(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022015055
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】経路管理システム、経路管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 45/24 20220101AFI20220114BHJP
【FI】
H04L12/707
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020117668
(22)【出願日】2020-07-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】堀川 純平
(72)【発明者】
【氏名】小城 和哉
(72)【発明者】
【氏名】今野 航
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA11
5K030HA08
5K030JA07
5K030JA10
5K030JA11
5K030KX23
5K030LB05
5K030MA05
5K030MC08
(57)【要約】
【課題】決済事業者の各々の個別通信回線数を増加させず、かつ何れかの決済事業者の通信環境が変化しても、他の決済事業者に影響を与えず、決済事業者に対して決済に使用する通信のリソースである通信回線を安定供給する経路管理システムを提供する。
【解決手段】本発明の経路管理システムは、ユーザシステムの各々と複数の事業者サーバのそれぞれとの間における通信電文に対する経路を制御するシステムであり、事業者サーバが通信電文の送受信に使用している通信回線の数である使用通信回線数が、事業者毎に設定された個別に使用する個別通信回線の数である個別通信回線数以下の場合に通信電文の経路制御を行なう個別経路制御部と、使用通信回線数が個別通信回線数を超え、かつ事業者サーバとの間の通信が正常に行なわれている場合に、事業者の各々が共用して使用する共用通信回線を用いて通信電文の経路制御を行なう共用経路制御部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザシステムの各々と複数の事業者サーバのそれぞれとの間における通信電文に対する経路を制御する経路管理システムであり、
前記事業者サーバが前記通信電文の送受信に使用している通信回線の数である使用通信回線数が、事業者毎に設定された個別に使用する個別通信回線の数である個別通信回線数以下の場合に前記通信電文の経路制御を行なう個別経路制御部と、
前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超え、かつ前記事業者サーバとの間の通信が正常に行なわれている場合に、前記事業者の各々が共用して使用する共用通信回線を用いて前記通信電文の経路制御を行なう共用経路制御部と
を備えることを特徴とする経路管理システム。
【請求項2】
前記共用経路制御部が、
前記事業者サーバの各々における、前記通信電文の通信がタイムアウトとなり遮断された数を、通信遮断数として集計して、前記通信遮断数が予め設定されている異常閾値を超えた場合、前記事業者サーバとの間の通信が正常に行なわれていないと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の経路管理システム。
【請求項3】
前記共用経路制御部が、
前記前記通信電文の通信が所定の期間内においてタイムアウトとなり遮断された数を、通信遮断数として集計する
ことを特徴とする請求項2に記載の経路管理システム。
【請求項4】
前記通信電文の通信状態を示すログファイルが記憶される通信履歴記憶部をさらに備え、
前記共用経路制御部が、
前記ログファイルを参照することにより、前記事業者サーバ毎の前記通信電文の前記通信遮断数を集計する
ことを特徴とする請求項3に記載の経路管理システム。
【請求項5】
前記事業者サーバがストアスキャン方式のバーコード決済を行なう決済事業者の備える決済管理に用いる口座管理システムである
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の経路管理システム。
【請求項6】
ユーザシステムの各々と複数の事業者サーバのそれぞれとの間における通信電文に対する経路を制御する経路管理方法であり、
個別経路制御部が、
前記事業者サーバが前記通信電文の送受信に使用している通信回線の数である使用通信回線数が、事業者毎に設定された個別に使用する個別通信回線の数である個別通信回線数以下の場合に前記通信電文の経路制御を行なう個別経路制御過程と、
共用経路制御部が、
前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超え、かつ前記事業者サーバとの間の通信が正常に行なわれている場合に、前記事業者の各々が共用して使用する共用通信回線を用いて前記通信電文の経路制御を行なう共用経路制御部と
を含むことを特徴とする経路管理方法。
【請求項7】
ユーザシステムの各々と複数の事業者サーバのそれぞれとの間における通信電文に対する経路を制御する経路管理システムとしてコンピュータを動作させるプログラムであり、
前記コンピュータを、
前記事業者サーバが前記通信電文の送受信に使用している通信回線の数である使用通信回線数が、事業者毎に設定された個別に使用する個別通信回線の数である個別通信回線数以下の場合に前記通信電文の経路制御を行なう個別経路制御手段、
前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超え、かつ前記事業者サーバとの間の通信が正常に行なわれている場合に、前記事業者の各々が共用して使用する共用通信回線を用いて前記通信電文の経路制御を行なう共用経路制御手段
として動作させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路管理システム、経路管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、支払いのキャッシュレス化が促進され、電子マネーを用いた電子決済が、コンビニ、スーパー、あるいはドラッグストアや飲食店などの店舗における料金の支払いなどの場面で利用されている。
電子決済の一つである電子マネーを用いたコード決済の特徴として、各決済事業者が行なう割引などのキャンペーンが行なわれた際、店舗のPOSシステム(以下、店舗POSシステム)と決済業者の管理する決済管理サーバとの間において、決済のトランザクションに用いられる通信回線数が瞬間的に逼迫する可能性があることが挙げられる。
一方、キャンペーンを行なっていない決済業者と、店舗POSシステムとの間のトランザクション数の増加はなく、使用可能な通信回線には余裕がある。
【0003】
これにより、キャンペーンを行なっている決済業者の決済管理サーバと、店舗のPOSシステムとの間のトラフィックが増加し、通信回線のキャパシティを超えることにより、通信のレスポンスが劇的に悪化して、最悪の場合、通信が遮断されてしまう。
このため、POSシステムと決済管理システムとの間の決済通信処理のトランザクションにより、通信回線数が増加しても安定的に決済処理が行なえる通信を維持する事(課題A)と、及びトランザクション数が変動している場合に空いている回線を効率的に活用する制御(課題B)とが求められている。
【0004】
上述課題Aに関しては、POSシステムの各々と決済サーバとの通信において、決済に関するトランザクション数が増加しても、瞬間的な増加を見込んだ回線数を予測して、決済事業者ごとに十分な個別通信回線数を備えることで、安定した決済の通信が行える(例えば、特許文献1参照)。
また、課題Bに関しては、POSシステムの各々との通信において、複数の決済事業者間で共用通信回線を設けることで、いずれかの決済事業者における決済に関するトランザクション数が増加しても、柔軟に通信回線数の配分を制御することで安定した決済の通信が行なえる(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-141433号公報
