(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151541
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/35 20140101AFI20220929BHJP
F02C 1/10 20060101ALI20220929BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G01N21/35
F02C1/10
F02C7/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176102
(22)【出願日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】202110328116.8
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】505072650
【氏名又は名称】浙江大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【弁理士】
【氏名又は名称】駒井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】肖 剛
(72)【発明者】
【氏名】劉 亞飛
(72)【発明者】
【氏名】倪 明江
(72)【発明者】
【氏名】岑 可法
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB04
2G059CC04
2G059DD12
2G059DD15
2G059DD16
2G059EE01
2G059EE12
2G059HH01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】実際の動作状況で超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムの設備の入口における作動媒体の状態を監視及び制御でき、ブレイトンサイクルシステムの圧縮機などの設備の動作性能を向上させ、全体的な効率を向上させる赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システムを提供する。
【解決手段】二酸化炭素が通過するテストセクション20と、テストセクションを通過した二酸化炭素に対して検出ビームを放射する赤外線光源21と、二酸化炭素を通過した検出ビームを受信して分析する赤外線分光計22と、二酸化炭素の圧力を設定値に制御する圧力制御モジュールと、を含む。また、超臨界二酸化炭素の温度を監視して調節できる温度制御モジュールがさらに含まれる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素が通過するテストセクションと、
前記テストセクションを通過した二酸化炭素に検出ビームを放射する赤外線光源と、
前記二酸化炭素を通過した検出ビームを受信して分析する赤外線分光計と、
前記二酸化炭素の圧力を設定値に制御する圧力制御モジュールと、
前記二酸化炭素の温度を調節する温度制御モジュールとを含む、ことを特徴とする赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム。
【請求項2】
前記超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システムは、超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムに使用され、該超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムの構造を、単純ブレイトンサイクルと、再圧縮ブレイトンサイクルと、再圧縮部分冷却ブレイトンサイクルと、再圧縮再加熱ブレイトンサイクルと、再圧縮中間冷却ブレイトンサイクルのいずれか一つとする、ことを特徴とする請求項1に記載の赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム。
【請求項3】
前記超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムは圧縮機を含み、前記テストセクションは前記圧縮機の入口に設置され、前記テストセクションを通過した二酸化炭素は前記圧縮機に入る、ことを特徴とする請求項2に記載の赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム。
【請求項4】
前記テストセクションは管状部品であり、その外周面に前記赤外線光源からの前記検出ビームが通過するレンズ監視窓が設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム。
【請求項5】
前記圧力制御モジュールと通信接続している圧力センサをさらに含む、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム。
