側から視認できる窓Wを設け、前記枠は導電性材料で形成している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード類を収納するポケットを形成する矩形形状の2枚のシート部材を有し、前記2枚のシート部材の4つの周縁部の内の3つの周縁部を枠で固定し、残りの1つの周縁部側に、前記カード類を前記ポケットに挿入可能な開口を形成し、前記2枚のシート部材の一方のシート部材に前記カード類を外側から視認できる窓を設け、前記枠は導電性材料で形成した、カードケース。
【請求項2】
前記枠は、導電性布で形成されている請求項1に記載のカードケース。
【請求項3】
前記枠の角部に、前記枠の面よりも盛り上がった接触部を形成した請求項1又は2に記載のカードケース。
【請求項4】
前記2枚のシート部材の他方のシート部材の前記ポケットとは反対側の面に、前記カード類とは異なるカード類を挿入できる複数のポケットを形成した請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカードケース。
【請求項5】
請求項3に記載のカードケースを保持し、前記枠の角部をタッチパネル又はタッチボタンに押し当てて、前記タッチパネル又は前記タッチボタンの操作を行う、カードケースの使用方法。
【請求項6】
前記枠の角部は、前記接触部である、請求項5に記載の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、合成皮革などのプラスチックで形成した額縁状の枠を有し、カード類を収納する収納間隙を有するカードケースがよく知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、透明なプラスチックシートを用いた表面側シートと向こう側シートとの間に定期券類を収納するポケットを形成し、表面側シートの周縁部を額縁で覆ったカード入れが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、非接触型ICカード類を収納する収納部を導電性素材で形成し、電磁的に外部からシールドすることで、重要情報が外部に漏洩するのを防止できる電子情報格納媒体の収納構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-266917号公報
【特許文献2】実用新案登録第3114145号公報
【特許文献3】特開2019-112741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、スポーツジムやフィットネスクラブなどの施設、デパート、駅、観光地等の多くの場所で、案内用のモニター画面が設置され、利便性からますます設置が増えている。これらのモニター画面は、多くの場合、タッチパネル式で、ガイドにしたがって、指等で画面をタッチして、目的とする画面情報にたどり着くように操作される。
【0007】
他方、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどによる感染症への関心が高まるにつれ、他の使用者が触れた箇所に触れることにためらいを生じる人が増えてきている。通常、当該モニター画面の設置責任者は一定時間ごとに画面やキー操作盤等の消毒などを行う場合が多いが、頻度に限りがあり、また利用者は消毒が行われているか否かわからない場合が多い。
【0008】
そこで直接指でタッチパネルに触れることなくタッチパネルを操作できる導電性を有する手袋等も開発されているが(特許文献3)、わざわざ手袋等を持ち歩く必要があり利便性に欠ける。
【0009】
本発明の一態様は、通常持ち歩くカードケースで、直接指でタッチパネルに触れることなく操作を行うことが可能となるカードケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係るカードケースは、カード類を収納するポケットを形成する矩形形状の2枚のシート部材を有し、前記2枚のシート部材の4つの周縁部の内の3つの周縁部を枠で固定し、残りの1つの周縁部側に、前記カード類を前記ポケットに挿入可能な開口を形成し、前記2枚のシート部材の一方のシート部材に前記カード類を外側から視認できる窓を設け、前記枠は導電性材料で形成している。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、通常持ち歩くカードケースで、タッチパネルに直接指で触れることなく操作が可能となるカードケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態によるカードケースの表面図である。
図2】一実施形態によるカードケースの裏面図である。
図3図1のI-I断面図である。
図4】一実施形態によるカードケースの裏面側のポケットの変形例を示す図1のI-I断面図である。
図5】一実施形態によるカードケースの角部の変形例を示す裏面図である。
図6】一実施形態によるカードケースの使用方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳説する。なお、各図面において、特に説明がない限り、同一の又は対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、図面は、発明の理解を助けるための模式的なものである。
【0014】
