(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151121
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】流体制御弁
(51)【国際特許分類】
F16K 31/06 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
F16K31/06 305M
F16K31/06 305L
F16K31/06 305J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054041
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】592056908
【氏名又は名称】浜名湖電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096998
【弁理士】
【氏名又は名称】碓氷 裕彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 由依
(72)【発明者】
【氏名】澤谷 安奈
【テーマコード(参考)】
3H106
【Fターム(参考)】
3H106DA05
3H106DA13
3H106DA23
3H106DB02
3H106DB12
3H106DB23
3H106DB32
3H106DC02
3H106DC17
3H106DD05
3H106DD07
3H106EE34
3H106EE36
3H106GA19
3H106GB06
3H106GB15
3H106KK05
3H106KK17
(57)【要約】
【課題】弁体の移動時に流体流れの押圧力を極力受けないようにして、弁体の移動をスムーズにする。
【解決手段】ハウジングの流体通路内で可動子の流体流れ上流側に配置され、内部を流体が流通可能な筒形状であり、コイルの励磁時に可動子の移動を受けて移動して弁座部材の窓部を開閉する弁体と、ハウジングの流体通路の上流側に配置され流体が流体通路に直接流入するのを防止する衝突部と、流体が衝突部を回り込んで流体通路に流入するのを許容する窓部とを備える弁座部材とを備え、弁座部材は衝突部を回り込んで窓部より流入した流体を上流側に向かわせる逆流空間を衝突部の裏面に形成している。弁体が移動する際に受ける流体流れの押圧力を軽減でき、窓部より逆流空間に向かう流体の流れのベクトルが弁体の移動方向にも合うので、より小さな磁力で弁体を移動させることが可能となる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボビンに多数回巻回されたコイル(102)と、このコイルの外周側に配置され前記コイルの励磁時に磁気回路を生成するヨーク(103)と、前記コイルの内周側に配置され前記コイルの励磁時に前記ヨークと共に磁気回路を生成するステータコア(104)と、ステータコアと磁気ギャップを介して移動可能に配置され前記コイルの励磁時に前記ヨーク、前記ステータコアと共に磁気回路を生成する可動子(105)と、前記コイル、前記ヨーク、前記ステータコア及びこの可動子を保持し、内部に流体通路を形成する筒形状のハウジングとを備えるソレノイド部材(100a)と、
前記ハウジングの前記流体通路の上流側に配置され、流体が前記流体通路に直接流入するのを防止する衝突部(132)と、流体がこの衝突部を回り込んで前記流体通路に流入するのを許容する窓部(134)とを備える弁座部材(130)と、
前記ハウジングの前記流体通路内で前記可動子の流体流れ上流側に、前記可動子と当接可能であって前記流体通路内を移動可能に配置され、内部を流体が流通可能な筒形状であり、前記コイルの励磁時に前記可動子の移動を受けて移動して前記弁座部材の前記窓部を開閉する弁体(120)とを備え、
前記可動子は、内部を流体が流通可能な筒形状であり、前記コイルの励磁時に前記流体通路内の流体流れ上流側に移動し、
前記弁座部材は、前記衝突部を回り込んで前記窓部より流入した流体を上流側に向かわせる逆流空間(137)を前記衝突部の裏面に形成する
ことを特徴とする流体制御弁(100)。
【請求項2】
前記ハウジングの前記流体通路の流体流れ上流側に配設され、流体の流入通路と、前記弁座部材を収容する弁座部材室(143)とを有する入口ポートを備え、
前記弁座部材室は、前記流入通路から流入して前記衝突部を回り込んだ流体が前記窓部に流入するよう、前記弁座部材の周囲に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体制御弁。
【請求項3】
前記ハウジングの前記流体通路内に前記弁体の外周側であって前記弁体を前記可動子側に付勢する部位に配置され、前記コイルの非励磁時に前記弁体を前記弁座部材の前記窓部の開閉を反転させる方向に移動させる付勢部材(150)を備える
ことを特徴とする請求項1若しくは2に記載の流体制御弁。
【請求項4】
前記弁座部材、前記弁体、前記ハウジングは樹脂材料製であり、