【請求項6】
前記検出ビームの波長範囲は1μm~5μmである、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム。
【請求項7】
前記圧力制御モジュールは、前記圧縮機の入口段の背圧弁の作動圧力を調節することにより、前記二酸化炭素の圧力を設定値に制御する、ことを特徴とする請求項3に記載の赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム。
【請求項8】
前記超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムは予冷器を含み、前記温度制御モジュールが前記予冷器の出力を調節することにより前記二酸化炭素の温度を調節する、ことを特徴とする請求項2に記載の赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム。
【請求項9】
透過率は、赤外線分光計による分析で得られた実際の透過率であってもよく、パイプラインサイズの規格化で得られた透過率であってもよい、ことを特徴とする請求項1に記載の赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス監視及び制御分野に関し、具体的に、赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、UHV送電容量の継続的な増加と再生可能エネルギー発電の大規模な系統
グリッド接続、及び国のますます厳しくなる環境保護要求に伴い、再生不可能エネルギーの開発とエネルギーの効率的でクリーンな利用がエネルギー業界にとって主要な課題となっている。
【0003】
また、発電機セットのパワーサイクル効率を向上させ、発電コストを削減することは、再生不可能エネルギーが新しい発電状況に適応するための重要な手段になっている。
【0004】
エネルギーの効率的な変換と利用は、主に熱力学サイクルシステムによって実現される。典型的な熱力学サイクルシステムとして、ブレイトンサイクルシステムは、熱効率に顕著なメリットがある。
【0005】
単純ブレイトンサイクルでは、作動媒体は等エントロピー圧縮、等圧熱吸収、等エントロピー膨張及び等圧冷却の4つのプロセスをこの順に経ることで、効率的なエネルギー変換と利用を実現する。
【0006】
従来の蒸気ランキンサイクルと比べて、550℃以上の作動条件では超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムがより高いサイクル効率を有し、そして作動媒体が超臨界状態にある場合、臨界点付近の圧縮体積の変化が小さいため、圧縮機の消費電力が低減でき、サイクル効率が大幅に向上する。
【0007】
二酸化炭素は、臨界点付近にガスに近い粘度を持ち、流動性が高く、拡散しやすく、サイクルロスが少ないなど、多くのメリットがある。
【0008】
そのため、圧縮機の入口における超臨界二酸化炭素の状態を厳密に制御してこそ、超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムの効率をさらに向上させることができる。
【0009】
従来、圧縮機の入口における超臨界二酸化炭素の状態は、主に圧縮機の入口端の温度と圧力を測定することによって間接的に判断されていた。
【0010】
ただし、臨界点付近の二酸化炭素の状態変化は非常に複雑であり、且つ現在の温度試験の精度に制限されるため、わずかな温度差により、その対応する比熱、密度、粘度などの物性が顕著に変化し、圧縮機の入口における二酸化炭素の実際の状態を正確に監視することができなくなる。
【0011】
なお、温度センサの配置により、パイプ内の二酸化炭素のフロー場の分布が乱され、圧縮機の入口における二酸化炭素の実際の状態と監視結果に大きな差異が発生する。
【0012】
さらに、臨界点付近の二酸化炭素によって監視される物性データの不正確さは、冷却及び圧縮プロセス中の熱力学システムの設計及び最適化に重大な影響を及ぼし、ひいては予冷器、圧縮機などの設備内の二酸化炭素作動媒体の流れと熱交換特性にまで影響を及ぼし、システムの安定した動作とサイクル効率に無視できない影響を及ぼしてしまう。
【0013】
したがって、実際の動作条件下で超臨界二酸化炭素サイクルシステム内の循環作動媒体二酸化炭素の物性をどのように正確に監視及び制御するかは、従来技術において困難な問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、実際の動作状況で超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムの設備の入口における作動媒体の状態を監視及び制御でき、ブレイトンサイクルシステムの圧縮機などの設備の動作性能を向上させ、そしてブレイトンサイクルシステムの全体的な効率を向上させる赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システムを提供することを目的とする。
【0015】