図1は、一実施形態によるカードケース100の表面図、図2は、一実施形態によるカードケース100の裏面図、図3は、図1のI-I断面図である。なお、表面側、裏面側とは、便宜的に、一方側を表面、他方側を裏面と称するものであるが、絶対的なものではなく、表面側と裏面側の呼び方を反対にしても良い。
【0015】
カードケース100は、上縁に環状金具32を保持するストラップ31が設けられ、この環状金具32に、例えば紐を通して、首からぶら下げることにより、カードケース100を身体に保持できる。便宜上、環状金具32が取り付けられる側を上側(上方向)とし、その反対側を下側(下方向)と称する。タグ33は、例えば、所属組織のマークを付けることができる。
【0016】
カードケース100は表面部材(シート部材)11、第1裏面部材(シート部材)12、第2裏面部材13及び第3裏面部材14を有している。表面部材11と各裏面部材12~14は矩形形状を有しているが、矩形形状に限定されない。表面部材11の4つの周縁部(4つの辺)には、額縁状の枠21a、21b、21c、21dが形成されている。枠21dは上側の枠となり、枠21bは下側の枠となる。枠21dは、図3に示すように、表面部材11の上側端面を覆うように表面部材11に、固定糸22を用いる縫合などにより、接合されて取り付けられている。枠21bは、表面部材11の下側端面を覆うように表面部材11に、固定糸22を用いる縫合などにより、接合されて取り付けられている。枠21d及び枠21bは、図1に示すように、表面部材11の左右(X軸方向)の両端面まで伸びて表面部材11の上下(Y軸方向)の端面を覆っている。
【0017】
図2に示すように、第1~第3裏面部材12~14には、第1~第3裏面部材12~14の下側端面を一緒に覆うように、枠21fが、固定糸22を用いる縫合などにより、取り付けられている。枠21fは第1~第3裏面部材の左右の両端面まで伸びて、図3に示すように、第1~第3裏面部材12~14の下側端面を覆っている。図3に示すように、枠21fは枠21bとケースの内側で互いに接触した状態に配置されている。なお、裏面部材は本実施形態では3枚の部材を備えているが、1枚のみ(すなわち第1裏面部材12のみ)でもよく、あるいは4枚以上でもよい。
【0018】
図1に示すカードケース100の表面部材11の左右の端面には、枠21aと枠21cが形成されている。枠21aと枠21cは、表面部材11の左右の端面を覆うと共に、枠21dと枠21bの左右の両端面も覆うように、固定糸22を用いる縫合等で、接合され取り付けられている。即ち、カードケース100の表面部材11の4つの角部C1~C4は、上下方向に延びる枠21a、21cと左右方向に延びる枠21b、21dとが重なった状態で取り付けられている。
【0019】
また、枠21eと枠21gとは、第1~第3裏面部材12~14の両端面(周縁部)を覆うと共に、枠21fの両端面も覆っている。即ち、カードケース100の第1~第3裏面部材12~14の下側の2つの角部C6、C7は、上下方向に延びる枠21e、21gと左右方向に延びる枠21fとが重なった状態で取り付けられている。
【0020】
枠21aと枠21gとは、本実施形態では連続した形態(1本の細長いストラップで枠21aと枠21gを構成する)の枠構造となっているが、別々の枠構造(2本の細長いストラップで、それぞれ枠21aと枠21gを構成する)でもよい。また、枠21cと枠21eも本実施形態では連続した形態の枠構造となっているが、別々の枠構造でもよい。
【0021】
表面部材11と第1裏面部材12とが対向する面で、上側に開口15が形成され、左右及び下側が封鎖されたカードを収納するポケット41が形成されており、開口15から、メンバーズカードやIDカード等が挿入可能になっている。換言すると、表面部材11及び第1裏面部材12の4つの周縁部(4つの辺)の内の3つの周縁部が枠21a~21c、21e~21gで固定され、残りの1つの周縁部側に、カード類をポケットに挿入可能な開口15が形成されている。
【0022】
表面部材11は、例えば透明なプラスチックスで形成され、収納されたカード類が、外側から視認できる窓Wを構成しているので、例えば施設内に入場する際にカードケース100を提示することで会員であることが確認できる。なお、カードケース100に収納されたカードに、例えば、ICチップを搭載して、入口にカードリーダ等を配置することで、非接触形式で入場を確認させることもできる。
【0023】
本実施形態のカードケース100では、第1~第3裏面部材12~14は合成繊維の布で形成されている。合成繊維としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ビニロン、ポリ乳酸、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ビニロン、アラミド、ポリ塩化ビニリデン等の繊維を用いることができる。また、合成繊維ではなく、天然繊維としてはコットン、ウール、シルク等を用いることができる。さらに合成繊維と天然繊維との混紡とすることができ、また、合成繊維と天然繊維との交織とすることができる。
【0024】
枠21a~21gは導電性布で形成している。導電性布としては、合成繊維材料に、カーボン、金属粉等導電性材料を混合して繊維とし、布に織ったもの、合成繊維あるいは天然繊維と金属繊維等の導電性繊維との交織、合成繊維布に金属層を付着させたものなどが使用できる。本実施形態では、導電性布として、ナイロン、ポリウレタン及びカーボンを有する繊維で製作した布を用いている。
【0025】