前記付勢部材は、その一端を前記弁体に係止され他端を前記弁座部材に係止される状態で、前記ハウジング内に配置され、
前記付勢部材は、前記コイルの励磁時の磁気回路外に配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の流体制御弁。
【請求項5】
前記弁体は、前記コイルの励磁時に前記可動子の移動を受けて流体流れ上流側に移動して前記弁座部材の前記窓部を塞ぎ、
前記付勢部材は、前記コイルの非励磁時に前記弁体を前記弁座部材の前記窓部が開く方向に移動させる
ことを特徴とする請求項3若しくは4に記載の流体制御弁。
【請求項6】
前記弁体は、前記コイルの励磁時に前記可動子の移動を受けて流体流れ上流側に移動して前記弁座部材の前記窓部を開き、
前記付勢部材は、前記コイルの非励磁時に前記弁体を前記弁座部材の前記窓部を閉じる方向に移動させる
ことを特徴とする請求項3若しくは4に記載の流体制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は流体流路の流通遮断を切り替える流体制御弁に関する。例えば、エンジンからエンジン冷却水をヒータコアに供給する流路の開閉切り替えに用いることが可能である。
【背景技術】
【0002】
エンジン冷却水の流路のオンオフ切り替えを行う流体制御弁としては、可動子が流体流路の導通遮断を行う弁体を兼ねている若しくは可動子と弁体が合体しているのが通常である。また、軸流式バルブの場合は、弁体が流体流路を遮断する際には、流体流れに抗して移動するのが通常である。
【0003】
特許文献1では、弁体が直接流体流れに抗して移動するのではなく、流体流路の中にバルブシートを配置し、流体をそのバルブシートに衝突させることが記載されている。そして、バルブシートの背面に弁体を配置している。
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の技術は、バルブシートを回り込んだ流体が逆流することなく下流側に流れるようにバルブシートを形成していた。即ち、バルブシートの形状がドロップ形状で、流体流れはバルブシートの上流側から下流側に連続して流れるようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許DE102016112406B4号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
バルブシートの形状をドロップ形状とするのは、流体流れを円滑にする上で望ましいようにも思われる。しかしながら、弁体がバルブシートに着座しようと移動する際には、流体流れの方向と弁体の移動方向とが逆となる。そのため、弁体は流体流れからの押圧力を受けつつ移動することとなり、弁体の移動に要する磁力も大きな磁力が求められることとなる。
【0007】
本開示は、弁体の移動時に流体流れの押圧力を極力受けないようにし、弁体の移動終了間際では寧ろ流体流れにより弁体の移動をスムーズにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1は、ボビンに多数回巻回されたコイルと、このコイルの外周側に配置されコイルの励磁時に磁気回路を生成するヨークと、コイルの内周側に配置されコイルの励磁時にヨークと共に磁気回路を生成するステータコアと、ステータコアと磁気ギャップを介して移動可能に配置されコイルの励磁時にヨークステータコアと共に磁気回路を生成する可動子と、コイル、ヨーク、ステータコア及びこの可動子を保持し、内部に流体通路を形成する筒形状のハウジングとを備えるソレノイド部材を用いている。
【0009】
また、本開示の第1は、ハウジングの流体通路の上流側に配置され、流体が流体通路に直接流入するのを防止する衝突部と、流体がこの衝突部を回り込んで流体通路に流入するのを許容する窓部とを備える弁座部材と、ハウジングの流体通路内でこの可動子の流体流れ上流側に、可動子と当接可能であって流体通路内を移動可能に配置され、内部を流体が流通可能な筒形状であり、コイルの励磁時に可動子の移動を受けて移動して弁座部材の窓部を開閉する弁体も備えている。
【0010】
そして、本開示の第1は、可動子は内部を流体が流通可能な筒形状であり、コイルの励磁時に流体通路内の流体流れ上流側に移動し、弁座部材は衝突部を回り込んで窓部より流入した流体を上流側に向かわせる逆流空間を衝突部の裏面に形成している。
【0011】
本開示の第1によれば、コイルの励磁時に可動子が流体通路内の流体流れ上流側に移動するので、弁体も上流側に移動することとなる。しかしながら、弁座部材に衝突部を設けて流体が流体通路に直接流入するのを防止し、弁座部材に窓部と設けて流体が衝突部を回り込んで流体通路に流入するようにしている。しかも、弁座部材の衝突部の裏面に衝突部を回り込んで窓部より流入した流体を逆流させる逆流空間を形成している。
【0012】
そのため、本開示の第1では、弁体が移動する際に受ける流体流れの押圧力を軽減できている。しかも、逆流空間を設けているので、窓部より逆流空間に向かう流体の流れのベクトルが弁体の移動方向にも合う。これらによって、本開示の第1では、より小さな磁力で弁体を移動させることが可能となる。
