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特開2022-150932システム、携帯端末、通信インターフェース装置、通信制御方法、及びプログラム
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  • 特開-システム、携帯端末、通信インターフェース装置、通信制御方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150932
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】システム、携帯端末、通信インターフェース装置、通信制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/16 20060101AFI20220929BHJP
   H04W 4/00 20180101ALI20220929BHJP
   H04W 12/03 20210101ALI20220929BHJP
   H04W 76/15 20180101ALI20220929BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20220929BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20220929BHJP
   H04N 1/44 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
H04L9/00 643
H04W4/00 110
H04W12/03
H04W76/15
H04W84/10 110
H04W84/12
H04N1/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021053746
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】特許業務法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英生
(72)【発明者】
【氏名】増田 萌乃
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA35
5K067BB21
5K067DD11
5K067DD17
5K067EE04
5K067EE10
5K067EE16
5K067EE25
5K067EE35
5K067EE37
5K067EE56
5K067FF02
5K067HH22
5K067HH36
5K067JJ13
(57)【要約】
【課題】ユーザーの設定の負担を軽くするとともに、セキュリティを向上させること。
【解決手段】携帯端末装置200が、通信インターフェース装置100との赤外線通信接続が確立されるタイミングでSSID・暗号鍵を生成し(S3)、通信インターフェース装置100に通知する(S4)。通信インターフェース装置100では、赤外線通信で通知されたSSID・暗号鍵を無線LAN通信部105の設定情報として記憶部102に記憶する。携帯端末装置200は、生成・通知したSSID・暗号鍵を用い無線LAN通信接続を通信インターフェース装置100に要求する。通信インターフェース装置100では、無線LAN通信接続が継続している間、赤外線通信接続の状態を監視し(S5)、赤外線通信接続が切断された場合、無線LAN通信接続を切断し(S14)、記憶部102からSSID・暗号鍵を消去する(S15)。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信インターフェース装置と携帯端末装置とが、近距離の無線通信である第1通信方式、及び、前記第1通信方式よりも長い距離の無線通信が可能な第2通信方式で通信可能なシステムであって、
前記携帯端末装置は、
前記第1通信方式による前記携帯端末装置と前記通信インターフェース装置との接続が確立されるタイミングで、前記通信インターフェース装置に設定する前記第2通信方式ためのセキュリティに関する設定情報を生成する生成手段と、
前記生成された前記セキュリティに関する設定情報を、前記第1通信方式で前記通信インターフェース装置に通知する通知手段と、
前記通知したセキュリティに関する設定情報を用い前記第2通信方式による接続を前記通信インターフェース装置に要求する第1制御手段と、を有し、
前記通信インターフェース装置は、
前記第1通信方式による接続が確立されたタイミングで、前記第1通信方式により前記携帯端末装置から通知された前記セキュリティに関する設定情報を前記第2通信方式の設定情報として記憶部に記憶させる設定手段と、
前記携帯端末装置から前記第2通信方式による接続要求を受けた場合、該要求で用いられたセキュリティに関する設定情報と前記記憶部に記憶された前記セキュリティに関する設定情報とが一致した場合に前記第2通信方式による接続を許可し、前記第2通信方式による接続が終了した場合に前記記憶部から前記セキュリティに関する設定情報を消去する第2制御手段と、を有し、
前記第1制御手段又は前記第2制御手段は、前記第2通信方式による接続が継続している間、前記第1通信方式による接続の状態を監視し、前記第1通信方式による接続が切断された場合には、前記第2通信方式による接続を切断する、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記生成手段は、前記セキュリティに関する設定情報をランダムに生成する、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2通信方式は、無線LAN通信であり、
