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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150796
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】搬送システム用構造体
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/14 20060101AFI20220929BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
B65G1/14 E
B65G1/04 555
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021053567
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】渡澤 修司
(72)【発明者】
【氏名】飯野 大
(72)【発明者】
【氏名】田尻 和行
(72)【発明者】
【氏名】平山 亮
(72)【発明者】
【氏名】星 俊臣
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022FF01
3F022FF03
3F022FF04
3F022JJ11
3F022KK16
3F022LL07
3F022MM01
3F022MM03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】建物コストを抑えた平屋構造の建物を使用した、フロア面積がもともと狭い中~小規模の物流センターにおいて、無人搬送車を使用しながら、少ない要員でセンターを稼働させる。
【解決手段】床から天井までの空間の一部を利用して、搬送ラインと、自動倉庫及び/または無人搬送車とを運用するために、上下階層を設ける物流センターにおいて、下層部に固定された柱部と、前記柱部の上方に設けられた上層部の床部を固定する梁部と、が設けられた少なくとも一つの柱構造物を備え、前記構造物によって前記下層部の床部と前記上層部の床部との間で形成された空間は、無人搬送車による運搬が可能な高さを有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床から天井までの空間の一部を利用して、搬送ラインと、自動倉庫及び/または無人搬送車とを運用するために、上下階層を設ける物流センターにおいて、
下層部の床部に固定された柱部と、前記柱部の上方に設けられ上層部の床部を固定する梁部と、が設けられた少なくとも一つの柱構造物を備え、
前記柱構造物によって前記下層部の床部と前記上層部の床部との間で形成された空間は、無人搬送車による搬送が可能な高さを有することを特徴とする搬送システム用構造体。
【請求項2】
前記梁部は、単数および/または複数の梁を有することを特徴とする請求項1に記載の搬送システム用構造体。
【請求項3】
前記柱構造物は、1つ以上の前記無人搬送車の充電ステーションおよび/または前記無人搬送車の待機スペースを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の搬送システム用構造体。
【請求項4】
前記柱構造物は、前記柱部の前記下層部側端部に、前記下層部の床部へ固定するための穴部を有したプレートが設けられ、前記プレートの前記穴部により前記下層部の床部に締結固定されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の搬送システム用構造体。
【請求項5】
前記プレートが、前記下層部の床部と略同一面となるように設置されたことを特徴とする請求項4に記載の搬送システム用構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえば搬送システム用構造体に係り、特に。主に平屋構造の建物における、下層に無人搬送車の走行用スペースを確保しながら、柱構造物による上層にコンベヤラインおよび/または無人搬送車の走行用スペースを設置した搬送システム用構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
日本国内の物流センターで、特にフロア面積が中~小規模のセンターにおいては、昔から、高さ方向の空間を稼いだ平屋建て構造の建屋の中にフロア面積を有効活用するためコンベヤやソータなどの搬送ラインを階層構造で立体的に構築して、被搬送物の移動距離や時間短縮を図り空間使用効率を上げることが知られている。その場合、階下の搬送ラインの両側に多数の柱を立設し、階上の搬送ラインを固定する方法が多く用いられる。
