(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151511
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】プラズマ発生装置およびそれを用いた基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20220929BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20220929BHJP
H05H 1/24 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
H01L21/304 645C
H01L21/304 643A
H01L21/30 572B
H05H1/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152331
(22)【出願日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】P 2021049997
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】中西 健二
(72)【発明者】
【氏名】堀越 章
(72)【発明者】
【氏名】竹市 弥生
(72)【発明者】
【氏名】上野 美佳
(72)【発明者】
【氏名】渋田 浩二
(72)【発明者】
【氏名】高辻 茂
【テーマコード(参考)】
2G084
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA03
2G084BB01
2G084CC03
2G084CC19
2G084CC34
2G084DD01
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2G084DD22
2G084DD25
2G084DD32
2G084DD63
2G084DD67
2G084FF07
5F146MA02
5F146MA05
5F146MA07
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5F157AA64
5F157AA91
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5F157DB02
5F157DB18
5F157DB46
(57)【要約】
【課題】プラズマを生じさせるまでに要する時間を短縮する。
【解決手段】プラズマ発生装置は、複数の第1の電極部材の第1の電極部材群と、第1の電極部材群が接続される第1の集合電極と、複数の第2の電極部材の第2の電極部材群と、第2の電極部材群が接続される第2の集合電極とを備え、電極部材のうちの少なくとも一つは、当該電極部材と同一の電極部材群を構成する他の電極部材よりも電気抵抗が小さい小抵抗電極部材で構成され、複数の第1の電極部材と複数の第2の電極部材とが、平面視で交互に配置される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1の電極部材を並べて構成される第1の電極部材群と、
前記第1の電極部材群が電気的に接続される第1の集合電極と、
複数の第2の電極部材を並べて構成される第2の電極部材群と、
前記第2の電極部材群が電気的に接続される第2の集合電極と、
前記第1の集合電極と前記第2の集合電極とに電気的に接続され、前記第1の電極部材群と前記第2の電極部材群に電力を供給する交流電源とを備え、
複数の前記第1の電極部材および複数の前記第2の電極部材のうちの少なくとも一つの電極部材は、当該少なくとも一つの電極部材と同一の電極部材群を構成する他の電極部材よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい小抵抗電極部材で構成され、
複数の前記第1の電極部材と複数の前記第2の電極部材とが、平面視で交互に配置される、
プラズマ発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマ発生装置であり、
板状の誘電部材をさらに備え、
前記誘電部材には、前記誘電部材の側面から前記誘電部材の内部に延びる複数の収容穴が形成され、
複数の前記第1の電極部材のそれぞれ、および、複数の前記第2の電極部材のそれぞれは、対応するそれぞれの前記収容穴に収容される、
プラズマ発生装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプラズマ発生装置であり、
複数の前記第1の電極部材のうちの少なくとも一つは前記小抵抗電極部材で構成され、
複数の前記第2の電極部材のうちの少なくとも一つは前記小抵抗電極部材で構成され、
前記小抵抗電極部材で構成された前記第1の電極部材と、前記小抵抗電極部材で構成された前記第2の電極部材とが、平面視で隣り合うように配置される、
プラズマ発生装置。
【請求項4】
請求項1から3のうちのいずれか1つに記載のプラズマ発生装置であり、
前記小抵抗電極部材で構成された前記第1の電極部材は、他の第1の電極部材とは異なる材料で構成され、
前記小抵抗電極部材で構成された前記第2の電極部材は、他の第2の電極部材とは異なる材料で構成される、
プラズマ発生装置。
【請求項5】
請求項1から4のうちのいずれか1つに記載のプラズマ発生装置であり、
複数の前記第1の電極部材と複数の前記第2の電極部材のそれぞれは、棒形状であり、
前記小抵抗電極部材で構成された前記第1の電極部材は、他の第1の電極部材よりも太く構成され、
前記小抵抗電極部材で構成された前記第2の電極部材は、他の第2の電極部材よりも太く構成される、
プラズマ発生装置。
【請求項6】
請求項3から5のうちのいずれか1つに記載のプラズマ発生装置であり、
前記小抵抗電極部材で構成された前記第1の電極部材と、前記小抵抗電極部材で構成された前記第2の電極部材とが平面視で隣り合う配置が複数形成され、
それぞれの前記隣り合う配置の間の位置に、少なくとも一つの非小抵抗電極部材からなる前記第1の電極部材または前記第2の電極部材が配置される、
プラズマ発生装置。
【請求項7】
基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に処理液を供給するノズルと、
請求項1から6のうちのいずれか1つに記載のプラズマ発生装置とを備える、
基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願明細書に開示される技術は、プラズマを発生させるプラズマ発生装置およびそれを用いた基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、基板の上面に形成されたレジストを除去する技術が提案されている。たとえば、特許文献1には、基板の上面に硫酸および過酸化水素水の混合液を供給して、当該混合液中で生成されるカロ酸を用いて、基板の上面に形成されたレジストを除去する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、上記の技術よりも環境負荷が小さい代替技術として、大気圧プラズマで酸素ラジカルなどの活性種を発生させ、さらに、当該活性種を硫酸に作用させることによってカロ酸を生成する技術がある。当該技術によれば、過酸化水素水を用いずにレジストを除去することができる。
【0005】
ここで、たとえばプラズマを生じさせる面積が大きい場合などでは、それぞれの領域でプラズマが生じるまでに要する時間のばらつきが大きくなってしまう場合がある。そのような場合には、均一なプラズマが当該面積全体に生じるまでに長い時間を要するという問題がある。
【0006】
本願明細書に開示される技術は、以上に記載されたような問題を鑑みてなされたものであり、プラズマを生じさせるまでに要する時間を短縮するための技術である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願明細書に開示される技術の第1の態様であるプラズマ発生装置は、複数の第1の電極部材を並べて構成される第1の電極部材群と、前記第1の電極部材群が電気的に接続される第1の集合電極と、複数の第2の電極部材を並べて構成される第2の電極部材群と、前記第2の電極部材群が電気的に接続される第2の集合電極と、前記第1の集合電極と前記第2の集合電極とに電気的に接続され、前記第1の電極部材群と前記第2の電極部材群に電力を供給する交流電源とを備え、複数の前記第1の電極部材および複数の前記第2の電極部材のうちの少なくとも一つの電極部材は、当該少なくとも一つの電極部材と同一の電極部材群を構成する他の電極部材よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい小抵抗電極部材で構成され、複数の前記第1の電極部材と複数の前記第2の電極部材とが、平面視で交互に配置される。
【0008】
本願明細書に開示される技術の第2の態様であるプラズマ発生装置は、第1の態様であるプラズマ発生装置に関連し、板状の誘電部材をさらに備え、前記誘電部材には、前記誘電部材の側面から前記誘電部材の内部に延びる複数の収容穴が形成され、複数の前記第1の電極部材のそれぞれ、および、複数の前記第2の電極部材のそれぞれは、対応するそれぞれの前記収容穴に収容される。
【0009】
本願明細書に開示される技術の第3の態様であるプラズマ発生装置は、第1または2の態様であるプラズマ発生装置に関連し、複数の前記第1の電極部材のうちの少なくとも一つは前記小抵抗電極部材で構成され、複数の前記第2の電極部材のうちの少なくとも一つは前記小抵抗電極部材で構成され、前記小抵抗電極部材で構成された前記第1の電極部材と、前記小抵抗電極部材で構成された前記第2の電極部材とが、平面視で隣り合うように配置される。
【0010】
