(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151126
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】管理装置
(51)【国際特許分類】
G09B 19/00 20060101AFI20220929BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20220929BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054046
(22)【出願日】2021-03-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日 令和2年11月11日 ウェブサイトの代表URL https://webshop.tokyo-gas.co.jp/ 他1件 [刊行物等] ウェブサイトの掲載日 令和3年2月15日 ウェブサイトの代表URL https://webshop.tokyo-gas.co.jp/ 他3件
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 愛美
(72)【発明者】
【氏名】大橋 朋佳
(72)【発明者】
【氏名】冨田 岳陽
(72)【発明者】
【氏名】榎本 奈津子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】高齢者が、家庭菜園を楽しむことで自然に認知症予防効果が得られるようにする。
【解決手段】ユーザの認知症予防のための植物の栽培キットをそのユーザに対して提供した履歴を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得部21と、ユーザに与えるミッションであって植物の栽培に関与したユーザの認知症予防に繋がる行動を促すためのミッションに関する情報であるミッション情報を取得するミッション情報記憶部30と、ミッション情報をユーザに提供する手法に関する提供手法情報をユーザ情報として出力するユーザ情報記憶部22と、を有する管理装置。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの認知症予防のための植物の栽培キットを当該ユーザに対して提供したキット提供情報を取得する取得手段と、
前記ユーザに与えるミッションであって前記植物の栽培に関与した当該ユーザの認知症予防に繋がる行動を促すためのミッションに関する情報であるミッション情報を取得するミッション情報取得手段と、
取得した前記ミッション情報を前記ユーザに提供する手法に関する提供手法情報を出力する出力手段と、
を有する管理装置。
【請求項2】
前記ミッション情報は、各々の前記植物の栽培時期に基づいて定まる情報であること、を特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記ミッション情報は、前記ユーザの日常生活における自立の程度に応じて前記植物の栽培への関与のレベルが異なることを特徴とする請求項1記載の管理装置。
【請求項4】
前記ユーザによる前記植物の栽培への関与の結果を取得する結果取得手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、認知症の予防策を他の予防策と複合的に組み合わせて提供する情報処理端末が提案されている。より詳しくは、利用者の脳の活性化の効果を得られるようなゲームを提供するために、情報処理端末は、利用者の運動状況や食事の状況などの他の予防策を複合的にとるように動機づけを行っている。
特許文献2では、植物育成の知識が不足している一般人にとっても植物育成の過程が楽しめ、且つ失敗の無い植物育成ができる植物育成情報の提供方法を提供する管理用サーバが提案されている。管理用サーバは、育成対象の植物の情報が与えられると、植物育成基本データを格納しているデータベースから植物の植物育成基本データを検索し、顧客の植物育成設備のセッティングから植物育成終了までの育成作業スケジュールに沿って、植物育成基本データから育成途中で為すべき作業内容を示す作業情報及び制御機器の制御情報からなる時系列的な植物育成情報を作成し、育成作業スケジュールに沿って顧客の植物育成設備へネットワークを通じて送信提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-223785号公報
【特許文献2】特開2006-254775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高齢化社会が進む現代では、認知症となる高齢者の数が増加している。老化に伴い、人間の脳の機能は衰えていくため、認知症を完全に防ぐことは困難である。これに対して、認知症の研究によれば、規則正しい生活、適度な運動、脳の活性化を促す行動が、認知症の予防に効果的であるとされている。
この点について、いわゆる家庭菜園は、年代を問わず植物の育成の過程を楽しむことができる。さらに、植物の順調な成長は、高齢者に純粋な喜びを与える。このため、高齢者が家庭菜園を通して頭を使ったり、体を動かしたり、他者とコミュニケーションをとったりすることは、五感を刺激し、脳に刺激を与え、脳の活性化を促すことに繋がる。その結果、認知症の予防効果が期待できる。
従来、例えば特許文献1のように、認知症の予防策として、脳に刺激を与える効果が期待できるゲームを活用した手法が提案されている。また、例えば特許文献2のように、家庭菜園の初心者であっても上手に植物を育てることができるように栽培を支援するシステムが提案されている。
しかしながら、従来の手法やシステムでは、サービスの申し込みから実際に認知症の予防に繋がる行動をとるまでのすべてについて、利用者がスマートフォン等の情報処理装置を操作することが前提となっていた。このため、従来の手法やシステムでは、情報処理装置の操作に不慣れな高齢者による家庭菜園の利用を通して、脳の活性化を促し、認知症の予防を支援することはできなかった。
【0005】
本発明は、高齢者が、家庭菜園を楽しむことで自然に認知症予防効果が得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、ユーザの認知症予防のための植物の栽培キットを当該ユーザに対して提供したキット提供情報を取得する取得手段と、前記ユーザに与えるミッションであって前記植物の栽培に関与した当該ユーザの認知症予防に繋がる行動を促すためのミッションに関する情報であるミッション情報を取得するミッション情報取得手段と、取得した前記ミッション情報を前記ユーザに提供する手法に関する提供手法情報を出力する出力手段と、を有する管理装置である。
請求項2に記載された発明は、前記ミッション情報は、各々の前記植物の栽培時期に基づいて定まる情報であること、を特徴とする請求項1に記載の管理装置である。
請求項3に記載された発明は、前記ミッション情報は、前記ユーザの日常生活における自立の程度に応じて前記植物の栽培への関与のレベルが異なることを特徴とする請求項1記載の管理装置である。
請求項4に記載された発明は、前記ユーザによる前記植物の栽培への関与の結果を取得する結果取得手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の管理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高齢者が、家庭菜園を楽しむことで自然に認知症予防効果が得られるようにすることを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態が適用される管理装置を含む認知症予防システムのハードウェア構成を示す図である。