【0003】
一方、近時の日本国内では、Eコマースを中心とする取引急拡大とそれに対応する物流センター業務の急拡大が生じ、これにコロナ禍の影響も加わり、物流業務の重要性は益々高まっているが、業務内容の厳しさから、物流業務各社は要員確保に大変苦労しており、従来の搬送ラインをベースに多数の要員を用いたシステムから、Automatic Guided Vehicle(AGV)やAutonomous Mobile Robot(AMR)のような無人搬送車とGoods to Person(GTP)ステーションでのピックアップをベースとする小人数の要員でも稼働できるシステムに移行する方向で準備が進められている。
【0004】
特許文献1には、下層床部と上層床部とにそれぞれコンベヤを設置するピッキング設備が提案されているが、建物の構造として、建設当初から階層を備え、下層床部と上層床部とが建屋に支持されることを前提にされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-172378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような状況で、建物コストを抑えた造りの平屋構造の建物を使用した、フロア面積がもともと狭い中~小規模の物流センターにおいても、少ない要員でセンターを稼働させる必要がある。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決することを企図したもので、建物コストを抑えた平屋構造の建物を使用した、フロア面積がもともと狭い中~小規模の物流センターにおいて、無人搬送車を使用しながら、少ない要員でセンターを稼働させることを可能とする搬送システム用構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に対して、本発明者は、下層階の床上を無人搬送車の自走できるフロアスペースを可能な限り確保しながら、無人搬送車とGTPステーションを用いた高~中頻度品のピックアップを行うシステムとし、上層階は、床部を建設時の建物構造から独立させて設置可能とし、操業開始後の拡張が必要な時などにも、階層の追加を低コストで行える柱構造物により固定された上層階の搬送ラインを発案した。
【0009】
上層階上では中~小頻度品を取り扱うための棚とデジタルピッキングシステムと搬送ラインとを組み合わせたシステムとする方法を考えた。これを実現するためには、上層階の搬送ラインを固定する柱の下層階の設置面積を極力最小とし、階下で作業をする無人搬送車を自由に動き回れるように空間を確保する必要がある。
【0010】
したがって、上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る搬送システム用構造体は、床から天井までの空間の一部を利用して、搬送ラインと、自動倉庫及び/または無人搬送車とを運用するために、上下階層を設ける物流センターにおいて、下層部の床部に固定された柱部と、前記柱部の上方に設けられ上層部の床部を固定する梁部と、が設けられた少なくとも一つの柱構造物を備え、前記柱構造物によって前記下層部の床部と前記上層部の床部との間で形成された空間は、無人搬送車による搬送が可能な高さを有することを特徴とする。
【0011】
平屋構造の建物内に搬送ラインを上下階層に設けることを特徴としてもよい。
【0012】
階層構造を備えた建物の、フロア高さが確保可能なフロアに搬送ラインを上下階層に設けることを特徴としてもよい。
【0013】
第2の態様として、第1の態様において、前記梁部は、単数および/または複数の梁を有するとしてもよい。
【0014】
前記梁部は、片持ち、両持ち、T字状、X字状に単数および/または複数の梁を設けることを特徴としてもよい。
【0015】
第3の態様として、第1の態様または第2の態様において、前記柱構造物は、1つ以上の無人搬送車の充電ステーションおよび/または無人搬送車の待機スペースを有するとしてもよい。
【0016】
