(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150731
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】電力制御システム、電力制御方法、および電力制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/14 20060101AFI20220929BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20220929BHJP
G06Q 50/06 20120101ALI20220929BHJP
【FI】
H02J3/14
H02J3/00 130
H02J3/00 180
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021053459
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】平井 友之
(72)【発明者】
【氏名】山下 尚也
(72)【発明者】
【氏名】田中 誠祐
【テーマコード(参考)】
5G066
5L049
【Fターム(参考)】
5G066AA02
5G066AE03
5G066HA15
5G066JA01
5G066JB03
5G066KB07
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】電力制御をより安定的かつ経済的に行うことを目的とする。
【解決手段】電力系統から購入する系統電力量が最小となるようにデマンド期間17に使用される系統電力量を目標デマンド16として設定する工程と、それぞれのデマンド期間17中に購入する系統電力量が目標デマンド16となるように、蓄電池に対する充放電のタイミングをあらかじめ決定する工程とを備え、蓄電池への充電のタイミングは、使用される系統電力量が目標デマンド16未満となるデマンド期間17に対して、市場価格が安い順に優先順位を付与し、優先順位が高いデマンド期間から順に充電可能電力量を積算していき、充電可能電力量が電源設備から供給する必要がある電力量を超えた時点までに積算されたデマンド期間17において、蓄電池に充電を行うように決定される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去の電力使用量に応じて基本料金が決まり、市場価格が変動する電力系統から供給される系統電力と、蓄電池を含む電源設備から供給される電源電力とにより動作する電力消費装置に供給される電力を制御する電力制御方法であって、
あらかじめ予測された第1期間中に消費される需要予測電力量を、供給可能な前記電源電力の電力量を考慮して、前記電力系統から購入する系統電力量で賄える範囲で、購入する前記系統電力量が最小となるように前記第1期間が等分割された所定の長さのデマンド期間に使用される前記系統電力量を目標デマンドとして設定する工程と、
それぞれの前記デマンド期間中に購入する前記系統電力量が前記目標デマンドとなるように、前記蓄電池に対する充放電のタイミングをあらかじめ決定する工程とを備え、
前記蓄電池への充電のタイミングは、使用される前記系統電力量が前記目標デマンド未満となる前記デマンド期間に対して、前記市場価格が安い順に優先順位を付与し、それぞれの前記デマンド期間において前記目標デマンドを超えない範囲で充電可能電力量を求め、前記優先順位が高い前記デマンド期間から順に前記充電可能電力量を積算していき、前記充電可能電力量が前記電源設備から供給する必要がある電力量を超えた時点までに積算された前記デマンド期間において、前記蓄電池に充電を行うように決定される電力制御方法。
【請求項2】
過去の電力使用量に応じて基本料金が決まり、市場価格が変動する電力系統から供給される系統電力と、蓄電池を含む電源設備から供給される電源電力とにより動作する電力消費装置に供給される電力を制御する電力制御プログラムであって、
あらかじめ予測された第1期間中に消費される需要予測電力量を、供給可能な前記電源電力の電力量を考慮して、前記電力系統から購入する系統電力量で賄える範囲で、購入する前記系統電力量が最小となるように前記第1期間が等分割された所定の長さのデマンド期間に使用される前記系統電力量を目標デマンドとして設定する機能と、
それぞれの前記デマンド期間中に購入する前記系統電力量が前記目標デマンドとなるように、前記蓄電池に対する充放電のタイミングをあらかじめ決定する機能とをコンピュータに実行させ、
前記蓄電池への充電のタイミングは、使用される前記系統電力量が前記目標デマンド未満となる前記デマンド期間に対して、前記市場価格が安い順に優先順位を付与し、それぞれの前記デマンド期間において前記目標デマンドを超えない範囲で充電可能電力量を求め、前記優先順位が高い前記デマンド期間から順に前記充電可能電力量を積算していき、前記充電可能電力量が前記電源設備から供給する必要がある電力量を超えた時点までに積算された前記デマンド期間において、前記蓄電池に充電を行うように決定される電力制御プログラム。
【請求項3】
過去の電力使用量に応じて基本料金が決まり、市場価格が変動する電力系統から供給される系統電力と、蓄電池を含む電源設備から供給される電源電力とにより動作する電力消費装置に供給される電力を制御する電力制御システムであって、
あらかじめ予測された第1期間中に消費される需要予測電力量を、供給可能な前記電源電力の電力量を考慮して、前記電力系統から購入する系統電力量で賄える範囲で、購入する前記系統電力量が最小となるように前記第1期間が等分割された所定の長さのデマンド期間に使用される前記系統電力量を目標デマンドとして設定する目標デマンド設定部と、
それぞれの前記デマンド期間中に購入する前記系統電力量が前記目標デマンドとなるように、前記蓄電池に対する充放電のタイミングをあらかじめ決定する電源運用計画部とを備え、
前記電源運用計画部は、前記蓄電池への充電のタイミングを、使用される前記系統電力量が前記目標デマンド未満となる前記デマンド期間に対して、前記市場価格が安い順に優先順位を付与し、それぞれの前記デマンド期間において前記目標デマンドを超えない範囲で充電可能電力量を求め、前記優先順位が高い前記デマンド期間から順に前記充電可能電力量を積算していき、前記充電可能電力量が前記電源設備から供給する必要がある電力量を超えた時点までに積算された前記デマンド期間において、前記蓄電池に充電を行うように決定する電力制御システム。
【請求項4】
前記デマンド期間が分割された第2期間毎に消費された前記系統電力量である単位系統電力量を計測する消費電力計測部と、
前記デマンド期間において消費される前記系統電力量を、前記単位系統電力量に基づいて予測し、予測された前記系統電力量が前記目標デマンド以下である場合は前記電源設備から供給される前記電力量を維持し、予測された前記系統電力量が前記目標デマンドより大きな場合は前記電源設備から供給される前記電力量を増大させる電源電力調整部と、
前記電源設備から供給される前記電力量が増大された際には、増大された前記電力量と前記市場価格の変動とに応じて、前記蓄電池に対する充電のタイミングを補正する充電補正部とを備える請求項3に記載の電力制御システム。
【請求項5】
前記電力消費装置に付随して設けられるローカル側電力制御部と、
前記ローカル側電力制御部とデータ通信可能なサーバ側電力制御部とを有し、
前記ローカル側電力制御部に、前記電源電力調整部、前記充電補正部、および前記消費電力計測部が設けられ、