本願明細書に開示される技術の第4の態様であるプラズマ発生装置は、第1から3のうちのいずれか1つの態様であるプラズマ発生装置に関連し、前記小抵抗電極部材で構成された前記第1の電極部材は、他の第1の電極部材とは異なる材料で構成され、前記小抵抗電極部材で構成された前記第2の電極部材は、他の第2の電極部材とは異なる材料で構成される。
【0011】
本願明細書に開示される技術の第5の態様であるプラズマ発生装置は、第1から4のうちのいずれか1つの態様であるプラズマ発生装置に関連し、複数の前記第1の電極部材と複数の前記第2の電極部材のそれぞれは、棒形状であり、前記小抵抗電極部材で構成された前記第1の電極部材は、他の第1の電極部材よりも太く構成され、前記小抵抗電極部材で構成された前記第2の電極部材は、他の第2の電極部材よりも太く構成される。
【0012】
本願明細書に開示される技術の第6の態様であるプラズマ発生装置は、第3から5のうちのいずれか1つの態様であるプラズマ発生装置に関連し、前記小抵抗電極部材で構成された前記第1の電極部材と、前記小抵抗電極部材で構成された前記第2の電極部材とが平面視で隣り合う配置が複数形成され、それぞれの前記隣り合う配置の間の位置に、少なくとも一つの非小抵抗電極部材からなる前記第1の電極部材または前記第2の電極部材が配置される。
【0013】
本願明細書に開示される技術の第7の態様である基板処理装置は、基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に処理液を供給するノズルと、上記のプラズマ発生装置とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本願明細書に開示される技術の少なくとも第1の態様によれば、複数の第1の電極部材又は複数の第2の電極部材のうち、少なくとも一つの電極部材を、当該少なくとも一つの電極部材と同一の電極部材群を構成する他の電極部材よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい小抵抗電極部材で構成するので、他の電極部材よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい電極部材に電流が流れやすくなり、当該小抵抗電極部材が加熱されやすくなるため、プラズマの発生が促進される。
【0015】
また、本願明細書に開示される技術に関連する目的と、特徴と、局面と、利点とは、以下に示される詳細な説明と添付図面とによって、さらに明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態に関する、基板処理システムの構成の例を概略的に示す平面図である。
【
図2】
図1に示された制御部の構成の例を概念的に示す図である。
【
図3】実施の形態における基板処理装置の構成の例を概略的に示す側面図である。
【
図4】実施の形態に関する、基板処理装置の動作の例を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態に関する、基板処理装置の動作を説明するための図である。
【
図6】実施の形態に関する、基板処理装置の動作を説明するための図である。
【
図7】プラズマ発生部における複数の電極棒の構成の例を示す平面図である。
【
図8】プラズマ発生部を用いてプラズマを生じさせる場合の経過の例を示す平面図である。
【
図9】プラズマ発生部を用いてプラズマを生じさせる場合の経過の例を示す平面図である。
【
図10】プラズマ発生部における複数の電極棒の構成の例を示す平面図である。
【
図11】実施の形態における基板処理装置の構成の例を概略的に示す側面図である。
【
図12】プラズマ発生部における一部の構成の例を概略的に示す平面図である。
【
図13】プラズマ発生部における一部の構成の例を概略的に示す断面図である。
【
図14】プラズマ発生部における複数の電極棒の構成の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。以下の実施の形態では、技術の説明のために詳細な特徴なども示されるが、それらは例示であり、実施の形態が実施可能となるためにそれらすべてが必ずしも必須の特徴ではない。
【0018】
なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化が図面においてなされるものである。また、異なる図面にそれぞれ示される構成などの大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。また、断面図ではない平面図などの図面においても、実施の形態の内容を理解することを容易にするために、ハッチングが付される場合がある。
【0019】
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
【0020】
また、本願明細書に記載される説明において、ある構成要素を「備える」、「含む」または「有する」などと記載される場合、特に断らない限りは、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0021】
また、本願明細書に記載される説明において、「第1の」または「第2の」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
【0022】
また、本願明細書に記載される説明において、等しい状態であることを示す表現、たとえば、「同一」、「等しい」、「均一」または「均質」などは、特に断らない限りは、厳密に等しい状態であることを示す場合、および、公差または同程度の機能が得られる範囲において差が生じている場合を含むものとする。
【0023】
また、本願明細書に記載される説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「側」、「底」、「表」または「裏」などの特定の位置または方向を意味する用語が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、実際に実施される際の位置または方向とは関係しないものである。
【0024】
また、本願明細書に記載される説明において、「…の上面」または「…の下面」などと記載される場合、対象となる構成要素の上面自体または下面自体に加えて、対象となる構成要素の上面または下面に他の構成要素が形成された状態も含むものとする。すなわち、たとえば、「甲の上面に設けられる乙」と記載される場合、甲と乙との間に別の構成要素「丙」が介在することを妨げるものではない。
【0025】
<第1の実施の形態>
以下、本実施の形態に関するプラズマ発生装置およびそれを用いた基板処理装置について説明する。
【0026】
<基板処理システムの構成について>
図1は、本実施の形態に関する基板処理システム1の構成の例を概略的に示す平面図である。基板処理システム1は、ロードポート400と、インデクサロボット402と、センターロボット406と、制御部90と、複数の基板処理装置100(
図1においては4つの基板処理装置)とを備える。
【0027】
それぞれの基板処理装置100は、基板W(ウエハ)を処理するためのものであり、当該基板処理装置は、プラズマ処理に用いることができる枚葉式の装置であり、具体的には、基板Wに付着している有機物を除去する処理、または、基板Wにおける金属エッチングなどを行う装置である。基板Wに付着している有機物は、たとえば、使用済のレジスト膜である。当該レジスト膜は、たとえば、イオン注入工程用の注入マスクとして用いられたものである。
【0028】
ここで、処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、有機EL(electroluminescence)表示装置などのflat panel display(FPD)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用ガラス基板、セラミック基板、電界放出ディスプレイ(field emission display、すなわち、FED)用基板、または、太陽電池用基板などが含まれる。
【0029】
なお、基板処理装置100は、チャンバ80を有することができる。その場合、チャンバ80内の雰囲気を制御部90によって制御することで、基板処理装置100は、所望の雰囲気中における処理を行うことができる。
【0030】
制御部90は、基板処理システム1におけるそれぞれの構成(後述のスピンチャック10のスピンモータ10D、処理液供給源29、バルブ25または交流電源40など)の動作を制御することができる。キャリアCは、基板Wを収容する収容器である。また、ロードポート400は、複数のキャリアCを保持する収容器保持機構である。インデクサロボット402は、ロードポート400と基板載置部404との間で基板Wを搬送することができる。センターロボット406は、基板載置部404および各基板処理装置100間で基板Wを搬送することができる。
【0031】
インデクサロボット402、基板載置部404およびセンターロボット406は、それぞれの基板処理装置100とロードポート400との間で基板Wを搬送する。
【0032】
未処理の基板WはキャリアCからインデクサロボット402によって取り出される。そして、未処理の基板Wは、基板載置部404を介してセンターロボット406に受け渡される。
【0033】
センターロボット406は、当該未処理の基板Wを基板処理装置100に搬入する。そして、基板処理装置100は基板Wに対して処理を行う。
【0034】
基板処理装置100において処理済みの基板Wは、センターロボット406によって基板処理装置100から取り出される。そして、処理済みの基板Wは、必要に応じて他の基板処理装置100を経由した後、基板載置部404を介してインデクサロボット402に受け渡される。インデクサロボット402は、処理済みの基板WをキャリアCに搬入する。以上によって、基板Wに対する処理が行われる。
