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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151574
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ゲームプログラム及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20220929BHJP
   A63F 9/24 20060101ALI20220929BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20220929BHJP
【FI】
A63F9/00 512B
A63F9/24 Z
A63F13/792
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213014
(22)【出願日】2021-12-27
(62)【分割の表示】P 2021054105の分割
【原出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小谷 英斗
(72)【発明者】
【氏名】中井 宏輔
(72)【発明者】
【氏名】礒邉 恭平
(72)【発明者】
【氏名】西村 悠紀
(57)【要約】
【課題】種々の種別の物品が入手しやすく、興趣性の高いプレイ体験を提供する。
【解決手段】ゲームプログラムは、一連のゲームのプレイ体験の提供を含むサービスを提供するコンピュータに、代価の支払いを検出する検出処理と、サービス提供開始に係る代価の支払いが検出されたことを条件として、一連のゲームを実行するよう制御する制御処理と、実行されたゲームについて提供手段に物品を提供させる提供制御処理と、を実行させるゲームプログラムであって、一連のゲームは、主ゲームと副ゲームとを含み、提供制御処理は、主ゲームと副ゲームとで異なる種別の物品を提供手段に提供させる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連のゲームのプレイ体験の提供を含むサービスを提供するコンピュータに、
代価の支払いを検出する検出処理と、
サービス提供開始に係る代価の支払いが検出されたことを条件として、前記一連のゲームを実行するよう制御する制御処理と、
実行されたゲームについて提供手段に物品を提供させる提供制御処理と、
を実行させるゲームプログラムであって、
前記一連のゲームは、主ゲームと副ゲームとを含み、
前記副ゲームは、ゲーム内容の異なる第1副ゲームと第2副ゲームとを含み、
前記提供制御処理は、
前記主ゲームと前記副ゲームとで異なる種別の物品を前記提供手段に提供させ、
前記第1副ゲームと前記第2副ゲームとで同一種別の物品を前記提供手段に提供させるゲームプログラム。
【請求項2】
前記一連のゲームにおいて、前記第1副ゲームの実行タイミングは前記第2副ゲームの実行タイミングよりも先に設けられる請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記第1副ゲームの実行タイミングは、前記主ゲームの実行中に設けられ、実行する場合には前記主ゲームが中断され、
前記第2副ゲームの実行タイミングは、前記一連のゲームの終了前であって、前記主ゲームの終了後に設けられる請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記第1副ゲーム及び前記第2副ゲームを実行可能とするか否かは、それぞれ所定の確率に基づいて決定される請求項2または3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記第1副ゲーム及び前記第2副ゲームに係る前記所定の確率は、前記一連のゲームの実行中において変動する請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記第1副ゲームが実行可能である場合に、サービス提供中の更なる代価の支払いを条件として前記第1副ゲームを実行可能である旨を通知する処理を、前記コンピュータにさらに実行させる請求項4または5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記第1副ゲームを実行可能である旨の通知中または通知後に更なる代価の支払いが検出されたことを条件として、前記第1副ゲームが実行される請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記第2副ゲームが実行可能である場合に、サービス提供中の更なる代価の支払いを条件として前記第2副ゲームを実行可能である旨を通知する処理を、前記コンピュータにさらに実行させる請求項4乃至7のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記第2副ゲームを実行可能である旨の通知中または通知後に更なる代価の支払いが検出されたことを条件として、前記第2副ゲームが実行される請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記一連のゲームにおいて、前記第1副ゲームの最大実行回数は複数回に設定され、前記第2副ゲームの最大実行回数は1回に設定される請求項3乃至9のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記第1副ゲームは、実行時間が前記第2副ゲームよりも短い請求項10に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記第1副ゲームは、実行中に必要とする操作入力の回数が前記第2副ゲームよりも少ない請求項10または11に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
