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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151133
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ブラインド用ドラム装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/322 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
E06B9/322
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054057
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】長嶺 陽一
(72)【発明者】
【氏名】千坂 之則
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA01
2E043BB14
2E043BB16
2E043BC02
2E043BD01
2E043BE04
2E043DA03
2E043DA04
(57)【要約】
【課題】メンテナンス性を向上させたブラインド用ドラム装置を提供する。
【解決手段】ブラインド用ドラム装置100は、ブラインド10のヘッドボックス12内に固定され、ドラム受け110と、少なくとも2つのドラム140、150と、を備える。ドラム受け110は、第1ドラム140が回転可能に支持される第1ドラム受け部120と、第2ドラム150が回転可能に支持される第2ドラム受け部130と、を有する。第1ドラム受け部120と第2ドラム受け部130は、第1ドラム140と第2ドラム150の軸心が上下方向において異なる高さとなるとともに、軸方向に重ならないように軸方向にオフセットされて配置される。第1ドラム140に連結された昇降コード18と、第2ドラム150に連結されたラダーコード14は、ヘッドボックス12の軸方向の近接又は一致した位置から垂下可能であるように構成されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラインドのヘッドボックス内に固定されるドラム装置であって、
ドラム受けと、少なくとも2つのドラムと、を備え、
前記ドラム受けは、第1ドラムが回転可能に支持される第1ドラム受け部と、第2ドラムが回転可能に支持される第2ドラム受け部と、を有し、
前記第1ドラム受け部と前記第2ドラム受け部は、前記第1ドラムと前記第2ドラムの軸心が上下方向において異なる高さとなるとともに、前記第1ドラムと前記第2ドラムが軸方向に重ならないように軸方向にオフセットされて配置され、
前記第1ドラムに連結されたコードと、前記第2ドラムに連結されたコードは、前記ヘッドボックスの軸方向の近接又は一致した位置から垂下可能であることを特徴とする、ブラインド用ドラム装置。
【請求項2】
前記第1ドラム受け部と前記第2ドラム受け部は互いに連通する連通部を備え、前記第2ドラムに連結されたコードは、前記連通部を介して前記第1ドラム受け部に導入され、前記第1ドラムに連結されたコードと近接又は一致した位置から垂下可能であることを特徴とする、請求項1に記載のブラインド用ドラム装置。
【請求項3】
前記第1ドラム受け部は、前記第1ドラム受け部内と前記ヘッドボックス外とを連通するコード導出口を備え、
前記第2ドラムに連結されたコードは、前記連通部から前記コード導出口に向かって斜め下方に導かれることを特徴とする、請求項2に記載のブラインド用ドラム装置。
【請求項4】
前記第2ドラムに連結されたコードは、スラットが載置される中段コードを備えたラダーコードであり、前記ヘッドボックス内に配置される前記ラダーコードの部分には、前記ラダーコードの中段コードが設けられていないことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載のブラインド用ドラム装置。
【請求項5】
前記第1ドラム受け部と前記第2ドラム受け部とは、両者を係止することで一体化されるようにしたことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載のブラインド用ドラム装置。
【請求項6】
前記第2ドラム受け部には係止部が形成され、
前記係止部が前記第1ドラム受け部の壁部を係止することを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のブラインド用ドラム装置。