前記生成手段は、前記セキュリティに関する設定情報として、前記無線LAN通信におけるSSIDと暗号鍵のペアを生成する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記生成手段は、前記第1通信方式で前記通信インターフェース装置から受け取った前記通信インターフェース装置に固有の情報を用いて前記SSIDを生成し、前記携帯端末装置に固有の情報を用いて前記暗号鍵を生成する、ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2通信方式は、無線LAN通信であり、
前記生成手段が生成し、前記通知手段が通知する前記セキュリティに関する設定情報は、前記無線LAN通信におけるSSIDであり、
前記第1制御手段は、前記通知したSSIDと予め設定されている暗号鍵を用いて前記第2通信方式による接続を要求し、
前記記憶部は、前記携帯端末装置から前記第1通信方式により通知された前記SSIDと予め設定されている暗号鍵を記憶する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項6】
前記生成手段は、前記第1通信方式により前記通信インターフェース装置から受け取った前記通信インターフェース装置に固有の情報を用いて前記SSIDを生成する、ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記生成手段は、前記通信インターフェース装置に固有の情報と時刻に関する情報を用いて前記SSIDを生成する、ことを特徴とする請求項4又は6に記載のシステム。
【請求項8】
前記固有の情報は、MACアドレスであることを特徴とする請求項4、6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1通信方式による接続は、前記携帯端末装置から開始する、ことを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1通信方式による接続は、前記通信インターフェース装置から開始する、ことを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1制御手段は、前記第1通信方式による接続が切断された場合であっても、所定のタイムアウト時間が経過するまでに前記第1通信方式による接続が再開された場合には、前記第2通信方式による接続を継続するように制御する、ことを特徴とする請求項1から10までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記携帯端末装置と前記通信インターフェース装置の少なくともいずれかは、前記第1通信方式による接続が切断された場合に、その旨を報知する報知手段を有する、ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記通信インターフェース装置は、前記第2通信方式のよる通信を外部の装置に中継する、ことを特徴とする請求項1から12までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1通信方式は、赤外線通信又はNFCによる通信である、ことを特徴とする請求項1から13までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
通信インターフェース装置と携帯端末装置とが、近距離の無線通信である第1通信方式、及び、前記第1通信方式よりも長い距離の無線通信が可能な第2通信方式で通信可能なシステムであって、
前記携帯端末装置は、
前記第1通信方式による通信を用いて前記第2通信方式におけるSSIDとパスワードを前記通信インターフェース装置に通知する通知手段と、
前記通知手段により通知した前記SSIDとパスワードを用いる前記第2通信方式による接続要求を、前記通信インターフェース装置に送信する第1制御手段と、を有し、
前記通信インターフェース装置は、
前記第1通信方式による通信を用いて前記携帯端末装置から前記SSIDとパスワードを受信した場合、該SSIDとパスワードで前記第2通信方式による接続要求を待機する第2制御手段を有する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記携帯端末装置は、前記SSIDと前記パスワードをランダムに生成する生成手段を有することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
通信インターフェース装置と、近距離の無線通信である第1通信方式、及び、前記第1通信方式よりも長い距離の無線通信が可能な第2通信方式で通信可能な携帯端末装置であって、
前記第1通信方式による前記携帯端末装置と前記通信インターフェース装置との接続が確立されるタイミングで、前記通信インターフェース装置に設定する前記第2通信方式のためのセキュリティに関する設定情報を生成する生成手段と、
前記生成された前記セキュリティに関する設定情報を、前記第1通信方式で前記通信インターフェース装置に設定させるべく通知する通知手段と、
前記通知したセキュリティに関する設定情報を用い前記第2通信方式による接続を前記通信インターフェース装置に要求する第1制御手段と、を有し、
前記第2通信方式による接続が継続している間、前記第1通信方式による接続の状態が監視され、前記第1通信方式による接続が切断された場合には、前記第2通信方式による接続が切断され、前記通知手段が通知した前記セキュリティに関する設定情報は、前記通信インターフェース装置において設定され、前記第2通信方式による接続が終了した場合に消去される、ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項18】
携帯端末装置と、近距離の無線通信である第1通信方式、及び、前記第1通信方式よりも長い距離の無線通信が可能な第2通信方式で通信可能な通信インターフェース装置であって、
