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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022015079
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】料金精算機の操作説明システム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20220114BHJP
   G06Q 20/18 20120101ALI20220114BHJP
【FI】
G07B15/00 M
G06Q20/18
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020117700
(22)【出願日】2020-07-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】394001814
【氏名又は名称】ハイウェイ・トール・システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】井村 賢
(72)【発明者】
【氏名】米川 海渡
【テーマコード(参考)】
3E127
5L055
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA10
3E127BA59
3E127CA12
3E127CA21
3E127DA11
3E127DA16
3E127DA17
3E127EA03
3E127EA42
3E127EA46
3E127EA47
3E127FA09
3E127FA12
5L055AA62
(57)【要約】
【課題】様々な利用者に料金精算機の操作方法を説明するための操作説明システムを提供する。
【解決手段】料金精算機21の操作説明システム30は、入出力部160と、制御部170とを備える。入出力部160には料金精算機に通行料を支払う操作の操作項目が入力される。また、入出力部160において操作を説明するための説明言語が選択される。制御部170は、操作項目に応じた操作説明を説明言語で表す出力信号を生成する。入出力部160は、出力信号に応じて、操作説明を出力する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
料金精算機に通行料を支払う操作の操作項目が入力され、操作を説明するための説明言語が選択される入出力部と、
前記操作項目に応じた操作説明を前記説明言語で表す出力信号を生成する制御部と、
を備え、
前記入出力部は、前記出力信号に応じて、前記操作説明を出力する
料金精算機の操作説明システム。
【請求項2】
前記入出力部は、前記料金精算機において操作を行う操作パネルを表す操作位置指示部を備え、
操作位置指示部は、前記出力信号に応じて、前記料金精算機の前記操作パネルの操作位置を指示する
請求項1に記載の料金精算機の操作説明システム。
【請求項3】
前記操作位置指示部が指示する操作位置を制御する管理員操作装置を備える
請求項2に記載の料金精算機の操作説明システム。
【請求項4】
前記入出力部は、前記操作項目に応じた前記操作説明を表す音声を出力し、
前記出力信号は、前記操作説明を前記説明言語で説明する音声を表す音声信号を含み、
前記制御部は、
前記音声信号を前記入出力部に出力しているときに前記入出力部に前記説明言語が選択されたとき、前記操作説明を新たに選択された前記説明言語で説明する音声を表す前記音声信号を出力する
請求項1または3に記載の料金精算機の操作説明システム。
【請求項5】
前記入出力部は、前記操作項目に応じた前記操作説明を表す音声を出力し、
前記出力信号は、前記操作説明を前記説明言語で説明する音声を表す音声信号を含み、
前記制御部は、
前記音声信号を前記入出力部に出力しているときに前記入出力部に前記操作項目が入力されたとき、前記説明言語で新たに入力された前記操作項目を説明する音声を表す前記音声信号を出力する
請求項1から4のいずれか1項に記載の料金精算機の操作説明システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記音声信号の出力を開始してから所定の期間が経過するまで、新たな前記操作項目が入力されても、元の前記操作項目に応じた前記音声信号を出力し続ける
請求項5に記載の料金精算機の操作説明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、料金精算機の操作説明システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
高速道路などの料金所において、通行料を支払うために料金精算機が使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、料金所において聴覚障害者を支援するための聴覚障害者用案内システムが開示されている。このシステムは、料金精算機に隣接して設けられる表示機と、管理事務所に設けられる応答器とを備える。表示機には、タッチセンサーと表示部とを備え、タッチセンサーを用いて応答器の呼出ブザーを鳴らすことができる。管理事務所の管理員が応答器の応答ボタンを押すことで、表示機の表示部に管理員が向かっていることを表す表示を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-3564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高速道路などの料金所に設置される料金精算機において、聴覚障害者などの利用者への支援は進んでいるが、海外からの旅行者への支援は十分ではない。料金精算機を用いて、現金だけでなく、クレジットカード、ETC(Electronic Toll Collection System)カードなどで通行料を支払うことができ、その操作が複雑化している。また、海外からの旅行者は、文化の違いなどから、日本国で生活している利用者よりも料金精算機の操作方法を理解するのが難しい。さらに、高速道路の料金精算機については、周囲に操作方法を尋ねる人が少ない場合が多く、周囲の人に操作方法を聞くことも難しい。
【0006】
上記の状況に鑑み、様々な利用者に料金精算機の操作方法を説明するための操作説明システムを提供することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態による料金精算機(21)の操作説明システム(30)は、入出力部(160)と、制御部(170)とを備える。入出力部(160)には料金精算機に通行料を支払う操作の操作項目が入力される。また、入出力部(160)において操作を説明するための説明言語が選択される。制御部(170)は、操作項目に応じた操作説明を説明言語で表す出力信号を生成する。入出力部(160)は、出力信号に応じて、操作説明を出力する。