【請求項7】
前記第2ドラム受け部には前記第1ドラム受け部からの浮き上がりを防止する浮き上がり防止部が形成されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載のブラインド用ドラム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインド用ドラム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のブラインド用ドラム装置としては、特開2000-179260号公報(特許文献1)に示されるものがある。同文献に開示されるブラインド用ドラム装置では、昇降コードはコードサポートに回転可能に支持された巻取りプーリーから吊下支持され、ラダーコードの上端は、コードサポートに回転可能に支持されたコードドラムに取着している。そして、コードドラムには、コードドラムがコードサポートに支持されたときのコードドラムとラダーコード吊下位置とのずれを吸収する吸収手段を設けている。
【0003】
かかる構成によれば、コードドラムは、コードサポートに回転可能に支持するための吸収手段としての複数の支持部のうち、いずれかの支持部において軸受けされることでコードサポートに回転可能に支持される。よって、ラダーコードを昇降コードと近接して吊下支持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-179260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来のブラインド用ドラム装置では、ラダーコードと昇降コードとを近接させるために、巻取りプーリーの上方にコードドラムを配置する構造となっている。例えば、組立てを行う場合には、コードサポートに巻取りプーリーを組み付け後にコードドラムを組み付ける必要がある。また、コードドラムから垂下するラダーコードは、巻取りプーリーとの干渉を防止しつつ、狭い空間を迂回させながらコードサポートに通す必要がある。さらに、巻取りプーリーのメンテナンスが必要となった場合には、ヘッドボックス上方からは巻取プーリーにアクセスしづらいため、コードドラムを外す必要が生じ、組立てを含むメンテナンス性の面で課題があった。
【0006】
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、メンテナンス性を向上させたブラインド用ドラム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明によれば、ブラインドのヘッドボックス内に固定されるドラム装置であって、ドラム受けと、少なくとも2つのドラムと、を備え、前記ドラム受けは、第1ドラムが回転可能に支持される第1ドラム受け部と、第2ドラムが回転可能に支持される第2ドラム受け部と、を有し、前記第1ドラム受け部と前記第2ドラム受け部は、前記第1ドラムと前記第2ドラムの軸心が上下方向において異なる高さとなるとともに、前記第1ドラムと前記第2ドラムが軸方向に重ならないように軸方向にオフセットされて位置に配置され、前記第1ドラムに連結されたコードと、前記第2ドラムに連結されたコードは、軸方向の近接又は一致した位置から垂下可能であることを特徴とする、ブラインド用ドラム装置が提供される。
【0008】
かかる構成によれば、第1ドラムに連結されたコードと、第2ドラムに連結されたコードとが軸方向の近接又は一致した位置から垂下可能であるため意匠性が良い上に、第1ドラムと第2ドラムとが軸方向にずれた配置となるため、コードを配回しやすくなるとともに各ドラムへのアクセスが容易であり、メンテナンス性に優れる。
【0009】
また、第2ドラムの軸心を第1ドラムの軸心から上下にずらしたことで、2つの駆動軸を配置することが可能となる。スラットの昇降と回転を別々の回転軸で行う横型ブラインドだけでなく、第1ドラムを昇降回転ドラムとし、第2ドラムを回転ドラムとすれば、上下に配置した2つのスラット群を別々の開閉状態に切り替えることが可能な2段式ブラインドにも適用できる。
【0010】
本発明は様々な応用が可能である。例えば、前記第1ドラム受け部と前記第2ドラム受け部は互いに連通する連通部を備え、前記第2ドラムに連結されたコードは、前記連通部を介して前記第1ドラム受け部側から垂下可能であってもよい。かかる構成によれば、連通部を介して第2ドラムに連結されたコードを第1ドラム側に案内できるため、第2ドラムに連結されたコードと第1ドラムに連結されたコードとを近接又は一致させて垂下させることができる。また、第2ドラムに連結されたコードを第1ドラム受け部内で配回すことができ、ヘッドボックス内の他の部品などの干渉を受けずにコードを動作させることができる。
