特開 2022-151310 車体フレーム構造

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022151310

(43)【公開日】2022-10-07

(54)【発明の名称】車体フレーム構造

(51)【国際特許分類】

   B62D 21/02 20060101AFI20220929BHJP

【ＦＩ】

B62D21/02 A

【審査請求】有

【請求項の数】3

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021054324

(22)【出願日】2021-03-26

(71)【出願人】

【識別番号】000000170

【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100107238

【弁理士】

【氏名又は名称】米山 尚志

(74)【代理人】

【識別番号】100181434

【弁理士】

【氏名又は名称】松浦 正明

(72)【発明者】

【氏名】関内 陵博

【テーマコード（参考）】

3D203

【Ｆターム（参考）】

3D203AA17

3D203BA06

3D203BA07

3D203BA08

3D203CA54

3D203CB06

3D203CB09

3D203DB03

(57)【要約】

【課題】コストの上昇を抑えつつ、ピントルフックの位置を低くする。
【解決手段】エンドクロスメンバ３Ｅは、車幅方向に沿って起立するクロスメンバ縦板部７の上端縁部及び下端縁部からクロスメンバ上板部８及びクロスメンバ下板部９が車両前方へ相対向して延びるＵ状断面である。クロスメンバ縦板部７にはピントルフックが取付けられる。エンドクロスメンバ３Ｅの両端部では、クロスメンバ上板部８がサイドメンバ上板部５に下方から直接又は間接的に重なって結合され、且つクロスメンバ下板部９がサイドメンバ下板部６に下方から直接又は間接的に重なって結合される。
【選択図】図４

【特許請求の範囲】

【請求項1】

車幅方向の両側で車両前後方向に沿って延びる左右のサイドメンバの後端部に、車幅方向に沿って延びるエンドクロスメンバの両端部が結合され、前記左右のサイドメンバの各々は、車両前後方向に沿って起立するサイドメンバ縦板部の上端縁部及び下端縁部からサイドメンバ上板部及びサイドメンバ下板部が車幅方向内側へ相対向して延びるＵ状断面であり、前記エンドクロスメンバは、車幅方向に沿って起立するクロスメンバ縦板部の上端縁部及び下端縁部からクロスメンバ上板部及びクロスメンバ下板部が車両前方へ相対向して延びるＵ状断面であり、前記クロスメンバ縦板部にピントルフックが取付けられる車両の車体フレーム構造であって、
前記エンドクロスメンバの両端部では、前記クロスメンバ上板部が前記サイドメンバ上板部に下方から直接又は間接的に重なって結合され、且つ前記クロスメンバ下板部が前記サイドメンバ下板部に下方から直接又は間接的に重なって結合される
ことを特徴とする車体フレーム構造。

【請求項2】

請求項１に記載の車体フレーム構造であって、
前記エンドクロスメンバの両端部では、車両前後方向における前記サイドメンバ上板部との重なり範囲が前記クロスメンバ上板部よりも広く、車幅方向における前記クロスメンバ上板部との重なり範囲が前記サイドメンバ上板部よりも広い板状の上ガセットが、前記サイドメンバ上板部と前記クロスメンバ上板部との間に介在した状態で、前記サイドメンバ上板部と前記上ガセットと前記クロスメンバ上板部とが結合され、且つ車両前後方向における前記サイドメンバ下板部との重なり範囲が前記クロスメンバ下板部よりも広く、車幅方向における前記クロスメンバ下板部との重なり範囲が前記サイドメンバ下板部よりも広い板状の下ガセットが、前記サイドメンバ下板部と前記クロスメンバ下板部との間に介在した状態で、前記サイドメンバ下板部と前記下ガセットと前記クロスメンバ下板部とが結合される
ことを特徴とする車体フレーム構造。

【請求項3】

請求項１又は請求項２に記載の車体フレーム構造であって、
前記エンドクロスメンバの両端部では、前記サイドメンバ下板部と前記クロスメンバ下板部との間に板状のスペーサが介在した状態で、前記サイドメンバ下板部と前記スペーサと前記クロスメンバ下板部とが結合される
ことを特徴とする車体フレーム構造。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、エンドクロスメンバにピントルフックが取付けられる車体フレーム構造に関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、フルトラクタ（荷台付きの牽引車）のエンドクロスの両端部をサイドレールに締結する構造が記載されている。フルトラクタのエンドクロスにはピントルフックが装備され、フルトラクタに対しフルトレーラ（完全被牽引車）を連結する場合、ピントルフックにフルトレーラ側のルネットアイを掛止させる。エンドクロスの両端部にはサイドレールのウェブに沿う結合代が形成され、結合代をサイドレールのウェブに締結することにより、エンドクロスの両端部がサイドレールに結合される。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１８－３９３０７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

