(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151509
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】基板処理装置、解析方法、表示装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151490
(22)【出願日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】P 2021049992
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【弁理士】
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】山本 慎司
(57)【要約】
【課題】稼働部の詳細な稼働状態を基板の処理結果と関連付けて容易に認識する。
【解決手段】情報記憶部は、ロードポート群110、処理ユニット群210および搬送機構を含む稼働部群の稼働に関する情報である稼働情報を格納する。稼働情報は、基板処理装置1における基板9の処理結果を示す処理結果情報と、基板処理装置1の稼働状態の時間的内訳および稼働部群に含まれる稼働部の稼働状態の時間的内訳を示す稼働状態情報と、を含む。表示制御部は、処理結果情報を、基板処理装置1の任意の稼働期間を含む所定の整理項目群から選択された整理項目について整理した状態にてディスプレイに表示させる。表示制御部は、稼働状態情報を、複数の大区分稼働状態および複数の小区分稼働状態にそれぞれ分類してディスプレイに表示させる。これにより、オペレータは、稼働部の詳細な稼働状態を基板9の処理結果と関連付けて容易に認識することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、
複数の基板が収納されたキャリアを保持するロードポートの集合であるロードポート群と、
基板の処理が行われる処理ユニットの集合である処理ユニット群と、
前記ロードポート群と前記処理ユニット群との間で基板を搬送する搬送機構と、
前記ロードポート群、前記処理ユニット群および前記搬送機構を含む稼働部群の稼働に関する情報である稼働情報を格納する情報記憶部と、
情報表示部と、
前記稼働情報を所定の表示態様にて前記情報表示部に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記稼働情報は、
前記基板処理装置における基板の処理結果を示す処理結果情報と、
前記基板処理装置の稼働状態の時間的内訳および前記稼働部群に含まれる稼働部の稼働状態の時間的内訳を示す稼働状態情報と、
を含み、
前記基板処理装置および前記稼働部の稼働状態はそれぞれ、大分類である複数の大区分稼働状態と、前記複数の大区分稼働状態をさらに分類した複数の小区分稼働状態とに、階層的に分類されており、
前記表示制御部は、前記処理結果情報を、前記基板処理装置の任意の稼働期間を含む所定の整理項目群から選択された整理項目について整理した状態にて前記情報表示部に表示させ、
前記表示制御部は、前記稼働状態情報を、前記整理項目群から選択された整理項目について整理した状態で、前記複数の大区分稼働状態および前記複数の小区分稼働状態にそれぞれ分類して前記情報表示部に表示させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記表示制御部は、前記稼働状態情報を、前記整理項目について整理した状態で前記複数の大区分稼働状態に分類して前記情報表示部に表示させる際に、大区分稼働状態毎に色分けされた第1のグラフにて表示させ、
前記表示制御部は、前記稼働状態情報を、前記整理項目について整理した状態で前記複数の小区分稼働状態に分類して前記情報表示部に表示させる際に、小区分稼働状態毎に色分けされた第2のグラフにて表示させ、前記第2のグラフにおいて、一の大区分稼働状態に対応する複数の小区分稼働状態は、前記第1のグラフにおける前記一の大区分稼働状態の色と同系色にて色分けされることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理装置であって、
前記稼働状態情報は、前記稼働部の稼働状態に関連付けられた前記稼働状態の始点および終点であるタイムスタンプを含み、
前記表示制御部は、前記稼働状態を時系列で示す時系列表示を前記情報表示部に表示させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、
前記表示制御部は、前記稼働部群に関する前記稼働状態情報を、前記稼働部群に含まれる稼働部の種類毎に並記した状態で前記情報表示部に表示させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、
前記表示制御部は、前記ロードポート群に関する前記稼働状態情報を、ロードポート毎に並記した状態で前記情報表示部に表示させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、
前記表示制御部は、前記処理ユニット群に関する前記稼働状態情報を、処理ユニット毎に並記した状態で前記情報表示部に表示させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、
前記整理項目群は、前記稼働期間、稼働時間帯、稼働曜日および処理レシピのうち1つ以上の項目を整理項目として含み、
前記表示制御部は、前記処理結果情報を、前記1つ以上の項目について整理した状態にて前記情報表示部に表示可能であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、
前記整理項目群は、前記稼働期間、稼働時間帯および稼働曜日のうち1つ以上の項目を整理項目として含み、
前記表示制御部は、前記稼働状態情報を、前記1つ以上の項目について整理した状態にて前記情報表示部に表示可能であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、
所定の参照集計期間における前記処理結果情報である参照処理結果情報が予め準備されており、
前記表示制御部は、選択された指定集計期間における前記処理結果情報と前記参照処理結果情報とを比較可能に表示することを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、
所定の参照集計期間における前記稼働状態情報である参照稼働状態情報が予め準備されており、
前記表示制御部は、選択された指定集計期間における前記稼働状態情報を表示し、前記指定集計期間における前記稼働状態情報のうち、前記参照稼働状態情報と比較して所定の程度以上悪化している大区分稼働状態または小区分稼働状態をハイライト表示することを特徴とする基板処理装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、
前記表示制御部は、前記基板処理装置と同じ構成を備える他の基板処理装置の前記処理結果情報および前記稼働状態情報も、前記情報表示部に表示させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項12】
基板処理装置の稼働状態の解析を行う解析方法であって、
a)請求項1ないし11のいずれか1つに記載の基板処理装置において、前記処理結果情報を前記基板処理装置の任意の稼働期間について整理した状態で前記情報表示部に表示させる工程と、
b)前記稼働状態情報を前記稼働期間について整理した状態で前記複数の大区分稼働状態に分類して前記情報表示部に表示させる工程と、
c)前記複数の大区分稼働状態のうち、処理結果の悪化原因と目される一の大区分稼働状態を前記複数の小区分稼働状態に分類して前記情報表示部に表示させる工程と、
d)前記複数の小区分稼働状態のうち、処理結果の悪化原因と目される一の小区分稼働状態に注目し、前記稼働部群のうち前記一の小区分稼働状態に関連する稼働部の集合である関連稼働部群を選択し、前記基板処理装置の稼働状態を時系列で示す時系列表示、および、前記関連稼働部群のそれぞれの稼働状態を時系列で示す時系列表示を前記情報表示部に表示させる工程と、
を備えることを特徴とする解析方法。
【請求項13】
複数の基板が収納されたキャリアを保持するロードポートの集合であるロードポート群と、基板の処理が行われる処理ユニットの集合である処理ユニット群と、前記ロードポート群と前記処理ユニット群との間で基板を搬送する搬送機構と、を備える基板処理装置の稼働状態を表示する表示装置であって、
情報表示部と、
前記ロードポート群、前記処理ユニット群および前記搬送機構を含む稼働部群の稼働に関する情報である稼働情報を所定の表示態様にて前記情報表示部に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記稼働情報は、
前記基板処理装置における基板の処理結果を示す処理結果情報と、
前記基板処理装置の稼働状態の時間的内訳および前記稼働部群に含まれる稼働部の稼働状態の時間的内訳を示す稼働状態情報と、
を含み、
前記基板処理装置および前記稼働部の稼働状態はそれぞれ、大分類である複数の大区分稼働状態と、前記複数の大区分稼働状態をさらに分類した複数の小区分稼働状態とに、階層的に分類されており、
前記表示制御部は、前記処理結果情報を、前記基板処理装置の任意の稼働期間を含む所定の整理項目群から選択された整理項目について整理した状態にて前記情報表示部に表示させ、
前記表示制御部は、前記稼働状態情報を、前記整理項目群から選択された整理項目について整理した状態で、前記複数の大区分稼働状態および前記複数の小区分稼働状態にそれぞれ分類して前記情報表示部に表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項14】
複数の基板が収納されたキャリアを保持するロードポートの集合であるロードポート群と、基板の処理が行われる処理ユニットの集合である処理ユニット群と、前記ロードポート群と前記処理ユニット群との間で基板を搬送する搬送機構と、を備える基板処理装置について、前記ロードポート群、前記処理ユニット群および前記搬送機構を含む稼働部群の稼働に関する情報である稼働情報を所定の表示態様にて情報表示部に表示させるプログラムであって、
前記稼働情報は、
前記基板処理装置における基板の処理結果を示す処理結果情報と、
前記基板処理装置の稼働状態の時間的内訳および前記稼働部群に含まれる稼働部の稼働状態の時間的内訳を示す稼働状態情報と、
を含み、
前記基板処理装置および前記稼働部の稼働状態はそれぞれ、大分類である複数の大区分稼働状態と、前記複数の大区分稼働状態をさらに分類した複数の小区分稼働状態とに、階層的に分類されており、
前記プログラムがコンピュータによって実行されることにより、
前記処理結果情報が、前記基板処理装置の任意の稼働期間を含む所定の整理項目群から選択された整理項目について整理された状態にて前記情報表示部に表示され、