第4の態様として、第1の態様から第3の態様のいずれかの態様において、前記柱構造物は、前記柱部の前記下層部側端部に、前記下層部の床部へ固定するための穴部を有したプレートが設けられ、前記プレートの前記穴部により前記下層部の床部に締結固定されるとしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の各態様によれば、上層階に片持や両持やT字やX字などの梁部を有する一本形状のH鋼などの支柱で支えられた軽量床の上に、搬送ラインを設置する構造とし、下層階は、柱の設置スペースを極力最小にしながら、無人搬送車による搬送システムとして十分活用できるフロアスペースを確保する。さらに、当該柱の一部を無人搬送車の充電ステーションとすることで、無人搬送車への充電と、無人搬送車を搬送ライン内で適宜待機させてGTPステーションに最適なタイミングで目的の商品をピックアップできるようにするためのバッファーシステムとして有効活用することができる。また、下層階は、高頻度品のピッキングシステムを高スループット機能の自動倉庫と無人搬送車で対応し、上層階は、中~低頻度品を高容量収納機能の自動倉庫と無人搬送車で対応する組み合わせにより、無人搬送車を走行させるための空間保持機能としての柱構造物の利用となり、下層階の無人搬送車用のスペース確保として有効利用ができるので大変好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る、物流センターの下層階を示す概略の平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る、物流センターの上層階を示す概略の平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る、物流センターの下層階に上層階を組合せた概略の平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る、物流センターの上層階を示す概略の斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る、物流センターの下層階と上層階を組み合わせた概略の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1の実施形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る、物流センターの下層階を示す概略の平面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る、物流センターの上層階を示す概略の平面図である。図3は、本発明の一実施形態に係る、物流センターの下層階に上層階を組合せた概略の平面図である。図1図2図3に示すように、建屋の両側の壁側に寄って、鉄骨製の片持梁20を備えた支柱10は12か所に、両持梁30を備えた支柱10は9か所に立設され、平屋構造の建物の下層部Gのコンクリート床に柱構造物の支柱10を支える支柱ベースBは、21か所に設置されている。
【0021】
ここで言う上層階とは、コンベヤ、作業場等を部分的に設ける架台(コンベヤ脚に支持された場所)を設置する床部を指す。
【0022】
下層階Gのコンクリート床の支柱ベースBは、大きさが例えば1辺の長さが320~820mmである正方形または長方形で、6か所のアンカーボルトを備えている。(図示しない)
【0023】
厚さ寸法が例えば9~16mmの鉄板製で、平面方向に見た大きさが例えば1辺の長さが300~800mmである正方形または長方形の6か所に穴のあいたプレート50が支柱10の床面側端に溶接またはリベット固定されており、プレート50の穴と支柱ベースBの6か所のアンカーボルトと、ナットにより、支柱10は、平屋構造の建物の下層部Gのコンクリート床に締結固定される。(図示しない)
【0024】
無人搬送車Aの自走できるフロアスペースを可能な限り確保できるように、図1に示すように片持梁20を備えた支柱10は、建屋の壁側にできる限り寄った位置で、コンクリート床に設置されている。
【0025】
本発明の物流センターは、フロアを下層階Gと上層階Uの階層に分けて物流設備は敷設されており、図1に示すように、下層階Gは、複数の棚Tと、無人搬送車Aが走行するスペースと、無人搬送車Aの充電ステーションを備えた待機エリアPと、GTPステーション1が設置されている。
【0026】
待機エリアPは、一部の支柱10の下方には充電ステーションが設けられており、無人搬送車Aの待機充電をするために、電極部が取り付けられている。
なお、無人搬送車Aの待機充電の設備については、電極を用いる接触式の充電方法以外に近時はワイヤレスの非接触式の充電方法も実用化されており、電極部の代わりにワイヤレス用の電力送信部を設けてもよい。
【0027】
