(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151444
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】車両用後続車両検知方法
(51)【国際特許分類】
G01S 13/536 20060101AFI20220929BHJP
G01S 13/931 20200101ALI20220929BHJP
【FI】
G01S13/536
G01S13/931
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021081971
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】509232717
【氏名又は名称】株式会社ギガテック
(72)【発明者】
【氏名】中里 正博
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB15
5J070AB17
5J070AB21
5J070AB23
5J070AC02
5J070AC06
5J070AC08
5J070AE01
5J070AF03
5J070AH25
5J070AK36
5J070BA01
5J070BF08
5J070BF12
(57)【要約】
【課題】 1つのマイクロ波センサと単一のマイクロ波センサ方式を用いて後続車両の接近状況の検知をすることは現実的には不確実であり、また、自車両の速度をGPS衛星の測位情報から得るため、GPS衛星の電波が受信できない環境下においては検知が不可能であった。
【解決手段】 1つのマイクロ波センサで複数の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離を検知することで後続車両の自車両に対する接近・離反状態を判定し、どのような環境下、状況下においても、後続車両の接近状況をいち早く検知して、接近状況に応じたアラームを発するとともに、ローコストで装着容易な車両用後続車両検知方法を提供する
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサで複数の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知することを特徴とする車両用後方車両検知方法。
【請求項2】
マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサで複数の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知し、後続車両の接近状況に応じたアラームを発することを特徴とする請求項1に記載の車両用後方車両検知方法。
【請求項3】
マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサで複数の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知し、自車両が停車している状態で後続車両が所定速度かつ車間距離のとき、追突予測アラームを発することを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の車両用後方車両検知方法。
【請求項4】
マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサで複数の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知するとともに、GPSユニットと記録手段を備え、前記検知内容と検知したときのGPSユニットから得られた位置及び時間情報を記録手段に記録することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車両用後方車両検知方法。
【請求項5】
該複数の異なるマイクロ波センサ方式とは、ドップラーCW方式、FM-CW方式、FSKドップラー方式、パルス方式であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の車両用後方車両検知方法。
【請求項6】
マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサでドップラーCW方式とFM-CW方式の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の車両用後方車両検知方法。
【請求項7】
マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサでドップラーCW方式とFM-CW方式の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知し、後続車両の接近状況に応じたアラームを発することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の車両用後方車両検知方法。
【請求項8】
マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサでドップラーCW方式とFM-CW方式の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知し、自車両が停車している状態で後続車両が所定の車間距離かつ所定速度のとき、追突予測アラームを発することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の車両用後方車両検知方法。