前記第1副ゲームは、ゲーム要素の登場演出を含み、
前記提供制御処理は、前記ゲーム要素の登場演出中または登場演出の後に、前記提供手段に物品を提供させる請求項10乃至12のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項14】
前記第2副ゲームは、ゲーム要素を操作する演出を含み、
前記提供制御処理は、前記ゲーム要素を操作する演出の後に、前記提供手段に物品を提供させる請求項10乃至13のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項15】
前記主ゲームと前記副ゲームは、登場するゲーム要素が共通するコンテンツのゲームであるが、提供されるプレイ体験の内容が異なるゲームである請求項1乃至14のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項16】
前記提供制御処理において、前記副ゲームについて前記提供手段に提供させる物品は、前記主ゲームについて前記提供手段に提供させる物品よりも、前記一連のゲームにおける価値が高い請求項1乃至15のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項17】
一連のゲームのプレイ体験の提供を含むサービスを提供するゲーム装置であって、
代価の支払いを検出する検出手段と、
前記検出手段によりサービス提供開始に係る代価の支払いが検出されたことを条件として、前記一連のゲームを実行するよう制御する制御手段と、
実行されたゲームについて提供手段に物品を提供させる提供制御手段と、
を備え、
前記一連のゲームは、主ゲームと副ゲームとを含み、
前記副ゲームは、ゲーム内容の異なる第1副ゲームと第2副ゲームとを含み、
前記提供制御手段は、
前記主ゲームと前記副ゲームとで異なる種別の物品を前記提供手段に提供させ、
前記第1副ゲームと前記第2副ゲームとで同一種別の物品を前記提供手段に提供させるゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム及びゲーム装置に関し、特に物品の提供を伴う電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームの結果に応じて印刷内容を異ならせた物品を提供するゲーム装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-189276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のようにゲームの結果に応じて物品の印刷内容が制御される態様では、ユーザによっては特定の種類の物品を入手し難い状況が生じていた。
【0005】
本発明は、種々の種別の物品が入手しやすく、興趣性の高いプレイ体験を提供するゲームプログラム及びゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームプログラムは、一連のゲームのプレイ体験の提供を含むサービスを提供するコンピュータに、代価の支払いを検出する検出処理と、サービス提供開始に係る代価の支払いが検出されたことを条件として、一連のゲームを実行するよう制御する制御処理と、実行されたゲームについて提供手段に物品を提供させる提供制御処理と、を実行させるゲームプログラムであって、一連のゲームは、主ゲームと副ゲームとを含み、副ゲームは、ゲーム内容の異なる第1副ゲームと第2副ゲームとを含み、提供制御処理は、主ゲームと副ゲームとで異なる種別の物品を提供手段に提供させ、第1副ゲームと第2副ゲームとで同一種別の物品を提供手段に提供させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、種々の種別の物品が入手しやすく、興趣性の高いプレイ体験を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムのシステム構成を例示した図
図2】本発明の実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を例示したブロック図
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムで用いられるデータの構成例を示した図
図4】本発明の実施形態及び変形例に係るサーバ200の機能構成を例示したブロック図
図5】本発明の実施形態及び変形例に係る一連のゲーム中の各種ゲームの実行タイミングを例示した図
図6】本発明の実施形態に係る提示処理の実行により実現される機能モジュールの構成を例示した図
図7】本発明の実施形態に係る提示処理を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、物品提供を可能に構成されたゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、ゲームのプレイ体験の提供を含むサービスを提供し、種別の異なる物品を提供することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
また、本明細書において、「サービス提供」とは、対価の支払いを行った利用者(プレイヤ)に対して、該ゲーム装置を占有して利用する権限を一時的に与え、一連のゲームのプレイ体験の提供を含む役務を提供することを意味する。1人のプレイヤに対するサービス提供の開始は、サービス提供がなされていない状態で対価の支払いが検出されたことを条件とするものであり、基本的には1回のサービス提供に対して利用可能に設けられたゲーム装置の機能の実行(一連のゲームの実行を含む)が完了した後に提供は終了する。
