(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151094
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】監視システム及び監視方法
(51)【国際特許分類】
G08B 13/183 20060101AFI20220929BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20220929BHJP
G01S 7/497 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G08B13/183
G08B21/02
G01S7/497
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054008
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】593063161
【氏名又は名称】株式会社NTTファシリティーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山中 梢子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 広樹
【テーマコード(参考)】
5C084
5C086
5J084
【Fターム(参考)】
5C084AA02
5C084AA07
5C084AA13
5C084CC16
5C084DD13
5C084DD32
5C084DD36
5C084DD41
5C084DD65
5C084DD71
5C084HH01
5C084HH08
5C084HH12
5C084HH13
5C086AA22
5C086AA27
5C086AA52
5C086CA11
5C086CB15
5C086EA04
5C086FA06
5C086FA11
5C086GA01
5J084AA01
5J084BA04
5J084BA36
5J084BB24
5J084EA29
(57)【要約】
【課題】危険個所が比較的近傍に存在することを通知する監視システム及び監視方法を提供する。
【解決手段】監視システムは、比較的安全に利用可能な第1領域と、危険個所に比較的近いために進入が制限される第2領域との境界に沿う方向に光線を投じる投光部と、前記投光部から投じられた光線を検出する受光部と、前記境界の近傍に配置され、供給された信号に基づいた情報を出力する出力部と、前記光線の検出結果に基づいて前記光線の遮断が識別された場合に、前記第2領域への進入を検知したことを通知するための所定の情報を含む信号を前記出力部に送り、前記第2領域への進入を検知したことを前記出力部から出力させる制御部とを備える。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
比較的安全に利用可能な第1領域と、危険個所に比較的近いために進入が制限される第2領域との境界に沿う方向に光線を投じる投光部と、
前記投光部から投じられた光線を検出する受光部と、
前記境界の近傍に配置され、供給された信号に基づいた情報を出力する出力部と、
前記光線の検出結果に基づいて前記光線の遮断が識別された場合に、前記第2領域への進入を検知したことを通知するための所定の情報を含む信号を前記出力部に送り、前記第2領域への進入を検知したことを前記出力部から出力させる制御部と
を備える監視システム。
【請求項2】
前記第2領域内の一部に当たる第3領域への進入を制限するためのバリケードが前記境界よりも前記第2領域の内側に形成され、前記境界から前記バリケードまでの距離が、前記第2領域への進入者の安全が確保できる距離を超えている、
請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記出力部は、
前記境界から前記バリケードまでの地点に位置する侵入者に達するような音量又は光量で、前記所定の情報を出力する
請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記投光部は、第1地点に配置され、
前記受光部と前記出力部と前記制御部は、第2地点に配置される、
請求項1又は請求項2に記載の監視システム。
【請求項5】
光を反射する1つ以上の反射部
を備え、
前記投光部と前記受光部と前記出力部と前記制御部は、第1地点に配置され、
前記1つ以上の反射部は、1つ以上の第2地点に夫々配置され、前記投光部から前記1つ以上の第2地点を夫々経て前記受光部に向かう光の経路を形成する、
請求項1又は請求項2に記載の監視システム。
【請求項6】
