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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151124
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】鉄塔基礎及びその構築方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/42 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
E02D27/42 B
E02D27/42 C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054044
(22)【出願日】2021-03-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000221546
【氏名又は名称】東電設計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩本 亜理
(72)【発明者】
【氏名】田邉 成
【テーマコード(参考)】
2D046
【Fターム(参考)】
2D046DA35
2D046DA36
(57)【要約】
【課題】鉄塔基礎の構築に係る工程全体の簡略化を図ることができる鉄塔基礎及びその構築方法を提供する。
【解決手段】鉄塔基礎10の一部を構成する外側ピース30において、内周面30Aの周方向から見た凹部46の断面形状が、脚材24側に拡幅された等脚台形状とされている。このため、外側ピース30の製造時において、凹部46の周辺部が固まるときに、当該周辺部に空気が留まることを抑制し、製造された外側ピース30における凹部46の周辺に巣が発生することを抑制することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄塔の鉄骨脚部の一部を構成すると共に設置面状に配置された脚材と、
前記鉄塔の高さ方向から見て前記脚材を囲むように配置され、当該脚材側からの圧力を支持可能とされたプレキャストコンクリート製の外側ピースと、
前記脚材と前記外側ピースとの間に介在し、かつ当該脚材及び当該外側ピースに密着状態で設けられたコンクリート製の介在部と、
を有し、
前記外側ピースの内周面には、前記コンクリートが充填されると共に、当該内周面の周方向から見た断面形状が当該脚材側に拡幅された等脚台形状の凹部が形成されている、
鉄塔基礎。
【請求項2】
前記凹部は、当該凹部における前記高さ方向上側の部分を構成する上面部と、当該凹部における当該高さ方向下側の部分を構成する下面部と、当該上面部と当該下面部とを当該高さ方向に繋ぐ側面部と、を備え、
前記周方向から見て前記上面部と前記側面部との成す角の補角及び前記下面部と当該側面部との成す角の補角が35度よりも大きく55度よりも小さい角度に設定されている、
請求項1に記載の鉄塔基礎。
【請求項3】
前記外側ピースにおける前記高さ方向上側の部分には、軸方向を当該高さ方向とされた筒状の上側部材が複数埋め込まれており、
前記上側部材は、前記高さ方向上側から見て一部が露出すると共に当該上側部材の内周面には、雌ねじ部が設けられている、
請求項1又は請求項2に記載の鉄塔基礎。
【請求項4】
前記外側ピースは、前記高さ方向に複数連なって配置されると共に、
軸方向を前記高さ方向とされた筒状とされ、当該高さ方向下側から見て一部が露出すると共に当該高さ方向において前記上側部材と重なるように配置された状態で前記外側ピースにおける前記高さ方向下側の部分に埋め込まれた複数の下側部材と、
前記高さ方向上側の部分が前記下側部材に挿入可能な挿入部とされ、当該高さ方向下側の部分が前記雌ねじ部に係合可能な雄ねじ部とされた複数のガイド部材と、
をさらに有する、
請求項3に記載の鉄塔基礎。
【請求項5】
鉄塔の鉄骨脚部の一部を構成する脚材を設置面上に載置し、
内周側からの圧力を支持可能な外側ピースを当該外側ピースにおける前記鉄塔の高さ方向上側の部分に複数設けられた上側部材に取り付けられた吊具を用いて前記脚材を囲むように配置し、
前記吊具が外された前記上側部材に取り付けられた治具で前記脚材の位置を調整し、
前記脚材と前記外側ピースとの間に生コンクリートを打設する、
鉄塔基礎の構築方法。
【請求項6】
前記外側ピースを前記高さ方向に重ねるときに、
前記高さ方向下側の前記外側ピースの上側部材にガイド部材の当該高さ方向下側の部分を取り付け、
前記高さ方向上側の前記外側ピースにおける当該高さ方向下側の部分に複数設けられた筒状の下側部材に前記ガイド部材の当該高さ方向上側の部分を挿入する、
請求項5に記載の鉄塔基礎の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄塔基礎及びその構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、鉄塔基礎構造に関する発明が記載されている。この鉄塔基礎構造では、鉄塔の脚材と一体的に設けられた内側ピースを杭の上面に配置することで、脚材の位置決めを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-94457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記先行技術では、脚材が鋼材で構成されると共に、内側ピースがプレキャストコンクリート製とされており、脚材と内側ピースとが異なる材質で構成されている。このため、脚材を製造した後に内側ピースを製造する必要があり、脚材と内側ピースとを並行して製造することができない。