前記第1通信方式による前記携帯端末装置と前記通信インターフェース装置との接続が確立されたタイミングで、前記携帯端末装置で生成されて前記第1通信方式により通知される、前記第2通信方式により前記通信インターフェース装置に接続するために必要となるセキュリティに関する設定情報を前記第2通信方式の設定情報として記憶部に記憶させる設定手段と、
前記携帯端末装置から前記第2通信方式による接続要求を受けた場合、該要求で用いられたセキュリティに関する設定情報と前記記憶部に記憶された前記セキュリティに関する設定情報とが一致した場合に前記第2通信方式による接続を許可し、前記第2通信方式による接続が終了した場合に前記記憶部から前記セキュリティに関する設定情報を消去する第2制御手段と、を有し、
前記第2制御手段は、前記第2通信方式による接続が継続している間、前記第1通信方式による接続の状態を監視し、前記第1通信方式による接続が切断された場合には、前記第2通信方式による接続を切断する、ことを特徴とする通信インターフェース装置。
【請求項19】
通信インターフェース装置と携帯端末装置とが、近距離の無線通信である第1通信方式、及び、前記第1通信方式よりも長い距離の無線通信が可能な第2通信方式で通信可能なシステムにおける通信制御方法であって、
前記携帯端末装置により実行される、
前記第1通信方式による前記携帯端末装置と前記通信インターフェース装置との接続が確立されるタイミングで、前記通信インターフェース装置に設定する前記第2通信方式ためのセキュリティに関する設定情報を生成する生成ステップと、
前記生成された前記セキュリティに関する設定情報を、前記第1通信方式で前記通信インターフェース装置に通知する通知ステップと、
前記通知したセキュリティに関する設定情報を用い前記第2通信方式による接続を前記通信インターフェース装置に要求する第1制御ステップと、
前記通信インターフェース装置により実行される、
前記第1通信方式による接続が確立されたタイミングで、前記第1通信方式により前記携帯端末装置から通知された前記セキュリティに関する設定情報を前記第2通信方式の設定情報として記憶部に記憶させる設定ステップと、
前記携帯端末装置から前記第2通信方式による接続要求を受けた場合、該要求で用いられたセキュリティに関する設定情報と前記記憶部に記憶された前記セキュリティに関する設定情報とが一致した場合に前記第2通信方式による接続を許可する許可ステップと、
前記第2通信方式による接続が終了した場合に前記記憶部から前記セキュリティに関する設定情報を消去する消去ステップと、
前記携帯端末装置又は前記通信インターフェース装置により実行される、
前記第2通信方式による接続が継続している間、前記第1通信方式による接続の状態を監視し、前記第1通信方式による接続が切断された場合には、前記第2通信方式による接続を切断する切断ステップと、を有する、
ことを特徴とする通信制御方法。
【請求項20】
コンピュータを、請求項17又は18に記載の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンディーターミナルなどの携帯端末装置と無線通信を行う通信インターフェース装置との通信制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線LAN、Bluetoothといった無線通信技術が広く普及し、従来からあるIrDA(赤外線通信;Infrared Data Association)を使用した通信は、より高速な無線通信技術に置き換えられている。
一方、電波を使用した無線通信は、従来のIrDAよりも転送距離が長く、通信インターフェース装置が設置された事務所の外であっても外壁を超えて通信が出来てしまい、データの盗聴や改ざんといったセキュリティ面での不安が高まっている。
【0003】
無線LANでは一般的にこういったセキュリティ面での不安に対応するため、WEPやWPAといった認証方法とTKIPやAESといったデータの暗号化によってそのリスクに対処してきた。
【0004】
しかし、このようなセキュリティを設定するには暗号化方法やパスワードを送信側、受信側両方に事前に設定を行う必要があり、業務用端末のように大量に使用される端末一台一台に事前に設定を行うことは、ユーザーの負担が大きかった。
【0005】
設定作業を簡易に行う技術やセキュリティを向上させる技術として、例えば特許文献1、2に示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-108898号公報
【特許文献2】特許第5474135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の方法では、IrDAを使用して無線LANのセキュリティに関する設定は可能であるが、設定は1度のみであり、通信に使用するパスワードはその後同じものを使用しており、パスワードが流出した場合に通信が傍受される可能性があった。
【0008】