【
図4】サーバの処理のうち、ユーザ情報が取得されてから栽培キットの送付の制御が行われるまでの流れを示すフローチャートである。
【
図5】サーバの処理のうち、結果情報が取得されてから判定結果が出力されるまでの流れを示すフローチャートである。
【
図6】複数の植物の各々の種付けまたは植え付けの時期に合わせて栽培キットが複数回送付される場合の具体例を示す図である。
【
図7】(7A)は、ユーザ端末に選択可能な態様で表示された複数の料理情報の具体例を示す図である。(7B)は、ユーザによる選択の結果、ユーザ端末に表示された料理情報の具体例を示す図である。
【
図8】ユーザに対して継続的に提供される、ミッションを含む定期便の具体例を示す図である。
【
図9】(9A)及び(9B)は、ユーザ端末に表示された判定情報の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔ユーザ支援システムのハードウェア構成〕
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される管理装置を含む認知症予防システムのハードウェア構成を示す図である。
認知症予防システム1は、サービス提供者からユーザに対して提供される「認知症予防推進サービス」(以下、「本サービス」と呼ぶ)を実現させるシステムである。認知症予防システム1は、サーバ10と、記憶装置50と、ユーザ端末70-1乃至70-n(nは2以上の整数値)とを有している。本サービスを利用するユーザとしては、高齢者本人、及びその家族や主治医等が挙げられる。高齢者本人は、本サービスを利用することで、食べられる植物を自分で栽培して、収穫して、料理して食する、という一連の流れを楽しみながら体験することができる。さらに、その一連の流れの中で定期的に届く「定期便」を利用することで、ユーザはその体験をさらに楽しむことができる。なお、定期便の詳細については後述する。また、高齢者の家族や主治医は、本サービスを利用することで、自身の家族又は患者である高齢者の日常生活における自立の度合を把握可能な情報等を容易に入手することができる。
【0010】
認知症予防システム1を構成するサーバ10は、システム全体を制御する情報処理装置である。具体的には、サーバ10は、本サービスを提供する者に対するユーザからの本サービスの申し込みの制御を行う。また、複数の植物を食材として使用して、栽培、収穫、料理、及び摂取の一連の流れを体験できる料理に関する情報を、「料理情報」として選択可能な態様でユーザに提示する制御を行う。
【0011】
また、サーバ10は、ユーザにより選択された料理の食材となる1または複数の植物の各々の栽培に必要となる材料のキットを、「栽培キット」として予め定められたタイミングでユーザに送付する制御を行う。ユーザに送付される栽培キットには、1または複数の植物についての種または苗、培養土、鉢、取扱説明書など、ユーザが植物を栽培するために必要となる物一式が含まれる。栽培キットは、通常はサービス提供者から直接的、または中間業者を介して間接的に送付される「定期便」の内容物としてユーザに送付される。「定期便」とは、本サービスを利用するユーザに対して定期的に送付される現物の商品のことをいう。なお、植物の種類毎に好適となる種付けまたは植え付け時期が異なるため、配送スケジュールの都合上、定期便が送付されるタイミングとは異なるタイミングで栽培キットが送付される場合もある。
【0012】
定期便サービスによりユーザに送付される定期便の内容物には、ミッションに関する商品が含まれる。「ミッション」とは、高齢者であるユーザに対して認知症予防に繋がる行動を促すための短期的かつ具体的な行動目標のうち、特に栽培対象の植物に関するものをいう。ミッションとしては、例えば「鉢に名前を付けよう」、「病気の葉がないかチェックしよう」といったものが挙げられる。「ミッションに関する商品」としては、例えばミッションが記載された冊子、ユーザがミッションに沿った行動をとるために必要となる物品等が挙げられる。例えば、栽培対象の植物に対して「飾りつけをしてみよう」というミッションに沿った行動をとるために必要となる物品としては、例えば七夕の飾りつけ、ハロウィンの飾りつけ、クリスマスの飾りつけ等が挙げられる。
【0013】
このように、本サービスを利用するユーザに対しては、定期便とともに、または定期便とは異なるタイミングで栽培キットが送付されるため、ユーザは、何ら不自由することなく植物の栽培を楽しむことができる。ただし、ユーザの中には、植物を栽培するための知識や経験を持たない者も多く存在する。このため、本サービスでは、植物を上手に栽培して、収穫して上手に調理して食することを支援する栽培情報がユーザに提供される。栽培情報は、定期便の冊子に記載された態様でユーザに提供される。
【0014】
認知症予防システム1を構成する記憶装置50は、データベースに各種の情報を記憶させて管理する情報処理装置である。具体的には、記憶装置50は、ユーザ情報DB51と、植物情報DB52と、栽培情報DB53と、料理情報DB54とを有している。また、記憶装置50は、ミッション情報DB55と、結果情報DB56と、判定情報DB57とを有している。
【0015】
ユーザ情報DB51には、ユーザに関する情報が「ユーザ情報」として記憶されている。ユーザ情報には、ユーザが本サービスを利用するために登録する氏名、住所、年齢、性別等の基本的な情報が含まれる。また、ユーザ情報には、図示せぬ他のデバイスから得られる情報が含まれる。例えば、ユーザの身体の一部に装着された活動量計から得られるバイタルデータ等もユーザ情報に含まれる。さらに、ユーザ情報には、高齢者であるユーザが本サービスを利用するうえで発生し得る各種情報のやり取りをどのような手法で行うのかについての情報が含まれる。高齢者の中には電子機器の操作に不慣れな者が多い。このため、本サービスは、高齢者であるユーザが、スマートフォン等の情報処理装置を自ら操作してサービスの提供を受けることができるだけでなく、情報処理装置を自ら操作することなくサービスの提供を受けることができる。本サービスには、高齢者であるユーザが情報処理装置を自ら操作することなくサービスの提供を受けることができるようにするための複数の手法が用意されている。なお、これらの手法については後述する。
【0016】
また、ユーザ情報には、ユーザによる本サービスの利用実績として、栽培キットの購入履歴や、料理の指定履歴等を含めてもよい。また、ユーザが本サービス以外の他サービスにユーザ情報を別途登録している場合であって、両サービス間にユーザ情報の融通に関する定めが設けられているような場合には、ユーザの承諾を条件として、他サービスに既に登録されているユーザ情報もユーザ情報DB51に記憶される。ユーザ情報DB51に記憶されているユーザ情報は、ユーザを一意に特定可能にする識別情報に対応付けられており、この識別情報をキーとしていつでも抽出可能な態様で管理されている。
【0017】
植物情報DB52には、料理の食材として使用され得る植物に関する情報が「植物情報」として記憶されている。植物情報には、植物の名称、特徴、撮像画像または描画像、利用できる料理を一意に特定可能な識別情報等の情報が含まれる。例えば、植物「ホウレンソウ」の植物情報には、「ホウレンソウ/ヒユ科アカザ亜科ホウレンソウ属」という植物の名称、「甘みあり、濃緑色、鉄分、ビタミンCが豊富、冷涼な地域での栽培が好適」という植物の特徴、ホウレンソウの撮像画像、生春巻き等の料理の各々を一意に特定可能な識別情報等の情報が含まれる。植物情報には、各種ウェブサイトにおいて一般に提供されている情報や、サービス提供者が独自に調査した情報等が含まれる。植物情報DB52に記憶されている植物情報は、植物を一意に特定可能にする識別情報に対応付けられており、この識別情報をキーとしていつでも抽出可能な態様で管理されている。