【0013】
本開示の第2は、ハウジングの流体通路の流体流れ上流側に配設され、流体の流入通路と、弁座部材を収容する弁座部材室とを有する入口ポートを備えている。そして、弁座部材室は、流入通路から流入して衝突部を回り込んだ流体が窓部に流入するよう、弁座部材の周囲に形成されている。弁座室を形成することで、流体が衝突部を回り込んで窓部に流入しやすくしている。窓部に流入する流体の流れ方向が、弁体の移動方向と反対とならないように弁座室が機能している。
【0014】
本開示の第3は、ハウジングの流体通路内に弁体の外周側であって弁体を可動子側に付勢する部位に、コイルの非励磁時に弁体を弁座部材の窓部の開閉を反転させる方向に移動させる付勢部材を配置している。弁体に流体の流れによる押圧力が掛かりにくくなっているので、コイルの非励磁時の弁体の移動を付勢部材で補っている。
【0015】
本開示の第4は、弁座部材、弁体、ハウジングを樹脂材料製としている。そして、付勢部材を、その一端が弁体に係止され他端が弁座部材に係止される状態で、ハウジング内に配置している。かつ、付勢部材を、コイルの励磁時の磁気回路外に配置している。付勢部材に金属製バネを用いても、付勢部材によってコイルの磁気回路が阻害されることは無い。
【0016】
本開示の第5は、弁体がコイルの励磁時に可動子の移動を受けて流体流れ上流側に移動して弁座部材の窓部を塞ぎ、付勢部材がコイルの非励磁時に弁体を弁座部材の窓部が開く方向に移動させるように構成している。また、本開示の第6は、弁体を、コイルの励磁時に可動子の移動を受けて流体流れ上流側に移動して弁座部材の窓部を開き、付勢部材をコイルの非励磁時に弁体を弁座部材の窓部を閉じる方向に移動させるように構成している。
【0017】
本開示の第5及び第6によれば、コイルの励磁と、弁体の移動による窓部の開閉とを適宜設定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の流体制御弁が用いられるエンジン冷却水システムを示す構成図である。
【
図3】
図2図示流量制御弁の閉弁状態を示す断面図である。
【
図6】本開示の流体制御弁の他の例の断面図である。
【
図7】
図6図示流量制御弁の開弁状態を示す断面図である。
【
図8】
図2図示流量制御弁の開弁時の流体流れを説明する断面図である。
【
図9】比較例の開弁時の流体流れを説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本開示の流体制御弁がエンジン10からのエンジン冷却水の流路の開閉を行う冷却水バルブ100として用いられた際のエンジン冷却水システムを示している。冷却水流路は、ラジエータ11側に流れるラジエータ側通路12と、ヒータコア13側に流れるヒータ側流路14に分岐する。分岐したラジエータ側流路12とヒータ側流路14はサーモスタット15の部位で合流し、エンジン10に戻る。このエンジン冷却水の流れはウォータポンプ16により作られる。
【0020】
ラジエータは、エンジン冷却水の放熱を行うもので、自動車走行時の走行風が当たるよう、エンジンルーム内の前方位置に配置される。ヒータコアは車室内の暖房を行うもので、図示しない冷房装置と共にエアコンユニット内に配置される。
【0021】
エンジン10の始動と共にウォータポンプ16が作動を開始し、エンジン冷却水の循環が始まるが、冷間時にはサーモスタット15がラジエータ側流路12を閉じているので、ラジエータ11での放熱は行われない。この状態で、エンジン10の早期暖機を図る際には、冷却水バルブ100がヒータ側流路14も閉じ、エンジン冷却水をエンジン10の内部のみで循環させる。
【0022】
エンジン冷却水の温度が60度程度まで上昇すると、サーモスタット15がラジエータ側流路12を開き始めて、ラジエータ11をエンジン冷却水が流通出来るようにする。サーモスタット15が全開となるのは80度程度である。これにより、エンジン10が高温になるのを防止する。このエンジン冷却水の温度が上昇した際の冷却水バルブ100の挙動は、エアコンユニットを制御する図示しないECUからの指示に基づく。冷房運転時で室内温度を上昇させる必要がない状態や、エンジン10の早期暖機運転が必要な状態では、閉弁状態となり、ヒータ側流路14を閉じる。それ以外は開弁状態となって、ヒータコア13に温水を供給する。
【0023】
図2は、冷却水バルブ100として用いる流体制御弁の開弁状態の断面図である。101はポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂材料製のボビンで、このボビン101にエナメル被覆銅線が多数回巻回されてコイル102が形成される。
【0024】
コイル102の外周側には、コイル102の励磁時に磁気回路を形成するヨーク103が配置されている。ヨーク103は鉄等の磁性材料製である。コイル102の内周側にも鉄等の磁性材料製のステータコア104が配置されている。ステータコア104は、ヨーク103と共にコイル102の励磁時に磁気回路を形成する部材である。