特許文献2の方法では、事前に第1の通信プロトコルを利用してショートレンジワイヤレスリンクを使用して認証された端末同士が、第2の通信プロトコルを利用してショートレンジの範囲外にある別のワイヤレスリンクを利用して通信を行うもので、範囲外での通信を目的としたものである。このため、上述のようにデータの盗聴や改ざんといった可能性があった。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。本発明は、ユーザーの設定の負担を軽くするとともに、セキュリティを向上させることができる仕組みを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、通信インターフェース装置と携帯端末装置とが、近距離の無線通信である第1通信方式、及び、前記第1通信方式よりも長い距離の無線通信が可能な第2通信方式で通信可能なシステムであって、前記携帯端末装置は、前記第1通信方式による前記携帯端末装置と前記通信インターフェース装置との接続が確立されるタイミングで、前記通信インターフェース装置に設定する前記第2通信方式ためのセキュリティに関する設定情報を生成する生成手段と、前記生成された前記セキュリティに関する設定情報を、前記第1通信方式で前記通信インターフェース装置に通知する通知手段と、前記通知したセキュリティに関する設定情報を用い前記第2通信方式による接続を前記通信インターフェース装置に要求する第1制御手段と、を有し、前記通信インターフェース装置は、前記第1通信方式による接続が確立されたタイミングで、前記第1通信方式により前記携帯端末装置から通知された前記セキュリティに関する設定情報を前記第2通信方式の設定情報として記憶部に記憶させる設定手段と、前記携帯端末装置から前記第2通信方式による接続要求を受けた場合、該要求で用いられたセキュリティに関する設定情報と前記記憶部に記憶された前記セキュリティに関する設定情報とが一致した場合に前記第2通信方式による接続を許可し、前記第2通信方式による接続が終了した場合に前記記憶部から前記セキュリティに関する設定情報を消去する第2制御手段と、を有し、前記第2制御手段は、前記第2通信方式による接続が継続している間、前記第1通信方式による接続の状態を監視し、前記第1通信方式による接続が切断された場合には、前記第2通信方式による接続を切断する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザーの設定の負担を軽くするとともに、セキュリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態を示す通信インターフェース装置と携帯端末装置を有するシステムの構成の一例を示すブロック図。
図2】本発明の第1実施例における接続および切断動作の一例を示すシーケンス図。
図3】通信インターフェース装置及び携帯端末の外観及び赤外線通信を行う際の装置の位置関係の一例を示す斜視図。
図4】第4実施形態における携帯端末装置の処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す通信インターフェース装置と携帯端末装置を有するシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
通信インターフェース装置100は、携帯端末装置200(300、400)とワイヤレス通信を行う装置である。携帯端末装置200は、通信インターフェース装置100を経由してサーバー等へ接続を行うことができる。
【0015】
携帯端末装置200(300、400)は、具体的にはバーコードリーダーや、携帯電話(スマートフォン)、タブレット端末、ハンディーターミナル等であり、2種類のワイヤレス通信方法を持つ情報端末全てが対象となる。なお、ハンディーターミナルとは、例えば車内販売や店舗での決済、ガスの検針、イベント会場での受け付け業務、医療現場など、各種業態で利用されている携帯端末である。
【0016】
まず、通信インターフェース装置100の構成について説明する。
制御部104は、通信インターフェース装置100の動作を制御するものであり、図2に示すシーケンスを主に制御する。例えば、制御部104は、内部に図示しないCPU、ROM、RAM等を有し、ROMに記憶されるプログラムをRAMに読み出して実行することにより各種制御を実現する。
【0017】
赤外線通信部101は、近距離の無線通信である赤外線を用いた通信方式で通信を行う装置であり、主にIrDAが使用される。有線LAN通信部103は有線ケーブルを使用してLAN通信を行うものであり、主にサーバー等との接続に使用される。無線LAN通信部105は、無線LANを使用して携帯端末装置との通信を行うものである。無線LAN通信は、赤外線通信よりも長い距離の無線通信が可能な通信方式である。記憶部102は、通信インターフェース装置が使用する情報等を格納しておくものであり、例えば無線LAN通信部105で使用される暗号鍵を保持する。
【0018】
接続検出部106は、赤外線通信部101と携帯端末装置の赤外線通信部201との接続を監視し、赤外線通信部101が携帯端末装置の赤外線通信部201と近接していることを検出するものである。この検出は、携帯端末装置と通信インターフェース装置100自体が近接していることを検出することと同義である。なお、接続検出部106の機能は、制御部104によりソフトウェアで実現される機能であってもよい。
【0019】
次に携帯端末装置200、300、400の構成について説明する。以下、携帯端末装置200を用いて説明するが、携帯端末装置300、400も同様である。
【0020】
制御部202は、携帯端末装置200の動作を制御するものであり、図2に示すシーケンスを主に制御する。例えば、制御部202は、内部に図示しないCPU、ROM、RAM等を有し、ROMに記憶されるプログラムをRAMに読み出して実行することにより各種制御を実現する。
【0021】
赤外線通信部201は、赤外線を用いて通信を行う装置であり、通信インターフェース装置100が有する赤外線通信部101と通信を行うものである。携帯端末装置200の赤外線通信部201と通信インターフェース装置100の赤外線通信部101は、後述する図3のように向かい合わせることによって赤外線通信を行うことができる。
【0022】
無線LAN通信部203は、無線LANを使用して通信インターフェース装置100が有する無線LAN通信部105との通信を行うものである。
【0023】
暗号鍵生成部204は、通信インターフェース装置100との通信に使用する無線LAN用の暗号鍵を生成するものである。なお、暗号鍵生成部204は、制御部202によりソフトウェアで実現される機能である。
