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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150564
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】照明器具及び点灯装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/20 20200101AFI20220929BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20220929BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20220929BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20220929BHJP
【FI】
H05B47/20
H05B47/105
H05B47/18
H05B47/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021053217
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】藤原 章裕
(72)【発明者】
【氏名】寺坂 博志
(72)【発明者】
【氏名】工藤 啓之
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 朋和
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA11
3K273QA27
3K273QA34
3K273RA02
3K273RA13
3K273SA08
3K273SA32
3K273SA46
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA37
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA62
3K273UA16
3K273UA18
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA24
3K273UA27
3K273VA05
(57)【要約】
【課題】より簡単な構成で電源監視の機能と調光の機能とを両立できる照明器具及び点灯装置を提供する。
【解決手段】電源から供給された電力を光源部に対応した直流電力に変換して供給することにより、光源部を点灯させる点灯装置を備え、点灯装置は、電力変換回路と、電力変換回路による電力の変換の動作を制御する制御部と、光源部の調光度を表す調光信号を制御部に入力する調光信号入力回路と、電源の電源電圧の低下を検知する電源監視回路と、を有し、調光信号入力回路及び電源監視回路は、電源の電源電圧の低下を検知した際に、調光度を0%に設定する調光信号を制御部の入力部に入力することにより、制御部に電力変換回路の動作の制御を停止させる照明器具が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を有する光源部と、
電源から供給された電力を前記光源部に対応した直流電力に変換し、前記直流電力を前記光源部に供給することにより、前記光源部を点灯させる点灯装置と、
を備え、
前記点灯装置は、
前記電源から供給された電力を前記光源部に対応した前記直流電力に変換し、前記直流電力を前記光源部に供給する電力変換回路と、
前記電力変換回路による電力の変換の動作を制御する制御部と、
前記光源部の調光度を表す制御信号の入力を受け、前記制御信号に応じた前記光源部の調光度を表す調光信号を前記制御部に入力する調光信号入力回路と、
前記電源の電源電圧の低下を検知する電源監視回路と、
を有し、
前記制御部は、前記調光信号の入力を受けるための入力部を有し、前記調光信号入力回路から入力された前記調光信号に応じて、前記電力変換回路による電力の変換の動作を制御することにより、前記調光信号の表す調光度に応じた大きさの直流電力を前記電力変換回路から前記光源部に供給し、前記調光度に応じた明るさで前記光源部を点灯させ、
前記調光信号入力回路及び前記電源監視回路は、前記電源監視回路が前記電源の電源電圧の低下を検知した際に、前記調光度を0%に設定する前記調光信号を前記制御部の前記入力部に入力することにより、前記制御部に前記電力変換回路の動作の制御を停止させるとともに、前記電源監視回路が前記電源の電源電圧の回復を検知した際に、前記調光度を0%に設定する前記調光信号を前記制御部の前記入力部に入力する状態から、前記制御信号に応じた前記調光信号を前記制御部の前記入力部に入力する状態に戻す照明器具。
【請求項2】