【0025】
105は、ステータコア104と磁気ギャップ106を介して配置される可動子で、この可動子105も鉄等の磁性材料製である。ボビン101及びヨーク103の内周にはステンレス製のスリーブ107が配置されており、可動子105はこのスリーブ107に沿って摺動する。可動子105は内径が14ミリメートル程度の円筒形状をしており、可動子内部流路105bをエンジン冷却水が流通する。
【0026】
上述のボビン101、コイル102、ヨーク103、ステータコア104やスリーブ107は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂材料製のハウジング110により保持されている。ハウジング110は、直径が5センチメートル程度で長さが6センチメートル程度の円筒形状をしており、内部にエンジン冷却水が流通する流体通路を形成している。上記可動子105はこのハウジング110の流体通路内に配置されることとなる。そして、ボビン101、コイル102、ヨーク103、ステータコア104、スリーブ107をハウジング110により保持して、内部に可動子105を配置した状態がソレノイド部材100aとなる
ハウジング110の流体通路内には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂材料製の弁体120も配置されている。弁体120は、
図4に示すように、中間にフランジ部121を外方に突出形成した円筒形状をしている。円筒形状の内部は、可動子105と同じく、エンジン冷却水が流通する。そして、フランジ部121よりエンジン冷却水流れの下流側の下流部122の弁体下流内部流路122aでは、内径は14ミリメートル程度であって、可動子105の内径と同様である。上流部123の弁体上流内部流路123aでは、その内径が下流部122に向けて徐々に狭まる形状である。
【0027】
弁体120は、下流部122の最も下流側に弁体120外周側のエンジン冷却水と内周側のエンジン冷却水とを流通可能とする流通溝124が周方向に等間隔離れて複数形成されている。また、弁体120の下流端125は可動子105の上流端105aと当接している。
【0028】
ハウジング110の上流側開口端111には弁座部材130が配設されている。弁座部材130は中間に弁座部材フランジ131を形成しており、この弁座部材フランジ131がハウジング110の上流側開口端111と当接する。弁座部材130の上流側には、エンジン冷却水がハウジング110の流体通路、より具体的には弁体120の上流部123の弁体上流内部流路123aに直接流入するのを防止する衝突部132が形成されている。衝突部132は直径が26ミリメートル程度の円盤形状をしており、後述する入口ポート140の流路内径より大きくなっている。
【0029】
衝突部132は2本の支柱133により弁座部材フランジ131と連結している。そして、衝突部132と弁座部材フランジ131との間は、支柱133が存在する部分を除いて窓部134が形成されている。衝突部132を回り込んだエンジン冷却水はこの窓部134より、弁体120の上流部123の内部流路に流入する。窓部134は、その窓部134を通過するエンジン冷却水に大きな流通抵抗を与えないよう、比較的大きく形成され、
図2における左右方向の幅が2~3ミリメートル程度となっている。
【0030】
衝突部132と窓部134との間には、幅が4ミリメートル程度の円筒状部136が形成されている。この円筒状部136によって、衝突部132の裏面に逆流空間137が形成される。円筒状部136と同じく4ミリメートル程度の深さを有し、直径が16~18ミリメートル程度の円柱状をしている。そして、この逆流空間137により、窓部134より弁座部材130内に流入したエンジン冷却水が上流側に流れるのを許容している。
【0031】
150は付勢部材で、耐食性を考慮してステンレス製であり、コイル状に巻かれている。付勢部材150の一端151は、弁座部材130の弁座部材フランジ131に当接している。弁座部材130の弁座部材フランジ131の下流側は円筒形状となって、付勢部材150の一端151を保持するガイド135として機能している。付勢部材150の他端152は、弁体120のフランジ部121と当接している。付勢部材150は、弁座部材フランジ131とフランジ部121に挟持されて圧縮され、弁体120を可動子105側に押し付ける付勢力を発生する。
【0032】
入口ポート140も弁座部材130と共に、ハウジング110の上流側開口端111に配設されている。この入口ポート140の上流側はエンジン冷却水の流入通路141を形成している。流入通路141の内径は、15ミリメートル程度で、可動子105や弁体120の下流部122内径(14ミリメートル程度)よりやや大きい。入口ポート140の上流側端部には、ヒータ側流路14をなすホースの抜け止めを行う入口側係止部142が外周方向に突出形成されている。
【0033】