フルトラクタ側のピントルフックの高さ位置は、フルトレーラ側のルネットアイの高さ位置に応じて設定され、例えば、ルネットアイの位置が低い場合、ピントルフックの位置も低く設定される。ピントルフックの位置を低くするためには、ピントルフックが取付けられるエンドクロスメンバ（エンドクロス）の位置を低くすればよい。

【0005】

しかし、特許文献１のようにエンドクロスメンバの両端部をサイドメンバ（サイドレール）の上板部と下板部との間に挿入し、エンドクロスメンバの両端部をサイドメンバの縦板部（ウェブ）の内側面に結合する構造では、エンドクロスメンバの高さ方向の変更可能な範囲はサイドメンバの上板部と下板部との間に制限される。このため、下板部の上面よりも下方へエンドクロスメンバを下げたい場合には、サイドメンバの縦板部を下方へ拡張する必要があり、サイドメンバの形状の変更は、新たな型が必要となりコストが増大する。

【0006】

そこで本開示は、コストの上昇を抑えつつ、ピントルフックの位置を低くすることが可能な車体フレーム構造の提供を目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上記目的を達成すべく、本開示の第１の態様は、車両の車体フレーム構造であって、車幅方向の両側で車両前後方向に沿って延びる左右のサイドメンバの後端部に、車幅方向に沿って延びるエンドクロスメンバの両端部が結合される。左右のサイドメンバの各々は、車両前後方向に沿って起立するサイドメンバ縦板部の上端縁部及び下端縁部からサイドメンバ上板部及びサイドメンバ下板部が車幅方向内側へ相対向して延びるＵ状断面である。エンドクロスメンバは、車幅方向に沿って起立するクロスメンバ縦板部の上端縁部及び下端縁部からクロスメンバ上板部及びクロスメンバ下板部が車両前方へ相対向して延びるＵ状断面である。クロスメンバ縦板部にはピントルフックが取付けられる。

【0008】

エンドクロスメンバの両端部では、クロスメンバ上板部がサイドメンバ上板部に下方から直接又は間接的に重なって結合され、且つクロスメンバ下板部がサイドメンバ下板部に下方から直接又は間接的に重なって結合される。直接重なって結合されるとは、間に他の部材が介在しない状態で重なって結合させることであり、間接的に重なって結合されるとは、間に他の部材が介在した状態で重なって結合されることである。

【0009】

上記構成では、サイドメンバの形状を変更せず、エンドクロスメンバの高さ位置の変更によってサイドメンバの下端（サイドメンバ下板部の下面）よりも下方にクロスメンバ縦板部を拡張することができ、ピントルフックの位置を低く設定することができる。

【0010】

本開示の第２の態様は、第１の態様の車体フレーム構造であって、エンドクロスメンバの両端部では、板状の上ガセットがサイドメンバ上板部とクロスメンバ上板部との間に介在した状態で、サイドメンバ上板部と上ガセットとクロスメンバ上板部とが結合され、且つ板状の下ガセットがサイドメンバ下板部とクロスメンバ下板部との間に介在した状態で、サイドメンバ下板部と下ガセットとクロスメンバ下板部とが結合される。上ガセットは、車両前後方向におけるサイドメンバ上板部との重なり範囲がクロスメンバ上板部よりも広く、車幅方向におけるクロスメンバ上板部との重なり範囲がサイドメンバ上板部よりも広い。下ガセットは、車両前後方向におけるサイドメンバ下板部との重なり範囲がクロスメンバ下板部よりも広く、車幅方向におけるクロスメンバ下板部との重なり範囲がサイドメンバ下板部よりも広い。

【0011】

上記構成では、上ガセット及び下ガセットによってサイドメンバとエンドクロスメンバとの結合強度を増大させることができるとともに、下ガセットの板厚分だけピントルフックの位置をさらに低く設定することができる。