【0011】
また、前記第1ドラム受け部は、前記第1ドラム受け部内と前記ヘッドボックス外とを連通するコード導出口を備え、前記第2ドラムに連結されたコードは、前記連通部から前記コード導出口に向かって斜め下方に導かれるようにしてもよい。かかる構成によれば、連通部とコード導出口が第2ドラムに連結されたコードをヘッドボックス外に向かって斜め下方に導くため、上下方向に移動するコードの移動方向に逆らわずに導かれる。よって、コードの移動に伴う負荷を軽減できる。
【0012】
前記第2ドラムに連結されたコードは、スラットが載置される中段コードを備えたラダーコードであり、前記ヘッドボックス内に配置される前記ラダーコードの部分には、前記ラダーコードの中段コードが設けられていないようにしてもよい。かかる構成によれば、中段コードが邪魔になることなくラダーコードを組付けたり、移動したりすることができる。
【0013】
また、前記第1ドラム受け部と前記第2ドラム受け部とは、両者を係止することで一体化されるようにしてもよい。かかる構成によれば、第1ドラム受け部と第2ドラム受け部とを係止によって一体化させる構造としたことで、組立性が向上するとともに、係止を解除すれば両者を分離できるため、メンテナンス性にも優れる。
【0014】
また、前記第2ドラム受け部には係止部が形成され、前記係止部が前記第1ドラム受け部の壁部を係止するようにしてもよい。かかる構成によれば、第1ドラム受け部の壁部に対して第2ドラム受け部の係止部を係止させるだけで、容易に両者を一体化させることができる。第2ドラム受け部をヘッドボックス底面に直接載置する必要がなくなるため、第2ドラム受け部をヘッドボックス内の上方に配置することが可能になる。これにより、第2ドラム受け部の下方に他の部品を配置する等、ヘッドボックス内の空間を有効利用できる。
【0015】
また、前記第2ドラム受け部には前記第1ドラム受け部からの浮き上がりを防止する浮き上がり防止部が形成されていてもよい。かかる構成によれば、第2ドラム受け部の浮き上がりが防止されるため、安定して第2ドラムを支持することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のブラインド用ドラム装置によれば、メンテナンス性を向上させることが可能である。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態のドラム装置100を備えたブラインド10の正面図である。
図2図1のA部の拡大部分断面図である。
図3】ドラム受け110を示す斜視図であり、(a)は第1ドラム受け部120と第2ドラム受け部130とを分離した状態を示し、(b)は第1ドラム受け部120と第2ドラム受け部130を一体化した状態を示す。
図4】第1ドラム受け部と第2ドラム受け部の係合状態を示す斜視図であり、(a)は分離した状態を示し、(b)は一体化した状態を示す。
図5】ドラム装置100の斜視図である。
図6】ドラム装置100の部分を示す図であり、(a)は図2のB-B断面図であり、(b)は図2のC-C断面図である。
図7】第2の実施形態のドラム装置200を備えたブラインド50の正面図である。
図8】ブラインド50の概略側面図であり、(a)はスラットが水平の状態を示す図であり、(b)は上段スラットのみ傾動した状態を示す図であり、(c)は上下段スラットが傾動した状態を示す図である。
図9図7のD部の拡大部分断面図である。
図10】ドラム装置200の部分を示す図であり、(a)は図9のE-E断面図であり、(b)は図9のF-F断面図である。
図11】ドラム装置200の部分を示す図であり、図9のG-G断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るドラム装置100を備えたブラインド10の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態のドラム装置100を備えたブラインド10の正面図である。図2は、図1のA部の拡大部分断面図である。
【0020】
ドラム装置100は、ブラインド10のヘッドボックス12内に固定される。ドラム装置100は、ドラム受け110と、少なくとも2つのドラム140、150と、を備える。ドラム受け110は、第1ドラム140が回転可能に支持される第1ドラム受け部120と、第2ドラム150が回転可能に支持される第2ドラム受け部130と、を有する。第1ドラム受け部120と第2ドラム受け部130は、第1ドラム140と第2ドラム150が軸方向に重ならないように軸方向にオフセットされた位置に配置される。第1ドラム140に連結された昇降コード18と、第2ドラム150に連結されたラダーコード14は、軸方向の近接又は一致した位置から垂下可能である。