【0005】
また、上記先行技術では、内側ピースを囲むように円筒状の外側ピースが配置されており、この外側ピースの内周面には、凹部が形成されている。そして、この凹部の断面形状は、内周面の周方向から見て矩形状とされている。
【0006】
このため、上記先行技術では、外側ピースの製造時において、凹部の周辺部に空気が溜まり易くなり、製造された外側ピースにおける凹部の周辺に巣が発生することが考えられる。その結果、上記先行技術では、外側ピースの凹部周辺の修正作業が発生し、外側ピースの製造にかかる時間が長くなることが考えられる。
【0007】
したがって、上記先行技術では、鉄塔基礎の構築に係る工程全体の簡略化を図るという点において改善の余地がある。
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、鉄塔基礎の構築に係る工程全体の簡略化を図ることができる鉄塔基礎及びその構築方法を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様に係る鉄塔基礎は、鉄鉄塔の鉄骨脚部の一部を構成すると共に設置面状に配置された脚材と、前記鉄塔の高さ方向から見て前記脚材を囲むように配置され、当該脚材側からの圧力を支持可能とされたプレキャストコンクリート製の外側ピースと、前記脚材と前記外側ピースとの間に介在し、かつ当該脚材及び当該外側ピースに密着状態で設けられたコンクリート製の介在部と、を有し、前記外側ピースの内周面には、前記コンクリートが充填されると共に、当該内周面の周方向から見た断面形状が当該脚材側に拡幅された等脚台形状の凹部が形成されている
【0010】
第1の態様に係る構造物の鉄塔基礎によれば、鉄塔の鉄骨脚部の一部が脚材で構成されており、当該脚材は、接地面上に配置されている。また、脚材の周辺には、プレキャストコンクリート製の外側ピースが、鉄塔の高さ方向から見て脚材を囲むように配置されている。そして、脚材と外側ピースとの間には、当該脚材及び当該外側ピースと密着状態で設けられたコンクリート製の介在部が介在している。
【0011】
このため、鉄塔に懸架された電線等に起因する引き上げ荷重等が脚材に作用すると、脚材側から外側ピース側に介在部を介して圧力が作用することとなる。そして、この圧力は、外側ピースによって支持することができる。
【0012】
また、本態様では、外側ピースの内周面に介在部を構成するコンクリートが充填された凹部が設けられており、当該介在部には、外側ピース側に突出した突起部が設けられた状態となっている。このため、脚材と外側ピースとが相対移動しようとするときに介在部に作用するせん断力を、当該介在部に設けられた突起部によって支持することができる。
【0013】
ところで、外側ピースに設けられた凹部の断面形状が、外側ピースの内周面の周方向から見て矩形状とされていると、外側ピースの製造時において、凹部の周辺部に空気が溜まり易くなり、製造された外側ピースにおける凹部の周辺に巣が発生し、その結果、外側ピースの凹部周辺の修正作業が発生することが考えられる。
【0014】
ここで、本態様では、外側ピースの内周面の周方向から見た凹部の断面形状が、脚材側に拡幅された等脚台形状とされている。このため、外側ピースの製造時において、凹部の周辺部が固まるときに、当該周辺部に空気が留まることを抑制し、製造された外側ピースにおける凹部の周辺に巣が発生することを抑制することができる。その結果、本態様では、外側ピースにおける凹部周辺の巣の発生に起因する外側ピースの修正作業の発生を抑制することができる。
【0015】
第2の態様に係る鉄塔基礎は、第1の態様に係る鉄塔基礎において、前記凹部は、当該凹部における前記高さ方向上側の部分を構成する上面部と、当該凹部における当該高さ方向下側の部分を構成する下面部と、当該上面部と当該下面部とを当該高さ方向に繋ぐ側面部と、を備え、前記周方向から見て前記上面部と前記側面部との成す角の補角及び前記下面部と当該側面部との成す角の補角が35度よりも大きく55度よりも小さい角度に設定されている。
【0016】
第2の態様に係る鉄塔基礎によれば、外側ピースの凹部における鉄塔の高さ方向上側の部分が上面部で構成されており、当該凹部における当該高さ方向下側の部分が下面部で構成されている。そして、上面部と下面部とが側面部で鉄塔の高さ方向に繋がれている。
【0017】
ところで、脚材に作用する当該脚材の延在方向の荷重によって、介在部には、当該延在方向にせん断力が作用する。そして、モールの応力円によれば、介在部に上述したようにせん断力が作用することで、当該介在部には、脚材の延在方向に対して45度の方向に主応力が発生することとなる。
【0018】
また、上記主応力を支持するにあたって、外側ピースには、当該主応力の作用方向と直交する支持面が設けられていることが好ましく、当該支持面と脚材の延在方向との成す角度は、45度となる。
【0019】
