(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151248
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ルート探索システム、ルート探索方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
G01C21/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054231
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】亀井 恒輔
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC15
2F129CC16
2F129CC17
2F129DD20
2F129DD21
2F129DD30
2F129DD32
2F129DD53
2F129DD62
2F129DD70
2F129DD71
2F129DD80
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE73
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF20
2F129HH02
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH21
2F129HH24
2F129HH40
(57)【要約】 (修正有)
【課題】優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索するルート探索システムにおいて、より適切なルートを探索できるようにする。
【解決手段】ルート探索システム1は、優先案内道路と、前記優先案内道路より優先度が低い非優先案内道路とを用いてルート探索する機能を有するルート探索部603と、前記優先案内道路と前記非優先案内道路とを用いてルート探索するときに、所定の通行条件に従って、前記非優先案内道路を含むルートの探索を制限するルート制限部604と、を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
優先案内道路と、前記優先案内道路より優先度が低い非優先案内道路とを用いてルート探索する機能を有するルート探索部と、
前記優先案内道路と前記非優先案内道路とを用いてルート探索するときに、所定の通行条件に従って、前記非優先案内道路を含むルートの探索を制限するルート制限部と、
を有する、ルート探索システム。
【請求項2】
前記ルート制限部は、2条線道路から前記非優先案内道路へ右折する第1のルートを前記ルート探索の候補から除外する、請求項1に記載のルート探索システム。
【請求項3】
前記所定の通行条件は、前記右折の角度範囲の条件を含む、請求項2に記載のルート探索システム。
【請求項4】
前記ルート制限部は、2条線道路において、前記非優先案内道路を介してUターンする第2のルートを前記ルート探索の候補から除外する、請求項1又は2に記載のルート探索システム。
【請求項5】
前記所定の通行条件は、前記2条線道路の一方の進行方向から前記非優先案内道路へ右折する角度と、前記非優先案内道路から前記2条線道路の他方の進行方向へ右折する角度とを合計したUターン角度範囲の条件を含む、請求項4に記載のルート探索システム。
【請求項6】
前記所定の通行条件は、ユーザが、受付部を介して、その適用範囲を設定情報として設定可能であり、
前記ルート制限部は、前記設定情報に基づき、前記非優先案内道路を含むルートの探索を制限する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のルート探索システム。
【請求項7】
前記ルート制限部は、前記非優先案内道路から2条線道路に交差した後に、前記非優先案内道路、又は他の非優先案内道路へ抜ける第3のルートを、前記ルート探索の候補から除外する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のルート探索システム。
【請求項8】
優先案内道路と、前記優先案内道路より優先度が低い非優先案内道路とを用いてルート探索する機能を有するルート探索処理と、
前記優先案内道路と前記非優先案内道路とを用いてルート探索するときに、所定の通行条件に従って、前記非優先案内道路を含むルートの探索を制限するルート制限処理と、
をコンピュータが実行する、ルート探索方法。
【請求項9】
優先案内道路と、前記優先案内道路より優先度が低い非優先案内道路とを用いてルート探索する機能を有するルート探索処理と、
前記優先案内道路と前記非優先案内道路とを用いてルート探索するときに、所定の通行条件に従って、前記非優先案内道路を含むルートの探索を制限するルート制限処理と、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルート探索システム、ルート探索方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子化された地図データに基づいて、自動車等の車両を運転する運転者、又は歩行者等が利用する情報端末に、目的地までのルートを案内するルート探索システムが普及している。
【0003】
また、経由地や立ち寄り点等の通過点においてUターンが可能であるか否かを判断し、Uターンが可能である場合、コスト計算の計算条件を見直すことにより、Uターンする経路が適切に探索されるようにする技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-125850号公報
【特許文献2】特開2018-59882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両用のルート探索を行うルート探索システムでは、一般的に、所定以上の道路幅を有する主要な道路(以下、優先案内道路と呼ぶ)を通行する走行ルートを探索している。