入口ポート140の下流側には弁座部材130の衝突部132を収納する弁座部材室143が形成されている。弁座部材室143は流路断面積を大きくして、流入通路141から流入したエンジン冷却水が衝突部を回り込んで窓部に流入するのをガイドしている。換言すれば、弁座部材室143を設けることで、窓部134に向かうエンジン冷却水の流通抵抗が過大となるのを防いでいる。この入口ポート140も、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂材料でできている。
【0034】
弁座部材室143の下流側の端部は弁座部材130の弁座部材フランジ131によって閉じられている。この弁座部材フランジ131は、窓部134の下流側端部134aと同一の位置に形成されている。従って、弁座部材室143で衝突部132を回り込んだエンジン冷却水は、この弁座部材フランジ131によってガイドされ、径方向外側から内側に流れる。特に、窓部134の径方向内側には逆流空間137が形成されているので、衝突部132を回り込んだエンジン冷却水の流れの下流側に向かうベクトルが小さくなっている。
【0035】
ハウジング110の下流側開口端112には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂材料製の出口ポート160が配設されている。出口ポート160にはポートフランジ161が外周側に形成されて、ハウジング110の下流側開口端112を覆っている。出口ポート160の内部はエンジン冷却水の流出通路162をなしており、この流出通路162も内径は15ミリメートル程度である。
【0036】
出口ポート160の上流側の端面は可動子105を係止する可動子受け部163となっている。また、出口ポート160の上流側の端面には、可動子受け部163の間にポート流通溝164が形成されている。可動子105の外周とスリーブ107とのクリアランスを流れたエンジン冷却水はこのポート流通溝164より流出通路162に流れるようになっている。出口ポート160の下流側端部にも、ヒータ側流路14をなすホースの抜け止めを行う出口側係止部165が外周方向に突出形成されている。
【0037】
次に、以上の構成からなる冷却水バルブ100の組付け工程を説明する。
【0038】
まず、ボビン101上にコイル102を形成する。そして、コイル102の外周側にヨーク103、内周側にステータコア104とスリーブ107を配置した状態で、ハウジング110を二次成形する。
【0039】
ハウジング110の下流側開口端112から可動子105を挿入し、その状態で下流側開口端112と出口ポート160のポートフランジ161とをレーザー溶着して、下流側開口端112を塞ぐ。また、上流側開口端111側から、弁体120、付勢部材150及び弁座部材130を組み込み、付勢部材150を圧縮した状態で、かつ、弁座部材フランジ131を上流側開口端111と入口ポート140で挟持した状態で、入口ポート140とハウジング110の上流側開口端111との間をレーザー溶着して、組付けを終了する。
【0040】
組付けられた状態では、入口ポート140と円筒形状のハウジング110と出口ポート160との軸線が一致する。そのため、全体として一つの通路部材となり、ヒータ側流路14を構成する部材として、エンジンルーム内での配置が容易となる。
【0041】
このようにして組付けられた冷却水バルブ100の作動を次に説明する。
【0042】
上述の通り、冷却水バルブ100は図示しないエアコンユニットのECUからの指令に基づいて、ヒータ側流路14の開閉を行うものである。ECUからの指令がなく、コイル102に通電されていない状態では、コイル102は非励磁である。この状態では、付勢部材150の押圧力をフランジ部121に受けて、弁体120は可動子105側に押圧される。そのため、可動子105も付勢部材150の押圧力を受けて、出口ポート160の可動子受け部163に押圧される。
【0043】
この状態が、弁体120の開弁状態で、
図2に示す。入口ポート140の流入通路141から流入したエンジン冷却水は、弁座部材室143内で、弁座部材130の衝突部132を回り込み、弁座部材フランジ131にガイドされて径方向より窓部134に流入する。窓部134から弁座部材130に径方向より流入したエンジン冷却水は、軸方向に流れを変える。エンジン冷却水流れの主流Aは、ハウジング110の流体通路に流れ込む。具体的には、弁体120の上流部123の弁体上流内部流路123aに流入する。
【0044】
ただ、弁座部材130には窓部134に隣接して逆流空間137が形成されているので、窓部134から弁座部材130に流入したエンジン冷却水の一部Bは、この逆流空間137側に逆流する。このように、一部Bのエンジン冷却水の流れが逆流することで、主流Aの流れを弱めることができる。本開示の逆流空間137を備える弁座部材130は、逆流空間137を有さない単純な円盤状をした弁座部材と比較すると、主流Aの流れによる押圧力を半減することが可能である。例えば、弁体120が閉弁状態から開弁方向に移動する際、逆流空間137を備えない円盤状の弁座部材であれば、弁体120は、開弁直後には6.3ニュートン程度の押圧力を受ける。開弁終了時であっても、弁体120は、0.2ニュートン程度の押圧力を受ける。それに対し、本開示の逆流空間137を備える弁座部材130を用いれば、弁体120に加わる応圧力は、開弁直後でも3.6ニュートン程度の押圧力である。そして、開弁終了時に弁体120に加わる押圧力は0.1ニュートン程度に減少している。