【特許文献2】特開2007-328549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の構成の場合には、トランザクション数が瞬間的に増加した状態でも安定した通信を維持するために、十分な個別回路数を備える必要がある。
このため、特許文献1の構成の場合には、通信設備の大規模化に対する投資や、通信設備の維持費が増大することで、決済事業者の収益性の低下を招くことになる。
【0007】
また、特許文献2の構成の場合には、いずれかの決済事業者のトランザクション数が増加しても、共用通信回線における空いている通信回線を柔軟に利用することで安定した決済の通信が行なえるが、一つの決済事業者が与える通信環境の変化は、共用通信回線を利用する全ての決済事業者に影響を及ぼす。
【0008】
そのため、特許文献2の構成は、一つの決済事業社における劇的なトランザクション数の増加や通信環境の悪化や遮断が発生した場合、経路を管理するシステム(通信電文の送信先への経路制御を行なう経路管理システム)や、店舗POSが、決済管理サーバからの応答がない(または遅延している)ことに対して、再送信や取消を行うためにトランザクションを順次発生させることにより、共用通信回線におけるトラフィックが増加し、他の決済事業者に対して決済に使用する通信のリソースである通信回線を安定供給することができなくなる。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、決済事業者の各々の個別通信回線数を増加させず、かついずれかの決済事業者の通信環境が変化したとしても、他の決済事業者に影響を与えることなく、決済事業者に対して決済に使用する通信のリソースである通信回線を安定供給する経路管理システム、経路管理方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明の経路管理システムは、ユーザシステムの各々と複数の事業者サーバのそれぞれとの間における通信電文に対する経路を制御する経路管理システムであり、前記事業者サーバが前記通信電文の送受信に使用している通信回線の数である使用通信回線数が、事業者毎に設定された個別に使用する通信回線の数である個別通信回線数以下の場合に前記通信電文の前記経路制御を行なう個別経路制御部と、前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超え、かつ前記事業者サーバとの間の通信が正常に行なわれている場合に、前記事業者の各々が共用して使用する共用通信回線を用いて前記通信電文の経路制御を行なう共用経路制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の経路管理システムは、前記共用経路制御部が、前記事業者サーバの各々における、前記通信電文の通信がタイムアウトとなり遮断された数を、通信遮断数として集計して、前記通信遮断数が予め設定されている異常閾値を超えた場合、前記事業者サーバとの間の通信が正常に行なわれていないと判定することを特徴とする。
【0012】
本発明の経路管理システムは、前記共用経路制御部が、前記前記通信電文の通信が所定の期間内においてタイムアウトとなり遮断された数を、通信遮断数として集計することを特徴とする。
【0013】
本発明の経路管理システムは、前記通信電文の通信状態を示すログファイルが記憶される通信履歴記憶部をさらに備え、前記共用経路制御部が、前記ログファイルを参照することにより、前記事業者サーバ毎の前記通信電文の前記通信遮断数を集計することを特徴とする。
【0014】
本発明の経路管理システムは、前記事業者サーバがストアスキャン方式のバーコード決済を行なう決済事業者の備える決済管理に用いる口座管理システムであることを特徴とする。
【0015】
本発明の経路管理方法は、ユーザシステムの各々と複数の事業者サーバのそれぞれとの間における通信電文に対する経路を制御する経路管理方法であり、個別経路制御部が、前記事業者サーバが前記通信電文の送受信に使用している通信回線の数である使用通信回線数が、事業者毎に設定された個別に使用する通信回線の数である個別通信回線数以下の場合に前記通信電文の前記経路制御を行なう個別経路制御過程と、共用経路制御部が、前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超え、かつ前記事業者サーバとの間の通信が正常に行なわれている場合に、前記事業者の各々が共用して使用する共用通信回線を用いて前記通信電文の経路制御を行なう共用経路制御部とを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明のプログラムは、ユーザシステムの各々と複数の事業者サーバのそれぞれとの間における通信電文に対する経路を制御する経路管理システムとしてコンピュータを動作させるプログラムであり、前記コンピュータを、前記事業者サーバが前記通信電文の送受信に使用している通信回線の数である使用通信回線数が、事業者毎に設定された個別に使用する通信回線の数である個別通信回線数以下の場合に前記通信電文の前記経路制御を行なう個別経路制御手段、前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超え、かつ前記事業者サーバとの間の通信が正常に行なわれている場合に、前記事業者の各々が共用して使用する共用通信回線を用いて前記通信電文の経路制御を行なう共用経路制御手段として動作させるプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、決済事業者の各々の個別通信回線数を増加させず、かついずれかの決済事業者の通信環境が変化したとしても、他の決済事業者に影響を与えることなく、決済事業者に対して決済に使用する通信のリソースである通信回線を安定供給する経路管理システム、経路管理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施形態による経路管理システムを用いた電子マネー決済システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】店舗POSシステム200が出力する通信電文において、経路管理システム300を経由して口座管理システム400の各々に伝達する際の経路制御の概念を説明する図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態における経路管理システム300が通信電文の送信の経路制御を行なう際に用いる判別データが示された判別データテーブルの構成例を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態における経路管理システム300が通信電文の送信の経路制御を行なっている通信回線の使用状況を示す使用通信回線データテーブルの構成例を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態における決済において生成されたトランザクションに対応した通信電文の履歴を示すログファイルテーブルの構成例を示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態による経路管理システム300を用いた電子マネー決済システムにおける決済処理の動作例を示すシーケンス図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態による経路管理システム300を用いた電子マネー決済システムにおける決済処理の動作例を示すシーケンス図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態による経路管理システム300を用いた電子マネー決済システムにおける決済処理の動作例を示すシーケンス図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態における経路管理システム300が通信電文の送信の経路制御を行なう際に用いる判別データが示された判別データテーブルの構成例を示す図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態における経路管理システム300が通信電文の送信の経路制御を行なっている通信回線の使用状況を示す使用通信回線データテーブルの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による経路管理システムを用いた電子マネー決済システムの構成例を示すブロック図である。
