(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150863
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】組立・連結式ハンガーフック
(51)【国際特許分類】
A47G 29/00 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
A47G29/00 C
A47G29/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021053653
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】521129831
【氏名又は名称】株式会社大洋金属製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100135437
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 哲三
(72)【発明者】
【氏名】中井 浩一
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100AA02
3K100AA16
3K100AA19
3K100AC02
3K100AD03
3K100AE01
3K100AF13
3K100AG01
3K100AH19
3K100AJ03
(57)【要約】
【課題】連結自在で組立式としてその長さ及びフック部の数を自由に設定できること。
【解決手段】前面中央部に出没自在のフック部20が設けられた複数の本体部10と、この本体部10の端部同士を連結する連結部材9とから成る。本体部10はフック部20を備える本体中央部10cとその両端の本体端部10tとからなる。連結部材9は本体端部10t同士を連結し、これを連結方向に繰り返すことによって所望数の本体部10が連結され、所望長さのハンガーフックが組み立てられる。連結部材9は本体端部10tの前面部を被覆する被覆部9cを有し、この被覆部9cを本体中央部10cの面と同一平面に形成し且つその上下長さを本体中央部10cの上下長さと同一にした。連結部材9を上部連結部材と下部連結部材の2つの構成部材によって形成することもできる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面略中央部に出没自在のフック部が設けられた複数の本体部と、前記本体部の端部同士を連結する連結部材とから成り、
前記本体部はフック部を備える本体中央部とその両端の本体端部とからなり、
前記連結部材は前記本体端部同士を連結し、これを連結方向に繰り返すことによって所望数の本体部が連結され、所望長さのハンガーフックが組み立てられ、
前記連結部材は、連結される前記本体端部の前面部を被覆する被覆部を有し、この被覆部を前記本体中央部の面と同一平面に形成し、且つ、その上下長さを前記本体中央部の上下長さと同一にしたことを特徴とする組立・連結式ハンガーフック。
【請求項2】
前記連結部材が上部連結部材と下部連結部材の2つの部材から形成され、
前記下部連結部材は前記本体端部の下端部同士を連結し、
前記上部連結部材は、連結される前記本体端部の前面部及び前記下部連結部材を被覆する被覆部を有し、
この被覆部が前記本体中央部の面と同一平面に形成し、且つ、その上下長さを前記本体中央部の上下長さと同一にしたことを特徴とする請求項1に記載の組立・連結式ハンガーフック。
【請求項3】
前記連結部材の被覆部の裏面下方部に下向き開口の鉤状の掛止部を設け、この掛止部の下向き枠部が前記本体端部の下方部に設けた凹所の下縁部の上向き枠部の内側に掛合することを特徴とする請求項1に記載の組立・連結式ハンガーフック。
【請求項4】
前記連結部材又は前記上部連結部材の上方部裏面には横断面鉤型の引っ掛け部が形成され、
この引っ掛け部は、前記本体端部の上縁部に嵌め込まれて連結され、
この引っ掛け部の上面と前記連結部材又は前記上部連結部材の被覆部とにより横断面鉤型の溝部が形成され、この溝部に衣服ハンガー等のフック部を引っ掛けることができることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の組立・連結式ハンガーフック。
【請求項5】