前記サーバ側電力制御部に、前記目標デマンド設定部、および前記電源運用計画部が設けられる請求項4に記載の電力制御システム。
【請求項6】
前記デマンド期間が経過する度に、経過時点を始点とする前記第1期間における前記目標デマンドが設定される請求項3から5のいずれか一項に記載の電力制御システム。
【請求項7】
前記電源設備には、自然エネルギー発電装置が含まれ、前記自然エネルギー発電装置が発電した発電電力は、前記電力消費装置または前記蓄電池に供給される請求項3から6のいずれか一項に記載の電力制御システム。
【請求項8】
ユーザによる情報の入力を受け付ける入力受付部と、
前記電力系統からの電力供給が停止する系統停電の発生可能性を予測する停電可能性予測部とをさらに備え、
前記電源運用計画部は、前記停電可能性予測部が前記系統停電の発生可能性があると予測した場合、前記入力受付部が受け付けたユーザからの指示を参照して、
前記系統停電の発生可能性がある場合に、前記蓄電池への充電が促進させることをユーザが希望していない状態であれば、前記蓄電池を通常モードで充電し、
前記蓄電池への充電が促進させることをユーザが希望している状態であれば、前記通常モードより前記蓄電池への充電が促進される充電促進モードで前記蓄電池を充電する請求項3から7のいずれか一項に記載の電力制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池を備え、電力消費装置に供給される電力を制御する電力制御システム、電力制御方法、および電力制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
事業所、工場等の施設において、電化製品や設備等の電力消費装置は、供給される電力により動作する。電力消費装置は、電力会社等の外部の電力系統から買電された電力や、自然エネルギーにより発電された電力が供給され、さらに、蓄電池に充電された電力が供給される場合もある。そして、これらの電力は、安定的かつ経済的に供給されるよう制御される。
【0003】
例えば、特許文献1には、需要予測電力量と蓄電池の定格とから計画発電量と目標デマンド(ピークカット量)があらかじめ求められるデマンドカット(ピークカット)が開示されている。また、特許文献1に開示された発明では、電力の制御時に、実際の発電量と需要予測電力量とが比較され、その差分が蓄電池に対して充放電される。
【0004】
また、特許文献2には、将来の市場価格(電力価格)を予想し、収支が最適になるように、蓄電池に対する充放電の時期を決定する構成が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、台風等の停電の予兆を示す情報から充電の必要を示す緊急度を計算し、緊急度に応じて蓄電池の充放電を制御する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2013/38482号
【特許文献2】特開2015-156195号公報
【特許文献3】特開2012-235541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、電力制御の安定性および経済性の、さらなる向上が求められている。例えば、単に市場価格を考慮して蓄電池に対する充放電の時期を決定するだけでなく、デマンドカットを行う際にも、買電電力による蓄電池への充電を行い、さらに、デマンドカットに伴う放電を考慮した充電タイミングを最適化することが求められている。
【0008】
本発明は、電力制御をより安定的かつ経済的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る電力制御方法の特徴構成は、過去の電力使用量に応じて基本料金が決まり、市場価格が変動する電力系統から供給される系統電力と、蓄電池を含む電源設備から供給される電源電力とにより動作する電力消費装置に供給される電力を制御する電力制御方法であって、あらかじめ予測された第1期間中に消費される需要予測電力量を、供給可能な前記電源電力の電力量を考慮して、前記電力系統から購入する系統電力量で賄える範囲で、購入する前記系統電力量が最小となるように前記第1期間が等分割された所定の長さのデマンド期間に使用される前記系統電力量を目標デマンドとして設定する工程と、それぞれの前記デマンド期間中に購入する前記系統電力量が前記目標デマンドとなるように、前記蓄電池に対する充放電のタイミングをあらかじめ決定する工程とを備え、前記蓄電池への充電のタイミングは、使用される前記系統電力量が前記目標デマンド未満となる前記デマンド期間に対して、前記市場価格が安い順に優先順位を付与し、それぞれの前記デマンド期間において前記目標デマンドを超えない範囲で充電可能電力量を求め、前記優先順位が高い前記デマンド期間から順に前記充電可能電力量を積算していき、前記充電可能電力量が前記電源設備から供給する必要がある電力量を超えた時点までに積算された前記デマンド期間において、前記蓄電池に充電を行うように決定される点にある。
【0010】
さらに、本発明の一実施形態に係る電力制御プログラムの特徴構成は、過去の電力使用量に応じて基本料金が決まり、市場価格が変動する電力系統から供給される系統電力と、蓄電池を含む電源設備から供給される電源電力とにより動作する電力消費装置に供給される電力を制御する電力制御プログラムであって、あらかじめ予測された第1期間中に消費される需要予測電力量を、供給可能な前記電源電力の電力量を考慮して、前記電力系統から購入する系統電力量で賄える範囲で、購入する前記系統電力量が最小となるように前記第1期間が等分割された所定の長さのデマンド期間に使用される前記系統電力量を目標デマンドとして設定する機能と、それぞれの前記デマンド期間中に購入する前記系統電力量が前記目標デマンドとなるように、前記蓄電池に対する充放電のタイミングをあらかじめ決定する機能とをコンピュータに実行させ、前記蓄電池への充電のタイミングは、使用される前記系統電力量が前記目標デマンド未満となる前記デマンド期間に対して、前記市場価格が安い順に優先順位を付与し、それぞれの前記デマンド期間において前記目標デマンドを超えない範囲で充電可能電力量を求め、前記優先順位が高い前記デマンド期間から順に前記充電可能電力量を積算していき、前記充電可能電力量が前記電源設備から供給する必要がある電力量を超えた時点までに積算された前記デマンド期間において、前記蓄電池に充電を行うように決定される点にある。
【0011】
さらに、本発明の一実施形態に係る電力制御システムの特徴構成は、過去の電力使用量に応じて基本料金が決まり、市場価格が変動する電力系統から供給される系統電力と、蓄電池を含む電源設備から供給される電源電力とにより動作する電力消費装置に供給される電力を制御する電力制御システムであって、あらかじめ予測された第1期間中に消費される需要予測電力量を、供給可能な前記電源電力の電力量を考慮して、前記電力系統から購入する系統電力量で賄える範囲で、購入する前記系統電力量が最小となるように前記第1期間が等分割された所定の長さのデマンド期間に使用される前記系統電力量を目標デマンドとして設定する目標デマンド設定部と、それぞれの前記デマンド期間中に購入する前記系統電力量が前記目標デマンドとなるように、前記蓄電池に対する充放電のタイミングをあらかじめ決定する電源運用計画部とを備え、前記電源運用計画部は、前記蓄電池への充電のタイミングを、使用される前記系統電力量が前記目標デマンド未満となる前記デマンド期間に対して、前記市場価格が安い順に優先順位を付与し、それぞれの前記デマンド期間において前記目標デマンドを超えない範囲で充電可能電力量を求め、前記優先順位が高い前記デマンド期間から順に前記充電可能電力量を積算していき、前記充電可能電力量が前記電源設備から供給する必要がある電力量を超えた時点までに積算された前記デマンド期間において、前記蓄電池に充電を行うように決定する点にある。