【0021】
まず、ブラインド10の全体的な構成について、図1を参照しながら説明する。ブラインド10は、図1に示したように、図示していない窓枠等にブラケットを介して固定されるヘッドボックス12と、ヘッドボックス12から垂下するラダーコード14と、ラダーコード14によって整列状態に支持されるスラット16と、スラット16を昇降する昇降コード18と、を主に備える。
【0022】
ヘッドボックス12内には、第1回転軸20と第2回転軸22とが回転可能に支持されている。第1回転軸20には、第1ドラム140が連動して回転するように設けられている。また、第2回転軸22には、第2ドラム150が連動して回転するように設けられている。ラダーコード14は、第2ドラム150の回転によって傾動し、スラット16を回転させる。ラダーコード14のヘッドボックス12内に配置される部分には、スラット16を載置するための中段コードが設けられていない。また、昇降コード18は、第1ドラム140の回転によって巻取り及び巻解かれて、スラット16を昇降させる。
【0023】
さらに、ヘッドボックス12内には、第1回転軸20を回転駆動させるための第1モータ24と、第2回転軸22を回転駆動させるための第2モータ26と、第1回転軸20の回転量を検出するエンコーダ28と、第1モータ24を駆動するための第1駆動ユニット30と、第2モータ26を駆動するための第2駆動ユニット32と、第1駆動ユニット30及び第2駆動ユニット32の駆動を制御する制御ユニット34と、商用電源36からモータ用と制御用のそれぞれの直流電圧を生成するスイッチング電源38と、スラット16が上限まで畳上げられたことを検出するリミットスイッチ40と、商用電源36からモータ用と制御用のそれぞれの直流電圧を生成するスイッチング電源38と、が設けられる。
【0024】
以上、ブラインド10の全体構成について説明した。以下、本実施形態の特徴的な構成であるドラム装置100の各部の構成について、図2を参照しながら説明する。ドラム装置100は、ドラム受け110と、少なくとも2つのドラム140、150と、を備える。ドラム受け110は、第1ドラム140が回転可能に支持される第1ドラム受け部120と、第2ドラム150が回転可能に支持される第2ドラム受け部130と、を有する。ヘッドボックス12内における第2ドラム受け部130の下方空間には、前述のリミットスイッチ40が配置されている。
【0025】
第1ドラム受け部120と第2ドラム受け部130は、第1ドラム140と第2ドラム150が軸方向に重ならないように軸方向にオフセットされた位置に配置される。第1ドラム140に連結された昇降コード18と、第2ドラム150に連結されたラダーコード14は、軸方向の近接又は一致した位置から垂下する。
【0026】
(ドラム受け110)
ドラム受け110は、第1ドラム140と第2ドラム150を回転可能に支持するものである。ドラム受け110の構成について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、ドラム受け110を示す斜視図である。図4は、第1ドラム受け部120と第2ドラム受け部130の係合状態を示す斜視図である。ドラム受け110は、第1ドラム140が回転可能に支持される第1ドラム受け部120と、第2ドラム150が回転可能に支持される第2ドラム受け部130と、を有する。
【0027】
(第1ドラム受け部120)
第1ドラム受け部120は、図3(a)に示したように、長方形状の底部121と、底部121の短辺の両端部から垂直方向に延びる第1壁部122及び第2壁部123と、を備える。第1ドラム受け部120は、底部121がヘッドボックス12の底面に載置されて固定される。底部121には、昇降コード18をヘッドボックス12から垂下させるための昇降コード導出口124が形成されている。
【0028】
また、底部121には、ラダーコード14をヘッドボックス12から垂下させるためのラダーコード導出口125が昇降コード導出口124の両側方に形成されている。このように、昇降コード導出口124とラダーコード導出口125は軸方向において同じ位置であるため、ブラインド10を正面から見たときに、昇降コード18とラダーコード14が前後で重なり合うようになる。よって、ブラインド10の意匠性が向上する。
【0029】