【0012】
《ゲームシステムの構成》
図1は、本実施形態に係るゲームシステムのシステム構成を示した図である。図示されるように、ゲームシステムは、ネットワーク300を介することで、サーバ200と1以上のゲーム装置100の各々とが通信可能に構成される。
【0013】
本実施形態では、このようなシステム構成により、サーバ200及びネットワーク300を介して、複数のゲーム装置100を利用するプレイヤ間での対戦ゲームが実現可能に構成されるものとする。また、ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームは、プレイヤ間の対戦ゲームに限られるものではなく、1人用に構成されたゲームを含むものであってよい。
【0014】
また詳細は後述するが、サーバ200は、ゲーム装置100の利用に際してプレイヤが識別された場合、即ち、いずれのプレイヤであるかが識別された状態でサービス提供が行われた場合に、その利用内容(ゲームのプレイ履歴)に基づいて各プレイヤについて管理する情報を更新する。
【0015】
〈ゲーム装置の構成〉
図2は、本発明の実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0016】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0017】
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータの情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータ等を記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0018】
支払検出部104は、ゲーム装置100において代価の支払いがなされたことを検出する。代価の支払いは、例えばゲーム装置100が有する不図示の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決算処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置100は、サービス提供開始に係る代価の支払いに基づいて、一連のゲームのプレイ体験の提供を含むサービスの提供を開始するものとして説明する。また代価の支払いは、サービス提供の開始後も検出可能に構成される。
【0019】
取得部105は、本実施形態のゲーム装置100が備える、物品からの情報取得に係るインタフェースである。具体的には取得部105は、複数の種別の物品から、該物品に付された情報を取得可能に構成されたリーダを具備している。ここで、取得部105が情報取得可能な複数の種別の物品は、いずれもゲーム装置100において提供可能に構成される、物理的な体積を有する物品(現実物品)であるものとして説明する。
【0020】
本実施形態では複数の種別の物品はいずれもゲームカードであり、それぞれ、ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームに登場する1つのゲーム要素(キャラクタ、搭乗物、アイテム等)が対応付けられているものとして説明する。ゲームカードにいずれのゲーム要素が対応付けられているかは、該ゲームカードに付されたゲーム要素を特定するための情報(識別情報)を取得部105が取得することで特定できる。ゲームカードへの識別情報の付加は、例えば識別情報を変換して得られた1次元あるいは多次元のコードがゲームカードに印刷等で付されることにより実現されるものであってもよいし、ゲームカードに内包される近距離通信(NFC:Near Field Communication)用のタグやICチップに記録される等、他の方式で実現されるものであってもよい。
【0021】
なお、本実施形態では、複数の種別のゲームカードからの情報取得が、取得部105に設けられた単独のリーダにより行われるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。複数の種別のゲームカードからの情報取得は、複数種類のリーダにより行われるものであってもよいことは言うまでもない。
【0022】
この他、取得部105は、ゲーム装置100を利用するプレイヤを識別するために、プレイヤIDを記録した物品からの情報取得も行う。本実施形態ではプレイヤIDを記録した物品は、ゲームカードと同様にカードの態様で構成されたプレイヤカードであり、ゲームカードと共通のリーダを介して情報取得が可能であるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、プレイヤの識別については他の物品や方式を採用することで実現されるものであってよい。
【0023】
要素DB106は、ゲームに登場するゲーム要素の各々についての情報(要素情報)を管理するデータベースである。本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤはゲームプレイ時にゲームカードを配置して情報取得を行わせることで、該ゲームカードに対応付けられたゲーム要素をゲームに登場させることができる。1体のゲーム要素について管理される要素情報は、例えば図3(a)に示されるように、ゲーム要素を一意に特定する要素ID(識別情報)301に関連付けて、該ゲーム要素に対して割り当てられたゲームにおける種別を示す種別情報302、該ゲーム要素をゲームに登場させる際の画面生成に用いられるグラフィックスデータ等を含む描画用情報303、及び該ゲーム要素の名称、属性等に加え、該ゲーム要素の要素レベルごとに定められたパラメータや該ゲーム要素を使用することで発動する効果等を記述したパラメータ情報304を含む。パラメータ情報304は、ゲーム要素を登場させるゲームにおいて参照される情報であり、該ゲームの進行制御に関与する。