本発明の赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システムは、二酸化炭素が通過するテストセクションと、テストセクションを通過した二酸化炭素に対して検出ビームを放射する赤外線光源と、二酸化炭素を通過したから抜いた検出ビームを受信して分析する赤外線分光計と、二酸化炭素の圧力を設定値に制御する圧力制御モジュールとを含む。
【0016】
また、超臨界二酸化炭素の温度を監視して調節できる温度制御モジュールをさらに含む。温度制御モジュールは、超臨界二酸化炭素の温度を調整することができるので、赤外分光計によって分析される特定の波長帯域における超臨界二酸化炭素の透過率は、臨界状態の該超臨界二酸化炭素の透過率に近づくか、或いは到達する。
【0017】
該技術案により、異なる圧力におけるガスの物性データが異なるため、圧力制御モジュールにより超臨界二酸化炭素の圧力を設定値に制御することで、ブレイトンサイクルシステムにおいて実際の動作状況で設備の入口における二酸化炭素の圧力を設定値、即ちガスの臨界圧力付近に安定させ、さらに、実際の動作状況で設備の入口における二酸化炭素圧力を監視及び制御できる。
【0018】
赤外線分光計の実際の分析で得られた超臨界ガスの透過率と臨界状態における透過率とを比較することに基づいて、まず、圧力制御モジュールによりガスの圧力を設定値、即ち臨界圧力付近に安定させる。
【0019】
そして、赤外線分光計によって得られた超臨界二酸化炭素の透過率が該ガスの臨界条件下の透過率に近づくか、或いは到達するように、温度制御モジュールにより超臨界二酸化炭素の温度を調節することで、超臨界二酸化炭素の圧力と温度を正確に監視及び制御することが実現される。
【0020】
なお、本発明の発明者は、進歩的に透過率パラメータを使用して温度を制御し、上記技術案における圧力制御モジュールと併せて使用し、それらの協力や共同作用により、超臨界二酸化炭素に対する正確な監視及び制御をさらに実現できた。
【0021】
その結果、圧縮機の入口における二酸化炭素の状態を臨界点付近に安定させ、圧縮性が良好で、位相状態は安定し、圧縮機の消費電力は減少し、超臨界ガスの位相状態の変化による設備の作動性能への影響が避けられ、ブレイトンサイクルシステムのサイクル効率を向上させた。
【0022】
本発明の好ましい技術案では、透過率は、赤外線分光計による分析で得られた実際の透過率であってもよく、パイプライン直径の規格化により得られた透過率であってもよい。
【0023】
本発明の好ましい技術案によれば、赤外線分光計による分析で得られた実際の透過率又はパイプライン直径の規格化により得られた透過率によって、パイプライン直径の透過率のテスト結果に対する影響が排除できる。
【0024】
本発明の好ましい技術案では、赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システムは、超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムに使用され、該超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムの構造を、単純なブレイトンサイクル、再圧縮ブレイトンサイクル、再圧縮部分冷却ブレイトンサイクル、再圧縮再加熱ブレイトンサイクル、及び再圧縮中間冷却ブレイトンサイクルのいずれか一つとする。
【0025】
該好ましい技術案によれば、超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムにおいて、超臨界二酸化炭素が循環作動媒体として使用され、他の作動媒体と比べると、超臨界二酸化炭素はパイプライン設備への腐食速度がより低く、システム構造はコンパクトでスペースの占用が小さく、且つシステムはより高いサイクル効率を有する。
【0026】
また、赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システムは、あらゆる構造の超臨界ブレイトンサイクルシステムにも適用可能であり、実際の需要に応じて異なる構造の超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムにおける二酸化炭素の圧力と温度を正確に監視及び制御でき、異なる構造の超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムのサイクル効率を向上させることができる。
【0027】
本発明の好ましい技術案では、超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムは圧縮機を含み、テストセクションは圧縮機の入口に設置され、テストセクションを通過した二酸化炭素は圧縮機に入る。
【0028】
該好ましい技術案によれば、テストセクションは圧縮機の入口に設置され、圧縮機に入る直前の二酸化炭素の状態を監視及び制御できる。
【0029】