【発明の効果】
【0009】
上記の形態によれば、操作説明システムは様々な利用者に料金精算機の操作を説明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施の形態における操作説明システムの設置例を表す図である。
図2】一実施の形態における料金精算機の操作パネルの構成図である。
図3】一実施の形態における説明装置の構成図である。
図4】一実施の形態における操作説明システムの構成図である。
図5】一実施の形態における制御用データの概要を表す図である。
図6A】一実施の形態における説明装置の演算装置による処理を表すフローチャートである。
図6B】一実施の形態における説明装置の演算装置による処理を表すフローチャートである。
図6C】一実施の形態における説明装置の演算装置による処理を表すフローチャートである。
図7A】一実施の形態における説明装置の演算装置による起動処理を表すフローチャートである。
図7B】一実施の形態における説明装置の演算装置による起動処理を表すフローチャートである。
図8】一実施の形態における操作装置の構成図である。
図9】一実施の形態における操作説明システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
本実施の形態では、図1に示すように、高速道路の料金所に設置される料金精算機21の操作方法を説明する操作説明システム30を例に説明する。料金所には、車両、例えば自動車、二輪自動車が通行する走行レーン10に沿って、アイランド20が設けられている。アイランド20には、料金精算機21と、発進制御機22と、操作説明システム30の説明装置31が設けられている。発進制御機22は、走行レーン10に突出するように設けられたバーを備え、走行レーン10を走行する車両に停止することを促す。利用者が料金精算機21に通行料を支払うことで、発進制御機22はバーを上げて、車両に通過することを促す。また、操作説明システム30は、管理事務所に設置される操作装置32を備える。
【0012】
料金精算機21は、様々な支払い方法に対応するため、例えば図2に示すように、カード挿入部41と、硬貨挿入部42と、紙幣挿入部43と、おつり返却部44と、領収書出力部45と、呼出部46と、証明書収納部47と、操作レバー48と、撮像部49とを操作パネルに備える。
【0013】
カード挿入部41には、通行券、ETC(Electronic Toll Collection System)カード、クレジットカードなどのカード類が挿入される。カード挿入部41に通行券が挿入されると、料金精算機21は、通行券からデータを読み出し、読み出したデータに基づき通行料を算出し、算出した通行料を表示する。カード挿入部41にETCカードが挿入されると、料金精算機21は、ETCカードからデータを読み出し、読み出したデータに基づき通行料を算出する。さらに料金精算機21は、算出した通行料を表示するとともに、通行料を決済システムに登録して、決済システムに決済処理を実行させる。
【0014】
カード挿入部41には、通行券が挿入されたあとに、通行料をクレジットカードで支払うときにクレジットカードが挿入される。クレジットカードがカード挿入部41に挿入されると、料金精算機21は、決済システムと通信して、算出された通行料について、クレジットカードでの決済処理を決済システムに実行させる。
【0015】
硬貨挿入部42には、通行券が挿入されたあとに、通行料を現金で支払うときに硬貨が挿入される。通行券をカード挿入部41に挿入することで表示される料金のうち、硬貨で支払う料金に応じた硬貨が硬貨挿入部42に挿入される。
【0016】
紙幣挿入部43には、通行券が挿入されたあとに、通行料を現金で支払うときに紙幣が挿入される。通行券をカード挿入部41に挿入することで表示される料金のうち、紙幣で支払う料金に応じた紙幣が紙幣挿入部43に挿入される。
【0017】
おつり返却部44には、通行料を現金で支払ったときのおつりが返却される。料金精算機21は、挿入された現金と通行料との差額の金額の現金をおつり返却部44に出力する。
【0018】
領収書出力部45には、領収書の発行ボタンが押されたときに、領収書が出力される。
【0019】
呼出部46は、例えば料金精算機21の操作方法がわからない場合に押される。呼出部46が押されることで、料金精算機21に設けられたマイクロフォンとスピーカとが、管理事務所に設けられたスピーカとマイクロフォンとに接続される。これにより、料金精算機21の利用者は、管理事務所の管理員と通話を行うことができる。
【0020】
証明書収納部47には、利用者が持参した証明書が挿入される。
【0021】
操作レバー48は、障害者手帳を持つ利用者が管理事務所の管理員に連絡を取るために使用される。操作レバー48が降ろされると、料金精算機21は、操作レバー48が降ろされたことを管理事務所の管理員に通知するための処理を行う。管理事務所の管理員は、料金精算機21を介して、利用者に撮像部49に障害者手帳を写すように伝える。
【0022】
撮像部49は、例えば静止画または動画を撮像するカメラであり、障害者手帳を撮像する。撮像された画像は、管理事務所の表示器に表示され、管理員に確認される。管理員は、障害者手帳を確認して、料金精算機21の料金設定を障害者手帳の記載に応じて変更する。これにより、料金精算機21で要求される通行料の設定が変更される。その後、通行券またはETCカードがカード挿入部41に挿入されることで、変更された通行料を用いて料金精算機21が動作する。
【0023】
以上のように、利用者は料金精算機21を用いて様々な方法で通行料を支払うことができる。
【0024】
図1に示す操作説明システム30の説明装置31は、操作説明を行う料金精算機21に隣接して設けられ、料金精算機21の操作方法を音声と表示とで説明する。説明装置31は、図3に示すように、言語選択部110と、説明要求部120と、操作位置指示部140と、聴覚障害者支援部150とを備える。
【0025】
言語選択部110には、説明装置31が料金精算機21の操作を説明するために出力する音声の言語が入力される。言語選択部110は、第1言語入力部111a、第2言語入力部111bなどを含む複数の言語入力部111と、第1言語表示部112a、第2言語表示部112bなどを含む複数の言語表示部112とを備える。
【0026】
言語表示部112は、説明装置31が操作を説明するときに選択できる言語が表示されている。例えば、第1言語表示部112aには日本語を表す表記が表示され、第2言語表示部112bには英語を表す表記が表示されている。第3言語表示部112cには中国語を表す表記が表示されている。