導電性布で構成されている枠21a~21gは、表面側の4つの角部C1~C4と裏面側の4つの角部C5~C8、さらに枠21bと枠21f、枠21aと枠21g、枠21cと枠21eとが、それぞれケースの内側で接触して配置されている。よって、いずれかの枠の一部を手(の指)で触れることで、枠21a~21gのいずれの箇所においても、触れている手との電気的導通を得ることができる。
【0026】
第1裏面部材12は、本実施形態では、1枚の布を下端側で折り返した2枚の布を重ね、カードの上側に2枚の布の間にストラップ31及びタグ33を挿入した状態で、2枚の布を縫合等により接合している。また、第2裏面部材13及び第3裏面部材14で、図2に示すように、2つのポケット42、43が形成されていて、上述したメンバーズカード等とは異なる他のカード類を開口16、17から挿入し収納できる構成となっている。図2図3に示す例では、裏面側の2つのポケット42、43の底は同一の場合を示す。第2裏面部材13によるポケット42は、第3裏面部材14によるポケット43よりも大きいサイズのカード類が収納可能となっている。本実施形態では、裏面側に複数(2つ)のポケットを備えている例を示したが、1つでもよく、3つ以上でもよい。図2図4に示す例では、第2裏面部材13によるポケット42と第3裏面部材14によるポケット43は、ほぼ同じサイズのカード類が収納可能になっている。
【0027】
図5は、一実施形態によるカードケースの角部の変形例を示す裏面図である。図5に示す例では、裏面側の角部C5~C8に、盛り上がった接触部25~28を形成しており、各接触部25~28も枠21a~21gと同様、導電性部材で構成される。接触部25~28は裏面側及び表面側の各角部C1~C8に形成することができ、また、任意の角部に形成することができる。例えば裏面側の下側の角部C6、C7にのみ形成する、あるいは表面側の上側の角部C1、C2に形成することができる。接触部25~28の形状として、例えばトランプのマーク(ハート、スペード、クラブ、ダイヤ)とすることができるが、他のマーク、ロゴあるいはアルファベット、漢字、ひらがな等を用いることができる。マークは、例えば大人用、中高生用、子供用等で異なるマークとすることができる。
【0028】
タッチパネルの操作画面としては、抵抗膜方式、静電容量方式、表面型静電容量方式、投影型静電方式、超音波表面弾性波方式、光学方式等、多数の方式があり、そのうちのいくつかの方式では、手(の指)の導電性を利用して操作を感知する方式がある。その他、操作画面への圧力を感知する方式がある。本実施形態のカードケース100は、以下に説明するように、導電性物体の接触又は接近を感知する操作画面の操作、あるいは、圧力を感知する操作画面の操作に使用することができる。
【0029】
図6は、一実施形態によるカードケース100の使用方法を説明する図である。図6は、本実施形態のカードケース100を用いて、操作画面に接触する(タッチする)状態を示している。カードの所有者は、カードケース100の枠21a~21gのいずれかの枠の一部が手(の指)に接触した状態で、操作画面に接触することにより、手(の指)で操作画面に触れるのと同じ状態とすることができる。
【0030】
この時、手(の指)が触れるカードケース100の箇所(角部C1~C8)をできるだけ同じ箇所とすることで、操作画面に触れる箇所と手(の指)が触れる箇所とを分けることができるので、接触による感染症の感染リスクをより小さくすることできる。例えば、本カードケース100の表面側の上側の角部一か所(C1又はC4)に接触部としてのマーク(ハートマーク又はスペードマーク等)を形成して、操作画面にタッチするときは当該接触部に手(の指)で触れて、当該手との接触面と反対側の裏面側の枠の面で操作画面に接触させることができる。また、例えば図5に示すように、裏面側の各角部C5~C8に接触部25~28としてのマークを形成して、操作画面と接触する面は接触部としてのマークの付いたいずれかの角部とすることで、手(の指)と接触するカードケース100の面と操作画面と接触するカードケース100の面とを異ならせることができる。
【0031】
なお、カードケース100を介した手(の指)をタッチパネルに押し当てる場合、静電容量の変化だけでなく圧力も感知することができる。本実施形態によるカードケース100は、タッチパネルに限らず、エレベーター等で用いられている操作ボタンとしてのタッチボタン(タッチキー)を操作する場合にも適用することができ、また、上述と同様の使用方法を適用することができる。
【0032】
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0033】
また、本実施形態のカードケース100の使用方法は、特に、スポーツジム、フィットネスクラブ、スイミングスクールなどの会員、団体ツアーへの参加者、公共施設利用の登録会員などの利用に適している。
【符号の説明】
【0034】
11 表面部材(シート部材)
12 第1裏面部材(シート部材)
13 第2裏面部材
14 第3裏面部材
15、16、17 開口
21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g 枠
22 固定糸
25、26、27、28 接触部
31 ストラップ
32 環状金具
33 タグ
41、42、43 ポケット
C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8 角部
W 窓
100、200 カードケース
図1
図2
図3
図4
図5
図6