【0035】
図2は、
図1に示された制御部90の構成の例を概念的に示す図である。制御部90は、電気回路を有する一般的なコンピュータによって構成されていてよい。具体的には、制御部90は、中央演算処理装置(central processing unit、すなわち、CPU)91、リードオンリーメモリー(read only memory、すなわち、ROM)92、ランダムアクセスメモリー(random access memory、すなわち、RAM)93、記憶装置94、入力部96、表示部97および通信部98と、これらを相互に接続するバスライン95とを備える。
【0036】
ROM92は基本プログラムを格納している。RAM93は、CPU91が所定の処理を行う際の作業領域として用いられる。記憶装置94は、フラッシュメモリまたはハードディスク装置などの不揮発性記憶装置によって構成されている。入力部96は、各種スイッチまたはタッチパネルなどによって構成されており、オペレータから処理レシピなどの入力設定指示を受ける。表示部97は、たとえば、液晶表示装置およびランプなどによって構成されており、CPU91の制御の下、各種の情報を表示する。通信部98は、local area network(LAN)などを介してのデータ通信機能を有する。
【0037】
記憶装置94には、
図1の基板処理システム1におけるそれぞれの構成の制御についての複数のモードがあらかじめ設定されている。CPU91が処理プログラム94Pを実行することによって、上記の複数のモードのうちの1つのモードが選択され、当該モードでそれぞれの構成が制御される。なお、処理プログラム94Pは、記録媒体に記憶されていてもよい。この記録媒体を用いれば、制御部90に処理プログラム94Pをインストールすることができる。また、制御部90が実行する機能の一部または全部は、必ずしもソフトウェアによって実現される必要はなく、専用の論理回路などのハードウェアによって実現されてもよい。
【0038】
図3は、本実施の形態における基板処理装置100の構成の例を概略的に示す側面図である。
【0039】
なお、
図3に示される構成は、
図1におけるチャンバ80に囲まれていてよい。また、チャンバ80内の圧力は、およそ大気圧(たとえば、0.5気圧以上、かつ、2気圧以下)であってよい。言い換えれば、後述するプラズマ処理は、大気圧で行われる大気圧プラズマ処理であってよい。
【0040】
基板処理装置100は、1枚の基板Wを略水平姿勢で保持しつつ、基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線Z1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック10と、基板Wに処理液を吐出する処理液ノズル20と、処理液ノズル20に処理液を供給する処理液供給源29と、処理液供給源29から処理液ノズル20への処理液の供給および供給停止を切り替えるバルブ25と、基板Wの上方に基板W全体を覆うように配置され、かつ、大気圧下でプラズマを生じさせる大気圧プラズマ源としてのプラズマ発生部30と、プラズマ発生部30に交流電圧を印加する交流電源40と、プラズマ発生部30を支持する支持部60とを含むプラズマ発生装置50と、基板Wの回転軸線Z1まわりにスピンチャック10を取り囲む筒状の処理カップ12とを備える。
【0041】
ここで、処理液には、基板処理装置100における基板処理の用途に応じてさまざまな液を用いることができる。たとえば、エッチング液として、塩酸、フッ酸、リン酸、硝酸、硫酸、硫酸塩、ペルオキソ硫酸、ペルオキソ硫酸塩、過酸化水素水または水酸化テトラメチルアンモニウム、アンモニアと過酸化水素水との混合液(SC1)などを含む液を用いることができる。また、洗浄液として、アンモニアと過酸化水素水との混合液(SC1)、または、塩酸と過酸化水素水との混合水溶液(SC2)などを含む液を用いることができる。また、洗浄液およびリンス液として脱イオン水(DIW)を用いることができる。
【0042】
本実施の形態においては、主に、基板Wの上面に形成されたレジスト膜を除去するための処理が説明される。この場合には、処理液としては、硫酸、硫酸塩、ペルオキソ硫酸およびペルオキソ硫酸塩のうちの少なくとも1つを含む液、または、過酸化水素を含む液などが想定される。
【0043】
処理液ノズル20は、複数種の処理液が想定される場合には、それぞれの処理液に対応して複数設けられていてもよい。処理液ノズル20は、基板Wの上面に処理液の液膜が形成されるように、基板Wに処理液を供給する。
【0044】
処理液ノズル20は、図示しないアーム機構によって移動可能である。具体的には、アクチュエータなどによって角度調整可能なアーム部材に処理液ノズル20が取り付けられることによって、処理液ノズル20がたとえば基板Wの半径方向に揺動可能となる。
【0045】
スピンチャック10は、略水平姿勢の基板Wの下面を真空吸着する円板状のスピンベース10Aと、スピンベース10Aの中央部から下方に延びる回転軸10Cと、回転軸10Cを回転させることによって、スピンベース10Aに吸着されている基板Wを回転させるスピンモータ10Dとを備える。なお、スピンチャック10の代わりに、スピンベースの上面外周部から上方に突出する複数のチャックピンを備え、当該チャックピンによって基板Wの周縁部を挟持する挟持式のチャックが用いられてもよい。
【0046】
プラズマ発生部30は、石英などからなる板状の誘電部材30Aと、誘電部材30Aの上面において長手方向(
図3、
図7における-X方向)に沿って延在する第1の電極棒306、308を当該延在する方向と直行する配列方向(
図3、
図7におけるY方向)に複数並べて配置される第1の電極棒群30Bと、誘電部材30Aの下面において長手方向(
図3、
図7におけるX方向)に沿って延在する第2の電極棒302、304を当該延在する方向と直行する配列方向(
図3、
図7におけるY方向)に複数並べて配置される第2の電極棒群30Cと、樹脂(たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))などからなり、かつ、第1の電極棒群30Bを構成する各第1の電極棒306、308と、第2の電極棒群30Cを構成する各第2の電極棒302、304とを一端において保持する保持部30Dと、石英などからなり、かつ、第1の電極棒群30Bを構成する各第1の電極棒306、308のそれぞれを覆う各誘電管30Eと、石英などからなり、かつ、第2の電極棒群30Cを構成する各第2の電極棒302、304のそれぞれを覆う各誘電管30Fと、第1の電極棒群30Bに共通して電気的に接続される、アルミニウムなどからなる集合電極30Gと、第2の電極棒群30Cに共通して電気的に接続される、アルミニウムなどからなる集合電極30Hとを備える。集合電極30Gと集合電極30Hとは、たとえば、合わせて平面視で円形状となるように配置され、当該円内に、第1の電極棒群30Bおよび第2の電極棒群30Cが収容される。
【0047】
なお、本実施の形態では棒形状の電極部材が用いられているが、電極部材の形状は棒形状に限られるものではない。また、第1の電極棒群30Bを構成する複数の第1の電極棒306、308と第2の電極棒群30Cを構成する複数の第2の電極棒302、304とは、平面視で重ならないように互い違いに配置される。すなわち、平面視で見れば、第1の電極棒群30Bを構成する複数の第1の電極棒306、308と第2の電極棒群30Cを構成する複数の第2の電極棒302、304とは、交互に配列される。
【0048】
第1の電極棒群30Bを構成する複数の第1の電極棒306、308の各々を覆う各誘電管30Eは、各第1の電極棒306、308の保持部30Dに保持されない側の端部において保持部30Dに保持される。また、第2の電極棒群30Cを構成する複数の第1の電極棒306、308の各々を覆う各誘電管30Fは、各第2の電極棒304、302の保持部30Dに保持されない側の端部において保持部30Dに保持される。
【0049】
これによって、第1の電極棒群30Bを構成する複数の第1の電極棒306、308は、一端が保持部30Dによって直接保持され、他端が各誘電管30Eを介して保持部30Dによって保持される。同様に、第2の電極棒群30Cを構成する複数の第2の電極棒302、304は、一端が保持部30Dによって直接保持され、他端が各誘電管30Fを介して保持部30Dによって保持される。
【0050】
交流電源40によって、集合電極30Gおよび集合電極30Hとの間に交流電圧が印加されると、集合電極30Gにそれぞれ電気的に接続される第1の電極棒群30Bを構成する複数の第1の電極棒306、308と集合電極30Hにそれぞれ電気的に接続される第2の電極棒群30Cを構成する複数の第2の電極棒302、304との間で誘電体バリア放電が生じる。そして、当該放電の放電経路の周囲で気体のプラズマ化が生じて、第1の電極棒群30Bと第2の電極棒群30Cとを隔てる誘電部材30Aの表面に沿って2次元的に広がるプラズマ空間が形成される。
【0051】
ここで、上記のプラズマ空間が形成される際に、プラズマ発生部30の下方の空間(すなわち、基板Wの上方の空間)に、たとえば、O2(酸素)、Ne、CO2、空気、不活性ガスまたはそれらの組み合わせである気体が供給されてもよい。不活性ガスは、たとえば、N2または希ガスである。希ガスは、たとえば、HeまたはArなどである。
【0052】
支持部60は、プラズマ発生部30を支持しつつ、たとえば、図示しない駆動機構によって
図3のZ軸方向に移動可能である。支持部60は、樹脂(たとえば、PTFE)またはセラミックスなどからなる。
【0053】
なお、
図3においては、処理液ノズル20とプラズマ発生部30とが別々に設けられているが、処理液ノズル20がプラズマ発生部30と一体的に設けられ、ともに、支持部60によって支持されていてもよい。
【0054】
<基板処理装置の動作について>