【請求項9】
マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサでドップラーCW方式とFM-CW方式の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知するとともに、GPSユニットと記録手段を備え、前記検知内容と検知したときのGPSユニットから得られた位置及び時間情報を記録手段に記録することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の車両用後方車両検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両の後方を走行する車両の検知方法に関し、特に後続車の接近状況を検知し、接近状況に応じたアラームを発する車両用後続車両検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両の後方を走行する車両にマイクロ波を照射して後続車両の接近状況などを検知して報知する技術が提案されている。例えば特開2005-219712号公報(特許文献1)に開示された車載用報知装置は、後続車両の追尾に対する注意を運転者に促すことを目的としたもので、車両に取り付けられ、後続車両の走行状態を、自車両の運転者に報知する機能を有している。後続車両の走行状態は、自車両の後方へ向けてマイクロ波を放射し、その反射波に基づいて後続車両の自車両に対する相対速度を求めて、後続車両が自車両に対して急接近、追尾、遠ざかっているなどの報知を行うものである。また、自車速度検出手段は、車輪の回転をパルスセンサで読み取る構成の車速センサを用いることも可能であるが、当該車載用報知装置の車両への取付けを購入者自身が容易に行うために、自車速度検出手段を当該公報の段落番号0013に記載されるように、GPS衛星の電波を受信することによって自車両の走行速度を検出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の車載用報知装置においては、GPS衛星の電波を受信することで自車両の走行速度を検出する構成なので、トンネル、高層ビルに囲まれたところ、樹木の密集したところ、連続した高架下などといった環境下においては、GPS衛星の電波を受信することができず、自車両の走行速度を検出することができない。このため、GPS衛星の電波を受信できない環境下においては、車載用報知装置としての機能を果たすことができないといった課題があった。もちろんこの課題を解消するには、自車両の走行速度の検出を車輪の回転をパルスセンサで読み取る構成の車速センサを用いればよいが、当該車載用報知装置の車両への取付けを購入者自身が容易に行うという目的を達成することはできない。また、ジャイロセンサを用いることでもこの課題は解消されるが、部品点数が増えたり回路が複雑になったりするためコストアップの要因となり好ましいものではない。また、当該公報段落番号0036に記載されるように、後方検出センサとしてマイクロ波センサを用いて、自車両の後方へマイクロ波を放射し、その放射したマイクロ波と、後続車両からの反射波との間に生じるドップラー効果を利用して後続車両の相対速度を検出するが、これはマイクロ波センサとしての一般的な後続車両の検知方法を述べているに過ぎず、例えば100m以上離れた後続車両の接近・離反状況、自車両の絶対速度などを1つのマイクロ波センサで確実に検知することは現実的には難しいものである。
【0005】
そこで本発明の車両用後続車両検知方法は、上記課題を解消し、どのような環境下、状況下においても、確実に自車両と後続車両の相対速度から後続車両の接近状況や車間距離をいち早く検知して、接近状況に応じたアラームを発するとともに、ローコストで装着容易な車両用後続車両検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は本発明の請求項1によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサで複数の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知することで解決される。
【0007】
上記の課題は本発明の請求項2によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサで複数の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知し、後続車両の接近状況に応じたアラームを発することで解決される。
【0008】
上記の課題は本発明の請求項3によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサで複数の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知し、自車両が停車している状態で後続車両が所定速度かつ車間距離のとき、追突予測アラームを発することで解決される。
【0009】