複数の前記本体部と複数の前記連結部材とによって、又は、複数の前記本体部、複数の下部連結部材及び複数の上部連結部材とによって連結された適宜長さのハンガーフックの両端部に位置する前記本体端部にカバー部材を付加し、このカバー部材の前面被覆部を前記本体部の前面部と略同一面とし、且つ、前記本体部の上下長さと同一にしたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の組立・連結式ハンガーフック。
【請求項6】
前記本体端部のそれぞれに螺子孔を設け、これらの螺子孔を利用して当該本体部を壁面や横桟に螺子により固定することができることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の組立・連結式ハンガーフック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類ハンガーに衣類を掛けた状態で、或いは衣類を直接引っ掛けるためのフックに係り、取り分け組立可能で且つその長さも長短自在で連結可能な複数のフックを形成することができる組立・連結式ハンガーフックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、各種のハンガーフックが市販されている。
この種のハンガーフックとしては、本体部に1個のフック部を設け、当該本体部を螺子等によって室内の壁面や横桟に固定し、このフック部に衣類ハンガー等を引っ掛けて使用することができるものがある。
【0003】
他方、この種のハンガーフックとしては、上記のような1個のフック部を有するのではなく、横方向に適宜長さを有する帯状の又は板状の横長本体部に一定間隔を置いて複数のフック部を設けたものも存在する。
需要者は、当該複数のフック部を備えるハンガーフックを選ぶ際には、必要な数のフック部を備えるものを選択して購入することになるのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように需要者は、ハンガーフックを購入する際には、所望数のフック部を備えるハンガーフックを選択して購入するのであるが、当該フック部の数を購入後自分で決定しその数を決めることができ、或いは、購入後にその長さをより長く変更できれば、非常に楽しく、より便利なものとなる。
そこで、本発明においては、ハンガーフックを購入者が自身で容易に組み立てられ、しかも、そのフック部の数も自由に選択し決定し、変更できるものを提供することがその第一の課題となる。
【0005】
また、組み立てられるハンガーフックは、その組立構成部品の数も少なくし、組み立てが容易なものであることもその課題となる。
更に、組み立てられたハンガーフックのデザインもスマートなものにするという要請もある。
例えば、固定用の螺子等の頭部が外部から見えない構成とすることもその課題となる。
また、従来のハンガーフックでは、フック部にのみ衣類ハンガー等を引っ掛けることができるが、フック部の間の部分にもこの衣類ハンガー等のフック部を引っ掛けることができれば、非常に便利なものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1のものは、前面略中央部に出没自在のフック部が設けられた複数の本体部と、前記本体部の端部同士を連結する連結部材とから成り、前記本体部はフック部を備える本体中央部とその両端の本体端部とからなり、前記連結部材は前記本体端部同士を連結し、これを連結方向に繰り返すことによって所望数の本体部が連結され、所望長さのハンガーフックが組み立てられ、前記連結部材は、連結される前記本体端部の前面部を被覆する被覆部を有し、この被覆部を前記本体中央部の面と同一平面に形成し、且つ、その上下長さを前記本体中央部の上下長さと同一にしたことを特徴とする組立・連結式ハンガーフックである。
【0007】
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、前記連結部材が上部連結部材と下部連結部材の2つの部材から形成され、前記下部連結部材は前記本体端部の下端部同士を連結し、前記上部連結部材は、連結される前記本体端部の前面部及び前記下部連結部材を被覆する被覆部を有し、この被覆部が前記本体中央部の面と同一平面に形成し、且つ、その上下長さを前記本体中央部の上下長さと同一にしたことを特徴とする請求項1に記載の組立・連結式ハンガーフックである。
【0008】
本発明の第3のものは、上記第1の発明において、前記連結部材の被覆部の裏面下方部に下向き開口の鉤状の掛止部を設け、この掛止部の下向き枠部が前記本体端部の下方部に設けた凹所の下縁部の上向き枠部の内側に掛合することを特徴とする組立・連結式ハンガーフックである。
【0009】