【0012】
以上のような構成により、デマンド期間中に使用する系統電力を目標デマンド以下とすることにより、過去の電力の使用量によって決まる電力系統の基本料金を抑制することができる。さらに、需要に対して電源電力が不足する可能性がある場合であっても、あらかじめ、効率的かつ経済的に蓄電池への充電を行うことができ、電力制御をより安定的かつ経済的に行うことができる。
【0013】
また、前記デマンド期間が分割された第2期間毎に消費された前記系統電力量である単位系統電力量を計測する消費電力計測部と、前記デマンド期間において消費される前記系統電力量を、前記単位系統電力量に基づいて予測し、予測された前記系統電力量が前記目標デマンド以下である場合は前記電源設備から供給される前記電力量を維持し、予測された前記系統電力量が前記目標デマンドより大きな場合は前記電源設備から供給される前記電力量を増大させる電源電力調整部と、前記電源設備から供給される前記電力量が増大された際には、増大された前記電力量と前記市場価格の変動とに応じて、前記蓄電池に対する充電のタイミングを補正する充電補正部とを備えることが好ましい。
【0014】
このような構成により、実際に電力消費装置で消費される(必要となる)電力量(需要)に対する系統電力の不足分を電源電力で補うように、蓄電池の充放電を制御することにより、安定的に電力を供給することができる。
【0015】
また、前記電力消費装置に付随して設けられるローカル側電力制御部と、前記ローカル側電力制御部とデータ通信可能なサーバ側電力制御部とを有し、前記ローカル側電力制御部に、前記電源電力調整部、前記充電補正部、および前記消費電力計測部が設けられ、前記サーバ側電力制御部に、前記目標デマンド設定部、および前記電源運用計画部が設けられても良い。
【0016】
このような構成により、基本的な電力制御をサーバ側電力制御部で行い、個別かつ詳細な電力制御をローカル側電力制御部で行うことができ、効率的に電力制御を行うことができる。
【0017】
また、前記デマンド期間が経過する度に、経過時点を始点とする前記第1期間における前記目標デマンドが設定されても良い。
【0018】
このような構成により、継続的に目標デマンドが見直されて、より適切に基本料金を抑制しながら、安定して電力制御を行うことができる。
【0019】
また、前記電源設備には、自然エネルギー発電装置が含まれ、前記自然エネルギー発電装置が発電した発電電力は、前記電力消費装置または前記蓄電池に供給されても良い。
【0020】
このような構成により、電源設備として、蓄電池に加えて自然エネルギー発電装置が用いられるため、電力消費装置に供給される電力の供給元の自由度が増し、電力消費装置に供給される電力の制御を、より効率的かつ安定的に行うことができる。
【0021】
また、ユーザによる情報の入力を受け付ける入力受付部と、前記電力系統からの電力供給が停止する系統停電の発生可能性を予測する停電可能性予測部とをさらに備え、前記電源運用計画部は、前記停電可能性予測部が前記系統停電の発生可能性があると予測した場合、前記入力受付部が受け付けたユーザからの指示を参照して、前記系統停電の発生可能性がある場合に、前記蓄電池への充電が促進させることをユーザが希望していない状態であれば、前記蓄電池を通常モードで充電し、前記蓄電池への充電が促進させることをユーザが希望している状態であれば、前記通常モードより前記蓄電池への充電が促進される充電促進モードで前記蓄電池を充電することが好ましい。
【0022】
このような構成により、系統停電が発生する可能性がある場合には、充電促進モードにして、系統停電が発生する前に蓄電池を充電するように制御できるため、蓄電池の蓄電量に余力を持たせることができ、系統停電が発生しても安定して電力消費装置に電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】電力消費装置に電力を供給する構成を例示する図である。
【
図3】デマンドカットにおける電源電力の微調整を説明する図である。
【
図4】ローカル側電力制御部の構成を例示する図である。
【
図5】サーバ側電力制御部の構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔電力供給構成〕
まず、
図1を参照して、電力消費装置3に電力を供給する構成について説明する。
図1は電力制御システムを含む構成例として、電力を供給する構成と電力を制御する構成とを示す図である。
【0025】
図1に示すように、電力消費装置3は、電力系統1に接続される交流線2に接続される。交流線2に対する電力系統1の接続箇所から見て下流側に向かって第1接続箇所4と第2接続箇所5とがその並び順で設けられ、第1接続箇所4には発電装置8が接続され、第2接続箇所5には電力消費装置3が接続される。発電装置8はその発電電力Pgを交流線2に供給できる。
【0026】
交流線2には充放電装置20が接続される。充放電装置20は、交流線2との間での電力の充放電を行う充放電部23および充放電部23の動作を制御する充放電制御部21を有する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態では、第1接続箇所4から第2接続箇所5に向かう方向の電力P7を正の電力と見なす。また、充放電装置20が交流線2から受け取る受取電力Pbとして、充放電装置20による交流線2からの充電電力を正の受取電力Pbと見なし、充放電装置20による交流線2への放電電力を負の受取電力Pbと見なして説明を行う。よって、
図1では、受取電力Pbを、交流線2から充放電装置20に向かう方向の矢印で記載している。なお、充放電装置20および発電装置8は電源設備の1つである。また、放電電力である負の受取電力Pbおよび発電装置8の発電電力Pgは、いずれも電源電力と称される。すなわち、交流線2には、電力系統1および電源設備から電源電力が供給される。
【0028】
このように、交流線2には、電源設備である発電装置8および充放電部23、並びに電力系統1の少なくとも1つから電力が供給される。なお、交流線2、充放電装置20、電力消費装置3、発電装置8等は、同一の施設(例えば家屋や事業所など)等に設置され、電力消費装置3に付随して設けられるローカル側電力制御部30によって制御される。
【0029】
計器用変流器7は、交流線2の途中の、第1接続箇所4と第2接続箇所5との間に設けられ、第1接続箇所4から第2接続箇所5に向かう電力の電流値を計測する。
【0030】
計器用変圧器15は、交流線2の途中の、第1接続箇所4よりも上流側(電力系統1の側)に設けられ、そこでの電力の電圧値を計測する。計器用変圧器15が計測する電圧値を監視することで、充放電装置20は、電力系統1からの電力供給が停止する系統停電が発生したか否かを判定できる。
【0031】
発電装置8は、太陽光発電装置等の再生可能エネルギーを利用した自然エネルギー発電装置や、燃料電池を備える発電装置や、エンジンとそのエンジンによって駆動される発電機とを備えて構成されるタイプの発電装置などを用いて実現できる。
【0032】