前記稼働状態情報が、前記整理項目群から選択された整理項目について整理された状態で、前記複数の大区分稼働状態および前記複数の小区分稼働状態にそれぞれ分類されて前記情報表示部に表示されることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、および、基板処理装置の稼働状態を表示および解析する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体基板( 以下、単に「基板」という。)を処理する基板処理装置では、例えば、基板が収容されるFOUP等がロードポートにより開放され、インデクサロボットによりFOUP等から基板が取り出される。当該基板は、インデクサロボットからセンターロボットに渡され、センターロボットにより、複数の処理ユニットのうち一の処理ユニットに搬入されて様々な処理を施される。
【0003】
このような基板処理装置では、処理ユニットに異常が生じた場合、基板の処理量や歩留まりが低下する。特許文献1では、処理ユニットの状態を示す物理量(例えば、温度)の測定結果の時系列データを分析して、異常が発生した処理ユニットや異常の原因を特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の基板処理装置では、ロードポート、インデクサロボット、センターロボットおよび処理ユニット等の稼働部において異常が生じていない場合であっても、例えば、ある稼働部に基板が供給されず待機時間が長い場合等、装置全体としての基板の処理量が減少することがある。このような場合、特許文献1のように処理ユニットの異常を検出するのみでは、処理量減少の原因を特定することはできない。このため、基板処理装置における基板の処理結果と稼働部の稼働状態との関係を知りたいという要望がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、稼働部の詳細な稼働状態を基板の処理結果と関連付けて容易に認識することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、基板処理装置であって、複数の基板が収納されたキャリアを保持するロードポートの集合であるロードポート群と、基板の処理が行われる処理ユニットの集合である処理ユニット群と、前記ロードポート群と前記処理ユニット群との間で基板を搬送する搬送機構と、前記ロードポート群、前記処理ユニット群および前記搬送機構を含む稼働部群の稼働に関する情報である稼働情報を格納する情報記憶部と、情報表示部と、前記稼働情報を所定の表示態様にて前記情報表示部に表示させる表示制御部とを備え、前記稼働情報は、前記基板処理装置における基板の処理結果を示す処理結果情報と、前記基板処理装置の稼働状態の時間的内訳および前記稼働部群に含まれる稼働部の稼働状態の時間的内訳を示す稼働状態情報とを含み、前記基板処理装置および前記稼働部の稼働状態はそれぞれ、大分類である複数の大区分稼働状態と、前記複数の大区分稼働状態をさらに分類した複数の小区分稼働状態とに、階層的に分類されており、前記表示制御部は、前記処理結果情報を、前記基板処理装置の任意の稼働期間を含む所定の整理項目群から選択された整理項目について整理した状態にて前記情報表示部に表示させ、前記表示制御部は、前記稼働状態情報を、前記整理項目群から選択された整理項目について整理した状態で、前記複数の大区分稼働状態および前記複数の小区分稼働状態にそれぞれ分類して前記情報表示部に表示させる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記表示制御部は、前記稼働状態情報を、前記整理項目について整理した状態で前記複数の大区分稼働状態に分類して前記情報表示部に表示させる際に、大区分稼働状態毎に色分けされた第1のグラフにて表示させ、前記表示制御部は、前記稼働状態情報を、前記整理項目について整理した状態で前記複数の小区分稼働状態に分類して前記情報表示部に表示させる際に、小区分稼働状態毎に色分けされた第2のグラフにて表示させ、前記第2のグラフにおいて、一の大区分稼働状態に対応する複数の小区分稼働状態は、前記第1のグラフにおける前記一の大区分稼働状態の色と同系色にて色分けされる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の基板処理装置であって、前記稼働状態情報は、前記稼働部の稼働状態に関連付けられた前記稼働状態の始点および終点であるタイムスタンプを含み、前記表示制御部は、前記稼働状態を時系列で示す時系列表示を前記情報表示部に表示させる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記表示制御部は、前記稼働部群に関する前記稼働状態情報を、前記稼働部群に含まれる稼働部の種類毎に並記した状態で前記情報表示部に表示させる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記表示制御部は、前記ロードポート群に関する前記稼働状態情報を、ロードポート毎に並記した状態で前記情報表示部に表示させる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記表示制御部は、前記処理ユニット群に関する前記稼働状態情報を、処理ユニット毎に並記した状態で前記情報表示部に表示させる。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記整理項目群は、前記稼働期間、稼働時間帯、稼働曜日および処理レシピのうち1つ以上の項目を整理項目として含み、前記表示制御部は、前記処理結果情報を、前記1つ以上の項目について整理した状態にて前記情報表示部に表示可能である。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記整理項目群は、前記稼働期間、稼働時間帯および稼働曜日のうち1つ以上の項目を整理項目として含み、前記表示制御部は、前記稼働状態情報を、前記1つ以上の項目について整理した状態にて前記情報表示部に表示可能である。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、所定の参照集計期間における前記処理結果情報である参照処理結果情報が予め準備されており、前記表示制御部は、選択された指定集計期間における前記処理結果情報と前記参照処理結果情報とを比較可能に表示する。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、所定の参照集計期間における前記稼働状態情報である参照稼働状態情報が予め準備されており、前記表示制御部は、選択された指定集計期間における前記稼働状態情報を表示し、前記指定集計期間における前記稼働状態情報のうち、前記参照稼働状態情報と比較して所定の程度以上悪化している大区分稼働状態または小区分稼働状態をハイライト表示する。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記表示制御部は、前記基板処理装置と同じ構成を備える他の基板処理装置の前記処理結果情報および前記稼働状態情報も、前記情報表示部に表示させる。
【0018】
請求項12に記載の発明は、基板処理装置の稼働状態の解析を行う解析方法であって、a)請求項1ないし11のいずれか1つに記載の基板処理装置において、前記処理結果情報を前記基板処理装置の任意の稼働期間について整理した状態で前記情報表示部に表示させる工程と、b)前記稼働状態情報を基板の前記稼働期間について整理した状態で前記複数の大区分稼働状態に分類して前記情報表示部に表示させる工程と、c)前記複数の大区分稼働状態のうち、処理結果の悪化原因と目される一の大区分稼働状態を前記複数の小区分稼働状態に分類して前記情報表示部に表示させる工程と、d)前記複数の小区分稼働状態のうち、処理結果の悪化原因と目される一の小区分稼働状態に注目し、前記稼働部群のうち前記一の小区分稼働状態に関連する稼働部の集合である関連稼働部群を選択し、前記基板処理装置の稼働状態を時系列で示す時系列表示、および、前記関連稼働部群のそれぞれの稼働状態を時系列で示す時系列表示を前記情報表示部に表示させる工程とを備える。
【0019】
請求項13に記載の発明は、複数の基板が収納されたキャリアを保持するロードポートの集合であるロードポート群と、基板の処理が行われる処理ユニットの集合である処理ユニット群と、前記ロードポート群と前記処理ユニット群との間で基板を搬送する搬送機構と、を備える基板処理装置の稼働状態を表示する表示装置であって、情報表示部と、前記ロードポート群、前記処理ユニット群および前記搬送機構を含む稼働部群の稼働に関する情報である稼働情報を所定の表示態様にて前記情報表示部に表示させる表示制御部とを備え、前記稼働情報は、前記基板処理装置における基板の処理結果を示す処理結果情報と、前記基板処理装置の稼働状態の時間的内訳および前記稼働部群に含まれる稼働部の稼働状態の時間的内訳を示す稼働状態情報とを含み、前記基板処理装置および前記稼働部の稼働状態はそれぞれ、大分類である複数の大区分稼働状態と、前記複数の大区分稼働状態をさらに分類した複数の小区分稼働状態とに、階層的に分類されており、前記表示制御部は、前記処理結果情報を、前記基板処理装置の任意の稼働期間を含む所定の整理項目群から選択された整理項目について整理した状態にて前記情報表示部に表示させ、前記表示制御部は、前記稼働状態情報を、前記整理項目群から選択された整理項目について整理した状態で、前記複数の大区分稼働状態および前記複数の小区分稼働状態にそれぞれ分類して前記情報表示部に表示させる。
【0020】
請求項14に記載の発明は、複数の基板が収納されたキャリアを保持するロードポートの集合であるロードポート群と、基板の処理が行われる処理ユニットの集合である処理ユニット群と、前記ロードポート群と前記処理ユニット群との間で基板を搬送する搬送機構と、を備える基板処理装置について、前記ロードポート群、前記処理ユニット群および前記搬送機構を含む稼働部群の稼働に関する情報である稼働情報を所定の表示態様にて情報表示部に表示させるプログラムであって、前記稼働情報は、前記基板処理装置における基板の処理結果を示す処理結果情報と、前記基板処理装置の稼働状態の時間的内訳および前記稼働部群に含まれる稼働部の稼働状態の時間的内訳を示す稼働状態情報とを含み、前記基板処理装置および前記稼働部の稼働状態はそれぞれ、大分類である複数の大区分稼働状態と、前記複数の大区分稼働状態をさらに分類した複数の小区分稼働状態とに、階層的に分類されており、前記プログラムがコンピュータによって実行されることにより、前記処理結果情報が、前記基板処理装置の任意の稼働期間を含む所定の整理項目群から選択された整理項目について整理された状態にて前記情報表示部に表示され、前記稼働状態情報が、前記整理項目群から選択された整理項目について整理された状態で、前記複数の大区分稼働状態および前記複数の小区分稼働状態にそれぞれ分類されて前記情報表示部に表示される。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、稼働部の詳細な稼働状態を基板の処理結果と関連付けて容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一の実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。
【
図5】コンピュータにより実現される機能を示すブロック図である。
【
図23】ディスプレイの画面の一部を拡大して示す図である。