上記の課題は本発明の請求項4によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサで複数の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知するとともに、GPSユニットと記録手段を備え、前記検知内容と検知したときのGPSユニットから得られた位置及び時間情報を記録手段に記録することで解決される。
【0010】
上記の課題は本発明の請求項5によれば、該複数の異なるマイクロ波センサ方式とは、ドップラーCW方式、FM-CW方式、FSKドップラー方式、パルス方式であることで解決される。
【0011】
上記の課題は本発明の請求項6によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサでドップラーCW方式とFM-CW方式の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知することで解決される。
【0012】
上記の課題は本発明の請求項7によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサでドップラーCW方式とFM-CW方式の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知し、後続車両の接近状況に応じたアラームを発することで解決される。
【0013】
上記の課題は本発明の請求項8によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサでドップラーCW方式とFM-CW方式の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知し、自車両が停車している状態で後続車両が所定の車間距離かつ所定速度のとき、追突予測アラームを発することで解決される。
【0014】
上記の課題は本発明の請求項9によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサでドップラーCW方式とFM-CW方式の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知するとともに、GPSユニットと記録手段を備え、前記検知内容と検知したときのGPSユニットから得られた位置及び時間情報を記録手段に記録することで解決される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサで複数の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知することで、どのような環境下、状況下においても、確実に後続車両の接近状況をリアルタイムにシームレスに検知することができる。また本体もコンパクトかつローコストで生産が可能となる。さらに、車速センサー信号を取るといった煩雑な配線作業が不要なので、本体を自車両の室内側リアガラスに取り付けて、カープラグを電源ソケットに差し込むだけで使用者自身が極めて容易に装着して使用することが可能となった。
【0016】
本発明の請求項2によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサで複数の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知し、後続車両の接近状況に応じたアラームを発することで、前述した効果に加えて、後続車両の接近状況に応じたレベルのアラームを、運転者に対してスピーカーなどの報知手段によって発することで、運転者は速やかに回避行動を取ることが可能となった。
【0017】
本発明の請求項3によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサで複数の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知し、自車両が停車している状態で後続車両が所定速度かつ車間距離のとき、追突予測アラームを発することで、前述した効果に加えて、運転者は後続車両が自車両に追突する前に身構えることができ、身体に受けるダメージを軽減することが可能となった。
【0018】
本発明の請求項4によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサで複数の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知するとともに、GPSユニットと記録手段を備え、前記検知内容と検知したときのGPSユニットから得られた位置及び時間情報を記録手段に記録することで、前述した効果に加えて、昨今社会問題となっている煽り運転の際のドライブレコーダーの記録を補完する証拠として活用することが可能となった。
【0019】
本発明の請求項5によれば、該複数の異なるマイクロ波センサ方式とは、ドップラーCW方式、FM-CW方式、FSKドップラー方式、パルス方式であることで、前述した効果に加えて、1つのマイクロ波センサに、それぞれのマイクロ波センサ方式の特性を生かすようにして、何れかのマイクロ波センサ方式を複数選択するとともに時分割で組み合わせて、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を、リアルタイムにシームレスに検知することが可能となった。