ハーフミラーを形成し、前記光線の光量の一部を反射する反射部と、
を備え、
前記受光部は、
前記反射部が透過した前記光線を検出する、
請求項1又は請求項2に記載の監視システム。
【請求項7】
前記第1地点と前記第2地点とのそれぞれに、三角コーンと支柱との何れかがそれぞれ配置され、
前記三角コーンと前記支柱の何れかは、
前記投光部と、前記受光部と、前記出力部と、前記制御部とのうちの何れかが収納された筐体を対応付けられている
請求項4又は請求項5の何れか1項に記載の監視システム。
【請求項8】
前記投光部と、前記受光部と、前記出力部と、前記制御部とのうちの何れかを含む筐体を備え、
前記筐体は、三角コーンと支柱との何れかによって夫々支持可能に形成されている、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の監視システム。
【請求項9】
比較的安全に利用可能な第1領域と、危険個所に比較的近いために進入が制限される第2領域との境界に沿う方向に投光部が光線を投じて、
前記投光部から投じられた光線を受光部が検出して、
前記境界の近傍に配置され、供給された信号に基づいた情報を出力部が出力して、
前記光線の検出結果に基づいて前記光線の遮断が識別された場合に、前記第2領域への進入を検知したことを通知するための所定の情報を含む信号を前記出力部に送り、前記出力部から出力させるステップ
を含む監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システム及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
段差のある個所への転落や障害物などに掛かって転倒するなどの事故が発生することがある。例えば、工事現場には、転落や転倒に関わる危険個所が存在していて、このような危険個所への接近を避けるように三角コーン(パイロン)などを用いたバリケードが形成されている。バリケードは、より安全側の領域と、危険個所が存在する領域を区分する。建設工事の現場で上記のように区分していても、上記の転落、転倒などの事故が発生することがあった。
【0003】
ところで、光をビーム状に送出する送信装置と、これを受信する受信装置とを用いて、その間を通過する人、物、動物などを検出する侵入監視システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、より安全側の領域と、危険個所が存在する領域とがバリケードなどで区分されていても、危険個所が比較的近傍に存在することが認識できずに事故に至ることがあった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、危険個所が比較的近傍に存在することを通知する監視システム及び監視方法を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の課題を解決するための本発明の一態様は、比較的安全に利用可能な第1領域と、危険個所に比較的近いために進入が制限される第2領域との境界に沿う方向に光線を投じる投光部と、前記投光部から投じられた光線を検出する受光部と、前記境界の近傍に配置され、供給された信号に基づいた情報を出力する出力部と、前記光線の検出結果に基づいて前記光線の遮断が識別された場合に、前記第2領域への進入を検知したことを通知するための所定の情報を含む信号を前記出力部に送り、前記第2領域への進入を検知したことを前記出力部から出力させる制御部とを備える監視システムである。
【0008】
(2)上記の監視システムにおいて、前記第2領域内の一部に当たる第3領域への進入を制限するためのバリケードが前記境界よりも前記第2領域の内側に形成され、前記境界から前記バリケードまでの距離が、前記第2領域への進入者の安全が確保できる距離を超えている。
【0009】
(3)上記の監視システムにおいて、前記出力部は、前記境界から前記バリケードまでの地点に位置する侵入者に達するような音量又は光量で、前記所定の情報を出力する。
【0010】
(4)上記の監視システムにおいて、前記投光部は、第1地点に配置され、前記受光部と前記出力部と前記制御部は、第2地点に配置される。
【0011】
(5)上記の監視システムは、光を反射する1つ以上の反射部を備え、前記投光部と前記受光部と前記出力部と前記制御部は、第1地点に配置され、前記1つ以上の反射部は、1つ以上の第2地点に夫々配置され、前記投光部から前記1つ以上の第2地点を夫々経て前記受光部に向かう光の経路を形成する。
【0012】
(6)上記の監視システムは、ハーフミラーを形成し、前記光線の光量の一部を反射する反射部と、を備え、前記受光部は、前記反射部が透過した前記光線を検出する。