【0006】
一方で、例えば、配達業者、又はタクシー業者等の業務では、より効率的な業務を行うために、優先案内道路だけではなく、優先案内道路より道路幅が狭い細道路(以下、非優先案内道路と呼ぶ)を利用して、ルート探索をしたいという要求がある。しかし、非優先案内道路を含めてルート探索を行うと、非優先案内道路には、道路の規制情報等が保持されていないため、例えば、Uターン規制がある場所でUターンをするルート等、不適切なルートが探索されてしまう場合がある。
【0007】
なお、この問題は、従来のルート探索システムに、特許文献1、2に示されるような技術を適用しただけでは、解決することはできない。
【0008】
本発明の実施の形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索するルート探索システムにおいて、より適切なルートを探索できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本実施形態に係るルート探索システムは、優先案内道路と、前記優先案内道路より優先度が低い非優先案内道路とを用いてルート探索する機能を有するルート探索部と、前記優先案内道路と前記非優先案内道路とを用いてルート探索するときに、所定の通行条件に従って、前記非優先案内道路を含むルートの探索を制限するルート制限部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索するルート探索システムにおいて、より適切なルートを探索できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係るルート探索システムのシステム構成の例を示す図である。
【
図2】本実施形態の課題について説明するための図(1)である。
【
図3】本実施形態の課題について説明するための図(2)である。
【
図4】本実施形態の課題について説明するための図(3)である。
【
図5】コンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係るルート探索システムの機能構成の例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るルート探索処理の例を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る設定情報の例を示す図である。
【
図9】実施例1に係るルート制限処理について説明するための図である。
【
図10】実施例1係るルート制限処理の例を示すフローチャートである。
【
図11】実施例2に係るルート制限処理について説明するための図である。
【
図12】実施例2に係るルート制限処理の例を示すフローチャート(1)である。
【
図13】実施例2に係るルート制限処理の例を示すフローチャート(2)である。
【
図14】実施例2に係るルート制限処理の例を示すフローチャート(3)である。
【
図15】実施例3に係るルート制限処理について説明するための図である。
【
図16】実施例3に係るルート制限処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下で説明する実施形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
【0013】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るルート探索システムのシステム構成の例を示す図である。ルート探索システム1は、例えば、クライアント装置10と、サーバ装置20とが、通信ネットワーク2を介して通信可能に接続されている。或いは、ルート探索システム1は、カーナビゲーション装置等のクライアント装置10のみで構成されるものであっても良い。
【0014】
クライアント装置10は、ユーザが利用する、例えば、カーナビゲーション装置、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、又はPC(Personal Computer)等の情報端末である。ユーザは、クライアント装置10を操作して、出発地点、1つ以上の経由地点、及び目的地点等を設定することにより、サーバ装置20において、出発地点から、1つ以上の経由地点を経由して目的地点に至るまでの経路(以下、案内経路と呼ぶ)を探索することができる。また、クライアント装置10は、探索された案内経路を、例えば、地図上に表示する表示画面を表示することで経路案内を行う。これにより、ユーザは、地図上の案内経路に従って、出発地から目的地まで、容易に向かうことができる。
【0015】
サーバ装置20は、例えば、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数の情報処理装置を含むシステムである。サーバ装置20は、例えば、出発地点、1つ以上の経由地点、及び目的地点等の情報を含む、クライアント装置10からの案内経路の探索要求に応じて案内経路を探索する。
【0016】
なお、上記のルート探索システム1の構成は一例であり、本実施形態に係るルート探索システム1は、様々なシステム構成が可能である。例えば、案内経路を探索する機能は、サーバ装置20に代えて、クライアント装置10が有していても良い。また、案内経路を表示する表示画面は、クライアント装置10が作成しても良いし、サーバ装置20が作成しても良い。
【0017】
(課題について)
ルート探索システムは、例えば、日本デジタル道路地図協会等の機関が作成したデジタル道路地図データベース、又はデジタル道路地図データベースに基づいて企業等が作成した道路ネットワークデータ等を用いて、ルート探索を行う。
【0018】
デジタル道路地図データベースは、国土地理院の1/25000の地形図を基図として作成され、道路幅5.5m以上の基本道路データ、及び道路幅3m~5.5m未満の細道路データ等の道路網データを含む。この道路網データは、交差点等のノードと、ノードとノードとを接続するリンクにより構成されている。