【0024】
なお、本実施形態では要素DB106に、グラフィックスデータが格納され、要素情報がこれらデータを含むものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。要素情報には、該当のデータの格納場所を示す情報が含まれるものであってもよい。
【0025】
提示制御部107は、ゲーム装置100におけるプレイヤへの各種情報提示の制御を司る。本実施形態のゲーム装置100では、各種情報提示の手段として、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う表示部120を備えるものとして説明するが、情報提示の手段はこれらに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。情報提示の手段の一例である表示部120は、例えば液晶ディスプレイ等の視覚的情報提示を行う表示装置である。この他、他の情報提示の手段が設けられる態様では、例えば聴覚的情報提示を行うスピーカ等、適切な装置が、提示制御部107により制御可能に接続される。
【0026】
提示制御部107は、例えばGPU等の描画装置を含み、表示部120に表示させる画面を生成する際には所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部107は、ゲーム装置100の起動中(サービス提供中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクト(グラフィックスデータ)に対して必要な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、表示部120に出力され、所定の表示領域中に表示されることでプレイヤに提示される。
【0027】
提供制御部108は、サービス利用に係りなされた代価の支払いに対して、ゲームカードの提供がなされるよう、第1提供部130、第2提供部140及び第3提供部150の動作を制御する。第1提供部130及び第2提供部140は、収容部に収容されたゲームカードを1枚ずつ提供可能に構成されたカードディスペンサで構成される。本実施形態のゲーム装置100は、3種類のカードディスペンサ(第1提供部130、第2提供部140及び第3提供部150)をゲーム装置100の筐体内部に備え、提供制御部108により、いずれからゲームカードの提供を行うかの制御がなされる。1つのカードディスペンサは、鉛直方向にゲームカードを積層する態様で収容可能に構成された収容部を有し、提供制御部108によりなされた提供命令に応じて最下層に保持されているゲームカードを1枚送出する機構を具備する。送出されたゲームカードは、不図示の取出口を介してアクセス可能なスペースに導かれ、プレイヤに提供される。
【0028】
上述したように、本実施形態のゲーム装置100が提供するゲームカードにはゲーム要素が対応付けられ、ゲームプレイに際して使用することで、該ゲーム要素をゲームに登場させることができる。ゲームは、登場したゲーム要素のパラメータ情報304に応じて進行制御がなされるものであり、より有利に進行せしめるパラメータ情報304を有するゲーム要素ほど、ゲームにおける価値が高い。従って、本実施形態ではゲームカードは、対応付けられたゲーム要素のゲームにおける価値に応じて2種類の種別に分類されている。
【0029】
本実施形態のゲーム装置100は、各種別のゲームカードを提供し分けることが可能なように構成される。具体的には、第1提供部130と第2提供部140及び第3提供部150とは、異なる種別のゲームカードが収容部に収容され、制御部101によりなされた提供命令に含まれる提供種別の情報に基づいて、提供制御部108が対応する提供部が駆動させることで、特定の種別のゲームカードを提供可能なように構成されている。このため、ゲームカードは種別(第1種別と第2種別)ごとにゲーム装置100の設置店舗等に納品され、ゲームカード補充の際には、第1提供部130の収容部には第1種別のゲームカードの束を、第2提供部140及び第3提供部150の収容部には第2種別のゲームカードの束を収容するよう運用されるものとする。
【0030】
ここで、第2提供部140及び第3提供部150に収容されるゲームカードは、第1提供部130に収容されるゲームカードよりも、ゲームにおける価値(対応付けられたゲーム要素の性能等)が高く設定されているものとし、以下では、第1提供部130に収容されるゲームカードを通常カード、第2提供部140及び第3提供部150に収容されるゲームカードをレアカードとして言及する。つまり、本実施形態のゲーム装置100は、第1提供部130が駆動される場合には通常カードを提供し、第2提供部140及び第3提供部150が駆動される場合にはレアカードを提供するように構成されている。なお、第2提供部140と第3提供部150に収容されるゲームカードは、いずれもレアカードという観点では同一の種別の物品ではあるが、両者は例えば対応付けられるゲーム要素の種類が異なる等で異なっていてよく、用途に応じて提供し分けが可能に分離収納されるものとする。
【0031】
操作入力部109は、例えば決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部109は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。なお、操作入力部109は、例えば表示部120の画面上になされたタッチ入力を検出するタッチ入力検出センサ等を含むものであってもよい。
【0032】