【0012】

本開示の第３の態様は、第１又は第２の態様の車体フレーム構造であって、エンドクロスメンバの両端部では、サイドメンバ下板部とクロスメンバ下板部との間に板状のスペーサが介在した状態で、サイドメンバ下板部とスペーサとクロスメンバ下板部とが結合される。

【0013】

上記構成では、スペーサの介在によってサイドメンバよりも上下幅が大きいエンドクロスメンバを用いることができ、且つクロスメンバ縦板部の下方への拡張量はスペーサの板厚に応じて増減するので、スペーサの板厚や枚数を調節することにより、ピントルフックの位置を所望の高さまで下げることができる。

【発明の効果】

【0014】

本開示によれば、コストの上昇を抑えつつ、ピントルフックの位置を低くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【0015】

【図1】本発明の一実施形態の車体フレーム構造を車両の後斜め上方から視た斜視図である。

【図2】図１のエンドクロスメンバと上ガセットと下ガセットとスペーサとを車両の前斜め上方から視た斜視図である。

【図3】図１の車体フレーム構造を前斜め上方から視た斜視図である。

【図4】図３の車体フレーム構造を前斜め下方から視た斜視図である。

【図5】図３の車体フレーム構造を矢印Ｖ方向から視た前面図である。

【図6】図３の車体フレーム構造を矢印VI方向から視た後面図である。

【図7】図３の車体フレーム構造を矢印VII方向から視た側面図である。

【図8】図５の車体フレーム構造のVIII－VIII矢視断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0016】

以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、前後方向は車両の前後方向を意味し、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。図中の矢印ＦＲは車両の前方を、ＵＰは上方を、ＩＮは車幅方向内側をそれぞれ示す。

【0017】

本実施形態に係る車両は、フルトレーラ（図示省略）を牽引可能なフルトラクタである。フルトレーラを牽引する場合、車両が装備するピントルフック１０に、フルトラクタ側のルネットアイ（図示省略）を掛止することにより車両にフルトレーラを連結する。

【0018】

図１に示すように、車両の車体下部の構造体である車体フレーム１は、車幅方向両側で前後に亘って延びる左右１対のサイドメンバ２と、車幅方向に沿って延びて左右のサイドメンバ２を連結する複数のクロスメンバ３とによってラダー状に構成される。複数のクロスメンバ３は、車体フレーム１の車両後端に配置されるエンドクロスメンバ３Ｅを含み、エンドクロスメンバ３Ｅの両端部は、左右のサイドメンバ２の後端部に結合される。なお、図１では、複数のクロスメンバ３のうちエンドクロスメンバ３Ｅのみを図示している。また、車体フレーム１の後端部は、略左右対称に構成される。

【0019】

図１～図８に示すように、サイドメンバ２は、車幅方向内側へ開口するＵ形状断面であり、車両前後方向に沿って起立するサイドメンバ縦板部４と、サイドメンバ縦板部４の上端縁から車幅方向内側へ曲折して延びるサイドメンバ上板部５と、サイドメンバ縦板部４の下端縁から車幅方向内側へ曲折して延び、サイドメンバ上板部５と相対向するサイドメンバ下板部６とを一体的に有する。エンドクロスメンバ３Ｅは、車両前方へ開口するＵ形状断面であり、車幅方向に沿って起立するクロスメンバ縦板部７と、クロスメンバ縦板部７の上端縁から車両前方へ曲折して延びるクロスメンバ上板部８と、クロスメンバ縦板部７の下端縁から車両前方へ曲折して延び、クロスメンバ上板部８と相対向するクロスメンバ下板部９とを一体的に有する。ピントルフック１０は、クロスメンバ縦板部７の後面の車幅方向の略中央に取付けられ、エンドクロスメンバ３Ｅの内面（クロスメンバ縦板部７の前面、クロスメンバ上板部８の下面及びクロスメンバ上板部９の上面）には、ピントルフック１０からの入力荷重に対する剛性を確保するためにエンドクロスメンバ３Ｅを補強する補強部材１１が固定される。