GTPステーション1は、ピッキングの頻度が高~中頻度の商品を対象とした作業に使用される。ピッキング対象の商品は、高さ方向に5~6段からなる引き出し付きの樹脂製の棚Tの中に保管される。物流センターの倉庫管理システム Warehouse Management System(WMS)のピッキングすべき情報に基づき、無人搬送車Aや、他のマテハン機器を制御するWarehouse Control System(WCS)の制御指令を受けて、無人搬送車Aは、同時に多数運用される。
【0028】
無人搬送車Aは、ピッキング対象の商品の入っている棚Tの下部に入り込み、棚Tごと持ち上げて、ピッキング対象となっているGTPステーション1に向けて走行し、GTPステーション1で待機している作業者の前で停止する。
また、棚Tは、無人搬送車Aでの搬送中に商品が落下しないよう引き出し式になっている。
【0029】
作業者は、運ばれた棚Tの引き出しから中にある商品を引き出しから、ピッキング対象の商品を取り出してピッキング作業を行い、GTPステーション1で待機しているGTP搬送ラインL1の通い箱Оの中に投入する。上層階Uから縦型コンベヤVより流されてきた商品も、WCSの制御指令を受けて、投入され、通い箱Оは、梱包ラインL2で、梱包され出荷場所(図示せず)に向けて搬送され出荷準備をされる。
【0030】
無人搬送車Aは、ピッキングの完了した棚TをGTPステーション1から、棚Tの保管待機スペースに向けて走行し、所望の場所で棚を床面に下ろして、待機エリアPまで戻り待機状態となる。この作業が繰り返されることになる。
【0031】
図2に示すように、上層階Uは、下層階Gの支柱ベースB上に、片持梁20を備えた支柱10の12か所と、両持梁30を備えた支柱10の9か所とにより支えられ、軽量床100が2枚、軽量床110が2枚、軽量床120が2枚の計6枚を使用して床面は構成され、ピッキングの頻度が中~低頻度の商品を対象とした作業に使用される。
【0032】
3本の搬送ラインL3は、それぞれ、片持梁20を備えた支柱10または、両持梁30を備えた支柱10に固定される。
【0033】
軽量床100、110、120上は、フローラックFR、棚Sおよび作業員の足場として利用される
【0034】
中頻度品は複数の搬送ラインL3と当該列の脇に長手方向に設けられている複数のフローラックFRからなるDPS方式(デジタルピッキングシステム)で構成され、各搬送列の搬送ラインL3は、末端で各搬送列を横方向に連絡できる連絡用搬送ラインL4に連結されている。この連絡用搬送ラインL4は、下層階GのGTPステーションに商品を搬送するため縦型コンベヤV(図示せず)を使用して、適宜階下のGTPステーションに向けて、搬送物を搬送する。作業者は、各搬送列に待機し、WCSの制御指令を受けて、適宜フローラックFRから商品をピッキングし、各搬送列の搬送ラインL3に流されている通い箱Оの中に投入する。通い箱Оは連絡用搬送ラインL4から縦型コンベヤVを経由し、下層階GのGTPステーション1に搬送される。
【0035】
また、上層階Uの残りのスペースは低頻度品の保管スペースとなっており、平棚Sに商品が保管され、作業者は、WCSの制御指令を受けて、適宜カートKで商品をピッキングし、連絡用搬送ラインL4に流されている通い箱Оに投入する。通い箱Оは連絡用搬送ラインL4から縦型コンベヤVを経由し、下層階GのGTPステーション1に搬送される。
【0036】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、下層階Gは無人搬送車Aを用いた高頻度品のピッキングシステムとして運用し、上層階Uは中頻度品と低頻度品を搬送ラインとDPS方式で運用するシステムとしたが、第2の実施形態は、下層階Gは、高頻度品のピッキングシステムを高スループット機能の自動倉庫1000と無人搬送車Aで対応し、上層階Uは、中~低頻度品を高容量収納機能の自動倉庫1100と無人搬送車Aで対応する組み合わせとする場合である。この第2の実施形態の場合、上層階Uの床は、無人搬送車Aの走行部の床として、無人搬送車専用の軽量床200を保持するために片持梁20および/または両持梁30を用いるものとし、中~低頻度品用自動倉庫1100の床は建屋と同じ床構造を利用する。その場合の無人搬送車Aの役割は、上層階Uと下層階Gの2種類の自動倉庫から取り出された商品をGTPステーションまで搬送する搬送機能としての役割を担うことになる。そして、上層階Uの無人搬送車Aを走行させるための空間保持機能としての柱構造物の利用となるので、下層階Gの無人搬送車用Aのスペース確保として有効利用ができるので大変好ましい。
【0037】
図4は、本発明の一実施形態に係る、物流センターの上層階を示す概略の斜視図である。