【0013】
(7)上記の監視システムにおいて、前記第1地点と前記第2地点とのそれぞれに、三角コーンと支柱との何れかがそれぞれ配置され、前記三角コーンと前記支柱の何れかは、前記投光部と、前記受光部と、前記出力部と、前記制御部とのうちの何れかが収納された筐体を対応付けられている。
【0014】
(8)上記の監視システムは、前記投光部と、前記受光部と、前記出力部と、前記制御部とのうちの何れかを含む筐体を備え、前記筐体は、三角コーンと支柱との何れかによって夫々支持可能に形成されている。
【0015】
(9)本発明の一態様は、比較的安全に利用可能な第1領域と、危険個所に比較的近いために進入が制限される第2領域との境界に沿う方向に投光部が光線を投じて、前記投光部から投じられた光線を受光部が検出して、前記境界の近傍に配置され、供給された信号に基づいた情報を出力部が出力して、前記光線の検出結果に基づいて前記光線の遮断が識別された場合に、前記第2領域への進入を検知したことを通知するための所定の情報を含む信号を前記出力部に送り、前記出力部から出力させるステップを含む監視方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、危険個所が比較的近傍に存在することを通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】本発明の実施形態の監視システム1の適用例を説明するための概略構成図である。
【
図1B】第1領域Z1と第2領域Z2との境界からバリケードまでの位置関係を説明するための図である。
【
図1C】第1領域Z1と第2領域Z2との境界からバリケードまでの位置関係を説明するための図である。
【
図2A】実施形態の監視システム1の構成図である。
【
図2B】実施形態の監視システム1の構成図である。
【
図2C】実施形態の変形例の監視装置101R、102Rを説明するための図である。
【
図3】実施形態の監視システム1Aの構成図である。
【
図4】実施形態の監視システム1Bの構成図である。
【
図5】実施形態の監視システム1Cの構成図である。
【
図6A】第4の実施形態の変形例の監視システム1Dの構成図である。
【
図6B】第4の実施形態の変形例の監視システム1Dの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
実施形態における監視対象は、工事現場などのように危険個所が存在する領域を含む。
【0019】
(第1の実施形態)
【0020】
図1Aは、実施形態の監視システム1の適用例を説明するための概略構成図である。
監視システム1を適用する対象領域には、比較的安全に利用可能な第1領域Z1と、危険個所に比較的近いために進入が制限される第2領域Z2とが規定されている。第1領域Z1と第2領域Z2の境界又はその近傍には、複数の三角コーン(パイロン)が配置される。
【0021】
例えば、三角コーン201、202は、複数の三角コーンの一例である。例えば、三角コーン201、202は、第1領域Z1と第2領域Z2の境界上に配置されている。三角コーン201から三角コーン202をみなす方向は、第1領域Z1と第2領域Z2の境界の延伸方向に沿っている。
【0022】
第2領域Z2内の一部に、危険個所Hallを含む第3領域Z3が設けられている。第3領域Z3の周囲には、その領域への進入を制限するためのバリケードが設けられている。バリケードは、第1領域Z1と第2領域Z2の境界よりも内側(第2領域Z2側又は危険個所Hall側)に形成されている。
【0023】
例えば、三角コーン301から304は、バリケードを形成するように配置された複数の三角コーンの一例である。隣接する三角コーンの間には、バーB311からB314がそれぞれ設けられている。三角コーン301から304と、バーB311からB314との組み合わせによって、第3領域Z3を囲むようなバリケードが形成されている。
【0024】
図1Bと
図1Cは、第1領域Z1と第2領域Z2との境界からバリケードまでの位置関係を説明するための図である。
図1Bに示すように、作業者がカメラを用いて現場の状況を撮影するときなどに撮像範囲を調整するために後ろ側に踏み出して、立ち位置を後ろに移すことがある。このような場合、踏み出した歩数分、第1領域Z1と第2領域Z2との境界から第2領域Z2の内側に入り込むことになる。このような場合に、後方の状況を十分に確認しなかったときなどに事故が生じることがある。
【0025】
これに対して、実施形態の場合、