【0020】

エンドクロスメンバ３Ｅの両端部では、クロスメンバ上板部８の上方にサイドメンバ上板部５が配置され、サイドメンバ下板部６の下方にクロスメンバ下板部９が配置され、クロスメンバ縦板部７は、サイドメンバ２の後端よりも僅かに後方に位置する。サイドメンバ上板部５とクロスメンバ上板部８との間には、板状の上ガセット１２が介在する。上ガセット１２の後側領域１２Ａは、クロスメンバ上板部８に上方から重なり、サイドメンバ上板部５は、上ガセット１２の車幅方向外側領域１２Ｂに上方から重なる。また、サイドメンバ下板部６とクロスメンバ下板部９との間には、板状の下ガセット１３と板状のスペーサ１４とが介在する。下ガセット１３の後側領域１３Ａは、クロスメンバ下板部９に上方から重なり、スペーサ１４は、下ガセット１３の車幅方向外側領域１３Ｂに上方から重なり、サイドメンバ下板部６は、スペーサ１４に上方から重なる。なお、スペーサ１４を下ガセット１３とクロスメンバ下板部９との間に介在させてもよい。

【0021】

上ガセット１２の車幅方向外側領域１２Ｂは、車両前後方向におけるサイドメンバ上板部５との重なり範囲がクロスメンバ上板部８よりも広く、上ガセット１２の車幅方向外側領域１２Ｂの前側は、クロスメンバ上板部８の前端縁よりも車両前方へ張り出す。上ガセット１２の後側領域１２Ａは、車幅方向におけるクロスメンバ上板部８との重なり範囲がサイドメンバ上板部５よりも広く、上ガセット１２の後側領域１２Ａの車幅方向内側は、サイドメンバ上板部５の車幅方向内側端縁よりも車幅方向内側へ張り出す。上ガセット１２の車幅方向内側端縁の前側は、車両前方に向かって車幅方向外側へ傾斜する。

【0022】

上ガセット１２と同様に、下ガセット１３の車幅方向外側領域１３Ｂは、車両前後方向におけるサイドメンバ下板部６との重なり範囲がクロスメンバ下板部９よりも広く、下ガセット１３の車幅方向外側領域１３Ｂの前側は、クロスメンバ下板部９の前端縁よりも車両前方へ張り出す。下ガセット１３の後側領域１３Ａは、車幅方向におけるクロスメンバ下板部９との重なり範囲がサイドメンバ下板部６よりも広く、下ガセット１３の後側領域１３Ａの車幅方向内側は、サイドメンバ下板部６の車幅方向内側端縁よりも車幅方向内側へ張り出す。下ガセット１３の車幅方向内側端縁の前側は、車両前方に向かって車幅方向外側へ傾斜する。

【0023】

スペーサ１４は、矩形状の平板であり、スペーサ１４の車幅方向の板幅は、サイドメンバ下板部６の車幅方向の板幅よりも僅かに短く、スペーサ１４の車両前後方向の長さは、下ガセット１３の車幅方向外側領域１３Ｂの車両前後方向の長さと略等しい。なお、スペーサ１４の形状（板幅及び長さを含む）は、上記に限定されず、任意に設定可能である。

【0024】

上ガセット１２の車幅方向外側領域１２Ｂの後側（後側領域１２Ａの車幅方向外側）には複数の第１の締結孔１５が形成され、車幅方向外側領域１２Ｂの前側には複数の第２の締結孔１６が形成され、後側領域１２Ａの車幅方向内側には、複数の第３の締結孔１７が形成される（図２参照）。上ガセット１２の車幅方向外側領域１２Ｂの後側は、サイドメンバ上板部５とクロスメンバ上板部８とに重なる領域であり、第１の締結孔１５は、サイドメンバ上板部５と上ガセット１２とクロスメンバ上板部８とを貫通する。上ガセット１２の車幅方向外側領域１２Ｂの前側は、サイドメンバ上板部５と重なるがクロスメンバ上板部８とは重ならない領域であり、第２の締結孔１６は、サイドメンバ上板部５と上ガセット１２とを貫通する。上ガセット１２の後側領域１２Ａの車幅方向内側は、クロスメンバ上板部８と重なるがサイドメンバ上板部５とは重ならない領域であり、第３の締結孔１７は、上ガセット１２とクロスメンバ上板部８とを貫通する。第１～第３の締結孔１５，１６，１７を挿通するリベットやボルト等の締結部材（第１～第３の締結部材１８，１９，２０）によって、サイドメンバ上板部５と上ガセット１２とクロスメンバ上板部８とが締結される。