テストセクションを通過した二酸化炭素が圧縮機に入ると、圧縮機に入った二酸化炭素が臨界点に近づくか、或いは到達することができる。そのため圧縮機に入った作動媒体が臨界点からずれてガスの圧縮性が低下して圧縮機の消費電力が増加するのを回避し、且つ、位相状態の異なる作動媒体が圧縮機のインペラーに激しく衝突し、圧縮機内部の稼働部品の消耗を加速させ、圧縮機の耐用年数に重大な影響を与えることを回避する。
【0030】
本発明の好ましい技術案では、赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システムのテストセクションは管状部品であり、その外周面に赤外線光源からの検出ビームが通過するレンズ監視窓が設けられる。
【0031】
該好ましい技術案によれば、テストセクションを管状部品とすることで、圧縮機とのパイプラインと一致させるか、或いは該パイプラインの一部をテストセクションとして直接使用するのに寄与する。
【0032】
外周面に赤外線光源からの検出ビームが通過するレンズ監視窓が設けられ、該レンズ監視窓は、赤外線光源からの検出ビームが透過可能で、透過したビームと入射するビームに応じて、赤外線分光計はさらに分析を行い、二酸化炭素の透過率が取得できる。また、レンズをパイプライン内部に配置し、光ファイバーを介してスペクトロメータと一つのシステムに統合してもよい。
【0033】
また、スペクトロメータによる分析で得られた透過率に対するパイプラインの影響を排除するように、具体的なパイプラインサイズに応じてレンズの配置位置を決定してもよい。
【0034】
本発明の好ましい技術案では、赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システムは、圧力制御モジュールと通信接続している圧力センサをさらに含む。
【0035】
該好ましい技術案によれば、圧力制御モジュールに通信接続されている圧力センサはテストセクション中の二酸化炭素の圧力を測定可能であるとともに、圧力制御モジュールにより圧縮機入口に入った二酸化炭素の圧力を超臨界二酸化炭素の設定値に近づくか、或いは到達させるように調節して、圧縮機に入った二酸化炭素の圧力を正確に監視及び制御できる。
【0036】
本発明の好ましい技術案では、赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システムの検出ビームの波長範囲は1μm~5μmである。
【0037】
該好ましい技術案によれば、超臨界二酸化炭素は1μm~5μmの赤外線スペクトルにおいて強い吸収特性を有するため、主な吸収特徴ピークは2.8μmと4.2μmにある。
【0038】
赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システムの検出ビームの波長範囲は1μm~5μmであるから、該範囲内の検出ビームによってすべての吸収特徴ピークを高い検出精度で検出することが確保できる。
【0039】
本発明の好ましい技術案では、赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システムにおける圧力制御モジュールは、圧縮機の入口段の背圧弁の作動圧力を調節することにより、二酸化炭素の圧力を設定値に制御する。
【0040】
該好ましい技術案により、圧力制御モジュールにおける圧力センサはテストセクション中の二酸化炭素の圧力が測定でき、二酸化炭素の圧力のプリセット数値と一致しない場合、圧力制御モジュールは、圧縮機の入口段の背圧弁の作動圧力を調節することにより圧縮機の入口における二酸化炭素の圧力を制御し、圧縮機に入った二酸化炭素の圧力を設定値に近づくか、或いは到達するように安定させることができ、背圧弁により圧縮機の入口に入った二酸化炭素の圧力を正確に監視及び制御できる。
【0041】
本発明の好ましい技術案では、超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムは予冷器を含み、予冷器の出力を調節することにより温度制御モジュールが二酸化炭素の温度を調節する。
【0042】
該好ましい技術案により、温度制御モジュールが二酸化炭素の温度を調節するときは、ブレイトンサイクルシステムの既存の部品を利用すれば調節を実現できる。
【0043】
つまり、予冷器の出力を調節することにより二酸化炭素の温度を調節し、赤外線分光計で分析された二酸化炭素の透過率が臨界条件で該二酸化炭素の透過率に近づくか、或いは到達するようにする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本発明の実施形態の超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムの概略図である。
【
図2】本発明の実施形態の赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システムの概略図である。
【
図3】
図2におけるテストセクションの構造概略図である。
【
図4】本発明の実施形態の赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御の概略図である。