【0018】
栽培情報DB53には、植物の栽培を支援するための情報が「栽培情報」として記憶されている。栽培情報には、植物一般に適用可能な情報、植物のカテゴリ毎に適用可能な情報、植物の種類毎に適用可能な情報が含まれる。植物のカテゴリとしては、例えば「根菜類」、「葉菜類」等が挙げられる。植物の種類としては、例えば「ゴボウ」、「ニンジン」、「ダイコン」等が挙げられる。栽培情報には、例えば栽培の対象となる植物の種付けまたは植え付けに適した時期及び方法に関する情報、栽培に適した日照量、気温、湿度等の環境に関する情報、水やりのタイミングや量に関する情報、目安となる発芽期間に関する情報、目安となる収穫時期に関する情報、栽培のコツを含むアドバイスに関する情報等が含まれる。
【0019】
栽培情報の内容、及び栽培情報が出力されるタイミングは、ユーザが実際に料理を行うタイミングとしてユーザにより指定された内容に基づいて決定される。具体的には、ユーザが実際に料理を行うタイミングと、それに対応させた収穫時期とから逆算された結果に基づいて決定される。通常は採れたてで新鮮な状態が一番美味しいとされる植物が多いので、料理が行われる日が収穫時期となるものが多い。ただし、例えばサツマイモのように、収穫後1か月以上追熟させることで甘みが増すようなものもある。このような植物の栽培情報では、栽培情報の内容、及び栽培情報を出力するタイミングの逆算にあたり、料理を行うタイミングと収穫時期との間に一定の期間を設けられる。
【0020】
また例えば、2人のユーザの各々が、同種類の料理を作るために同種類の植物を栽培する場合には、両者が料理を作るタイミングが同じであれば、両者に提供される栽培情報の内容や、栽培情報が提供されるタイミングは基本的に同一となる。ただし、料理を作るタイミングについて両者の間に差異があると、その差異が加味されて、両者に提供される栽培情報の内容や、栽培情報が提供されるタイミングに差異が設けられる。例えば両者が同種類の料理を作るタイミングに2週間のずれがある場合には、収穫時期に2週間のずれを生じさせる必要がある。このため、両者が料理を作るタイミングに2週間のずれがあることが加味されて、両者に提供される栽培情報の内容や、栽培情報が提供されるタイミングに差異が設けられる。具体的には、種付けまたは植え付けに適した時期や、目安となる収穫時期等に差異が設けられる。
【0021】
料理情報DB54には、複数の植物を食材として使用する料理に関する情報が「料理情報」として記憶されている。料理情報には、料理の名称、食材として用いられる複数の植物の各々を一意に特定可能な識別情報、調理方法が記載されたレシピ、料理の撮像画像等の情報が含まれる。具体的には例えば、「生春巻き」という料理の料理情報には、料理の名称、食材として用いられる植物としての「ホウレンソウ」、「ミニキャロット」、「青ネギ」、及び「パクチー」の各々を一意に特定可能な識別情報と、生春巻きのレシピと、生春巻きの撮像画像等の情報が含まれる。また例えば、「けんちん汁」という料理の料理情報には、料理の名称、食材として用いられる植物としての「ゴボウ」、「ニンジン」、及び「ダイコン」の各々を一意に特定可能な識別情報と、けんちん汁のレシピと、けんちん汁の撮像画像等の情報が含まれる。料理情報DB54に記憶されている料理情報は、料理を一意に特定可能にする識別情報に対応付けられており、この識別情報をキーとしていつでも抽出可能な態様で管理されている。
【0022】
ミッション情報DB55には、ユーザに提供されるミッションの情報が「ミッション情報」として記憶されている。ミッション情報には、ミッションの内容、ミッションに沿った行動をとるために必要となる物品に関する情報、ミッションに対応する自立度に関する情報等が含まれる。ミッションの内容としては、例えば栽培に関するミッション、料理に関するミッション等が挙げられる。「自立度」とは、高齢者の認知症の程度を踏まえた日常生活上の自立の程度を表す基準のことをいう。ただし、自立度を判定するための基準としてどのような基準を採用するかは特に限定されない。例えば官公庁により示された基準を採用してもよい。ミッション情報DB55に記憶されているミッション情報は、ミッションを一意に特定可能にする識別情報に対応付けられており、この識別情報をキーとしていつでも抽出可能な態様で管理されている。なお、ミッション情報及び自立度の各々の具体例については、
図8を用いて後述する。
【0023】
結果情報DB56には、ミッションに対する結果の情報が「結果情報」として記憶されている。結果情報には、ミッションの提供を受けたユーザが、植物の栽培に関与した結果として、ミッションに沿った行動をどの程度とれたのかを示す情報が記憶されている。具体的には例えば、ユーザに提供されたミッションが、「鉢に名前を付けよう」という内容のものであった場合には、鉢に名前を付けるという行動をどの程度とれたのかを示す情報が結果情報として記憶される。また例えば、ユーザに提供されたミッションが、「病気の葉がないかチェックしよう」という内容のものであった場合には、病気の葉がないかをチェックする行動をどの程度とれたのかを示す情報が結果情報として記憶される。
【0024】
結果情報DB56に記憶されている結果情報は、ユーザを一意に特定可能にする識別情報、及びミッションを一意に特定可能にする識別情報に対応付けられており、これらの識別情報をキーとしていつでも抽出可能な態様で管理されている。なお、本実施の形態では、結果情報は、
図1に示すように結果情報DB56を設けて個別に記憶される態様となっているが、例えば結果情報DB56を設けずに、ユーザ情報としてユーザ情報DB51に記憶される態様であってもよい。
【0025】
判定情報DB57には、ユーザの自立度に関する判定の結果が「判定情報」として記憶されている。判定情報には、判定結果をユーザに分かり易く伝達するための情報として、ユーザの自立度、その自立度により把握できるユーザの現状、及び自立度を改善または維持するためにユーザが心がけるべき事項についてのアドバイス等が含まれる。
【0026】
判定情報DB57に記憶されている判定情報は、ユーザを一意に特定可能にする識別情報に対応付けられており、この識別情報をキーとしていつでも抽出可能な態様で管理されている。なお、本実施の形態では、判定情報は、
図1に示すように判定情報DB57を設けて個別に記憶される態様となっているが、例えば判定情報DB57を設けずに、ユーザ情報としてユーザ情報DB51に記憶される態様であってもよい。
【0027】
ユーザ端末70-1乃至70-nは、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、コミュニケーションロボット等で構成される。ユーザ端末70-1乃至70-nは、複数のユーザの各々により所持され、または複数のユーザの各々が生活する空間に配置されている。以下、ユーザ端末70-1乃至70-nの各々を区別して説明する必要がない場合には、これらをまとめて「ユーザ端末70」と記載する。
【0028】
このように、ユーザ端末70の態様はユーザによって様々であり、どのような態様のユーザ端末70を利用するかはユーザの自由な意思に任される。ただし、本サービスは、植物の栽培を通して認知症を予防することを目的としているため、ユーザの多くは電子機器の操作に不慣れな高齢者であることが想定される。このため、本サービスでは、スマートフォン等の情報処理装置の操作に馴染みのない高齢者であっても楽しめるようにするためのサポートサービスが提供される。具体的には以下の3つのサポートサービスが提供される。
【0029】