【0019】
車両用のルート探索を行う一般的なルート探索システムでは、例えば、上述した道路網データのうち、基本道路データに対応する道路等の所定以上の道路幅を有する主要な道路(以下、優先案内道路と呼ぶ)を通行する走行ルートを探索する。
【0020】
一方で、例えば、配達業者、又はタクシー業者等の業務では、より効率的な業務を行うために、優先案内道路だけではなく、優先案内道路より道路幅が狭い細道路(以下、非優先案内道路と呼ぶ)を利用して、ルート探索をしたいという要求がある。
【0021】
しかし、非優先案内道路として、上述した道路網データのうち、細道路データに対応する道路を利用する場合、細道路データには、道路の規制情報等が保持されていないという問題がある。そのため、優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索を行うと、例えば、Uターン規制がある場所でUターンをするルート等、不適切なルートが探索されてしまう場合がある。
【0022】
図2~4は、本実施形態の課題について説明するための図である。
図2は、優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索を行った場合に、例えば、カーナビゲーション装置等のクライアント装置10に表示される不適切なルートを表示した表示画面200の一例を示している。
図2において、クライアント装置10を搭載した車両203は、2条線道路201のうち、一方の2条線道路201aを、矢印202の方向から交差点204に接近したものとする。このとき、表示画面200には、交差点204をUターンして、他方の2条線道路201bを走行するルート205が表示されている。しかし、この2条線道路201は、例えば、8:00~20:00の時間帯は、Uターン禁止である。
【0023】
図3(A)は、交差点204付近の道路の模式図である。
図3(A)に示すように、交差点204において、2条線道路201と、非優先案内道路301とが交差している。
【0024】
ここで、2条線道路とは、例えば、
図3(B)に示すように、上り線と下り線とが構造的に分離された道路であり、単に2条線とも呼ばれる。
図3(B)の例では、一方の2条線道路201aと、他方の2条線道路201bとの間が、中央分離帯302で分離されているが、これに限られない。このような2条線道路201は、例えば、
図2に示す表示画面200のように、道路地図上でも、縮尺によるが、一方の2条線道路201aと、他方の2条線道路201bとが、別々に表示されることが多い。
【0025】
図3(A)の例では、一方の2条線道路201aから、非優先案内道路301を経由して、他方の2条線道路201へUターンが可能であるように見える。しかし、従来のルート探索システムでは、例えば、優先案内道路のコスト値に対して、非優先案内道路のコスト値を十分に高く設定すること等により、ルート探索で非優先案内道路が選択されないように設定されている。従って、
図3(A)に示すような交差点204において、非優先案内道路301を経由して、2条線道路201をUターンするようなルートは探索されない。
【0026】
しかし、例えば、非優先案内道路のコスト値を下げて、優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索を行うと、非優先案内道路には規制情報が保持されていないため、
図2に示すような不適切なルート205が探索されてしまう場合がある。
【0027】
図4は、優先案内道路、及び非優先案内道路のリンクに格納されている属性・規制情報の一例を示している。なお、
図4では、優先案内道路を「PF道路」、非優先案内道路を「非PF道路」と表記している。
図4に示すように、非PF道路(非優先案内道路)では、多くの属性・規制情報が省略されており、例えば、Uターン規制、又は進入禁止規制の時間帯規制等の情報が省略されている。従って、従来の技術では、優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索するルート探索システム1において、より適切なルートを探索できるようにすることには困難を伴っていた。
【0028】
そこで、本実施形態に係るルート探索システム1は、優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索するときに、所定の通行条件に従って、前記非優先案内道路を含むルートの探索を制限する機能を有している。例えば、ルート探索システム1は、
図3(A)に示すような交差点204において、2条線道路201から、非優先案内道路301に右折するルートを、ルート探索の候補から除外する。或いは、ルート探索システム1は、交差点204において、一方の2条線道路201aから、非優先案内道路301を経由して、他方の2条線道路201bへUターンするルートを、ルート探索の候補から除外しても良い。これにより、本実施形態に係るルート探索システム1は、優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索を行った場合でも、例えば、
図2で説明した不適切なルート205が探索されることを低減することができる。
【0029】
このように、本実施形態によれば、優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索するルート探索システム1において、より適切なルートを探索できるようになる。
【0030】
<ハードウェア構成>
クライアント装置10、及びサーバ装置20は、例えば、
図5に示すようなコンピュータ500のハードウェア構成を有している。なお、サーバ装置20は、複数のコンピュータ500によって実現されるものであっても良いし、クラウド上の仮想マシン等によって実現されるもの等であっても良い。
【0031】