第1ドラム受け部120は、図3(b)に示したように、第1壁部122と第2壁部123間において第1ドラム140を回転可能に支持している。図3(a)に示したように、第1壁部122の下部両端部近傍にラダーコード14が挿通する2つの第1連通部126がそれぞれ形成されている。また、2つの第1連通部126の互いに近い辺から接近する方向に屈曲する略L字状の受け部127がそれぞれ形成されている。
【0030】
第1ドラム受け部120の上部には、図3(a)に示したように、後述する第2ドラム受け部130の係止部133が係止される被係止部128が2つ形成されている。被係止部128は、上下方向に延びる略U字状のU字溝部128aと第1ドラム受け部120の上端に階段状に形成されるL字溝部128b(図2参照)とを備える。
【0031】
第1壁部122の被係止部128に挟まれた前後方向中央には、図3(a)に示したように、第1ドラム140を支持する支持部129が軸方向に突出して形成されている。
【0032】
(第2ドラム受け部130)
第2ドラム受け部130の上部には、図3(a)に示したように、第2ドラム150が回転自在に支持されている。第2ドラム受け部130の下部には、ラダーコード14が挿通する2つの第2連通部131がそれぞれ形成されている。第2連通部131は、第1ドラム受け部120の第1連通部126に対応する位置に配置されており、下方が開放された略コ字状の形状である。第2ドラム受け部130が第1ドラム受け部120に取り付けられた際には、図3(b)に示したように、第2連通部131と第1連通部126とが連通する。
【0033】
また、第2連通部131の上辺には、図4(a)に示したように、第1ドラム受け部120の方向に突出する浮き上がり防止部132が形成されている。浮き上がり防止部132は、第2ドラム受け部130が第1ドラム受け部120に取り付けられた際には、図2に示したように、第1連通部126の上辺に下側から係止される。よって、第2ドラム受け部130の浮き上がりが防止される。
【0034】
第2ドラム受け部130の第2連通部131の上方には、図4(a)に示したように、係止部133が形成されている。係止部133は、第1ドラム受け部120に略T字状に突出した形状である。係止部133は、図4(b)に示したように、略T字の縦部133aが第1ドラム受け部120の被係止部128のU字溝部128aに挿入されて係止される。
【0035】
また、係止部133の略T字の横部133bは、図2に示したように、略L字状に形成されている。係止部133の縦部133aが被係止部128のU字溝部128aに挿入されたときに、第1ドラム受け部120のL字溝部128bが横部133bの略L字状の内側に挿入されるように係止される。
【0036】
第2ドラム受け部130の第2連通部131に挟まれた前後方向中央には、図3(a)に示したように、下端から上方に向かって開口134が形成されている。開口134には、図3(b)に示したように、第1ドラム受け部120の支持部129が挿入される。また、開口134と第2連通部131の間に形成される脚部135は、図3(b)に示したように、第1ドラム受け部120の第1壁部122と受け部127との間に挿入されて、第2ドラム受け部130の軸方向及び前後方向への移動が規制される。
【0037】
以上、第1ドラム受け部120と第2ドラム受け部130の構成について説明した。次に、第1ドラム受け部120と第2ドラム受け部130とが組付けられる手順について、図2図4を参照しながら説明する。図3(a)に示したように、第2ドラム受け部130の係止部133(図4(a)参照)が第1ドラム受け部120の第1壁部122と対面するように配置する。
【0038】
そして、第2ドラム受け部130を第1壁部122に接触させながら下方にスライドさせる。すると、係止部133は、図4(b)に示したように、縦部133aが第1ドラム受け部120の被係止部128に挿入され、横部133bの略L字状の内側にL字溝部128bが挿入されるように係止される。このように、係止部133が被係止部128に係止されて、第2ドラム受け部130の下方向、前後方向及び軸方向への移動が規制される。
【0039】
また、係止部133が被係止部128に係止された際には、浮き上がり防止部132が、図2に示したように、第1連通部126の上辺に下側から係止される。よって、第2ドラム受け部130の浮き上がりが防止される。
【0040】
さらに、第2ドラム受け部130の第2連通部131と開口134の間に形成される脚部135が、図3(b)に示したように、第1ドラム受け部120の受け部127と第1壁部122の間に挿入される。よって、第2ドラム受け部130の軸方向及び前後方向への移動が規制される。