図1において、電子マネー決済システム1は、ユーザ端末100、店舗POS(point of sales)システム200、経路管理システム300及び口座管理システム400(事業者サーバ)の各々を備えている。
電子マネー決済システム1において、ユーザ端末100、店舗POSシステム200、経路管理システム300及び口座管理システム400の各々は、インターネットを含む情報通信網500により接続されている。
【0020】
本発明における実施形態は、CPM(consumer presented mode、すなわちストアスキャン)方式のコード(一次元及び二次元バーコードを含む)決済における、上記店舗POSシステム200から送信される電文を、いずれの口座管理システム400に出力するかの経路の制御を行なう経路管理システム300に対応している。
ここで、店舗POSシステム200は、ユーザ端末100の表示画面に表示されるバーコードを読み込み、決済関連処理のトランザクションに対応した通信電文を生成し、経路管理システム300を介して、通信電文に示された決済先である口座管理システム400への経路制御を行なう。
【0021】
ユーザ端末100は、例えばスマートフォンなどの携帯端末であり、データ入出力部101、端末制御部102、表示部103及び記憶部104の各々を備えている。ユーザ端末100には、例えば、バーコード決済を行なうアプリケーションのプログラムがインストールされ、このアプリケーションが起動されることにより、ユーザ端末100の各部の動作が実行される。
データ入出力部101は、店舗POSシステム200及び経路管理システム300の各々に対して、情報通信網500を介したデータの送受信を行なう。
【0022】
端末制御部102は、上記アプリケーションが起動されることにより、表示部103に対して決済に用いる、端末コード及び発行会社コードが含まれるバーコードを生成して表示する。
この発行会社コードは、経路管理システム300に登録された、電子マネーを用いたコード決済を行なう事業者を識別する情報(数列など)である。また、端末コードは、発行会社コードが示す決済事業者におけるユーザの取引口座を識別する、ユーザ端末100に付与された情報(数列など)である。
【0023】
記憶部104には、決済処理を行なう上記アプリケーションのプログラムや、発行会社コード及び端末コードのバーコードパターンを生成するための情報などが書き込まれている。
【0024】
店舗POSシステム200は、データ入出力部201、コード読取り部202、決済制御部203、表示部204及び記憶部205の各々を備えている。
データ入出力部201は、ユーザ端末100及び経路管理システム300の各々に対して、情報通信網500を介したデータの送受信を行なう。
【0025】
コード読取り部202は、店舗における代金の支払を行なう会計(支払場所)において、顧客が提示するユーザ端末100における表示部103の表示画面におけるバーコード(一次元バーコード及び二次元バーコードなど)の画像(バーコード画像)の読取りを行なう。
コード読取り部202におけるバーコード画像の読取りは、ユーザ端末100における表示部103の表示画面に表示されるバーコードの画像を、店舗POSシステム200に備えられたバーコードリーダ(不図示)により行なう。
そして、コード読取り部202は、バーコード画像におけるバーコードのパターンを識別することにより、決済サービス識別情報及び端末コードなどの識別コード情報を抽出して取得する。
【0026】
決済制御部203は、顧客の購入した商品の代金としての決済する金額(決済金額)、決済サービス識別情報及び端末コードなどを含む決済情報を経路管理システム300に対して送信する。
ここで、決済情報は、少なくとも、トランザクション番号、取引区分、決済金額、支払金額、取消フラグ、取引対象トランザクション番号、システム登録日時、システム更新日時、障害取消フラグ、決済サービス識別情報及び発行会社コードの各々を含んでいる。
【0027】
トランザクション番号は、通信電文に付与される、それぞれの通信電文を識別するための固有番号である。取引区分は、送信される通信電文による取引の種類を示しており、アクティベート(決済事業者における新たな取引口座の開設要求)、入金(取引口座への電子マネーのチャージ要求)、出金(取引口座からの電子マネーを用いた決済要求)、残高照会(取引口座における電子マネーの金額の照会要求)及び取消(アクティベート、入金、出金、残高照会の各々の要求を取り消す要求)、障害取消(通信障害の発生に基づいてアクティベート、入金、出金、残高照会の各々の要求を取り消す要求)などである。
【0028】
決済金額は、上記出金の場合、代金の決済を行うために口座の残高から引き出す金額であり、上記入金の場合、口座の残高に加算される金額である。
支払金額は、クーポンやポイントの利用相当分を、決済金額から減算して減額された金額である。
取消フラグは、取引区分において、取消の場合には通常を示すフラグが立てられ、障害取消の場合には通信障害による取消を示すフラグが立てられる。
取消対象トランザクション番号は、取引区分が取消あるいは障害取消の場合、この通信電文におけるトランザクションで取消を要求する対象のトランザクションのトランザクション番号を示している。
【0029】
システム登録日時は、店舗POSシステム200において、トランザクション番号に対応するトランザクションが生成され、このトランザクションが経路管理システム300に対して送信された日時を示している。
システム更新日時は、店舗POSシステム200において、トランザクション番号に対応するトランザクションが更新された日時を示している。
障害取消フラグは、取引区分が取消あるいは障害取消の場合に立てられるフラグである。
【0030】
決済サービス識別情報は、電子マネーのバーコード決済を行なう決済事業者の各々を個々に識別する情報(数列など)である。
発行会社コードは、店舗POSシステム200の各々が備えられている店舗(加盟店、例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗)が属する加盟店会社の各々を個々に識別する情報(数列など)である。
【0031】
図2は、店舗POSシステム200が出力する通信電文において、経路管理システム300を経由して口座管理システム400の各々に伝達する際の経路制御の概念を説明する図である。
本実施形態においては、各決済事業者が個別に使用することができる通信回線(
図2における実線矢印)の上限数として個別通信回線数が設定されており、また経路制御のサービスの提供を受ける決済事業者の各々が共用して使用することができる通信回線(
図2における破線矢印)の数として共用通信回線数とが設定されている。
【0032】
本実施形態における通信回線は、個々の決済に対応したトランザクションにより生成された通信電文を、経路管理システム300と口座管理システム400との間を経路制御して通信を行なう論理的な接続を示した回線(すなわち、論理回線)である。
例えば、
図2は、経路管理システム300が経路制御を行なう通信回線の概念を示しており、経路制御のサービスを提供する決済事業者がn社ある(口座管理システム400がn個ある)場合を示している。
【0033】
店舗POSシステム200(200_1~200_k)は、すでに述べたように、各店舗の代金の支払場所に設置されており、顧客が購入した商品の代金の決済を処理する。ここで、店舗POSシステム200は、複数の決済事業者(後述する決済事業者C_1から決済事業者C_n)による電子マネーを用いたバーコード決済のサービスに対応している。
口座管理システム400(400_1~400_n)は、各決済事業者の決済管理センターなどに備えられている。例えば、決済事業者C_1が口座管理システム400_1を運用し、決済事業者C_2が口座管理システム400_2を運用し、決済事業者C_nが口座管理システム400_nを運用している。