【
図24】ディスプレイの画面の一部を拡大して示す図である。
【
図25】ディスプレイの画面の一部を拡大して示す図である。
【
図26】ディスプレイの画面の一部を拡大して示す図である。
【
図27】ディスプレイの画面の一部を拡大して示す図である。
【
図29】ディスプレイの画面の一部を拡大して示す図である。
【
図30】ディスプレイの画面の一部を拡大して示す図である。
【
図31】ディスプレイの画面の一部を拡大して示す図である。
【
図32】ディスプレイの画面の一部を拡大して示す図である。
【
図33】ディスプレイの画面の一部を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る基板処理装置1の平面図である。
図2は、基板処理装置1を、
図1のII-II線から見た図である。なお、以下に参照する各図には、Z軸方向を鉛直方向(すなわち、上下方向)とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系が適宜付されている。また、
図2では、基板処理装置1の(+X)側の一部の図示を省略している。
【0024】
基板処理装置1は、複数の略円板状の半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)に連続して処理を行う装置である。基板処理装置1では、例えば、基板9に対して処理液を供給する液処理が行われる。
【0025】
基板処理装置1は、複数のロードポート11と、インデクサブロック10と、処理ブロック20と、載置ユニット40と、コンピュータ8と、を備える。インデクサブロック10および処理ブロック20はそれぞれ、インデクサセルおよび処理セルとも呼ばれる。また、インデクサブロック10は、Equipment Front End Module(EFEM)ユニット等とも呼ばれる。
図1に示す例では、(-X)側から(+X)側に向かって、3つのロードポート11、インデクサブロック10および処理ブロック20が、この順に隣接して配置されている。以下の説明では、複数のロードポート11をまとめて「ロードポート群110」とも呼ぶ。
【0026】
ロードポート11の集合であるロードポート群110は、インデクサブロック10の(-X)側の側壁に沿ってY方向に配列される。複数のロードポート11はそれぞれ、キャリア95を保持する保持台である。キャリア95は、複数の円板状の基板9を収納可能である。キャリア95は、例えば、基板9を密閉空間に収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)である。キャリア95は、FOUPには限定されず、例えば、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドであってもよい。また、ロードポート群110に含まれるロードポート11の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
【0027】
ロードポート11は、キャリア95を開閉する開閉機構でもある。インデクサブロック10の(-X)側の側壁には、各ロードポート11上のキャリア95に対応する位置に開口部およびキャリア用シャッタが設けられる。キャリア95に対する基板9の搬出入が行われる際には、キャリア95および当該キャリア用シャッタが自動的に開閉される。
【0028】
各ロードポート11に対しては、複数の未処理の基板9を収納したキャリア95が、基板処理装置1の外部からAGV(Automated Guided Vehicle)等により搬入されて載置される。また、処理ブロック20における処理が終了した処理済みの基板9は、ロードポート11に保持されたキャリア95に、再度収納される。処理済みの基板9が収納されたキャリア95は、AGV等によって基板処理装置1の外部に搬出される。すなわち、ロードポート11は、未処理の基板9および処理済みの基板9を集積する基板集積部として機能する。
【0029】
インデクサブロック10は、キャリア95から未処理の基板9を受け取り、処理ブロック20に渡す。また、インデクサブロック10は、処理ブロック20から搬出された処理済みの基板9を受け取り、キャリア95へと搬入する。インデクサブロック10の内部空間100には、キャリア95への基板9の搬出入を行うインデクサロボット12が配置される。
【0030】
インデクサロボット12は、2本の搬送アーム121a,121bと、アームステージ122と、可動台123とを備える。2本の搬送アーム121a,121bは、アームステージ122に搭載される。可動台123は、複数のロードポート11の配列方向と平行に(すなわち、Y方向に沿って)延びるボールネジ124に螺合され、2本のガイドレール125に対して摺動自在に設けられる。図示を省略する回転モータによりボールネジ124が回転すると、可動台123を含むインデクサロボット12の全体が、Y方向に沿って水平に移動する。
【0031】
アームステージ122は、可動台123上に搭載される。可動台123には、アームステージ122を上下方向(すなわち、Z方向)を向く回転軸周りに回転させるモータ(図示省略)、および、アームステージ122を上下方向に沿って移動させるモータ(図示省略)が内蔵されている。アームステージ122上には、搬送アーム121a,121bが、上下に離間して配置されている。
【0032】
搬送アーム121a,121bの先端にはそれぞれ、平面視において略U字状のハンド126が設けられる。ハンド126は、例えば、幅方向に広がる基部と、当該基部の幅方向両端部から幅方向に垂直な長手方向に略平行に延びる2本の爪部とを備える。搬送アーム121a,121bはそれぞれ、ハンド126により1枚の基板9の下面を支持する。ハンド126には、図示省略のクランプ機構が設けられており、基板9のハンド126に対する相対位置が、位置精度良く固定される。当該クランプ機構は、例えば、基板9の側縁に接触して基板9の位置を機械的に制限する複数の凸部等であってもよく、基板9の下面を吸着する複数の吸引口であってもよい。
【0033】
搬送アーム121a,121bは、アームステージ122に内蔵された駆動機構(図示省略)によって多関節機構が屈伸されることにより、水平方向(すなわち、アームステージ122の回転軸を中心とする径方向)に沿って互いに独立して移動する。換言すれば、ハンド126は、進退自在、昇降自在かつ回転自在にインデクサロボット12に設けられる。なお、インデクサロボット12における搬送アームの数は、1本であってもよく、3本以上であってもよい。
【0034】
インデクサロボット12は、ハンド126により基板9を保持する搬送アーム121a,121bをそれぞれ、ロードポート11に載置されたキャリア95、および、載置ユニット40に個別にアクセスさせることにより、キャリア95および載置ユニット40の間で基板9を搬送する搬送ロボットである。インデクサロボット12における上記移動機構は、上述の例には限定されず、他の機構であってもよい。例えば、搬送アーム121a,121bを上下方向に移動する機構として、プーリとタイミングベルトとを使用したベルト送り機構等が採用されてもよい。
【0035】
処理ブロック20には、基板9の搬送に利用される搬送路23と、搬送路23の周囲に配置される複数の処理ユニット21とが設けられる。
図1に示す例では、搬送路23は、処理ブロック20のY方向の中央にてX方向に延びる。搬送路23の内部空間230には、各処理ユニット21への基板9の搬出入を行うセンターロボット22が配置される。
【0036】
センターロボット22は、2本の搬送アーム221a,221bと、アームステージ222と、基台223とを備える。2本の搬送アーム221a,221bは、アームステージ222に搭載される。基台223は、処理ブロック20のフレームに固定されている。したがって、センターロボット22の基台223は、水平方向および上下方向に移動しない。なお、センターロボット22の基台223は、例えば、水平方向に移動可能とされてもよい。
【0037】
アームステージ222は、基台223上に搭載される。基台223には、アームステージ222を上下方向を向く回転軸周りにて回転させるモータ(図示省略)、および、アームステージ222を上下方向に沿って移動させるモータ(図示省略)が内蔵されている。アームステージ222上には、搬送アーム221a,221bが、上下に離間して配置されている。
【0038】
搬送アーム221a,221bの先端にはそれぞれ、平面視において略U字状のハンド226が設けられる。ハンド226は、例えば、幅方向に広がる基部と、当該基部の幅方向両端部から幅方向に垂直な長手方向に略平行に延びる2本の爪部とを備える。搬送アーム221a,221bはそれぞれ、ハンド226により1枚の基板9の下面を支持する。ハンド226には、図示省略のクランプ機構が設けられており、基板9のハンド226に対する相対位置が、位置精度良く固定される。当該クランプ機構は、例えば、基板9の側縁に接触して基板9の位置を機械的に制限する複数の凸部等であってもよく、基板9の下面を吸着する複数の吸引口であってもよい。
【0039】
搬送アーム221a,221bは、アームステージ222に内蔵された駆動機構(図示省略)によって多関節機構が屈伸されることにより、水平方向(すなわち、アームステージ222の回転軸を中心とする径方向)に沿って互いに独立して移動する。換言すれば、ハンド226は、進退自在、昇降自在かつ回転自在にセンターロボット22に設けられる。なお、センターロボット22における搬送アームの数は、1本であってもよく、3本以上であってもよい。
【0040】
センターロボット22は、ハンド226により基板9を保持する搬送アーム221a,221bをそれぞれ、載置ユニット40および複数の処理ユニット21に個別にアクセスさせることにより、載置ユニット40および処理ユニット21の間で基板9を搬送する搬送ロボットである。センターロボット22における上記移動機構は、上述の例には限定されず、他の機構であってもよい。例えば、搬送アーム221a,221bを上下方向に移動する機構として、プーリとタイミングベルトとを使用したベルト送り機構等が採用されてもよい。
【0041】
各処理ユニット21は、基板9に対して所定の処理を施す処理部である。
図1および
図2に示す例では、処理ブロック20には、12個の処理ユニット21が設けられる。具体的には、Z方向に積層された3個の処理ユニット21が、平面視においてセンターロボット22の周囲に4組配置される。以下の説明では、複数の処理ユニット21をまとめて、「処理ユニット群210」とも呼ぶ。処理ユニット群210に含まれる処理ユニット21の数は、1つ以上の範囲で様々に変更されてよい。
【0042】
載置ユニット40は、インデクサブロック10と処理ブロック20との接続部に設けられる。上述のように、インデクサロボット12およびセンターロボット22は、載置ユニット40にアクセス可能である。載置ユニット40は、センターロボット22が配置される搬送路23を介して処理ユニット21の集合である処理ユニット群210に接続される。
【0043】