図1Cに示すように、第1領域Z1と第2領域Z2との境界から、上記のバリケードまでの距離dは、第1領域Z1から第2領域Z2に進入者が進入した場合でも、その進入者の安全が確保できるような距離を超えるように決定されている。例えば、その境界からバリケードまでの距離dは、一般的な歩幅(st)を基準にして、1歩から数歩分の歩幅に相当する長さ(st×N、Nは自然数。)を超えるように決定されている。このように、十分な距離dが確保されていれば、第2領域Z2側に誤って数歩踏み込んだとしても、それ以上進入しなければ、第3領域Z3に達しない。
【0026】
このような第1領域Z1から第2領域Z2への進入があったときに、監視システム1は、その進入を検出して、その近くに危険個所があることを告知するように形成されている。これにより、事故が発生する可能性を下げることができる。
【0027】
なお、三角コーン201、202の用途と、三角コーン301から304の用途は、上記のように互いに異なる。用途に合わせて、三角コーン201、202の意匠と、三角コーン301から304の意匠とを互いに異なるものにすれば、識別が容易になるが、これに制限されず同様の意匠を有するものであってもよい。
【0028】
図2Aを参照して、監視システム1について説明する。
図2Aは、実施形態の監視システム1の構成図である。
図2Aに、監視システム1に係る三角コーン201、202と、監視装置101、102とを示す。監視システム1は、例えば監視装置101、102とを備える。
【0029】
監視装置101の筐体は、三角コーン201の基台として用いられる。その筐体の上面の広さは、三角コーン201を配置可能な面積を有していて、その筐体の上部に三角コーン201を配置可能に形成されている。三角コーン201は、監視装置101の筐体から風などで飛ばされないように、その基部が監視装置101の筐体に係止されるように形成されているとよい。その係止の方法は、適宜選択してよい。
【0030】
監視装置102の筐体は、三角コーン202の基台として用いられる。その筐体の上面の広さは、三角コーン202を配置可能な面積を有していて、その筐体の上部に三角コーン202を配置可能に形成されている。監視装置102の筐体と三角コーン202は、監視装置101の筐体と三角コーン201と同様に形成されていてよい。
【0031】
監視システム1は、例えば、投光部10と、受光部20と、制御部30と、出力部40と、を備える。
【0032】
監視システム1において、例えば、投光部10は、図示されない電源部とともに監視装置101の筐体に収納されて、第1地点に配置される。受光部20と制御部30は、図示されない電源部とともに監視装置102の筐体に収納されて、第2地点に配置される。なお、出力部40は、三角コーン202の上部に配置されて、監視装置102の筐体と同じく第2地点に配置される。なお上記の各電源部は、例えば安定化電源又は電池を含んで形成されていてもよい。
【0033】
投光部10は、LED、レーザーダイオードなどを含めて構成されていて、電源部からの電力を用いて発光して、その発光により可視領域又は赤外領域の波長の光線(ビーム)を所定の方向に投じる。例えば、投光部10は、監視装置101の筐体の向きを基準にした所定の方向に光線を投じる。例えば、筐体の側面のうち光線を出力する面を筐体の正面とする。例えば、監視装置101の筐体の向きは、投光部10が第1領域Z1と第2領域Z2との境界方向に正面を向けて配置されることにより、その境界に沿う方向に光線を投じるように調整される。
【0034】
受光部20は、半導体型の受光器(フォトダイオード、CdS(硫化カドミウム)セル)などを含めて構成されていて、投光部10から投じられた光線を検出して、これに応じた検出信号を生成する。
例えば、投光部10と受光部20は、対にして用いられ、投光部10と受光部20間の光路における光の透過状態を検出可能に構成される。投光部10と受光部20との間の距離は、投光部10が出力する光の強度と受光部20の許容受信感度の範囲によって決定されるが、例えば数mから数十mまでの間に設定することができる。
【0035】
出力部40は、上記の境界の近傍に配置され、供給された信号に基づいた情報を出力する。例えば、出力部40は、スピーカーなどの発音体又は回転灯などの発光体を含む。出力部40は、電源部からの電力を用いて、境界からバリケードまでの地点に位置する侵入者に達するような音量又は光量で、所定の情報を出力する。
【0036】
制御部30は、受光部20による光線の検出結果に基づいて、光線の遮断が識別された場合に、第2領域Z2への進入を検知したことを通知するための所定の情報を含む信号を出力部40に送り、出力部40から上記の所定の情報を出力させる。
【0037】