【0027】
言語入力部111は、説明装置31が操作を説明するときに用いる言語が入力される。例えば、言語入力部111はボタンである。この場合、言語入力部111は、言語表示部112に対応付けられている。例えば、日本語を選択するときに入力される第1言語入力部111aは、日本語を表す第1言語表示部112aに対応付けられている。英語を選択するときに入力される第2言語入力部111bは、英語を表す第2言語表示部112bに対応付けられている。言語入力部111が選択されると、例えば言語入力部111に対応するボタンが押されると、説明装置31は、選択された言語入力部111に対応する言語表示部112に表された言語の音声を出力する。
【0028】
また、言語入力部111は、LED(light emitting diode)などの発光装置を備える。選択されている言語に対応する言語入力部111の発光装置が発光し、選択されている言語を表す。
【0029】
言語選択部110は、1つの言語入力部111と、対応可能な複数の言語が表示された1つの言語表示部112とで構成されてもよい。この場合、言語入力部111には、言語表示部112に表示された言語が入力される。説明装置31は、入力された言語の音声で操作方法を説明する。
【0030】
説明要求部120には、料金精算機21の操作方法の説明を要求する操作項目が入力される。説明装置31は、説明要求部120に入力された操作項目の表す操作を説明する。
【0031】
例えば、説明要求部120は、第1操作項目入力部121a、第2操作項目入力部121bなどを含む複数の操作項目入力部121を備える。例えば、操作項目入力部121はボタンで構成される。説明要求部120には、各ボタンに対応した操作項目が表されている。
【0032】
例えば、説明要求部120には、第1操作項目入力部121aに対応する位置に通行料を支払うときに行う最初の操作を表す操作項目が表されている。第1操作項目入力部121aが選択されると、例えば第1操作項目入力部121aのボタンが押されると、説明装置31は通行料を支払うときに行う最初の操作を説明する。説明要求部120には、第2操作項目入力部121bに対応する位置に現金で支払うことを表す操作項目が表されている。第2操作項目入力部121bが選択されると、説明装置31は通行料を現金で支払うための操作を説明する。説明要求部120には、第3操作項目入力部121cに対応する位置にカードで支払うことを表す操作項目が表されている。第3操作項目入力部121cが選択されると、説明装置31は通行料をカードで支払うための操作を説明する。説明要求部120には、第4操作項目入力部121dに対応する位置におつりを受け取ることを表す操作項目が表されている。第4操作項目入力部121dが選択されると、説明装置31はおつりを受け取るための操作を説明する。説明要求部120には、第5操作項目入力部121eに対応する位置に領収書を受け取ることを表す操作項目が表されている。第5操作項目入力部121eが選択されると、説明装置31は領収書を受け取るための操作を説明する。説明要求部120には、第6操作項目入力部121fに対応する位置に、トラブルが発生したときなどに管理員と通話することを表す操作項目が表されている。第6操作項目入力部121fが選択されると、説明装置31は管理員と通話するための操作を説明する。
【0033】
操作位置指示部140は、操作説明に応じて料金精算機21の操作位置を表す。例えば、操作位置指示部140は、料金精算機21の操作パネルを表し、操作位置に対応する位置にLEDなどの発光装置を備える。操作位置指示部140は、発光装置を発光、例えば点灯、または点滅させることで、料金精算機21の操作パネルにおける操作位置を指し示す。例えば、操作位置指示部140は、料金精算機21の操作パネルの各部に対応して、カード挿入位置指示部141と、硬貨挿入位置指示部142と、紙幣挿入位置指示部143と、おつり返却位置指示部144と、領収書出力位置指示部145と、呼出位置指示部146とを備える。
【0034】
例えば、カード挿入位置指示部141は、操作位置指示部140において、料金精算機21のカード挿入部41に対応する位置に設けられている。例えば、説明装置31は、第1操作項目入力部121aが選択されて、料金精算機21に通行料を支払うときに行う最初の操作を説明するときに、通行券またはETCカードを挿入することの説明に合わせて、カード挿入位置指示部141を発光して操作位置、具体的には通行券またはETCカードを挿入する位置を指示する。また、説明装置31は、第3操作項目入力部121cが選択されて、料金精算機21にクレジットカードを挿入することの説明に合わせて、カード挿入位置指示部141を発光して操作位置、具体的にはクレジットカードを挿入する位置を指示する。
【0035】
硬貨挿入位置指示部142は、操作位置指示部140において、料金精算機21の硬貨挿入部42に対応する位置に設けられている。例えば、説明装置31は、第2操作項目入力部121bが選択されて、料金精算機21に通行料を現金で支払う操作を説明するときに、硬貨を挿入することの説明に合わせて、硬貨挿入位置指示部142を発光して操作位置、具体的には硬貨を挿入する位置を指示する。
【0036】
紙幣挿入位置指示部143は、操作位置指示部140において、料金精算機21の紙幣挿入部43に対応する位置に設けられている。例えば、説明装置31は、第2操作項目入力部121bが選択されて、料金精算機21に通行料を現金で支払う操作を説明するときに、紙幣を挿入することの説明に合わせて、紙幣挿入位置指示部143を発光して操作位置、具体的には紙幣を挿入する位置を指示する。
【0037】
おつり返却位置指示部144は、操作位置指示部140において、料金精算機21のおつり返却部44に対応する位置に設けられている。例えば、説明装置31は、第4操作項目入力部121dが選択されて、料金精算機21からおつりを受け取る操作を説明するときに、おつり返却位置指示部144を発光して操作位置、具体的にはおつりが返却される位置を指示する。
【0038】
領収書出力位置指示部145は、操作位置指示部140において、料金精算機21の領収書出力部45に対応する位置に設けられている。例えば、説明装置31は、第5操作項目入力部121eが選択されて、料金精算機21から領収書を受け取る操作を説明するときに、領収書を出力することの説明に合わせて、領収書出力位置指示部145を発光して操作位置、具体的には領収書が出力される位置を指示する。
【0039】
呼出位置指示部146は、操作位置指示部140において、料金精算機21の呼出部46に対応する位置に設けられている。例えば、説明装置31は、第6操作項目入力部121fが選択されて、管理員と通話するための料金精算機21の操作を説明するときに、呼出位置指示部146を発光して操作位置、具体的には管理員と通話するためのボタンの位置を指示する。