【0020】
本発明の請求項6によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサでドップラーCW方式とFM-CW方式の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知することで、前述した効果に加えて、特に車間距離が100m以上はなれた後続車両の接近・離反を検知することや対地速度をプロットして自車両の絶対側を検知することが可能なIQ位相のドップラーCW方式と、車間距離が50m以内の自車両と後続車両との車間距離を精密に測定することが可能なFM-CW方式を用い、ドップラーCW方式とFM-CW方式とを時分割して組み合わせて送受信を行うことで、1つのマイクロ波センサによって確実に後続車両の状況をリアルタイムかつシームレスに検知することができる。また本体もコンパクトかつローコストで生産が可能となる。さらに、車速センサー信号を取るといった煩雑な配線作業が不要なので、本体を自車両の室内側リアガラスに取り付けて、カープラグを電源ソケットに差し込むだけで使用者自身が極めて容易に装着して使用することが可能である。
【0021】
本発明の請求項7によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサでドップラーCW方式とFM-CW方式の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知し、後続車両の接近状況に応じたアラームを発するので、前述した効果に加えて、後続車両の接近状況に応じたレベルのアラームを、運転者に対してスピーカーなどの報知手段によって発することで、運転者は速やかに回避行動を取ることが可能となった。
【0022】
本発明の請求項8によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサでドップラーCW方式とFM-CW方式の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知し、自車両が停車している状態で後続車両が所定の車間距離かつ所定速度のとき、追突予測アラームを発するので、前述した効果に加えて、運転者は後続車両が自車両に追突する前に身構えることができ、身体に受けるダメージを軽減することが可能となった。
【0023】
上記の課題は本発明の請求項9によれば、マイクロ波センサを用いて、自車両の後方を走行する後続車両の接近情報を検知して運転者に報知する車両用後続車両検知方法において、1つのマイクロ波センサでドップラーCW方式とFM-CW方式の異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて、自車両の後方に向かって送信し、その対地反射波及び後続車両からの反射波によって、自車両と後続車両の絶対速度、自車両の絶対速度を基準にした後続車両との相対速度、自車両と後続車両との車間距離、後続車両の自車両に対する接近・離反状態を検知するとともに、GPSユニットと記録手段を備え、前記検知内容と検知したときのGPSユニットから得られた位置及び時間情報を記録手段に記録するので、前述した効果に加えて、 昨今社会問題となっている煽り運転の際のドライブレコーダーの記録を補完する証拠として活用することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】車両用後続車両検知方法の構成を示すブロック図である。
【
図2】マイクロ波センサの異なる方式を時分割で組み合わせて送信する状態を示すグラフである。
【
図3】マイクロ波センサの異なる方式を時分割で組み合わせて送信する状態を示すグラフである。
【発明を実施させるための形態】
【0025】
本発明の車両用後続車両検知方法について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は車両用後続車両検知方法の構成を示すブロック図である。
図2及び
図3はマイクロ波センサの異なる方式を時分割で組み合わせて送信する状態を示すグラフである。なお、後続車両の接近状況とは、後続車両(9)が自車両(8)に対して同じ速度で一定の車間を保って走行したり、急激に追い上げてきたり、車間を極端に詰めたりするなどの状況をいう。
【0026】
図1の本体(1)は、24.150GHzなどのマイクロ波センサであって、マイクロ波を送受信するアンテナ(2)と、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)(3)、マイクロコントロールユニット(MCU)(4)、信号増幅回路(5)、スピーカー(6)から一体に構成される。また、本体(1)からは、先端にカープラグ(図示せず)を備えたケーブルが延設され、カープラグを自車両の電源ソケットに接続してDC12V電源を得るようになっている。このように構成された本体(1)は、構成部品のすべてが一体にコンパクトに形成されているので、自車両の室内側リアガラスに取り付けて、カープラグを電源ソケットに差し込むだけで使用者自身で極めて容易に装着して使用することができる。なお、マイクロ波センサの周波数を24.150GHzと記載したが、特にこの周波数に限定するものではない。24.150GHzは一般的にマイクロ波センサで用いられている周波数であって、さらに高い周波数の60GHzなどのマイクロ波センサを用いれば、24.150GHzと比較して2.5倍のドップラー信号を得ることができ、速度や距離などの測定精度が向上する。