例えば、上記の所定の情報を音で出力する場合には、「近くに危険個所があります。」、「この先の危険個所に注意してください。」などのメッセージを流したり、警報音を流したりするとよい。上記の所定の情報を光で出力する場合には、回転灯、赤色灯、黄色灯などを点灯してもよい。
【0038】
図2Aに示す監視システム1は、検出範囲として定められた所定の空間を片方向に光を透過させるタイプ(透過型)の一例である。
【0039】
上記の実施形態によれば、監視システム1は、投光部10からの光が受光部20に到達している場合には、スピーカーからの音声の出力動作やランプの点灯動作を非活性化させるが、この光が遮断された場合には、スピーカーからの音声の出力動作やランプの点灯動作を活性化させる。音声の出力動作やランプの点灯動作の制御は、制御部30の制御によって実施される。
【0040】
上記の三角コーン201、202は、監視装置101の筐体と監視装置102の筐体に夫々対応付けられている。
【0041】
(第1の実施形態の変形例)
図2Bを参照して、監視システム1の変形例について説明する。
図2Bは、実施形態の変形例の監視システム1の構成図である。
図2Bに、監視システム1に係る三角コーン201、202と、監視装置101R、102Rとを示す。監視システム1は、例えば監視装置101R、102Rを備える。監視装置101R、102Rは、その筐体の形状と、三角コーン201、202に対する配置方法以外は、前述の監視装置101、102と同様に構成してよい。
【0042】
例えば、監視装置101R、102Rの筐体の形状は、前述の監視装置101、102の筐体の形状の箱型とは異なり、中央に貫通穴を有するドーナッツ状に形成されている。
図2Cは、実施形態の変形例の監視装置101R、102Rを説明するための図である。
図2Cに示すように監視装置101R、102Rの貫通穴の内径は、三角コーン201、202の円錐部の外径よりも小さい。例えば、監視装置101Rを三角コーン201に掛けると、三角コーン201が配置された地面から所定の高さに配置することができる。監視装置102Rと三角コーン202についても同様である。
【0043】
上記のように、監視装置101R、102Rの筐体をドーナッツ形にすることにより、三角コーン201、202に掛けて配置できる。監視装置101R、102Rの筐体は、三角コーン201、202によって夫々支持される。このように、監視装置101R、102Rの筐体の形状を代えたとしても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0044】
(第2の実施形態)
図3を参照して、監視システム1Aについて説明する。
図3は、実施形態の監視システム1Aの構成図である。
図3に、監視システム1Aに係る三角コーン201、202と、監視装置101A、102Aとを示す。監視システム1Aは、例えば監視装置101A、102Aを備える。
【0045】
監視システム1Aにおいて、例えば、投光部10と、受光部20と、制御部30は、監視装置101Aの筐体に収納されて、第1地点に配置される。なお、出力部40は、三角コーン201の上部に配置されて、監視装置101Aの筐体と同じく第1地点に配置される。
【0046】
監視システム1Aは、監視システム1に対して、反射部50をさらに備える。反射部50は、ミラー又はハーフミラーを含めて構成され、監視装置102Aの筐体に収納されて、第2地点に配置される。例えば、反射部50の反射面は、監視装置102Aの筐体に対する方向が変わらないように固定されていてもよい。
【0047】
実施形態の場合、監視装置102Aに電気回路と電源部とを備えずに構成できる。
【0048】
投光部10からの光が反射部50で反射され、受光部20に到達している場合は、監視装置101Aの制御部30(電気回路)は、出力部40(スピーカーやランプ)を動作させないが、投光部10から受光部20までの光の経路の中で、少なくとも何れかの個所で光が遮断された場合は、監視装置101Aの制御部30(電気回路)は、出力部40(スピーカーやランプ)を動作させる。
【0049】
図3に示す監視システム1Aは、反射によって所定の空間に、光を往復させるタイプ(反射型)の一例である。上記の実施形態によれば、監視システム1Aは、監視システム1の場合と同様に、受光部20からの光が受光部20に到達している場合には、スピーカーからの音声の出力動作やランプの点灯動作を非活性化させるが、この光が遮断された場合には、スピーカーからの音声の出力動作やランプの点灯動作を活性化させる。音声の出力動作やランプの点灯動作の制御は、制御部30の制御によって実施される。
【0050】
(第3の実施形態)
図4を参照して、監視システム1Bについて説明する。
