(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151458
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】マスク用クリップ
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220929BHJP
A62B 18/08 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021082758
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】309019198
【氏名又は名称】山敷 淑子
(72)【発明者】
【氏名】山敷 淑子
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC36
(57)【要約】
【課題】会話をしたり顎を動かしたりを繰り返すことにより、だんだんと鼻筋からマスクがずり落ちて、気が付けばマスクの機能を効率よく装着するべき所定の位置よりずれてしまうという問題点があった。
【解決手段】例えば、
図1の場合、柔軟で表面が滑りにくい材料で構成された鼻当部と、上記鼻当部との間にマスク上端の中央部を挟持するための挟持部及び上記鼻当部と上記挟持部を連結する塑性変形可能で形状保持機能を有する連結部を設けたことで、マスクに簡単に取り付けることができ、マスクと鼻の接触が安定して維持され、長時間使用してもマスクが所定に位置からずれにくくなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟で表面が滑りにくい材料で構成された鼻当部と、上記鼻当部との間にマスク上端の中央部を挟持するための挟持部及び上記鼻当部と上記挟持部を連結する塑性変形可能で形状保持機能を有する連結部を備えていることを特徴とするマスク用クリップ。
【請求項2】
鼻当部および挟持部はともに塑性変形可能で形状記憶機能を有することを特徴とする請求項1記載のマスク用クリップ
【請求項3】
鼻当部と挟持部と連結部が柔軟で表面が滑りにくい材料で一体に構成されているとともに上記鼻当部、挟持部及び連結部にまたがるように塑性変形可能で形状保持機能を有する芯材を内蔵していることを特徴とする請求項1記載のマスク用クリップ
【請求項4】
鼻当部との裏面側に複数の突起が一体に形成されている請求項3記載のマスク用クリップ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的な使い捨てマスクや布等の手作りマスクにおいて、マスク装着中に、マスクが鼻からずり落ちにくくすることが出来るマスク用クリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コロナ時代と言われている昨今。日常生活において、老若男女を問わず、感染対策予防の為のマスクは必要不可欠な物となっている。
【0003】
マスクを装着するということは、埃やウイルスを口や鼻から取り込まないようにするためであり、また、自身の飛沫や咳で細菌を振りまかないようにするためのものでもある。したがってマスクをつけていればそれでいいということではなく、マスクの機能を損なわないようにマスクを着用するということが、今や身を守るためにも極めて重要なことであり、そのためには、マスクと顔との間にはできるだけ隙間を作らないように、かつ常にマスクを正しい位置に装着して、より顔に密着させるように口や鼻を覆うようにしなければならない。
【0004】
そこで、マスク内側周辺または一部に両面粘着テープを設けて顔に直接貼り付けるものや、平面なマスクを、顔に馴染むように湾曲にするために、タックを備えて形成されたものや、マスクの上部中央部にワイヤーを挿入し、そのワイヤーを鼻筋に合わせ押さえ馴染ませて、顔とマスクとの隙間が少しでも空かないよう工夫されているものもあり、文献1に示すような、マスクの上部の鼻と頬との間の窪みに当たる部分にスポンジ等の柔らかい材質の物が取り付けられ、顔によりフィットするようにしたマスクパッドや、文献2に示すような、鼻から頬へ続く湾曲した形状に類似した形状のマスクノーズクリップをマスク上部に固定させマスクと顔の間に隙間ができないように考案されたもの等、よりマスクの機能を効率よく顔に装着させるために種々工夫されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-185470 使い捨てマスクパッド
【特許文献2】特開2002-325855 着脱式マスクノーズクリップ並びに着脱式マスクノーズクリップ付きマスク
【0006】
しかしながら、マスク周辺に両面テープを設け、顔にピッタリ貼り付けるものは、耳掛けゴムが無いので長時間の使用でも、耳が痛くなることもなく、マスクと顔とが密着しているので、マスク装着時の隙間は出来にくいという利点はあるものの、顔に両面テープの粘着材が直接当たることになるので、肌が敏感な人は長時間の使用はしづらいし、マスクの一部の、例えば、鼻頭の上に両面テープを設けた場合でも、粘着テープの効果が無くなれば、それらマスクは全て使い捨てとなるものであり、布製の手作りマスクに両面テープを貼り付けたり外したりすることはとても手間がかかり面倒でもあり非効率である。
【0007】