前記電源監視回路は、前記調光信号入力回路とともに前記制御部の前記入力部に接続され、前記電源の電源電圧の低下を検知していない状態では、前記調光信号入力回路から出力された前記制御信号に応じた前記調光信号を前記制御部の前記入力部に入力し、前記電源の電源電圧の低下を検知した状態では、前記調光信号入力回路から出力される前記調光信号の状態によらず、前記制御部の前記入力部に入力される前記調光信号を調光度0%の状態にする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記電源監視回路は、前記調光信号入力回路と接続され、
前記調光信号入力回路は、前記制御部の前記入力部と接続され、
前記電源監視回路は、前記電源の電源電圧の低下を検知した際に、検知信号を前記調光信号入力回路に入力するとともに、前記電源の電源電圧の低下を検知した後、前記電源の電源電圧の回復を検知した際に、前記調光信号入力回路への前記検知信号の入力を停止し、
前記調光信号入力回路は、前記電源監視回路から前記検知信号の入力を受けていない状態では、前記制御信号に応じた調光度の前記調光信号を前記制御部の前記入力部に入力し、前記電源監視回路から前記検知信号の入力を受けている状態では、前記制御部の前記入力部に入力する前記調光信号を調光度0%の状態にする請求項1記載の照明器具。
【請求項4】
前記電源監視回路は、前記電源の電源電圧に関連する電圧が第1閾値以下となった際に、前記電源の電源電圧の低下を検知し、前記電源の電源電圧に関連する電圧が前記第1閾値以下となった後、第2閾値以上となった際に、前記電源の電源電圧の回復を検知する請求項1~3のいずれか1つに記載の照明器具。
【請求項5】
前記第2閾値は、前記第1閾値と異なる請求項4記載の照明器具。
【請求項6】
前記電源監視回路は、設定情報の入力を受け、入力された前記設定情報に応じて前記第1閾値及び前記第2閾値の少なくとも一方の値を変化させる請求項4又は5に記載の照明器具。
【請求項7】
電源から供給された電力を光源部に対応した直流電力に変換し、前記直流電力を前記光源部に供給することにより、前記光源部を点灯させる点灯装置であって、
前記電源から供給された電力を前記光源部に対応した前記直流電力に変換し、前記直流電力を前記光源部に供給する電力変換回路と、
前記電力変換回路による電力の変換の動作を制御する制御部と、
前記光源部の調光度を表す制御信号の入力を受け、前記制御信号に応じた前記光源部の調光度を表す調光信号を前記制御部に入力する調光信号入力回路と、
前記電源の電源電圧の低下を検知する電源監視回路と、
を備え、
前記制御部は、前記調光信号の入力を受けるための入力部を有し、前記調光信号入力回路から入力された前記調光信号に応じて、前記電力変換回路による電力の変換の動作を制御することにより、前記調光信号の表す調光度に応じた大きさの直流電力を前記電力変換回路から前記光源部に供給し、前記調光度に応じた明るさで前記光源部を点灯させ、
前記調光信号入力回路及び前記電源監視回路は、前記電源監視回路が前記電源の電源電圧の低下を検知した際に、前記調光度を0%に設定する前記調光信号を前記制御部の前記入力部に入力することにより、前記制御部に前記電力変換回路の動作の制御を停止させるとともに、前記電源監視回路が前記電源の電源電圧の回復を検知した際に、前記調光度を0%に設定する前記調光信号を前記制御部の前記入力部に入力する状態から、前記制御信号に応じた前記調光信号を前記制御部の前記入力部に入力する状態に戻す点灯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明器具及び点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDなどの光源を有する光源部と、光源部に電力を供給して光源を点灯させる点灯装置と、を備えた照明器具が知られている。点灯装置は、電源から供給された電力を光源部に対応した電力に変換する電力変換回路と、電力変換回路の動作を制御する制御部と、を有する。
【0003】
こうした点灯装置において、制御部の動作中に、電源電圧の低下により、制御部への電力供給が不足すると、制御部が動作を停止してしまう。制御部は、動作を停止した後、電力供給が十分となったことに応じて動作を再開する。この際、電源電圧の上昇がゆるやかであると、制御部が動作を開始した後、制御部の始動などにともなって電源電圧が再び低下し、制御部が再度停止してしまう可能性がある。このように、制御部が始動後すぐに停止してしまうと、例えば、光源部が一瞬だけ点灯してすぐに消灯するように見え、使用者に不快感を与えてしまう可能性がある。
【0004】
また、制御部が電力変換回路の動作を制御している際に、瞬断や瞬停などの急な電圧変動が電源に生じると、制御部の動作が不安定になり、制御部が異常な停止状態となってしまう可能性がある。この場合には、電源が正常な状態に復帰した後、制御部への電力供給を一度停止させて再度投入し、制御部を適切に再起動させない限り、制御部が復帰しなくなってしまう。換言すれば、制御部を適切に再起動させない限り、光源部が点灯しなくなってしまう。