図5は、コンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ500は、例えば、CPU(Central Processing Unit)501、メモリ502、ストレージデバイス503、通信装置504、出力装置505、入力装置506、及びバス508等を有する。また、コンピュータ500は、GPS(Global Positioning System)受信装置507等をさらに有していても良い。
【0032】
CPU501は、例えば、ストレージデバイス503等の記録媒体に格納された所定のプログラムを実行することにより、例えば、クライアント装置10、又はサーバ装置20が備える様々な機能を実現するプロセッサである。メモリ502には、例えば、CPU501のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)、及びCPU501の起動用のプログラム等を記憶した不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)等が含まれる。ストレージデバイス503は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)等の大容量の記憶デバイスである。
【0033】
通信装置504は、コンピュータ500をネットワークに接続するためのインタフェースである。例えば、コンピュータ500が、カーナビゲーション装置等の車載装置(クライアント装置10の一例)である場合、通信装置504は、コンピュータ500を車載ネットワークに接続するための通信インタフェースを含む。また、コンピュータ500がサーバ装置20である場合、通信装置504は、サーバ装置20を通信ネットワーク2に接続するためのNIC(Network Interface Card)等を含む。さらに、コンピュータ500が、スマートフォン、又はタブレット端末等の汎用の情報端末(クライアント装置10の別の一例)である場合、通信装置504は、情報端末を、無線通信で通信ネットワーク2に接続する無線通信デバイス等を含む。
【0034】
出力装置505は、外部への出力を行う、例えば、表示デバイス、スピーカ等の出力デバイスである。入力装置506は、外部からの入力を受け付ける、例えば、キーボード、マウス、マイク、スイッチ、センサ等の入力デバイスである。なお、出力装置505、及び入力装置506は、例えば、タッチパネルディスプレイ等の入出力装置であっても良い。GPS受信装置507は、GPS衛星が送信する測位信号を受信して、位置情報を出力する測位デバイスである。バス508は、上記の各構成要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種の制御信号等を伝送する。
【0035】
<機能構成>
図6は、本実施形態に係るルート探索システムの機能構成の例を示す図である。ルート探索システム1は、例えば、ルート探索システム1が備える1つ以上のコンピュータ500で、所定のプログラムを実行することにより、通信部601、受付部602、ルート探索部603、ルート制限部604、表示制御部605、及び記憶部606等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0036】
なお、上記の各機能構成は、例えば、
図1のサーバ装置20が有していても良いし、クライアント装置10が有していても良い。さらに、上記の各機能構成は、サーバ装置20とクライアント装置10とに分散して配置されていても良い。
【0037】
通信部601は、例えば、
図5の通信装置504を用いて、ルート探索システム1を通信ネットワーク2に接続して、他の装置、又はシステムと通信を行う通信処理を実行する。
【0038】
受付部602は、例えば、出発地、経由地、及び目的地等の設定、及び後述する設定情報612の設定等の様々な設定操作、又は設定要求等を受け付ける。
【0039】
ルート探索部603は、受付部602が受け付けた、例えば、出発地、経由地、及び目的地等の情報に従って、例えば、車両用の走行ルートをルート探索する。また、本実施形態に係るルート探索部603は、優先案内道路と、優先案内道路より優先度が低い非優先案内道路とを用いてルート探索する機能を有している。
【0040】
ルート制限部604は、ルート探索部603が、優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索するときに、所定の通行条件に従って、非優先案内道路を含むルートの探索を制限する。例えば、ルート制限部604は、
図3(A)に示すような2条線道路201から、非優先案内道路301に右折するルート(第1のルート)を、ルート探索の候補から除外する。別の一例として、ルート制限部604は、
図3(A)に示すような一方の2条線道路201aから、非優先案内道路301を経由して、他方の2条線道路201bへUターンするルート(第2のルート)を、ルート探索の候補から除外する。
【0041】
好ましくは、ルート制限部604は、
図3(A)に示すような非優先案内道路301から2条線道路201に交差した後に、非優先案内道路301、又は他の非優先案内道路へ抜けるルート(第3のルート)を、前記ルート探索の候補から除外する。なお、ルート制限部604の機能は、ルート探索部603に含まれていても良い。
【0042】
好ましくは、ルート制限部604が非優先案内道路を含むルートの探索を制限する所定の通行条件は、受付部602を介して、その適用範囲を設定情報612として設定可能である。ルート制限部604は、設定情報612に基づき、優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索するときに、非優先案内道路を含むルートの探索を制限する。
【0043】
表示制御部605は、案内経路を表示する表示画面を、例えば、クライアント装置10等に表示させる表示制御処理を実行する。なお、クライアント装置10等に表示させる表示画面は、サーバ装置20が作成しても良いし、クライアント装置10が作成しても良い。