【0040】
聴覚障害者支援部150は、聴覚障害者が管理員を呼び出すために操作される。聴覚障害者支援部150は、支援入力部151と、応答表示部152とを備える。
【0041】
支援入力部151は、聴覚障害者が管理員の支援が必要なときに入力され、例えばボタンで構成されている。支援入力部151が押されると、説明装置31は、管理事務所に設置された操作装置32に管理員を呼び出すための呼出信号を送信する。操作装置32は、呼出信号に応じて、呼出音を出力し、管理員に支援入力部151が押されたことを知らせる。
【0042】
応答表示部152は、支援入力部151が入力されたときの管理員の状態、例えば応答の有無を表す。操作装置32に管理員が応答操作を行うと、操作装置32は管理員が応答したことを表す応答信号を生成する。応答表示部152は、LEDなどの発光装置を備え、生成された応答信号に基づき、点灯、点滅などの発光状態により管理員の状態を表す。
【0043】
操作説明システム30の説明装置31は、図4に示すように、操作装置32と通信可能に接続されている。説明装置31は、前述の言語選択部110と、説明要求部120と、操作位置指示部140と、聴覚障害者支援部150とに加えて、音声出力部161と、制御部170と、通信装置180とを備える。言語選択部110と、説明要求部120と、操作位置指示部140と、聴覚障害者支援部150と、音声出力部161とを総称して、入出力部160と呼ぶ。
【0044】
言語選択部110は、入力装置111-1(例えば、第1言語入力部111aに対応する第1入力装置111a-1、第2言語入力部111bに対応する第2入力装置111b-1など)と、発光装置111-2(例えば、第1言語入力部111aに対応する第1発光装置111a-2、第2言語入力部111bに対応する第2発光装置111b-2など)とを備える。入力装置111-1は、例えば操作を説明する言語を選択するためのボタンである。発光装置111-2は、選択されている言語を表し、対応する言語が選択されているときに発光する。
【0045】
音声出力部161は、制御部170からの信号に応じて、料金精算機21の操作を説明するための音声を出力する。
【0046】
制御部170は、入出力部160からの入力に応じて、入出力部160での表示、例えば発光装置の発光を制御する。制御部170は演算装置171と記憶装置172と外部記憶装置173とを備える。演算装置171は、入出力部160を制御するための様々なデータ処理を行う。演算装置171は、記憶装置172からプログラムを読み出し実行して、入出力部160を制御する。例えば、演算装置171は中央処理装置(CPU;Central Processing Unit)を備える。
【0047】
記憶装置172は、入出力部160を制御するための様々なデータを格納する。例えば、記憶装置172は、入出力部160を制御するためのプログラムを記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0048】
記憶装置172は、例えば、入出力部160を制御するための制御用データ300を格納する。制御用データ300は、図5に示すように、説明要求部120で選択される操作項目310と、言語選択部110で選択される説明言語320とに対して、音声出力部161に出力する音声データと、操作位置指示部140で指示する位置を表す操作位置指示330とを関連付けている。
【0049】
制御用データ300には、説明言語320と操作項目310との組み合わせに対応して音声データが登録されている。例えば、第1言語入力部111a、例えば日本語が選択された状態で、第1操作項目入力部121aが選択されたとする。この場合、演算装置171は、制御用データ300を参照して、操作項目310において第1操作項目入力部121aに対応する「第1項目」と、説明言語320において第1言語入力部111aに対応する「第1言語」とを検索し、「音声データ11」を特定し、「音声データ11」を記憶装置172から読み出す。演算装置171は、読み出した「音声データ11」から音声信号を生成して、生成した音声信号を音声出力部161に出力する。音声出力部161は、音声信号に基づき、「音声データ11」に対応するメッセージを出力する。演算装置171は、第1言語入力部111aが選択された状態で、第2操作項目入力部121bが選択されると、操作項目310において「第2項目」と、説明言語320おいて「第1言語」とを検索し、「音声データ21」を記憶装置172から読み出す。演算装置171は、読み出した「音声データ21」に基づく音声信号を音声出力部161に出力する。演算装置171は、第2言語入力部111bが選択された状態で、第1操作項目入力部121aが選択されると、操作項目310において「第1項目」と、説明言語320おいて「第2言語」とを検索し、「音声データ12」を記憶装置172から読み出す。演算装置171は、読み出した「音声データ12」に基づく音声信号を音声出力部161に出力する。同様に、演算装置171は、言語入力部111への選択と、操作項目入力部121への選択とに応じて、音声データを読み出し、読み出した音声データに基づく音声信号を音声出力部161に出力する。
【0050】
制御用データ300には、説明言語320に対応して、操作位置指示330が登録されている。例えば、第1操作項目入力部121aが選択されたとする。演算装置171は、制御用データ300を参照して、操作項目310において第1操作項目入力部121aに対応する「第1項目」に基づき、操作位置指示330から発光すべき操作位置を特定する。具体的には、制御用データ300には、操作項目310の「第1項目」に対応して、「カード挿入位置」に「発光」が記録されている。演算装置171は、制御用データ300において「カード挿入位置」に対応するカード挿入位置指示部141を発光するための表示信号を生成して、カード挿入位置指示部141に送信する。カード挿入位置指示部141は、生成された表示信号に基づき、発光し、利用者に操作位置を指示する。なお、ここでは、演算装置171が音声出力部161に出力する音声信号と、操作位置指示部140に出力する表示信号とを区別しないときに、出力信号と呼ぶ場合がある。
【0051】
外部記憶装置173は、取り外し可能に設けられ、プログラムの設定データ、プログラムのログなどを格納する。外部記憶装置173は、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ、フラッシュメモリカードなどである。
【0052】