【0005】
そこで、点灯装置に電源監視回路を設けることも提案されている。電源監視回路は、電源電圧を監視し、電源電圧が閾値以下となった際に、制御部に信号を入力し、制御部に電力変換回路の動作の制御を停止させる。換言すれば、電源監視回路は、電源電圧が閾値以下となった際に、光源部を消灯させる。そして、電源監視回路は、制御部に電力変換回路の動作の制御を停止させた後、電源電圧が閾値以上となった際に、制御部に電力変換回路の動作の制御を再開させる。電源監視回路は、制御部に電力変換回路の動作の制御を停止させた後、電源電圧が閾値以上となったことに応じて、光源部を点灯させる。
【0006】
電源監視回路の閾値は、制御部が適切に動作可能な範囲に設定される。このように、電源電圧の低下によって制御部が動作を停止してしまったり、急な電圧変動によって制御部が異常な停止状態となってしまったりするよりも前に、電源監視回路からの信号の入力に基づいて、制御部に電力変換回路の動作の制御を停止させる。これにより、急な電圧変動が生じた場合などにおいても、制御部が異常な停止状態となってしまうことを抑制することができる。そして、電源電圧が閾値以上となったことに応じて、制御部に電力変換回路の動作の制御を再開させることで、電源電圧の上昇がゆるやかな場合にも、制御部が始動後にすぐに停止してしまうことを抑制することができる。
【0007】
また、点灯装置では、制御部に調光信号を入力することにより、光源部から照射される光の明るさを変化させることも行われている。
【0008】
しかしながら、電源監視回路からの信号と調光信号とを制御部に入力しようとすると、制御部の構成が複雑になってしまう。例えば、電源監視回路からの信号を受けるための入力部(例えば入力ポート)と、調光信号を受けるための入力部と、が、制御部に必要となり、入力部を1つしか有しない制御部では、電源監視の機能と調光の機能とを両立させることができない。
【0009】
このため、照明器具及び点灯装置では、より簡単な構成で電源監視の機能と調光の機能とを両立できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第5401937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の実施形態は、より簡単な構成で電源監視の機能と調光の機能とを両立できる照明器具及び点灯装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施形態によれば、光源を有する光源部と、電源から供給された電力を前記光源部に対応した直流電力に変換し、前記直流電力を前記光源部に供給することにより、前記光源部を点灯させる点灯装置と、を備え、前記点灯装置は、前記電源から供給された電力を前記光源部に対応した前記直流電力に変換し、前記直流電力を前記光源部に供給する電力変換回路と、前記電力変換回路による電力の変換の動作を制御する制御部と、前記光源部の調光度を表す制御信号の入力を受け、前記制御信号に応じた前記光源部の調光度を表す調光信号を前記制御部に入力する調光信号入力回路と、前記電源の電源電圧の低下を検知する電源監視回路と、を有し、前記制御部は、前記調光信号の入力を受けるための入力部を有し、前記調光信号入力回路から入力された前記調光信号に応じて、前記電力変換回路による電力の変換の動作を制御することにより、前記調光信号の表す調光度に応じた大きさの直流電力を前記電力変換回路から前記光源部に供給し、前記調光度に応じた明るさで前記光源部を点灯させ、前記調光信号入力回路及び前記電源監視回路は、前記電源監視回路が前記電源の電源電圧の低下を検知した際に、前記調光度を0%に設定する前記調光信号を前記制御部の前記入力部に入力することにより、前記制御部に前記電力変換回路の動作の制御を停止させるとともに、前記電源監視回路が前記電源の電源電圧の回復を検知した際に、前記調光度を0%に設定する前記調光信号を前記制御部の前記入力部に入力する状態から、前記制御信号に応じた前記調光信号を前記制御部の前記入力部に入力する状態に戻す照明器具が提供される。
【発明の効果】
【0013】
より簡単な構成で電源監視の機能と調光の機能とを両立できる照明器具及び点灯装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態に係る照明器具及び点灯装置を模式的に表すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る照明器具及び点灯装置の変形例を模式的に表すブロック図である。