本発明の第4のものは、上記第1乃至第3の発明において、前記連結部材又は前記上部連結部材の上方部裏面には横断面鉤型の引っ掛け部が形成され、この引っ掛け部は、前記本体端部の上縁部に嵌め込まれて連結され、この引っ掛け部の上面と前記連結部材又は前記上部連結部材の被覆部とにより横断面鉤型の溝部が形成され、この溝部に衣服ハンガー等のフック部を引っ掛けることができることを特徴とする組立・連結式ハンガーフックである。
【0010】
本発明の第5のものは、上記何れかの発明において、複数の前記本体部と複数の前記連結部材とによって、又は、複数の前記本体部、複数の下部連結部材及び複数の上部連結部材とによって連結された適宜長さのハンガーフックの両端部に位置する前記本体端部にカバー部材を付加し、このカバー部材の前面被覆部を前記本体部の前面部と略同一面とし、且つ、前記本体部の上下長さと同一にしたことを特徴とする組立・連結式ハンガーフックである。
【0011】
本発明の第6のものにおいては、上記何れかの発明において、前記本体端部のそれぞれに螺子孔を設け、これらの螺子孔を利用して当該本体部を壁面や横桟に螺子により固定することができることを特徴とする組立・連結式ハンガーフックである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1のものにおいては、前面略中央部に出没自在のフック部が設けられた複数の本体部と、前記本体部の端部同士を連結する連結部材とから成り、前記本体部はフック部を備える本体中央部とその両端の本体端部とからなり、前記連結部材は前記本体端部同士を連結し、これを連結方向に繰り返すことによって所望数の本体部が連結され、所望長さのハンガーフックが組み立てられることとなり、使用者がフック部の数を自身で決定して組み立てることができる。
【0013】
また、前記連結部材は、連結される前記本体端部の前面部を被覆する被覆部を有し、この被覆部を前記本体中央部の面と同一平面に形成し、且つ、その上下長さを前記本体中央部の上下長さと同一にしたことにより、その被覆部が前記本体端部をその内側に隠し、本体中央部と前記被覆部が一体的に、即ち、上下同一長さ且つ同一平面に組み立てられたスマートな外観を呈することとなるのである。
ここで、上記同一面というのは、フラットな平面ばかりでなく、前面側に少し膨出した湾曲面であってもよく、両者の面を含む意味である(以下同じである。)。
【0014】
本発明の第2のものにおいては、前記連結部材を上部連結部材と下部連結部材との2つの部材から形成したものであり、下部連結部材は前記本体端部の下端部同士を連結し、前記上部連結部材は、連結される前記本体端部の前面部及び前記下部連結部材を被覆する被覆部を有し、この被覆部が前記本体中央部の面と同一平面に形成し、且つ、その上下長さを前記本体中央部の上下長さと同一にしたことを特徴とし、その効果は上記第1の発明と同じである。
【0015】
本発明の第3のものにおいては、上記第1の発明における連結部材をより限定したものであり、即ち、前記連結部材の被覆部の裏面下方部に下向き開口の鉤状の掛止部を設け、この掛止部の下向き枠部が前記本体端部の下方部に設けた凹所の下縁部の上向き枠部の内側に掛合できるようにしたものである。
これにより、連結部材の下方部と本体端部の下方部との係合構造が限定され、適切に両者が連結されることとなる。
【0016】
本発明の第4のものは、前記連結部材又は前記上部連結部材をより限定したものであり、即ち、前記連結部材又は前記上部連結部材の上方部裏面には横断面鉤型の引っ掛け部が形成され、この引っ掛け部は、前記本体端部の上縁部に嵌め込まれて連結され、この引っ掛け部の上面と前記連結部材又は前記上部連結部材の被覆部とにより横断面鉤型の溝部が形成され、この溝部に衣服ハンガー等のフック部を引っ掛けることができることとなる。
従って、前記連結部材又は前記上部連結部材は、2つの本体部の間に上から下方向に移行させて、引っ掛け部を本体端部の上縁部に嵌合して両者を連結することが出来る。
また、この連結部材又は上部連結部材の上端に設けられた溝部に他の衣類ハンガー等のフック部をも引っ掛けることができ、つまり、本体部のフック部の間の連結部材又は上部連結部材の上縁の溝部の何れの部位にも上記衣類ハンガーのフック部を引っ掛けることも可能となるのである。
【0017】