1つ目のサポートサービスは、上述した「定期便」を送付する「定期便サービス」である。定期便には、その内容物として、植物の栽培に関する現物の商品が含まれる。具体的には例えば、栽培キット、肥料、葉面散布用スプレー、紙媒体の冊子等が含まれる。定期便サービスを利用するユーザは、馴染みのある紙媒体の冊子に記載された内容を自分のペースで理解しながら、体を動かして植物を栽培し、その育成を楽しむという充実した時間を過ごすことができる。なお、定期便サービスは、ユーザ端末70を操作できるユーザであっても利用することができる。
【0030】
2つ目のサポートサービスは、「ロボットサービス」である。ロボットサービスは、ユーザがスマートフォン等の操作を行うことなく、コミュニケーションロボットとの対話により本サービスの提供を受けることができるサービスである。ロボットサービスを利用するユーザは、コミュニケーションロボットを介して、植物の栽培に関するアドバイスの提供を受けたり、ミッションに関する情報のやり取りを行ったりすることで本サービスを利用することができる。ロボットサービスのコミュニケーションロボットは、初回の定期便の内容物の1つとしてユーザに貸し出されたものであってもよいし、ユーザ側で予め用意されたものであってもよい。なお、ロボットサービスは、スマートフォン等の情報処理装置をユーザ端末70として使用するユーザであっても利用することができる。
【0031】
3つ目のサポートサービスは、「グループサービス」である。グループサービスは、複数のユーザが属するグループ単位で本サービスの提供を受けることができるサービスである。例えば同一のグループに高齢者のユーザとその子供のユーザとが属する場合には、高齢者であるユーザがユーザ端末70を使用しない代わりに、その子供であるユーザが自身のユーザ端末70を使用して親のために各種データのやり取りを行う。このように、複数のユーザからなるグループは、高齢者であるユーザとその子供のユーザとからなるグループが想定されるが、例えば高齢者であるユーザとその主治医のユーザとからなるグループもある。
【0032】
ユーザ端末70は、ユーザからの入力操作を受け付ける。例えば、ユーザ端末70は、本サービスにユーザ情報を登録するための入力操作を受け付ける。ユーザによるユーザ端末70に対する入力操作の態様は特に限定されず、ユーザ端末70の機能に応じて異なる。例えば、ユーザ端末70がスマートフォンやタブレット端末である場合には、タッチパネルやキーボード等に対して行われるユーザの指の動きによる入力操作が行われる。また例えば、ユーザ端末70がコミュニケーションロボットである場合には、マイク等に対して発せられるユーザの声による入力操作や、カメラ等に対して行われるユーザのジェスチャによる入力操作が行われる。ユーザ端末70は、サーバ10からの各種情報を取得して、予め定められた出力形式で出力する。ユーザ端末70から出力される情報としては、例えばユーザ情報、料理情報、植物情報、栽培情報、ミッション情報、結果情報、及び判定情報等が挙げられる。これらの情報は、テキスト情報、音声情報等の形式で出力される。
【0033】
ユーザ端末70がスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータで構成される場合には、本サービスを利用可能にする専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)をユーザ端末70にインストールすることができる。また、専用アプリがインストールされない場合であっても、ユーザ端末70のブラウザ機能を用いて、本サービスを利用可能にする専用のウェブサイト(以下、「専用サイト」と呼ぶ)にアクセスすることでも本サービスを利用することができる。
【0034】
このように、ユーザ端末70は、本サービスを利用する複数のユーザの各々により、各種各様の態様で利用される。高齢者であるユーザは、植物を栽培しながらミッションに沿った行動をとり、その結果情報をサービス提供者側に提供する。結果情報の提供を受けたサービス提供者側では、サーバ10が結果情報を取得してユーザの自立度を判定する。ここで、結果情報がどのようなルートを経てサーバ10に取得されるのかについては特に限定されず、ユーザの本サービスの利用態様により異なる。例えば、高齢者であるユーザがスマートフォン等の情報処理装置をユーザ端末70として使用している場合には、高齢者であるユーザが自らユーザ端末70に結果情報を入力すると、入力された結果情報がサーバ10に向けて出力される。また例えば、高齢者であるユーザが、コミュニケーションロボットをユーザ端末70として使用している場合には、高齢者であるユーザとユーザ端末70との対話の内容から結果情報が生成されて、サーバ10に向けて出力される。また例えば、高齢者であるユーザは、定期便に同封された返信用の用紙に結果情報を記入してサービス提供者に返信してもよい。
【0035】
また例えば、高齢者であるユーザがユーザ端末70を使用しない代わりに、同一グループに属するユーザであるその子供がユーザ端末70を使用している場合には、子供が親を代理して結果情報を送信する。この場合、子供であるユーザは、自身のユーザ端末70に親の結果情報を代理入力すると、入力された親の結果情報がサーバ10に向けて出力される。このように、本サービスのユーザには、自らは植物の栽培を行わずに、親であるユーザの本サービスの利用をサポートすることのみを行う者も含まれる。
【0036】
ユーザ側からサービス提供者側に向けて提供された結果情報は、サービス提供者側が各種の判断を行うための根拠となる情報として利用される。例えば、ユーザの自立度を判定するための根拠となる情報として利用される。ユーザの自立度についての判定結果は、判定情報として、高齢者であるユーザのユーザ端末70と、同一のグループを構成する子供のユーザ端末70との各々に向けて出力される。また、高齢者であるユーザの主治医が本サービスのユーザとして同一のグループに属している場合には、高齢者であるユーザの判定情報が、主治医のユーザ端末70に向けて出力されるようにしてもよい。この場合、主治医であるユーザは、患者である高齢者のユーザの日常生活における自立度を容易に把握することが可能となる。また例えば、結果情報は、ユーザ側のミッションの達成状況をサービス提供者側が判断する際の根拠となる情報としても利用される。この場合、例えば結果情報からミッションをさぼりがちであると判断された場合には、励ましのメッセージや応援するメッセージが、高齢者であるユーザのユーザ端末70に向けて出力される。また、結果情報からミッションをしっかりと継続できていると判断された場合には、褒めるメッセージや賛美するメッセージが、高齢者であるユーザのユーザ端末70に向けて出力される。
【0037】
〔サーバの構成〕
図2は、サーバ10のハードウェア構成を示す図である。
サーバ10は、例えばデスクトップPCやノートPCなどであるコンピュータ装置で構成される。サーバ10は、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)である制御部11と、演算に際して作業エリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)などのメモリ12と、プログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリ等の記憶装置である記憶部13とを有している。また、ネットワーク90を介してデータの送受信を行う通信部14を有している。更に、サーバ10側のユーザ(例えばサービス提供者)からの入力操作を受け付けるキーボード、ポインティングデバイス、タッチパネルなどの操作部15と、ユーザに対して画像やテキスト情報などを表示する液晶ディスプレイなどからなる表示部16と、表示部16を制御する表示制御部17とを有している。