図4は、実施形態の監視システム1Bの構成図である。
図4に、監視システム1Bに係るポール201A、202Aと、監視装置101、102とを示す。監視システム1Bは、監視システム1と同様に、例えば透過型の監視装置101、102とを備える。上記のように、ポール201A、202Aは、監視システム1の三角コーン201、202に代わる。ポール201A、202Aは、支柱の一例である。
【0051】
監視装置101の筐体は、例えばポール201Aの延伸方向の中ほどに設けられ、ポール201Aによって支持されるように形成されている。ポール201Aは、風などで飛ばされないように、ポール201Aの基部(下端部)が仮設の基礎に設けられていたり、埋設されていたりしてもよい。ポール201Aの上端部には、出力部40が設けられていてよい。
【0052】
監視装置102の筐体は、例えばポール202Aの延伸方向の中ほどに設けられ、ポール202Aによって支持されるように形成されている。ポール202Aは、ポール201Aと同様に、風などで飛ばされないように、ポール202Aの基部(下端部)が仮設の基礎に設けられていたり、埋設されていたりしてもよい。なお、ポール202Aの上端部には、出力部40が設けられていなくてもよい。
【0053】
上記のように、ポール201A、202Aは、監視装置101の筐体と監視装置102の筐体に夫々対応付けられている。監視装置102は、監視装置101からの光線を受光できるように光軸の向きと高さがそれぞれ調整されている。これにより、投光部10からの光が受光部20に到達している場合には、スピーカーからの音声の出力動作やランプの点灯動作を非活性化させて、この光が遮断された場合には、スピーカーからの音声の出力動作やランプの点灯動作を活性化させることにより、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0054】
(第3の実施形態の変形例)
第3の実施形態では、第1の実施形態と同様に監視装置101、102を用いる事例について説明した。本変形例として、第2の実施形態と同様に監視装置101A、102Aを用い構成してもよい。これにより、第2の実施形態と同様の効果を奏する。
【0055】
(第4の実施形態)
図5を参照して、監視システム1Cについて説明する。
図5は、実施形態の監視システム1Cの構成図である。
図5に、監視システム1Cに係る三角コーン201から204と、監視装置101Aと、複数の監視装置102Aとを示す。監視システム1Cは、例えば反射型の監視装置101A、102Aと備える。上記のように、監視装置101Aと、複数の監視装置102Aとが配置された位置を頂点とする多角形が形成される。
図5に示す多角形は、四角であるがこれに限らず、任意の数の頂点を有していてよい。
【0056】
監視システム1Cは、複数の監視装置102Aを備える。このような監視システム1Cは、複数の反射部50を備える。
【0057】
複数の反射部50は、各第2地点に夫々配置され、適当に反射面の方向が調整されることにより、投光部10から各第2地点を夫々経て、第1地点の受光部20に向かう光の経路を形成する。
【0058】
例えば、監視装置101Aが投じた光が、複数の監視装置102Aを経て監視装置101Aに戻るように、監視装置102Aの反射部50による光の反射方向が調整されている。これにより、一巡する光路を形成する。光路を遮る障害物(例えば進入者。)が存在しなければ、監視装置101Aは、自らが投じた光の反射光を検出することができる。この状態を平時とする。一方で、光路を遮る障害物があると、監視装置101Aは、自らが投じた光の反射光を検出できなくなり、光路上の何れかの位置に障害物があるとみなして、出力部40からの出力を活性化させる。
【0059】
これにより、監視システム1Cは、一巡する光路を利用して、その光路が形成する多角形状の領域への進入を検出することができる。
【0060】
(第4の実施形態の変形例)
第4の実施形態では、多角形状に光路を一巡させて、光を送出した位置に戻る反射光を検出する事例について説明した。本変形例では、その多角形の各頂点の位置で光の到来を夫々検出する事例について説明する。
【0061】
図6Aと
図6Bを参照して、監視システム1Dについて説明する。
図6Aは、第4の実施形態の変形例の監視システム1Dの構成図である。監視システム1Dは、監視システム1の複数の監視装置102Aに代えて複数の監視装置102Bを備える。
【0062】
監視装置102Bは、監視装置102に対して、さらに、反射部50Aをそれぞれ備えたものに相当する。別の観点によれば、監視装置102Bは、監視装置102に反射機能を司る反射部50Aを付加した構成になっていて、別の観点によれば監視装置102Aに検出機能を付加した構成になっている。