【0034】
経路管理システム300は、店舗POSシステム200が送信された通信電文を、情報通信網500を介して受信し、この通信電文の決済先である決済事業者の口座管理システム400に対して通信電文(要求電文)を送信する通信回線を接続する経路制御を行なう。本実施形態においては要求電文により説明しているが、経路制御よる通信回線は、トランザクションが処理されている間は維持され、口座管理システム400から店舗POSシステム200への通信電文(応答電文)も送信される。
ここで、経路管理システム300において、決済事業者C_1~決済事業者C_nの各々に対する通信電文の経路制御において、決済事業者C_1~決済事業者C_nの各々が個別に使用することが可能な通信回線の数(使用可能な上限数)として、個別通信回線数600(個別通信回線数600_1~個別通信回線数600_nそれぞれ)を設定している。
【0035】
また、経路管理システム300において、決済事業者C_1~決済事業者C_nの各々が共用することが可能な通信回線の数である共用通信回線数が設定されている。
そして、上記共用通信回線数以内であれば、この共用通信回線数に対応する通信回線を共用通信回線として用い、決済事業者の各々の個別通信回線数を超えた数の通信電文を送信する通信回線の経路制御を行なう。
このとき、口座管理システム400の各々が共用通信回線として使用している通信回線の数が使用共用通信回線数として求められ、経路管理システム300の経路制御下における全ての口座管理システム400の使用共用通信回線数の加算値として全使用共用通信回線数が求められる。すなわち、全使用共用通信回線数700は、使用共用通信回線数700_1~使用共用通信回線数700_nの加算値として求められる。
【0036】
図3は、経路管理システム300が通信電文の送信の経路制御を行なう際に用いる判別データが示された判別データテーブルの構成例を示す図である。
図3において、判別データテーブルは、判別情報記憶部306に記憶されており、レコード毎に決済サービス識別情報及び個別通信回線数の各々の欄が設けられている。また、全ての決済サービス識別情報に共通する、共用通信回線数の欄が設けられている。
【0037】
決済サービス識別情報は、経路管理システム300が通信電文の経路制御のサービスを提供している、電子マネーのコード決済を行なう決済事業者の各々を個々に識別する情報(数列など)である。個別通信回線数は、決済事業者が個別に使用可能な通信回線数の上限値を示す数である。
また、共用通信回線数は、経路管理システム300が通信電文の経路制御サービスを提供している全ての決済事業者に対して、通信電文を送信する共用通信回線として使用することが可能な通信回線の数の上限値である。
【0038】
図4は、経路管理システム300が通信電文の送信の経路制御を行なっている通信回線の使用状況を示す使用通信回線データテーブルの構成例を示す図である。
図4において、使用通信回線データテーブルは、判別情報記憶部306に記憶されており、レコード毎に決済サービス識別情報、使用個別通信回線数及び使用共通通信回線数の各々の欄が設けられている。
決済サービス識別情報は、経路管理システム300が通信電文の経路制御のサービスを提供している、電子マネーのコード決済を行なう決済事業者の各々を個々に識別する情報である。使用個別通信回線数は、通信電文の経路制御において決済事業者に対して、個別通信回線として使用している通信回線の数である。使用共用通信回線数は、通信電文の経路制御において決済事業者に対して、共用通信回線として使用している通信回線の数である。
【0039】
図5は、決済において生成されたトランザクションに対応した通信電文の履歴を示すログファイルテーブルの構成例を示す図である。
図5において、ログファイルテーブルは、通信履歴記憶部305に記憶されており、レコード毎に、トランザクション番号、取引区分、システム登録日時、システム更新日時、決済サービス識別情報及び処理ステータスの各々の欄が設けられている。
トランザクション番号は、通信電文に付与される、それぞれの通信電文を識別するための固有番号である。
取引区分は、送信される通信電文による取引の種類を示しており、アクティベート、入金、出金、残高照会及び取消、障害取消などである。
【0040】
システム登録日時は、登録POSシステム200において、トランザクション番号に対応するトランザクションが生成され、このトランザクションが経路管理システム300に対して送信された日時を示している。
システム更新日時は、登録POSシステム200において、トランザクション番号に対応するトランザクションが更新された日時を示している。
【0041】
決済サービス識別情報は、電子マネーのバーコード決済を行なう決済事業者の各々を個々に識別する情報(数列など)である。
処理ステータスは、トランザクションの現在の状態を示す情報であり、リクエスト中(決済などの要求の通信電文の経路制御中の状態)、応答待ち(口座管理システム400に対して送信した通信電文の回答待ちの状態)、リプライ中(口座管理システム400からの回答の通信電文を受信中の状態)、正常終了(決済関連のトランザクションが正常に終了している状態)及びタイムアウト終了(経路管理システム300と口座管理システム400との間の通信回線の通信異常により、所定の時間内に応答が無く、強制的に通信回路が遮断された状態)などが示されている。
【0042】
図1に戻り、経路管理システム300は、データ入出力部301、個別経路制御部302、共用経路制御部303、処理ステータス管理部304、通信履歴記憶部305及び判別情報記憶部306の各々を備えている。
データ入出力部301は、ユーザ端末100、店舗POSシステム200及び口座管理システム400の各々に対して、情報通信網500を介したデータの送受信を行なう。
【0043】
処理ステータス管理部304は、店舗POSシステム200から通信電文が供給された場合、通信履歴記憶部305のログファイルテーブルを参照して、決済サービス識別情報毎に、トランザクションの各々の処理ステータスを確認し、その処理ステータスが通信回線として接続されている状態か否かの判定を行う。
そして、処理ステータス管理部304は、決済サービス識別情報毎に、報通信回線が接続された状態のトランザクションの数を積算して使用通信回線数とする。
【0044】
また、処理ステータス管理部304は、判別情報記憶部306の判別データテーブルを参照して、決済サービス識別情報毎に個別通信回線数を読み出し、読み出した個別通信回線数から使用通信回線数を減算する。
処理ステータス管理部304は、減算結果が正の数値の場合、決済サービス識別情報の使用通信回線数が個別通信回線数に達していないと判定する。
【0045】
そして、処理ステータス管理部304は、この使用通信回線数を使用個別通信回線数として、判別情報記憶部306の使用通信回線データテーブルにおいて対応する決済サービス識別情報の使用個別通信回線数の欄に書き込んで記憶させる。
このとき、処理ステータス管理部304は、使用通信回線数が個別通信回線数未満であり、使用共用通信回線として使用されている通信回線がないため、使用共用通信回線数としては「0」の数値を使用共用通信回線数として判別情報記憶部306の使用通信回線データテーブルにおいて対応する決済サービス識別情報の使用共用通信回線数の欄に書き込んで記憶させる。
【0046】
一方、処理ステータス管理部304は、減算結果が負の数値の場合、決済サービス識別情報の使用通信回線数が個別通信回線数を超えていると判定する。
処理ステータス管理部304は、この個別通信回線数を使用個別通信回線数として、判別情報記憶部306の使用通信回線データテーブルにおいて対応する決済サービス識別情報の使用個別通信回線数の欄に書き込んで記憶させる。
このとき、処理ステータス管理部304は、使用通信回線数が個別通信回線数を超えているため、使用回線数から個別回線数を減算した結果を使用共用通信回線として、判別情報記憶部306の使用通信回線データテーブルにおいて対応する決済サービス識別情報の使用共用通信回線数の欄に書き込んで記憶させる。
【0047】