充放電装置20は、交流線2との間での電力の充放電を行う蓄電池25を含む充放電部23および充放電部23の動作を制御する充放電制御部21を有する。充放電部23が有する蓄電池25は電力変換部24を介して交流線2に接続される。その結果、充放電装置20では、蓄電池25に蓄えられている電力が、所望の電圧、周波数、位相の電力に変換されて交流線2に出力される。蓄電池25は、例えばリチウムイオン電池等の二次電池等を用いて構成でき、電力を蓄えることができる任意の蓄電装置であっても良い。充放電制御部21は、電力変換部24の動作を制御して、蓄電池25から交流線2への出力電力(放電電力)の制御と、交流線2から蓄電池25への入力電力(充電電力)の制御とを行う。
【0033】
電力系統1は、電力会社等から購入した系統電力を交流線2に供給する。系統電力の料金は、あらかじめ決められた基本料金と、日単位または単位時間単位で変化する市場価格とによって、電力使用量に応じて決定される。市場価格は、電力系統1全体での電力の需要に応じて、日本卸電力取引所(JEPX)により決められる。基本料金は、過去の所定の期間に使用された電力量によって、施設毎に設定される。具体的には、各施設において、所定の期間として過去1年間の月々の使用電力量のうちの最大の使用電力量(最大デマンド)に応じて、各施設の基本料金が設定される。
【0034】
つまり、市場価格は、電力系統全体の電力の使用量によって決まるが、基本料金は、施設が使用した過去の使用電力量によって決まるため、施設で使用する電力量の最大デマンドを低減することにより、基本料金を低減することができる。
【0035】
〔デマンドカット〕
次に、
図1を参照しながら
図2,
図3を用いて、最大デマンドを低減させるデマンドカットについて説明する。デマンドカットは、所定の期間であるデマンド期間17を設定し、各デマンド期間17における、電力消費装置3で使用する系統電力の電力量(系統電力量)の最大値である目標デマンド16を定めるものである。目標デマンド16は、各デマンド期間17において、電力消費装置3が消費する電力量(デマンド)が目標デマンド16を超える部分については、電源電力により賄えるように、電源電力の供給可能な電力量を予測して設定される。
【0036】
例えば、デマンド期間17を30分とし、24時間先までの、各デマンド期間17に共通して適用される目標デマンド16が設定される。
【0037】
この際、まず、過去の電力消費装置3の電力の消費量から、24時間(「第1期間」に相当)先までの30分(デマンド期間17)毎の電力消費量が予測される。24時間で電力消費装置3が消費すると予測される総電力消費量は需要予測電力量51(
図5参照)と称される。
【0038】
次に、24時間に供給することができる電源電力の電力量が予測される。電源電力の電力量には、太陽光発電装置等の発電装置8の発電量と蓄電池25の放電可能な放電電力の電力量が含まれる。つまり、供給可能な電源電力の電力量として、24時間の間に太陽光発電装置が発電できる発電量が天候等の情報から予測され、蓄電池25の現在蓄電されている電力量と蓄電池25の定格から放電可能な放電電力の電力量が算出される。なお、蓄電池25の定格は、蓄電池25の充電可能な電力量や、単位時間当たりの充放電可能な電力量等である。
【0039】
そして、24時間中に消費される需要予測電力量51を賄える範囲で、電力系統1から購入する系統電力量が最小となるように、各デマンド期間17に使用される系統電力量が目標デマンド16として設定される。つまり、24時間先までの各デマンド期間17において、電力消費装置3が消費する電力量が、発電装置8の発電電力Pgの電力量18と、蓄電池25の放電電力の電力量19と、目標デマンド16に相当する電力量との合算値で賄うことができるように、発電装置8の発電電力Pgおよび蓄電池25の放電電力である電源電力の使用を考慮して、目標デマンド16が設定される。
【0040】
このように、目標デマンド16を設定し、各デマンド期間17において、電力系統1から買電(受電)する系統電力を目標デマンド16以下に抑えながら、需要予測電力量51が賄えるように、電源電力の供給量を制御することにより、系統電力の使用量を最低限にして、基本料金の低減を図ることが可能となる。なお、このような目標デマンド16の設定は、30分毎に、その後24時間先までの電力消費量の予想値から行われても良い。つまり、目標デマンド16の設定は、デマンド期間17が経過する毎に第1期間にわたって行われても良い。これにより、常に最適な目標デマンド16にて電力制御を行うことができる。
【0041】
さらに、デマンドカットにおいて、
図3に示すように、各デマンド期間17で目標デマンド16を維持できるように、実際の系統電力の消費量26に応じて、電源電力の供給量がリアルタイムに微調整される。
【0042】
具体的には、まず、デマンド期間17で消費する前記系統電力量が、目標デマンド16となるような系統電力の消費量の時間推移が線形近似された系統電力推移27が算出される。
【0043】
次に、30分であるデマンド期間17が分割された、単位期間(「第2期間」に相当)17a例えば1分毎の、実際に電力系統1から供給された系統電力量(電力消費装置3で消費された電力量=デマンド)を単位系統電力量28として計測する。
【0044】
そして、各単位期間17aにおいて、単位系統電力量28と系統電力推移27とが比較され、単位系統電力量28が、系統電力推移27においてその単位期間17aに対応する系統電力量より多い場合、供給される電源電力量を増加させて、系統電力量を調整後の系統電力の消費量29を低減させる。
【0045】
単位系統電力量28が、系統電力推移27においてその単位期間17aに対応する系統電力量より多いと、最終的にそのデマンド期間17において供給される系統電力量が目標デマンド16を超える可能性が高くなる。そのため、電源電力量を増加させて、系統電力量を低減させることにより、そのデマンド期間17において供給される系統電力量が目標デマンド16を超えることが抑制されて、目標デマンド16を維持することができる。
【0046】
なお、このような電源電力の微調整は、各デマンド期間17における始期から所定時間、例えば5分経過後以降に行われても良い。これは、デマンド期間17の初期においては、最終的なデマンド期間17全体における実際の消費量が予測困難であるためである。つまり、デマンド期間17の初期において使用した系統電力量が予定より多かったとしても、最終的には、消費量が目標デマンド16を下回る可能性があるからである。
【0047】
〔電力制御システム〕
以下、
図1~
図7を用いて、電力制御システムを中心に、電力制御方法および電力制御プログラムについても説明する。以下の説明では、電源設備として、発電装置8と蓄電池25(充放電装置20)とを備え、発電装置8が太陽光発電装置である構成を例として説明する。
【0048】
図1に示すように、電力制御システムは、電力消費装置3に供給される系統電力および電源電力を制御する。電力制御システムは、電力消費装置3と、電力消費装置3に電力を供給する電力系統1、発電装置8、および充放電装置20と、情報入出力装置12と、ローカル側電力制御部30と、サーバ側電力制御部9とを含んで構成される。ローカル側電力制御部30およびサーバ側電力制御部9は、連携してデマンドカットを行い、電力系統1からの買電、蓄電池25の充放電、発電装置8の発電を制御する。なお、サーバ側電力制御部9は、インターネット等の通信回線10上に設けられ、複数のローカル側電力制御部30等と通信回線10を介して接続される。言い換えると、サーバ側電力制御部9は、複数の電力制御システムの構成要素であり、複数の電力消費装置3に係る電力制御を行う。