インデクサロボット12は、キャリア95から搬出した未処理の基板9を載置ユニット40に載置する。センターロボット22は、載置ユニット40から未処理の基板9を搬出し、処理ユニット21へと搬入する。また、センターロボット22は、処理ユニット21から搬出した処理済みの基板9を載置ユニット40に載置する。インデクサロボット12は、載置ユニット40から処理済みの基板9を搬出し、キャリア95に搬入する。換言すれば、インデクサロボット12およびセンターロボット22は、ロードポート群110と処理ユニット群210との間で基板9を搬送する搬送機構である。また、載置ユニット40は、インデクサロボット12からセンターロボット22へと渡される未処理の基板9、および、センターロボット22からインデクサロボット12へと渡される処理済みの基板9を一時的に保持する。
【0044】
図3は、処理ユニット21の一例を示す図である。処理ユニット21は、ハウジング31と、基板保持部32と、基板回転機構33と、カップ部34と、処理ノズル35とを備える。基板保持部32、基板回転機構33、カップ部34および処理ノズル35は、ハウジング31の内部に収容される。ハウジング31の側壁には、センターロボット22(
図1および
図2参照)により基板9を内部に搬入するための開口311が設けられる。開口311は、開閉可能であり、基板9の搬出入時に開放され、基板9の処理時に閉鎖される。処理ユニット21では、例えば、基板9に対して処理液を供給する液処理が行われる。
【0045】
図3に示す例では、基板保持部32は、基板9を水平状態で保持するメカニカルチャックである。基板保持部32は、ベース321と、シャフト322と、複数のチャックピン323と、を備える。ベース321は、上下方向を向く回転軸J1を中心とする略円板状の部材である。なお、以下では、
図3中の上下方向は、上述のZ方向と一致するものとして説明するが、必ずしも一致する必要はない。シャフト322は、回転軸J1を中心とする略円筒状または略円柱状の部材である。シャフト322は、ベース321の下面から下方へと延び、基板回転機構33に接続される。
【0046】
複数(例えば、6つ)のチャックピン323は、ベース321の上面に立設される。複数のチャックピン323は、ベース321の上面の外周部において周状に配置される。複数のチャックピン323は、基板9の外周部に直接的に接触し、基板9の外周部を機械的に保持する。基板9が複数のチャックピン323により保持された状態では、ベース321の上面は、基板9の下面から下方に離間した状態で、基板9の下面と上下方向に対向する。
【0047】
基板回転機構33は、回転軸J1を中心として基板保持部32を回転することにより、基板保持部32に保持された基板9を回転する。基板回転機構33は、例えば、基板保持部32のシャフト322に接続される電動モータである。基板回転機構33は、電動モータ以外の回転機構であってもよい。基板回転機構33は、基板保持部32の下方に配置されたカバー331の内部に収容される。
【0048】
処理ノズル35は、基板9の上方から基板9の上面に向けて処理液を吐出する。
図3では、処理ノズル35を基板9の上方にて支持する構成の図示を省略している。カップ部34は、基板保持部32の周囲を全周に亘って囲む略円筒状の部材である。カップ部34は、回転中の基板9から周囲に飛散する処理液等を受ける液受けである。カップ部34は、図示省略のカップ昇降機構により上下方向に移動可能である。基板9の処理が行われる際には、カップ部34は、
図3に示すように、回転軸J1を中心とする径方向(以下、単に「径方向」とも呼ぶ。)において基板9の側縁と対向する位置に配置される。また、センターロボット22のハンド226と基板保持部32との間で基板9が受け渡しされる際には、カップ部34は、
図3に示す位置から下方へと移動する。
【0049】
図4は、コンピュータ8の構成を示す図である。コンピュータ8は、プロセッサ81と、メモリ82と、入出力部83と、バス84とを備える通常のコンピュータである。バス84は、プロセッサ81、メモリ82および入出力部83を接続する信号回路である。メモリ82は、各種情報を記憶する。メモリ82は、例えば、記憶媒体80に予め記憶されているプログラム89を読み出して記憶する。記憶媒体80は、例えば、USBメモリやCD-ROMである。プロセッサ81は、メモリ82に記憶される上記プログラム89等に従って、メモリ82等を利用しつつ様々な処理(例えば、数値計算)を実行する。入出力部83は、オペレータからの入力を受け付けるキーボード85およびマウス86、プロセッサ81からの出力等を表示するディスプレイ87、並びに、プロセッサ81からの出力等を送信する送信部88を備える。
【0050】
図5は、コンピュータ8により上記プログラム89が実行されることにより実現される機能を示すブロック図である。基板処理装置1は、コンピュータ8により実現される機能として、情報記憶部61と、表示制御部62とを備える。情報記憶部61は、主にメモリ82により実現され、後述する稼働情報等の各種情報を格納する。表示制御部62は、主にプロセッサ81により実現され、キーボード85およびマウス86からの入力等に基づいて、情報記憶部61に格納されている稼働情報から上記入力に対応する情報を抽出し、情報表示部であるディスプレイ87に所定の表示態様(すなわち、フォーマット)にて表示させる。
【0051】
情報記憶部61に記憶される稼働情報は、上述のロードポート群110、搬送機構(すなわち、インデクサロボット12およびセンターロボット22)、並びに、処理ユニット群210等の稼働部の集合である稼働部群の稼働に関する情報である。当該稼働部群は、ロードポート群110、搬送機構および処理ユニット群210以外の構成(例えば、処理ユニット群210に処理液を供給するケミカルキャビネット等)を稼働部として含んでいてもよい。
図6に示すように、稼働情報70は、処理結果情報71と、稼働状態情報72とを含む。処理結果情報71は、基板処理装置1における基板9の処理結果を示す情報である。稼働状態情報72は、基板処理装置1の稼働状態の時間的内訳、および、稼働部群に含まれる稼働部の稼働状態の時間的内訳を示す情報である。情報記憶部61は、稼働部群の稼働を制御する稼働制御部からの指令信号等の電気信号を取得し、当該指令信号等に基づいて処理結果情報71および稼働状態情報72を生成して格納する。当該稼働制御部は、上述のコンピュータ8により実現される。
【0052】
処理結果情報71は、例えば、所定期間に基板処理装置1にて処理された基板9の処理枚数、正常処理枚数および異常処理枚数を含む。当該所定期間は、例えば、1日間、1週間、1ヶ月等である。処理結果情報71は、上記以外の様々な情報を含んでいてもよい。例えば、基板処理装置1におけるレシピ別の基板9の処理枚数、処理可能時間当たりの基板9の処理枚数、1つの処理ユニット21当たりの基板9の処理枚数、アラームによりチェックされた基板9の枚数、基板処理装置1における処理液の使用量等が、処理結果情報71に含まれていてもよい。処理結果情報71は、基板処理に関する公知の様々な手段により取得可能である。例えば、基板9の処理枚数は、基板処理装置1に搬入され、処理後に搬出された基板9の枚数をカウントすることにより取得可能である。
【0053】
稼働状態情報72により時間的内訳が示される基板処理装置1および稼働部群の稼働状態はそれぞれ、大分類である複数の大区分稼働状態と、当該複数の大区分稼働状態をさらに分類した複数の小区分稼働状態とに、階層的に分類されている。
【0054】
表1は、稼働状態の階層的分類の一例を示す。表1に示す例では、大区分稼働状態は、「停止」、「待機」および「処理」の3つの稼働状態を含む。本実施の形態では、基板処理装置1、各ロードポート11、インデクサロボット12、センターロボット22および各処理ユニット21のそれぞれの稼働状態が、表1に示すように階層的に分類される。
【0055】
【0056】
「停止」状態は、「電源停止(Power Off)」、「準備前(Not Ready)」、「警報処理停止(Alarm Stop)」、「要復旧作業(Maintenance)」および「復旧作業中(Recovery)」の5つの小区分稼働状態に分類される。「電源停止」は、基板処理装置1や稼働部の電源がOffにされている状態等を示す。「準備前」は、基板処理装置1や稼働部において基板9の処理の準備ができていない状態を示す。「警報処理停止」は、アラームにより基板9の処理が停止されている状態を示す。「要復旧作業」は、異常処理等により停止し、オペレータによる復旧作業が必要な状態を示す。「復旧作業中」は、オペレータによる復旧作業中の状態を示す。
【0057】
「待機」状態は、「指示待ち(Ready)」、「停止指示(Operator Stop)」および「準備処理(Prepare)」の3つの小区分稼働状態に分類される。「指示待ち」は、基板9を処理可能な状態ではあるが、基板9の処理の指示がないため待機している状態を示す。「停止指示」は、オペレータによる停止指示により、基板9の処理を中断している状態を示す。「準備処理」は、基板9を処理するための準備処理であり、準備処理の終了後、自動的に基板の処理が開始される状態を示す。「処理」状態は、1つの小区分稼働状態である「処理中(Execute)」を含む。「処理中」は、基板9が正常に処理されている状態を示す。なお、「処理」状態も、「停止」状態および「待機」状態と同様に、複数の小区分稼働状態に分類されてもよい。
【0058】
稼働状態情報72は、例えば、各稼働部を制御する制御部からの信号を集計する等、基板処理に関する公知の様々な手段により取得可能である。なお、上述の稼働状態の階層的分類は、様々に変更されてよい。例えば、大区分稼働状態および小区分稼働状態は、表1とは異なる分類基準で分類されてもよい。また、基板処理装置1および複数の稼働部において、大区分稼働状態および小区分稼働状態の分類は共通である必要はなく、互いに異なっていてもよい。稼働状態情報72には、大区分稼働状態および小区分稼働状態以外の情報が含まれていてもよい。例えば、複数の小区分稼働状態は、さらに細かい複数の細区分稼働状態に分類されてもよい。あるいは、基板処理装置1におけるアラームの発生回数、および、処理ブロック20内における基板9の滞在時間等のサブデータが稼働状態情報72に含まれてもよい。
【0059】
表示制御部62は、処理結果情報71を、所定の整理項目群から選択された1つ以上の整理項目について整理した状態にて、ディスプレイ87に表示させる。当該整理項目群は、基板処理装置1の任意の稼働期間を整理項目として含む。当該稼働期間は、例えば、基板処理装置1において基板9の処理が行われた日(以下、「処理日」とも呼ぶ。)である。また、当該稼働期間は、例えば、基板処理装置1において基板9の処理が行われた週、月および/または年であってもよい。整理項目群は、当該稼働期間以外の様々な整理項目(例えば、レシピの種類等)を含んでいてよい。表示制御部62は、例えば、基板処理装置1にて処理された基板9の処理枚数を、一の整理項目である処理日毎に整理した状態でディスプレイ87に表示させる。
【0060】
図7は、ディスプレイ87における表示の一例を示す図である。
図7中のグラフ511は、所定の期間(4月1日~15日)における基板処理装置1の処理日毎の基板9の処理枚数(すなわち、生産量の詳細)を示す棒グラフである。ディスプレイ87の上部には、当該所定の期間(以下、「指定集計期間」とも呼ぶ。)が表示されている。指定集計期間は、オペレータによる入力等によって変更可能である。グラフ511の横軸は一の整理項目である処理日を示し、縦軸は処理枚数を示す。また、グラフ511の左上のウィンドウ512には、指定集計期間における基板9の総処理枚数(すなわち、合計生産量)が表示される。