次に、基板処理装置の動作について説明する。本実施の形態に関する基板処理装置による基板処理方法は、基板処理装置100へ搬送された基板Wに対し薬液処理を行う工程と、薬液処理が行われた基板Wに対し洗浄処理を行う工程と、洗浄処理が行われた基板Wに対し乾燥処理を行う工程と、乾燥処理が行われた基板Wを基板処理装置100から搬出する工程とを備える。
【0055】
以下では、基板処理装置100の動作に含まれる、薬液処理中または薬液処理後に基板Wに付着している有機物(たとえば、使用済みのレジスト膜)を除去する工程(すなわち、上記の工程のうちの、薬液処理を行う工程、または、洗浄処理を行う工程に属する工程)について、
図4、
図5および
図6を参照しつつ説明する。ここで、
図4は、本実施の形態に関する基板処理装置100の動作の例を示すフローチャートである。また、
図5および
図6は、本実施の形態に関する基板処理装置100の動作を説明するための図である。
【0056】
まず、スピンチャック10が基板Wを保持する(
図4におけるステップST01)。そして、スピンチャック10の駆動によって、基板Wが回転する。
【0057】
次に、
図5に例が示されるように、処理液供給源29から処理液ノズル20へ処理液101が供給され、基板Wが回転している状態で、処理液ノズル20から基板Wの上面へ処理液101が吐出される(
図4におけるステップST02)。この際、図示しないノズルアームなどによって処理液ノズル20の基板Wの上面における位置が調整される。なお、本実施の形態においては、基板Wが回転している状態で処理液101が吐出される場合が示されるが、基板Wは回転していなくともよいし、基板Wが低速回転するパドリング状態であってもよい。
【0058】
処理液ノズル20から処理液101が吐出されることによって、
図5に例が示されるように、基板Wの上面に処理液101の液膜101Aが形成される(
図4におけるステップST03)。ここで、液膜101Aの膜厚は、たとえば、0.1mm以上、かつ、2.0mm以下であり、好ましくは0.2mm程度である。
【0059】
一方で、集合電極30Gおよび集合電極30Hとの間に交流電源40からの所定の交流電圧が印加されることによって、プラズマ発生部30における誘電部材30Aの表面にプラズマが生じる(
図4におけるステップST04)。具体的には、誘電部材30Aの表面に沿って2次元的に広がるプラズマ空間が形成される。当該プラズマ空間におけるプラズマの作用によって、当該空間近傍の気体に活性種が生じる。活性種には、電荷を有するイオン、または、電気的に中性であるラジカルなどが含まれる。たとえば、気体がO
2を含むものである場合は、プラズマ発生部30におけるプラズマの作用によって、活性種の一種である酸素ラジカルが生じる。
【0060】
ここで、プラズマ発生部30は、上記のようにプラズマを生じさせる段階においては所定の待機位置(たとえば、
図5に例が示されるような、基板WからZ軸正方向に十分に離間する位置)に待機しておき、誘電部材30Aの表面に適度に均一なプラズマが生じた後で、基板W近傍の処理位置(たとえば、
図6に例が示されるような、基板WのZ軸正方向側で基板Wに十分に近接する位置)に移動することが望ましい。このような態様であれば、均一なプラズマが生じた状態で基板Wの表面における液膜101Aにプラズマを作用させることで、均一な処理を行うことができる。なお、基板Wに十分に近接する位置とは、たとえば、基板Wから2mm離れる位置であり、当該位置であれば、基板Wの上面に形成される薄い液膜101Aに十分にプラズマを作用させることができる。
【0061】
そして、
図6に例が示されるように、プラズマ発生部30において発生した活性種が、液膜101Aへと供給される(
図4におけるステップST05)。
【0062】
活性種が液膜101Aへと供給されることによって、液膜101A中で活性種が処理液101を活性化する。たとえば、活性種が酸素ラジカルを含む場合、酸素ラジカルの酸化力によって基板W上のレジスト膜の除去が促進される。
【0063】
なお、上記の説明では、処理液ノズル20の動作の後にプラズマ発生部30の動作が行われているが、動作順序はこれに限られるものではなく、たとえば、処理液ノズル20の動作とプラズマ発生部30の動作とがほぼ同時に行われてもよい。
【0064】
また、本実施の形態ではプラズマ発生部30は基板Wの上面全体を覆うように配置されているが、プラズマ発生部30が基板Wの一部のみを覆うように配置される場合には、プラズマ発生部30の基板Wの上面における位置を、基板Wの回転に伴って基板Wの上面に沿って基板Wの回転方向および径方向に図示しない駆動機構によって移動させてもよい。
【0065】
また、液膜101Aの形成は、基板Wの上面への処理液101の供給を開始することによって開始され、基板Wの上面への処理液101の供給を停止することによって停止されるが、処理液ノズル20からの処理液101の供給を停止した後も、基板Wが高速回転していなければ(たとえば、基板Wが低速回転するパドリング、または、基板Wが回転していない状態など)、液膜101Aは維持され得る。活性種の液膜101Aへの供給は、処理液101の供給を開始した後、かつ、処理液101の供給を停止する前に行われるが、液膜101Aが維持されている場合には、処理液101の供給が停止された後に活性種の液膜101Aへの供給が行われてもよい。
【0066】
なお、上記の除去処理の後、通常は、基板Wのリンス工程(洗浄工程)および乾燥工程が行われる。たとえば、リンス工程は、基板Wへ純水(DIW)を吐出することによって行われ、乾燥工程は、イソプロピルアルコール(IPA)乾燥によって行われる。
【0067】
<プラズマ発生部について>
図7は、プラズマ発生部30における複数の電極棒の構成の例を示す平面図である。
図7に例が示されるように、プラズマ発生部30は、複数の第1の電極棒306、308から構成される第1の電極棒群30Bと、複数の第2の電極棒302、304から構成される第2の電極棒群30Cと、集合電極30Gと、集合電極30Hとを備える。なお、
図7においては、誘電部材30A、保持部30D、各誘電管30Eおよび各誘電管30Fは図示が省略されている。
【0068】
第1の電極棒群30Bを構成する複数の第1の電極棒は、複数の電極棒308と、電極棒308とは異なる材料で形成された、複数の電極棒306とを備える。また、第2の電極棒群30Cを構成する複数の2の電極棒は、複数の電極棒304と、電極棒304とは異なる材料で形成された、複数の電極棒302とを備える。
【0069】
構成する材料が異なることに起因して、電極棒306の単位長さ当たりの電気抵抗は、電極棒308の単位長さ当たりの電気抵抗よりも小さい。同様に、電極棒302の単位長さ当たりの電気抵抗は、電極棒304の単位長さ当たりの電気抵抗よりも小さい。かかる複数の第1の電極棒に含まれる電極棒306と、複数の第2の電極棒に含まれる電極棒302は、本発明における小抵抗電極部材に相当する。
【0070】
電極棒308および電極棒304の材料としては、たとえば、タングステンが想定される。一方で、電極棒306および電極棒302の材料としては、たとえば、銅、銀、金またはアルミニウムなどが想定される。なお、電極棒308と電極棒304とは、異なる材料で形成されていてもよい。同様に、電極棒306と電極棒302とは、異なる材料で形成されていてもよい。
【0071】
本実施の形態においては、
図7に示すように、第1の電極棒群30Bを構成する各電極棒306のそれぞれは、第2の電極棒群30Cを構成する各電極棒302のそれぞれと、平面視で隣り合うように配置されている。言い換えれば、複数の第1の電極棒の一部である各電極棒306のそれぞれは、複数の第2の電極棒の一部である各電極棒304それぞれと、平面視で隣り合うように配置されている。すなわち、単位長さ当たりの電気抵抗が電極棒308よりも小さい各電極棒306と、単位長さ当たりの電気抵抗が電極棒304よりも小さい各電極棒302とが、平面視で隣り合うように配置されている。
【0072】
ここで、プラズマ発生部30に設けられるそれぞれの電極棒近傍でプラズマが生じるまで(プラズマ空間が形成されるまで)に要する時間は、電極棒の個体差、電極棒の配置誤差または集合電極の個体差などによってばらつきがある。特に、プラズマ発生部30におけるプラズマ空間を形成する面積が大きい場合には当該ばらつきも大きくなり、プラズマ発生部30内の領域全体で均一なプラズマを生じさせるまでに要する時間が長くなる。
【0073】
本実施の形態では、前述したように、プラズマ発生部30における第1の電極棒群30Bを、異なる材料で形成された複数の電極棒308と複数の電極棒306とで構成される複数の第1の電極棒にて構成し、また、第2の電極棒群30Cを、異なる材料で形成された複数の電極棒304と複数の電極棒302とで構成される複数の第2の電極棒にて構成している。ここで、各電極棒306と各電極棒302とは、それぞれ同じ電極棒群を構成する複数の電極棒308と複数の電極棒304より電極棒の単位長さ当たりの電気抵抗が小さい。
【0074】
このような構成によれば、第1の電極棒群30Bを構成する複数の第1の電極棒のうち、各電極棒308よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい各電極棒306に電流が流れやすくなり、各電極棒306が加熱されやすくなる。また、第2の電極棒群30Cを構成する複数の第2の電極棒のうち、各電極棒304よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい各電極棒302に電流が流れやすくなり、各電極棒302が加熱されやすくなる。そうすると、各電極棒306、各電極棒302からの放熱によって各電極棒306の周囲、各電極棒302の周囲の空気が加熱されることで各電極棒306の周囲および各電極棒302の周囲にプラズマが発生する。さらに、プラズマが発生したことで各電極棒306の周囲の空気と各電極棒302の周囲の空気はさらに温度が上昇する。そして、各電極棒306および302の周囲に発生した熱が、それぞれ第1の電極棒群30Bの一部を構成する複数の電極棒308および第2の電極棒群30Cの一部を構成する複数の電極棒304と、その周囲の空気に伝搬することで、プラズマ発生部30の全体でプラズマの発生が促進される。