【
図5】本発明の実施形態の二酸化炭素が異なる温度における検出ビームの透過率の図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施形態における技術案を、本発明の実施形態における図面に合わせて、明確且つ完全に説明するが、説明される実施形態は本発明の実施形態の一部に過ぎず、すべての実施形態ではないことが明らかである。
【0046】
本発明における実施形態に基づいて、当業者の創造的な労働なしに取得される他のすべての実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0047】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0048】
図1は本発明の実施形態の超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムの概略図である。
【0049】
図1を参照すると、本実施形態における超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムは主に、熱源5と、タービン6と、熱交換器4と、発電機7と、予冷器240と、圧縮機3と、ポンプ1と、監視及び制御システム2と、を含む。該サイクルシステムでは、二酸化炭素を作動媒体とする。
【0050】
二酸化炭素が熱源5から熱エネルギーを取得し、高温高圧の状態でタービン6に入って働き、発電機7を駆動して発電する。働いた後の作動媒体は、残りの熱エネルギーを回収するために熱交換器4に入り、予冷器240により冷却された後、圧縮機3によって圧縮される。
【0051】
その後、熱交換器4を介して加熱され、熱を吸収するために熱源5に入るというサイクルを繰り返す。
【0052】
監視及び制御システム2は、二酸化炭素の状態を監視及び制御するものであり、二酸化炭素が臨界点付近や臨界状態で超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムの圧縮機設備に入ることを確保する。
【0053】
なお、二酸化炭素は、比較的安定な化学的性質、良好な物性、及び確実な安全性を有し、安価で入手しやすいため、本発明の実施形態では、循環作動媒体として二酸化炭素を使用する。
【0054】
二酸化炭素は、凍結の問題がなく、環境温度が低い場合、設備ユニットの起動時間を大幅に短縮して、高いサイクル効率を達成することができる。
【0055】
なお、本発明の他の実施形態において、該監視及び制御システム2は、他の超臨界ガスの状態を監視及び制御するために使用してもよい。
【0056】
図2は、本発明の実施形態の赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム2の概略図であり、
図3は、
図2におけるテストセクションの構造概略図であり、
図4は、本発明の実施形態の赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御の概略図である。
【0057】
図2と
図4を参照すると、本実施形態で提供される赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム2は、二酸化炭素が通過するテストセクション20と、テストセクション20を通過した二酸化炭素に検出ビームを放射する赤外線光源21と、二酸化炭素を通過した検出ビームを受信して分析する赤外線分光計22と、二酸化炭素の圧力を臨界圧力付近に制御する温度制御モジュール23と、二酸化炭素の温度を臨界温度付近に制御する温度制御モジュール24と、を含む。
【0058】
ここでの赤外線分光計22は概略的に示されたものであり、実際の赤外線分光計には受光ファイバー、CCDセンサ及び分析装置などが含まれる。
【0059】
なお、超臨界流体は二酸化炭素に限らず、他の流体であってもよい。
【0060】
その中で、好ましくは、
図2と
図4に示すように、赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム2は、圧力制御モジュール23と通信接続されている圧力センサ230をさらに含む。
【0061】
その中で、好ましくは、超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム2における圧力制御モジュール23は、圧縮機3の入口段の背圧弁(図示せず)の作動圧力を調節することにより、二酸化炭素の圧力を設定値に制御する。
【0062】
具体的には、二酸化炭素作動媒体がテストセクション20を通過するとき、赤外線光源21からテストセクション20を通過する二酸化炭素に検出ビームを放射するとともに、赤外線分光計22により検出ビームの透過率を分析し、圧力制御モジュール23における圧力センサ230はテストセクション20を通過して圧縮機3の入口に入る直前の二酸化炭素の圧力を測定する。
【0063】