また、制御部170は、図4に示す聴覚障害者支援部150を制御する。制御部170は、支援入力部151への入力を検知し、支援入力部151が押されたことを表す呼出信号を生成し、生成した呼出信号を操作装置32の通信装置210に通信装置180を介して送信する。操作装置32の通信装置210は、呼出信号に応じて、呼出ブザー211に信号を出力する。呼出ブザー211は、通信装置210が出力した信号に応じて、管理員に支援入力部151が押されたことを表す呼出音を出力する。管理員が応答ボタン212を押すことで、通信装置210は、応答ボタン212が押されたことを表す応答信号を生成し、説明装置31の通信装置180を介して制御部170に応答信号を送信する。制御部170は、応答信号に応じて、応答表示部152を制御して、応答表示部152を点灯または点滅する。
【0053】
説明装置31が料金精算機21の操作方法を説明する動作を説明する。演算装置171は、説明要求部120で選択された操作項目を、言語選択部110で選択されている言語で説明するように操作位置指示部140と音声出力部161とを制御する。また、音声出力部161が操作項目を説明するメッセージを出力しているときに、言語入力部111が選択されると、演算装置171は、選択されている操作項目を新たに選択された言語で、初めからメッセージを出力するように音声出力部161を制御する。このように動作することで、利用者は、聞きたい言語と異なる言語でメッセージが出力されたとき、すぐに聞きたい言語でメッセージを聞くことができる。
【0054】
また、演算装置171は、音声出力部161がメッセージを出力しているときに、説明要求部120の操作項目入力部121が選択されると、新しく選択された操作項目のメッセージを初めから出力するように音声出力部161を制御する。このように動作することで、利用者は、説明装置31が操作項目に対応するメッセージを出力しているときに、他の聞きたい操作項目に対応するメッセージを聞くことができる。
【0055】
ただし、演算装置171は、音声出力部161がメッセージを出力し始めてから所定の期間経過するまで、操作項目入力部121が選択されても、音声出力部161が出力しているメッセージを変更せずに、元のメッセージを出力し続けるように制御する。このように動作することで、利用者が、間違って複数回、操作項目入力部121を押した場合でも、メッセージの出力を途中で停止して初めからメッセージを出力することを抑制する。
【0056】
演算装置171は、詳細には、図6A~6Cに示す処理を行う。演算装置171は、電源が入れられると、ステップS105において、起動処理を行う。起動処理では、説明装置31の動作を設定する様々なパラメータを設定する。例えば、このパラメータは、操作位置指示部140が操作位置を表す方法、例えば発光装置を点灯するのか、点滅するのかを表す指示を含んでもよい。また、パラメータには、初期言語、例えば起動時に選択される説明言語が含まれてもよい。パラメータには、制御用データ300、例えば説明要求部120の操作項目入力部121と音声データと操作位置指示部140の操作位置との対応関係が含まれてもよい。さらに、音声データが含まれてもよい。
【0057】
起動処理において、図7A、7Bに示すように、演算装置171は、予め設定された優先順位に応じて設定データを読み出し、読み出した設定データに基づきパラメータを設定してもよい。演算装置171は、ステップS410において、外部記憶装置173に設定データが格納されているかを判定する。外部記憶装置173に設定データが格納されていないとき、または、外部記憶装置173が接続されていないとき、演算装置171は図7Bに示すステップS440を実行する。外部記憶装置173に設定データが格納されているとき、演算装置171は図7Aに示すステップS415を実行する。
【0058】
ステップS415において、演算装置171は設定データを外部記憶装置173から読み出す。続いて、ステップS420において、演算装置171は読み出した設定データが正常であるかを判定する。設定データが正常でないとき、演算装置171は図7Bに示すステップS460を実行する。設定データが正常であるとき、演算装置171は図7Aに示すステップS425を実行し、読み出した設定データに基づき、プログラムの設定を初期化する。
【0059】
演算装置171は、外部記憶装置173の設定データで初期化した後、ステップS430において、設定データを記憶装置172にコピーするかを決定する。例えば、設定データに、外部記憶装置173の設定データを記憶装置172にコピーするかの指示が表されている。演算装置171は、設定データを読み出すことで、外部記憶装置173の設定データを記憶装置172にコピーするか決定する。演算装置171は、設定データを記憶装置172にコピーすると決定すると、ステップS435において、設定データを外部記憶装置173から記憶装置172にコピーして起動処理を終了する。演算装置171は、設定データを記憶装置172にコピーしないと決定すると、起動処理を終了する。
【0060】
演算装置171は、ステップS410において外部記憶装置173に設定データが格納されていないと判定すると、図7Bに示すステップS440において、記憶装置172に設定データが格納されているかを判定する。演算装置171は、記憶装置172に設定データが格納されていないと判定すると、ステップS460を実行する。記憶装置172に設定データが格納されていると判定すると、ステップS445を実行する。
【0061】
ステップS445において、演算装置171は設定データを記憶装置172から読み出す。続いて、ステップS450において、演算装置171は読み出した設定データが正常であるかを判定する。設定データが正常でないとき、演算装置171はステップS460を実行する。設定データが正常であるとき、演算装置171は、ステップS455を実行し、読み出した設定データに基づき、プログラムの設定を初期化して、起動処理を終了する。
【0062】
演算装置171は、外部記憶装置173と記憶装置172とから設定データを正常に読み出せないとき、ステップS460において、プログラムに書き込まれた設定データを用いて初期化を行う。演算装置171は、初期化が完了すると、起動処理を終了する。
【0063】
演算装置171は、起動処理を終了すると、図6Aに示すステップS110において、無操作状態が所定の時間以上続いたかを判定する。例えば、演算装置171は、操作されることなく所定の時間以上経過したかを判定する。演算装置171は、料金精算機21の説明、例えば音声出力が終了してから、操作されることなく所定の時間以上経過したかを判定してもよい。演算装置171は、無操作状態が所定の時間継続していないと判定すると、ステップS120を実行する。演算装置171は、無操作状態が所定の時間以上継続したと判定すると、ステップS115を実行する。
【0064】