【0075】
また、このような構成によれば、プラズマが生じるまでに比較的長い時間を要する電極棒の材料を、他の電極棒の材料よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さいものとすることで、当該電極棒に電流が流れやすくなる。そうすると、電流が流れやすくなった当該電極棒およびその近傍の気体が、他の電極棒およびその近傍の気体よりも加熱されやすくなるため、プラズマが生じるまでに要する時間が短くなる。その結果として、それぞれの電極棒近傍でプラズマが生じるまでに要する時間のばらつきが小さくなり、プラズマ発生部30の全体でプラズマを生じさせるまでに要する時間を短縮することができる。
【0076】
さらに、本実施の形態においては、前述したように、第1の電極棒群30Bを構成する複数の第1の電極棒の一部となる複数の電極棒306の各々は、第2の電極棒群30Cを構成する複数の第2の電極棒の一部となる複数の電極棒302の各々と、平面視で隣り合うように配置されている。すなわち、電極棒308の単位長さ当たりの電気抵抗よりも小さい電極棒306と、電極棒304の単位長さ当たりの電気抵抗よりも小さい電極棒302とが、それぞれ一対のペアとなって隣り合うように配置されている。これによって、各電極棒306、各電極棒302において電流が流れやすくなり、他の電極棒308、304と比較して各電極棒306、各電極棒302の加熱が進む。そうすると、各電極棒306、各電極棒302からの放熱によって各電極棒306の周囲、各電極棒302の周囲の空気が先んじて加熱されることで各電極棒306の周囲および各電極棒302の周囲に速やかにプラズマが発生する。さらに、プラズマが発生したことで各電極棒306の周囲の空気と各電極棒302の周囲の空気はさらに温度が上昇する。そして、各電極棒306および各電極棒302の周囲に発生した熱が、それぞれ、各電極棒308および各電極棒304と、その周囲の空気に伝搬して各電極棒308、各電極棒304とそれぞれの周囲の空気に対する加熱が進んでいく。これによって、各電極棒308の周囲および各電極棒304の周囲に順次プラズマが発生し、プラズマ発生部30の全体でプラズマの発生が促進される。
【0077】
図8および
図9は、上述したプラズマ発生部30を用いてプラズマを生じさせる場合の経過の例を示す平面図である。なお、
図8および
図9においては、誘電部材30A、保持部30D、誘電管30Eおよび誘電管30Fは図示が省略されている。
【0078】
図8に例が示されるように、第1の電極棒群30Bおよび第2の電極棒群30Cに同様に電圧が印加されると、まず、電流が流れやすい各電極棒302および各電極棒306の加熱が進む。各電極棒306、各電極棒302の加熱が進むと、各電極棒306、各電極棒302からの放熱によって各電極棒306の周囲、各電極棒302の周囲の空気が先んじて加熱される。各電極棒306の周囲、各電極棒302の周囲の空気が加熱されることで、各電極棒306の周囲および各電極棒302の周囲に速やかにプラズマ102が生じる。
【0079】
その後、
図9に例が示されるように、各電極棒304の近傍および各電極棒308の近傍においても、順次プラズマ102が生じる。これは、前述したように、以下のメカニズムによるものである。すなわち、プラズマが発生したことで各電極棒306の周囲の空気と各電極棒302の周囲の空気はさらに温度上昇し、各電極棒306および各電極棒302の周囲に発生した熱が、複数の電極棒308および複数の電極棒304と、その周囲の空気に伝搬する。すると、各電極棒308、各電極棒304とそれぞれの周囲の空気に対する加熱が進み、各電極棒308の周囲および各電極棒304の周囲に次第にプラズマが発生することになり、プラズマ発生部30の全体に渡ってプラズマの発生が進むことになる。
【0080】
このように、第1の電極棒群30Bを構成する複数の第1の電極棒および第2の電極棒群30Cを構成する複数の第2の電極棒の中に、他の電極棒よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい電極棒を混在させることによって、プラズマ発生部30の全体でプラズマを生じさせるまでに要する時間を短縮することができる。
【0081】
なお、各電極棒302または各電極棒306が配置される位置は、
図7、
図8および
図9に示される場合に限られるものではない。また、各電極棒302または各電極棒306が配置される位置は、第1の電極棒群30Bおよび第2の電極棒群30Cが同一の材料で形成されている状態でプラズマが生じるまでに要する時間をあらかじめ測定して、当該時間が比較的長い電極棒の位置に対応させることができる。
【0082】
さらに、
図7に示す本実施の形態のように、第1の電極棒群30Bの一部を構成する各電極棒306のそれぞれと、第2の電極棒群30Cの一部を構成する各電極棒302のそれぞれとを、各一対として隣り合うように配置することで、各電極棒306の周囲、各電極棒302の周囲の空気を先んじて加熱でき、各電極棒306の周囲および各電極棒302の周囲により速やかにプラズマ102を生じさせることができる。これによって、より一層短時間で効率的に熱を伝搬させてプラズマを生じさせることができる。また、
図7、
図8、
図9において、電気抵抗の小さい電極棒306と電気抵抗の小さい電極棒302とを隣り合うように配置する構成を複数組形成し、平面視で、当該各組の間の位置に、電極棒306および電極棒302より電気抵抗の高い材料で構成される電極棒308、電極棒304を配置するようにプラズマ発生部30が構成されている。このような構成を採ることで、複数の箇所、即ち、電極棒306と電極棒302を一対として隣り合うようにて配置された複数箇所が、迅速にプラズマが発生する複数の起点となり、かかる起点を基にしてプラズマ発生部30の全体に熱が伝わることとなるため、短時間で効率的に熱を伝搬させてプラズマを生じさせることができる。
【0083】
また、プラズマ発生部30においてプラズマが生じるまでには時間を要するため、プラズマ処理を行う前の工程、たとえば、基板Wの上面に液膜101Aを形成する工程の間に、プラズマ発生部30が待機位置に位置している状態でプラズマ発生部30に対する電圧の印加が開始されていることが望ましい。
【0084】
また、電極棒306(または電極棒302)が設けられる箇所は
図7に例が示された場合に限られるものではないが、当該箇所が、放射温度計などを用いて行われるプラズマ発生部30内の複数箇所の温度測定の結果に基づいて特定されてもよい。
【0085】
図10は、プラズマ発生部130における複数の電極棒の構成の例を示す平面図である。
図10に例が示されるように、プラズマ発生部130は、複数の第1の電極棒307、308から構成される第1の電極棒群130Bと、複数の第2の電極棒303、304から構成される第2の電極棒群130Cと、集合電極30Gと、集合電極30Hとを備える。なお、
図10においては、誘電部材30A、保持部30D、誘電管30Eおよび誘電管30Fは図示が省略されている。
【0086】
第1の電極棒群130Bを構成する複数の第1の電極棒は、複数の電極棒308と、各電極棒308よりも太い、複数の電極棒307とを備える。また、第2の電極棒群130Cを構成する複数の第2の電極棒は、複数の電極棒304と、各電極棒304よりも太い、複数の電極棒303とを備える。
【0087】
太さが異なることに起因して、各電極棒307の単位長さ当たりの電気抵抗は、各電極棒308の単位長さ当たりの電気抵抗よりも小さい。同様に、各電極棒303の単位長さ当たりの電気抵抗は、各電極棒304の単位長さ当たりの電気抵抗よりも小さい。
【0088】
本実施の形態においては、
図10に示すように、第1の電極棒群130Bを構成する各電極棒307のそれぞれは、第2の電極棒群130Cを構成する各電極棒303のそれぞれと、平面視で隣り合うように配置されている。言い換えれば、複数の第1の電極棒の一部である各電極棒307のそれぞれは、複数の第2の電極棒の一部である各電極棒303のそれぞれと、平面視で隣り合うように配置されている。すなわち、単位長さ当たりの電気抵抗が電極棒308よりも小さい各電極棒307と、単位長さ当たりの電気抵抗が電極棒304よりも小さい各電極棒303とが、隣接して配置されている。
【0089】
このような構成によれば、第1の電極棒群130Bを構成する複数の第1の電極棒のうち、各電極棒308よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい各電極棒307に電流が流れやすくなり、各電極棒307が加熱されやすくなる。また、第2の電極棒群130Cを構成する複数の第2の電極棒のうち、各電極棒304よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい各電極棒303に電流が流れやすくなり、各電極棒303が加熱されやすくなる。そうすると、各電極棒307、各電極棒303からの放熱によって各電極棒307の周囲、各電極棒303の周囲の空気が加熱されることで各電極棒307の周囲および各電極棒303の周囲にプラズマが発生する。さらに、プラズマが発生したことで各電極棒307の周囲の空気と各電極棒303の周囲の空気はさらに温度が上昇する。そして、各電極棒307および303の周囲に発生した熱が、それぞれ第1の電極棒群130Bの一部を構成する複数の電極棒308および第2の電極棒群130Cの一部を構成する複数の電極棒304と、その周囲の空気に伝搬することで、プラズマ発生部130の全体でプラズマの発生が促進される。