図3】第2の実施形態に係る照明器具及び点灯装置を模式的に表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る照明器具及び点灯装置を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、照明器具10は、光源部12と、点灯装置14と、を備える。光源部12は、光源を有する。光源部12は、例えば、複数の光源を有する。複数の光源は、例えば、直列、並列、又は直並列に接続される。但し、光源部12に設けられる光源の数は、1つでもよい。
【0017】
光源には、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が用いられる。光源は、例えば、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)、無機エレクトロルミネッセンス(Inorganic ElectroLuminescence)発光素子、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence)発光素子、または、その他の電界発光型の発光素子などでもよい。光源は、例えば、電球などでもよい。
【0018】
点灯装置14は、電源2と接続される。点灯装置14は、例えば、電源2と着脱可能に接続される。点灯装置14には、例えば、電源2から交流電力が供給される。電源2は、例えば、商用電源である。電源2から供給される交流電力の交流電圧は、例えば、100V~242V(実効値)である。電源2は、例えば、自家発電機などでもよい。なお、点灯装置14に供給される電力は、交流電力に限ることなく、直流電力などでもよい。
【0019】
点灯装置14は、光源部12と接続される。点灯装置14は、例えば、光源部12と着脱可能に接続される。点灯装置14は、電源2から供給された電力を光源部12に対応した直流電力に変換し、変換後の直流電力を光源部12に供給する。この例において、点灯装置14は、電源2から供給された交流電力を光源部12に対応した直流電力に変換し、変換後の直流電力を光源部12に供給する。これにより、点灯装置14は、光源部12を点灯させる。
【0020】
点灯装置14は、整流回路20と、電力変換回路22と、制御部24と、制御電源生成回路26と、調光信号入力回路28と、電源監視回路30と、を有する。
【0021】
整流回路20は、電源2から供給された交流電力を整流することにより、交流電力を整流電力に変換する。整流回路20には、例えば、4つの整流素子を組み合わせたダイオードブリッジが用いられる。すなわち、整流回路20は、全波整流器である。整流電力は、例えば、脈流電力である。
【0022】
整流回路20は、半波整流器などでもよい。整流電力は、全波整流された脈流でもよいし、半波整流された脈流でもよい。整流回路20には、例えば、ショットキーバリアダイオードが用いられる。これにより、例えば、良好な応答性を得ることができる。なお、電源2から供給される電力が直流電力である場合には、整流回路20は、省略可能である。整流回路20は、点灯装置14に必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0023】
電力変換回路22は、整流回路20を介して電源2から供給された電力を光源部12に対応した直流電力に変換し、変換後の直流電力を光源部12に供給する。これにより、電力変換回路22は、光源部12を点灯させる。この例において、電力変換回路22は、整流回路20によって整流された後の整流電力を直流電力に変換する。例えば、電源2から供給される電力が直流電力である場合には、電力変換回路22は、電源2から供給された直流電力を光源部12に対応した別の直流電力に変換する。
【0024】
電力変換回路22は、スイッチング素子を有し、スイッチング素子のスイッチングにより、電力の変換を行う。電力変換回路22は、例えば、力率改善回路、昇圧回路、及び降圧回路のいずれかを有する。電力変換回路22は、例えば、力率改善回路用のスイッチング素子、及び降圧回路用のスイッチング素子などのように、複数のスイッチング素子を有してもよい。
【0025】
制御部24は、電力変換回路22による電力の変換の動作を制御する。制御部24は、電力変換回路22に設けられたスイッチング素子のスイッチングを制御することにより、電力変換回路22による電力の変換の動作を制御する。
【0026】
制御電源生成回路26は、電源2から供給された電力を制御部24に対応した直流電力に変換し、変換後の直流電力を制御部24に供給する。制御電源生成回路26は、例えば、整流回路20の出力側に接続されている。制御電源生成回路26は、整流回路20によって整流された整流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力を制御部24に供給する。例えば、電源2から供給される電力が直流電力である場合には、制御電源生成回路26は、電源2から供給された直流電力を制御部24に対応した別の直流電力に変換し、変換後の直流電力を制御部24に供給する。制御部24は、制御電源生成回路26からの直流電力の供給に基づいて動作する。