【0044】
記憶部606は、例えば、コンピュータ500によって実行されるプログラム、及びストレージデバイス503等によって実現され、道路地
図DB(Database)611、及び設定情報612等の様々な情報又はデータを記憶する。道路地
図DB(Database)611は、例えば、前述したデジタル道路地図データベース、又はデジタル道路地図データベース等のルート探索に用いるデータベースである。設定情報612は、例えば、ルート探索部603によるルート探索に関する設定情報、及びルート制限部604におけるルート制限に関する設定情報等が記憶されている。
【0045】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係るルート探索方法の処理の流れについて説明する。
【0046】
図7は、本実施形態に係るルート探索処理の例を示すフローチャートである。この処理は、ルート探索システム1が、ルート探索を行う際の処理の概要を示している。なお、ここでは、説明を容易にするため、
図6に示すようなルート探索システム1の機能構成を、カーナビゲーション装置等のクライアント装置10が有しているものとして以下の説明を行うが、これに限られない。
【0047】
ステップS701において、例えば、ユーザがクライアント装置10のナビゲーション機能を起動すると、クライアント装置10は、ステップS702以降の処理を実行する。
【0048】
ステップS702において、クライアント装置10は、ルート探索部603が実行するルート探索処理、及びルート制限部604が実行するルート制限処理に関する設定情報612を、記憶部606から読み込む。
【0049】
図8は、本実施形態の設定情報の例を示す図である。ここでは、設定情報612に記憶されている情報のうち、ルート制限部604が実行するルート制限処理に関する設定情報(ルート制限)の一例を示している。
図8の例では、設定情報612には、角度定義801、Uターン判定モード802、距離定義803等の情報が記憶されている。これらの情報の内容については、後述する実施例1~3で説明する。
【0050】
ここで、
図7に戻り、フローチャートの説明を続ける。ステップS703において、受付部602は、例えば、目的地等のルート探索に必要な設定を受け付ける。例えば、受付部602は、表示制御部605が表示したルート探索画面等に入力された目的地、及び必要に応じて設定される他の情報(出発地、経由地、又はルート探索モード等)を受け付ける。
【0051】
ステップS704において、ルート探索部603は、受付部602が受け付けた目的地等の情報に従って、出発地から目的地までの車両用の走行ルートを探索するルート探索処理を実行する。なお、本実施形態では、ルート探索部603が優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索するときに、ルート制限部604が、実施例1~3で後述するルート制限処理を実行する。
【0052】
ステップS705において、表示制御部605は、例えば、ルート探索部603が探索した走行ルートを道路地図上に表示するナビゲーション画面を、クライアント装置10に表示させる。
【0053】
<ルート制限処理>
続いて、ルート探索部603が優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索するときに、ルート制限部604が実行するルート制限処理について、複数の実施例を例示して説明する。
【0054】
[実施例1]
図9は、実施例1に係るルート制限処理について説明するための図である。
図9において、2条線道路201に、2つの非優先案内道路301a、301bが交差しているものとする。また、三角形のポインタ900は、現在の探索ポイントを示しており、
図9の例では、探索されたリンク(探索中のリンク)901を、ノード902の方向に向かっていることを示している。
【0055】
優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索をする場合に、ルート制限処理を実行しないと、ルート探索部603は、次のノード902において、リンク901から、(1)~(5)へ向かう5つのルートの中から、最適な走行ルートを探索する。従って、場合によっては、例えば、
図2に示すような、Uターン禁止の交差点をUターンする不適切な走行ルートを探索してしまう恐れがある。
【0056】
そこで、実施例1に係るルート制限部604は、2条線道路から、非優先案内道路へ右折するルートを、ルート探索の候補から除外する。
図9の例では、ルート制限部604は、2条線道路201のうち、一方の2条線道路201aから、非優先案内道路301a、301bに右折するルート(4)、(5)を、ルート探索の候補から除外する。これにより、ルート探索システム1は、例えば、
図2に示すような、Uターン禁止の交差点をUターンする不適切な走行ルートを探索してしまうことを低減することができる。
【0057】
(処理の流れ)
図10は、実施例1に係るルート制限処理の例を示すフローチャートである。この処理は、ルート探索部603が優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索処理を実行するときに、実施例1に係るルート制限部604が、ルート探索処理と並行して実行するルート制限処理の例を示している。
【0058】
ステップS1001において、ルート制限部604は、ルート探索部603が探索したリンク(探索中のリンク)が、2条線道路であるか否かを判断する。なお、探索したリンク(探索中のリンク)が2条線道路であるか否かについては、例えば、ルート制限部604が、道路地