【0027】
本体(1)の構成中、モノリシックマイクロ波集積回路(3)は、単一の半導体基板上に形成した集積回路からなる高周波デバイスの一種で、マイクロ波高周波回路を小型化、高信頼化することができるものである。また、マイクロ波センサからマイクロ波を送受信して得たドップラー信号やIQ信号などを検知する。また、マイクロコントロールユニット(4)は、モノリシックマイクロ波集積回路(3)から得た信号を解析し、後続車両の接近状況に応じたアラームをスピーカー(6)から発するための制御を行う。
【0028】
本発明の車両用後続車両検知方法においては、1つのマイクロ波センサで複数のマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて送受信することを特徴としている。複数のマイクロ波センサ方式とは、ドップラーCW方式、FM-CW方式、FSKドップラー方式、パルス方式などであって、今後開発される新たな方式も含まれるものとする。これらマイクロ波センサ方式にはそれぞれに一長一短があり検知の特性がある。従って、複数のマイクロ波方式を時分割で適宜組み合わせることによって、後続車両(9)の接近情報を正確かつ確実に検知することが可能となる。
【0029】
ドップラーCW方式は、マイクロ波センサから自車両(8)の後方に向かって送信されたマイクロ波は、後続車両(9)に反射し、送信した信号と反射してきた信号の位相差が、移動速度に応じたドップラー周波数となり、このドップラー信号をモノリシックマイクロ波集積回路(3)内のIQ検波回路で検出し、マイクロコントロールユニット(4)でその位相を調べることで、後続車両(9)の接近・離反を判断することができる。このようにドップラーCW方式においては、後続車両(9)の移動速度をドップラー周波数から求めること、位相差の情報から後続車両(9)の接近または離反の検知をすること、多周波数ドップラーを用いることで自車両(8)と後続車両(9)との距離の測定をすることができるといった特性を有するが、特に言えば接近・離反の検知に有利である。
【0030】
FM-CW方式は、マイクロ波センサから送信されたマイクロ波にリニアFM変調が加えられている。静止あるいは移動している後続車両(9)から反射した受信波を送信信号の一部を用いて位相検波させると、距離に応じた周波数のビート信号が出力される。FM変調の掃引周波数幅、掃引時間により距離周波数が決まるため、得られた周波数から距離が求められる。このようにFM-CW方式においては、移動する後続車両(9)を検知すること、自車両(8)と移動および静止している後続車両(9)との距離を測定すること、距離ごとの閾値を設定することにより限られた距離での後続車両(9)の検知をすることができるといった特性を有するが、特に言えば地面からの対地反射波である対地信号による自車両(8)の絶対速度の測定、後続車両(9)と自車両(8)との距離の測定に有利である。
【0031】
FSKドップラー方式は、送信信号にCW信号を用いるが、2つの周波数を一定時間毎に切り替えてそれぞれの周波数でのドップラー信号を得て、後続車両(9)の速度に比例した周波数のビート信号を出力する。この2つのビート信号の位相差が距離として測定するすることができ、後続車両(9)の自車両(8)との車間距離と相対速度を同時に計測することができる。そして、2つの周波数差の設定によって、近距離用や遠距離用に適するように切り替えて測定することができるといった特性を有するが、特に言えば後続車両(9)の自車両(8)との車間距離の測定に有利である。
【0032】
パルス方式は、航空機ではパルスドップラーレーダーとして採用されており、検知対象の飛行物体を確実に検知するために用いられ、特に戦闘機においては必須の装備となっている方式である。マイクロ波をスイッチングで送信し、反射までの時間で対象物を検出する本格的なレーダー方式である。パルス方式においては、処理装置と変調器の間にCW発生器を挟み各送信パルスをコヒーレントしている。各送信パルスが同じ信号の継続であるために、位相に一貫性があり、受信機はエコーパルスをコヒーレントに検波できる。コヒーレント検波は感度において著しい利点を有するほか、ドップラ偏移の測定によって後続車両(9)の相対速度も測定できる。また、SAMVアルゴリズムのような圧縮センシングを用いることによって、ドップラーセンサの通常の分解能限界を超える超解像度を得ることができる。このように、高精度に後続車両(9)の検知、相対速度の測定に有利な方式である。
【0033】
図2及び
図3は、マイクロ波センサの異なる方式を時分割で組み合わせて送受信する状態を示すグラフである。
図2においては、一例として前述の各種ドップラーセンサ方式のうち、ドップラーCW方式とFM-CW方式を選択し、かつ組み合わせたもので説明をする。
図2に示されるように、T1がドップラーCW方式、T2がFM-CW方式で、ドップラーCW方式とFM-CW方式を一例として250mm/sec毎に時分割して組み合わせ交互に送受信を繰り返している。ドップラーCW方式でIQ位相により後続車両(9)の接近・離反を検知するとともに、FM-CW方式で150MHzでスイープし、自車両(8)と後続車両(9)との相対速度・距離を測定する。