【0024】
以上のように、本実施形態のシステムは、通信インターフェース装置と携帯端末装置とが、短距離の赤外線通信、及び、赤外線通信よりも長い距離の無線通信が可能な無線LAN通信で通信可能なシステムである。以下、本システムにおける通信制御について説明する。
【0025】
本発明の第1実施形態における処理の流れを図2のシーケンス図及び図3を用いて説明する。
図2は、本発明の第1実施例における接続および切断動作の一例を示すシーケンス図である。なお、このシーケンスでは、携帯端末装置200と通信インターフェース装置100との間で赤外線を用いて接続を行った後、携帯端末装置200が通信インターフェース装置100と通信を開始してからデータ通信を行う。そして、赤外線リンクが中断した時は通信処理を中断する動作を示している。また、図2に示す通信インターフェース装置100の動作は、制御部104内の図示しないCPUがROMに記憶されるプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。同じく携帯端末装置200の動作は、携帯端末装置200内の図示しないCPUがROMに記憶されるプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。
図3は、通信インターフェース装置及び携帯端末の外観及び赤外線通信を行う際の装置の位置関係の一例を示す斜視図である。
【0026】
まずユーザーは、携帯端末装置200を操作して通信インターフェース装置100との接続の開始を指示することにより、図2のシーケンス図の動作が開始される。この際、ユーザーは、図3のように通信インターフェース装置100の赤外線通信部101と携帯端末装置200の赤外線通信部201とが向かい合わせになるように、通信インターフェース装置100と携帯端末装置200とを配置するものとする。
【0027】
ステップS1では、携帯端末装置200の制御部202が、赤外線通信部201から通信インターフェース装置100の赤外線通信部101に対して接続開始を通知する。
【0028】
ステップS2では、携帯端末装置200からの接続通知を受けた通信インターフェース装置100の制御部104が、接続完了(赤外線接続の確立)の通知を携帯端末装置200に返却する。この際、通信インターフェース装置100の制御部104は、無線LAN通信部105のMACアドレスを携帯端末装置200に通知する。
【0029】
ステップS3では、携帯端末装置200の制御部202が、無線LANでの通信を行うためにSSIDと暗号鍵のペアを生成する。すなわち赤外線通信による携帯端末装置と通信インターフェース装置100との接続が確立されるタイミングでSSIDと暗号鍵を毎回、生成する。SSIDと暗号鍵は、通信インターフェース装置100に設定する無線LAN通信のためのセキュリティに関する設定情報である。SSIDと暗号鍵は、ランダムに生成される。例えば、携帯端末装置200の制御部202は、無線LAN通信部203のMACアドレス及び時刻の情報等からハッシュ関数を用いてSSIDを生成する。さらに、携帯端末装置200の制御部202は、該生成したSSIDと上記ステップS2で受信した通信インターフェース装置100のMACアドレス等からハッシュ関数を用いて暗号鍵を生成する。ここでは、それぞれのMACアドレスを用いる場合について説明したが、MACアドレス以外の装置の固有の情報を用いてもよい。また、時刻の情報の代わりにプロセスID等を用いてもよい。SSIDと暗号鍵の生成方法はこれらに限定されるものではなく、その他の生成方法でもよい。
【0030】
次に、ステップS4では、携帯端末装置200の制御部202が、上記ステップS3で生成したSSIDと暗号鍵を、赤外線通信部201を介して通信インターフェース装置100に送信(通知)する。通信インターフェース装置100の制御部104は、携帯端末装置200から送られてきたSSIDと暗号鍵を、赤外線通信部101を介して受信する。そして、通信インターフェース装置100の制御部104は、該SSIDと暗号鍵を、無線LAN通信部105の設定情報として記憶部102に格納し、無線LAN通信部105の通信に必要なSSIDと暗号鍵として設定する。そして、通信インターフェース装置100の制御部104は、該SSIDとパスワードで、無線LAN通信方式による接続要求を待機する。
【0031】
ステップS5は、赤外線によるSSIDと暗号鍵の設定後の動作を示すものである。
上記ステップS4での無線LAN通信の設定完了後、赤外線通信は、通信インターフェース装置100と携帯端末装置200が近くに存在することを検出するために使用される。このときに検出を行うのは通信インターフェース装置100が有する接続検出部106である。接続検出部106は、赤外線によるリンクが中断した場合、制御部104に通知する。
ステップS5では、通信インターフェース装置100の制御部104は、接続検出部106を用いて赤外線通信の接続確認を開始する。この接続確認は、上記ステップS4で設定した無線LAN通信が終了するまで継続して行われる。
【0032】
ステップS6では、携帯端末装置200の制御部202が、無線LAN通信部203を使用して、通信インターフェース装置100の無線LAN通信部105に無線接続を要求する。このときに使用されるSSIDと暗号鍵は、上記ステップS3にて暗号鍵生成部204で生成され、上記ステップS4にて赤外線通信で通信インターフェース装置100に送信されたものである。
【0033】
通信インターフェース装置100の制御部104は、無線LAN通信部105を介して携帯端末装置200からの接続要求を受けると、ステップS7に処理を進める。
ステップS7では、通信インターフェース装置100の制御部104は、上記接続要求に使用されているSSIDと暗号鍵と、上記ステップS4で設定されたSSIDと暗号鍵(すなわち記憶部102に格納されているもの)と一致した場合、無線接続を完了(確立)する。