二酸化炭素の圧力が二酸化炭素の臨界条件における圧力に達していない場合、圧力制御モジュール23は圧縮機3の入口段の背圧弁の作動圧力を調節することにより、圧縮機3の入口に入る直前の二酸化炭素の圧力を設定値に制御する。
【0064】
同時に、赤外線分光計22で測定された透過率と設定値圧力で、対応する超臨界二酸化炭素の臨界状態における透過率との間の比較を行い、温度制御モジュール24により二酸化炭素の温度を調節し、二酸化炭素の透過率を臨界状態における透過率付近或いは臨界状態に達する透過率に安定させ、さらに圧縮機3の入口に入る二酸化炭素の圧力と温度状態の監視及び制御を実現する。
【0065】
さらに具体的に、圧力センサ230は、弾性感応素子及び変位感応素子を含み、圧力を電気信号に変換して出力するセンサである。
【0066】
圧力センサ230は、高い動的応答速度、精度、及び信頼性を有することを特徴とし本発明の一部の実施形態では、圧力センサ230は、静電容量型圧力センサ、可変リラクタンス型圧力センサであってもよく、本発明の他の実施形態では、ホール圧力センサ、光ファイバー圧力センサなどであってもよい。
【0067】
圧力コントローラーは、ガス媒介に使用できる金属316Lダイアフラムセンサを使用してもよく、その場合、-0.1MPa~40MPaの測定範囲内での調節範囲が任意に選択できる。
【0068】
臨界条件における二酸化炭素の圧力は通常7.38MPaであるので、圧力調節の要求を満たす。
【0069】
圧力コントローラーは、小型で軽量であり、圧力調節の精度が高いため、テストセクション20に直接取り付けることができ、圧縮機3の入口の二酸化炭素の圧力を設定値付近に制御することを便利にできる。
【0070】
本実施形態では、背圧弁は調節機構を備えており、ポンプ1が作動しているとき、背圧弁は、ポンプ1と背圧弁との間のパイプラインを一定の圧力に維持する。
【0071】
圧縮機3の入口の二酸化炭素の圧力値が設定値にならない場合、背圧弁の調節機構を調節することにより、二酸化炭素の圧力を調節する。
【0072】
より具体的には、本発明の一部の実施形態では、背圧弁内にばねが設けられ、圧力調節は内蔵ばねの弾性力を調節することによって実現される。
【0073】
二酸化炭素の圧力が設定の圧力値よりも低い場合、ダイヤフラムはばねの弾性力の作用でパイプラインを塞ぎ、二酸化炭素の圧力値を増大させる。
【0074】
一方、二酸化炭素の圧力が設定の圧力値よりも大きい場合、ダイヤフラムはばねを圧縮し、パイプラインを連通させ、二酸化炭素の圧力値を低下させる。
【0075】
本発明の他の実施形態では、背圧弁を脈動ダンパーと同時に使用し、脈動ダンパーを調節することによりポンプ1と背圧弁との間の圧力を調節することもできる。
【0076】
本実施形態における背圧弁は一方向弁、シーケンス弁などであってもよい。
【0077】
背圧弁は、構造がコンパクトで性能が安定しており、取付やテスト性に優れ、応答が敏感で、再現性も良いため、超臨界二酸化炭素の圧力監視に対する要求精度を十分に満たすことができる。
【0078】
好ましくは、
図1と
図4に示すように、超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムは予冷器240を含み、温度制御モジュール24が予冷器240の出力を調節することにより二酸化炭素の温度の調節を実現する。
【0079】
本実施形態では、圧力制御モジュール23によりガスの圧力を設定値に安定化させた後、赤外線分光計22による実際の分析から得られた超臨界二酸化炭素の透過率がまだ臨界の透過率と大きく異なる場合、温度制御モジュール24により二酸化炭素の温度を調節する。
【0080】
より具体的に、予冷器240の出力を調節することにより二酸化炭素の温度の調節を実現して赤外線分光計22によって分析された二酸化炭素の透過率が臨界条件下における二酸化炭素の透過率に近づくか、或いは到達するよう超臨界二酸化炭素の温度を正確に監視及び制御する。
【0081】
超臨界二酸化炭素は疑似臨界領域で物性が急激に変化する。
【0082】
したがって、圧縮機3の作動点を疑似臨界温度付近の高密度領域に制御し、熱交換器4の作動点を疑似臨界温度の後の低密度領域に制御することにより、二酸化炭素の冷却を確保して圧縮の電力消耗を削減する。
【0083】
また、超臨界二酸化炭素は一定の作動パラメータの範囲内では密度が高く、相変化がないという特性を有するため、超臨界二酸化炭素によるブレイトンサイクルシステムのサイクル効率をより向上させる。
【0084】
具体的には、温度制御モジュール24は、温度コントローラーを含むものであっても、温度コントローラーと通信接続しているものであってもよい。
【0085】
当該温度コントローラーは予冷器240の出力を調節でき、臨界条件下における二酸化炭素の温度に達するように、圧縮機3の入口の温度を調節する。
【0086】
当業者によって、背圧弁又は予冷器240と連動できるものであれば、圧力制御モジュールや温度制御モジュールの構造が特に限定されないことは自明である。
【0087】
圧力調節又は温度調節の具体的な回路設計も当業者にとって一般的な知識であり、ここでは詳細な説明をしない。