一方で、鉄塔の構成に応じて、脚材の延在方向は、鉄塔の高さ方向すなわち鉛直方向に対してプラスマイナス10度程度傾くことが考えられる。このため、上記支持面と鉛直方向との成す角度は、35度よりも大きく55度よりも小さい角度に収まっていることが好ましい。
【0020】
ここで、本態様では、外側ピースの内周面の周方向から見て凹部の上面部と凹部の側面部との成す角の補角及び凹部の下面部と当該側面部との成す角の補角が、35度よりも大きく55度よりも小さい角度に設定されている。このため、上面部及び下面部と鉛直方向との成す角度が、35度よりも大きく55度よりも小さい角度に設定され、その結果、上面部及び下面部を上記主応力の支持面として機能させることができる。したがって、本態様では、介在部に対して上記主応力が影響を及ぼすことを抑制し、鉄塔の設置後において、鉄塔基礎に当該主応力に起因する補修作業が発生することを抑制することができる。
【0021】
第3の態様に係る鉄塔基礎は、第1の態様又は第2の態様に係る鉄塔基礎において、前記外側ピースにおける前記高さ方向上側の部分には、軸方向を当該高さ方向とされた筒状の上側部材が複数埋め込まれており、前記上側部材は、前記高さ方向上側から見て一部が露出すると共に当該上側部材の内周面には、雌ねじ部が設けられている。
【0022】
第3の態様に係る鉄塔基礎によれば、外側ピースにおける鉄塔の高さ方向上側の部分に、軸方向を当該高さ方向とされた筒状の上側部材が複数埋め込まれている。そして、上側部材は、鉄塔の高さ方向上側から見て一部が露出していると共に、その内周面に雄ねじ部が設けられている。
【0023】
このため、本態様では、鉄塔基礎の構築に係る工程において、外側ピースを設置するときに、上側部材に吊具を取り付け、当該吊具を用いて外側ピースを容易に移動させることができる。
【0024】
第4の態様に係る鉄塔基礎は、第3の態様に係る鉄塔基礎において、前記外側ピースは、前記高さ方向に複数連なって配置されると共に、軸方向を前記高さ方向とされた筒状とされ、当該高さ方向下側から見て一部が露出すると共に当該高さ方向において前記上側部材と重なるように配置された状態で前記外側ピースにおける前記高さ方向下側の部分に埋め込まれた複数の下側部材と、前記高さ方向上側の部分が前記下側部材に挿入可能な挿入部とされ、当該高さ方向下側の部分が前記雌ねじ部に係合可能な雄ねじ部とされた複数のガイド部材と、をさらに有している。
【0025】
第4の態様に係る鉄塔基礎によれば、外側ピースが鉄塔の高さ方向に複数連なって配置されている。
【0026】
ところで、外側ピースを配置するにあたって、鉄塔の高さ方向に隣接する外側ピースの位置決めを容易に行えることが好ましい。
【0027】
ここで、本態様では、外側ピースにおける鉄塔の高さ方向下側の部分に、複数の下側部材が埋め込まれている。そして、下側部材は、軸方向を鉄塔の高さ方向とされた筒状とされており、当該高さ方向下側から見て一部が露出すると共に、当該高さ方向において上側部材と重なるように配置されている。
【0028】
また、本態様では、複数のガイド部材を備えており、当該ガイド部材は、鉄塔の高さ方向上側の部分が下側部材に挿入可能な挿入部とされており、当該高さ方向下側の部分が上側部材の雌ねじ部に係合可能な雄ねじ部とされている。
【0029】
このため、本態様では、外側ピースを設置するときに、鉄塔の高さ方向下側の外側ピースに設けられた上側部材にガイド部材を取り付け、当該高さ方向上側の外側ピースに設けられた下側部材に当該ガイド部材の挿入部を挿入することで、当該高さ方向に隣接する外側ピースの位置決めを容易に行うことができる。
【0030】
第5の態様に係る鉄塔基礎の構築方法は、鉄塔の鉄骨脚部の一部を構成する脚材を設置面上に載置し、内周側からの圧力を支持可能な外側ピースを当該外側ピースにおける前記鉄塔の高さ方向上側の部分に複数設けられた上側部材に取り付けられた吊具を用いて前記脚材を囲むように配置し、前記吊具が外された前記上側部材に取り付けられた治具で前記脚材の位置を調整し、前記脚材と前記外側ピースとの間に生コンクリートを打設する。
【0031】
第5の態様に係る鉄塔基礎の構築方法によれば、鉄塔の鉄骨脚部の一部を構成する脚材を設置面上に載置する。そして、内周側からの圧力を支持可能な外側ピースを、脚材を囲むように配置し、当該と当該外側ピースとの間に生コンクリートを打設する。このため、本態様では、脚材側から外側ピース側に作用する圧力を外側ピースによって支持することができる
【0032】
また、本態様では、外側ピースにおける鉄塔の高さ方向上側の部分に複数設けられた上側部材に吊具を取り付け、当該吊具を用いて外側ピースを容易に移動させることができる。
【0033】
さらに、本態様では、吊具が外された上側部材に治具を取り付け、当該治具で脚材の位置を調整することができるため、当該脚材の位置決めの精度を高めることができる。
【0034】
第6の態様に係る鉄塔基礎の構築方法は、第5の態様に係る鉄塔基礎の構築方法において、前記外側ピースを前記高さ方向に重ねるときに、前記高さ方向下側の前記外側ピースの上側部材にガイド部材の当該高さ方向下側の部分を取り付け、前記高さ方向上側の前記外側ピースにおける当該高さ方向下側の部分に複数設けられた筒状の下側部材に前記ガイド部材の当該高さ方向上側の部分を挿入する。