図DB611を参照して、略並行に走る2本の道路を示す2つのリンクが、道路種別が等しいか、リンク種別が等しいか、2つのリンク間の距離が所定値以下か、共に一方通行であるか等の所定の条件により判断しても良い。別の一例として、ルート探索システム1は、各リンクが2条線道路であるか否かを示す情報を、道路地
図DB611に予め登録しておくものであっても良い。
【0059】
探索したリンク(探索中のリンク)が2条線道路である場合、ルート制限部604は、処理をステップS1002に移行させる。一方、探索したリンク(探索中のリンク)が2条線道路でない場合、ルート制限部604は、
図10の処理を終了する。
【0060】
ステップS1002に移行すると、ルート制限部604は、次のノードに接続する各リンクに対して、ステップS1003~S1006の処理を実行する。
図9の例では、ルート制限部604は、次のノード902に接続する(1)~(5)のそれぞれのルートに対応するリンクに対して、ステップS1003~S1006の処理を実行する。
【0061】
ステップS1003において、ルート制限部604は、処理対象となるリンク(ルート)が、設定情報612に設定されている右折角度範囲内の右折であるか否かを判断する。
【0062】
図8に示すように、設定情報612の角度定義801には、最小角度と最大角度とで定義される右折角度範囲の値が記憶されている。この右折角度範囲の値には、処理対象となるリンクに向かうルートが右折であるか否かを判断するための角度が、例えば、進行方向に対して、1度~179度の範囲内で設定されている。この値は、例えば、管理者、又はユーザ等によって設定可能であっても良いし、開発者等によって最適な値が設定されているものであっても良い。
【0063】
右折角度範囲内の右折でない場合、ルート制限部604は、処理をステップS1004に移行させて、処理対象となるリンクをルート探索の候補として残す。一方、右折角度範囲内の右折である場合、ルート制限部604は、処理をステップS1005に移行させる。
【0064】
ステップS1005に移行すると、ルート制限部604は、処理対象となるリンクが非優先案内道路であるか否かを判断する。非優先案内道路でない場合、ルート制限部604は、処理をステップS1004に移行させる。一方、非優先案内道路である場合、ルート制限部604は、処理をステップS1006に移行させる。
【0065】
ステップS1006に移行すると、ルート制限部604は、処理対象となるリンクを、ルート探索の候補から除外する。
【0066】
ルート制限部604は、次のノードに接続する各リンクについて、ステップS1003~S1006の処理を実行した後に、
図10の処理を終了する。
【0067】
上記の処理により、ルート探索システム1は、例えば、
図2に示すような、Uターン禁止の交差点をUターンする不適切な走行ルートを探索してしまうことを低減することができる。
【0068】
[実施例2]
図11は、実施例2に係るルート制限処理について説明するための図である。
図11において、2条線道路201に、2つの非優先案内道路301a、301bが交差しているものとする。また、実施例1と同様に、三角形のポインタ900は、現在の探索ポイントを示しており、
図11の例では、現在の探索ポイントが、探索されたリンク(探索中のリンク)901を、ノード902の方向に向かっていることを示している。
【0069】
実施例1では、ルート制限部604は、2条線道路201から、非優先案内道路301a、301bへ右折するルートを、ルート探索の候補から除外していた。一方、実施例2では、ルート制限部604は、2条線道路201のうち、一方の2条線道路から、非優先案内道路を経由して、他方の2条線道路へUターンするルートを、ルート探索の候補から除外する。
【0070】
図11の例では、ルート制限部604は、一方の2条線道路201aから、ノード902で右折した後に、ノード1101、又はノード1102で再び右折して、他方の2条線道路201bに至るルート(4A)、(5A)をルート探索の候補から除外する。一方、ルート制限部604は、一方の2条線道路201aから、ノード902で右折した後に、ノード1101を直進するルート(4B)、及びノード1102を直進するルート(5B)を、ルート探索の候補として残す。
【0071】
これにより、ルート探索システム1は、例えば、
図2に示すような、Uターン禁止の交差点をUターンする不適切な走行ルートを探索してしまうことを抑制することができる。また、ルート探索システム1は、2条線道路から、非優先道路へ右折した後に、直進するルートを、ルート探索することができるようになる。
【0072】
(処理1)
図12は、実施例2に係るルート制限処理の例を示すフローチャート(1)である。この処理は、ルート探索部603が優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索処理を実行するときに、実施例2に係るルート制限部604が、ルート探索処理と並行して実行するルート制限処理の一例を示している。
【0073】
ステップS1201において、ルート制限部604は、ルート探索部603が探索したリンク(探索中のリンク)が、2条線道路であるか否かを判断する。なお、この処理は、
図10のステップS1001の処理と同様である。探索したリンク(探索中のリンク)が2条線道路である場合、ルート制限部604は、処理をステップS1202に移行させる。一方、探索したリンク(探索中のリンク)が2条線道路でない場合、ルート制限部604は、
図12の処理を終了する。
【0074】
ステップS1202に移行すると、ルート制限部604は、次のノードに接続する各リンクに対して、ステップS1203~S1209の処理を実行する。例えば、
図11を参照して、ルート制限部604は、次のノード902に接続する(1)~(5)のそれぞれのルートに対応するリンクに対して、ステップS1203~S1209の処理を実行する。
【0075】
ステップS1203において、ルート制限部604は、処理対象となるリンク(ルート)が、右折角度範囲内の右折であり、かつ非優先案内道路であるか否かを判断する。なお、この処理は、