【0088】
好ましくは、赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム2は超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムに使用され、該超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムの構造を、単純ブレイトンサイクルと、再圧縮ブレイトンサイクルと、再圧縮部分冷却ブレイトンサイクルと、再圧縮再加熱ブレイトンサイクルと、再圧縮中間冷却ブレイトンサイクルのいずれか一つとする。
【0089】
本実施形態では、超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムにおいて、超臨界二酸化炭素が循環作動媒体として使用されるため、他の作動媒体と比較して、パイプライン設備への腐食速度がより低く、システム構造はコンパクトでスペースの占用が小さく、且つシステムはより高いサイクル効率を有する。
【0090】
赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム2は、あらゆる構造の超臨界ブレイトンサイクルシステムに適用され、実際の需要に応じて異なる構造の超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムにおける二酸化炭素の温度と圧力を正確に監視及び制御できて、異なる構造の超臨界二酸化炭素ブレイトンシステムのサイクル効率を向上させることができる。
【0091】
好ましくは、
図1と
図2に示すように、超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクルシステムは圧縮機3をさらに含み、テストセクション20は圧縮機3の入口に設置され、テストセクション20を通過した二酸化炭素は圧縮機3に入る。
【0092】
本実施形態では、圧縮機3に入る直前の二酸化炭素の状態を監視及び制御できるように、テストセクション20は圧縮機3の入口に設置される。
【0093】
テストセクション20を通過した二酸化炭素が圧縮機3に入ることにより、圧縮機3に入った二酸化炭素が臨界点に近づくか、或いは到達することができる。
【0094】
圧縮機3に入った二酸化炭素が臨界点からずれてガスの圧縮性が低下し、圧縮機3の消費電力の増加が回避されるとともに、異なる位相の作動媒体が圧縮機3のインペラーに激しく衝突し、ひいては圧縮機3内部の稼働部品の消耗を加速させ、圧縮機3の耐用年数に重大な影響を与えることを回避する。
【0095】
実際的な応用の需要に応じて、本実施形態におけるテストセクション20は圧縮機3の入口に設置されるが、これに限定されない。
【0096】
本発明の他の実施形態では、熱交換器4に二酸化炭素高密度領域が存在することにより一部の熱量が回収されなく、ひいてはシステムのサイクル効率が低下することを避けるように、熱交換器4などの設備の入口に設置してもよい。
【0097】
好ましくは、
図3に示すように、赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム2のテストセクション20は管状部品であり、その外周面に赤外線光源21からの検出ビームが通過するレンズ監視窓200が設けられる。
【0098】
本実施形態では、テストセクション20は管状部品であり、圧縮機3に連通するブレイトンサイクルシステムのパイプラインと一致するか、該パイプラインの一部をテストセクション20として直接採用するのに寄与する。
【0099】
外周面に赤外線光源21からの検出ビームが通過するレンズ監視窓200が設けられ、該レンズ監視窓200は、赤外線光源21からの検出ビームを透過させることができ、透過したビームと入射ビームに応じて、赤外線分光計22は二酸化炭素の透過率を分析できる。
【0100】
好ましくは、赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム2の検出ビームの波長範囲は1μm~5μmである。
【0101】
本実施形態では、超臨界二酸化炭素は1μm~5μmの赤外線スペクトルで強い吸収特性を有するため、主な吸収特徴ピークは2.8μmと4.2μmにあり、赤外線スペクトル特性分析による超臨界二酸化炭素状態監視及び制御システム2の検出ビームの波長範囲は1μm~5μmであり、この範囲内とすることにより、主な吸収特徴ピークを高い検出精度で検出することが確保できる。
【0102】
図5は本発明の実施形態の二酸化炭素が異なる温度における検出ビームの透過率の図である。
【0103】
図に示すように、圧力が7.5MPaであるとき、臨界温度付近で3600nm~3700nm範囲の波長の検出ビームに対する超臨界二酸化炭素の透過率から分かるように、該波長帯における二酸化炭素が透過率の温度変化に対する感度が高いため、該波長帯における二酸化炭素の透過率は、二酸化炭素の温度状態を表するものとして用いることができる。
【0104】