【0035】
第6の態様に係る鉄塔基礎の構築方法によれば、外側ピースを鉄塔の高さ方向に重ねるときに、当該高さ方向下側の外側ピースに設けられた複数の上側部材にガイド部材の当該高さ方向下側の部分を取り付ける。そして、鉄塔の高さ方向上側の外側ピースにおける当該高さ方向下側の部分に複数設けられた筒状の下側部材に、ガイド部材の当該高さ方向上側の部分を挿入する。このため、本態様では、外側ピースを設置するときに、鉄塔の高さ方向に隣接する外側ピースの位置決めを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0036】
以上説明したように、本発明に係る鉄塔基礎及びその構築方法は、鉄塔基礎の構築に係る工程全体の簡略化を図ることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本実施形態に係る鉄塔基礎の外側ピースの構成を模式的に示す断面図(図4の1-1線に沿って切断した状態を示す断面図)である。
図2】本実施形態に係る鉄塔基礎の外側ピースの要部の構成を模式的に示す拡大断面図(図1の2点鎖線で囲まれた部分の拡大図)である。
図3】本実施形態に係る鉄塔基礎の脚材の構成を模式的に示す斜視図である。
図4】本実施形態に係る鉄塔基礎の構成を模式的に示す平面図である。
図5】本実施形態に係る鉄塔基礎の構成を模式的に示す断面図である。
図6】本実施形態に係る鉄塔基礎を備えた鉄塔の構成を模式的に示す側面図である。
図7】本実施形態に係る鉄塔基礎の構築方法の工程の一部を模式的に示す斜視図である。
図8】本実施形態に係る鉄塔基礎の構築方法の工程の一部を模式的に示す平面図である。
図9】本実施形態に係る鉄塔基礎の構築に用いる治具の構成を模式的に示す側面図(図8の9方向矢視図)である。
図10】本実施形態に係る鉄塔基礎の構築方法の各工程を模式的に示しており、(A)は第1工程を示しており、(B)は第2工程を示しており、(C)は第3工程を示しており、(D)は第4工程を示している。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図1図10を用いて、本発明に係る鉄塔基礎及びその構築方法(施工方法)の実施形態の一例について説明する。
【0039】
図6に示されるように、本実施形態に係る「鉄塔基礎10(以下、単に基礎10と称する)」を備えた「鉄塔12」は、平地に建設されていると共に、複数の主柱材14、複数の水平材16、複数の斜材18及び主柱材14と斜材18とに架け渡された複数の主柱材用補助材20を含んで構成されており、4本の「鉄骨脚部22」を備えている。なお、以下では、特にことわりのない限り、鉄塔12の高さ方向を単に高さ方向と称することとする。また、鉄塔12の高さ方向は、鉛直方向と一致している。
【0040】
図5に示されるように、基礎10は、鉄骨脚部22の一部を構成する「脚材24」を設置地盤26に対して支持しており、杭28、「外側ピース30」及び「介在部32」を含んで構成されている。
【0041】
杭28は、設置地盤26に埋設されており、コンクリートで構成された高さ方向に延びる円柱状の本体部34と、主な部分が本体部34に埋設されると共に高さ方向に延びる複数の杭主筋36とを含んで構成されている。なお、杭主筋36は、図4にも示されるように、高さ方向から見て杭28の軸心を中心とする円周上に脚材24を囲むように配置されている。また、本体部34の杭頭部34Aには、モルタルによって杭頭処理が施されており、その設置面としての「上面34A1」は、均されて平面状とされている。
【0042】
一方、脚材24は、図3及び図4に示されるように、山形鋼で構成された本体部38と、平型鋼で構成された基部40とが、溶接等による図示しない接合部で接合されることでその主な部分が構成されている。より詳しくは、本体部38には、その延在方向に沿って山形鋼で構成された複数の支圧板42が、図示しない取付部材で取り付けられている。また、本実施形態では、本体部38と基部40との相対位置関係は、脚材24の設置位置と鉄塔12の構成との相関関係等に基づいて脚材24の製造時に設定されている。なお、図4には、本体部38等の構成を理解し易くするため、支圧板42を図示していない。
【0043】
基部40は、高さ方向から見て八角形の板状とされている。また、基部40と、杭28の上面34A1との間には、図示しない据付台が配置されており、この据付台によって基部40が高さ方向下側から支持されている。
【0044】
外側ピース30は、その主な部分がプレキャストコンクリート製とされており、図1に示されるように、軸方向を高さ方向とされた円筒状に構成されている。そして、外側ピース30は、図4にも示されるように、高さ方向から見て杭主筋36及び脚材24を囲むように配置されると共に、高さ方向に複数(本実施形態では、一例として2つ)連なって配置されている。
【0045】
この外側ピース30の内部には、高さ方向から見て円環状に延びるフープ筋44が、高さ方向に複数配置されている。これにより、外側ピース30は、その内周側からの圧力を支持することが可能とされている。なお、これらのフープ筋44は、高さ方向に延在する図示しない縦筋で連結されている。また、フープ筋44は、スパイラル筋とされていてもよい。
【0046】