本発明の第5のものは、複数の前記本体部と複数の前記連結部材とによって、又は、複数の前記本体部、複数の前記下部連結部材及び複数の上部連結部材によって連結された適宜長さのハンガーフックの両端部に位置する前記本体部の端部にカバー部材を付加し、このカバー部材の前面被覆部を前記本体中央部の前面部と略同一面とし、且つ、前記本体部の上下長さと同一にしたことにより、本体部と連結部材又は上部及び下部連結部材によって適宜数の本体部が連結され、両端部に位置する本体端部のそれぞれにカバー部材が付加され、このカバー部材の前面被覆部が本体部の前面部と略同一面とし、且つ、その上下長さも本体部と同一にしたことにより、その全体が一体化され、即ち、本体部、連結部材又は上部連結部材の被覆部及びカバー部材とが全て上下長さが同一、前面が同一面となり、本発明に係るハンガーフックが上下同一長さの横長の一つの帯状又は板状のハンガーフックのスマートな外観を呈するものとなるのである。
【0018】
本発明の第6のものにおいては、前記本体端部のそれぞれに螺子孔を設け、これらの螺子孔を利用して当該本体部を壁面や横桟に螺子により固定することができることを特定したものであり、しかも、この螺子孔は、上記連結部材又は上部連結部材の被覆部によって被覆され、外部から見えない構造となり、スマートな外観を呈することとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の組立・連結式ハンガーフックに係る第1実施形態を図示しており、その(A)が組み立てた状態の正面説明図、その(B)が(A)図の右端部分を分解した状態の斜視説明図である。
【
図2】上記第1実施形態に係る本体部を図示しており、その(A)が斜視説明図、その(B)がフック部を起立させた状態の斜視説明図である。
【
図3】上記第1実施形態に係る本体部を図示しており、その(A)が正面図、その(B)が右側面図、その(C)がフック部を起立させた状態の正面図、その(D)が(C)図のD-D線断面図である。
【
図4】上記第1実施形態に係る連結部材の縦断面図を示している。
【
図5】本発明の組立・連結式ハンガーフックに係る第2実施形態を図示する分解説明図である。
【
図6】
図5に示した第2実施形態において、その一部を連結した状態の説明図である。
【
図7】上記第2実施形態に係る本体部の中央縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面と共に本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の組立・連結式ハンガーフックに係る第1実施形態を図示しており、その(A)が組み立てた状態の正面説明図、その(B)が(A)図の右端部分を分解した状態の斜視説明図である。
この
図1では、3個の本体部10と、これらを連結する2個の連結部材9と、両端部に位置する2個のカバー部材13,13とが図示されている。
この
図1に図示したものは一例であって、連結部材9の連結方向(図中横方向)に連結部材9を更に連結することにより所望の数の本体部10を連結して行くことができる。
【0021】
本体部10は、次図において詳説するが、アルミダイキャスト製で、その本体中央部10cの両側に本体端部10tが設けられ、この本体端部10tは、その上下の長さがその本体中央部10cよりも短く、その前面部も本体中央部10cの前面部よりも少しその前後方向長さが短く、本体中央部10cの前面から後退した状態に形成されている。
【0022】
本体中央部10cの中央部には、フック部20が設けられ、その上端部が前方に回動し、手前に起立するように、出没自在に形成されている。
このフック部20を前方に回動させるには、手の指先をフック部20の上端部に引っ掛けて手前に引き寄せることによって可能である。
【0023】
この本体部10の本体端部10tの上下略中央部には螺子孔10hが設けられ、螺子によって壁面や横桟にこの本体部10を螺着することができる。
【0024】
上記本体部10は、正面視左右対称形の形態を有しており、従って、本体端部10tも左右対称形の形態を有している。
従って、連結部材9は、本体部10の両側の本体端部10t同士を連結することができる。
【0025】
連結部材9は、上記本体端部10tを被覆できる被覆部9cを有しており、この被覆部9cの上方裏面に横断面鉤型で下方開口の引っ掛け部9hが長手方向の全体に渡り形成されており、この引っ掛け部9hを、本体端部10tの上縁部に引っ掛けることができる。
そして、この被覆部9cの両端部が本体端部10tの前面に接合し、被覆することとなる。
従って、上記被覆部9cは、本体端部10tに設けた螺子孔10hを隠すことができる。
また、連結部材9の素材はアルミ製であり、その下方裏面の構造は後の
図4にて詳説する。
【0026】
上記被覆部9cが本体端部10tを被覆すると、この被覆部9cは、本体中央部10cの前面部と同一面となるように形成されている。