【0038】
なお、認知症予防システム1を構成する記憶装置50及びユーザ端末70のハードウェア構成は、サーバ10のハードウェア構成と同様の構成を備えており、記憶装置50及びユーザ端末70のハードウェア構成の説明は省略する。なお、ユーザ端末70は、これらの構成に加え、植物の育成具合やユーザのジェスチャの様子を撮像して静止画像または動画像の情報として取得するためのカメラなどからなる撮像部を有してもよい。また、ユーザから発せられる声を録音して音声の情報として取得するためのマイクなどからなる録音部を有してもよい。さらに、ユーザから発せられる声の内容を認識する音声認識部を有してもよい。
【0039】
図3は、サーバ10の機能構成を示す図である。
サーバ10は、ユーザに関する情報を「ユーザ情報」として取得するユーザ情報取得部21と、ユーザ情報取得部21にて取得されたユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部22とを有している。また、植物を食材として用いる料理に関する情報を「料理情報」として取得する料理情報取得部23と、料理情報取得部23にて取得された料理情報をユーザ端末70に向けて出力する料理情報出力部24とを有する。また、複数の料理のうちユーザが希望する料理、及びその料理を行う時期の指定を受け付ける料理指定受付部25と、料理指定受付部25にて指定が受け付けられた料理に用いられる複数の植物に関する情報を「植物情報」として取得する植物情報取得部26とを有している。
【0040】
また、サーバ10は、植物情報取得部26にて取得された植物情報の各々の植物の料理に応じた栽培に関する情報を「栽培情報」として取得する栽培情報取得部27と、栽培情報取得部27にて取得された栽培情報をユーザ端末70に向けて出力する栽培情報出力部28とを有している。また、ユーザが希望する料理に用いられる複数の植物の栽培キットをユーザに送付する時期の制御を行う送付時期制御部29を有している。また、ユーザに提供されるミッションの情報を「ミッション情報」として記憶し、必要に応じて出力するミッション情報記憶部30と、ミッションに対する結果の情報を「結果情報」として取得する結果情報取得部31と、ユーザの自立度に関する判定を行う自立度判定部32と、ユーザの自立度に関する判定の結果を「判定情報」としてユーザ端末70に向けて出力する判定情報出力部33とを有している。
【0041】
ユーザ情報取得部21は、ユーザ端末70に入力されたユーザ情報を取得する。ユーザ情報には、高齢者であるユーザが本サービスを利用するうえで発生し得る各種情報のやり取りをどのような手法により行うのかについての情報が含まれる。具体的には、高齢者であるユーザのユーザ端末70にて各種情報のやり取りを行う手法、高齢者であるユーザの子供のユーザ端末70にて各種情報のやり取りを行う手法、高齢者であるユーザの主治医のユーザ端末70にて各種情報のやり取りを行う手法、ユーザ端末70を使用することなく、紙ベースで各種情報のやり取りを行う手法等のうちいずれかが選択されていることを示す「提供手法情報」が、ユーザ情報の1つとして取得される。また、上述したように、本サービスのユーザのユーザ情報が、本サービスとは異なる他サービスを運営する図示せぬ外部サーバにおいて既に管理されており、本サービスと他サービスとの間にユーザ情報の融通に関する定めが設けられている場合がある。このような場合、ユーザ情報取得部21は、ユーザの承諾を条件として、他サーバからユーザ情報を取得することもできる。
【0042】
ユーザ情報記憶部22は、ユーザ情報取得部21により取得されたユーザ情報を、ユーザ情報DB51に記憶して管理し、必要に応じて出力する。また、ユーザ情報記憶部22は、必要に応じて記憶部13にユーザ情報を記憶させて管理し、必要に応じて出力する。
【0043】
料理情報取得部23は、記憶装置50の料理情報DB54に記憶されている料理情報のうち、ユーザによる選択の対象となる料理情報を取得する。また、料理情報取得部23は、必要に応じて、料理情報が掲載されているインターネット上のウェブサイトから、ユーザによる選択の対象となる料理情報を新たに取得する。
【0044】
料理情報出力部24によりユーザ端末70に向けて出力された料理情報は、ユーザ端末70にてユーザが選択可能な態様でユーザ端末70に表示される。例えば、料理の名称及び撮像画像と、その料理に用いられる植物の名称や画像との組み合わせからなる複数のアイコンが、選択可能な態様でユーザ端末70に表示されてもよい。なお、ユーザ端末70に表示される料理情報の具体例については、
図7(7A)及び(7B)を用いて後述する。
【0045】
また、料理情報出力部24は、予め決められたタイミングで、後述するミッション情報記憶部30により記憶されている複数のミッション情報のうち1以上のミッション情報をユーザ端末70に向けて出力する。この場合、出力されるミッション情報の内容は、ユーザの自立度に合わせた料理情報に関連するミッションとなる。具体的には例えば、「育て食べた感想を川柳でシェアしよう」といったミッションが、ミッション情報としてユーザ端末70に向けて出力される。
【0046】
料理指定受付部25は、ユーザによる料理、及びその料理を行う時期の指定として、例えばユーザが好む食材である「ナス」(植物)が使用された「麻婆茄子」(料理)と、料理を行う時期として「8月21日」を指定した場合には、この指定を受け付ける。
【0047】
植物情報取得部26は、記憶装置50の植物情報DB52に記憶されている植物情報を取得する。また、植物情報取得部26は、必要に応じて、植物情報が掲載されているインターネット上のウェブサイトから新たに植物情報を取得する。
【0048】
栽培情報取得部27は、記憶装置50の栽培情報DB53に記憶されている栽培情報のうち、植物情報取得部26にて取得された植物情報の各々の植物の栽培情報を取得する。また、栽培情報取得部27は、必要に応じて、栽培情報が掲載されているインターネット上のウェブサイトから植物情報取得部26により取得された植物情報の各々の植物の栽培情報を新たに取得する。
【0049】
栽培情報出力部28によりユーザ端末70に向けて出力された栽培情報は、ユーザに報知される。なお、栽培情報がどのような態様でユーザに報知されるのかは特に限定されない。例えばユーザ端末70がスマートフォンやタブレットである場合には、上述した専用アプリや専用サイトを介して、テキストや音声の態様でユーザに報知してもよい。この場合、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、LAN(Local Area Network)等のネットワークによりユーザ端末70に接続可能なスマートスピーカ等の出力機器を介してユーザに報知してもよい。また例えば、ユーザ端末70がコミュニケーションロボットである場合には、コミュニケーションロボットから出力される音声、動作、仕草等の態様で報知してもよい。また例えば、栽培情報が掲載された電子媒体または紙媒体の冊子(電子媒体または紙媒体)をEメールや郵便等で送付することで報知してもよい。
【0050】
また、栽培情報出力部28は、予め決められたタイミングで、後述するミッション情報記憶部30により記憶されている複数のミッション情報のうち1以上のミッション情報をユーザ端末70に向けて出力する。この場合、出力されるミッション情報の内容は、ユーザの自立度に合わせた栽培情報に関連するミッションとなる。具体的には例えば、「日当たりの良い場所を探しておいてみよう」といったミッションが、ミッション情報としてユーザ端末70に向けて出力される。
【0051】