図7に示すように、上記整理項目は、処理結果情報71を表示する際の基準(例えば、グラフの軸)となるパラメータであり、ディスプレイ87には、分析対象である処理結果情報71が当該整理項目毎に分けて(すなわち、整理項目について整理した状態で)表示される。すなわち、当該整理項目は、処理結果情報71を分析するための分析項目でもある。また、整理項目は、後述するように、稼働状態情報72表示する際の基準(例えば、グラフの軸)となるパラメータであり、稼働状態情報72を分析するための分析項目でもある。
【0061】
図7中のグラフ513は、基板処理装置1の稼働状態情報72を示す円グラフである。グラフ513では、指定集計期間(4月1日~15日)における基板処理装置1の稼働状態が、大区分稼働状態(すなわち、処理、待機および停止)に分類された状態で示されている。換言すれば、グラフ513は、指定集計期間における基板処理装置1の稼働状態の内訳を示す。
【0062】
表示制御部62は、上述の基板処理装置1と同じ構成を備える他の基板処理装置1につても、処理結果情報71および稼働状態情報72をディスプレイ87に表示させることができる。当該他の基板処理装置1の処理結果情報71および稼働状態情報72は、
図1に示す基板処理装置1のコンピュータ8において情報記憶部61に格納されていてもよく、コンピュータ8がアクセス可能な当該他の基板処理装置1のコンピュータに記憶されていてもよい。
【0063】
また、表示制御部62は、複数の基板処理装置1に接続された共用コンピュータにより実現され、各基板処理装置1の情報記憶部61に格納されている各基板処理装置1の処理結果情報71および稼働状態情報72を、当該共用コンピュータのディスプレイに表示させてもよい。この場合、共用コンピュータおよび複数の基板処理装置1等により、基板処理システムが構成される。なお、上述の情報記憶部61も当該共用コンピュータにより実現され、各基板処理装置1の処理結果情報71および稼働状態情報72は、共用コンピュータの情報記憶部61に格納されてもよい。
【0064】
図7中の左側の切替ウィンドウ514には、複数の基板処理装置1の名称「装置A」、「装置B」、「装置C」および「装置D」が表示されており、例えば、当該名称のうちいずれか1つをクリックすることにより、対応する基板処理装置1の処理結果情報71および稼働状態情報72がディスプレイ87に表示される。
図7では、白抜き文字で示されている装置Aに対応する基板処理装置1の処理結果情報71および稼働状態情報72が表示されている。なお、このように、複数の基板処理装置1の処理結果情報71および稼働状態情報72がディスプレイ87に表示される場合、上述の整理項目群には、基板処理装置1の名称も含まれる。
【0065】
また、
図7中の左側の切替ウィンドウ514において、装置A~装置Dをまとめた「全装置」をクリックすることにより、4台の基板処理装置1(すなわち、装置A~装置D)を合わせた処理結果情報71および稼働状態情報72がディスプレイ87に表示される。具体的には、グラフ511には、4台の基板処理装置1における基板9の処理枚数の合計が、指定集計期間(4月1日~15日)について処理日毎に示される。また、グラフ513には、4台の基板処理装置1を合わせた稼働状態の内訳が示される。
【0066】
表示制御部62は、基板処理装置1の稼働部である3つのロードポート11、インデクサロボット12、センターロボット22および12個の処理ユニット21(
図1および
図2参照)について、それぞれ処理結果情報71および稼働状態情報72をディスプレイ87に表示させることもできる。
図7中の切替ウィンドウ514には、現在選択されている基板処理装置1である装置Aの稼働部の名称(LP1~LP3、IR、CRおよびMPC1~MPC12)が表示されており、例えば、当該名称のうちいずれか1つをクリックすることにより、対応する稼働部の処理結果情報71および稼働状態情報72がディスプレイ87に表示される。なお、装置B~装置Dについても同様に、各稼働部の処理結果情報71および稼働状態情報72が表示可能である。
【0067】
図8は、
図7中のグラフ511を、指定集計期間における基板処理装置1の処理日毎の稼働状態の内訳(すなわち、稼働率の詳細)を示す積み上げ縦棒グラフ511a(以下、単に「グラフ511a」とも呼ぶ。)に変更したものである。当該グラフの変更等は、例えば、オペレータがマウス86等を操作して、ディスプレイ87上においてグラフ表示のプルダウンメニュー等を切り替えることにより実現される。後述するグラフ等の変更についても略同様である。このように、表示制御部62は、稼働状態情報72を処理日(すなわち、上述の整理項目群から選択された1つの整理項目)について整理した状態で、複数の大区分稼働状態に分類してディスプレイ87に表示させることもできる。換言すれば、ディスプレイ87には、分析対象である稼働状態情報72が、複数の大区分稼働状態に分類された状態で、処理日毎に分けて表示される。グラフ511aでは、例えば、3つの大区分稼働状態である「処理」、「待機」および「停止」が、大区分稼働状態毎に異なる色に色分けされて表示される。
図8では、グラフ513は
図7と同じものであり、グラフ511aと同様に色分けされている。なお、グラフ511aは、
図7に例示する積み上げ縦棒グラフ以外のグラフ(例えば、積み上げ横棒グラフや円グラフ等)として表示されてもよい。後述するグラフ511b~511d,526~528についても同様である。
【0068】
図9は、
図8中のグラフ511aを、指定集計期間における基板処理装置1の処理日毎の稼働状態のさらに詳細な内訳を示す積み上げ縦棒グラフ511b(以下、単に「グラフ511b」とも呼ぶ。)に変更したものである。グラフ511aおよびグラフ511bをそれぞれ、「第1のグラフ」および「第2のグラフ」と呼ぶと、第2のグラフは、第1のグラフの内訳を細分化したものである。このように、表示制御部62は、稼働状態情報72を処理日(すなわち、上述の整理項目群から選択された1つの整理項目)について整理した状態で、複数の小区分稼働状態(表1参照)に分類してディスプレイ87に表示させることもできる。換言すれば、ディスプレイ87には、分析対象である稼働状態情報72が、複数の小区分稼働状態に分類された状態で、処理日毎に分けて表示される。
【0069】
図9では、
図8中のグラフ513も、指定集計期間における基板処理装置1の稼働状態を小区分稼働状態に分類した状態で示すグラフ513bに変更されている。また、
図9では、グラフの理解を容易にするために、グラフ511b,513b中の大区分稼働状態「待機」に含まれる3つの小区分稼働状態を太線にて囲む。なお、実際のグラフ511bについては、複数の小区分稼働状態を示す凡例がウィンドウ515内に表示されている。グラフ513bについても同様に、複数の小区分稼働状態を示す凡例が表示される。
【0070】
図10は、
図9中のグラフ511bのうち、左端のグラフ要素516bを拡大して示す図である。グラフ511a,511bがカラー表示される場合、グラフ要素516bでは、好ましくは、大区分稼働状態「待機」に対応する3つの小区分稼働状態「指示待ち」、「停止指示」および「準備処理」は、グラフ511a(
図8参照)における「待機」の色と同系色にて色分けされる。また、好ましくは、大区分稼働状態「停止」に対応する5つの小区分稼働状態「電源停止」、「準備前」、「警報処理停止」、「要復旧作業」および「復旧作業中」は、グラフ511aにおける「停止」の色と同系色にて色分けされる。さらに好ましくは、大区分稼働状態「処理」に対応する小区分稼働状態「処理中」は、グラフ511aにおける「処理」の色と同系色にて着色される。これにより、オペレータは、基板処理装置1の稼働状態の内訳を容易に認識することができる。なお、本実施の形態における「同系色」とは、色相環において隣接する類似色、および、1つの色の色調(トーン)を変更した色を含む概念である。
【0071】
グラフ511aにおいて「待機」が緑色にて表示されている場合、グラフ511bでは、「指示待ち」、「停止指示」および「準備処理」はそれぞれ、例えば、濃い緑色、中間の緑色および薄い緑色で表示される。また、グラフ511aにおいて「停止」が赤色にて表示されている場合、グラフ511bでは、「電源停止」、「準備前」、「警報処理停止」、「要復旧作業」および「復旧作業中」はそれぞれ、例えば、濃度が互いに異なる赤色で表示される。グラフ513bについても、グラフ511bと同様に着色されて表示される。
【0072】
基板処理装置1では、上述の処理日毎の基板9の処理枚数を示すグラフ511(
図7参照)と、処理日毎の稼働状態を示すグラフ511aおよび/またはグラフ511b(
図8および
図9参照)とが、ディスプレイ87に同時に表示されてもよい。あるいは、処理日毎の稼働状態を大区分稼働状態に分類して示すグラフ511aと、処理日毎の稼働状態を小区分稼働状態に分類して示すグラフ511bとが、ディスプレイ87に同時に表示されてもよい。
【0073】
図11では、
図9中のグラフ511bにおいて稼働状態が示される複数の処理日のうち、一の処理日(例えば、4/1)について、ロードポート11毎の稼働状態の詳細な内訳を示す積み上げ縦棒グラフ511c(以下、単に「グラフ511c」とも呼ぶ。)が、ディスプレイ87に表示されている。換言すれば、表示制御部62は、ロードポート11の名称(すなわち、LP1~LP3)を上述の整理項目として、小区分稼働状態に分類されたロードポート群110に関する稼働状態情報72を当該整理項目について整理し、ロードポート11毎に並記した状態で、ディスプレイ87にグラフ511cとして表示させる。これにより、ロードポート群110に含まれる複数のロードポート11の稼働状態を、容易に比較することができる。なお、グラフ511cでは、大区分稼働状態に分類されたロードポート群110の稼働状態情報72が表示されてもよい。
【0074】
図12では、
図9中のグラフ511bにおいて稼働状態が示される複数の処理日のうち、一の処理日(例えば、4/1)について、処理ユニット21毎の稼働状態の詳細な内訳を示す積み上げ縦棒グラフ511d(以下、単に「グラフ511d」とも呼ぶ。)が、ディスプレイ87に表示されている。換言すれば、表示制御部62は、処理ユニット21の名称(すなわち、MPC1~MPC12)を上述の整理項目として、小区分稼働状態に分類された処理ユニット群210に関する稼働状態情報72を当該整理項目について整理し、処理ユニット21毎に並記した状態で、ディスプレイ87にグラフ511dとして表示させる。これにより、処理ユニット群210に含まれる複数の処理ユニット21の稼働状態を、容易に比較することができる。なお、グラフ511dでは、大区分稼働状態に分類された処理ユニット群210稼働状態情報72が表示されてもよい。
【0075】