ステップS115において、演算装置171は、説明言語を初期化して、起動時に選択される初期言語を説明言語として設定する。演算装置171は、初期言語に基づき、言語入力部111の発光装置111-2を発光させる信号を生成する。例えば、初期言語が第1言語(例えば日本語)の場合、第1言語に対応する第1発光装置111a-2を発光させる信号が生成される。初期言語は、起動処理において設定されてもよく、予め決められていてもよい。説明言語は、現在、選択されている言語を表す。これにより、演算装置171は、前の人が選択した説明言語によらず、説明装置31の使用を開始するときの言語を、初期設定である最も使用される言語に設定することができる。
【0065】
ステップS120において、演算装置171は、言語が入力されているかを判定する。具体的には、演算装置171は、言語入力部111が入力されているかを判定する。言語入力部111が入力されているとき、演算装置171はステップS130を実行する。言語入力部111が入力されていないとき、演算装置171はステップS140を実行する。
【0066】
ステップS130において、演算装置171は、説明言語を言語入力部111に入力された言語に変更する。また、演算装置171は、現在発光している発光装置111-2への信号出力を停止し、入力された言語に対応する発光装置111-2を発光させる信号を生成する。例えば、第2言語入力部111b(例えば英語)が選択されたとき、演算装置171は、説明言語を第2言語入力部111bに対応する第2言語に変更し、第2発光装置111b-2を発光させる信号を生成する。
【0067】
ステップS140において、演算装置171は、操作項目が選択されたか、具体的には操作項目入力部121が選択されたかを判定する。演算装置171は、操作項目入力部121が選択されていないとき、ステップS110の処理に戻る。演算装置171は、操作項目入力部121が選択されたとき、選択された操作項目を記憶して、ステップS150を実行する。
【0068】
ステップS150において、演算装置171は、説明言語と選択された操作項目とに応じた音声信号を音声出力部161に出力し始める。これにより、音声出力部161はメッセージの出力を開始する。具体的には、演算装置171は、制御用データ300を参照して、説明言語と選択された操作項目とに基づき、音声データを記憶装置172から読み出す。演算装置171は、読み出した音声データに応じて、音声信号を生成して音声出力部161への送信を開始する。また、演算装置171は、音声信号の出力を開始した開始時刻を記憶する。
【0069】
さらに、演算装置171は、操作項目に応じて、操作位置指示部140に操作位置を表す信号を生成する。具体的には、演算装置171は、制御用データ300を参照して、操作項目に基づき、操作位置指示330に表された操作位置を検出する。演算装置171は、操作位置指示部140を制御して、検出した操作位置を表すように操作位置指示部140の発光装置を発光する。例えば、第1操作項目入力部121aが選択されると、演算装置171は操作項目310の「第1項目」に対応するカード挿入位置指示部141を発光する。これにより、利用者は、料金精算機21の操作位置を容易に把握するこができる。演算装置171は、ステップS150の次に、図6Bに示すステップS210を実行する。
【0070】
図6Bに示すステップS210において、演算装置171は、新たな言語が入力されているか、具体的には、現在の説明言語と異なる言語入力部111が入力されているかを判定する。現在の説明言語と異なる言語入力部111が入力されているとき、演算装置171はステップS220を実行する。現在の説明言語と異なる言語入力部111が入力されていないとき、演算装置171はステップS250を実行する。
【0071】
ステップS220において、演算装置171は、音声出力部161への音声信号の出力を停止する。これにより、音声出力部161はメッセージの出力を停止する。
【0072】
ステップS230において、演算装置171は、説明言語を言語入力部111に入力された言語に変更する。ステップS230では、演算装置171はステップS130と同様の処理を行う。
【0073】
ステップS240において、演算装置171は、変更された説明言語と選択されている操作項目とに応じた音声信号を音声出力部161に出力し始める。これにより、音声出力部161は選択された言語に変更されたメッセージの出力を開始する。具体的には、演算装置171は、ステップS150と同様の処理を行う。このとき、演算装置171は開始時刻を更新する。
【0074】
ステップS250において、演算装置171は、メッセージの出力を開始してから所定の時間経過したかを判定する。具体的には、演算装置171は、音声信号の出力を開始した開始時刻と現在時刻とを比較して、開始時刻から所定の期間が経過したかを判定する。開始時刻から所定の時間が経過していないとき、演算装置171はステップS210の処理に戻る。開始時刻から所定の時間が経過しているとき、演算装置171は図6Cに示すステップS310を実行する。なお、この所定の時間は、予め設定された時間である。
【0075】
図6Cに示すステップS310において、演算装置171は、メッセージの出力が終了したかを判定する。具体的には、演算装置171は、読み出した音声データに対応する音声信号をすべて出力したかを判定する。音声信号をすべて出力したとき、演算装置171は、操作位置指示部140の発光装置を消灯して、図6Aに示すステップS110を実行する。音声信号をすべて出力していないとき、演算装置171は、ステップS320を実行する。
【0076】
ステップS320において、演算装置171は、新たな言語が入力されているか、具体的には、現在選択されている説明言語と異なる言語入力部111が入力されているかを判定する。現在選択されている説明言語と異なる言語入力部111が入力されているとき、演算装置171はステップS330を実行する。現在選択されている説明言語と異なる言語入力部111が入力されていないとき、演算装置171はステップS360を実行する。
【0077】
ステップS330において、演算装置171は、音声出力部161への音声信号の出力を停止する。これにより、音声出力部161はメッセージの出力を停止する。
【0078】
ステップS340において、演算装置171は、説明言語を言語入力部111に入力された言語に変更する。ステップS340では、演算装置171はステップS130と同様の処理を行う。
【0079】
ステップS350において、演算装置171は、変更された説明言語と選択されている操作項目とに応じた音声信号を音声出力部161に出力し始める。これにより、音声出力部161は選択された言語に変更されたメッセージの出力を開始する。具体的には、演算装置171は、ステップS150と同様の処理を行う。このとき、演算装置171は開始時刻を更新する。演算装置171は、ステップS350の次に、図6Bに示すステップS210を実行する。