図5に戻り、介在部32は、脚材24と外側ピース30との間にコンクリートが充填されることで構成されており、脚材24及び外側ピース30と密着状態とされている。なお、図4には、杭28等の構成を理解し易くするため、介在部32を図示していない。
【0047】
ここで、本実施形態では、図1に示されるように、外側ピース30の「内周面30A」に、複数の「凹部46」が設けられている点に第1の特徴がある。また、外側ピース30の高さ方向上側の部分には、複数の「上側部材48」が埋め込まれており、外側ピース30の高さ方向下側の部分には、複数の「下側部材50」が埋め込まれている点に第2の特徴がある。さらに、高さ方向に連なる外側ピース30が複数の「ガイド部材52」で位置決めされている点に第3の特徴がある。
【0048】
凹部46は、図4にも示されるように、高さ方向から見て外側ピース30の内周面30Aの周方向に沿う環状に形成されており、高さ方向に複数(本実施形態では、一例として3つ)配置されている。
【0049】
この凹部46は、図2にも示されるように、内周面30Aの周方向から見た断面形状が、脚材24側に拡幅された等脚台形状とされている。そして、凹部46は、その高さ方向上側の部分を構成する「上面部46A」と、その高さ方向下側の部分を構成する「下面部46B」と、上面部46Aと下面部46Bとを高さ方向に繋ぐ「側面部46C」とを備えている。
【0050】
より詳しくは、内周面30Aの周方向から見て、上面部46Aと側面部46Cとの成す角θ1の補角φ1及び下面部46Bと側面部46Cとの成す角θ2の補角φ2が、35度よりも大きく55度よりも小さい角度に設定されるようになっている。なお、本実施形態では、一例として、補角φ1及び補角φ2が、それぞれ45度に設定されている。
【0051】
また、凹部46に介在部32を構成するコンクリートが充填されることで、介在部32の外側ピース30側には、複数の突起部54が形成された状態となっている(図5参照)。なお、図5では、外側ピース30とその周辺部材との関係を理解し易くするため、凹部46の断面形状を矩形状にして図示している。
【0052】
一方、上側部材48は、図4に示されるように、高さ方向から見て同一円周上に等間隔で4つ配置されると共に、外側ピース30の成形時において、外側ピース30と一体化されている。
【0053】
この上側部材48は、図2にも示されるように、軸方向を高さ方向とされると共に高さ方向上側に開放された有底円筒状とされており、高さ方向上側から見て一部が露出すると共に、その内周面には、「雌ねじ部48A」が設けられている。そして、上側部材48には、種々の部品を取り付けることが可能とされている。なお、上側部材48の外周面には、外側ピース30に対する抵抗となる凹凸部が設けられていてもよい。また、上側部材48の高さ方向下側の部分には、上側部材48に作用する引き上げ力を支持可能な異形鉄筋が溶接されていてもよい。
【0054】
詳しくは、図7に示されるように、上側部材48には、吊具としての「アイボルト56」を取り付け可能とされており、外側ピース30の設置時において、上側部材48に取り付けられたアイボルト56を用いて、外側ピース30を移動可能とされている。なお、図7には、アイボルト56と外側ピース30と関係を理解し易くするため、脚材24及び杭主筋36等を図示していない。
【0055】
また、図8及び図9に示されるように、上側部材48には、脚材24の位置決めに用いられる「治具58」を取り付け可能とされている。詳しくは、治具58は、一対のベース部60、一対の移動部62、一対の単管パイプ64、一対の支持棒66及び一対のパイプジョイント68を備えている。
【0056】
ベース部60は、溝形鋼で構成されており、脚材24の位置決め時において外側ピース30の上面部30Bに当接される下壁部60Aと、下壁部60Aから延出された一対の縦壁部60Bとを備えている。また、下壁部60Aには、ベース部60の長手方向に間隔をあけて一対の被挿通部70が形成されている。そして、被挿通部70の高さ方向上側から、締結部材72が被挿通部70に挿通されて、上側部材48に締結されることで、ベース部60を外側ピース30に固定可能とされている。
【0057】
移動部62は、固定部74と、パイプ支持部76とを含んで構成されている。詳しくは、固定部74は、溝形鋼で構成されており、上壁部74Aと、上壁部74Aから延出された一対の縦壁部74Bとを備えると共に、ベース部60に高さ方向上側から嵌合可能とされている。
【0058】
また、一対の縦壁部74Bには、それぞれ図示しない雌ねじ部が設けられている。そして、脚材24の位置決め時において、固定部74がベース部60に嵌合された状態で、縦壁部74Bの雌ねじ部に締結部材78が締結されると、締結部材78によって縦壁部74Bが押圧され、移動部62がベース部60に対して位置決めされるようになっている。なお、締結部材78と縦壁部74Bとの締結が解除された状態では、移動部62をベース部60に沿って移動させることが可能とされている。
【0059】
一方、パイプ支持部76は、固定部74の上壁部74Aの板厚方向に延在する円筒状とされており、一方の端部76Aが上壁部74Aに溶接等による図示しない接合部で接合されている。そして、パイプ支持部76は、移動部62がベース部60に取り付けられた状態において、固定部74から高さ方向上側に延出された状態となっている。また、パイプ支持部76の他方の端部76Bには、パイプ支持部76の周方向に沿って複数の図示しない雌ねじ部が設けられている。