【0025】

下ガセット１３の車幅方向外側領域１３Ｂの後側（後側領域１３Ａの車幅方向外側）には複数の第４の締結孔２１が形成され、車幅方向外側領域１３Ｂの前側には複数の第５の締結孔２２が形成され、後側領域１３Ａの車幅方向内側には、複数の第６の締結孔２３が形成される（図２参照）。下ガセット１３の車幅方向外側領域１３Ｂの後側は、サイドメンバ下板部６とスペーサ１４とクロスメンバ下板部９とに重なる領域であり、第４の締結孔２１は、サイドメンバ下板部６とスペーサ１４と下ガセット１３とクロスメンバ下板部９とを貫通する。下ガセット１３の車幅方向外側領域１３Ｂの前側は、サイドメンバ下板部６及びスペーサ１４と重なるがクロスメンバ下板部９とは重ならない領域であり、第５の締結孔２２は、サイドメンバ下板部６とスペーサ１４と下ガセット１３とを貫通する。下ガセット１３の後側領域１３Ａの車幅方向内側は、クロスメンバ下板部９と重なるがスペーサ１４及びサイドメンバ下板部６とは重ならない領域であり、第６の締結孔２３は、下ガセット１３とクロスメンバ下板部９とを貫通する。第４～第６の締結孔２１，２２，２３を挿通するリベットやボルト等の締結部材（第４～第６の締結部材２４，２５，２６）によって、サイドメンバ下板部６とスペーサ１４と下ガセット１３とクロスメンバ下板部９とが締結される。

【0026】

このように、エンドクロスメンバ３Ｅの両端部の上側では、上ガセット１２がサイドメンバ上板部５とクロスメンバ上板部８との間に介在した状態で、サイドメンバ上板部５と上ガセット１２とクロスメンバ上板部８とが結合される。また、エンドクロスメンバ３Ｅの両端部の下側では、スペーサ１４及び下ガセット１３がサイドメンバ下板部６とクロスメンバ下板部９との間に介在した状態で、サイドメンバ下板部６とスペーサ１４と下ガセット１３とクロスメンバ下板部９とが結合される。

【0027】

本実施形態によれば、サイドメンバ２の形状を変更せず、エンドクロスメンバ３Ｅの高さ位置の変更によってサイドメンバ２の下端（サイドメンバ下板部６の下面）よりも下方にクロスメンバ縦板部７を拡張することができ、ピントルフック１０の位置を低く設定することができる。

【0028】

上ガセット１２及び下ガセット１３によってサイドメンバ２とエンドクロスメンバ３Ｅとの結合強度を増大させることができるとともに、下ガセット１３の板厚分だけピントルフック１０の位置をさらに低く設定することができる。

【0029】

また、サイドメンバ下板部６とクロスメンバ下板部９との間にスペーサ１４を介在させているので、サイドメンバ２よりも上下幅が大きいエンドクロスメンバ３Ｅを用いることができ、且つクロスメンバ縦板部７の下方への拡張量はスペーサ１４の板厚に応じて増減するので、スペーサ１４の板厚や枚数を調節することにより、ピントルフック１０の位置を所望の高さまで下げることができる。

【0030】

以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。

【0031】

例えば、上記実施形態では、エンドクロスメンバ３Ｅの両端部において、サイドメンバ上板部５とクロスメンバ上板部８との間に上ガセット１２を介在させ、サイドメンバ下板部６とクロスメンバ下板部９との間に下ガセット１３及びスペーサ１４を介在させているが、上ガセット１２及び下ガセット１３を介在させなくてもよく、またスペーサ１４を介在させなくてもよい。

【産業上の利用可能性】

【0032】

本発明は、エンドクロスメンバにピントルフックが取付けられる車両に広く適用することができる。

【符号の説明】

【0033】

１：車体フレーム
２：サイドメンバ
３：クロスメンバ
３Ｅ：エンドクロスメンバ
４：サイドメンバ縦板部
５：サイドメンバ上板部
６：サイドメンバ下板部
７：クロスメンバ縦板部
８：クロスメンバ上板部
９：クロスメンバ下板部
１０：ピントルフック
１１：補強部材
１２：上ガセット
１２Ａ：上ガセットの後側領域
１２Ｂ：上ガセットの車幅方向外側領域
１３：下ガセット
１３Ａ：下ガセットの後側領域
１３Ｂ：下ガセットの車幅方向外側領域
１４：スペーサ
１５，１６，１７，２１，２２，２３：締結孔
１８，１９，２０,２４，２５，２６：締結部材

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】