【0080】
ステップS360は、ステップS320において新たな言語が入力されていないときに実行される。ステップS360において、演算装置171は、操作項目が選択されたか、具体的には操作項目入力部121が選択されたかを判定する。演算装置171は、操作項目入力部121が選択されていないとき、ステップS310の処理に戻る。演算装置171は、操作項目入力部121が選択されたとき、ステップS370を実行する。
【0081】
ステップS370において、演算装置171は、音声出力部161への音声信号の出力を停止する。これにより、音声出力部161はメッセージの出力を停止する。また、演算装置171は操作位置指示部140の発光装置を消灯する。その後、演算装置171はステップS350を実行して、新たに選択された操作項目に応じたメッセージの出力を開始するように音声出力部161を制御するとともに、操作位置指示部140の発光装置を発光する。
【0082】
演算装置171は、以上のように動作することで、操作位置指示部140と音声出力部161とを制御する。
【0083】
演算装置171は、メッセージの出力を開始する図6AのステップS150と、図6BのステップS240と、図6CのステップS350において、操作ログを外部記憶装置173に格納してもよい。操作ログは、メッセージを出力するときの日時と、説明言語と、操作項目とを含む。演算装置171は、外部記憶装置173の予め設定された領域、例えばフォルダ(ディレクトリとも呼ぶ)に操作ログを格納する。例えば、外部記憶装置173にフォルダが存在しないとき、演算装置171はこのフォルダを作成して操作ログを格納してもよい。外部記憶装置173が接続されていないとき、または、外部記憶装置173に格納する記憶領域がないとき、演算装置171は、操作ログを格納せずに処理を進めてもよく、操作ログを記憶装置172に格納してもよい。演算装置171が操作ログを格納することで、頻繁に使用される言語と操作項目とを確認することができる。これにより、利用者の利用状況に応じて説明項目を変更することで、利用者がより知りたい操作方法を説明することができる。
【0084】
(実施の形態2)
操作装置32は、図8に示すように、説明装置31の操作位置指示部140を制御する管理員操作装置240を付加的に備えてもよい。本実施の形態による操作説明システム30は、実施の形態1で説明した機能、構成を同様に有する。また、その他の料金精算機21、発進制御機22などの構成は実施の形態1と同様である。
【0085】
管理員操作装置240は、説明装置31の操作位置指示部140で操作位置を指示する指示位置に対応した操作部を備える。例えば、管理員操作装置240は、操作部として、カード挿入位置指示部141に対応するカード挿入説明部241と、硬貨挿入位置指示部142に対応する硬貨挿入説明部242と、紙幣挿入位置指示部143に対応する紙幣挿入説明部243と、おつり返却位置指示部144に対応するおつり返却説明部244と、領収書出力位置指示部145に対応する領収書出力説明部245とを備える。各操作部は、例えばボタンで構成されている。
【0086】
各操作部は、管理員が操作することで、対応する操作位置指示部140の指示位置を発光させ強調表示する。例えば、カード挿入説明部241が押されると、説明装置31のカード挿入位置指示部141が発光する。硬貨挿入説明部242が押されると、説明装置31の硬貨挿入位置指示部142が発光する。紙幣挿入説明部243が押されると、紙幣挿入位置指示部143が発光する。
【0087】
各操作部は、図9に示すように、操作装置32の通信装置210と、説明装置31の通信装置180とを介して、制御部170と通信可能に接続されている。各操作部は、押されると、各操作部が押されたことを示す表示指示信号を制御部170に出力する。制御部170は表示指示信号に応じて、操作位置指示部140の各部を制御する。
【0088】
これにより、管理員は、料金精算機21を用いて利用者に音声での説明を行うときに、具体的な操作位置を指示することができる。
【0089】
(変形例)
制御部170は、複数の制御装置で実装され、各々の制御装置が制御部170の一部の処理を実行してもよい。例えば、聴覚障害者支援部150を制御する制御装置と、その他の入出力部160を制御する制御装置とが別体として設けられてもよい。
【0090】
演算装置171は、図6AのステップS150などにおいて、音声信号の出力を開始した時刻を記憶する例を示したが、これに限定されず、音声信号の出力を開始してから所定の時間が経過しているかを判定できれば任意の方法を選択することができる。例えば、演算装置171は、音声信号の出力を開始してから演算装置171の制御信号であるクロック数を数えることで、所定の期間が経過しているかを判定してもよい。
【0091】
説明装置31は、操作項目に対応するメッセージを出力しているときに、言語入力部111が選択されると、新たに選択された言語で初めからメッセージを出力する例を示したが、これに限定されない。説明装置31は、操作項目に対応するメッセージを出力しているときに、言語入力部111が選択されても、選択された言語でメッセージを出力せずに、元の言語でメッセージを出力し続けてもよい。この場合、演算装置171は、図6Bに示すステップS210からステップS240と、図6Cに示すステップS320からステップS370までの処理を省略し、図6Bに示すステップS250の処理をメッセージが出力されている間、繰り返す。
【0092】
説明装置31は、操作項目に対応するメッセージの出力を開始してから所定の期間内に操作項目入力部121が選択されても、新たに選択された操作項目に応じたメッセージを出力しない例を示したが、これに限定されない。説明装置31は、メッセージの出力を開始してから経過した時間にかかわらず、新たに選択された操作項目に応じたメッセージを出力してもよい。この場合、演算装置171は、図6Bに示すステップS210からステップS250の処理を省略する。
【0093】
また、説明装置31は、メッセージの出力を開始してから所定の時間経過するまで、操作項目入力部121と言語入力部111のいずれか一方が選択されても、新たに選択された操作項目または説明言語に応じたメッセージを出力しなくともよい。この場合、演算装置171は、図6Bに示すステップS210からステップS240の処理を省略する。
【0094】
操作位置指示部140は、操作パネルの操作位置に対応する位置に発光装置を備える例を示したが、これに限定されず、料金精算機21の操作パネルの操作位置を指示できれば任意の構成を選択することができる。例えば、操作位置指示部140が液晶パネルなどの表示装置を備え、演算装置171は、表示装置に料金精算機21の操作パネルを表示し、説明する操作に応じた操作位置を強調表示するように制御してもよい。また、操作位置指示部140は、料金精算機21の操作パネルに張り付ける発光装置で構成されてもよい。操作位置指示部140は、料金精算機21の操作パネルに組み込まれてもよい。また、演算装置171は、言語入力部111に入力された説明言語に基づき、操作パネルを説明言語で表した画像を表示装置に表示してもよい。