【0090】
また、このような構成によれば、プラズマが生じるまでに比較的長い時間を要する電極棒を、他の電極棒よりも太い電極棒に変更することで、当該電極棒に電流が流れやすくなる。そうすると、電流が流れやすくなった当該電極棒およびその近傍の気体が、他の電極棒およびその近傍の気体よりも加熱されやすくなるため、プラズマが生じるまでに要する時間が短くなる。その結果として、それぞれの電極棒近傍でプラズマが生じるまでに要する時間のばらつきが小さくなり、プラズマ発生部130の全体でプラズマを生じさせるまでに要する時間を短縮することができる。
【0091】
本実施の形態においては、前述したように、第1の電極棒群130Bを構成する複数の第1の電極棒の一部となる複数の電極棒307の各々は、第2の電極棒群130Cを構成する複数の第2の電極棒の一部となる複数の電極棒303の各々と、平面視で隣り合うように配置されている。すなわち、単位長さ当たりの電気抵抗が電極棒308よりも小さい電極棒307と、単位長さ当たりの電気抵抗が電極棒304よりも小さい電極棒303とが、それぞれ一対のペアとなって隣り合うように配置されている。これによって、各電極棒307、各電極棒303において電流が流れやすくなり、他の電極棒308、304と比較して各電極棒307、各電極棒303の加熱が進む。そうすると、各電極棒307、各電極棒303からの放熱によって各電極棒307の周囲、各電極棒303の周囲の空気が先んじて加熱されることで各電極棒307の周囲および各電極棒303の周囲に速やかにプラズマが発生する。さらに、プラズマが発生したことで各電極棒307の周囲の空気と各電極棒303の周囲の空気はさらに温度が上昇する。そして、各電極棒307および各電極棒303の周囲に発生した熱が、それぞれ、各電極棒308および各電極棒304と、その周囲の空気に伝搬して各電極棒308、各電極棒304とそれぞれの周囲の空気に対する加熱が進んでいく。これによって、各電極棒308の周囲および各電極棒304の周囲に順次プラズマが発生し、プラズマ発生部130の全体でプラズマの発生が促進される。
【0092】
なお、各電極棒303または各電極棒307が配置される位置は、
図10に示される場合に限られるものではない。また、各電極棒303または各電極棒307が配置される位置は、第1の電極棒群130Bおよび第2の電極棒群130Cが同一の太さで形成されている状態でプラズマが生じるまでに要する時間をあらかじめ測定して、当該時間が比較的長い電極棒の位置に対応させることができる。
【0093】
さらに、
図10に示す本実施の形態のように、第1の電極棒群130Bの一部を構成する各電極棒307のそれぞれと、第2の電極棒群130Cの一部を構成する各電極棒303のそれぞれとを、各一対として隣り合うように配置することで、各電極棒307の周囲、各電極棒303の周囲の空気を先んじて加熱でき、各電極棒307の周囲および各電極棒303の周囲により速やかにプラズマを生じさせることができる。これによって、より一層短時間で効率的に熱を伝搬させてプラズマを生じさせることができる。また、
図10において、電気抵抗の小さい電極棒307と電気抵抗の小さい電極棒303とを隣り合うように配置する構成を複数組形成し、平面視で、当該各組の間の位置に、電極棒306および電極棒302より電気抵抗の高い材料で構成される電極棒308、電極棒304を配置するようにプラズマ発生部130が構成されている。このような構成を採ることで、複数の箇所、即ち、電極棒307と電極棒303を一対として隣り合うように配置された複数箇所が、迅速にプラズマが発生する複数の起点となり、かかる起点を基にしてプラズマ発生部130の全体に熱が伝わることとなるため、短時間で効率的に熱を伝搬させてプラズマを生じさせることができる。
【0094】
また、他の電極棒と太さが異なる各電極棒307(または各電極棒303)は、他の電極棒とは異なる材料で形成されていてもよい。たとえば、他の電極棒がタングステンで形成されている場合に、各電極棒307(または各電極棒303)が、タングステンと単位長さ当たりの電気抵抗が同程度である真鍮またはモリブデン鋼などで形成されていてもよい。
【0095】
以上に説明した実施の形態では、電極棒306、308(
図7)、307、308(
図10)が、本発明の「複数の第1の電極部材」に相当し、電極棒306、308(
図7)からなる複数の第1の電極棒が本発明の「第1の電極部材群」に相当し、電極棒307、308(
図10)からなる複数の第1の電極棒が本発明の「第1の電極部材群」に相当し、集合電極30Gが本発明の「第1の集合電極」に相当する。また、電極棒302、304(
図7)、303、304(
図10)が、本発明の「複数の第2の電極部材」に相当し、電極棒302、304(
図7)からなる複数の第2の電極棒が本発明の「第2の電極部材群」に相当し、電極棒303、304(
図10)からなる複数の第2の電極棒が本発明の「第2の電極部材群」に相当し、集合電極30Hが本発明の「第2の集合電極」に相当する。また、交流電源40が、本発明の「交流電源」に相当する。さらに、電極棒306、302、307、303が、本発明の「小抵抗電極部材」に相当し、電極棒308(
図7)、304(
図7)、308(
図10)、304(
図10)が、本発明の「非小抵抗電極部材」に相当する。また、スピンチャック10が、本発明の「基板保持部」に相当し、処理液ノズル20が、本発明の「ノズル」に相当する。
【0096】
上記実施の形態においては、第1の電極棒群30B、130Bを構成する複数の第1の電極棒のうち、複数の電極棒306、307を単位長さ当たりの電気抵抗が小さいものとして構成し、第2の電極棒群30C、130Cを構成する複数の第2の電極棒のうち、複数の電極棒302、303を単位長さ当たりの電気抵抗が小さいものとして構成するようにしていた。しかし、本発明は、必ずしもかかる構成に限られるものではなく、例えば、複数の第1の電極棒又は前記複数の第2の電極棒のうち、少なくとも一つの電極棒を、当該少なくとも一つの電極棒と同一の電極棒群を構成する他の電極棒よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい小抵抗電極部材で構成するようにしてもよい。かかる構成においても、単位長さ当たりの電気抵抗が小さい電極棒の加熱が進み、当該電気抵抗の小さい電極棒からの放熱によって周囲の空気が加熱され、プラズマの発生を促進させることができる。
【0097】
<第2の実施の形態>
図11は、本実施の形態における基板処理装置100Aの構成の例を概略的に示す側面図である。
図12は、プラズマ発生部230における一部の構成の例を概略的に示す平面図である。
図11および
図12においては、便宜上一部の構成が透過した状態で図示されている。
【0098】
なお、
図11および
図12に示される構成は、
図1におけるチャンバ80に囲まれていてよい。また、チャンバ80内の圧力は、およそ大気圧(たとえば、0.5気圧以上、かつ、2気圧以下)である。言い換えれば、後述するプラズマ処理は、大気圧で行われる大気圧プラズマ処理である。
【0099】
基板処理装置100Aは、スピンチャック10と、処理カップ12と、処理液ノズル20と、処理液供給源29と、バルブ25と、基板Wの上方に基板W全体を覆うように配置され、かつ、大気圧下でプラズマを生じさせる大気圧プラズマ源としてのプラズマ発生部230と、プラズマ発生部230に交流電圧を印加する交流電源40と、プラズマ発生部230を支持する支持部60とを含むプラズマ発生装置50Aと、処理カップ12とを備える。
【0100】
図11および
図12に例が示されるように、プラズマ発生部230は、石英などの誘電体からなる板状の誘電部材32Aと、誘電部材32A内に収容され、かつ、長手方向と直交する方向に複数並べて配置される複数の電極棒506、508からなる電極棒群30Jと、誘電部材32A内に収容され、かつ、長手方向と直交する方向に複数並べて配置される複数の電極棒502、504からなる電極棒群30Kと、樹脂(たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))またはセラミックスなどからなり、かつ、電極棒群30Jを構成する電極棒506、508と、複数の電極棒群30Kを構成する電極棒502、504とを一端において保持する保持部30Lと、電極棒群30Jを構成する電極棒506、508に共通して接続される、アルミニウムなどからなる集合電極30Mと、電極棒群30Kを構成する電極棒502、504に共通して接続される、アルミニウムなどからなる集合電極30Nとを備える。集合電極30Mと集合電極30Nとは、たとえば、合わせて平面視で円形状となるように配置され、当該円内に、電極棒群30Jおよび複数の電極棒群30Kが収容される。
【0101】
電極棒群30Jを構成する電極棒506、508、および、電極棒群30Kを構成する電極棒502、504は、たとえば、タングステンなどから形成される棒形状である。なお、電極棒群30Jを構成する電極棒506、508、および、電極棒群30Kを構成する電極棒502、504の形状は、棒形状に限られるものではない。また、電極棒群30Jを構成する電極棒506、508と、電極棒群30Kを構成する電極棒502、504とは、平面視で重ならないように互い違いに配置される(
図12を参照)。すなわち、平面視で見れば、電極棒群30Jを構成する電極棒506、508と、電極棒群30Kを構成する電極棒502、504とは、交互に配列される。
【0102】
一方で、
図11に示される側面視においては、電極棒群30Jと電極棒群30Kとは、互いに重なって配置される。なお、
図11に示される側面視において、電極棒群30Jと電極棒群30Kとは、互いに重なっていなくてもよく、たとえば、
図11のZ軸方向にずれて配置されていてもよい。
【0103】