【0034】
図3においては、一例として前述の各種ドップラーセンサ方式のうち、ドップラーCW方式とパルス方式を選択し、かつ組み合わせたもので説明をする。
図3に示されるように、T1がドップラーCW方式、T3がパルス方式で、ドップラーCW方式とパルス方式を一例として250mm/sec毎に時分割して組み合わせ交互に送受信を繰り返している。ドップラーCW方式でIQ位相により後続車両(9)の接近・離反を検知するとともに、パルス方式で高精度に自車両(8)と後続車両(9)との相対速度・距離を測定する。
【0035】
このように、1つのマイクロ波センサによっての異なるマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて送受信することで、確実に自車両(8)と後続車両(9)との相対速度や車間距離などの状況を検知測定するとともに、コンパクトかつローコストでの生産が可能となるものである。なお、
図2及び
図3においては、一例として250mm/sec毎に時分割していることが示されているが、特に時間のタイミングを限定したものではなく適宜な時間を設定すれば良い。また、
図2ではドップラーCW方式とFM-CW方式、
図3ではドップラーCW方式とパルス方式を選択しているが、それぞれさらにもう1つの方式を時分割で組み合わせても良い。
【0036】
車両用後続車両検知方法について詳細に説明をする。なお、マイクロ波センサ方式がドップラーCW方式とFM-CW方式の2種類の方式を選択して、時分割で組み合わせて送受信することを例として説明をする。まず、概要としては本体(1)の1つのマイクロ波センサからドップラーCW方式とFM-CW方式の2種類のマイクロ波センサ方式を時分割で組み合わせて送受信する。送受信する24.150GHz(60GHzでも良い)のマイクロ波は、自車両(8)の後方に向けて送信し、その地面からの対地反射波及び後続車両(9)からの反射波によって、自車両(8)と後続車両(9)の速度、自車両(8)の絶対速度を基準にした後続車両(9)との相対速度、自車両(8)と後続車両(9)との距離、後続車両(9)の自車両(8)に対する接近・離反を検知する。また、自車両(8)の速度は、FM-CW方式を用いて対地反射波によって対地速度をプロットして検知する。そして自車両(8)の速度は、スタート時0km/hから順次上がり、検知中継続してプロットするが常識の範囲のみ自車両(8)の速度としてデータ入手し、外乱からのノイズ、その他のデータをキャンセルすることで得る。そして検知状況に応じたレベルのアラームを報知手段であるスピーカー(6)から発して自車両(8)の運転者に注意喚起し、速やかに車線変更などの回避行動を促す。また、自車両(8)の速度に応じて後続車両(9)の検知感度を自動的に調整することも可能である。例えば、100Km/h以上のときは高速道路を走行しているものとして最高感度とし、一般道路走行時は感度を下げて追突予測(おかま事故予測)のみ検出可能としても良い。
【0037】
以下に、自車両(8)への後続車両(9)の接近状況に応じて発せられるアラームについて説明をする。なお、発せられるアラームのレベルは、緊急度の高低に応じてアラームの強弱が自動的に変化する。
(a)自車両(8)と後続車両(9)との車間距離が50m以上の場合であって、後続車両(9)の追い上げ接近を検知したとき。
この場合は、ドップラーCW方式でIQ位相識別を2CHの受信を行い、後続車両(9)の接近・離反を検知する。特にドップラーCW方式では、IQ位相識別を行うことによって100m以上離れた後続車両(9)であっても接近・離反を検知することができる。後続車両(9)の速度や車間距離の精度は得られないが、100m以上離れた後続車両(9)であっても接近・離反を検知することができるためこの方式を用いている。例えば、高速道路で100m以上離れた後続車両(9)の追い上げ接近を検知したときに、スピーカー(6)によってアラームを発して、後続車両(9)がまだ遠方にいる早期に自車両(8)の運転者に注意喚起する。追い上げ接近してくる後続車(9)は緊急車両の可能性もあるので追越車線を走行している場合は速やかに走行車線に車線変更して進路を譲ることができる。なお、アラームのレベルは、後続車両(9)が追い上げ接近しているが、自車両(8)との車間距離が多い場合は弱いアラームを発する。そして車間距離が短くなるにつれアラームを徐々に強くし、運転者に対してより強く注意喚起する。
【0038】
(b)自車両(8)と後続車両(9)との車間距離が50m以下の場合であって、後続車両(9)の追い上げ接近を検知したとき。
この場合は、FM-CW方式で自車両(8)と後続車両(9)との車間距離及び速度をリアルタイムに検知する。特にFM-CW方式では、マイクロ波センサから送信されたマイクロ波にリニアFM変調が加えられている。静止あるいは移動している後続車両(9)から反射した受信波を送信信号の一部を用いて位相検波させると、距離に応じた周波数のビート信号が出力され、FM変調の掃引周波数幅、掃引時間により距離周波数が決まるため、得られた周波数から距離が求められる。このようにFM-CW方式においては、自車両(8)と移動または静止している状態の後続車両(9)との距離を測定すること、移動する後続車両(9)を検知すること、距離ごとの閾値を設定することにより限られた距離での後続車両(9)の検知をすることできるためこの方式を用いている。例えば、一般道路で車間距離が50m以下のときに、後続車両(9)の追い上げ接近を検知したときにスピーカー(6)によってアラームを発して早期に自車両(8)の運転者に注意喚起する。追い上げ接近してくる後続車(9)は、緊急車両や煽り運転車両の可能性もあるので複数の車線がある場合は、速やかに車線変更して進路を譲る。なお、アラームのレベルは、後続車両(9)が追い上げ接近してくる速度や車間距離に応じて変化して運転者に対してより強く注意喚する。