個別経路制御部302は、経路管理システム300と口座管理システム400の各々との間における決済に関連するトランザクションの通信電文の送受信において個別通信回線として使用される通信回線の数である個別通信回線数を、判別情報記憶部306の使用通信回線データテーブルを参照して、口座管理システム400のそれぞれに対応して抽出する。
また、個別経路制御部302は、決済事業者C_1~決済事業者C_n(口座管理システム400_1~口座管理システム400_n)の各々の上記個別通信回線数が、決済事業者C_1~決済事業者C_のそれぞれに設定された個別管理通信回線数未満か否かの判定を行なう。
【0048】
このとき、個別経路制御部302は、店舗POSシステム200から送信された通信電文を送信する経路制御に用いている使用個別通信回線数が個別管理通信回線数(上限値)未満の場合、個別に利用可能な通信回線が余っていると判定し、店舗POSシステム200から送信された通信電文に対して、経路管理システム300と口座管理システム400との間における経路制御を行なう。
【0049】
ここで、個別経路制御部302は、新たに通信回線を個別通信回線として使用し、店舗POSシステム200から送信された通信電文を、経路管理システム300から口座管理システム400へ送信する経路制御を行なう。
一方、個別経路制御部302は、使用個別通信回線数が個別管理通信回線数(上限値)に達している場合、個別に利用可能な通信回線が余っていないため、経路管理システム300と口座管理システム400との間における通信電文の経路制御を、共用経路制御部303に要求する。
【0050】
図1に戻り、共用経路制御部303は、個別経路制御部302から通信電文の経路制御を要求された場合、経路管理システム300と、この通信電文に対応する口座管理システム400との間における決済に関連するトランザクションの通信電文の送受信において、通信電文を送信した決済事業者におけるタイムアウトとなったトランザクションの数(トランザクション数)を通信遮断数(遮断された通信回線の数)として、通信履歴記憶部305のログファイルテーブルを参照して抽出する。
そして、共用経路制御部303は、ログファイルテーブルから抽出した通信遮断数が、予め設定された異常閾値を超えたか否かの判定を行なう。
【0051】
このとき、共用経路制御部303は、通信遮断数が異常閾値以下の場合、経路管理システム300と口座管理システム400との間の通信環境において変化がない(通信に異常が無く、正常な通信が行なわれている)と判定する。
そして、共用経路制御部303は、通信環境において変化がないため、共用通信経路数における通信回線を利用した通信電文を、この通信電文における決済サービス識別情報に対応する決済事業者の運用する口座管理システム400に送信するための経路制御を行なうため、次の共用通信経路の管理処理を行なう。
【0052】
一方、共用経路制御部303は、通信遮断数が異常閾値より大きい場合、経路管理システム300と口座管理システム400との間の通信環境において変化があった(通信に異常があり、正常な通信が行なわれていない)と判定する。
そして、共用経路制御部303は、通信環境において変化があったため、共用通信経路数における通信回線を利用した通信電文を、この通信電文における決済サービス識別情報に対応する決済事業者の運用する口座管理システム400に送信する通信を遮断する。
【0053】
共用経路制御部303は、共用通信経路の管理処理として、判別情報記憶部306における使用通信回線データテーブルを参照して、各決済事業社における共用通信経路として使用されている使用共用通信回線数の各々を読み出す。
そして、共用経路制御部303は、使用通信回線データテーブルから読み出した使用共用通信回線数の各々を加算して全使用共用通信回線数を求める。
次に、共用経路制御部303は、全使用共用通信回線数が共通通信経路数未満か否か、すなわち共用通信回線として使用可能な通信回線の有無の判定を行なう。
【0054】
このとき、共用経路制御部303は、使用共用通信回線数が共用通信経路数(上限値)未満である場合、共用として使用可能な通信回線がある(余っている)ため、店舗POSシステム200から送信された通信電文に対して、経路管理システム300と口座管理システム400との間における経路制御を行なう。
一方、共用経路制御部303は、使用共用通信回線数が共用通信経路数(上限値)に達している場合、共用として使用可能な通信回線が無いため、店舗POSシステム200から送信された通信電文に対して、経路管理システム300と口座管理システム400との間における通信を遮断する。
【0055】
通信履歴記憶部305は、上記ログファイルテーブルが書き込まれて記憶されている。
判別情報記憶部306は、 判別データテーブル及び使用通信回線データテーブルの各々が書き込まれて記憶されている。
【0056】
口座管理システム400は、データ入出力部401、口座番号管理部402、口座残高管理部403及び口座情報記憶部404の各々を備えている。
データ入出力部401は、情報通信網500を介して、経路管理システム300とのデータの送受信を行なう。
口座番号管理部402は、ユーザ端末100から供給された決済要求情報から、ユーザ端末100の端末コードを抽出する。
【0057】
そして、口座番号管理部402は、口座情報記憶部404の口座テーブルにおける端末コード(以下、参照端末コード)を参照し、抽出した端末コード(以下、抽出端末コード)と同一の参照端末コードが検出できるか否かの判定を行なう。
ここで、口座番号管理部402は、上記口座テーブルにおいて抽出端末コードと同一の参照端末コードが検出された場合、ユーザ認証において口座を有しており決済処理を利用できるユーザとして認証する。一方、口座番号管理部402は、抽出端末コードと同一の参照端末コードが検出されない場合、ユーザ認証において口座を有しておらず、決済処理を利用できるユーザとして認証しない。
【0058】
口座残高管理部403は、口座テーブルにおける参照端末コードに対応して記憶されている電子マネーの金額(残高)の管理、例えば入金(金額加算)処理、出金(金額減算)処理、金額の確認処理などを行なう。ここでは、最も多く実施されるトランザクションとして、出金処理を一例として説明を行なう。
また、口座残高管理部403は、決済金額の出金処理が正常に終了した際、決済処理が終了したことを示す決済完了情報を経路管理システム300に対して送信する。
【0059】
ここで、決済完了情報は、少なくとも、取引区分、発行会社コード、端末コード、店舗コード、端末処理年月日、端末処理時間、承認番号、決済金額及び支払金額を含んでいる。
取引区分は、送信される電文による取引の種類を示しており、アクティベート、入金、出金、残高照会及び取消などである。
【0060】
発行会社コードは、口座管理システム400に登録された、識別コードを用いた電子決済サービスを導入している事業者を一意に特定するための情報(数列など)である。端末コードは、決済事業者によって付与されたユーザの取引口座を一意に特定するための情報(数列など)である。店舗コードは、決済事業社によって付与された店舗POSシステム200の設置された店舗を一意に特性する(識別する)ための情報(数字を含む文字列など)である。
【0061】
口座情報記憶部404には、端末コードと電子マネーの残高とが対応づけられた上記口座テーブルが書き込まれて記憶されている。
【0062】
図6から
図8の各々は、本実施形態による経路管理システム300を用いた電子マネー決済システムにおける決済処理の動作例を示すシーケンス図である。
ステップS101:
顧客は、店舗内で購入する商品を選択し、店舗の代金の支払いを行なう支払い場所にて、購入する商品の代金の決済を、識別コードを用いた電子決済で行なう際、当該決済を行うためのアプリケーションを起動する。
【0063】
ステップS102:
そして、顧客は、ユーザ端末100の表示部103に表示される起動画面の指示に従い、電子決済を行うための識別コードであるバーコードを、このユーザ端末100の表示部103に表示させる処理を行う(端末制御部102が行なう処理)。
これにより、上記アプリケーションは、ユーザ端末100の表示部103に対して、電子決済を行うための識別コードを表示する。
顧客は、ユーザ端末100の表示部103に表示されているバーコードを、店舗の店員に提示する。