監視及び制御システム1が圧縮機3の入口における二酸化炭素の状態を監視及び制御するために用いられる場合、その透過率の変化範囲は臨界点付近の領域にある。
【0105】
監視及び制御システム1が熱交換器4、タービン6などの設備の入口にある二酸化炭素の状態を監視及び制御するために用いられる場合、その透過率の変化は臨界点から離れた領域にあり、そして一方向に変化する特徴を有している。
【0106】
監視及び制御システム1が圧縮機3の入口における二酸化炭素の状態を監視及び制御するために用いられる場合、圧力制御モジュール23がガスの圧力を設定値に安定させた後、赤外線分光計22により取得された透過率がその設定圧力と臨界温度における透過率に比較して差がかなり大きいとき、温度制御モジュール24が予冷器240の出力を調節して二酸化炭素の温度を低減又は増加させ、その透過率が低減されて臨界温度における透過率に近づくか、或いは到達する。
【0107】
監視及び制御システム1が熱交換器4、タービン6などの設備の入口の二酸化炭素の状態を監視及び制御するために用いられる場合、圧力制御モジュール23がガスの圧力を設定値に安定させた後、赤外線分光計22により取得された透過率がその設定圧力と臨界温度における透過率より高ければ、温度制御モジュール24が予冷器240の出力を調節することにより二酸化炭素の温度を低下させて、その透過率が低減されて臨界温度における透過率に近づくか、或いは到達する。
【0108】
赤外線分光計22により取得された透過率がその設定圧力と臨界温度における透過率より低ければ、温度制御モジュール24が予冷器240の出力を調節することにより二酸化炭素の温度を上昇させて、その透過率が増加されて臨界温度における透過率に近づくか、或いは到達する。
【0109】
したがって、温度制御モジュール24により予冷器240の出力を調節し、ガス温度を調節するとともに温度制御モジュール24によりガス透過率を臨界条件に対応する透過率付近に安定させることで、圧縮機3の入口の超臨界二酸化炭素の温度を臨界温度付近に制御し、圧縮機3の電力消耗を低減でき、圧縮機3の作動性能を向上させ、ブレイトンサイクルシステムの効率を向上させる。
【0110】
以上は、本発明の好ましい実施形態に過ぎないため、本発明を制限するものではない。本発明の精神及び原則以内でされた修正、同等の変更及び改良等は、本発明の保護の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0111】
1 ポンプ
2 監視及び制御システム
20 テストセクション
200 レンズ監視窓
21 赤外線光源
22 赤外線分光計
23 圧力制御モジュール
230 圧力センサ
24 温度制御モジュール
240 予冷器
3 圧縮機
4 熱交換器
5 熱源
6 タービン
7 発電機
【手続補正書】
【提出日】2021-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
近年、UHV送電容量の継続的な増加と再生可能エネルギー発電の大規模な系統
グリッド接続、及び国のますます厳しくなる環境保護要求に伴い、再生可能エネルギーの開発とエネルギーの効率的でクリーンな利用がエネルギー業界にとって主要な課題となっている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
監視及び制御システム2が圧縮機3の入口における二酸化炭素の状態を監視及び制御するために用いられる場合、その透過率の変化範囲は臨界点付近の領域にある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
監視及び制御システム2が熱交換器4、タービン6などの設備の入口にある二酸化炭素の状態を監視及び制御するために用いられる場合、その透過率の変化は臨界点から離れた領域にあり、そして一方向に変化する特徴を有している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0106】
監視及び制御システム2が圧縮機3の入口における二酸化炭素の状態を監視及び制御するために用いられる場合、圧力制御モジュール23がガスの圧力を設定値に安定させた後、赤外線分光計22により取得された透過率がその設定圧力と臨界温度における透過率に比較して差がかなり大きいとき、温度制御モジュール24が予冷器240の出力を調節して二酸化炭素の温度を低減又は増加させ、その透過率が低減されて臨界温度における透過率に近づくか、或いは到達する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0107】
監視及び制御システム2が熱交換器4、タービン6などの設備の入口の二酸化炭素の状態を監視及び制御するために用いられる場合、圧力制御モジュール23がガスの圧力を設定値に安定させた後、赤外線分光計22により取得された透過率がその設定圧力と臨界温度における透過率より高ければ、温度制御モジュール24が予冷器240の出力を調節することにより二酸化炭素の温度を低下させて、その透過率が低減されて臨界温度における透過率に近づくか、或いは到達する。