【0034】
ステップS8では、通信インターフェース装置100の制御部104は、無線接続が完了したことを受けて、無線LAN通信部105と、外部との通信を行うための有線LAN通信部103との通信を許可する。これ以降、無線LANと有線LANが疎通状態となる。すなわち、通信インターフェース装置100は、無線LAN通信により携帯端末装置200との通信を外部(サーバー等)に中継する。
【0035】
ステップS9では、携帯端末装置200の制御部202が、外部のサーバー等と実際のデータ通信を行う。携帯端末装置200の制御部202は、通信インターフェース装置100を介して、端末内のデータを送信したい相手であるサーバー等への接続を開始する。
ステップS10では、携帯端末装置200の制御部202は、サーバー等とのデータ通信を実施する。
【0036】
ステップS11では、携帯端末装置200が通信インターフェース装置100から物理的に離された場合の動作を示している。携帯端末装置200が通信インターフェース装置100から物理的に離された場合、ステップS5でも説明した通り、通信インターフェース装置100の接続検出部106が赤外線リンクの中断を検出し、制御部104に通知する。
【0037】
ステップS12は赤外線リンクが中断した場合の制御(切断制御)を示すものである。
ステップS12の切断制御では、通信インターフェース装置100の制御部104は、赤外線リンクが中断したことを受けて、通信インターフェース装置100と携帯端末装置200が物理的に離されたことを検出し、セキュリティ上のリスクと判断し、通信の切断を行うと判断する。
【0038】
ステップS13では、通信インターフェース装置100の制御部104は、無線LAN通信部105と有線LAN通信部103の通信を切断し、通信インターフェース装置100内での通信を遮断する。
【0039】
ステップS14では、通信インターフェース装置100の制御部104は、携帯端末装置200と通信インターフェース装置100との間の無線LAN通信を切断する。
【0040】
ステップS15では、通信インターフェース装置100の制御部104は、無線LAN通信が切断された場合に、記憶部102に格納されたSSIDと暗号鍵を破棄(消去)する。無線LAN通信が切断された時に毎回SSIDと暗号鍵を破棄することで、セキュリティを向上させることができる。このSSIDと暗号鍵の破棄は、赤外線リンク中断による強制切断だけではなく、正常に無線LAN通信を終了した場合であっても破棄される。
【0041】
以上示したように、第1実施形態では、携帯端末装置が赤外線通信(第1通信方式)を使用して無線LAN通信(第2通信方式)のセキュリティに関する設定(SSID、暗号鍵)を通信ごとに生成し、該生成されたセキュリティに関する設定を用いて携帯端末装置から通信インターフェース装置に無線LAN通信(第2通信方式)を開始する。このような構成により、携帯端末装置から通信インターフェース装置を介してサーバー等に通信する場合のユーザーの設定の負担を軽くするとともに、毎回新しい暗号鍵を使用することで、セキュリティを向上させることができる。また、携帯端末装置が第1通信方式の範囲内にあるときのみ、第2通信方式を利用して通信インターフェース装置との通信を行うことにより、さらにセキュリティを向上させることができる。
【0042】
なお、通信インターフェース装置100をクレードル型に構成し、携帯端末装置200を通信インターフェース装置100にセットすることにより、携帯端末装置200と通信インターフェース装置100との間の赤外線通信を可能としてもよい。
【0043】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、暗号鍵生成部204においてSSIDと暗号鍵を生成し、通信インターフェース装置100に設定する構成について説明したが、暗号鍵については事前にユーザーに指定された固有の暗号鍵を用いる構成でもよい。
【0044】
第2実施形態では、通信インターフェース装置100と携帯端末装置200に対して、事前にユーザーに指定された固有のパスワードを設定しておく。そして、通信インターフェース装置100と携帯端末装置200との赤外線接続が完了した場合に、暗号鍵生成部204でSSIDを生成し、通信インターフェース装置100に設定する。
【0045】
このような構成により、異なる複数のユーザー間において通信インターフェース装置と固有の組み合わせを作ることができ、固有のパスワードを持たない携帯端末による通信インターフェース装置への通信を排除することが可能となる。
【0046】
〔第3実施形態〕
上記第1実施形態では、携帯端末装置から通信インターフェース装置に対して接続開始を通知し(S1)、これを受けた通信インターフェース装置が接続完了の通知を携帯端末装置に返却する(S2)ことで赤外線による接続を完了する構成について説明した。すなわち携帯端末装置をマスタ装置とし、通信インターフェース装置をスレーブ装置として赤外線通信を開始する構成について説明した。
しかし、通信インターフェース装置から携帯端末装置に対して接続開始を通知し、これを受けた携帯端末装置が接続完了の通知を通信インターフェース装置に返却することで赤外線による接続を完了する構成(S1とS2の主体を逆にする構成)でもよい。すなわち通信インターフェース装置をマスタ装置とし、携帯端末装置をスレーブ装置として赤外線通信を開始する構成でもよい。このように、図2のステップS1とステップS2の主体を逆にする構成でもよい。
【0047】
このように、通信インターフェース装置をマスタ装置とした場合、赤外線通信部における接続開始が、通信インターフェース装置側から行われるようになり、携帯端末装置が通信インターフェース装置に近づいたら通信を開始することが可能となる。