送付時期制御部29による栽培キットの送付時期の制御は以下のようにして行われる。具体的には、送付時期制御部29は、栽培情報取得部27にて取得された栽培情報から得られる、複数の植物の各々の発芽または植え付けの時期に合わせて栽培キットの送付時期を決定する。送付時期制御部29の制御により決定される栽培キットの送付時期は、栽培情報出力部28によりユーザ端末70に向けて出力される栽培情報の出力時期と同様に、ユーザの料理の時期に合わせた各々の植物の収穫時期から逆算された期間に基づいて決定される。
【0052】
具体的には例えば、ユーザの料理に用いられる植物が3種類である場合には、3種類の植物のうち最も種付けまたは植え付けの時期が早い植物に合わせて3種類の植物を包含する栽培キットが同時に送付されてもよい。この場合、栽培情報出力部28は、栽培情報として、3種類の植物の各々の適切な種付けまたは植え付けの時期をユーザ端末70に向けて出力する。また、3種類の植物の各々の種付けまたは植え付けの時期に合わせて栽培キットが3回に分割されて送付されてもよい。なお、複数種類の植物の各々の種付けまたは植え付けの時期に合わせて、栽培キットが分割送付される具体例については、
図5を用いて後述する。
【0053】
ミッション情報記憶部30は、予め作成されたミッション情報を、記憶装置50のミッション情報DB55に記憶して管理する。また、ミッション情報記憶部30は、必要に応じて記憶部13にミッション情報を記憶させて管理する。
【0054】
結果情報取得部31は、ユーザ端末70に入力された結果情報を取得する。また、ユーザ端末70がコミュニケーションロボットである場合には、結果情報取得部31は、ユーザとユーザ端末70との対話の内容に基づいてユーザ端末70により生成された結果情報を取得する。また、結果情報が記入された用紙が、ユーザ側からサービス提供者側に送付されてきた場合には、結果情報取得部31は、用紙に記載された内容をテキストデータ化したものを結果情報として取得する。
【0055】
自立度判定部32は、結果情報取得部31により取得された結果情報及びユーザ情報のうち少なくとも一方に基づいて、ユーザの日常生活における自立度に関する判定を行う。自立度の判定に用いられるユーザ情報としては、例えば図示せぬ他のデバイス(例えば活動量計)から得られるバイタルデータ等が挙げられる。自立度は、例えば官公庁により示される、高齢者の日常生活の自立の程度を表す基準に基づいて判定される。
【0056】
判定情報出力部33によりユーザ端末70に向けて出力された判定情報は、ユーザ端末70にてユーザが一見して把握できる態様でユーザ端末70に表示される。例えば、ユーザの日常生活における自立の程度を複数のランクを用いて段階的に表したものをユーザ端末70に表示させて、ユーザの自立の程度がどのランクに位置するのかを視覚的に把握できるようにしてもよい。なお、ユーザ端末に表示された判定情報の具体例については、
図9を用いて後述する。
【0057】
〔サーバの処理〕
次に、サーバ10の処理について、
図4及び
図5を用いて説明する。
図4は、サーバ10の処理のうち、ユーザ情報が取得されてから栽培キットの送付の制御が行われるまでの流れを示すフローチャートである。
【0058】
まず、
図3に示すユーザ情報取得部21は、ユーザ情報を取得する。具体的には、ユーザ情報取得部21は、ユーザ端末70に入力されたユーザ情報を取得する。また、他サービスを運営する外部サーバにて管理されているユーザ情報のうち、ユーザの承諾が得られているものを取得する場合もある(ステップ101)。ユーザ情報記憶部22は、ユーザ情報取得部21にて取得されたユーザ情報を記憶装置50に記憶する(ステップ102)。具体的には、ユーザ情報記憶部22は、ユーザ情報取得部21により取得されたユーザ情報を、ユーザ情報DB51に記憶させて管理する。また、ユーザ情報記憶部22は、必要に応じて自機の記憶部13にユーザ情報を記憶させて管理する。
【0059】
料理情報取得部23は、記憶装置50から料理情報を取得する(ステップ103)。具体的には、料理情報取得部23は、記憶装置50の料理情報DB54に記憶されている料理情報のうち、ユーザによる選択の対象となる料理情報を取得する。また、料理情報取得部23は、必要に応じて、料理情報が掲載されているインターネット上のウェブサイトから新たに料理情報を取得する。料理情報出力部24は、料理情報取得部23にて取得された料理情報をユーザ端末70に向けて出力する(ステップ104)。料理指定受付部25は、選択可能な態様でユーザ端末70に表示された複数の料理のうち、ユーザが希望する料理、及びその料理を行う時期の指定を受け付ける(ステップ105)。
【0060】
植物情報取得部26は、記憶装置50から植物情報を取得する(ステップ106)。具体的には、植物情報取得部26は、記憶装置50の植物情報DB52に記憶されている植物情報を取得する。また、植物情報取得部26は、必要に応じて、植物情報が掲載されているインターネット上のウェブサイトから新たに植物情報を取得する。栽培情報取得部27は、植物情報取得部26にて記憶装置50から取得された植物情報の各々の植物の栽培情報を取得する(ステップ107)。具体的には、栽培情報取得部27は、記憶装置50の栽培情報DB53に記憶されている栽培情報のうち、植物情報取得部26にて取得された植物情報の各々の植物の栽培情報を取得する。
【0061】
また、栽培情報取得部27は、必要に応じて、栽培情報が掲載されているインターネット上のウェブサイトから新たに栽培情報を取得する。また、栽培情報出力部28は、栽培情報取得部27にて取得された栽培情報をユーザ端末70に向けて出力する(ステップ108)。栽培情報出力部28によりユーザ端末70に向けて出力された栽培情報は、ユーザに報知される。具体的には、例えばユーザ端末70がスマートフォンやタブレットである場合には、上述した専用アプリや専用サイトを介して、テキストや音声の態様でユーザに報知される。
【0062】
送付時期制御部29は、ユーザが希望する料理に用いられる複数の植物の栽培キットをユーザに送付する時期の制御として、栽培キットの分割送付の有無を受け付ける(ステップ109)。ここで、栽培キットの分割送付が希望された場合(ステップ110でYES)、送付時期制御部29は、植物毎に栽培キットを送付する制御を行う(ステップ111)。これに対して、ステップ110で栽培キットの分割送付が希望されなかった場合(ステップ110でNO)、送付時期制御部29は、最先となる植物の送付日に栽培キットを送付する制御を行う(ステップ112)。なお、栽培キットの分割送付が希望されたために、複数の植物の各々の種付けまたは植え付けの時期に合わせて栽培キットが複数回に分割されて送付される場合の具体例については、
図6を用いて後述する。
【0063】
図5は、サーバ10の処理のうち、結果情報が取得されてから判定結果が出力されるまでの流れを示すフローチャートである。
【0064】
結果情報取得部31が結果情報を取得した場合(ステップ201でYES)、自立度判定部32は、取得された結果情報に基づいて、ユーザの日常生活における自立度に関する判定を行う(ステップ202)。これに対して、ステップ201で結果情報が取得されなかった場合(ステップ201でNO)、結果情報取得部31が結果情報を取得するまでステップ201の判断処理が繰り返し実行される。判定情報出力部33は、ユーザの自立度に関する判定の結果を「判定情報」としてユーザ端末70に向けて出力する(ステップ203)。なお、ユーザ端末70に向けて出力され、ユーザ端末70にて表示された判定情報の具体例については、
図9を用いて後述する。
【0065】