【0027】
調光信号入力回路28は、外部機器4と通信を行う。調光信号入力回路28と外部機器4との間の通信は、有線でもよいし、無線を介してもよい。調光信号入力回路28は、外部機器4と有線で通信する通信機器でもよいし、外部機器4と無線で通信する通信機器でもよい。調光信号入力回路28の構成は、外部機器4と通信可能な任意の構成でよい。
【0028】
調光信号入力回路28は、外部機器4と通信を行うことにより、光源部12の調光度を表す制御信号の入力を外部機器4から受ける。外部機器4は、例えば、照明器具10に対して調光度を設定するための調光器やリモコンなどである。外部機器4は、例えば、照明器具10の使用者の所有するスマートフォンなどの携帯端末などでもよい。外部機器4は、調光信号入力回路28と通信を行い、調光信号入力回路28に対して光源部12の調光度を表す制御信号を入力可能な任意の機器でよい。
【0029】
調光信号入力回路28は、制御部24と接続されている。調光信号入力回路28は、例えば、外部機器4から入力された制御信号を制御部24に対応した信号に変換することにより、制御信号に応じた光源部12の調光度を表す調光信号を生成し、調光信号を制御部24に入力する。なお、信号変換の必要がない場合には、調光信号入力回路28は、外部機器4から入力された制御信号をそのまま調光信号として制御部24に入力してもよい。
【0030】
調光信号入力回路28から制御部24に入力される調光信号は、例えば、所定の周期で第1電圧と第2電圧とを切り替える信号である。第2電圧は、第1電圧よりも大きい値に設定される。第1電圧は、例えば、ロー(例えば0V)である。第2電圧は、例えば、ハイ(例えば+5V)である。調光信号は、例えば、デジタル信号である。
【0031】
調光信号入力回路28は、調光度に応じて第1電圧及び第2電圧のデューティ比を変化させる。調光信号入力回路28は、例えば、0%の調光度においてデューティ比を0%(全期間で第1電圧)に設定し、100%の調光度においてデューティ比を100%(全期間で第2電圧)に設定する。これにより、調光信号のデューティ比に応じて制御部24において調光度を認識することができる。
【0032】
但し、調光信号は、例えば、0%の調光度を第1電圧とし、100%の調光度を第2電圧とし、調光度に応じて第1電圧と第2電圧との間で変化するアナログ信号などでもよい。調光信号は、光源部12の調光度を制御部24に適切に認識させることが可能な任意の信号でよい。
【0033】
なお、制御信号は、外部機器4からに限ることなく、例えば、調光度を設定するための操作部を点灯装置14に設け、使用者による操作部の操作に基づいて、操作部から調光信号入力回路28に入力されるようにしてもよい。調光信号入力回路28の構成は、制御信号の入力を受け、制御信号に応じた光源部12の調光度を表す調光信号を制御部24に入力可能な任意の構成でよい。
【0034】
制御部24は、調光信号の入力を受けるための入力部24aを有する。制御部24は、入力部24aを介して調光信号入力回路28と接続されている。調光信号入力回路28は、制御部24の入力部24aに調光信号を入力する。制御部24は、調光信号入力回路28から入力された調光信号に応じて、電力変換回路22による電力の変換の動作を制御する。制御部24は、例えば、調光信号入力回路28から入力された調光信号に応じて、電力変換回路22に設けられたスイッチング素子のスイッチングを制御する。これにより、制御部24は、調光信号の表す調光度に応じた大きさの直流電力を電力変換回路22から光源部12に供給し、調光度に応じた明るさで光源部12を点灯させる。
【0035】
電源監視回路30は、電源2の電源電圧の低下を検知することにより、電源2の電源電圧の監視を行う。この例において、電源監視回路30は、整流回路20の出力側に接続されている。電源監視回路30は、例えば、整流回路20によって整流された整流電力を基に、電源2の電源電圧を監視する。
【0036】
電源監視回路30は、例えば、整流回路20の出力電圧をコンデンサなどによって平滑化し、平滑化した後の電圧に対して第1閾値を設定する。換言すれば、電源監視回路30は、電源2の交流電圧の実効値に対して第1閾値を設定する。電源監視回路30は、平滑化した後の電圧が第1閾値以下となった際に、電源2の電源電圧の低下を検知する。例えば、電源2の電力が直流電力である場合には、電源監視回路30は、電源2の直流電圧に対して第1閾値を設定し、直流電圧が第1閾値以下となった際に、電源2の電源電圧の低下を検知してもよい。
【0037】