また、マスクの上部にワイヤーを挿入してあるものや、マスク内側にスポンジ材を設けたものや、マスクを顔に馴染むよう湾曲に形成するためタックをとったものや、そして、マスク上端に装着するノーズクリップ等を備え付けた場合でも、会話をしたり顎を動かしたりを繰り返すことにより、だんだんと鼻筋からマスクがずり落ちて、気が付けばマスクの機能を効率よく装着するべき所定の位置よりずれてしまい、鼻が丸出しということが多々ある。その度に、マスクをつまんでずれ落ちたマスクを元の正しい装着位置に戻さなければならない。この様に、花粉や埃・感染予防を期待して、口や鼻を覆って装着しているマスクであるにもかかわらず、おしゃべり等で口や顎を繰り返し動かすことで、マスク装着の正しい所定の位置からマスクが下方にずれ落ちるということは、意に反することで、ストレスでもあり、マスク本来の機能の効果を期待できなくなる恐れがあるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、この様な課題を解決し、マスクが鼻より下方にずり落ちにくいようにする、マスク用クリップを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような問題を解決する為に本発明のマスク用クリップは柔軟で表面が滑りにくい材料で構成された鼻当部と、上記鼻当部との間にマスク上端の中央部を挟持するための挟持部及び上記鼻当部と上記挟持部を連結する塑性変形可能で形状保持機能を有する連結部を設けた。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、マスクに簡単に取り付けることができ、マスクと鼻の接触が安定して維持され、長時間使用してもマスクが所定の位置からずれにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明のマスク用クリップの一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、同、マスクに装着時の鼻側からの正面図である。
【
図5】
図5は、同、マスクに装着時の鼻側とは反対側の正面図である。
【
図6】
図6は、他の実施例の形態を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、同、マスクに接する側に突起を設けた展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施するための形態を
図1~
図9に基づいて具体的に説明する。
【0013】
図1~
図5において、1は鼻当部、2は挟持部で、鼻当部1と挟持部2は連結部6により一体につながっている。鼻当部1、挟持部2および連結部6はシリコンゴムの様な柔らかくて表面が滑りにくい材料で形成されている。連結部6によって一体につながった鼻当部1および挟持部2には、塑性変形可能で形状保持機能を有する金属ワイヤー3が図のようにループを形成するように内蔵されている。
【0014】
ここで、ワイヤー3は、塑性変形可能で、形状保持機能を有するものであれば他の材料を代用してもよい。
【0015】
図2に示すものは、
図1の状態にする前の状態である。この
図2の状態から、折り曲げて、
図1の状態にする。通常は、鼻当部1の長さが挟持部2より少し長くなる様にして折り曲げる。
【0016】
図4は、マスクに装着した場合の鼻に当接する側、すなわち、マスク4の裏面側から見た正面図であり、マスク4の上端中央部を、鼻当部1と挟持部2で挟む様にしてマスク4に装着されている。
【0017】
図5は、マスクに装着した場合の鼻に当接する側とは反対側、すなわち、マスク4の表面側から見た正面図である。
【0018】
このように、柔らかな表面が滑りにくい素材で出来た鼻当部1を鼻に当接することにより、鼻からマスクがずれにくくなる。
【0019】
図6~
図8は他の実施形態を示すもので、11は丸型の鼻当部で、12は丸型の挟持部である。
図1~
図5の実施例と同様に、鼻当部11および挟持部12および連結部16はシリコンゴムの様な柔らかく表面が滑りにくい材料で形成されている。13は金属ワイヤーで、金属ワイヤー13は、鼻当部11、連結部16および挟持部12の周縁部に沿ってループを形成するように内蔵されている。
【0020】
ここで、ワイヤー13は、塑性変形可能で、形状保持機能を有するものであれば他の材料を代用してもよい。
【0021】
図9は、
図6~
図8の実施例のマスク4に接する側に、すなわち、鼻当部11と挟持部12の裏面に突起15を設けた例を示す。鼻当部11と挟持部12の裏面に設けた突起15により、マスク4との接触面における摩擦係数が増し、マスククリップがマスク4から外れにくいだけでなく、マスク4の同じ位置に安定して保持されることになり結果として顔に対するマスクの位置がより安定することになる。
【符号の説明】
【0022】
1・11・ 鼻当部
2・12・ 挟持部
3・13・ ワイヤー
4・マスク
15・突起
6・16 連結部
【手続補正書】
【提出日】2022-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクの上端中央部に上記マスクの上端中央部を挟持するように取り付けられその裏面側がマスク装着時にマスク装着者の鼻に当たるように構成されているマスク用クリップであって、柔軟で表面が滑りにくい材料で構成された鼻当部と、上記鼻当部との間にマスク上端の中央部を挟持するための挟持部及び上記鼻当部と上記挟持部を連結する塑性変形可能で形状保持機能を有する連結部を備えていることを特徴とするマスク用クリップ。
【請求項2】
鼻当部および挟持部はともに塑性変形可能で形状記憶機能を有することを特徴とする請求項1記載のマスク用クリップ
【請求項3】
鼻当部と挟持部と連結部が柔軟で表面が滑りにくい材料で一体に構成されているとともに上記鼻当部、挟持部及び連結部にまたがるように塑性変形可能で形状保持機能を有する芯材を内蔵していることを特徴とする請求項1記載のマスク用クリップ
【請求項4】
鼻当部との裏面側に複数の突起が一体に形成されている請求項3記載のマスク用クリップ