図10のステップS1003、及びステップS1005の処理と同様で良い。右折角度範囲内の右折であり、かつ非優先案内道路である場合、ルート制限部604は、処理をステップS1205に移行させる。一方、右折角度範囲内でない場合、又は非優先案内道路で無い場合、ルート制限部604は、処理をステップS1204に移行させて、処理対象となるリンクをルート探索の候補として残す。
【0076】
ステップS1205に移行すると、ルート制限部604は、処理対象のリンクに探索を進める。例えば、ルート制限部604は、
図11のリンク1103に対して、ステップS1203の処理を実行した場合、現在の探索ポイントを示すポインタ900を、一時的にリンク1103上に進める。同様に、ルート制限部604は、
図11のリンク1104に対して、ステップS1203の処理を実行した場合、現在の探索ポイントを示すポインタ900を、一時的にリンク1104上に進める。
【0077】
ステップS1206において、探索を進めたリンクの距離Lが、設定情報612に設定されている距離Lの最大値以下であるか否かを判断する。
【0078】
図8に示すように、設定情報612の距離定義803には、距離Lの最大値が記憶されている。この距離Lの最大値には、例えば、リンクが、2条線道路間に接続するリンクであるか否かを判断するための値が設定されている。例えば、この距離Lの最大値は、開発者等が、全国の複数の地点で2条線道路間に接続する非優先案内道路の距離を調査し、その最大値を設定しても良い。また、開発者等は、上記の最大値にマージンを加えて、距離Lの最大値を設定しても良い。
【0079】
探索を進めたリンクの距離Lが、距離Lの最大値以下である場合、ルート制限部604は、処理をステップS1207に移行させる。一方、探索を進めたリンクの距離Lが、距離Lの最大値以下でない場合、ルート制限部604は、処理をステップS1204に移行させる。
【0080】
ステップS1207において、ルート制限部604は、次のノードに接続する各リンクに対して、ステップS1208、S1209の処理を実行する。例えば、ルート制限部604は、ステップS1205において、
図11のリンク1103に探索を進めた場合、次のノード1101に接続する各リンク対して、ステップS1208、S1209の処理を実行する。
【0081】
ステップS1208において、ルート制限部604は、処理対象となるリンク(ルート)が、右折角度範囲内の右折であり、かつ2条線道路であるか否かを判断する。当該リンクが、右折角度範囲内の右折であり、かつ2条線道路である場合、ルート制限部604は、処理をステップS1209に移行させる。一方、当該リンクが、右折角度範囲内でない場合、又は2条線道路でない場合、ルート制限部604は、処理をステップS1204に移行させる。
【0082】
ステップS1209に移行すると、ルート制限部604は、当該リンクをルート探索の候補から除外する。
【0083】
ルート制限部604は、ステップS1207の処理、及びステップS1202の処理を全て実行した後に、
図12の処理を終了する。
【0084】
上記の処理により、ルート制限部604は、一方の2条線道路201aから、非優先案内道路を経由して、他方の2条線道路201bへUターンしたことを、右折が2回行われたことにより判断している。
【0085】
ルート制限部604は、例えば、
図8の設定情報612のUターン判定モード802において、モード1「右折+右折」が有効に設定されているときに、
図12の処理を実行する。
【0086】
(処理2)
図13は、実施例2に係るルート制限処理の例を示すフローチャート(2)である。この処理は、ルート探索部603が優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索処理を実行するときに、実施例2に係るルート制限部604が、ルート探索処理と並行して実行するルート制限処理の別の一例を示している。
【0087】
なお、
図13に示す処理のうち、ステップS1201~S1207、S1209の処理は、
図12で説明したステップS1201~S1207、S1209処理と同様なので、ここでは、
図12で説明した処理との相違点を中心に説明する。
【0088】
ステップS1301において、ルート制限部604は、1回目の右折角度θ1と、2回目の右折角度θ2を合計した角度が所定の角度範囲(Uターン角度範囲)内であり、かつ処理対象となるリンク(ルート)が2条線道路であるか否かを判断する。
【0089】
図8に示すように、設定情報612の角度定義801には、最小角度と最大角度とで定義されるUターン角度範囲の値が記憶されている。このUターン角度範囲の値には、2回の右折が、Uターンであるか否かを判断するための角度が、例えば、進行方向に対して、171度~189度の範囲内で設定されている。
【0090】
θ1とθ2を合計した角度がUターン角度範囲内であり、かつ処理対象となるリンクが2条線道路である場合、ルート制限部604は、処理をステップS1209に移行させる。一方、θ1とθ2を合計した角度がUターン角度範囲内でない場合、又は処理対象となるリンクが2条線道路でない場合、ルート制限部604は、処理をステップS1204に移行させる。
【0091】
上記の処理により、ルート制限部604は、一方の2条線道路201aから、非優先案内道路を経由して、他方の2条線道路201bへUターンしたことを、設定情報612のUターン角度範囲により判断している。
【0092】
ルート制限部604は、例えば、
図8の設定情報612のUターン判定モード802において、モード2「Uターン」が有効に設定されているときに、
図13の処理を実行する。
【0093】
(処理3)
図14は、実施例2に係るルート制限処理の例を示すフローチャート(3)である。この処理は、ルート探索部603が優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索処理を実行するときに、実施例2に係るルート制限部604が、ルート探索処理と並行して実行するルート制限処理の別の一例を示している。