【0039】
以上の説明では、本体(1)のマイクロ波センサで得られた自車両(8)及び後続車両(9)の信号によって、後続車両(9)の追い上げ接近などを検知し、状況に応じたアラームを発して運転者に注意喚起するといった構成であったが、本発明の車両用後続車両検知方法においては、本体(1)のマイクロ波センサで得られた自車両(8)及び後続車両(9)の信号によって、後続車両(9)の追突を予測することも可能である。もちろん追突を予測したからといって追突を回避することはできないが、少なくとも追突する数秒前にアラームによって注意喚起することによって追突に対して身構えることができる。うまく身構えることができれば、追突によって身体が受けるダメージを軽減できる可能性もある。
【0040】
図4は追突予測アラームのイメージ図である。
図4に示されるように自車両(8)は停車状態で、走行中の後続車両(9)が自車両(8)の後方40m地点で速度を検知した状態で説明をする。このときの検知は、自車両(8)についてはドップラーCW方式での対地速度をプロットして検知、後続車両(9)についてはFM-CW方式で自車両(8)と後続車両(9)との車間距離及び速度を検知する。追突予測アラームは、停車している自車両(8)の後方40mのポイントで後続車両(9)の速度を検知し、このポイントで後続車両(9)の速度が所定以上であるときはブレーキを踏んだとしても停止不可能であるとの判断基準の設定であるが、特に40mに限定することはなく適宜変更しても良いことはいうまでもない。
【0041】
図5及び
図6は追突予測アラームの車速との相関表である。
図5はマイクロ波周波数が24.150GHzの場合、
図6はマイクロ波周波数が60GHzの場合を示している。また、相関表中、車速(a)は後続車両(9)の速度、周波数fo(b)はドップラー検知周波数、走行距離/秒(c)は後続車両(9)の車速(a)のときの1秒あたりの走行距離、追突予測アラーム(d)は後方車両と自車両との距離が40mのときの追突までの秒数で、例として車速(a)が60Km/hのとき追突の2.4秒前にアラームを発することが示されている。もちろん、追突予測アラームが発せられる前も、前述の段落番号0037乃至0038に記載した検知によってアラームが発せられるので、アラームとしては1次アラーム、2次アラーム、追突予測アラームといったように段階を追ってアラームが発せられる。この1次アラーム、2次アラーム、追突予測アラームは、徐々に音量が高まったり、音調の緊迫度が高まったりするように発することで、運転者により強く危険を報知することが可能となる。また、追突予測アラームが発せられる前に後続車両(9)が急ブレーキを踏んで停止することができた場合は、追突予測アラームの発報はキャンセルされるようにしても良い。
【0042】
以上説明したように、本発明の車両用後続車両検知方法においては、1つのマイクロ波センサで複数のマイクロ波方式を時分割で適宜組み合わせることによって、後続車両(9)の接近情報を正確かつ確実に検知することができるので、どのような環境下、状況下においても、確実に後続車両(9)の接近状況をリアルタイムかつシームレスに検知することができる。すなわち、自車両(8)と後続車両(9)の絶対速度、自車両(8)の絶対速度を基準にした後続車両(9)との相対速度、自車両(8)と後続車両(9)との車間距離、後続車両(9)の自車両(8)に対する接近・離反をリアルタイムにシームレスに検知することでき、これら検知データを活用することで様々な態様でのアラームを発することができるので、安全運転はもとより、円滑な交通環境に寄与することが可能である。
【0043】
さらに、
図1に示されるように本体(1)の拡張オプション(7)として、GPSユニット(7a)や記録手段であるメモリーカード(7b)などを備えることも可能である。GPSユニット(7a)はGPSアンテナ、GPS受信機からなり、常時GPS信号を受信して自車両(8)の位置情報や検知しているデータの日時データを得ることができる。記録手段であるメモリーカード(7b)は本体(1)にメモリーカード(7b)を抜き差し自在に備えることが最も利便性が高いが、本体(1)にEEPROMなどを備えても良い。その場合は本体(1)にUSB端子などを設けてパーソナルコンピュータと接続してデータの受け渡しをするようにしても良い。これによって、昨今社会問題となっている煽り運転の際のドライブレコーダーの記録録画を補完する証拠として、後続車両(9)の速度、車間距離、速度情報のほかに、GPSで得られた時間や位置情報を記録手段であるメモリーカード(7b)に記録することが可能となる。
【符号の説明】
【0044】
1 本体
2 マイクロ波アンテナ
3 モノシリックマイクロ波集積回路
4 マイクロコントロールユニット
5 増幅回路
6 スピーカー
7 拡張オプション
7a GPSユニット
7b メモリーカード
8 自車両
9 後続車両