上述の稼働状態情報72は、各稼働部の稼働状態の時間的内訳に加えて、各稼働部の稼働状態に関連付けられた当該稼働状態の始点および終点であるタイムスタンプを含む。例えば、ロードポート11の稼働状態が、小区分稼働状態の「指示待ち」から「処理中」に移行した場合、「指示待ち」の終点(すなわち、終了時刻)、および、「処理中」の始点(すなわち、開始時刻)がタイムスタンプとして稼働状態情報72に含められる。また、ロードポート11の稼働状態が、小区分稼働状態の「処理中」から「準備処理」に移行した場合、「処理中」の終点(すなわち、終了時刻)、および、「準備処理」の始点(すなわち、開始時刻)がタイムスタンプとして稼働状態情報72に含められる。
【0076】
具体的には、「指示待ち」状態であるロードポート11に対して、上述の稼働制御部から「処理中」に対応する指令信号等が発信されると、当該指令信号等が発信された時刻が、「指示待ち」の終点および「処理中」の始点として情報記憶部61により取得されて、タイムスタンプとして稼働状態情報72に含められる。また、「処理中」状態であるロードポート11に対して、上述の稼働制御部から「準備処理」に対応する指令信号等が発信されると、当該指令信号等が発信された時刻が、「処理中」の終点および「準備処理」の始点として情報記憶部61により取得されて、タイムスタンプとして稼働状態情報72に含められる。
【0077】
表示制御部62は、上述のタイムスタンプに基づいて、稼働部の稼働状態を時系列で示す時系列表示(いわゆる、タイムライン)をディスプレイ87に表示させることができる。
図13は、1つのロードポート11の稼働状態の時系列表示517を示す図である。時系列表示517の各矩形は、当該ロードポート11の稼働状態の小区分稼働状態に対応する。
図13では、各小区分稼働状態への平行斜線の付与を省略している。ウィンドウ518には、当該ロードポート11の各小区分稼働状態のタイムスタンプが表示される。オペレータは、時系列表示517および当該タイムスタンプに基づいて、稼働部の稼働状態の経時的変化を容易に認識することができる。なお、基板処理装置1では、ロードポート11以外の稼働部(例えば、処理ユニット21)の稼働状態の時系列表示517がディスプレイ87に表示されてもよい。また、複数の稼働部の稼働状態の時系列表示517が、稼働部毎に並記された状態でディスプレイ87に同時に表示されてもよい。
【0078】
次に、ディスプレイ87に表示される上述の処理結果情報71および稼働状態情報72を利用した基板処理装置1の稼働状態の解析について説明する。
図14は、稼働状態解析の流れの一例を示す図である。
【0079】
オペレータは、まず、
図15に示すように、上述の4台の基板処理装置1(すなわち、装置A~装置D)を合わせた処理結果情報71および稼働状態情報72を、ディスプレイ87に表示させる。棒グラフ521には、4台の基板処理装置1における基板9の処理枚数の合計が、上述の指定集計期間(4月1日~15日)について処理日毎に示される。換言すれば、処理結果情報71は、基板9の処理日について整理された状態でグラフ521として表示される(ステップS11)。また、グラフ523には、4台の基板処理装置1を合わせた稼働状態の内訳が示される。ウィンドウ522には、指定集計期間における基板9の総処理枚数(すなわち、合計生産量)が表示される。
【0080】
オペレータは、指定集計期間における基板9の総処理枚数が通常よりも少なく、他の処理日よりも処理枚数が少ない処理日(例えば、4/1および4/2)が存在することを確認すると、
図16に示すように、指定集計期間における基板処理装置1毎の処理枚数を示す棒グラフ525をディスプレイ87に表示させる(ステップS12)。具体的には、オペレータによる操作に従って、表示制御部62が、処理結果情報71に基づいたグラフ525をディスプレイ87に表示させる。これにより、オペレータは、どの基板処理装置1が処理枚数減少の原因であるかを確認することができる。
【0081】
オペレータは、名称が「装置A」である基板処理装置1の指定集計期間における処理枚数が、他の基板処理装置1よりも少ないことを確認すると、
図17に示すように、指定集計期間における装置Aの処理日毎の稼働状態の内訳を複数の大区分稼働状態に分類して示す積み上げ縦棒グラフ526(以下、単に「グラフ526」とも呼ぶ。)をディスプレイ87に表示させる(ステップS13)。換言すれば、装置Aに係る稼働状態情報72が、基板9の処理日について整理された状態で複数の大区分稼働状態に分類されて表示される。具体的には、オペレータが切替ウィンドウ524を操作することにより、表示制御部62が稼働状態情報72に基づいてグラフ526をディスプレイ87に表示させる。これにより、オペレータは、基板処理装置1における処理枚数減少の原因(すなわち、処理結果の悪化原因)と目される1つ以上の大区分稼働状態を、容易に認識することができる。以下、オペレータがディスプレイ87に表示させる情報は、特に断りが無い限り、装置Aのものである。
【0082】
なお、ステップS12とステップS13との間において、装置Aの処理日毎の処理枚数を示す棒グラフをディスプレイ87に表示させてもよい。これにより、オペレータは、処理枚数が少ない処理日(例えば、4/1および4/2)において、装置Aが処理枚数減少の原因であることを明確に認識することができる。
【0083】
オペレータは、ステップS13において、複数の大区分稼働状態のうち「待機」状態が処理枚数減少の原因であると目すると、「待機」状態を複数の小区分稼働状態に分類してディスプレイ87に表示させる。本実施の形態では、
図18に示すように、指定集計期間における装置Aの処理日毎の稼働状態の内訳について、複数の大区分稼働状態がそれぞれ小区分稼働状態に分類された積み上げ縦棒グラフ527(以下、単に「グラフ527」とも呼ぶ。)が、ディスプレイ87に表示される(ステップS14)。これにより、オペレータは、「待機」状態に含まれる複数の小区分稼働状態のうち、処理枚数減少の原因(すなわち、処理結果の悪化原因)と目される1つ以上の小区分稼働状態を容易に認識することができる。
【0084】
オペレータは、「待機」状態に含まれる複数の小区分稼働状態のうち、「指示待ち」状態が処理枚数減少の原因であると目すると、基板処理装置1の稼働部群において、「指示待ち」状態に関連する稼働部の集合である関連稼働部群を選択する。この場合、基板9を処理できる状態であるにも関わらず、基板9の処理が行われていない(すなわち、「指示待ち」状態である)ことから、処理予定の基板9が基板処理装置1に搬入されていない時間(すなわち、キャリア95の搬入待ち時間)が長いことが想定されるため、オペレータは、複数のロードポート11を関連稼働部群として選択する。そして、
図19に示すように、他の処理日よりも処理枚数が少ない処理日(例えば、4/1)について、複数のロードポート11の稼働状態の内訳を複数の小区分稼働状態に分類して示す積み上げ縦棒グラフ528(以下、単に「グラフ528」とも呼ぶ。)をディスプレイ87に表示させる(ステップS15)。グラフ528では、複数のロードポート11のそれぞれにおいて「指示待ち」状態が長いため、オペレータは、各ロードポート11においてキャリア95の搬入待ちが生じていると見当をつけることができる。
【0085】
オペレータは、基板処理装置1の詳細な稼働状態を確認するために、
図20に示すように、基板処理装置1(すなわち、装置A)の稼働状態を時系列で示す時系列表示531をディスプレイ87に表示させる(ステップS16)。
図20では、時系列表示531のうち、基板処理装置1の「指示待ち」状態が長い時間帯を拡大して表示している。
【0086】
次に、オペレータは、
図21に示すように、上述の関連稼働部群(すなわち、ロードポート群110)の稼働状態を時系列で示す時系列表示532をディスプレイ87に表示させる(ステップS17)。
図21では、各ロードポート11の稼働状態を時系列で示す時系列表示532が、ロードポート11毎に並記された状態で、基板処理装置1の時系列表示531と共にディスプレイ87に表示される。これにより、オペレータは、基板処理装置1の時系列と上記関連稼働部群の時系列とを、容易に比較することができる。
【0087】
オペレータは、時系列表示531と時系列表示532とを比較し、基板処理装置1の「指示待ち」状態とロードポート群110の「指示待ち」状態とのタイミングが略一致していることを確認する。これにより、基板処理装置1(装置A)の4/1における処理枚数減少の原因(すなわち、処理結果の悪化原因)は、キャリア95の搬入量不足による「指示待ち」状態の増加である、と特定することができる(ステップS18)。
【0088】
以上に説明したように、基板処理装置1は、ロードポート群110と、処理ユニット群210と、搬送機構(上記例では、インデクサロボット12およびセンターロボット22)と、情報記憶部61と、情報表示部(すなわち、ディスプレイ87)と、表示制御部62とを備える。ロードポート群110は、複数の基板9が収納されたキャリア95を保持するロードポート11の集合である。処理ユニット群210は、基板9の処理が行われる処理ユニット21の集合である。搬送機構は、ロードポート群110と処理ユニット群210との間で基板9を搬送する。情報記憶部61は、ロードポート群110、処理ユニット群210および搬送機構を含む稼働部群の稼働に関する情報である稼働情報70を格納する。表示制御部62は、稼働情報70を所定の表示態様にてディスプレイ87に表示させる。
【0089】
稼働情報70は、基板処理装置1における基板9の処理結果を示す処理結果情報71と、基板処理装置1の稼働状態の時間的内訳および稼働部群に含まれる稼働部の稼働状態の時間的内訳を示す稼働状態情報72と、を含む。基板処理装置1および稼働部の稼働状態はそれぞれ、大分類である複数の大区分稼働状態と、当該複数の大区分稼働状態をさらに分類した複数の小区分稼働状態とに、階層的に分類されている。表示制御部62は、処理結果情報71を、基板処理装置1の任意の稼働期間を含む所定の整理項目群から選択された整理項目について整理した状態にてディスプレイ87に表示させる。表示制御部62は、稼働状態情報72を、上記整理項目群から選択された整理項目について整理した状態で、複数の大区分稼働状態および複数の小区分稼働状態にそれぞれ分類してディスプレイ87に表示させる。これにより、ディスプレイ87を見るオペレータは、稼働部の詳細な稼働状態を基板9の処理結果と関連付けて容易に認識することができる。
【0090】
上述のように、表示制御部62は、稼働状態情報72を、上記整理項目について整理した状態で複数の大区分稼働状態に分類してディスプレイ87に表示させる際に、大区分稼働状態毎に色分けされた第1のグラフ(例えば、
図8の積み上げ縦棒グラフ511a)にて表示させることが好ましい。また、表示制御部62は、稼働状態情報72を、上記整理項目について整理した状態で複数の小区分稼働状態に分類してディスプレイ87に表示させる際に、小区分稼働状態毎に色分けされた第2のグラフ(例えば、
図9の積み上げ縦棒グラフ511b)にて表示させることが好ましい。そして、当該第2のグラフにおいて、一の大区分稼働状態に対応する複数の小区分稼働状態は、第1のグラフにおける当該一の大区分稼働状態の色と同系色にて色分けされることが好ましい。これにより、オペレータは、稼働部の稼働状態の大まかな内訳および詳細な内訳を、互いに対応付けて容易に認識することができる。
【0091】
上述のように、稼働状態情報72は、稼働部の稼働状態に関連付けられた稼働状態の始点および終点であるタイムスタンプを含むことが好ましい。また、表示制御部62は、当該稼働状態を時系列で示す時系列表示(例えば、