また、この被覆部9cの上下の長さは、本体中央部10cの上下の長さと同一としており、連結された状態で上下同一長さで同一面となるように形成されている。
尚、この実施形態では、本体部10と連結部材9の被覆部9cの前面部はその上下方向の中央部が少し盛り上がり、膨出した形状に形成されている。
【0027】
組立手順としては、所望数の本体部10の位置決めをし、本体部10を壁面等に螺着し、次に、連結部材9を両側の本体部10の本体端部10tの間で少し上方に位置させ、そのまま下方に落とし込めば簡単に2個の本体部10の間に連結部材9を連結することができる。
後は、この作業を繰り返すことにより所望の長さのハンガーフックを得ることができる。
【0028】
上記のようにして、所望の個数の本体部10とその間の連結部材9とが組み立てられ、連結された後、最後にその両端部にカバー部材13が取り付けられる。
【0029】
このカバー部材13の形状は、前面被覆部13cの裏面に本体部10の本体端部10tの側方端面と上下の端面及び背面の上方部と下方部を被覆する端部被覆部13tを形成したものから成る。
このカバー部材13は、本体端部10tの両端をカバーするものであり、左端と右端に設けるものは左右対称形を有する。
【0030】
そして、上記前面被覆部13cの上下の長さは本体中央部10cの上下長さと同じに形成し、その前面を本体中央部10cの前面と同じ面に形成することによって、連結された本体部10の両端部にこれらのカバー部材13、13を取り付けた際に、カバー部材13と本体部10と連結部材9の被覆部9cとが上下同一長さで同一面に形成され、一体的なものの如き外観を呈することとなるのである。
【0031】
図2は、上記第1実施形態に係る本体部を図示しており、その(A)が斜視説明図、その(B)がフック部を起立させた状態の斜視説明図である。
図3は、同じく上記第1実施形態に係る本体部を図示しており、その(A)が正面図、その(B)が右側面図、その(C)がフック部を起立させた状態の正面図、その(D)が(C)図のD-D線断面図である。
【0032】
これらの図から上記本体部10の形態が良く見て取れる。
本体部10は、その中央の本体中央部10cとその両側に位置する本体端部10t、10tから成り、本体中央部10cには手前側に回動して起立するフック部20が備わる。
本体端部10tのそれぞれには螺子孔10hが設けられ、当該本体部10を壁や横桟等に螺着できる。
【0033】
図3(D)から良く解る通り、フック部20は本体中央部10cにその基部で軸着され、略90度回動できる。
フック部20の基端端部にはバネ板22が当接し、このバネ板22の付勢力により、このフック部20が起立した状態で、当該フック部20が上方に移動しないよう付勢された状態に形成されている。
【0034】
他方、フック部20が本体中央部10cに没入された状態においても、フック部の下端部背面側に上記板バネ22が当接し、当該フック部20が手前側に起立しないように付勢された状態となっている。
【0035】
また、
図3(B)の右側面図に現れている本体端部10tには連結部材9の端部が連結することとなる。
この本体端部10tの上端部10uに連結部材9の上端部が被さることとなる。
この本体端部10cの下方部分には前面側に凹所10aが設けられ、その凹所10aの下縁部に位置する上向き枠部10eに後に説明する連結部材9の下端裏面に設けられた鉤部が掛止するのである。
【0036】
図4は、上記第1実施形態に係る連結部材の縦断面図を示している。
この図から連結部材9の被覆部9cの裏面側の構造をよく見て取ることができる。
即ち、この連結部材9は、アルミ製で、その上端部分の裏面に断面鉤状の引っ掛け部9uが設けられており、この引っ掛け部9uが、上記した本体部10の本体端部10tの上端部10u(
図3(B))に被さるように冠着される。
【0037】
他方、連結部材9の下端部分には、下向き開口の断面鉤状の掛止部9eが設けられ、本体端部10tの下端部に設けた凹所10aの上向き枠部10e(
図3(B))に掛止される。
被覆部9cの裏面下端部分に設けた枠部9sは、本体端部10tの下端面の少し下方を被覆することとなる。
【0038】
以上の構成を有する連結部材9は、両側に配置固定された本体部の本体端部の間で少し上側に配置されて下方に落とし込むことにより、上記引っ掛け部9uが本体端部10tの上端部10uに冠着され、下方の掛止部9eが本体端部10cの下端の凹所10aの上向き枠部10eの内側に掛止されて両本体部10の本体端部10t、10t間に組み込まれ連結されるのである。