【0064】
ステップS103:
店舗の店員は、店舗POSシステム200のバーコードリーダにより、ユーザ端末100の表示部103に表示されているバーコードの読み取り操作を行う。
これにより、コード読取り部202は、バーコードリーダを介して、ユーザ端末100の表示部103に表示されているバーコードの画像であるバーコード画像の読み取りを行う。
そして、コード読取り部202は、上記バーコード画像におけるバーコードのパターンを解析することにより、発行会社コード及び端末コードなどの識別情報を抽出して取得する。
【0065】
ステップS104:
決済制御部203は、顧客の購入した商品の代金として決済する金額(決済金額)、支払金額、決済サービス識別情報及び端末コードなどを含む決済関連情報を生成する。
また、本実施形態においては、上記決済関連情報として決済を例として説明しているが、代金の決済のみでなく、すでに述べた取引区分としての電子決済における、店舗POSシステム200から口座管理システム400に対する電子決済に関する処理の各々の通信電文がある。
【0066】
ステップS105:
決済制御部203は、生成した決済情報を通信電文として、データ入出力部201を介して経路管理システム300に対して送信する。
【0067】
ステップS106:
処理ステータス管理部304は、通信履歴記憶部305のログファイルと、判別情報記憶部306の判別データテーブルとを参照して、決済サービス識別情報毎に、使用個別通信回線数及び使用共用通信回線数を求めて、
図4に示す判別情報記憶部306の使用通信回線データテーブルを生成する。
また、個別経路制御部302は、通信電文の決済情報から決済を行なう決済事業者の取得、すなわち、この通信電文の送信先である決済サービス識別情報を決済情報から抽出する。
【0068】
ステップS107:
個別経路制御部302は、判別情報記憶部306の使用通信回線データテーブルを参照し、抽出した決済サービス識別情報に対応する使用個別通信回線数を読み出す。
また、個別経路制御部302は、判別情報記憶部306の判別データテーブルを参照し、抽出した決済サービス識別情報に対応する個別通信回線数を読み出す。
そして、個別経路制御部302は、使用個別通信回線数が個別通信回線数未満であるか否かの判定を行なう。
このとき、個別経路制御部302は、使用個別通信回線数が個別通信回線数未満である場合、処理をステップS108Yへ進める。
一方、個別経路制御部302は、使用個別通信回線数が個別通信回線数(上限値)に達している場合、処理をステップS108Nへ進める。
【0069】
ステップS108Y:
個別経路制御部302は、決済情報を含む決通信電文を、口座管理システム400に対してデータ入出力部301を介して出力する。
【0070】
ステップS109:
口座番号管理部402は、データ入出力部401を介して入力される通信電文における決済情報から端末コードを抽出する。
そして、口座番号管理部402は、口座情報記憶部404における認証テーブルを参照し、抽出した端末コードである抽出端末コードと同一の参照端末コードの有無を検索して確認する。
【0071】
このとき、口座番号管理部402は、口座情報記憶部404の口座テーブルにおいて、抽出端末コードと同一の参照端末コードが検出された場合、抽出端末コードが登録されており、口座が存在するとして処理をステップS110へ進める。
一方、口座番号管理部402は、口座情報記憶部404の口座テーブルにおいて、抽出端末コードと同一の参照端末コードが検出されない場合、抽出端末コードが登録されておらず、口座が存在しないとして決済処理を行わない。
【0072】
ステップS110:
口座番号管理部402は、口座残高管理部403に対して、決済要求情報における決済金額による残高の更新処理を要求する。
これにより、口座残高管理部403は、口座情報記憶部404の口座テーブルから、抽出端末コードと同一の参照端末コードに対応する残高を読み出す。
そして、口座残高管理部403は、参照端末コードに対応する残高と、決済要求情報における決済金額とを比較し、口座の残高が決済金額以上であるか否かの判定を行う。
【0073】
このとき、口座残高管理部403は、口座の残高が決済金額以上である場合、検出された参照端末コードに対応する残高から決済金額を減算して、減算結果を新たな残高として口座テーブルに上書きして金額の更新を行い、処理をステップ111Aへ進める。
一方、口座残高管理部403は、口座の残高が決済金額未満である場合、検出された参照端末コードに対応する残高から決済金額を減算せず、すなわち口座テーブルの残高を更新しない。
【0074】
ステップS111A:
口座残高管理部403は、経路管理システム300を介して、店舗POSシステム200に対して、決済完了情報を送信する。
【0075】
ステップS11B:
口座残高管理部403は、経路管理システム300を介して、店舗POSシステム200に対して、決済完了情報を送信する。
【0076】
ステップS112A:
決済制御部203は、口座管理システム400から供給される決済完了情報に対応した決済完了画面を、表示部204の表示画面に表示して、決済完了の通知を店舗の店員に対して行なう。
【0077】
ステップS112B:
端末制御部102は、口座管理システム400から供給される決済完了情報に対応した決済完了画面を、表示部103の表示画面に表示して、決済を行った顧客に決済完了の通知を行なう。
【0078】
ステップS108N:
共用経路制御部303は、個別経路制御部302から通信電文の経路制御を要求された場合、通信履歴記憶部305のログファイルテーブルを参照して、通信電文の送受信において、経路制御の対象である通信電文における決済サービス識別情報における所定の期間(例えば、5分間)にタイムアウトとなったトランザクションを抽出して、抽出されたトランザクションの総数を通信遮断数として抽出する。
【0079】
また、共用経路制御部303は、判別情報記憶部306における判別データテーブルから異常値を読み出す。
そして、共用経路制御部303は、抽出した通信遮断数が読み出した異常閾値を超えているか否かの判定を行なう。
【0080】
このとき、共用経路制御部303は、通信遮断数が異常閾値を超えている場合、経路管理システム300と、通信電文における決済サービス識別情報に対応する口座管理システム400との間の通信に異常があり、正常な通信が行なわれていないと判定し、処理をステップS113Yに進める。
一方、共用経路制御部303は、通信遮断数が異常閾値を超えていない(異常閾値以下の)場合、経路管理システム300と、通信電文における決済サービス識別情報に対応する口座管理システム400との間の通信に異常が無く、正常な通信が行なわれていると判定し、共用通信回線の管理処理を行わせるため、処理をステップS113Nに進める。
【0081】
ステップS113Y:
共用経路制御部303は、通信環境において変化があって正常な通信が行なわれていないため、共用通信経路数における通信回線を利用して、この決済サービス識別情報の示す口座管理システム400(決済事業者)に対する通信電文の経路制御を行なわない。
そして、共用経路制御部303は、通信環境により経路制御による通信回線の確立が行えず、通信電文の送信が行えなかったことを示すエラー通知(例えば、エラーコード)を、通信元のPOSシステム200に対して送信する。
【0082】
ステップS114:
決済制御部203は、経路管理システム300から供給され、データ入出力部201を介して入力したエラー通知のエラーコードに対応したエラー処理、例えば、表示部204にトランザクション番号と、通信電文が通信環境の変化により送信できなかったことを表示画面に表示し、店舗の店員に対する通知を行なう。
【0083】
ステップS113N:
共用経路制御部303は、共用通信経路の管理処理として、判別情報記憶部306の使用通信回線データテーブルを参照し、各決済事業社における共用通信経路として使用されている使用共用通信回線数の各々を読み出す。
共用経路制御部303は、使用通信回線データテーブルから読み出した使用共用通信回線数の各々を加算して全使用共用通信回線数を求める。