図13の時系列表示517)をディスプレイ87に表示させることが好ましい。これにより、オペレータは、稼働部の稼働状態の経時的変化を容易に認識することができる。
【0092】
上述のように、表示制御部62は、ロードポート群110に関する稼働状態情報72を、ロードポート11毎に並記した状態で(例えば、
図11のグラフ511cのように)ディスプレイ87に表示させることが好ましい。これにより、オペレータは、ロードポート群110に含まれる複数のロードポート11の稼働状態を容易に比較することができる。
【0093】
上述のように、表示制御部62は、処理ユニット群210に関する稼働状態情報72を、処理ユニット21毎に並記した状態で(例えば、
図12のグラフ511dのように)ディスプレイ87に表示させることが好ましい。これにより、オペレータは、処理ユニット群210に含まれる複数の処理ユニット21の稼働状態を容易に比較することができる。
【0094】
上述のように、表示制御部62は、基板処理装置1と同じ構成を備える他の基板処理装置1の処理結果情報71および稼働状態情報72も、上記ディスプレイ87に表示させることが好ましい。これにより、複数の基板処理装置1の処理結果および稼働状態を容易に比較することができる。また、複数の基板処理装置1の処理結果を容易に集計することもできる。
【0095】
上述のように、基板処理装置1の稼働状態の解析を行う解析方法は、上述の基板処理装置1において、処理結果情報71を基板処理装置1の任意の稼働期間について整理した状態で情報表示部(すなわち、ディスプレイ87)に表示させる工程(ステップS11)と、稼働状態情報72を基板9の当該稼働期間について整理した状態で複数の大区分稼働状態に分類してディスプレイ87に表示させる工程(ステップS13)と、複数の大区分稼働状態のうち、処理結果の悪化原因と目される一の大区分稼働状態を複数の小区分稼働状態に分類してディスプレイ87に表示させる工程(ステップS14)と、複数の小区分稼働状態のうち、処理結果の悪化原因と目される一の小区分稼働状態に注目し、稼働部群のうち一の小区分稼働状態に関連する稼働部の集合である関連稼働部群(上記例では、ロードポート群110)を選択し、基板処理装置1の稼働状態を時系列で示す時系列表示(上記例では、時系列表示531)、および、関連稼働部群のそれぞれの稼働状態を時系列で示す時系列表示(上記例では、時系列表示532)をディスプレイ87に表示させる工程(ステップS16~S17)と、を備える。これにより、オペレータは、基板処理装置1における処理結果の悪化原因を容易に特定することができる。
【0096】
上述の例では、基板処理装置1のコンピュータ8に、稼働情報70の表示に係るプログラム89が予め記憶されているが、これには限定されない。例えば、当該プログラム89は、既に使用されている基板処理装置1に後から導入(すなわち、レトロフィット)されてもよい。この場合、稼働情報70を所定の表示態様にてディスプレイ87に表示させる当該プログラム89が、コンピュータ8によって実行されることにより、処理結果情報71が、基板処理装置1の任意の稼働期間を含む所定の整理項目群から選択された整理項目について整理された状態にてディスプレイ87に表示される。また、稼働状態情報72が、当該整理項目群から選択された整理項目について整理された状態で、複数の大区分稼働状態および複数の小区分稼働状態にそれぞれ分類されてディスプレイ87に表示される。これにより、上記と同様に、ディスプレイ87を見るオペレータが、稼働部の詳細な稼働状態を基板9の処理結果と関連付けて容易に認識することができる。
【0097】
また、上述の例では、稼働情報70の表示に係る構成は基板処理装置1に含まれているが、当該構成は、基板処理装置1とは別の表示装置として設けられてもよい。この場合、当該表示装置は、情報表示部(すなわち、ディスプレイ87)と、表示制御部62とを備える。表示制御部62は、稼働情報70を所定の表示態様にてディスプレイ87に表示させる。表示制御部62は、処理結果情報71を、基板処理装置1の任意の稼働期間を含む所定の整理項目群から選択された整理項目について整理した状態にてディスプレイ87に表示させる。また、表示制御部62は、稼働状態情報72を、上記整理項目群から選択された整理項目について整理した状態で、複数の大区分稼働状態および複数の小区分稼働状態にそれぞれ分類してディスプレイ87に表示させる。これにより、上記と同様に、ディスプレイ87を見るオペレータは、稼働部の詳細な稼働状態を基板9の処理結果と関連付けて容易に認識することができる。なお、当該表示装置は、1つの基板処理装置1の稼働情報70を表示してもよく、複数の基板処理装置1の稼働情報70を表示してもよい。
【0098】
図22は、ディスプレイ87における表示について、
図7等とは異なる例を示す図である。
図22に示す例では、所定の指定集計期間(4月1日~15日)における基板処理装置1の処理結果情報71(
図6参照)がディスプレイ87に表示されている。具体的には、指定集計期間において基板処理装置1にて処理された基板9の処理枚数が、様々な視点にて整理された状態で表示制御部62(
図5参照)によりディスプレイ87に表示されている。
【0099】
図22中のウィンドウ531には、指定集計期間における処理結果情報71と、所定の参照集計期間における処理結果情報(以下、「参照処理結果情報」とも呼ぶ。)とが、例えばテーブル形式にて比較可能に表示される。
図22に示す例では、基板処理装置1について、指定集計期間における基板9の処理枚数、参照集計期間における基板9の処理枚数、および、指定集計期間と参照集計期間との基板9の処理枚数の差が、ウィンドウ531に数値(
図22では、当該数値を「****」で示す。)にて表示される。参照処理結果情報は、予め準備されて情報記憶部61(
図5参照)に記憶されている。参照集計期間は、ウィンドウ531の上部に表示されており、
図22に示す例では、3月1日~15日である。指定集計期間および参照集計期間は適宜変更されてよい。また、参照集計期間の長さは、指定集計期間の長さと同じであってもよく、異なっていてもよい。ウィンドウ531では、基板9の処理枚数以外の情報(例えば、単位時間当たりの基板9の処理枚数等)が、当該処理枚数に代えて、あるいは、当該処理枚数と共に表示されてもよい。
【0100】
表示制御部62は、処理結果情報71を上述の整理項目群に含まれる複数の整理項目についてそれぞれ整理した状態で、ウィンドウ532~536に表示する。
図23~
図27はそれぞれ、ウィンドウ532~536を拡大して示す図である。
図23に示すように、ウィンドウ532には、
図7中のグラフ511と同様に、指定集計期間における基板処理装置1の基板9の処理枚数を、処理日を整理項目として整理した棒グラフが表示される。ウィンドウ532中のグラフの横軸は処理日を示し、縦軸は基板9の処理枚数を示す。
【0101】
図24に示すように、ウィンドウ533には、指定集計期間における基板処理装置1の基板9の処理枚数を、稼働時間帯を整理項目として整理した棒グラフが表示される。ウィンドウ533中のグラフの縦軸は稼働時間帯を示し、横軸は基板9の処理枚数を示す。当該グラフでは、1日(24時間)を24の時間帯に等分割し、指定集計期間における各時間帯の基板9の合計処理枚数を示している。なお、1日の分割数(すなわち、いくつの稼働時間帯に分割するか)は様々に変更されてよい。また、1日を複数の稼働時間帯に分割する際は、必ずしも等分割する必要はなく、例えば、重要な時間帯は細かく分割し、あまり重要でない時間帯は粗く分割してもよい。
【0102】
図25に示すように、ウィンドウ534には、指定集計期間における基板処理装置1の基板9の処理枚数を、稼働曜日を整理項目として整理した棒グラフが表示される。ウィンドウ534中のグラフの縦軸は稼働曜日を示し、横軸は基板9の処理枚数を示す。当該グラフでは、指定集計期間における各曜日の基板9の合計処理枚数を示している。なお、当該グラフでは、複数の曜日(例えば、基板処理装置1の使用時間の短い2つの曜日)を1つのグラフ要素でまとめて示してもよい。
【0103】
図26に示すように、ウィンドウ535には、指定集計期間における基板処理装置1の基板9の処理枚数を、処理ユニット群210の処理ユニット21毎に並記した状態で示す棒グラフが表示される。換言すれば、当該グラフは、指定集計期間における基板処理装置1の基板9の処理枚数を、処理ユニット21の名称(すなわち、識別子)を整理項目として整理したグラフである。ウィンドウ535中のグラフの縦軸は処理ユニット21の名称を示し、横軸は基板9の処理枚数を示す。当該グラフでは、指定集計期間における各処理ユニット21における基板9の合計処理枚数を示している。
【0104】
図27に示すように、ウィンドウ536には、指定集計期間における基板処理装置1の基板9の処理枚数を、処理レシピの種類を整理項目として整理した棒グラフが表示される。ウィンドウ534中のグラフの縦軸は処理レシピの種類を示し、横軸は基板9の処理枚数を示す。当該グラフでは、指定集計期間における各処理レシピによる基板9の合計処理枚数を示している。
【0105】
図28は、ディスプレイ87における表示の他の例を示す図である。
図28に示す例では、上述の指定集計期間(4月1日~15日)における基板処理装置1の稼働状態情報72(
図6参照)がディスプレイ87に表示されている。具体的には、指定集計期間における基板処理装置1の稼働状態の時間的内訳、および、基板処理装置1の可動部の稼働状態の時間的内訳が、様々な視点にて整理された状態で表示制御部62(
図5参照)によりディスプレイ87に表示されている。
【0106】
図28中のウィンドウ541には、指定集計期間における稼働状態情報72と、上述の参照集計期間における稼働状態情報(以下、「参照稼働状態情報」とも呼ぶ。)とが、例えばテーブル形式にて比較可能に表示される。
図28に示す例では、基板処理装置1について、指定集計期間における小区分稼働状態の時間的内訳、参照集計期間における小区分稼働状態の時間的内訳、および、指定集計期間と参照集計期間との当該時間的内訳の差が、ウィンドウ541に数値(
図28では、当該数値を「****」にて示す。)にて表示される。当該数値は、例えば、各小区分稼働状態の合計時間の指定集計期間または参照集計期間に占める割合(%)である。参照稼働状態情報は、予め準備されて情報記憶部61(
図5参照)に記憶されている。参照集計期間は、ウィンドウ531の上部に表示されており、
図28に示す例では、3月1日~15日である。指定集計期間および参照集計期間は適宜変更されてよい。また、参照集計期間の長さは、指定集計期間の長さと同じであってもよく、異なっていてもよい。なお、ウィンドウ541の右隣に配置されたウィンドウ547には、指定集計期間における小区分稼働状態の時間的内訳が円グラフにて表示されている。
【0107】
表示制御部62は、稼働状態情報72を上述の整理項目群に含まれる複数の整理項目についてそれぞれ整理した状態で、ウィンドウ542~546に表示する。
図29~
図33はそれぞれ、ウィンドウ542~546を拡大して示す図である。
図29に示すように、ウィンドウ542には、