このように、第1閾値を設定する電圧は、電源2の電源電圧に関連する任意の電圧でよい。電源監視回路30は、電源2の電源電圧に関連する電圧が第1閾値以下となった際に、電源2の電源電圧の低下を検知する。電源監視回路30の第1閾値は、制御部24が適切に動作可能な範囲に設定される。換言すれば、電源監視回路30の第1閾値は、制御部24が適切に動作可能な最低電圧よりも高い値に設定される。
【0038】
調光信号入力回路28及び電源監視回路30は、電源監視回路30が電源2の電源電圧の低下を検知した際に、調光度を0%に設定する調光信号を制御部24の入力部24aに入力することにより、制御部24に電力変換回路22の動作の制御を停止させる。これにより、調光信号入力回路28及び電源監視回路30は、電源監視回路30が電源2の電源電圧の低下を検知した際に、光源部12を消灯させる。
【0039】
この例において、電源監視回路30は、調光信号入力回路28とともに制御部24の入力部24aに接続されている。電源監視回路30は、電源2の電源電圧の低下を検知していない状態では、調光信号入力回路28から出力された制御信号に応じた調光信号を制御部24の入力部24aに入力する。換言すれば、電源監視回路30は、電源2の電源電圧の低下を検知していない状態では、調光信号入力回路28から出力された調光信号をそのまま制御部24の入力部24aに入力する。これにより、電源2の電源電圧の低下を検知していない正常な状態においては、外部機器4において設定された調光度に応じた調光信号が制御部24に入力され、外部機器4で設定された調光度に応じた明るさで光源部12が点灯する。
【0040】
一方、電源監視回路30は、電源2の電源電圧の低下を検知した状態では、調光信号入力回路28から出力される調光信号の状態によらず、制御部24の入力部24aに入力される調光信号を調光度0%の状態にする。
【0041】
電源監視回路30は、例えば、制御部24の電圧を第1電圧に設定するためのスイッチング素子を有する。スイッチング素子は、例えば、入力部24aと共通電位(例えばグラウンド)との間に設けられる。調光信号入力回路28は、入力部24aと電源監視回路30のスイッチング素子との間に接続される。
【0042】
電源監視回路30は、電源2の電源電圧の低下を検知していない状態では、スイッチング素子をオフ状態にする。これにより、電源2の電源電圧の低下を検知していない状態においては、調光信号入力回路28から出力された調光信号が、そのまま制御部24の入力部24aに入力される。
【0043】
電源監視回路30は、電源2の電源電圧の低下を検知した状態では、スイッチング素子をオン状態にする。これにより、電源2の電源電圧の低下を検知した状態においては、調光信号入力回路28から出力される調光信号の状態によらず、制御部24の入力部24aの電圧が、第1電圧に設定され、制御部24の入力部24aに入力される調光信号が調光度0%の状態に設定される。
【0044】
また、電源監視回路30は、電源2の電源電圧の低下を検知した後、電源2の電源電圧の回復を検知する。電源監視回路30は、例えば、第1閾値と同様に、電源2の電源電圧に関連する電圧に対して第2閾値を設定する。電源監視回路30は、電源2の電源電圧に関連する電圧が第1閾値以下となった後、第2閾値以上となった際に、電源2の電源電圧の回復を検知する。
【0045】
調光信号入力回路28及び電源監視回路30は、電源監視回路30が電源2の電源電圧の回復を検知した際に、調光度を0%に設定する調光信号を制御部24の入力部24aに入力する状態から、制御信号に応じた調光信号を制御部24の入力部24aに入力する状態に戻す。
【0046】
電源監視回路30は、例えば、電源2の電源電圧の回復を検知したことに応じて、スイッチング素子をオン状態からオフ状態に切り替えることにより、調光度を0%に設定する調光信号を制御部24の入力部24aに入力する状態から、制御信号に応じた調光信号を制御部24の入力部24aに入力する状態に戻す。
【0047】
これにより、調光信号入力回路28及び電源監視回路30は、電源2の電源電圧の回復の検知に応じて、制御部24に電力変換回路22の動作の制御を再開させ、制御信号で設定された調光度に応じた明るさで光源部12を点灯させる。
【0048】
電源監視回路30は、例えば、電源2の電源電圧の回復を検知する際の第2閾値を電源2の電源電圧の低下を検知する際の第1閾値と異ならせる。電源監視回路30は、例えば、第2閾値を第1閾値よりも大きくする。これにより、電源2の電源電圧の回復の検知に応じて、制御部24に電力変換回路22の動作の制御を再開させた後、すぐに電源2の電源電圧の低下が検知され、制御部24が電力変換回路22の動作の制御を停止してしまうことを抑制することができる。但し、第2閾値は、第1閾値と同じでもよい。
【0049】