【0095】
言語入力部111と、操作項目入力部121とは、ボタンで構成される例を示したが、これに限定されず、説明言語と操作項目とを入力できれば、任意の構成を選択することができる。例えば、言語入力部111と、操作項目入力部121とはタッチパネルで構成されてもよく、文字を入力する入力装置で構成されてもよい。また、言語入力部111と、操作項目入力部121とは、タッチパネルで構成され、操作位置指示部140と、言語表示部112とを統合してもよい。
【0096】
制御用データ300は、操作位置指示330に各部を強調表示するタイミングを備えてもよい。例えば、制御用データ300が音声信号の出力を開始してから各部を強調表示するまでの表示開始時間を備え、演算装置171は、音声信号の出力を開始してから表示開始時間を経過したときに、各部を強調表示するように操作位置指示部140を制御してもよい。
【0097】
操作位置指示部140は、前述の実施の形態で説明した料金精算機21の操作に限らず、任意の操作に対応する操作位置に位置指示部を備えてもよい。例えば、操作位置指示部140は、操作レバー48に対応する操作レバー位置指示部を備えてもよい。また、操作位置指示部140は、操作位置に限定されず、操作を行うために使用される装置、例えばカメラなどの位置を指示する位置指示部を備えてもよい。操作位置指示部140は、例えば、撮像部49に対応する撮像位置指示部を備えてもよい。
【0098】
選択されている言語を表す発光装置が言語入力部111に設けられている例を示したが、これに限定されず、選択されている言語を表す任意の方法を選択することができる。例えば、言語表示部112に発光装置が設けられ、選択されている言語に対応する発光装置が発光してもよい。
【0099】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、機能を阻害しない範囲で変更してもよい。また、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。
【0100】
操作説明システム30は一部の機能を省略してもよく、例えば、聴覚障害者を支援する装置を別途設置することで、操作説明システム30から聴覚障害者を支援する機能を省略してもよい。また、説明装置31は、操作項目に対応する操作説明として音声と表示とで出力する例を示したが、これに限定されず、音声と表示とのいずれか一方を操作説明として出力してもよい。また、外部記憶装置173を省略してもよい。
【符号の説明】
【0101】
10 :走行レーン
20 :アイランド
21 :料金精算機
22 :発進制御機
30 :操作説明システム
31 :説明装置
32 :操作装置
41 :カード挿入部
42 :硬貨挿入部
43 :紙幣挿入部
44 :おつり返却部
45 :領収書出力部
46 :呼出部
47 :証明書収納部
48 :操作レバー
49 :撮像部
110 :言語選択部
111 :言語入力部
112 :言語表示部
120 :説明要求部
121 :操作項目入力部
140 :操作位置指示部
141 :カード挿入位置指示部
142 :硬貨挿入位置指示部
143 :紙幣挿入位置指示部
144 :おつり返却位置指示部
145 :領収書出力位置指示部
146 :呼出位置指示部
150 :聴覚障害者支援部
151 :支援入力部
152 :応答表示部
160 :入出力部
161 :音声出力部
170 :制御部
171 :演算装置
172 :記憶装置
173 :外部記憶装置
180 :通信装置
210 :通信装置
211 :呼出ブザー
212 :応答ボタン
240 :管理員操作装置
241 :カード挿入説明部
242 :硬貨挿入説明部
243 :紙幣挿入説明部
244 :おつり返却説明部
245 :領収書出力説明部
300 :制御用データ
310 :操作項目
320 :説明言語
330 :操作位置指示
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-08-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
料金精算機において操作を行う操作パネルを表す操作位置指示部を含み、前記料金精算機に通行料を支払う操作の操作項目が入力され、操作を説明するための説明言語が選択される入出力部と、
前記操作項目に応じた操作説明を前記説明言語で表す出力信号を生成する制御部と、
理員操作装置と、
を備え
前記入出力部は、前記出力信号に応じて、前記操作説明を出力し、
前記操作位置指示部は、前記出力信号に応じて、前記料金精算機の前記操作パネルの操作位置を指示し、
前記管理員操作装置は、前記操作位置指示部が指示する操作位置を制御する
金精算機の操作説明システム。
【請求項2】
前記入出力部は、前記操作項目に応じた前記操作説明を表す音声を出力し、
前記出力信号は、前記操作説明を前記説明言語で説明する音声を表す音声信号を含み、
前記制御部は、
前記音声信号を前記入出力部に出力しているときに前記入出力部に前記説明言語が選択されたとき、前記操作説明を新たに選択された前記説明言語で説明する音声を表す前記音声信号を出力する
請求項1に記載の料金精算機の操作説明システム。
【請求項3】
前記入出力部は、前記操作項目に応じた前記操作説明を表す音声を出力し、
前記出力信号は、前記操作説明を前記説明言語で説明する音声を表す音声信号を含み、
前記制御部は、
前記音声信号を前記入出力部に出力しているときに前記入出力部に前記操作項目が入力されたとき、前記説明言語で新たに入力された前記操作項目を説明する音声を表す前記音声信号を出力する
請求項1または2に記載の料金精算機の操作説明システム。
【請求項4】
前記入出力部は、前記操作項目に応じた前記操作説明を表す音声を出力し、
前記出力信号は、前記操作説明を前記説明言語で説明する音声を表す音声信号を含み、
前記制御部は、
前記音声信号の出力を開始してから所定の期間が経過する前で、前記音声信号を前記入出力部に出力しているときに前記入出力部に前記操作項目が入力されたとき、元の前記操作項目に応じた前記音声信号を出力し続け、
前記音声信号の出力を開始してから前記所定の期間が経過した後で、前記音声信号を前記入出力部に出力しているときに前記入出力部に前記操作項目が入力されたとき、前記説明言語で新たに入力された前記操作項目を説明する音声を表す前記音声信号を出力する
請求項1または2に記載の料金精算機の操作説明システム。