図18中のグラフ527と同様に、指定集計期間における基板処理装置1の小区分稼働状態の時間的内訳を、処理日を整理項目として整理した積み上げ縦棒グラフが表示される。ウィンドウ542中のグラフの横軸は処理日を示し、縦軸は小区分稼働状態の時間的内訳(すなわち、1日の基板処理装置1の使用時間における各小区分稼働状態の合計時間が占める割合)を示す。
【0108】
図30に示すように、ウィンドウ543には、指定集計期間における基板処理装置1の小区分稼働状態の時間的内訳を、稼働時間帯を整理項目として整理した積み上げ横棒グラフが表示される。ウィンドウ543中のグラフの縦軸は稼働時間帯を示し、横軸は小区分稼働状態の時間的内訳を示す。当該グラフでは、1日(24時間)を24の時間帯に等分割し、指定集計期間における各時間帯の小区分稼働状態の時間的内訳を示している。なお、1日の分割数(すなわち、いくつの稼働時間帯に分割するか)は様々に変更されてよい。また、1日を複数の稼働時間帯に分割する際は、必ずしも等分割する必要はなく、例えば、重要な時間帯は細かく分割し、あまり重要でない時間帯は粗く分割してもよい。
【0109】
図31に示すように、ウィンドウ544には、指定集計期間における基板処理装置1の小区分稼働状態の時間的内訳を、稼働曜日を整理項目として整理した積み上げ横棒グラフが表示される。ウィンドウ544中のグラフの縦軸は稼働曜日を示し、横軸は小区分稼働状態の時間的内訳を示す。当該グラフでは、指定集計期間における各曜日の小区分稼働状態の時間的内訳を示している。なお、当該グラフでは、複数の曜日(例えば、基板処理装置1の使用時間の短い2つの曜日)を1つのグラフ要素でまとめて示してもよい。
【0110】
図32に示すように、ウィンドウ545には、上述のロードポート群110、搬送機構(すなわち、インデクサロボット12およびセンターロボット22)、並びに、処理ユニット群210のそれぞれについて、指定集計期間における小区分稼働状態の時間的内訳を示す積み上げ横棒グラフが表示される。換言すれば、当該グラフは、指定集計期間における上記稼働部群に関する稼働状態情報72を、当該稼働部群に含まれる可動部の種類毎に並記した状態で表示したグラフである。さらに換言すれば、当該グラフは、指定集計期間における基板処理装置1の小区分稼働状態の時間的内訳を、可動部の種類を整理項目として整理したグラフである。ウィンドウ545中のグラフの縦軸は可動部の種類を示し、横軸は小区分稼働状態の時間的内訳を示す。なお、縦軸のLPはロードポート群110を示し、Robotはインデクサロボット12およびセンターロボット22を示し、MPCは処理ユニット群210を示す。
【0111】
図33に示すように、ウィンドウ546には、指定集計期間におけるロードポート群110に関する稼働状態情報72を、ロードポート11毎に並記した状態で示す積み上げ横棒グラフが表示される。換言すれば、当該グラフは、指定集計期間におけるロードポート群110の小区分稼働状態の時間的内訳を、ロードポート11の名称(すなわち、識別子)を整理項目として整理したグラフである。ウィンドウ546中のグラフの縦軸はロードポート11の名称を示し、横軸は小区分稼働状態の時間的内訳を示す。当該グラフでは、指定集計期間における各ロードポート11における小区分稼働状態の時間的内訳を示している。
【0112】
なお、ウィンドウ546には、例えば、指定集計期間における処理ユニット群210に関する稼働状態情報72を、処理ユニット21毎に並記した状態で示すグラフが表示されてもよい。あるいは、ウィンドウ546には、例えば、指定集計期間におけるインデクサロボット12およびセンターロボット22に関する稼働状態情報72を、ロボット毎に並記した状態で示すグラフが表示されてもよい。
【0113】
上述のウィンドウ542~546に表示されるグラフにおいて、指定集計期間における稼働状態情報72のうち、参照稼働状態情報と比較して所定の程度以上悪化している小区分稼働状態が存在する場合、表示制御部62は、グラフ中において当該小区分稼働状態を示す部分をハイライト表示する(すなわち、周囲よりも目立つように表示する)ことが好ましい。具体的には、例えば、
図33に示すロードポート11毎の小区分稼働状態の時間的内訳を示すグラフにおいて、LP1の「指示待ち」の時間的内訳が、参照稼働状態情報におけるLP1の「指示待ち」の時間的内訳よりも所定倍(例えば、2倍)以上多い場合、
図33のLP1の「指示待ち」の部分が、周囲に比べて明るく表示されたり、点滅したりする。これにより、何らかの異常が生じている可能性があるロードポート11、および、当該ロードポート11において異常が生じている可能性が高い小区分稼働状態を容易に認識することができる。
【0114】
また、ウィンドウ542~546に表示されるグラフでは、指定集計期間における基板処理装置1の大区分稼働状態の時間的内訳が表示されてもよい。この場合も、上記と略同様に、指定集計期間における稼働状態情報72のうち、参照稼働状態情報と比較して所定の程度以上悪化している大区分稼働状態が存在する場合、表示制御部62は、グラフ中において当該大区分稼働状態を示す部分をハイライト表示する(すなわち、周囲よりも目立つように表示する)ことが好ましい。
【0115】
図22に示すテーブル、および、
図23~
図27に示すグラフは、1つの基板処理装置1における処理結果情報71を表示したものであるが、複数の基板処理装置1を含む基板処理装置群における処理結果情報71が同様に表示されてもよい。
図28に示すテーブル、および、
図29~
図33に示すグラフは、1つの基板処理装置1における稼働状態情報72を表示したものであるが、複数の基板処理装置1を含む基板処理装置群における稼働状態情報72が同様に表示されてもよい。いずれの場合も、上述の整理項目群には、基板処理装置1の名称(すなわち、識別子)が含まれる。
【0116】
以上に説明したように、基板処理装置1では、上述の整理項目群は、稼働期間、稼働時間帯、稼働曜日および処理レシピのうち1つ以上の項目を整理項目として含み、表示制御部62は、処理結果情報71を当該1つ以上の項目について整理した状態にて情報表示部(すなわち、ディスプレイ87)に表示可能であることが好ましい。これにより、ディスプレイ87を見るオペレータは、基板処理装置1における基板9の処理結果を、様々な角度から容易に分析することができる。
【0117】
上述のように、基板処理装置1では、所定の参照集計期間における処理結果情報である参照処理結果情報が予め準備されており、表示制御部62は、選択された指定集計期間における処理結果情報71と参照処理結果情報とを比較可能に表示することが好ましい。これにより、指定集計期間における基板9の処理に異常が生じている場合、当該異常の存在を容易に認識することができる。
【0118】
上述のように、基板処理装置1では、表示制御部62は、稼働部群に関する稼働状態情報72を、当該稼働部群に含まれる稼働部の種類毎に並記した状態でディスプレイ87に表示させることが好ましい。これにより、指定集計期間における基板処理装置1の稼働状態を、可動部の種類毎に容易に確認することができる。また、基板処理装置1の稼働状態に異常が生じている場合、どの種類の可動部に異常の原因が存在するかの分析を容易とすることができる。
【0119】
上述のように、基板処理装置1では、上述の整理項目群は、稼働期間、稼働時間帯および稼働曜日のうち1つ以上の項目を整理項目として含み、表示制御部62は、稼働状態情報72を、当該1つ以上の項目について整理した状態にてディスプレイ87に表示可能であることが好ましい。これにより、ディスプレイ87を見るオペレータは、基板処理装置1の稼働状態を、様々な角度から容易に分析することができる。
【0120】
上述のように、基板処理装置1では、所定の参照集計期間における処理結果情報である参照処理結果情報が予め準備されており、表示制御部62は、選択された指定集計期間における稼働状態情報72を表示し、当該指定集計期間における稼働状態情報72のうち、参照稼働状態情報と比較して所定の程度以上悪化している大区分稼働状態または小区分稼働状態をハイライト表示することが好ましい。これにより、基板処理装置1の稼働状態に異常が生じている場合、異常が生じている可能性がある可動部、および、当該可動部において異常の原因と考えられる大区分稼働状態または小区分稼働状態を容易に認識することができる。
【0121】
上述の基板処理装置1、表示装置、プログラム89および、基板処理装置1の稼働状態の解析を行う解析方法では、様々な変更が可能である。
【0122】
例えば、当該解析方法では、基板処理装置1の処理結果の悪化原因として、上述のキャリア95の搬入量不足による「指示待ち」状態の増加以外のものが特定されてもよい。また、上述の関連稼働部群に含まれる稼働部の数は、1以上の範囲で様々に変更されてよい。
【0123】
基板処理装置1では、ディスプレイ87に表示される稼働情報70(すなわち、処理結果情報71および稼働状態情報72)は、処理結果の悪化原因の特定以外の目的で使用されてもよい。また、表示制御部62は、オペレータからの指示に従って、上記以外の様々なグラフやデータ等をディスプレイ87に表示させてよい。
【0124】
基板処理装置1では、稼働状態情報72を大区分稼働状態に分類して表示するグラフ(例えば、
図8の積み上げ縦棒グラフ511a)と、稼働状態情報72を小区分稼働状態に分類して表示するグラフ(例えば、
図9の積み上げ縦棒グラフ511b)とにおいて、互いに対応する大区分稼働状態と小区分稼働状態とは、必ずしも同系色にて表示される必要はない。ただし、大区分稼働状態と小区分稼働状態との対応関係がオペレータに容易に認識可能なように、対応する大区分稼働状態と小区分稼働状態とで、グラフ上の目視可能な特徴(例えば、ハッチングの特徴等)を共通化させることが好ましい。
【0125】
情報記憶部61に記憶される稼働情報は、必ずしも、稼働部群に含まれる全ての稼働部の稼働状態情報72を含む必要はなく、稼働部群に含まれる稼働部のうち少なくとも一部の稼働部の稼働状態情報72を含んでいればよい。
【0126】
基板処理装置1では、稼働部の稼働状態の時系列は、必ずしもディスプレイ87に表示される必要はない。
【0127】
基板処理装置1の処理ブロック20には、処理ユニット21以外の様々な構造の処理ユニットが設けられてよい。また、当該処理ユニットにおいて、基板9に対する液処理以外の様々な処理が行われてよい。
【0128】
上述の基板処理装置1は、半導体基板以外に、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等の平面表示装置(Flat Panel Display)に使用されるガラス基板、あるいは、他の表示装置に使用されるガラス基板の処理に利用されてもよい。また、上述の基板処理装置1は、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板および太陽電池用基板等の処理に利用されてもよい。
【0129】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0130】
1 基板処理装置
9 基板
11 ロードポート
12 インデクサロボット
21 処理ユニット
22 センターロボット
61 情報記憶部
62 表示制御部
70 稼働情報
71 処理結果情報
72 稼働状態情報
87 ディスプレイ
110 ロードポート群
210 処理ユニット群
S11~S18 ステップ