以上のように、本実施の形態が適用される認知症予防システム1では、高齢者であるユーザが自分で調理して食べてみたい料理を指定すると、その料理に用いられる植物の栽培、収穫、料理、及び摂取という一連の流れを楽しみながら体験できるようにした。さらに、ユーザに対して定期的に提供されるミッションに対して、ユーザがそのミッションに沿った行動をとることで、認知症予防効果を享受できるというものである。そして、本実施の形態において特筆すべきは、電子機器の取り扱いに不慣れである者が多い高齢者に提供される上述の3つのサポートサービスである。このうち1つ目が「定期便サービス」であり、2つ目が「ロボットサービス」であり、3つ目が「グループサービス」である。ユーザは、この3つのサポートサービスを利用することで、従来のサービスで前提とされていたユーザ本人によるスマートフォン等への操作を不要とすることができる。
【0066】
〔具体例〕
次に、本サービスの具体例について、
図6乃至
図9を用いて説明する。
図6は、複数の植物の各々の種付けまたは植え付けの時期に合わせて栽培キットが複数回送付される場合の具体例を示す図である。
【0067】
図6には、ユーザにより指定された料理が「けんちん汁」であり、その食材となる植物として、「ゴボウ(ごぼう)」、「ニンジン(人参)」、及び「ダイコン(大根)」の3種類の植物が含まれる例が示されている。
図6の例では、ユーザに対して栽培キットが3回に分割送付される。具体的には、ゴボウ(ごぼう)、ニンジン(人参)、及びダイコン(大根)の各々の種付けまたは植え付けの時期として好適とされる時期と、ユーザが料理を行う時期とに基づく逆算の結果、ゴボウ(ごぼう)、ニンジン(人参)、及びダイコン(大根)の各々の植物の栽培キットの送付時期が決定される。
【0068】
図6の例では、ゴボウ(ごぼう)の種付けまたは植え付けが行われた後、発芽するまでの目安は「7~14日」、その後収穫までの目安となる期間は「約3か月」とされている。また、ニンジン(人参)の種付けまたは植え付けが行われた後、発芽するまでの目安は「7~14日」、その後収穫までの目安となる期間は「約2か月半」とされている。また、ダイコン(大根)の種付けまたは植え付けが行われた後、発芽するまでの目安は「2~5日」、その後収穫までの目安となる期間は「約1か月半」とされている。ここで、
図5に示すように、ユーザが「けんちん汁」を料理する時期から逆算された収穫時期が「10月1日(10/1)」であったとする。このような場合に、栽培キットの分割送付が希望されると、例えばゴボウ(ごぼう)の栽培キットの送付時期は「6月15日(6/15)」、ニンジン(人参)の栽培キットの送付時期は「6月30日(6/30)」、ダイコン(大根)の栽培キットの送付時期は「9月15日(9/15)」となる。このように、
図6の例では、ゴボウ(ごぼう)、ニンジン(人参)、ダイコン(大根)の順番で栽培キットが送付される。また、
図6の3種類の植物を栽培している期間中、ユーザ端末70には、栽培情報としての各種のアドバイスと共に、認知症予防に繋がる行動を促すミッションが定期的に提供される。そして、収穫の時期には、料理情報としてのけんちん汁のレシピと共に、認知症予防に繋がる行動を促すミッションが提供される。
【0069】
図7(7A)は、ユーザ端末に選択可能な態様で表示された複数の料理情報の具体例を示す図である。
図7(7B)は、ユーザによる選択の結果、ユーザ端末に表示された料理情報の具体例を示す図である。本サービスの利用を開始しようとするユーザのユーザ端末70には、複数の料理が選択可能な態様で表示される。
図7(7A)には、その一例として、「生春巻き」、「けんちん汁」等の各々の撮像画像のアイコンが表示されている。また、各アイコンの下には、料理の名称と、それ以外の料理情報とがテキストデータの形式で示されている。また、「おススメ料理」という表記の下には、ユーザにおすすめの複数の料理の各々を示すアイコンが表示されている。「おススメの料理」は、例えばユーザ情報から得られるユーザの過去の栽培キットの購入履歴、または料理の選択履歴に基づいて決定されてもよい。この場合、ユーザが過去に栽培したことがない植物が用いられている料理や、ユーザが好む傾向にある植物が多く用いられている料理等が「おススメの料理」としてリコメンドされてもよい。さらに、ユーザ情報にユーザの既往歴を登録できるようにして、ユーザが積極的に摂取すべき栄養素(例えばカルシウム、各種ビタミン、繊維質)を多く含む植物を食材とする料理がリコメンドされてもよい。またさらに、判定された自立度に応じた料理がリコメンドされてもよい。この場合、例えば自立度が低いと判定されたユーザには、栽培の難易度が低い植物を食材とする料理や、手順が少なくて難易度が低い料理がリコメンドされてもよい。
【0070】
また、他のユーザに人気の料理(例えば植物別人気料理ベスト5等)や、サービス提供者が在庫として抱える種苗の在庫量(即ち、サービス提供者側の事情)に応じて、「おススメの料理」の栽培キットがセール商品としてリコメンドされてもよい。ここで、ユーザが、ユーザ端末70に表示された複数の料理のうち「生春巻き」を選択して指定したとする。すると、ユーザ端末70には、
図7(7B)に示す画面が表示される。
図7(7B)に示す画面には、「生春巻き」の撮像画像、使用植物や栽培方法を含む料理情報が表示される。なお、
図7(7A)及び
図7(7B)に示す画像に含まれる各種情報や、各種情報の画面上のレイアウトは、本サービスの内容を理解し易くするための一例に過ぎない。このため、
図7(7A)及び
図7(7B)に示す画像により示されている情報以外の情報を含めることができる。
【0071】
図8は、ユーザに対して継続的に提供される、ミッションを含む定期便の具体例を示す図である。
図8には、ユーザによる本サービスの利用開始後4回にわたりユーザに送付された定期便T1乃至T4の各々についての、送付日と、内容物と、その内容物に含まれるミッション(Mission)の内容とが示されている。なお、
図8の例は、ユーザの自立度が、自らユーザ端末70を使用して本サービスを利用できる程度であるケースを示している。具体的には、まず、「植える」時期である6月15日(6/15)にユーザに送付された定期便T1には、種、鉢、土、冊子等からなる栽培キットが内容物に含まれていた。そして、この冊子にはミッション(Mission)M1が記載されており、その内容は「鉢に名前を付けよう」、「鉢の写真を投稿しよう」というものであった。定期便T1を受け取ったユーザは、ミッションM1に沿った行動をとると、その結果をユーザ端末70に入力した。
【0072】
その1か月後、「育てる」時期である7月15日(7/15)にユーザに送付された定期便T2には、肥料、虫よけ等のセットと冊子とが内容物に含まれていた。そして、この冊子にはミッション(Mission)M2が記載されており、その内容は「病気の葉がないかチェックしよう」、「生ごみから肥料を作ってみよう」というものであった。定期便T2を受け取ったユーザは、ミッションM2に沿った行動をとると、その結果をユーザ端末70に入力した。さらにその1か月後、「さらに育てる」時期である8月15日(8/15)にユーザに送付された定期便T3には、肥料、飾り付け等のセットと冊子とが内容物に含まれていた。そして、この冊子にはミッション(Mission)M3が記載されており、その内容は「飾りつけをしてみよう」、「飾り付けをシェアしよう」、「日当たりの良い場所を探しておいてみよう」というものであった。定期便T3を受け取ったユーザは、ミッションM3に沿った行動をとると、その結果をユーザ端末70に入力した。さらにその1か月半後、「収穫・食べる」時期である10月1日(10/1)にユーザに送付された定期便T4には、レシピ、調味料等のセットと冊子とが内容物に含まれていた。そして、この冊子にはミッション(Mission)M3が記載されており、その内容は「レシピに沿って調理してみよう」、「育て食べた感想を川柳でシェアしよう」というものであった。定期便T4を受け取ったユーザは、ミッションM4に沿った行動をとると、その結果をユーザ端末70に入力した。