【0060】
単管パイプ64は、脚材24の位置決め時において、移動部62のパイプ支持部76に挿入されると共に、パイプ支持部76の端部76Bに締結された締結部材79で押圧されることで、移動部62に対して固定されるようになっている。
【0061】
支持棒66は、第1支持部80と、第2支持部82と、ターンバックル胴84とを含んで構成されている。第1支持部80は、山形鋼で構成されると共に脚材24の本体部38に図示しない取付部材を介して取付可能とされた取付部86と、端部に取付部86が接合されると共に雄ねじ部が設けられた軸部88とを含んで構成されている。
【0062】
一方、第2支持部82は、雄ねじ部が設けられた軸部90と、端部に軸部90が接合されると共に単管パイプ64にパイプジョイント68を介して連結可能とされたパイプ92とを含んで構成されている。
【0063】
そして、ターンバックル胴84は、第1支持部80の軸部88と、第2支持部82の軸部90とを連結しており、ターンバックル胴84と、軸部88及び軸部90との係合位置を変更することで、支持棒66の長さを変更可能とされている。
【0064】
パイプジョイント68は、第2支持部82のパイプ92に取付可能とされたクランプ94と、単管パイプ64に取付可能とされると共にクランプ94にクランプ94に対して回動可能に連結されたクランプ96とを備えている。そして、単管パイプ64にパイプジョイント68を介して支持棒66を連結することで、脚材24の位置決め時において、支持棒66を単管パイプ64に対して回動させることが可能となっている。
【0065】
図1に戻り、下側部材50は、上側部材48と同様に、高さ方向から見て同一円周上に等間隔で4つ配置されると共に、外側ピース30の成形時において、外側ピース30と一体化されている。
【0066】
この下側部材50は、軸方向を高さ方向とされると共に高さ方向下側に開放された有底円筒状とされており、高さ方向下側から見て一部が露出すると共に、高さ方向において上側部材48と重なるように配置されている。
【0067】
ガイド部材52は、図7に示されるように、全体的には高さ方向に延びる円柱状とされており、高さ方向上側の部分が、高さ方向上側に向かうに従って細くなると共に下側部材50に挿入可能な「挿入部52A」とされている。なお、挿入部52Aの先端は、球面状とされている。
【0068】
一方、ガイド部材52の高さ方向下側の部分は、上側部材48の雌ねじ部48Aに係合可能な「雄ねじ部52B」とされている。そして、高さ方向に隣接する外側ピース30において、高さ方向下側の外側ピース30の上側部材48に雄ねじ部52Bが締結されると共に、高さ方向上側の外側ピース30の下側部材50に挿入部52Aが挿入されることで、これらの外側ピース30が互いに対して位置決めされている。
【0069】
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0070】
本実施形態では、図5に示されるように、鉄塔12の鉄骨脚部22の一部が脚材24で構成されており、脚材24は、杭28の上面34A1上に配置されている。また、脚材24の周辺には、プレキャストコンクリート製の外側ピース30が、高さ方向から見て脚材24を囲むように配置されている。そして、脚材24と外側ピース30との間には、脚材24及び外側ピース30と密着状態で設けられたコンクリート製の介在部32が介在している。
【0071】
ところで、鉄塔12には、鉄塔12に懸架された電線等に起因する転倒モーメントが発生し、当該転倒モーメントによって脚材24には、軸力すなわち引き上げ荷重と圧縮荷重とが作用することとなる。
【0072】
そして、上記荷重が脚材24に伝達すると、脚材24側から外側ピース30側に介在部32を介して圧力が作用することとなる。そして、この圧力は、外側ピース30によって支持することができる。
【0073】
また、本実施形態では、外側ピース30の内周面30Aに介在部32を構成するコンクリートが充填された凹部46が設けられており、介在部32には、外側ピース30側に突出した突起部54が設けられた状態となっている。このため、脚材24と外側ピース30とが相対移動しようとするときに介在部32に作用するせん断力を、介在部32に設けられた突起部54によって支持することができる。
【0074】
ところで、外側ピース30に設けられた凹部46の断面形状が、外側ピース30の内周面30Aの周方向から見て矩形状とされていると、外側ピース30の製造時において、凹部46の下部周辺部に空気が溜まり易くなる。
【0075】
そして、製造された外側ピース30における凹部46の下部周辺部に巣が発生し、この巣に起因する外側ピース30の凹部46周辺の修正作業が発生することで、外側ピース30の製造にかかる時間が長くなることが考えられる。
【0076】
ここで、本実施形態では、図2に示されるように、外側ピース30の内周面30Aの周方向から見た凹部46の断面形状が、脚材24側に拡幅された等脚台形状とされている。このため、外側ピース30の製造時において、凹部46の下部周辺部が固まるときに、当該周辺部に空気が留まることを抑制し、製造された外側ピース30における凹部46の下部周辺部に巣が発生することを抑制することができる。その結果、本実施形態では、外側ピース30における凹部46周辺の巣の発生に起因する外側ピース30の修正作業の発生を抑制し、ひいては外側ピース30の製造にかかる時間が長くなることを抑制することができる。