【0063】
図6Bは、監視装置102Aにおける受光部20と反射部50Aとの関係を説明するための図である。
図6Bに、受光部20と反射部50Aとを、上方から平面視した状況をモデル化して示す。
【0064】
反射部50Aは、ハーフミラーを含めて形成され、入射光線の光量の一部を反射する。反射部50Aは、上下方向に延伸する軸を中心に回転自在に支持される。反射部50Aの軸の回転によって、監視装置102Bの筐体に対して、その反射面の向きを調整することができる。反射部50Aは、角度が調整された後にその角度で固定可能に形成されている。例えば、反射部50Aの反射面における入射角と反射角が等しい。反射部50Aをその軸周りに回転させることで、光の反射方向を調整することができる。
【0065】
なお、反射部50Aによる反射が繰り返されると、各監視装置102Aが受ける反射光の光量が減少する。各監視装置102Aが受ける反射光の光量を、各監視装置102A内の受光部20が検知できる強度以上にするとよい。受光部20は、反射部50Aが透過した光線を検出する。
【0066】
監視システム1Dにおいて光路上の任意の個所で光が遮断されると、1つ以上の出力部40(スピーカやランプ)が動作する。遮断が生じたリンクによっては、複数の出力部40(スピーカやランプ)が動作する場合がある。
【0067】
進入によって光が遮断されたリンクの位置は、次の方法で推定できる。例えば、監視装置101Aが受光した光の送信側に監視装置101Aからさかのぼり、動作している出力部40に関連付けられた監視装置102A(三角コーン)を特定する。出力部40が動作している監視装置102Aは、光を検出できていない状態にある。動作している出力部40に関連付けられた監視装置102A(三角コーン)の中で、光路上最も上流側の監視装置102Aを特定する。その監視装置102Aからさらに光路をさかのぼって次の位置になる監視装置101A、又は102Aを特定する。上記の結果から、進入によって光が遮断されたリンクの位置は、この2つの監視装置の間にあると推定できる。上記の方法で、進入によって光が遮断されたリンクを特定する。このリンクに対応する第1領域と第2領域との境界線に、進入があったと推定してよい。
【0068】
上記の実施形態によれば、監視システム1Dは、進入によって光が遮断されたリンクの特定を可能にすることにより、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0069】
少なくとも実施形態の監視システム1-1Dは、比較的安全に利用可能な第1領域と、危険個所に比較的近いために進入が制限される第2領域との境界に沿う方向に光線を投じる投光部と、前記投光部から投じられた光線を検出する受光部と、前記境界の近傍に配置され、供給された信号に基づいた情報を出力する出力部と、前記光線の検出結果に基づいて前記光線の遮断が識別された場合に、前記第2領域への進入を検知したことを通知するための所定の情報を含む信号を前記出力部に送り、前記第2領域への進入を検知したことを前記出力部から出力させる制御部とを備えることにより、危険個所が比較的近傍に存在することを通知することができる。
【0070】
なお、監視システム1を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより監視システム1が所定の処理動作を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0071】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、或いは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、ネットワークや通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0072】
なお、上記の実施形態とその変形例では、監視装置101等の筐体と、三角コーン201等の筐体とを別体にした事例について説明したが、これに制限されることなく一体化した形態で構成してもよい。例えば監視システム1は、投光部10と、受光部20と、出力部40と、制御部30とのうちの何れかを含む筐体を備えている。その筐体は、三角コーンと支柱との何れかによって夫々支持可能に形成されているとよい。
【符号の説明】
【0073】
1、1A、1B、1C、1D…監視システム、10…投光部、20…受光部、30…制御部、40…出力部、50、50A…反射部、101、101A、101R、102、102A、102B、102R…監視装置