そして、共用経路制御部303は、全使用共用通信回線数が共用通信回線数(上限値)未満か否か(すなわち、共用通信回線として使用可能な通信回線の有無)の判定を行なう。
【0084】
このとき、共用経路制御部303は、使用共用通信回線数が共用通信回線数(上限値)に達している場合、共用として使用可能な通信回線が無いため、店舗POSシステム200から送信された通信電文を、経路管理システム300から口座管理システム400への経路制御を行わずに、ステップS115Yへ進める。
一方、共用経路制御部303は、使用共用通信回線数が共用通信回線数(上限値)未満である場合、共用として使用可能な通信回線があるとして、処理をステップS115Nへ進める。
【0085】
ステップS115Y:
共用経路制御部303は、使用可能な通信回線が無く、通信電文の経路制御を行う通信回線の確立が行なえず、通信電文の送信が行えなかったことを示すエラー通知(例えば、エラーコード)を、通信元のPOSシステム200に対して送信する。
【0086】
ステップS114:
決済制御部203は、経路管理システム300から供給され、データ入出力部201を介して入力したエラー通知のエラーコードに対応したエラー処理、例えば、表示部204にトランザクション番号と、通信電文の経路制御を行う通信回線の確立が行なえず、通信電文の送信が行なえなかったことを表示画面に表示し、店舗の店員に対する通知を行なう。
【0087】
ステップS115N:
共用経路制御部303は、共用として使用可能な通信回線があるとして、店舗POSシステム200から送信された通信電文を、経路管理システム300から口座管理システム400へ送信する経路制御を共用通信回線として用いて行ない、処理をステップS108Yへ進める。
【0088】
上述した構成により、本実施形態によれば、経路管理システム300と口座管理システム400との間における通信回線を、決済事業者の各々が個別に用いる通信回線である個別通信回線と、決済事業者の全てが共用に用いる通信回線である共用通信回線としてm通信電文の経路制御を行なうため、決済事業者それぞれが個別通信回線のみで通信電文の経路制御を行なう場合に比較して、いずれかの決済事業者の通信電文が短期間において増加しても、決済事業者の個別通信回線数を超えた通信電文の経路制御が共用通信回線を用いることにより可能となり、予想される最大の通信電文の数に対応して個別通信回線を備える必要がなく、設備投資およびランニングコストを低減させることができる。
【0089】
また、本実施形態によれば、個別通信回線数を超えた通信電文の経路制御において共用通信回線を用いて行う場合、個別通信回線を超えた決済事業者の通信がタイムアウトとなったトランザクション数を求め、このトランザクション数が異常閾値を超えた場合、口座管理システム400と経路管理システム300との間の通信環境に異常が発生したと判定し、トランザクション数が異常閾値を超えた決済事業者の口座管理システム400への経路制御を行なわないため、いずれかの決済事業者の通信環境が変化して異常となった場合においても、他の決済事業者に影響を与えることなく、決済事業者に対して決済に使用する通信のリソースである通信回線を安定供給することができる。
【0090】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明の第2の実施形態による経路管理システム300の構成は、
図1に示す第1の実施形態の構成と同様である。以下、第1の実施形態と異なる動作のみを説明する。本実施形態においては、決済事業者の各々が、自身が決済サービスを提供している加盟店会社のなかで、通信回線の利用数の多い加盟店会社に対して、個別通信回線数のなかから特に優先的に利用することができる固定枠の通信回線(固定枠通信回線)を与えている。
【0091】
図9は、本発明の第2の実施形態における経路管理システム300が通信電文の送信の経路制御を行なう際に用いる判別データが示された判別データテーブルの構成例を示す図である。この
図9においては、
図3に示す判別情報記憶部306における、決済サービス識別情報、個別通信回線数の欄を備えた判別テーブルに対して、発行会社コードと固定枠通信回線数との各々の欄が追加して備えられている。
発行会社コードは、決済事業者の各々が、個別通信回線数において特別に固定枠通信回線として優先的に利用できる通信回線を与えている発行会社コードを示している。
【0092】
固定枠通信回線数は、上記発行会社コードの示す発行会社が優先的に利用可能な固定枠通信回線の上限値の数を示している。また、固定枠通信回線数は、決済サービス識別情報における個別通信回線数に含まれており、例えば、個別通信回線数が100回線である場合、この100回線のなかの10回線が固定枠通信回線として加盟店会社Aに対して振り分けられている。固定枠通信回線は、他の加盟店会社が利用することができない。このため、100回線のなかで10回線が発行会社Aに付与されている場合、決済事業者の決済処理を提供する他の発行会社は90回線を利用することになる。
【0093】
図10は、本発明の第2の実施形態における経路管理システム300が通信電文の送信の経路制御を行なっている通信回線の使用状況を示す使用通信回線データテーブルの構成例を示す図である。この
図10においては、
図4に示す通信履歴記憶部305における、決済サービス識別情報、使用個別通信回線数及び使用共通通信回線数の欄を備えた使用通信回線データテーブルに対して、発行会社コードと使用固定枠通信回線数との各々の欄が追加して備えられている。
発行会社コードは、決済事業者の各々が、個別通信回線数において特別に固定枠通信回線として優先的に利用できる通信回線を与えている加盟店会社のコードを示している。
使用固定枠通信回線数は、通信電文の経路制御において決済事業者に対して、固定枠通信回線として使用している通信回線の数である。
本実施形態は、優先的に使用可能な固定枠通信回線数が与えられている点のみが第1の実施形態と異なり、決済処理における経路制御の動作については、
図5のログファイルテーブルを用いて説明した第1の実施形態と同様のため、詳細な説明を省略する。
【0094】
なお、本発明における
図1の経路管理システム300の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、経路管理システム300と口座管理システム400との間の通信回線の経路制御の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0095】
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0096】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0097】
100…ユーザ端末
101,201,301,401…データ入出力部
102…端末制御部
103,204…表示部
104,205…記憶部
200…店舗POSシステム
202…コード読取り部
203…決済制御部
300…経路管理システム
302…個別経路制御部
303…共用経路制御部
304…処理ステータス管理部
305…通信履歴記憶部
306…判別情報記憶部
400…口座管理システム
402…口座番号管理部
403…口座残高管理部
404…口座情報記憶部
500…情報通信網
【手続補正書】
【提出日】2020-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザシステムの各々と複数の事業者サーバのそれぞれとの間における通信電文に対する経路を制御する経路管理システムであり、
前記事業者サーバが前記通信電文の送受信に使用している通信回線の数である使用通信回線数が、事業者毎に設定された個別に使用する個別通信回線の数である個別通信回線数以下の場合に前記通信電文の経路制御を行なう個別経路制御部と、
前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超えた場合であり、かつ前記経路管理システムからの前記通信電文に対して前記事業者サーバから所定の時間内に応答が無く、強制的に通信回線が遮断された回数を集計した通信遮断数が予め設定された異常閾値を超えることなく前記経路管理システムと前記事業者サーバとの間の通信が正常に行われている場合、前記事業者の各々が共用して使用する共用通信回線を用いて前記通信電文の経路制御を行なう共用経路制御部と