【0049】
(ローカル側電力制御部)
図4に示すように、ローカル側電力制御部30は、制御部31と、通信部32と、停電可能性予測部11と、比較部35と、電源電力調整部37と、充電補正部38と、記憶部39とを備える。
【0050】
制御部31は、CPU等のプロセッサを備え、ローカル側電力制御部30の各機能ブロックの動作を制御する。また、制御部31は、充放電装置20の充放電制御部21の動作の制御も行い、蓄電池25に対する充放電を制御する。
【0051】
通信部32は、発電装置8、充放電装置20、情報入出力装置12、およびサーバ側電力制御部9と、ローカル側電力制御部30の各機能ブロックとの間の情報通信を行う。
【0052】
停電可能性予測部11は、後述のように、天候等の情報を取得して、電力系統1が停電する可能性を予測する。
【0053】
比較部35は、各デマンド期間17において、単位期間17a毎に、系統電力推移27と単位系統電力量28とを比較する。
【0054】
電源電力調整部37は、比較部35の比較結果に応じて電源電力を調整する。具体的には、電源電力調整部37は、比較結果が、単位系統電力量28が系統電力推移27以下である場合は電源設備から供給される電力量を維持し、単位系統電力量28が系統電力推移27より大きな場合は電源設備から供給される電力量を増大させる。
【0055】
充電補正部38は、電源電力調整部37により電源設備から供給される電力量が増大された場合、増大された電力量と系統電力の市場価格の変動とに応じて、蓄電池25に対する充電のタイミングを補正する。
【0056】
電源電力調整部37により電源設備から供給される電力量が増大された場合、目標デマンド16を設定する際に予定されていた電源電力の供給量が不足する可能性が高くなる。そのため、必要な電源電力の電力量を確保するために、蓄電池25に充電する必要が生じる。この際、蓄電池25には、発電装置8の発電電力Pgに余裕があれば、発電電力Pgが充電されても良いが、発電電力Pgに余力がない場合、電力系統1から買電した電力を蓄電池25に充電する必要がある。また、電力系統1の系統電力は市場価格が刻々と変化する。そのため、充電補正部38は、需要予測電力量51(
図5参照)を賄うために必要な電力を蓄電池25に充電しながら、買電価格が最小となるように、増大された電力量と系統電力の市場価格の変動とに応じて、蓄電池25に対する充電のタイミングを補正する。
【0057】
記憶部39は、通信部32を介して取得した情報や、ローカル側電力制御部30で生成した各種のデータを記憶し、必要に応じて出力する。
【0058】
(サーバ側電力制御部)
図5に示すように、サーバ側電力制御部9は、制御部41と、通信部42と、目標デマンド設定部44と、電源運用計画部45と、電力推移検出部47と、消費電力計測部48と、記憶部49とを備える。
【0059】
制御部41は、CPU等のプロセッサを備え、サーバ側電力制御部9の各機能ブロックの動作を制御する。
【0060】
通信部42は、発電装置8、充放電装置20、情報入出力装置12、およびローカル側電力制御部30と、サーバ側電力制御部9の各機能ブロックとの間の情報通信を行う。
【0061】
目標デマンド設定部44は、デマンドカットを行うために、所定の期間(第1期間)の需要予測電力量51と、供給可能な電源電力の電力量とから、デマンド期間17における目標デマンド16を設定する。
【0062】
電源運用計画部45は、目標デマンド16を維持するために、電源設備から供給する必要がある電力量と市場価格の変動とに応じて、蓄電池25(充放電部23)に充電し、蓄電池25から放電するタイミングを決定する。
【0063】
電力推移検出部47は、デマンド期間17に消費する系統電力量が目標デマンド16となるような系統電力の消費量の時間推移を線形近似した系統電力推移27を算出する。
【0064】
消費電力計測部48は、デマンド期間17が任意に分割された単位期間(第2期間)17a毎に電力消費装置3で消費された系統電力量である単位系統電力量28を計測する。言い換えると、単位系統電力量28は、単位期間17aに電力系統1から供給された系統電力量である。なお、単位期間17aは、デマンド期間17が等分割された期間であっても良い。
【0065】
記憶部49は、通信部42を介して取得した情報や、サーバ側電力制御部9で生成した各種のデータを記憶し、必要に応じて出力する。
【0066】
(停電可能性予測)
図1に示すように、電力制御システムは、情報入出力装置12を備える。また、
図4に示すように、ローカル側電力制御部30は停電可能性予測部11を備える。情報入出力装置12および停電可能性予測部11により、停電可能性予測が行われ、停電可能性予測に応じて電力制御が行われる。
【0067】
図1に示すように、情報入出力装置12は、ユーザに対して情報の出力を行う出力部13と、ユーザによる情報の入力を受け付ける複数のスイッチを有する入力受付部14とを備える。情報入出力装置12は、充放電装置20との間で情報の送受信を行うことができる。出力部13による情報の出力方法には、音声情報の出力や、文字情報の出力などがある。また、出力部13と入力受付部14とがタッチパネル式の表示装置を用いて一体で設けられていても良い。例えば、情報入出力装置12は、充放電装置20や発電装置8の動作状態表示や動作設定のために設置されるリモコン装置を用いて実現できる。あるいは、情報入出力装置12は、ユーザが使用する通信端末装置などを用いて実現できる。
【0068】
図4に示す停電可能性予測部11は、充放電装置20が設置されている地区での、電力系統1からの電力供給が停止する系統停電の発生可能性を予測する。停電可能性予測部11は、例えば気象、災害、電気工事、イベントなどに関する情報を収集する。
【0069】
停電可能性予測部11は、例えば正時等の所定のタイミングで、充放電装置20が設置されている地区での系統停電の発生可能性や、系統停電の発生予測時刻などを予測する。
【0070】
例えば、停電可能性予測部11は、気象に関する情報として、台風の予測進路とその台風の暴風域の範囲との情報を収集する。そして、停電可能性予測部11は、充放電装置20が設置されている地区が、台風の暴風域に将来含まれると予測される場合には系統停電の発生可能性が高いと判定し、台風の暴風域に将来含まれないと予測される場合には系統停電の発生可能性が低いと判定する。
【0071】
そして、停電可能性予測部11は、充放電装置20が設置されている地区での系統停電の発生可能性が高いと予測される場合、その旨の情報を充放電装置20および制御部31に伝達する。また、停電可能性予測部11は、系統停電の発生予測時刻などを併せて充放電装置20および制御部31に伝達しても良い。
【0072】
充放電制御部21または制御部31は、充放電部23の制御モードを設定する制御モード設定処理を行い、設定した制御モードに従って充放電部23の充放電制御を行う。本実施形態では、充放電制御部21または制御部31は、制御モード設定処理において、系統停電が発生していない場合、充放電部23の制御モードを、通常モードと、その通常モードで充放電部23の動作を制御しているときよりも充放電部23への充電が促進される充電促進モードとのいずれか一方に設定する。
【0073】
このような構成により、系統停電が発生し、電力消費装置3に系統電力が供給されない場合が生じても、充放電部23への充電が促進されて、蓄電池25の充電電力に余裕を持たせることができ、蓄電池25からの放電により、電力消費装置3への電力供給を維持することができる。
【0074】
(電力制御)