【0077】
また、凹部46の断面形状が、上述したように矩形状とされていると、介在部32を構成するコンクリートを打設するときに、凹部46の上部周辺部において、当該コンクリートに気泡が発生し、介在部32における凹部46の上周辺部に巣が発生することが考えられる。
【0078】
ここで、本実施形態では、上述したように、凹部46の断面形状が等脚台形状とされているため、介在部32を構成するコンクリートの打設時において、当該コンクリートが凹部46の上部周辺部で固まるときに、当該周辺部に空気が留まることを抑制することができる。その結果、介在部32における凹部46の上部周辺部に巣が発生することを抑制し、介在部32の強度を確保することができる。
【0079】
また、本実施形態では、凹部46の断面形状が上記のように設定されることで、内周面30Aの一般部と凹部46との境界部に形成される角部が、外側ピース30の運搬時や据付時等において欠けることを抑制することができる。
【0080】
また、本実施形態では、凹部46の高さ方向上側の部分が上面部46Aで構成されており、凹部46における高さ方向下側の部分が下面部46Bで構成されている。そして、上面部46Aと下面部46Bとが側面部46Cで高さ方向に繋がれている。
【0081】
ところで、脚材24に作用する脚材24の延在方向の荷重によって、介在部32には、延在方向にせん断力が作用する。そして、モールの応力円によれば、介在部32に上述したようにせん断力が作用することで、介在部32には、脚材24の延在方向に対して45度の方向に主応力が発生することとなる。
【0082】
また、上記主応力を支持するにあたって、外側ピース30には、当該主応力の作用方向と直交する支持面が設けられていることが好ましく、当該支持面と脚材24の延在方向との成す角度は、45度となる。
【0083】
一方で、鉄塔12の構成に応じて、脚材24の延在方向は、高さ方向すなわち鉛直方向に対してプラスマイナス10度程度傾くことが考えられる。このため、上記支持面と鉛直方向との成す角度は、35度よりも大きく55度よりも小さい角度に収まっていることが好ましい。
【0084】
ここで、本実施形態では、外側ピース30の内周面30Aの周方向から見て凹部46の上面部46Aと凹部46の側面部46Cとの成す角θ1の補角φ1及び凹部46の下面部46Bと側面部46Cとの成す角θ2の補角φ2が、35度よりも大きく55度よりも小さい45度に設定されている。このため、上面部46A及び下面部46Bと鉛直方向との成す角度が、35度よりも大きく55度よりも小さい角度に設定され、その結果、上面部46A及び下面部46Bを上記主応力の支持面として機能させることができる。したがって、本実施形態では、介在部32に対して上記主応力が影響を及ぼすことを抑制し、鉄塔12の設置後において、基礎10に当該主応力に起因する補修作業が発生することを抑制することができる。
【0085】
図1に戻り、本実施形態では、外側ピース30における高さ方向上側の部分に、軸方向を高さ方向とされた筒状の上側部材48が複数埋め込まれている。そして、上側部材48は、高さ方向上側から見て一部が露出していると共に、その内周面に雌ねじ部48Aが設けられている。
【0086】
このため、本実施形態では、図7に示されるように、基礎10の構築に係る工程において、外側ピース30を設置するときに、上側部材48にアイボルト56を取り付け、アイボルト56を用いて外側ピース30を容易に移動させることができる。
【0087】
また、本実施形態では、外側ピース30が高さ方向に複数連なって配置されている。
【0088】
ところで、外側ピース30を配置するにあたって、高さ方向に隣接する外側ピース30の位置決めを容易に行えることが好ましい。
【0089】
ここで、本実施形態では、外側ピース30における高さ方向下側の部分に、複数の下側部材50が埋め込まれている。そして、下側部材50は、軸方向を高さ方向とされた筒状とされており、高さ方向下側から見て一部が露出すると共に、高さ方向において上側部材48と重なるように配置されている。
【0090】
また、本実施形態では、複数のガイド部材52を備えており、ガイド部材52は、高さ方向上側の部分が下側部材50に挿入可能な挿入部52Aとされており、高さ方向下側の部分が上側部材48の雌ねじ部48Aに係合可能な雄ねじ部52Bとされている。
【0091】
このため、本実施形態では、外側ピース30を設置するときに、高さ方向下側の外側ピース30に設けられた上側部材48にガイド部材52を取り付け、高さ方向上側の外側ピース30に設けられた下側部材50にガイド部材52の挿入部52Aを挿入することで、高さ方向に隣接する外側ピース30の位置決めを容易に行うことができる。
【0092】
次に、図10を用いて、本実施形態に係る鉄塔基礎の構築方法の手順の一例を示す。なお、図10では、外側ピース30とその周辺部材との関係を理解し易くするため、凹部46の断面形状を矩形状にして図示している。
【0093】