このように、本実施形態に係る照明器具10及び点灯装置14では、電源2の電源電圧の低下によって制御部24が動作を停止してしまったり、急な電圧変動によって制御部24が異常な停止状態となってしまったりするよりも前に、調光信号入力回路28及び電源監視回路30が、電源2の電源電圧の低下の検知に応じて、調光度を0%に設定する調光信号を制御部24の入力部24aに入力することにより、制御部24に電力変換回路22の動作の制御を停止させる。これにより、急な電圧変動が生じた場合などにおいても、制御部24が異常な停止状態となってしまうことを抑制することができる。
【0050】
そして、本実施形態に係る照明器具10及び点灯装置14では、調光信号入力回路28及び電源監視回路30が、電源2の電源電圧の回復の検知に応じて、調光度を0%に設定する調光信号を制御部24の入力部24aに入力する状態から、制御信号に応じた調光信号を制御部24の入力部24aに入力する状態に戻す。これにより、電源2の電源電圧の上昇がゆるやかな場合にも、制御部24が始動後にすぐに停止してしまうことを抑制することができる。
【0051】
電源監視回路30は、第2閾値を第1閾値よりも大きくする。これにより、電源2の電源電圧の上昇がゆるやかな場合にも、制御部24が始動後にすぐに停止してしまうことをより確実に抑制することができる。
【0052】
さらに、本実施形態に係る照明器具10及び点灯装置14では、調光信号入力回路28及び電源監視回路30が、電源2の電源電圧の低下を検知した際に、調光度を0%に設定する調光信号を制御部24の入力部24aに入力することにより、制御部24に電力変換回路22の動作の制御を停止させる。
【0053】
これにより、本実施形態に係る照明器具10及び点灯装置14では、調光信号の入力のみで、制御部24による電力変換回路22の動作の制御を停止させることができる。従って、電源監視回路30からの信号と調光信号とを制御部24に入力する場合と比べて、制御部24の構成が複雑になってしまうことを抑制することができる。例えば、1つの入力部24aしか有しない制御部24でも、電源監視の機能と調光の機能とを両立させることができる。
【0054】
以上、説明したように、本実施形態に係る照明器具10及び点灯装置14では、より簡単な構成で電源監視の機能と調光の機能とを両立することができる。
【0055】
図2は、第1の実施形態に係る照明器具及び点灯装置の変形例を模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、照明器具10aでは、点灯装置14aの電源監視回路30aが、操作部32を有している。なお、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0056】
操作部32は、使用者などからの操作を受け、操作に応じて第1閾値及び第2閾値の値を変化させるための設定情報を電源監視回路30aに入力する。操作部32には、例えば、切替式のスイッチや可変抵抗器などが用いられる。操作部32は、操作に応じて第1閾値及び第2閾値の値を変化させるための設定情報を電源監視回路30aに入力可能な任意の部材でよい。設定情報は、例えば、スイッチの切り替えに応じたデジタルの情報や可変抵抗器の操作に応じて変化する電圧のアナログの情報などである。設定情報は、第1閾値及び第2閾値の値を電源監視回路30aに適切に認識させることが可能な任意の情報でよい。
【0057】
電源監視回路30aは、操作部32から設定情報の入力を受け、入力された設定情報に応じて第1閾値及び第2閾値の値を変化させる。このように、電源監視回路30aは、入力された設定情報に応じて第1閾値及び第2閾値の値を任意に設定できるようにする。
【0058】
例えば、電源環境などに応じて第1閾値及び第2閾値の値を任意に変化させる。これにより、制御部24が異常な停止状態となってしまうことや制御部24が始動後にすぐに停止してしまうことなどをより適切に抑制することができる。
【0059】
なお、設定情報は、操作部32からに限ることなく、例えば、外部機器4などから電源監視回路30aに入力してもよい。外部機器4と電源監視回路30aとの間の通信は、有線でもよいし、無線でもよい。例えば、外部機器4がスマートフォンなどの携帯端末である場合には、1つの外部機器4から調光のための制御信号と閾値の設定のための設定情報とを点灯装置14aに入力してもよい。例えば、外部機器4が壁付のスイッチなどである場合には、調光のための制御信号を入力するための外部機器4と、閾値の設定のための設定情報を入力するための外部機器4と、をそれぞれ別に設けてもよい。
【0060】
また、電源監視回路30aは、必ずしも第1閾値及び第2閾値の双方の値を変化させるように構成されていなくてもよい。電源監視回路30aは、設定情報に応じて第1閾値及び第2閾値の一方の値のみを変化させる構成でもよい。電源監視回路30aは、設定情報の入力を受け、入力された設定情報に応じて第1閾値及び第2閾値の少なくとも一方の値を変化させる構成でよい。