【0048】
なお、上記各実施形態では、通信インターフェース装置100側で赤外線通信の切断を検出して無線LAN通信を切断する構成について説明したが、携帯端末装置側で赤外線通信の切断を検出して無線LAN通信を切断するように構成してもよい。
【0049】
〔第4実施形態〕
上記第1~3実施形態では、無線LAN通信を行っている間に赤外線通信の切断が検知されると無線LAN通信が切断されて無線LAN通信が終了してしまう場合について説明した。本第4実施形態では、無線LAN通信を行っている間に赤外線通信が切断された場合であっても、所定のタイムアウト時間が経過するまでに赤外線通信が再開(再接続)された場合には無線LAN通信を継続できる構成について説明する。
【0050】
まず、第4実施形態における通信インターフェース装置100の動作について説明する。
上記第1~3実施形態と同様に、通信インターフェース装置100は、赤外線リンクが中断されると、まず切断制御、有線無線間切断の処理を行ってセキュリティを確保する(図2のステップS11~S13)。ただし、本実施形態では、通信インターフェース装置100は、ステップS14の無線LAN切断、ステップS15の暗号鍵破棄の処理を行わず、携帯端末装置200との無線LAN接続を維持した状態のまま、携帯端末装置200との赤外線通信の接続確認を行う(ステップS5)。そして、通信インターフェース装置100は、携帯端末装置200との赤外線接続が確認されると、無線LAN通信部105と有線LAN通信部103との通信を許可して有線無線間を疎通状態に戻す(ステップS8)。なお、通信インターフェース装置100は、無線LAN通信が正常に終了した場合のように携帯端末装置200から無線LAN通信を切断された場合には、ステップS15の暗号鍵破棄の処理を行うものとする。
【0051】
次に、第4実施形態における携帯端末装置200の動作について説明する。
図4は、第4実施形態における携帯端末装置200の処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、携帯端末装置200内の図示しないCPUがROMに記憶されるプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。
【0052】
ステップS301において、携帯端末装置200の制御部202は、赤外線通信部201から通信インターフェース装置100の赤外線通信部101に対して接続開始を通知する。
【0053】
次にステップS302において、携帯端末装置200の制御部202は、上記ステップS301で接続開始を通知した通信インターフェース装置100から、赤外線通信部201を介して、上記通知に対する応答があったか否かを判定する。応答があるまでの間(ステップS302でNoの間)、携帯端末装置200の制御部202は、上記ステップS302の判定を繰り返す。応答があった場合(ステップS302でYesの場合)、携帯端末装置200の制御部202は、ステップS303に処理を進める。
【0054】
ステップS303では、携帯端末装置200の制御部202は、上記ステップS302で受け取った応答が接続完了(赤外線接続の確立)の通知か否かを判定する。上記応答が接続完了の通知でなかった場合(ステップS303でNoの場合)、携帯端末装置200の制御部202は、ステップS304に処理を進める。なお、図示しないが、上記ステップS302で、所定時間以上応答がなかった場合にも、ステップS304に処理を進めるものとする。
ステップS304では、携帯端末装置200の制御部202は、エラー通知を行い、本フローチャートの処理を終了する。
【0055】
一方、上記応答が接続完了の通知であった場合(ステップS303でYesの場合)、携帯端末装置200の制御部202は、ステップS305に処理を進める。
ステップS305では、携帯端末装置200の制御部202は、無線LANでの通信を行うためのSSIDと暗号鍵を生成し、該生成したSSIDと暗号鍵を、赤外線通信部201を介して、通信インターフェース装置100に送信(通知)する。
【0056】
ステップS306では、携帯端末装置200の制御部202は、上記SSIDと暗号鍵を用い、無線LAN通信部203を使用した通信の要求を、通信インターフェース装置100に送信し、通信許可されたか否かを判定する。通信許可があるまでの間(ステップS306でNoの間)、携帯端末装置200の制御部202は、上記ステップS306の判定を繰り返す。通信許可があった場合(ステップS306でYesの場合)、携帯端末装置200の制御部202は、ステップS307に処理を進める。
【0057】
ステップS307では、携帯端末装置200の制御部202は、ステップS306で通信許可をした後、無線LAN通信部203を用い、通信インターフェース装置100と無線LAN通信を開始する。
【0058】
次にステップS308において、携帯端末装置200の制御部202は、携帯端末装置200と通信インターフェース装置100の赤外線通信部の位置がずれたなどして赤外線通信が切断された場合に、ネットワークを切断するタイムアウト時間を設定する。なお、携帯端末装置200が通信インターフェース装置100との通信以外で赤外線通信を行う場合のタイムアウト時間を「T1」とすると、上記ステップS308では、延長されたタイムアウト時間として「T2」(T2>T1)が設定される。
【0059】
次にステップS309では、携帯端末装置200の制御部202は、無線LAN通信が正常に終了したかどうかを判定する。ここで正常に終了した場合とは、携帯端末装置200の制御部202が、通信インターフェース装置100を介したサーバー等との通信を終えて、通信インターフェース装置100との無線LAN通信を終了した場合を示す。
【0060】