次に、上記電力制御システムによる電力制御構成について説明する。なお、以下の説明では、上記電力制御システムを用いて電力制御を行う構成について説明するが、任意の装置構成を用いて、下記フローに示す電力制御方法が実施されても良い。また、上記電力制御システムの装置構成の一部または全部がソフトウェアにより実現されても良い。この場合、プログラムは、記憶部39または記憶部49等の任意の記憶装置に格納され、制御部31または制御部41等に搭載される任意のプロセッサ(コンピュータ)により実行される。
【0075】
上述のように、電力消費装置3は、電力系統1および電源設備から電力が供給される。電源設備は、以下の例では、蓄電池25を有する充放電装置20と、発電装置8として太陽光発電装置とで構成される。電力制御は、電力消費装置3に供給される電力を制御するために、電力系統1からの買電、蓄電池25の充放電、太陽光発電装置の発電動作を制御する。
【0076】
電力を制御する際には、まず、過去の電力の消費実績から、現時点から所定の期間、例えば24時間の間に電力消費装置3で消費される需要予測電力量51が予測される(
図6のステップ#1)。
【0077】
需要予測電力量51は、例えば、過去1年間の電力消費装置3での消費電力の推移から予測され、さらに、季節や日時、曜日、気温、天候等が任意に組み合わされて考慮されても良い。また、需要予測電力量51は、気温や曜日、過去の需要データ等を人工知能等により機械学習させた学習済みモデルを用いて予測されても良い。需要予測電力量51は、サーバ側電力制御部9の目標デマンド設定部44等の任意の機能ブロックにて予測され、記憶部49に格納される。
【0078】
次に、目標デマンド設定部44は、記憶部49に格納された需要予測電力量51を読み出し、供給可能な電源電力の電力量から、需要予測電力量51を賄える範囲で、電力系統1から購入する系統電力量が最小となるようにデマンド期間17に使用される系統電力量を目標デマンド16として設定してデマンドカットを実施する(
図6のステップ#2)。設定された目標デマンド16は記憶部49に格納され、電力制御の際に随時読み出される。
【0079】
供給可能な電源電力の電力量は、蓄電池25の蓄電量、太陽光発電装置の発電状態、気温・日射量・天気等の天候予測、過去の発電状況等による太陽光発電装置の発電予測等が考慮されて予測される。これにより、各デマンド期間17における電力消費装置3で消費されると予想される電力量は、目標デマンド16以下の系統電力と、電源電力により賄われることが期待される。
【0080】
この際、電源運用計画部45は、各デマンド期間17における電力系統1からの買電量(系統電力量)を目標デマンド16以下としても、需要予測電力量51が賄えるだけの電源電力の電力量が用意されるように、蓄電池25の充電タイミングと充電量、および、蓄電池25の放電タイミングと放電量を決定する(
図6のステップ#3)。
【0081】
これにより、各デマンド期間17において、目標デマンド16の範囲内で系統電力が供給された状態での電力消費装置3の需要に対する不足分を、適切に電源電力により補うことができる。このような準備をあらかじめ行ったうえで、デマンドカットを実施しながら電力消費装置3が動作する。
【0082】
ここで、デマンドカットを実施しながら電力制御が行われる際にも、系統停電が発生する場合がある。そのため、デマンドカットを実施中においても、系統停電が発生する可能性が高い場合は、電力消費装置3への電力供給を維持するために、蓄電池25に対して追加充電を行う必要がある。
【0083】
そこで、デマンドカットの実施中(電源制御の実施中)に、継続的に系統停電が発生する可能性を判断し、判断結果に応じて、目標デマンド16を維持しながら電力消費装置3への電源電力の供給が維持できるように、蓄電池25の制御モードを通常モードから充電促進モードに変更して、電源電力の供給計画が変更され、追加充電が行われる。
【0084】
まず、停電可能性予測部11は、継続的に、台風の予測進路等の情報を入手し、電力消費装置3に系統電力を供給する電力系統1に系統停電が発生する可能性が、所定の確率以上であるか否かを予測する。停電可能性予測部11は、系統停電が発生する可能性が所定の確率以上である場合、系統停電が発生する可能性があると判断する(
図6のステップ#4)。
【0085】
系統停電が発生する可能性があると判断された場合(
図6のステップ#4 Yes)、制御部31は、入力受付部14が受けつけたユーザの指示を参照し、ユーザからの指示が蓄電池25への充電を促進させることを希望するものであるか否かの判定を行う(
図6のステップ#5)。
【0086】
ユーザからの指示が蓄電池25への充電を促進させることを希望するものである場合(
図6のステップ#5 Yes)、制御部31は、充放電制御部21を介して、蓄電池25の制御モードを通常モードから充電促進モードに変更する(
図6のステップ#6)。
【0087】
蓄電池25の制御モードを充電促進モードにすることにより、蓄電池25への充電が促進されて、蓄電池25の充電率を常に高い状態に保つことができるため、その後、系統停電が発生したとしても、蓄電池25からの放電により、電力消費装置3への電力の供給を維持することができる。
【0088】
系統停電が発生する可能性があると判断されなかった場合(
図6のステップ#4 No)、ユーザからの指示が蓄電池25への充電を促進させることを希望するものでない場合(
図6のステップ#5 No)、および蓄電池25の制御モードを充電促進モードに変更(
図6のステップ#6)された後、以下のデマンドカットに伴う電力制御が行われ、電力制御中にも随時、停電可能性の予測(
図6のステップ#4~#6の処理)が行われる。
【0089】
デマンドカットの実施中には、実際の系統電力の消費量26に応じて、電源電力の供給量が微調整される。
【0090】
この際、まず、電力推移検出部47は、目標デマンド16を、デマンド期間17における系統電力推移27に線形近似する(
図6のステップ#7)。つまり、電力推移検出部47は、デマンド期間17における系統電力の消費量が目標デマンド16となるように、デマンド期間17中に系統電力が均等に消費されると仮定して線形近似し、系統電力推移27を算出し、記憶部49に格納すると共に、通信部42および通信部32を介して記憶部39に格納する。
【0091】
次に、消費電力計測部48は、電力消費装置3における実際の系統電力の消費量26を計測する(
図6のステップ#8)。具体的には、各デマンド期間17が単位期間17aに分割され、消費電力計測部48は、単位期間17a毎に消費された系統電力量である単位系統電力量28を計測し、記憶部49に格納すると共に、通信部42および通信部32を介して記憶部39に格納する。例えば、単位期間17aは、30分のデマンド期間17が分割された1分の期間である。つまり、消費電力計測部48は、1分毎の単位系統電力量28を計測する。
【0092】
次に、比較部35は、単位系統電力量28が系統電力推移27を下回っているか否かを比較する(
図6のステップ#9)。つまり、比較部35は、各単位期間17aにおいて、単位系統電力量28が、系統電力推移27のその単位期間17aにおける系統電力量以下であるか否かを比較する。
【0093】
単位系統電力量28が系統電力推移27以下であれば、そのままの推移で系統電力が消費されれば、そのデマンド期間17において目標デマンド16が達成される。そのため、単位系統電力量28が系統電力推移27以下の場合(