【0039】
図5は、本発明の組立・連結式ハンガーフックに係る第2実施形態を図示する分解説明図である。
この
図1では、3個の本体部10と、これらを連結する2個の下部連結部材11と、2個の上部連結部材12と、両端部に位置する2個のカバー部材13とが図示されている。
【0040】
この
図5に図示したものは一例であって、連結部材の連結方向(図中横方向)に下部及び上部連結部材11、12を更に連結することにより所望の数の本体部10を連結して行くことができる。
【0041】
本体部10は、アルミダイキャスト製で、その本体中央部10cの両側に本体端部10tが設けられ、この本体端部10tは、その上下の長さがその本体中央部10cよりも短く、その前面部も本体中央部10cの前面部よりも少しその前後方向長さが短く、本体中央部10cの前面から後退した状態に形成されている。
【0042】
本体中央部10cの中央部には、フック部20が設けられ、その上端部が前方に回動し、手前に起立するように、出没自在に形成されている。
このフック部20を前方に回動させるには、手の指先をフック部20の上端部に引っ掛けて手前に引き寄せることによって可能である。
【0043】
この本体部10の本体端部10tの上下略中央部には螺子孔10hが設けられ、螺子によって壁面や横桟にこの本体部10を螺着することができる。
【0044】
下部連結部材11は、その横断面が前方開口の略コ字形状から成るアルミ製の枠体から成る。
その下側枠部11sの前後方向長さは、その上側枠部11uよりも長く形成され、本体端部11tの下端面の前後方向長さと同じとしており、その上側枠部11uは、本体端部11tの下方部の後面から前方に設けた溝部10mに嵌合する。
【0045】
上記本体部10は、左右対称形の形態を有しており、従って、本体端部10tも左右対称形の形態を有している。
従って、下部連結部材11は、本体部10の両側で同様に連結することができる。
【0046】
上部連結部材12は、上記本体端部10t及び下部連結部材11を被覆できる被覆部12cを有しており、この被覆部12cの上方裏面に横断面鉤型で下方開口の引っ掛け部12hが長手方向の全体に渡り形成されており、この引っ掛け部12hを、本体端部10tの上端部に引っ掛けることができる。
【0047】
そして、この被覆部12cの両端部12tが本体端部12tの前面に接合し、被覆することとなる。
従って、上記被覆部12cは、本体端部10tに設けた螺子孔10hを隠すことができる。
また、その素材は、上記下部連結部材と同じアルミ製である。
【0048】
上記被覆部12cが本体端部10tに被覆された状態で、この被覆部12cは、本体中央部10cの前面部と同一面となるように形成されている。
また、この被覆部12cの上下の長さは、本体中央部10cの上下の長さと同一としており、連結された状態で上下同じ長さで同じ面となるように形成されている。
【0049】
従って、上記被覆部12cは、本体部10の本体端部10tと下部連結部材を被覆した状態となる。
尚、この実施形態では、この前面部はその上下方向の中央部が少し盛り上がり、膨出した形状に形成されている。
【0050】
組立手順としては、本体部10を壁面等に螺着し、下部連結部材11の上側枠部11uの左端を前記本体端部10tの溝部10mに嵌合して連結し、次に、前記下部連結部材11の上側枠部11uの右端に次の本体部10の本体端部10tの溝部10mに嵌合させた上で壁面に螺着し、その後、上部連結部材12の被覆部12cの両端部12tを前記2個螺着された本体部10の両本体端部10tの間に上から被せるようにして上方の引っ掛け部12hを両本体端部10tの上端部に引っ掛けて組み立てることができる。
【0051】
これによって、2個の本体部10が下部連結部材11と上部連結部材12によって組み立てられ、壁面等に固定されるのである。後は必要に応じて前記作業を繰り返して所望の数の本体部10を連結させて、所望の長さのハンガーフックを形成し固定することができることとなる。
【0052】
上記のようにして、本体部10と下部連結部材11及び上部連結部材12が組み立てられ、連結された後、最後にその両端部にカバー部材13が取り付けられる。
【0053】
このカバー部材13の形状は、前面被覆部13cの裏面に本体部10の本体端部10tの側方端面と上下の端面及び背面の上方部と下方部を被覆する端部被覆部13tを形成したものから成る。
このカバー部材13は、本体端部10tの両端をカバーするものであり、左端と右端に設けるものは左右対称形を有する。