【0045】
一部Bが逆流することで、エンジン冷却水の流れに乱れが生じるが、弁体上流内部流路123aでは内部流路の径が徐々に狭くなっているので、この部位でエンジン冷却水の流れは整流される。整流されたエンジン冷却水は下流に流れるが、弁体120の弁体下流内部流路122a、可動子105の可動子内部流路105b及び出口ポート160の流出通路162は略同径であるため、エンジン冷却水はスムーズに流れる。
【0046】
この開弁状態では、衝突部132によりエンジン冷却水が直線的に弁体上流内部流路123aに流れ込むことが無いため、弁体120や可動子105はエンジン冷却水の流圧を受けにくい構造である。そのため、上述の通り、付勢部材150によって、開弁状態を維持している。
【0047】
この開弁状態で、エンジン冷却水は、弁体上流内部流路123a、弁体下流内部流路122a、及び可動子内部流路105bを主に流れる。そのため、付勢部材150の保持される位置はエンジン冷却水の主流から外れており、付勢部材150がエンジン冷却水の流れに影響を及ぼすこともなく、逆に、エンジン冷却水の流れが付勢部材150の付勢力に影響を及ぼすこともない。
【0048】
上述の通り、エンジン冷却水の主流は、弁体上流内部流路123a、弁体下流内部流路122a、及び可動子内部流路105bであるが、弁体120の上流部123の外周と弁座部材130のガイド135の内周との間には0.1ミリメートルを超える程度のクリアランスがある。そのため、このクリアランスにも一部のエンジン冷却水は流入する。
【0049】
しかしながら、本開示では弁体120の下流部122に流通溝124を形成しているので、クリアランスより流入したエンジン冷却水は滞留することなく、可動子内部流路105b側に流れる。同様に、可動子105の外周とスリーブ107の内周とのクリアランスに入り込んだエンジン冷却水は、ポート流通溝164より出口ポート160の流出通路162側に流れる。
【0050】
エアコンユニットのECUよりヒータ側流路14を閉じる指令があると、コイル102に通電される。その結果、コイル102が励磁し、ステータコア104と可動子105との間の磁気ギャップ106に吸引力が生じる。この磁気吸引力は付勢部材150の付勢力より大きくなるように設定してあるので、可動子105はステータコア104側に移動する。可動子105の移動と共に、弁体も付勢部材150を圧縮しつつ移動する。この弁体120の移動は、弁体120の上流部123の先端123bが弁座部材130の衝突部132の裏面に当接するまで継続する。
【0051】
この際、弁体120の上流部123は、弁座部材130の窓部134を横切るように移動し、窓部134の開口面積を狭め、上流部123の先端が弁座部材130の衝突部132の裏面に当接した状態では、窓部134を完全に締め切っている。従って、弁体120の移動量は、窓部134の幅以上のストロークとなっている。
【0052】
また、弁体120の移動方向は、窓部134を横切る方向である。ここで、エンジン冷却水の流れ方向は、弁座部材フランジ131によって、窓部134に径方向外側から内側に向かう流れとなっている。そのため、弁体120はエンジン冷却水の流れ方向に対向することもなく、エンジン冷却水により大きな押圧力を受けることもない。
【0053】
特に、
図8に示すように、弁体120が窓部134を横切る中間位置にある状態では、弁体120の上流部123の先端123bが弁座部材フランジ131より上流側に位置している。かつ、弁座部材130の衝突部132の裏面には逆流空間137が形成されている。そのため、窓部134を通過するエンジン冷却水の流れ方向は、逆流空間137側に向かうこととなる。その結果、エンジン冷却水の流れ方向のうち、弁体120の移動を阻害する方向のベクトルは、弁体120の先端123bでは、少なくなる。エンジン冷却水の流れは逆流空間137から弁体120の上流部123に向かうこととなる。
【0054】
このように、弁体120の移動はエンジン冷却水の流れに抗するものではなく、移動時にエンジン冷却水の流れによる押圧力も、上記の通り半減できている。また、付勢部材150の付勢力には抗することになるが、付勢部材150の付勢力は開弁状態での弁体120及び可動子105の位置が安定していればよく、エンジン冷却水の流圧に比しても小さな力である。そのため、本開示によれば、弁体120の移動に必要な磁力を軽減することができる。上述の通り、閉弁時には窓部134の幅を超える移動ストロークが必要となるが、磁力を軽減しても必要ストロークの移動は可能である。
【0055】
比較例として示す