無線LAN通信が正常に終了した場合(ステップS309でYesの場合)、携帯端末装置200の制御部202は、そのまま赤外線通信を終了し、本フローチャートの処理を終了する。
【0061】
一方、無線LAN通信が正常に終了していない場合(ステップS309でNoの場合)、携帯端末装置200の制御部202は、ステップS310に処理を進める。
ステップS310では、携帯端末装置200の制御部202は、赤外線通信が切断されている否かを判定する。赤外線通信が切断されていない場合(ステップS310でNoの場合)、携帯端末装置200の制御部202は、ステップS309に処理を戻す。
【0062】
一方、赤外線通信が切断されている場合(ステップS310でYesの場合)、携帯端末装置200の制御部202は、ステップS311に処理を進める。
ステップS311では、携帯端末装置200の制御部202は、赤外線通信が切断されたことユーザーに通知(報知)し、携帯端末装置200と通信インターフェース装置100の赤外線通信部のずれを直すなどの赤外線通信切断に対する対応をユーザーに促す。
【0063】
次にステップS312では、携帯端末装置200の制御部202は、赤外線通信が切断されたと判定してから、上記ステップS308で延長設定したタイムアウト時間T2を経過したか否かを判定する。まだ延長設定したタイムアウト時間T2を経過していない場合(ステップS312でNoの場合)、携帯端末装置200の制御部202は、ステップS309に処理を戻す。これは携帯端末装置200と通信インターフェース装置100の赤外線通信部のずれを直すなどの赤外線通信切断に対する対応をユーザーが行うための時間を確保するためである。なお、本実施形態では、携帯端末装置200と通信インターフェース装置100との赤外線接続が切断されると、通信インターフェース装置100において有線無線間切断の処理が行われるため、携帯端末装置200からサーバー等へのデータ通信は中断される。しかし、タイムアウト時間T2を経過するまでは、携帯端末装置200と通信インターフェース装置100との無線LAN接続は維持(継続)される。
【0064】
一方、すでに延長設定したタイムアウト時間T2を経過している場合(ステップS312でYesの場合)、携帯端末装置200の制御部202は、ステップS313に処理を進める。
【0065】
ステップS313では、携帯端末装置200の制御部202は、携帯端末装置200と通信インターフェース装置100との無線LAN接続を切断し、通信インターフェース装置100を介したデータ通信が正常に終了しないことをユーザーにエラー通知として通知(報知)する。例えば、振動、ブザー、及び画面が徐々に明るくなるという形で携帯端末装置200が赤外線通信切断通知及びエラー通知をする。なお、振動、ブザー通知に関しては通信インターフェース装置100側で行ってもよい。
上記ステップS313の後、携帯端末装置200の制御部202は、本フローチャートの処理を終了する。
【0066】
以上、第4実施形態では、携帯端末装置と通信インターフェース装置との間の赤外線通信が切断された場合でも、延長設定されたタイムアウト時間T2が経過するまでは、携帯端末装置と通信インターフェース装置との間の無線LAN通信の接続を維持(継続)する。この際、通信インターフェース装置において有線無線間切断の処理が行われるため、携帯端末装置からサーバー等へのデータ通信が不可になるが、赤外線通信が再開されると、通信インターフェース装置において有線無線間疎通の処理が行われるため、携帯端末装置200からサーバー等へのデータ通信も可能になる。
なお、延長設定されたタイムアウト時間T2が経過するまでに赤外線通信が再開(再接続)されなかった場合には、携帯端末装置と通信インターフェース装置との間の無線LAN通信の接続を切断する。
【0067】
以上のような構成によれば、誤って又は意図しない装置への接触等により携帯端末装置と通信インターフェース装置の赤外線通信部の位置がずれたなどした場合でも、携帯端末装置と通信インターフェース装置との間の無線LAN通信を維持(継続)することができる。そして、延長設定されたタイムアウト時間T2内にユーザーが位置のズレを戻すことにより、サーバー等へのデータ通信を再開することができる。
【0068】
なお、上記赤外線通信の代わりにNFC(Near Field Communication)等の他の近距離無線通信を第1通信方式として用いてもよい。また、無線LAN通信の代わりにBluetooth(ブルートゥース)(登録商標)等による通信を第2通信方式として用いてもよい。
【0069】
以上、各実施形態によれば、このような構成により、携帯端末装置から通信インターフェース装置を介してサーバー等に通信する場合のユーザーの設定の負担を軽くするとともに、毎回新しい暗号鍵を使用することで、セキュリティを向上させることができる。また、携帯端末装置が第1通信方式(赤外線通信等)の範囲内にあるときのみ、第2通信方式(無線LAN通信等)を利用して通信インターフェース装置との通信を行うことにより、さらにセキュリティを向上させることができる。
【0070】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施形態を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0071】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0072】
100 通信インターフェース装置
101 赤外線通信部
102 記憶部
103 有線LAN通信部
104 制御部
105 無線LAN通信部
106 接続検出部
200 携帯端末装置
201 赤外線通信部
202 制御部
203 無線LAN通信部
204 暗号鍵生成部
300 携帯端末装置
400 携帯端末装置
図1
図2
図3
図4