【0041】
このように、第2ドラム受け部130の係止部133が、第1ドラム受け部120の第1壁部122を係止することで、第2ドラム受け部130は第1ドラム受け部120に取り付けられる。図2に示したように、第2ドラム受け部130はヘッドボックス12の底面に直接載置する必要がなくなるため、第2ドラム受け部130をヘッドボックス12内の上方に配置することが可能になる。これにより、第2ドラム受け部130の下方にリミットスイッチ40を配置できる。
【0042】
以上、ドラム装置100の構成について説明した。以下、ドラム装置100に、ラダーコード14及び昇降コード18を取り付けた状態について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、ドラム装置100の斜視図である。図6は、ドラム装置100の部分を示す図であり、(a)は図2のB-B断面図であり、(b)は図2のC-C断面図である。
【0043】
ラダーコード14は、図5及び図6(a)に示したように、第2ドラム150の前後両側から第2ドラム受け部130に沿って垂下し、第2連通部131及び第1連通部126を挿通して、第1ドラム受け部120側に挿入される。第1ドラム受け部120側では、底部121に沿って軸方向に導かれ、ラダーコード導出口125を通ってヘッドボックス12の下方に垂下する。
【0044】
昇降コード18は、図5及び図6(b)に示したように、第1ドラム140の下部から垂下し、昇降コード導出口124を通ってヘッドボックス12の下方に垂下する。このように、昇降コード18は、軸方向においてラダーコード14とほぼ近接した位置で垂下する。
【0045】
さらに、ヘッドボックス12には、第2ドラム装置300が設けられている(図1参照)。第2ドラム装置300は、ラダーコード14のみをヘッドボックス12から垂下させるものであり、昇降コード18を垂下させない。よって、第2ドラム装置300は、第2ドラム受け部130と、第1ドラム受け部120のラダーコード導出口125までの部分を簡略したような構成のものと、で構成することができる。
【0046】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1ドラム140と第2ドラム150とは軸方向にずれた配置となるため、コードを配回しやすくなるとともに各ドラムへのアクセスが容易であり、メンテナンス性に優れる。
【0047】
また、連通部を介して第2ドラム150に連結されたラダーコード14を第1ドラム140側に案内できるため、第2ドラム150に連結されたラダーコード14と第1ドラム140に連結された昇降コード18を近接させることができる。よって、意匠性が良い。
【0048】
また、第2ドラム150に連結されたラダーコード14を第1ドラム受け部120内で配回すことができ、ヘッドボックス12内の他の部品などの干渉を受けずにラダーコード14を動作させることができる。
【0049】
また、第1、第2連通部126、131とラダーコード導出口125がラダーコード14を向かって斜め下方に導くため、上下方向に移動するラダーコード14の移動方向に逆らわずに導かれる。よって、ラダーコード14の移動に伴う負荷を軽減できる。
【0050】
また、中段コードが邪魔になることなくラダーコード14を組付けたり、移動したりすることができる。
【0051】
また、第1ドラム受け部120の壁部に対して第2ドラム受け部130の係止部を係止させるだけで、容易に両者を一体化させることができる。第2ドラム受け部130をヘッドボックス12の底面に直接載置する必要がなくなるため、第2ドラム受け部130をヘッドボックス12内の上方に配置することが可能になる。これにより、第2ドラム受け部130の下方に他の部品を配置する等、ヘッドボックス12内の空間を有効利用できる。
【0052】
また、第2ドラム受け部130の浮き上がりが防止されるため、安定して第2ドラム150を支持することができる。
【0053】
また、第2ドラム150の軸心を第1ドラム140の軸心から上下にずらしたことで、2つの回転軸20、22を配置することが可能となる。
【0054】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るドラム装置200を備えたブラインド50の構成について、図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、第2の実施形態のドラム装置200を備えたブラインド50の正面図である。図8は、ブラインド50の概略側面図である。本実施形態は、ブラインド50が中間レールを挟んで上下2段でスラットの操作を行うことができる上下2段式ブラインドであることと、ドラム装置200の構成とが第1の実施形態のブラインド10及びドラム装置100と相違する。その他の点は第1の実施形態と同様に構成することができる。本実施形態では、主に第1の実施形態と相違する点について説明する。