誘電部材32Aは、上面および下面が凹凸のない平面形状である。そのため、プラズマ処理の際などに誘電部材32Aの下面へ付着物が付着した場合であっても、誘電部材32Aの下面の付着物の洗浄が容易となる。
【0104】
図12に例が示されるように、プラズマ発生部230は、電極棒506、508から構成される電極棒群30Jと、電極棒502、504から構成される電極棒群30Kと、集合電極30Mと、集合電極30Nとを備える。
【0105】
電極棒群30Jを構成する複数の電極棒は、複数の電極棒508と、電極棒508とは異なる材料で形成された、複数の電極棒506とを備える。また、電極棒群30Kを構成する複数の電極棒は、複数の電極棒504と、電極棒504とは異なる材料で形成された、複数の電極棒502とを備える。
【0106】
構成する材料が異なることに起因して、電極棒506の単位長さ当たりの電気抵抗は、電極棒508の単位長さ当たりの電気抵抗よりも小さい。同様に、電極棒502の単位長さ当たりの電気抵抗は、電極棒504の単位長さ当たりの電気抵抗よりも小さい。ここで、電極棒506と、電極棒502とは、小抵抗電極部材に相当する。
【0107】
電極棒508および電極棒504の材料としては、たとえば、タングステンが想定される。一方で、電極棒506および電極棒502の材料としては、たとえば、銅、銀、金またはアルミニウムなどが想定される。なお、電極棒508と電極棒504とは、異なる材料で形成されていてもよい。同様に、電極棒506と電極棒502とは、異なる材料で形成されていてもよい。
【0108】
本実施の形態においては、
図12に示すように、電極棒群30Jを構成する電極棒506のそれぞれは、電極棒群30Kを構成する電極棒502のそれぞれと、平面視で隣り合うように配置されている。すなわち、単位長さ当たりの電気抵抗が電極棒508よりも小さい電極棒506と、単位長さ当たりの電気抵抗が電極棒504よりも小さい電極棒502とが、平面視で隣り合うように配置されている。
【0109】
ここで、プラズマ発生部230に設けられるそれぞれの電極棒近傍でプラズマが生じるまで(プラズマ空間が形成されるまで)に要する時間は、電極棒の個体差、電極棒の配置誤差または熱容量の大きさなどによってばらつきがある。特に、プラズマ発生部230におけるプラズマ空間を形成する面積が大きい場合には当該ばらつきも大きくなり、プラズマ発生部230内の領域全体で均一なプラズマを生じさせるまでに要する時間が長くなる。
【0110】
本実施の形態では、前述したように、プラズマ発生部230における電極棒群30Jを、異なる材料で形成された複数の電極棒508と複数の電極棒506とで構成し、また、電極棒群30Kを、異なる材料で形成された複数の電極棒504と複数の電極棒502とで構成している。ここで、電極棒506と電極棒502とは、それぞれ同じ電極棒群を構成する電極棒508と電極棒504よりも電極棒の単位長さ当たりの電気抵抗が小さい。
【0111】
このような構成によれば、電極棒群30Jを構成する複数の電極棒のうち、電極棒508よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい電極棒506に電流が流れやすくなり、電極棒506が加熱されやすくなる。また、電極棒群30Kを構成する複数の電極棒のうち、電極棒504よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい電極棒502に電流が流れやすくなり、電極棒502が加熱されやすくなる。そうすると、電極棒506、電極棒502からの放熱によって電極棒506の周囲、電極棒502の周囲の空気が加熱されることで電極棒506の周囲および電極棒502の周囲にプラズマが発生する。さらに、プラズマが発生したことで電極棒506の周囲の空気と電極棒502の周囲の空気とはさらに温度が上昇する。そして、電極棒506および電極棒502の周囲に発生した熱が、それぞれ電極棒群30Jの一部を構成する複数の電極棒508および電極棒群30Kの一部を構成する複数の電極棒504と、その周囲の空気に伝搬することで、プラズマ発生部230の全体でプラズマの発生が促進される。
【0112】
また、このような構成によれば、プラズマが生じるまでに比較的長い時間を要する電極棒の材料を、他の電極棒の材料よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さいものとすることで、当該電極棒に電流が流れやすくなる。そうすると、電流が流れやすくなった当該電極棒およびその近傍の気体が、他の電極棒およびその近傍の気体よりも加熱されやすくなるため、プラズマが生じるまでに要する時間が短くなる。その結果として、それぞれの電極棒近傍でプラズマが生じるまでに要する時間のばらつきが小さくなり、プラズマ発生部230の全体でプラズマを生じさせるまでに要する時間を短縮することができる。
【0113】
さらに、本実施の形態においては、電極棒群30Jを構成する複数の電極棒506の各々は、電極棒群30Kを構成する複数の電極棒502の各々と、平面視で隣り合うように配置されている。すなわち、単位長さ当たりの電気抵抗が電極棒508よりも小さい電極棒506と、単位長さ当たりの電気抵抗が電極棒504よりも小さい電極棒502とが、それぞれ一対のペアとなって隣り合うように配置されている。これによって、電極棒506、電極棒502において電流が流れやすくなり、他の電極棒508、504と比較して電極棒506、電極棒502の加熱が進む。そうすると、電極棒506、電極棒502からの放熱によって電極棒506の周囲、電極棒502の周囲の空気が先んじて加熱されることで電極棒506の周囲および電極棒502の周囲に速やかにプラズマが発生する。さらに、プラズマが発生したことで電極棒506の周囲の空気と電極棒502の周囲の空気はさらに温度が上昇する。そして、電極棒506および電極棒502の周囲に発生した熱が、それぞれ、電極棒508および電極棒504と、その周囲の空気に伝搬して電極棒508、電極棒504とそれぞれの周囲の空気に対する加熱が進んでいく。これによって、電極棒508の周囲および電極棒504の周囲に順次プラズマが発生し、プラズマ発生部230の全体でプラズマの発生が促進される。
【0114】
図13は、プラズマ発生部における一部の構成の例を概略的に示す断面図である。
図13は、
図11におけるA-A’断面に対応する。なお、電極棒506、502、508、504の数は、
図13に示される数に限られるものではない。
【0115】
図13に例が示されるように、誘電部材32Aには誘電部材32Aの端部から内側(X軸方向)に延びる収容穴32Bが複数形成されており、電極棒506、502、508、504は、それぞれ対応する収容穴32Bに収容される。収容穴32Bは、X軸正方向およびX軸負方向の誘電部材32Aの端部(側面)から内部へ交互に延びて形成されているため、電極棒群30J(
図12を参照)の電極棒はX軸正方向側の端部から、電極棒群30K(
図12を参照)の電極棒はX軸負方向側の端部からそれぞれ挿入される。また、
図13に示されるように、収容穴32Bは、誘電部材32Aの下面に近い位置に形成されている。
【0116】
図11に示されたように、交流電源40によって、集合電極30Mおよび集合電極30Nとの間に交流電圧が印加されると、集合電極30Mに接続される電極棒群30Jと集合電極30Nに接続される電極棒群30Kとの間に交流電圧が印加される。その結果、電極棒群30Jと電極棒群30Kとの間で誘電体バリア放電が生じる。そして、当該放電の放電経路の周囲で気体のプラズマ化が生じて、電極棒群30Jのそれぞれの電極棒506、508と電極棒群30Kのそれぞれの電極棒502、504とを隔てる誘電部材32Aの表面(収容穴32Bの内部を含む)に沿って2次元的に広がるプラズマ空間が形成される(
図12、
図13を参照)。ここで、収容穴32Bが誘電部材32Aの下面に近い位置に形成されているため、プラズマ102は主に誘電部材32Aの下面に形成される。
【0117】
ここで、上記のプラズマ空間が形成される際に、プラズマ発生部230の下方の空間(すなわち、基板Wの上方の空間)に、たとえば、O2(酸素)、Ne、CO2、空気、不活性ガスまたはそれらの組み合わせである気体が供給されてもよい。不活性ガスは、たとえば、N2または希ガスである。希ガスは、たとえば、HeまたはArなどである。
【0118】
プラズマ102の作用によって、当該空間近傍の気体に活性種が生じる。活性種には、電荷を有するイオン、または、電気的に中性であるラジカルなどが含まれる。たとえば、気体がO2を含むものである場合は、プラズマ発生部230におけるプラズマの作用によって、活性種の一種である酸素ラジカルが生じる。
【0119】
ここで、プラズマ発生部230は、上記のようにプラズマ102を生じさせる段階においては所定の待機位置に待機しておき、誘電部材32Aの下面に適度に均一なプラズマ102が生じた後で、基板W近傍の処理位置に移動することが望ましい。このような態様であれば、均一なプラズマ102が生じた状態で基板Wの表面における液膜にプラズマ102を作用させることで、均一な処理を行うことができる。
【0120】
なお、本実施の形態ではプラズマ発生部230は基板Wの上面全体を覆うように配置されているが、プラズマ発生部230が基板Wの一部のみを覆うように配置される場合には、プラズマ発生部230の基板Wの上面における位置を、基板Wの回転に伴って基板Wの上面に沿って基板Wの回転方向および径方向に図示しない駆動機構によって移動させてもよい。
【0121】
図14は、プラズマ発生部330における複数の電極棒の構成の例を示す平面図である。
図14においては、便宜上一部の構成が透過した状態で図示されている。
図14に例が示されるように、プラズマ発生部330は、複数の電極棒507、508から構成される電極棒群130Jと、複数の電極棒503、504から構成される電極棒群130Kと、集合電極30Mと、集合電極30Nとを備える。
【0122】