このカバー部材13は、上記第1実施形態のものとほぼ同様である。
【0054】
そして、上記前面被覆部13cの上下の長さは本体中央部10cの上下長さと同じに形成し、その前面を本体中央部10cの前面部と同じ面に形成することにより、連結された本体部10の両端部にこれらのカバー部材13、13を取り付けた際に、カバー部材13と本体部10と上部連結部材12の被覆部12cとが上下同一長さで同一面に形成され、一体的なものの如き外観を呈するように形成されることとなるのである。
【0055】
図6は、
図5に示した実施形態において、その一部を連結した状態の説明図である。
この
図6では、上記
図5に示した2個の本体部が連結された状態を示している。
この図から良く解る通り、上部連結部材12の被覆部12cと本体中央部10cの上下方向長さが同一に、それらの前面部の面が同一面に形成されることが見て取れる。
【0056】
従って、フック部20が本体中央部10cの内部に押し込まれた状態で、被覆部12cと本体中央部10cの面は同一面を形成し、その上下方向長さも同一となる。
つまり、一本の帯状或いは板状の横長のバー部材の外観を呈し、スマートな外観を呈する。
しかも、このハンガーフックは、その横方向に自由にその長さを長短自在に組み立て形成することも可能なものとなるのである。
【0057】
図7は、上記実施形態に係る本体部の中央縦断面図である。
本体部の本体中央部10cの中央部にフック部20が設けられる。
このフック部20は、その基端部20b側で軸着されていて、図中矢印のように略90度回動する。
このフック部20の基端部20bの図中右側には板バネ22が設けられ、フック部20の基端部20bの側を図中左方向に付勢している。
【0058】
従って、フック部材20の上端部20sは、常に本体中央部10cの内部方向に付勢された状態となる。
フック部材20を図中左方向に起立させるためには、指先をフック部材20の上端部20sに引っ掛けて図中左方向に力を加えることによってこのフック部20を外側に起立させることができることとなる。
【0059】
この図からも分かる通り、フック部20の前面部は、本体部10の本体中央部10cの前面と同一面に形成されており、これにより、本体中央部10cと上部連結部材の被覆部と同じ面に形成される。フック部20の上端部20sの上縁も本体中央部10cの上縁と同じ高さに形成されており、組み立てられた本発明に係るハンガーフックは、1本の横長の板状又は帯状のスマートな外観を呈することとなるのである。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においてはその実施形態を種々設計変更することができる。
本体部の縦横のサイズ、連結部材、又は、下部連結部材及び上部連結部材の横方向長さは自由に設定することができる。
【0061】
上記下部連結部材は前方開口の横断面略コ字形状に形成し、下側枠部の前後方向長さを上側枠部の前後方向長さよりも長く形成したが、この下側枠部の前後方向長さは上側枠部の前後方向長さと同一にしてもよい。
【0062】
組み立てられたハンガーフックの両端部にはカバー部材をそれぞれ付加したが、このカバー部材の構造も、前面に前面被覆部を設け、この前面被覆部の上下長さを上部連結部材の被覆部の上下長さと同じであればよく、その裏面に設けた本体部の本体端部に横方向から被せることができる形態であれば、自由に設計変更することができる。
【0063】
最後に、フック部を含む本体部の本体中央部、連結部材又は上部連結部材の被覆部、そして両端部のカバー部材の前面被覆部の前面は同じ面に形成しているが、この面は、平面であってもよく、上記実施形態のようにその上下方向の中央部が前方に膨出した湾曲面で形成されていてもよい。
【0064】
以上、本発明においては、複数のフック部を有するハンガーフックであって、このハンガーフックを組立式とし、且つ、連結自在としてその横方向長さを適宜自由に設定することができ、所望の数のフック部を容易に組み立て、壁や横桟に固定することができ、非常に便利なものを提案することができたものである。
【符号の説明】
【0065】
9 連結部材
9u 引っ掛け部
9e 掛止部
10 本体部
10a 凹所
10c 本体中央部
10e 上向き枠部
10h 螺子孔
10t 本体端部
10m 溝部
11 下部連結部材
11s 下側枠部
11u 上側枠部
12 上部連結部材
12c 被覆部
12h 引っ掛け部
12t 端部(被覆部の)
13 カバー部材
13c 前面被覆部(カバー部材の)
20 フック部
20b 基端部
20s 上端部
22 板バネ