を備えることを特徴とする経路管理システム。
【請求項2】
前記個別経路制御部と前記事業者サーバとの間の通信において、当該事業者サーバに割り当てられている個別通信回線に、他のユーザシステムが使用することができない、特定の前記ユーザシステムが優先的に使用できる使用固定枠通信回線が割り当てられている
ことを特徴とする請求項1に記載の経路管理システム。
【請求項3】
前記共用経路制御部が、
前記通信電文の通信が所定の期間内においてタイムアウトとなり遮断された数を、通信遮断数として集計する
ことを特徴とする請求項2に記載の経路管理システム。
【請求項4】
前記通信電文の通信状態を示すログファイルが記憶される通信履歴記憶部をさらに備え、
前記共用経路制御部が、
前記ログファイルを参照することにより、前記事業者サーバ毎の前記通信電文の前記通信遮断数を集計する
ことを特徴とする請求項3に記載の経路管理システム。
【請求項5】
前記事業者サーバがストアスキャン方式のバーコード決済を行なう決済事業者の備える決済管理に用いる口座管理システムである
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の経路管理システム。
【請求項6】
ユーザシステムの各々と複数の事業者サーバのそれぞれとの間における通信電文に対する経路を制御する経路管理システムによる経路管理方法であり、
個別経路制御部が、
前記事業者サーバが前記通信電文の送受信に使用している通信回線の数である使用通信回線数が、事業者毎に設定された個別に使用する個別通信回線の数である個別通信回線数以下の場合に前記通信電文の経路制御を行なう個別経路制御過程と、
共用経路制御部が、
前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超え、かつ前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超えた場合であり、かつ前記経路管理システムからの前記通信電文に対して前記事業者サーバから所定の時間内に応答が無く、強制的に通信回線が遮断された回数を集計した通信遮断数が予め設定された異常閾値を超えることなく前記経路管理システムと前記事業者サーバとの間の通信が正常に行われている場合、前記事業者の各々が共用して使用する共用通信回線を用いて前記通信電文の経路制御を行なう共用経路制御部と
を含むことを特徴とする経路管理方法。
【請求項7】
ユーザシステムの各々と複数の事業者サーバのそれぞれとの間における通信電文に対する経路を制御する経路管理システムとしてコンピュータを動作させるプログラムであり、
前記コンピュータを、
前記事業者サーバが前記通信電文の送受信に使用している通信回線の数である使用通信回線数が、事業者毎に設定された個別に使用する個別通信回線の数である個別通信回線数以下の場合に前記通信電文の経路制御を行なう個別経路制御手段、
前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超え、かつ前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超えた場合であり、かつ前記経路管理システムからの前記通信電文に対して前記事業者サーバから所定の時間内に応答が無く、強制的に通信回線が遮断された回数を集計した通信遮断数が予め設定された異常閾値を超えることなく前記経路管理システムと前記事業者サーバとの間の通信が正常に行われている場合、前記事業者の各々が共用して使用する共用通信回線を用いて前記通信電文の経路制御を行なう共用経路制御手段
として動作させるプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明の経路管理システムは、ユーザシステムの各々と複数の事業者サーバのそれぞれとの間における通信電文に対する経路を制御する経路管理システムであり、前記事業者サーバが前記通信電文の送受信に使用している通信回線の数である使用通信回線数が、事業者毎に設定された個別に使用する個別通信回線の数である個別通信回線数以下の場合に前記通信電文の経路制御を行なう個別経路制御部と、前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超え、かつ前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超えた場合であり、かつ前記経路管理システムからの前記通信電文に対して前記事業者サーバから所定の時間内に応答が無く、強制的に通信回線が遮断された回数を集計した通信遮断数が予め設定された異常閾値を超えることなく前記経路管理システムと前記事業者サーバとの間の通信が正常に行われている場合、前記事業者の各々が共用して使用する共用通信回線を用いて前記通信電文の経路制御を行なう共用経路制御部とを備えることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明の経路管理システムは、前記ユーザシステムと前記事業者サーバとの間の通信において、当該事業者サーバに割り当てられている個別通信回線に、他のユーザシステムが使用することができない、特定の前記ユーザシステムが優先的に使用できる使用固定枠通信回線が割り当てられていることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明の経路管理システムは、前記共用経路制御部が、前記通信電文の通信が所定の期間内においてタイムアウトとなり遮断された数を、通信遮断数として集計することを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明の経路管理方法は、ユーザシステムの各々と複数の事業者サーバのそれぞれとの間における通信電文に対する経路を制御する経路管理システムによる経路管理方法であり、個別経路制御部が、前記事業者サーバが前記通信電文の送受信に使用している通信回線の数である使用通信回線数が、事業者毎に設定された個別に使用する個別通信回線の数である個別通信回線数以下の場合に前記通信電文の経路制御を行なう個別経路制御過程と、共用経路制御部が、前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超え、かつ前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超えた場合であり、かつ前記経路管理システムからの前記通信電文に対して前記事業者サーバから所定の時間内に応答が無く、強制的に通信回線が遮断された回数を集計した通信遮断数が予め設定された異常閾値を超えることなく前記経路管理システムと前記事業者サーバとの間の通信が正常に行われている場合、前記事業者の各々が共用して使用する共用通信回線を用いて前記通信電文の経路制御を行なう共用経路制御部とを含むことを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明のプログラムは、ユーザシステムの各々と複数の事業者サーバのそれぞれとの間における通信電文に対する経路を制御する経路管理システムとしてコンピュータを動作させるプログラムであり、前記コンピュータを、前記事業者サーバが前記通信電文の送受信に使用している通信回線の数である使用通信回線数が、事業者毎に設定された個別に使用する個別通信回線の数である個別通信回線数以下の場合に前記通信電文の経路制御を行なう個別経路制御手段、前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超え、かつ前記使用通信回線数が前記個別通信回線数を超えた場合であり、かつ前記経路管理システムからの前記通信電文に対して前記事業者サーバから所定の時間内に応答が無く、強制的に通信回線が遮断された回数を集計した通信遮断数が予め設定された異常閾値を超えることなく前記経路管理システムと前記事業者サーバとの間の通信が正常に行われている場合、前記事業者の各々が共用して使用する共用通信回線を用いて前記通信電文の経路制御を行なう共用経路制御手段として動作させるプログラムである。