【0094】
なお、
図14に示す処理のうち、ステップS1201~S1208、S1209の処理は、
図12で説明したステップS1201~S1208、S1209処理と同様なので、ここでは、
図12で説明した処理との相違点を中心に説明する。
【0095】
ステップS1401において、ルート制限部604は、1回目の右折角度θ1と、2回目の右折角度θ2を合計した角度がUターン角度範囲内であるか否かを判断する。1回目の右折角度θ1と2回目の右折角度θ2を合計した角度がUターン角度範囲内である場合、ルート制限部604は、処理をステップS1209に移行させる。一方、1回目の右折角度θ1と2回目の右折角度θ2を合計した角度がUターン角度範囲内でない場合、ルート制限部604は、処理をステップS1204に移行させる。
【0096】
上記の処理により、ルート制限部604は、一方の2条線道路201aから、非優先案内道路を経由して、他方の2条線道路201bへUターンしたことを、2回の右折と、設定情報612のUターン角度範囲とにより判断している。
【0097】
ルート制限部604は、例えば、
図8の設定情報612のUターン判定モード802において、モード3「右折+右折+Uターン」が有効に設定されているときに、
図14の処理を実行する。
【0098】
このように、第2の実施例に係るルート探索システム1は、ロジックが異なる3つのUターン判定モードのうち、どのUターン判定モードを適用するかを、設定情報612で設定することができる。
【0099】
[実施例3]
図15は、実施例3に係るルート制限処理について説明するための図である。
図15において、2条線道路201に、2つの非優先案内道路301a、301bが交差しているものとする。また、三角形のポインタ1500は、現在の探索ポイントを示しており、
図15の例では、現在の探索ポイントが、探索されたリンク(探索中のリンク)1501を、ノード1502の方向に向かっていることを示している。
【0100】
図15に示すように、非優先案内道路301aから、2条線道路201に進入する場合、2条線道路201を跨ぐルート(3)、(4)は危険を伴うため、ルート制限部604は、当該ルート(3)、(4)を、ルート案内の候補から除外する。
【0101】
好ましくは、ルート制限部604は、非優先案内道路301aから、2条線道路201に進入した後に、他の非優先案内道路301bに向かうルート(1)も、安全性を考慮して、ルート案内の候補から除外する。
【0102】
なお、非優先案内道路301aから、一方の2条線道路201aに進入し、右折するルート(2B)は一方通行であるため、ルート探索部603でもルート案内の候補から除外される。従って、ルート制限部604は、ルート(2B)のルートを、ルート案内の候補から除外しなくても良い(除外しても良い)。
【0103】
(処理の流れ)
図16は、実施例3に係るルート制限処理の例を示すフローチャートである。この処理は、ルート探索部603が優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索処理を実行するときに、実施例3に係るルート制限部604が、ルート探索処理と並行して実行するルート制限処理の例を示している。
【0104】
ステップS1601において、ルート制限部604は、ルート探索部603が探索したリンク(探索中のリンク)が、非優先案内道路であるか否かを判断する。
図15の例では、ルート制限部604は、ルート探索部603が探索したリンク(探索中のリンク)1501が、非優先案内道路であるか否かを判断する。探索したリンク(探索中のリンク)が非優先案内道路である場合、ルート制限部604は、処理をステップS1602に移行させる。一方、探索したリンク(探索中のリンク)が非優先案内道路でない場合、ルート制限部604は、
図16の処理を終了する。
【0105】
ステップS1602において、次のノードが2条線道路と接続しているか否かを判断する。
図15の例では、ルート制限部604は、次のノード1502が、2条線道路201と接続しているか否かを判断する。次のノードが2条線道路を接続している場合、ルート制限部604は、処理をステップS1603に移行させる。一方、次のノードが2条線道路を接続してない場合、ルート制限部604は、
図16の処理を終了する。
【0106】
ステップS1603に移行すると、ルート制限部604は、次のノードに接続する非優先案内道路を、ルート探索の候補から除外する。
【0107】
上記の処理により、ルート制限部604は、
図15において、ルート(1)、(3)、(4)を、ルート探索の候補から除外することができる。なお、実施例3は、実施例1、又は実施例2と組み合わせて適用することができる。
【0108】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係るルート探索システム1は、優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索するときに、所定の通行条件に従って、非優先案内道路を含むルートの探索を制限する機能を有している。これにより、本実施形態によれば、優先案内道路と非優先案内道路とを用いてルート探索するルート探索システム1において、より適切なルートを探索できるようになる。
【0109】
なお、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更等が可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 ルート探索システム
10 クライアント装置
20 サーバ装置
201、201a、201b 2条線道路
301、301a、301b 非優先案内道路
603 ルート探索部
604 ルート制限部
612 設定情報
801 角度定義
802 Uターン判定モード
803 距離定義