図9では、エンジン冷却水の流れ方向は、ドロップ形状をしたバルブシート180の外周に沿った流れ方向となる。そのため、バルブシート180に沿って流れるエンジン冷却水には、径方向外側から内側に向かうベクトルはあるものの、上流側から下流側に向かうベクトルが大きくなる。バルブ181がバルブシート180に着座しようとする際の移動は、エンジン冷却水の流れの上流側から下流側に向かうベクトルに抗した移動となるため、バルブ181の移動には、本開示に比べてより大きな磁力を必要とする。
【0056】
特に、
図9の比較例は、バルブシート180がドロップ形状であるため、上述した逆流空間137を備えない円盤状の弁座部材を用いた例と比較しても、上流側から下流側に向かうベクトルは大きい。そのため、本開示の逆流空間137を備える弁座部材130と
図9図示比較例のバルブシート180とを対比すれば、本開示の逆流空間137を備える弁座部材130の効果は更に顕著となる。弁体120に加わるエンジン冷却水の流れによる押圧力は、
図9図示比較例のバルブシート180に対して、本開示の逆流空間137を備える弁座部材130を用いれば、半減より更に低下することができる。
【0057】
本開示において、弁体120が窓部134を完全に閉じた閉弁状態を
図3に示す。この状態で、弁体120の上流部123の外周と弁座部材130のガイド135の内周との間のクリアランスより僅かなエンジン冷却水は流れるが、ヒータコア13により空気を加熱するには不十分であり、エアコンユニットの制御に悪影響を及ぼすものではない。即ち、エアコンユニットとしては所定の温度に設定することができる。また、エンジン制御の観点でも不必要にエンジン冷却水を循環させるものではないので、エンジンの燃費悪化に影響を与えることはない。
【0058】
この状態で、付勢部材150は可動子105と当接しないように配置されている。そのため、この閉弁状態で、ヨーク103、可動子105及びステータコア104により形成される磁気回路に付勢部材150が位置することはない。磁気回路内に付勢部材150が存在しない結果、付勢部材150のスペースに伴う磁気効率の悪化も防ぐことができる。
【0059】
また、付勢部材150が可動子105と当接しない構造とするために弁体120を用いているが、弁体120は樹脂材料製である。そのため、可動子105が弁体機能を兼ねることなく、別部品として弁体120を採用したとしても、重量の大幅増加をきたすことはない。
【0060】
なお、可動子105と弁体120とは、開弁状態と閉弁状態とに拘わらず常に当接している。即ち、開弁状態では付勢部材150に押圧されて、弁体120の下流端125が可動子105の上流端105aに当接している。一方、閉弁状態ではコイル102の磁力で可動子105が、可動子105の上流端105aが弁体120の下流端125に当接しつつ、付勢部材150側に移動している。そのため、鉄等の磁性材料製の可動子105と樹脂材料製の弁体120との2部品としても、両者間を圧入やカシメ等の固定手段で固定する必要がなく、追加の固定工数は不要となる。
【0061】
また、可動子105と弁体120とを2部品としているので、却ってハウジング110の流体通路での移動がスムーズになっている。上述の通り、弁体120の上流部123の外周と弁座部材130のガイド135の内周との間にはクリアランスがあるので、弁体120はこのクリアランス内で多少傾く可能性がある。しかし、弁体120は可動子105とは別部品であるので、弁体120の傾きが可動子105の移動に悪影響を及ぼすことはない。同様に、可動子105がスリーブ107とのクリアランス内で傾いたとしても、弁体120の開弁動作や閉弁動作に悪影響を及ぼすことはない。
【0062】
次に、本開示の他の実施例を
図6及び
図7を用いて説明する。上述の実施例では、コイル102の非励磁時に弁体120が窓部134を開く常開弁であったが、
図6及び
図7に示すように常閉弁を用いることも可能である。
【0063】
図6はコイル102の非励磁状態を示すが、この状態では磁気ギャップ106は広く、弁体120及び可動子105は付勢部材150の付勢力によって図の右側に付勢されている。この状態で、弁体120の上流部123の最上流位置に形成されたシャッタ部128が、弁座部材130の窓部134を閉じている。
【0064】
コイル102が励磁すると、
図7に示すように、可動子105は磁気ギャップ106が縮小する方向に移動する。付勢部材150の付勢力に打ち勝って可動子105及び弁体120が図の左側に変移する。この状態で、弁体120の上流部123にシャッタ部128に隣接して形成された開口部129が、弁座部材130の窓部134と連通する。その結果、入口ポート140から弁座部材室143に流入したエンジン冷却水は、窓部134と開口部129から弁体120の上流部123の弁体上流内部流路123aに流入する。
【0065】
この開口部129が窓部134を横切る際に、衝突部132を回り込んだエンジン冷却水は開口部129に当接するが、前述の実施例と同様、エンジン冷却水の流れ方向は、径方向外側から内側に向かう流れとなっている。また、エンジン冷却水は開口部129の下流側の面129aのみでなく、上流側の面129bにも当たるので、両方の面でエンジン冷却水の流れによる押圧力を相殺し、弁体120の移動を阻害する力を弱めることができる。更に、本開示では開口部129の上流側に逆流空間137を形成している。