最初に、図10(A)に示される第1工程において、設置地盤26に杭28を構築すると共に、杭28の杭頭部34Aにモルタルによって杭頭処理を施し、杭頭部34Aの上面34A1を均して平面とする。
【0094】
次に、図10(B)に示される第2工程において、杭28の上面34A1に脚材24を載置する。そして、図7にも示されるように、外側ピース30にアイボルト56を取り付け、アイボルト56を用いて脚材24を囲むように外側ピース30を配置すると共に、治具58で脚材24と外側ピース30との位置決めを行って、脚材24と外側ピース30との相対移動を規制する。
【0095】
次に、図10(C)に示される第3工程において、脚材24と外側ピース30との間にコンクリートを充填して介在部32を形成し、介在部32の地表露出部を養生する。
【0096】
次に、図10(D)に示される第4工程において、外側ピース30の周辺部に掘削土98を埋め戻すことで鉄塔12の基礎10が完成する。
【0097】
上述したような鉄塔基礎の構築方法によれば、アイボルト56が外された上側部材48に治具58を取り付け、治具58で脚材24の位置を調整することができるため、脚材24の位置決めの精度を高めることができる。
【0098】
以上、説明したように、本実施形態に係る基礎10及びその構築方法によれば、基礎10の構築に係る工程全体の簡略化を図ることができる。
【0099】
<上記実施形態の補足説明>
(1) 上述した実施形態では、脚材24の本体部38が山形鋼で構成されていたが、鉄塔12の構成等に応じて、本体部38が円筒状のパイプ材等山形鋼以外の部材で構成されていてもよい。
【0100】
(2) また、上述した実施形態では、設置地盤26に杭28が埋設されていたが、鉄塔12を硬い地盤に建設する場合には、地盤に杭28が埋設されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0101】
10 鉄塔基礎
12 鉄塔
22 鉄骨脚部
24 脚材
28A1 上面(接地面)
30 外側ピース
30A 内周面
32 介在部
46 凹部
46A 上面部
46B 下面部
46C 側面部
48 上側部材
48A 雌ねじ部
50 下側部材
52 ガイド部材
52A 挿入部
52B 雄ねじ部
56 アイボルト(吊具)
58 治具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021-10-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄塔の鉄骨脚部の一部を構成すると共に設置面状に配置された脚材と、
前記鉄塔の高さ方向から見て前記脚材を囲むように配置され、当該脚材側からの圧力を支持可能とされたプレキャストコンクリート製の外側ピースと、
前記脚材と前記外側ピースとの間に介在し、かつ当該脚材及び当該外側ピースに密着状態で設けられたコンクリート製の介在部と、
を有し、
前記外側ピースの内周面には、前記介在部のためのコンクリートが充填されると共に、当該内周面の周方向から見た断面形状が当該脚材側に拡幅された等脚台形状の凹部が形成されている、
鉄塔基礎。
【請求項2】
前記凹部は、当該凹部における前記高さ方向上側の部分を構成する上面部と、当該凹部における当該高さ方向下側の部分を構成する下面部と、当該上面部と当該下面部とを当該高さ方向に繋ぐ側面部と、を備え、
前記周方向から見て前記上面部と前記側面部との成す角の補角及び前記下面部と当該側面部との成す角の補角が35度よりも大きく55度よりも小さい角度に設定されている、
請求項1に記載の鉄塔基礎。
【請求項3】
前記外側ピースにおける前記高さ方向上側の部分には、軸方向を当該高さ方向とされた筒状の上側部材が複数埋め込まれており、
前記上側部材は、前記高さ方向上側から見て一部が露出すると共に当該上側部材の内周面には、雌ねじ部が設けられている、
請求項1又は請求項2に記載の鉄塔基礎。
【請求項4】
前記外側ピースは、前記高さ方向に複数連なって配置されると共に、
軸方向を前記高さ方向とされた筒状とされ、当該高さ方向下側から見て一部が露出すると共に当該高さ方向において前記上側部材と重なるように配置された状態で前記外側ピースにおける前記高さ方向下側の部分に埋め込まれた複数の下側部材と、
前記高さ方向上側の部分が前記下側部材に挿入可能な挿入部とされ、当該高さ方向下側の部分が前記雌ねじ部に係合可能な雄ねじ部とされた複数のガイド部材と、
をさらに有する、
請求項3に記載の鉄塔基礎。
【請求項5】
鉄塔の鉄骨脚部の一部を構成する脚材を設置面上に載置し、
内周側からの圧力を支持可能な外側ピースを当該外側ピースにおける前記鉄塔の高さ方向上側の部分に複数設けられた上側部材に取り付けられた吊具を用いて前記脚材を囲むように配置し、
前記吊具が外された前記上側部材に取り付けられた治具で前記脚材の位置を調整し、
前記脚材と前記外側ピースとの間に生コンクリートを打設する、
鉄塔基礎の構築方法。
【請求項6】
前記外側ピースを前記高さ方向に重ねるときに、
前記高さ方向下側の前記外側ピースの上側部材にガイド部材の当該高さ方向下側の部分を取り付け、
前記高さ方向上側の前記外側ピースにおける当該高さ方向下側の部分に複数設けられた筒状の下側部材に前記ガイド部材の当該高さ方向上側の部分を挿入する、
請求項5に記載の鉄塔基礎の構築方法。