【0055】
まず、ブラインド50の全体的な構成について、図7を参照しながら説明する。ブラインド10は、図7に示したように、中間レール60と、中間レール60より上方に配置される上段側スラット56-1と、中間レール60よりも下方に配置される下段側スラット56-2と、を備える。上段側スラット56-1は、図8に示したように、上段側ラダーコード54に支持され、下段側スラット56-2は下段側ラダーコード55に支持される。昇降コード18は、上段側スラット56-1、中間レール60、下段側スラット56-2を挿通してボトムレール62に連結されている。
【0056】
上段側ラダーコード54は、図8(a)に示したように、上端が第1の実施形態のラダーコード14と同様に第2ドラム150に連結されており、下端が中間レール60に連結されている。下段側ラダーコード55は、図8(a)に示したように、上端が第3ドラム260に連結されて、昇降コード18とともに上段側スラット56-1及び中間レール60を挿通して、下端がボトムレール62に連結されている。第3ドラム260の詳細については後述する。
【0057】
第2ドラム150が回転すると、図8(b)に示したように、上段側ラダーコード54が傾動して上段側スラット56-1及び中間レール60が傾動する。下段側スラット56-2は、動かない。第3ドラム260が回転すると、図8(c)に示したように、下段側ラダーコード55が傾動して下段側スラット56-2及びボトムレール62が傾動する。上段側スラット56-1は、動かない。
【0058】
(ドラム装置200)
ドラム装置200の構成について、図9及び図10を参照しながら説明する。図9は、図7のD部の拡大部分断面図である。図10は、ドラム装置200の部分を示す図であり、(a)は図9のE-E断面図であり、(b)は図9のF-F断面図である。ドラム装置200は、第3ドラム260を備えている点以外は、第1の実施形態のドラム装置100と同様に構成することができるため、相違する点について説明する。
【0059】
第3ドラム260は、図9に示したように、第1ドラム受け部120に回転可能に支持されている。第3ドラム260に上端が連結された下段側ラダーコード55は、第1ドラム受け部120内を下降して、上段側ラダーコード54と同じラダーコード導出口125からヘッドボックス12の下方に垂下する。
【0060】
第3ドラム260は、図10(b)に示したように、第1ドラム140を回転駆動する第1回転軸20が一体回転するように軸心を貫通している。第3ドラム260は、第1回転軸20の回転によって所定角度は第1ドラム140と一体に回転するが、それ以上の第1回転軸20の回転に対しては空回りするように構成されている。
【0061】
上段側ラダーコード54、下段側ラダーコード55及び昇降コード18の配回しについて、図10に加え図11を参照しながら説明する。図11は、ドラム装置200の部分を示す図であり、図9のG-G断面図である。上段側ラダーコード54は、図10(a)に示したように、第1の実施形態のラダーコード14と同様に、第1ドラム140の前後方向の両側から第2ドラム受け部130に沿って下方に導かれる。そして、図9に示したように、第2連通部131及び第1連通部126をそれぞれ挿通して第1ドラム受け部120内に導かれる。その後、図11に示したように、ラダーコード導出口125を通ってヘッドボックス12の下方に垂下する。
【0062】
下段側ラダーコード55は、図10(b)に示したように、第3ドラム260の前後方向の両側から下方に導かれる。そして、図9に示したように、下段側ラダーコード55は、第1ドラム受け部120の底面に沿って軸方向に導かれる。その後、下段側ラダーコード55は、図11に示したように、ラダーコード導出口125を通ってヘッドボックス12の下方に垂下する。このとき、下段側ラダーコード55は、上段側ラダーコード54の内側に配される。
【0063】
昇降コード18は、図11に示したように、第1の実施形態と同様に、第1ドラム140の下方から垂下し、その下方にある昇降コード導出口124を通ってヘッドボックス12の下方に垂下する。このように、上段側ラダーコード54、下段側ラダーコード55及び昇降コード18が軸方向において近接又は一致した位置から垂下する。