【0038】
図4に示すように、上層階Uは、下層階Gの支柱ベースB上に、片持梁20を備えた支柱10に固定された軽量床200により構成されている。下層階Gの建物の床に中~低頻度品に対応する高容量収納機能の自動倉庫1100が設置され、自動倉庫1100の上層階取出口は、上層階Uの軽量床200に合接して備えられている。
【0039】
図5は、本発明の一実施形態に係る、物流センターの下層階と上層階を組み合わせた概略の斜視図である。
【0040】
図5に示すように、下層階Gの建物の床に、高頻度品に対応する高スループット機能の自動倉庫1000が設置され、自動倉庫1000の下層階取出口は、下層階Gの建物の床上を走行する無人搬送車Aによる、搬送物の搬送に適した位置に設置されている。
【0041】
中~低頻度品に対応する高容量収納機能の自動倉庫1100の上層階取出口は、上層階Uの軽量床200上を走行する無人搬送車Aによる、搬送物の搬送に適した位置に設置されている。無人搬送車Aは、自動倉庫1100の上層階取出口からGTPステーション(図示せず)への搬送物の搬送を行う。
【0042】
上層階Uの軽量床200を支持するために、適切な位置に配置された支柱10の最低限の本数により、下層階Gの建物の床上を走行する無人搬送車Aは、走行スペースを確保できる。この結果、無人搬送車Aは、自動倉庫1000の下層階GからGTPステーション(図示せず)への搬送物の搬送目的を達成できる。
【0043】
なお、第2の実施形態で、上層階Uの使い方としては軽量床200の上を無人搬送車Aを走らせる方式以外に、第1の実施例のように軽量床と搬送ラインとを組み合わせる方式であってもよい(図示せず)。
【0044】
本発明は、平屋構造の建物の物流センターに限定するものではなく、階層構造の建物の、フロア高さが確保できる下層階Gと上階層Uに搬送ラインと無人搬送車Aの走行スペースを設けてもよい。また、上階層Uに無人搬送車Aの走行スペースを設けてもよく、さらに、無人搬送車Aが下層階Gと上階層Uを移動してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の実施形態によれば、下層階Gは、複数の棚Tと、無人搬送車Aが走行するスペースと、無人搬送車Aの充電ステーションを備えた待機エリアPと、高~中頻度の商品のピッキングを対象にしたGTPステーション1が設置される。梁を備えた支柱10は、下層階Gのコンクリート床の支柱ベースB上に設置され、上層階Uは、梁を備えた支柱10に支えられ、WCSの制御指令を受けて、ピッキングの頻度が中~低頻度の商品は、搬送ラインL3を使用したピッキング作業が、低頻度の商品は、カートKを使用したピッキング作業が行われ、連絡用搬送ラインL4と、縦型コンベヤVとを経由し、下層階GのGTP搬送ラインL1に搬送される。WCSの制御指令を受けて、無人搬送車Aにより棚Tが、GTPステーション1に搬送され、作業者によりピッキングされた商品と、上層階Uからの商品とが梱包ラインL2で梱包されて出荷場所へ搬送される。また、下層階Gは、高頻度品のピッキングシステムを高スループット機能の自動倉庫1000と無人搬送車Aで対応し、上層階Uは、中~低頻度品を高容量収納機能の自動倉庫1100と無人搬送車Aで対応する組み合わせとする。この場合、上層階Uの床は、無人搬送車Aの走行部の床として、無人搬送車専用の軽量床200を保持するために片持梁20を用いるものとし、中~低頻度品用自動倉庫1100の床は建屋と同じ床構造を利用する。その場合の無人搬送車Aの役割は、上層階Uと下層階Gの2種類の自動倉庫から取り出された商品をGTPステーションまで搬送する搬送機能としての役割を担うことになる。そして、上層階Uの無人搬送車Aを走行させるための空間保持機能としての柱構造物の利用となるので、下層階Gの無人搬送車用のスペース確保として有効利用ができる。
【0046】
上記の次第なので、本発明の実施形態は物流産業をはじめ、各種産業にて大いなる利用可能性を有している。
【符号の説明】
【0047】
G…下層階
U…上層階
A…無人搬送車
B…支柱ベース
K…カート
О…通い箱
P…充電ステーション/待機エリア
T…棚
S…平棚
V…縦型コンベヤ
FR…フローラック
L1…GTP搬送ライン
L2…梱包ライン
L3…搬送ライン
L4…連絡用搬送ライン
1…GTPステーション
10…支柱
20…片持梁
30…両持梁
50…プレート
100、110,120、200…軽量床
1000…高頻度品用自動倉庫
1100…中~低頻度品用自動倉庫
図1
図2
図3
図4
図5