【0073】
また、本サービスでは、植物の栽培期間中、定期的に定期便が送付されるだけでなく、複数のユーザが参加可能なコミュニティの場が設けられている。ユーザは、コミュニティの場を介して他のユーザとコミュニケーションをとり、他のユーザからアドバイスを受けたり、他のユーザにアドバイスを提供したりしながら、ミッションに沿った行動を効率良くとることもできる。また、コミュニティの場には、複数のユーザのみならず、サービス提供者により予め用意された、植物の栽培の専門家やチャットボットも参加することができる。これにより、ユーザは、植物の栽培に関する知識が十分でない複数のユーザのみでは解決できない専門的な問題や、チャットボットが回答できるレベルの定型的な問題を、専門家やチャットボットに尋ねることで容易に解決することが可能となる。
【0074】
図9(9A)及び(9B)は、ユーザ端末に表示された判定情報の具体例を示す図である。ミッションに対する結果がユーザ端末70に入力されて、サーバ10にて自立度が判定されると、その判定結果の情報が「判定情報」としてユーザ端末70に表示される。
図9(9A)には、その一例として、ユーザの自立の程度がどのランクに位置するのかを把握できる画面が示されている。
図9(9A)の例では、ユーザの自立の程度は、A乃至Eの各々のランクに区分される。さらに、BはBaとBbとに細分され、CはCaとCbとに細分される。
【0075】
このうち、ランクAは、何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立できているユーザがあてはまる。また、ランクBは、日常生活に支障を来たすような症状または行動、あるいは意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できるユーザがあてはまる。ランクBにあてはまるユーザのうち、ランクBの状態が家庭外でみられるユーザはランクBaにあてはまり、ランクBの状態が家庭内でみられるユーザはランクBbにあてはまる。また、ランクCは、日常生活に支障を来たすような症状または行動、あるいは意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とするユーザがあてはまる。ランクCにあてはまるユーザのうち、ランクCの状態が日中を中心としてみられるユーザはランクCaにあてはまり、ランクCの状態が夜間を中心としてみられるユーザはランクCbにあてはまる。また、ランクDは、日常生活に支障を来たすような症状または行動、あるいは意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とするユーザがあてはまる。また、ランクEは、著しい精神症状や周辺症状あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とするユーザがあてはまる。
【0076】
図9(9A)には、矢印と、ランクAを表すアイコンが強調して表示させることで、判定の結果がランクAであることが示されている。ここで、ユーザが
図9(9A)のランクAを示すアイコンを選択する操作を行うと、
図9(B)に示す画面がユーザ端末70に表示される。
図9(B)に示す画面には、自立度がランクAである場合の判定結果の詳細が、ユーザが把握しやすいテキストによって表示される。
図9(A)及び
図9(B)に示す画面は、高齢者であるユーザ本人のユーザ端末70のみならず、同一グループに属する他のユーザのユーザ端末70にも表示させてもよい。この場合、同一グループに属する他のユーザとしては、例えば高齢者であるユーザの子供のユーザ、及び主治医のユーザが挙げられる。なお、
図9(9A)及び
図9(9B)に示す画像に含まれる各種情報や、各種情報の画面上のレイアウトは、本サービスの内容を理解し易くするための一例に過ぎない。このため、
図9(9A)及び
図9(9B)に示す画像により示されている情報以外の情報を含めることができる。
【0077】
ユーザ端末70に表示される判断情報は、ユーザに提供されたミッションに沿った行動の有無または行動の内容に基づいて判断された結果となる。例えば、
図8のミッションM1のうち、「鉢に名前を付けよう」というミッションと、「鉢の写真を投稿しよう」というミッションとには難易度が大きく異なる。「鉢に名前を付けよう」というミッションは、ユーザの頭で鉢の名前を考えるだけでよいので、医学的な見地からも難易度が低くなることが想定できる。このため、「鉢に名前を付けよう」というミッションを行うことができなかったユーザは、自立度の判定においてが低いランクに位置すると判定されることになる。例えば、
図9(9A)に示す自立度のランクのうち、DランクやEランクに当てはまると判定されることになる。これに対して、「鉢の写真を投稿しよう」というミッションは、ユーザ端末70のカメラを起動させる、シャッターを押す、保存された撮像画像のデータを選択する、コミュニティの場やSNS(social networking service)等に投稿する、という一連の操作が必要になる。このような操作は、医学的な見地からも難易度が高くなることが想定できる。このため、「鉢の写真を投稿しよう」というミッションを行うことができたユーザは、自立度の判定において高いランクに位置すると判定されることになる。例えば、
図9(9A)に示す自立度のランクのうち、Aランクに当てはまると判定されることになる。
【0078】
また、
図9に示すような自立度の判定の結果は、次にユーザに送付される定期便に含まれるミッションの内容に影響を与える。具体的には例えば、上述した
図8の定期便T1のミッションM1のうち、「鉢に名前を付けよう」というミッションを行うことができなかったユーザの自立度がEランクと判定されたとする。このような場合、ユーザに対して次に送付される定期便T2に含まれるミッションの内容は、ユーザの自立度がEランクであることが考慮されたものとなる。例えば、「生ごみから肥料を作ってみよう」といった難易度の高いミッションではなく、「日当たりの良い場所を探しておいてみよう」といった難易度の低いミッションが提供されることになる。また例えば、
図8の定期便T1のミッションM1のうち、「鉢の写真を投稿しよう」というミッションを行うことができたユーザの自立度がAランクと判定されたとする。このような場合、ユーザに対して次に送付される定期便T2に含まれるミッションの内容は、ユーザの自立度がAランクであることが考慮されたものとなる。例えば、「日当たりの良い場所を探しておいてみよう」といった難易度の低いミッションではなく、「生ごみから肥料を作ってみよう」といった難易度の高いミッションが提供されることになる。つまり、定期便毎にユーザに提供されるミッションの内容は、ユーザの自立度に応じたものとなる。これにより、認知症予防効果の効率的な向上が期待できる。
【0079】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した本実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した本実施の形態に記載されたものに限定されない。
【符号の説明】
【0080】
10…サーバ、21…ユーザ情報取得部、22…ユーザ情報記憶部、23…料理情報取得部、24…料理情報出力部、25…料理指定受付部、26…植物情報取得部、27…栽培情報取得部、28…栽培情報出力部、29…送付時期制御部、30…ミッション情報記憶部、31…結果情報取得部、32…自立度判定部、33…判定情報出力部、50…記憶装置、70…ユーザ端末、90…ネットワーク