【0064】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、スラット16の昇降と回転を別々の駆動軸で行うため、第1ドラム140を昇降回転ドラムとし、第2ドラム150を回転ドラムとすれば、上下に配置した2つのスラット群56-1、56-2を別々の開閉状態に切り替えることが可能な2段式ブラインドにも適用できる。
【0065】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0066】
例えば、上記実施形態では、第1ドラム受け部120と第2ドラム受け部130は互いに連通する連通部126、131を備え、第2ドラム150に連結されたラダーコード14は、連通部126、131を介して第1ドラム受け部120側から垂下可能である構成としたが、本発明はこの例に限定されない。第1ドラムに連結されたコードと、第2ドラムに連結されたコードが、ヘッドボックスの軸方向の近接又は一致した位置から垂下可能であれば、任意の構成とすることができる。例えば、コードは、第1ドラム受け部と第2ドラム受け部の一方又は両方の外側を通る構成としてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、第1ドラム受け部120は、第1ドラム受け部120内とヘッドボックス12外とを連通するコード導出口125を備え、第2ドラム150に連結されたラダーコード14は、連通部126、131からラダーコード導出口125に向かって斜め下方に導かれる構成としたが、本発明はこの例に限定されない。第1ドラムに連結されたコードと、第2ドラムに連結されたコードが、ヘッドボックスの軸方向の近接又は一致した位置から垂下可能であれば、任意の構成とすることができる。例えば、コードは斜め上方に導かれたり、前後方向に進路を変えたりしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、第2ドラム150には、スラットを支持するラダーコード14が連結されており、ラダーコード14のヘッドボックス12内に配置される部分には、ラダーコード14の中段コードが設けられていない構成としたが、本発明はこの例に限定されない。ラダーコードの組付け、動作及び組み付けに支障がなければ中段コードが設けられていてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、第1ドラム受け部120と第2ドラム受け部130とは、両者を係止することで一体化される構成としたが、本発明はこの例に限定されない。第1ドラム受け部と第2ドラム受け部とが一体成形されたドラム受けとしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、第2ドラム受け部130には係止部133が形成され、係止部133が第1ドラム受け部120の第1壁部122を係止する構成としたが、本発明はこの例に限定されない。第2ドラム受け部と第1ドラム受け部との係止は任意の構成とすることができる。
【0071】
また、上記実施形態では、第2ドラム受け部130には第1ドラム受け部120からの浮き上がりを防止する浮き上がり防止部132が形成されている構成としたが、本発明はこの例に限定されない。第1ドラム受け部と第2ドラム受け部とは、両者を係止することで一体化される構成であれば、任意の構成とすることができる。
【0072】
また、上記実施形態では、第2ドラム150は、軸心が第1ドラム140の軸心に対して上下方向において異なる高さとなるように、第2ドラム受け部130に支持されるようにしたが、本発明はこの例に限定されない。第1ドラムに連結されたコードと、第2ドラムに連結されたコードが、ヘッドボックスの軸方向の近接又は一致した位置から垂下可能であれば、第1ドラムと第2ドラムは任意の配置とすることができる。
【0073】
上記実施形態、応用例、変形例は、任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0074】
10、50 ブラインド
12 ヘッドボックス
14 ラダーコード
18 昇降コード
100、200 ドラム装置
110 ドラム受け
120 第1ドラム受け部
122 第1壁部
124 昇降コード導出口
125 ラダーコード導出口
126 第1連通部
128 被係止部
130 第2ドラム受け部
131 第2連通部
132 浮き上がり防止部
133 係止部
140 第1ドラム
150 第2ドラム
260 第3ドラム
300 第2ドラム装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11