図6のステップ#9 Yes)、電源運用計画部45で決定された蓄電池25の充放電タイミングが維持され、処理が継続される(
図6のステップ#13)。
【0094】
単位系統電力量28が系統電力推移27より大きくなると、そのままの推移で系統電力が消費されれば、そのデマンド期間17において、電力消費装置3で消費される系統電力量が目標デマンド16を超えるおそれがある。そのため、単位系統電力量28が系統電力推移27以下でない場合(
図6のステップ#9 No)、系統電力量が目標デマンド16を超える電力量を、蓄電池25からの放電により補うことができるように、電源運用計画部45で決定された蓄電池25の充放電タイミング・充放電量が補正される。
【0095】
充放電タイミングを補正する際には、まず、充電補正部38は、蓄電池25が満充電であるか否かの確認を行う(
図6のステップ#10)。
【0096】
蓄電池25が満充電である場合(
図6のステップ#10 Yes)、充電補正部38は、蓄電池25から放電する電力量を増加させて、系統電力量が目標デマンド16を超える電力量に相当する電力量を補い(
図6のステップ#11)、デマンドカットに伴う電力制御が継続される(
図6のステップ#13)。なお、蓄電池25が満充電でない場合(
図6のステップ#10 No)であっても、充電補正部38は、デマンド期間17中に、系統電力量が目標デマンド16を超える電力量に相当する電力量を補うだけの電力が蓄電池25に蓄電されているか否かを確認し、十分な電力が蓄電されていると確認できると、蓄電池25から放電する電力量を増加させても良い。
【0097】
蓄電池25が満充電でない場合(
図6のステップ#10 No)、充電補正部38は、まず、デマンド期間17中または24時間後までに、系統電力量が目標デマンド16を超える電力量に相当する電力量を補うだけの電力が蓄電池25に蓄電されているかを確認する。そして、蓄電池25に蓄電された電力が不足する場合、蓄電池25に蓄電されている電力量で、系統電力量が目標デマンド16を超える電力量に相当する電力量を補うために、電力系統1から買電して蓄電池25を充電する。
【0098】
このように、各デマンド期間17において、実際に電力消費装置3で消費される電力量が予測を上回るような場合であっても、蓄電池25からの放電電力を増加させることにより、系統電力の使用量を目標デマンド16以下に抑えることができる。また、蓄電池25の放電量が増加するため、蓄電池25の蓄電量が不足する可能性が生じるが、電力系統1から買電して蓄電池25を充電することにより、蓄電池25に十分な蓄電量を確保することができる。
【0099】
この際、蓄電池25を充電するための電力系統1からの買電に対して、充電補正部38は充電アービトラージを実行する(
図6のステップ#12)。そして、適切なタイミングで蓄電池25の充電量を確保しながら、充電補正部38は、蓄電池25から放電する電力量を増加させて、系統電力量が目標デマンド16を超える電力量に相当する電力量を補う(
図6のステップ#11)。充電アービトラージは、電力系統1から買電して蓄電池25を充電することが決定された際に、すぐに充電を行わず、電力系統1の市場価格を考慮して、必要な電力量を電力系統1から買電して蓄電池25に充電し、かつ、買電価格が最も安価になるように計画することである。
【0100】
電力系統1から買電して蓄電池25を充電することが決定された際、実際に電力消費装置3で消費される電力量の予測値が下がり傾向にある場合がある。そのような場合、消費される電力量が将来的に目標デマンド16を下回ることが予想される。また、実際の消費量が目標デマンド16を超えている場合、電源電力により目標デマンド16を超える消費量を賄う必要がある。このような状態では、十分に蓄電池25に充電する電力を確保できない可能性がある。また、市場価格が下降傾向にある場合、将来的に市場価格が下がることが予想され、すぐに買電を行わず、市場価格が下がってから買電を行い、蓄電池25を充電するほうが経済的に有利である。そのため、充電アービトラージでは、蓄電池25の蓄電状態、電力消費装置3で消費される電力量の予測量、および市場価格を考慮して、電力系統1から買電して蓄電池25を充電するタイミングが計画される。
【0101】
具体的には、あらかじめ、需要予測電力量51が予測される際に、電力消費装置3で消費される電力量の予測量が、デマンド期間17毎に算出され、デマンド期間17毎の予測消費電力量52として記憶部39に格納される。また、電力系統1の市場価格の推移(市場価格推移)53が取得され、記憶部39に格納される。
【0102】
充電補正部38は、電力系統1から買電して蓄電池25を充電することが決定されると、24時間(第1期間)先までの各デマンド期間17の予測消費電力量52と目標デマンド16とを比較し、予測消費電力量52が目標デマンド16より小さいデマンド期間17を抽出する。
【0103】
図7に示す例では、予測消費電力量52が目標デマンド16より小さいデマンド期間17は、デマンド期間A,B,C,D,E等である。
【0104】
次に、充電補正部38は、それぞれのデマンド期間17において、目標デマンド16を超えない範囲で、かつ、蓄電池25に充電可能な電力量を、充電可能電力量54として求める。例えば、充電可能電力量54は、デマンド期間A,B,C,D,E等のそれぞれにおいて、予測消費電力量52と目標デマンド16との差分として算出される。充電補正部38は、算出された充電可能電力量54をデマンド期間17と紐づけて記憶部39に格納する。
【0105】
次に、充電補正部38は、市場価格推移53から、予測消費電力量52が目標デマンド16より小さいデマンド期間A,B,C,D,E等に対して、市場価格が低い順に優先順位を付与する。
図7に示す例では、優先順位は、デマンド期間D,E,C,B,Aの順になる。
【0106】
次に、充電補正部38は、目標デマンド16を維持するために、蓄電池25に追加で充電する必要のある電力量を算出する。つまり、充電補正部38は、蓄電池25への追加充電量を算出する。追加充電量は、蓄電池25が満充電になるまでに必要な電力量であっても良い。
【0107】
次に、充電補正部38は、優先順位の高いデマンド期間D,E,C,B,Aの順に、追加充電量を超えるまで、それぞれの充電可能電力量54を積算していく。追加充電量を超えるまで積算されたデマンド期間17が追加充電に用いられるデマンド期間17となる。
【0108】
例えば、デマンド期間D,E,Cの充電可能電力量54を積算して追加充電量を超えたとすると、充電補正部38は、デマンド期間C,D,Eにて買電した系統電力を蓄電池25に充電するように、電源運用計画部45で決定された、蓄電池25に対する充放電のタイミングおよび充放電量を補正する。さらに、充電補正部38は、この補正に伴って、電源運用計画部45で決定された蓄電池25に対する充放電のタイミングおよび充放電量を全体的に見直して、より精度良くデマンドカットが行われるようにしても良い。
【0109】
蓄電池25の放電量の増加に伴い、電力系統1から買電して蓄電池25を充電する場合であっても、蓄電池25に蓄電可能な電力量と市場価格等を考慮して、最適なタイミングで買電を行うように制御することにより、蓄電池25に十分な蓄電量を確保しながら、経済的に買電を行うことができる。
【0110】
そして、引き続き、ステップ#7またはステップ#4以降の処理を繰り返して、各デマンド期間17におけるデマンドカットを伴う電力制御が行われる(
図6のステップ#13)。