【0066】
上記の各利点が相俟って、この実施例においても、弁体120の移動に必要なコイルの励磁力を小さなものとすることができている。そして、小さな励磁力でよいのは、弁体120の移動中に限らず、
図7で示す開弁状態を維持する際でも同様である。
【0067】
図6及び
図7の例では、弁体上流内部流路123aの内径が徐々に狭くなる形状ではないが、窓部134と開口部129から流入したエンジン冷却水は、弁体120の弁体下流内部流路122a、可動子105の可動子内部流路105b及び出口ポート160の流出通路162をスムーズに流れることは、
図2及び
図3の実施例に劣らない。
【0068】
以上の実施例は本開示の望ましい例であるが、本開示は種々に変更可能である。寸法や材質は要求仕様に応じて適宜変更できる。
【0069】
付勢部材150として、上記の開示ではコイルバネを用いたが、他の弾力性材料を使用することも可能である。また、上記の開示では、付勢部材150を弁体120のフランジ部121と弁座部材フランジ131とで挟持構造としたが、弁体に付勢力が加わる構造であればよい。付勢部材150をハウジング110に係止することも可能である。
【0070】
付勢部材150を用いることは、エンジン冷却水の流れの圧力を直接受けない本開示において望ましい。ただ、本開示の構成を採用した場合でも、エンジン冷却水の流れの圧力が全く無くなる訳ではないので、可能な場合付勢部材150を廃止しても良い。
【0071】
上記の開示では、衝突部132を円盤形状としたが、衝突部132はエンジン冷却水の主流流れがハウジング110の流体通路に直接流入することを防止できればよく、形状は種々に変更可能である。窓部134の形状も閉弁時に弁体120の上流部123が横切ることが出来る形状であればよく、
図5図示の四角形状に限らない。支柱133の数も3本以上としても良い。
【0072】
逆流空間137の形状も種々変更可能である。弁座部材130が円形形状であるため、衝突部132と円筒状部136の厚さを一定にすれば、逆流空間137の形状は円柱形状となる。そのため、樹脂成型上は逆流空間137を円柱形状とするのが望ましい。ただ、逆流空間137は、窓部134より弁座部材130内に流入したエンジン冷却水の流れに上流側に向かう流れを生じさせることができる空間であるため、それに適した形状を適宜設計することができる。
【0073】
上記の開示では、入口ポート140に弁座部材室143を形成したが、弁座部材130はエンジン冷却水の流路内にあればよい。従って、弁座部材130をハウジング110内に収納することも可能である。その場合には、弁座部材室はハウジング110内に形成される。
【0074】
図3の例では、コイル102の励磁時に弁体120が弁座部材130に当接して可動子105の移動が規制されていたが、必ずしも当接しなくてもよい。例えば、
図7の例ではコイル102の励磁時であっても、弁体120は弁座部材130とは当接しておらず、弁体120及び可動子105の移動は規制されていない。
【0075】
上記の開示では、出口ポート160に可動子受け部163を形成したが、可動子105はエンジン冷却水の流れ方向下流側の移動が規制されていればよい。移動を規制する構造を出口ポート160以外に形成することも可能である。例えば、ハウジング110に移動を規制する機構を設けることも可能である。
【0076】
必要に応じ、弁体120の上流部123の先端と、弁座部材130の衝突部132の裏面との当接部位に、当接時の衝撃を緩和する緩衝材を配置するようにしても良い。ゴム等の弾性材を用いることで、併せてシール性能を向上させることができる。また、弁体120が窓部134を閉じた際に、弁座部材130のガイド135が弁体120のフランジ部121と当接するようにしても良い。更に、弁座部材130のガイド135が弁体120のフランジ部121と当接するようにした場合には、ガイド135若しくはフランジ部121にゴム等の弾性材を配置してシール性能を高めるようにしてもよい。
【0077】
また、上述の例では本開示の流体制御弁を冷却水バルブ100として用いたが、冷却水バルブ100以外の用途に用いることは勿論可能である。用途としても、開弁状態と閉弁状態の単純なオンオフ切り替えの他に、開弁状態と閉弁状態との間をデューティ比が0%と100%との間で連続して変化するようにして、流量を可変制御するようにしても良い。
【0078】
更に、上述の例では、可動子105と弁体120とは常時当接する構造としていたが、当接可能であればよい。コイル102の非励磁時には必ずしも当接している必要はなく、コイル102の励磁時に可動子105と共に弁体120が移動できれば良い。
【符号の説明】
【0079】
100 冷却水バルブ
102 コイル
103 ヨーク
104 ステータコア
105 可動子
110 ハウジング
120 弁体
130 弁座部材
132 衝突部
134 窓部
137 逆流空間
143 弁座部材室