【0061】
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る照明器具及び点灯装置を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、照明器具10bの点灯装置14bでは、調光信号入力回路28bのみが、制御部24の入力部24aと接続されている。調光信号入力回路28bは、上記実施形態と同様に、入力された制御信号に応じた光源部12の調光度を表す調光信号を制御部24の入力部24aに入力する。
【0062】
点灯装置14bにおいて、電源監視回路30bは、調光信号入力回路28bと接続されている。電源監視回路30bは、電源2の電源電圧の低下を検知した際に、検知信号を調光信号入力回路28bに入力する。そして、電源監視回路30bは、電源2の電源電圧の低下を検知した後、電源2の電源電圧の回復を検知した際に、調光信号入力回路28bへの検知信号の入力を停止する。
【0063】
調光信号入力回路28bは、電源監視回路30bから検知信号の入力を受けていない状態では、制御信号に応じた調光度の調光信号を制御部24の入力部24aに入力する。これにより、上記第1の実施形態と同様に、電源2の電源電圧の低下を検知していない正常な状態においては、外部機器4において設定された調光度に応じた調光信号が制御部24に入力され、外部機器4で設定された調光度に応じた明るさで光源部12が点灯する。
【0064】
そして、調光信号入力回路28bは、電源監視回路30bから検知信号の入力を受けている状態では、制御部24の入力部24aに入力する調光信号を調光度0%の状態にする。これにより、上記第1の実施形態と同様に、制御部24に電力変換回路22の動作の制御を停止させることができる。例えば、急な電圧変動が生じた場合などにおいても、制御部24が異常な停止状態となってしまうことを抑制することができる。
【0065】
このように、電源監視回路30bを調光信号入力回路28bに接続し、調光信号入力回路28bのみを制御部24の入力部24aに接続した場合にも、上記第1の実施形態と同様に、電源監視回路30bが電源2の電源電圧の低下を検知した際に、電源監視回路30bから調光信号入力回路28bに検知信号を入力することで、調光度を0%に設定する調光信号を制御部24の入力部24aに入力し、制御部24に電力変換回路22の動作の制御を停止させることができる。そして、電源監視回路30bが電源2の電源電圧の回復を検知した際に、電源監視回路30bから調光信号入力回路28bへの検知信号の入力を停止することで、調光度を0%に設定する調光信号を制御部24の入力部24aに入力する状態から、制御信号に応じた調光信号を制御部24の入力部24aに入力する状態に戻すことができる。
【0066】
本実施形態に係る照明器具10b及び点灯装置14bにおいても、上記第1の実施形態と同様に、調光信号の入力のみで、制御部24による電力変換回路22の動作の制御を停止させることができる。従って、電源監視回路30bからの信号と調光信号とを制御部24に入力する場合と比べて、制御部24の構成が複雑になってしまうことを抑制することができる。例えば、1つの入力部24aしか有しない制御部24でも、電源監視の機能と調光の機能とを両立させることができる。
【0067】
なお、電源監視回路30bにおいても、第1閾値及び第2閾値は、上記第1の実施形態と同様に設定することができる。例えば、電源監視回路30bにおいても、第2閾値は、第1閾値よりも大きく設定することができる。また、例えば、操作部32などを電源監視回路30bに設けることなどにより、電源監視回路30bにおいても、第1閾値及び第2閾値の少なくとも一方の値が、設定情報に応じて任意に設定できるようにしてもよい。
【0068】
調光信号入力回路及び電源監視回路の構成は、上記に限ることなく、電源監視回路が電源2の電源電圧の低下を検知した際に、調光度を0%に設定する調光信号を制御部24の入力部24aに入力することにより、制御部24に電力変換回路22の動作の制御を停止させることができるとともに、電源監視回路が電源2の電源電圧の回復を検知した際に、調光度を0%に設定する調光信号を制御部24の入力部24aに入力する状態から、制御信号に応じた調光信号を制御部24の入力部24aに入力する状態に戻すことができる任意の構成でよい。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
2…電源、4…外部機器、10、10a、10b…照明器具、12…光源部、14、14a、14b…点灯装置、20…整流回路、22…電力変換回路、24…制御部、26…制御電源生成回路、28、28b…調光信号入力回路、30、30a、30b…電源監視回路、32…操作部
図1
図2
図3