【0111】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態においては、電源設備として、発電装置8である太陽光発電装置、および蓄電池25を備える構成を例に説明したが、電源設備は、太陽光発電装置等の発電装置8を備えない構成とされても良い。また、太陽光発電装置に限らず、発電装置8として、他の自然エネルギー発電装置や、燃料電池を備える発電装置等、1または複数のあらゆる種類の発電装置8が用いられても良い。つまり、電源設備として、各種の発電装置8および蓄電池25のうち、任意のものが組み合わされて用いられても良い。そして、デマンドカットにおいて、各デマンド期間における、電力消費装置3が消費する電力量に対する系統電力の目標デマンド16の不足分を、これらの電源設備から供給される電力量で補うように目標デマンド16が設定され、電源制御が行われる。
【0112】
このように、種々の電源設備から電力が供給される構成であっても、適切にデマンドカットを実施、系統電力の基本料金を最適化させることができる。
【0113】
(2)上記各実施形態において、停電可能性予測部11と、比較部35と、電源電力調整部37と、充電補正部38とは、ローカル側電力制御部30に設けられ、目標デマンド設定部44と、電源運用計画部45と、電力推移検出部47と、消費電力計測部48とは、サーバ側電力制御部9に設けられる構成に限らず、これらの機能ブロックは、それぞれ、ローカル側電力制御部30またはサーバ側電力制御部9いずれかに設けられれば良く、ローカル側電力制御部30およびサーバ側電力制御部9にまたがって設けられても良い。例えば、消費電力計測部48は、サーバ側電力制御部9ではなく、ローカル側電力制御部30に設けられても良い。さらに、ローカル側電力制御部30またはサーバ側電力制御部9が設けられず、これらの機能ブロックの全てが、ローカル側電力制御部30またはサーバ側電力制御部9の一方に設けられても良い。
【0114】
このような構成により、電力制御システムの構成自由度が向上する。
【0115】
(3)上記各実施形態において、デマンド期間17は30分に限らず任意の時間が設定されても良い。また、デマンドカットも、24時間先までの目標デマンド16を設定する構成に限らず、任意の時間先までの目標デマンド16を設定する構成とされても良い。また、単位期間17aも1分間に限らず、任意の時間が設定されても良く、等間隔でなくても良い。
【0116】
これにより、電力の供給構成や、電力の使用・消費構成に応じて、適切にデマンドカットを実施し、系統電力の基本料金を最適化させることができる。
【0117】
(4)上記各実施形態において、電源運用計画部45が、蓄電池25の充電タイミングと充電量、および、蓄電池25の放電タイミングと放電量を決定する際にも、充電アービトラージが実施されても良い。具体的には、電源運用計画部45は、各デマンド期間17において、需要予測電力量51に対する目標デマンド16の不足分を電源電力の電力量を補うように、太陽光発電装置の発電電力Pgの使用の制御に加え、蓄電池25の充放電のタイミングを決定するが、蓄電池25への充電を、買電量(デマンド)が目標デマンド16より小さく、市場価格が低い時間帯(デマンド期間17)に行うように、蓄電池25の充電タイミングと充電量を決定する。
【0118】
デマンドカットにより、各デマンド期間17における目標デマンド16を決定し、需要に対する不足分を電源電力により賄うが、蓄電池25は、電力の供給量を満たすために充電を行うことが必要となる場合がある。この充電は、電力消費装置3で消費される電力量が目標デマンド16以下となるデマンド期間17において行われるが、充電アービトラージを行うことにより、市場価格が低いデマンド期間17において充電を行うことができ、蓄電池25への充電を適切なタイミングで行うことができる。
【0119】
(5)上記各実施形態において、比較部35は、目標デマンド16を線形近似して系統電力推移27を求めて、デマンド期間17中に消費される系統電力が目標デマンド16以下になるか否かを比較したが、このような構成に限定されない。例えば、比較部35は、複数の単位期間17aにおける単位系統電力量28を計測し、これらを線形近似してデマンド期間17中に消費される系統電力量を予測して目標デマンド16と比較しても良い。さらに、比較部35を設けず、電源電力調整部37は、任意の構成でデマンド期間17中に消費される系統電力が目標デマンド16以下になるか否かを確認し、確認結果に応じて、電源設備から供給される電力量を調整しても良い。
【0120】
これにより、状況に応じた適切な構成で、電源設備から供給される電力量を調整することができる。
【0121】
(6)上記各実施形態において、充電促進モードにおける蓄電池25への充電の際にも、充電アービトラージが実施されても良い。
【0122】
これにより、充電促進モードにおいても、蓄電池25へ充電するための買電を、効率的かつ経済的に行うことができる。
【0123】
逆に、充電促進モードにおける蓄電池25への充電の際にのみ充電アービトラージが実施され、単位系統電力量28が系統電力推移27より大きな場合に蓄電池25に対する充電のタイミングを補正する際には、充電アービトラージが実施されなくても良い。
【0124】
(7)上記各実施形態において、充電アービトラージは、電力消費装置3で消費される電力量が目標デマンド16以下となるデマンド期間17のうち、市場価格が低いデマンド期間17において充電が行われる制御であるが、近い将来に蓄電池25の充電量が不足する場合は、電力消費装置3で消費される電力量が目標デマンド16以下となる直近のデマンド期間17において、必要な充電量を確保できるまで充電が行われても良い。例えば、次に電力消費装置3で消費される電力量が目標デマンド16を超えるデマンド期間17において、蓄電池25の蓄電量が、そのデマンド期間17以降において放電される放電量に対して不足することが予測される場合、そのデマンド期間17より前の、消費される系統電力が目標デマンド16以下となる予定のデマンド期間17において、蓄電池25に充電されても良い。
【0125】
これにより、蓄電池25から供給される電力が不足することが抑制され、電力消費装置3で消費される電力量を精度良く供給することができる。
【0126】
(8)上記各実施形態において、電力系統1における系統停電の原因は、台風の接近に限らず、その他の任意の原因により、停電可能性予測部11は、電力系統1に系統停電が発生する可能性を判断しても良い。これにより、種々の系統停電に対応して、蓄電池25への充電をあらかじめ行うことができ、適切に電力消費装置3への電力供給を行うことができる。
【0127】
また、上記各実施形態において、系統停電が発生する可能性を予測し、予測結果に応じて、充電促進モードに変更する構成を備えずに電力制御が行われても良い。これにより、簡単な構成で電力制御を行うことができる。
【0128】
なお、上記の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明は、電力系統に加え、種々の発電装置から電力消費装置へ電力を供給する際の電力制御に適用することができる。
【符号の説明】
【0130】
1 電力系統
3 電力消費装置
8 発電装置
11 停電可能性予測部
14 入力受付部
16 目標デマンド
17 デマンド期間
17a 単位期間
25 蓄電池
27 系統電力推移
28 単位系統電力量
30 ローカル側電力制御部
35 比較部
37 電源電力調整部
38 充電補正部
44 目標デマンド設定部
45 電源運用計画部
47 電力推移検出部
48 消費電力計測部
51 需要予測電力量
54 充電可能電力量