電極棒群130Jを構成する複数の電極棒は、複数の電極棒508と、電極棒508よりも太い、複数の電極棒507とを備える。また、電極棒群130Kを構成する複数の電極棒は、複数の電極棒504と、電極棒504よりも太い、複数の電極棒503とを備える。
【0123】
太さが異なることに起因して、電極棒507の単位長さ当たりの電気抵抗は、電極棒508の単位長さ当たりの電気抵抗よりも小さい。同様に、電極棒503の単位長さ当たりの電気抵抗は、電極棒504の単位長さ当たりの電気抵抗よりも小さい。
【0124】
本実施の形態においては、
図14に示すように、電極棒群130Jを構成する電極棒507のそれぞれは、電極棒群130Kを構成する電極棒503のそれぞれと、平面視で隣り合うように配置されている。すなわち、単位長さ当たりの電気抵抗が電極棒508よりも小さい電極棒507と、単位長さ当たりの電気抵抗が電極棒504よりも小さい電極棒503とが、隣接して配置されている。
【0125】
このような構成によれば、電極棒群130Jを構成する複数の電極棒のうち、電極棒508よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい電極棒507に電流が流れやすくなり、電極棒507が加熱されやすくなる。また、電極棒群130Kを構成する複数の電極棒のうち、電極棒504よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい電極棒503に電流が流れやすくなり、電極棒503が加熱されやすくなる。そうすると、電極棒507、電極棒503からの放熱によって電極棒507の周囲、電極棒503の周囲の空気が加熱されることで電極棒507の周囲および電極棒503の周囲にプラズマが発生する。さらに、プラズマが発生したことで電極棒507の周囲の空気と電極棒503の周囲の空気はさらに温度が上昇する。そして、電極棒507、503の周囲に発生した熱が、それぞれ電極棒群130Jの一部を構成する複数の電極棒508および電極棒群130Kの一部を構成する複数の電極棒504と、その周囲の空気に伝搬することで、プラズマ発生部330の全体でプラズマの発生が促進される。
【0126】
また、このような構成によれば、プラズマが生じるまでに比較的長い時間を要する電極棒を、他の電極棒よりも太い電極棒に変更することで、当該電極棒に電流が流れやすくなる。そうすると、電流が流れやすくなった当該電極棒およびその近傍の気体が、他の電極棒およびその近傍の気体よりも加熱されやすくなるため、プラズマが生じるまでに要する時間が短くなる。その結果として、それぞれの電極棒近傍でプラズマが生じるまでに要する時間のばらつきが小さくなり、プラズマ発生部330の全体でプラズマを生じさせるまでに要する時間を短縮することができる。
【0127】
本実施の形態においては、電極棒群130Jを構成する複数の電極棒の一部となる複数の電極棒507の各々は、電極棒群130Kを構成する複数の電極棒の一部となる複数の電極棒503の各々と、平面視で隣り合うように配置されている。すなわち、単位長さ当たりの電気抵抗が電極棒508よりも小さい電極棒507と、単位長さ当たりの電気抵抗が電極棒504よりも小さい電極棒503とが、それぞれ一対のペアとなって隣り合うように配置されている。これによって、電極棒507、電極棒503において電流が流れやすくなり、他の電極棒508、504と比較して電極棒507、電極棒503の加熱が進む。そうすると、電極棒507、電極棒503からの放熱によって電極棒507の周囲、電極棒503の周囲の空気が先んじて加熱されることで電極棒507の周囲および電極棒503の周囲に速やかにプラズマが発生する。さらに、プラズマが発生したことで電極棒507の周囲の空気と電極棒503の周囲の空気はさらに温度が上昇する。そして、電極棒507および電極棒503の周囲に発生した熱が、それぞれ、電極棒508および電極棒504と、その周囲の空気に伝搬して電極棒508、電極棒504とそれぞれの周囲の空気に対する加熱が進んでいく。これによって、電極棒508の周囲および電極棒504の周囲に順次プラズマが発生し、プラズマ発生部330の全体でプラズマの発生が促進される。
【0128】
なお、電極棒503または電極棒507が配置される位置は、
図14に示される場合に限られるものではない。また、電極棒503または電極棒507が配置される位置は、電極棒群130Jおよび電極棒群130Kが同一の太さで形成されている状態でプラズマが生じるまでに要する時間をあらかじめ測定して、当該時間が比較的長い電極棒の位置に対応させることができる。
【0129】
さらに、
図14に示す本実施の形態のように、電極棒群130Jの一部を構成する電極棒507のそれぞれと、電極棒群130Kの一部を構成する電極棒503のそれぞれとを、各一対として隣り合うように配置することで、電極棒507の周囲、電極棒503の周囲の空気を先んじて加熱でき、電極棒507の周囲および電極棒503の周囲により速やかにプラズマを生じさせることができる。これによって、より一層短時間で効率的に熱を伝搬させてプラズマを生じさせることができる。
【0130】
また、
図14において、電気抵抗の小さい電極棒507と電気抵抗の小さい電極棒503とを隣り合うように配置する構成を複数組形成し、平面視で、当該各組の間の位置に、電極棒506および電極棒502より電気抵抗の高い材料で構成される電極棒508、電極棒504を配置するようにプラズマ発生部330が構成されている。このような構成を採ることで、複数の箇所、即ち、電極棒507と電極棒503を一対として隣り合うようにて配置された複数箇所が、迅速にプラズマが発生する複数の起点となり、かかる起点を基にしてプラズマ発生部330の全体に熱が伝わることとなるため、短時間で効率的に熱を伝搬させてプラズマを生じさせることができる。
【0131】
また、他の電極棒と太さが異なる電極棒507(または電極棒503)は、他の電極棒とは異なる材料で形成されていてもよい。たとえば、他の電極棒がタングステンで形成されている場合に、電極棒507(または電極棒503)が、タングステンと単位長さ当たりの電気抵抗が同程度である真鍮またはモリブデン鋼などで形成されていてもよい。
【0132】
以上に説明した実施の形態では、電極棒506、508、507が「複数の第1の電極部材」に相当し、電極棒506、508からなる複数の電極棒が「第1の電極部材群」に相当し、電極棒507、508からなる複数の電極棒が「第1の電極部材群」に相当し、集合電極30Mが「第1の集合電極」に相当する。また、電極棒502、504、503が、「複数の第2の電極部材」に相当し、電極棒502、504からなる複数の電極棒が「第2の電極部材群」に相当し、電極棒503、504からなる複数の電極棒が「第2の電極部材群」に相当し、集合電極30Nが「第2の集合電極」に相当する。また、交流電源40が、「交流電源」に相当する。さらに、電極棒506、502、507、503が、「小抵抗電極部材」に相当し、電極棒508、504が、「非小抵抗電極部材」に相当する。また、スピンチャック10が「基板保持部」に相当し、処理液ノズル20が「ノズル」に相当する。
【0133】
上記の実施の形態においては、電極棒群30J、130Jを構成する複数の電極棒のうち、複数の電極棒506、507を単位長さ当たりの電気抵抗が小さいものとして構成し、電極棒群30K、130Kを構成する複数の電極棒のうち、複数の電極棒502、503を単位長さ当たりの電気抵抗が小さいものとして構成するようにしていた。しかし、必ずしもかかる構成に限られるものではなく、たとえば、複数の第1の電極棒または複数の第2の電極棒のうち、少なくとも1つの電極棒を、当該少なくとも1つの電極棒と同一の電極棒群を構成する他の電極棒よりも単位長さ当たりの電気抵抗が小さい小抵抗電極部材で構成するようにしてもよい。かかる構成においても、単位長さ当たりの電気抵抗が小さい電極棒の加熱が進み、当該電気抵抗の小さい電極棒からの放熱によって周囲の空気が加熱され、プラズマの発生を促進させることができる。
【0134】
<以上に記載された実施の形態の変形例について>
以上に記載された実施の形態では、それぞれの構成要素の材質、材料、寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件などについても記載する場合があるが、これらはすべての局面においてひとつの例であって、限定的なものではないものとする。
【0135】
したがって、例が示されていない無数の変形例、および、均等物が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
【0136】
また、以上に記載された実施の形態において、特に指定されずに材料名などが記載された場合は、矛盾が生じない限り、当該材料に他の添加物が含まれた、たとえば、合金などが含まれるものとする。
【符号の説明】
【0137】
1 基板処理システム
10 スピンチャック
10A スピンベース
10C 回転軸
10D スピンモータ
12 処理カップ
20 処理液ノズル
25 バルブ
29 処理液供給源
30,130,230,330 プラズマ発生部
30A,32A 誘電部材
30B,30C,30J,30K,130B,130C,130J,130K 電極棒群
30D,30L 保持部
30E,30F 誘電管
30G,30H,30M,30N 集合電極
32B 収容穴
40 交流電源
50,50A プラズマ発生装置
60 支持部
80 チャンバ
90 制御部
91 CPU
92 ROM
93 RAM
94 記憶装置
94P 処理プログラム
95 バスライン
96 入力部
97 表示部
98 通信部
100,100A 基板処理装置
101 処理液
101A 液膜
102 プラズマ
302,303,304,306,307,308,502,503,504,506,507,508 電極棒
400 ロードポート
402 インデクサロボット
404 基板載置部
406 センターロボット