通信部110は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部110は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク300(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部110は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してサーバ200等の外部装置に送信する。また通信部110は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、メモリ103に格納する。
【0033】
〈サーバの構成〉
次に、本実施形態に係るサーバ200の機能構成について、図4のブロック図を用いて説明する。なお、サーバ200の機能構成の説明において、ゲーム装置100が有する構成と同様の機能を実現する構成については、ゲーム装置100の構成と峻別するために、「サーバ」との接頭語を付して示すものとする。
【0034】
サーバ制御部201は、例えばCPUであり、サーバ200が有する各ブロックの動作を制御する。具体的にはサーバ制御部201は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0035】
サーバ記録媒体202は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。サーバ記録媒体202は、サーバ200が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記憶する。サーバメモリ203は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。サーバメモリ203は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0036】
プレイヤDB204は、本実施形態のゲームシステムにおいて、ゲーム装置100でプレイ体験が提供されるゲームについて、各利用者(プレイヤ)に対応付けられたゲームに係る利用状況を示す情報(プレイヤ情報)を管理するデータベースである。プレイヤ情報は、各プレイヤについて、ゲームプレイの機能の利用履歴や、該プレイヤについて使用可能となっている各種ゲーム要素を管理するための情報である。プレイヤ情報は、ゲーム装置100においてプレイヤカードを使用した上で行われたゲームのプレイ結果に応じて順次更新され、該プレイヤカードが再度使用される際にはゲーム装置100に提供される。これにより、当該ゲーム装置100において、先のゲームプレイを反映した状態でのゲームプレイが提供可能となる。
【0037】
本実施形態ではプレイヤ情報は、例えば図3(b)に示されるように、プレイヤを識別するプレイヤID311に関連付けて、該プレイヤのゲームプレイの進行状況を示す進行状況情報312、該プレイヤについてゲームで使用可能となっているゲーム要素を示す所有情報313、使用可能となっているゲーム要素各々の強化状況を示す強化状況情報314、及び該プレイヤに対して付与された報酬(他の種別のゲーム要素であってもよい)を示す報酬情報315を含むものであってよい。
【0038】
ここで、進行状況情報312は、所定のストーリーのいずれの段階まで進行したかを示す進行情報321、対戦ゲームの戦績を示す戦績情報322等に加え、プレイヤのプレイ状況を評価した評価情報323を含むものであってよい。所有情報313は、プレイヤがゲームプレイに際して使用したゲームカードに対応付けられたゲーム要素、即ち、該プレイヤが使用可能な状態にあるゲーム要素の要素ID301が順次追加されて構成され、強化状況情報314は、少なくとも強化が行われている(初期状態からの変更がなされている)ゲーム要素について、該ゲーム要素の要素ID331に関連付けて、強化により変動したパラメータを示す指標としての要素レベル332を管理するように構成されるものであってよい。強化状況情報314は、本実施形態では発明の理解を容易にならしめるべく、ゲーム装置100において行われたゲームのプレイ結果が得られた場合に、内容の更新がなされるものとして説明するが、例えばゲーム装置100に際して育成に係る機能が利用されたことによる育成結果の情報が得られたこと等に応じて更新がなされるものであってよい。
【0039】
マッチング処理部205は、本実施形態のゲームシステムにおいて提供されるプレイヤ間の対戦ゲーム(対人対戦)について、マッチングの処理を行う。マッチングの処理により、サーバ200に接続中のゲーム装置100のうち、例えば同時期にマッチング要求を送信した2台のゲーム装置100についてセッションを設けられ、対戦ゲームに係る情報通信が可能な状態に遷移される。
【0040】
管理部206は、ゲーム装置100において行われたゲームのプレイ内容に基づいて、ゲームに係るプレイヤの評価を管理する。より詳しくは、管理部206は、1回のゲームプレイごとにプレイ内容に基づいてプレイヤの評価を行い、該プレイヤに係るプレイヤ情報の評価情報323を生成または更新する。
【0041】
サーバ通信部207は、サーバ200が有する外部装置との通信インタフェースである。サーバ通信部207は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク300(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。サーバ通信部207は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してゲーム装置100等の外部装置に送信する。またサーバ通信部207は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、サーバメモリ203に格納する。
【0042】
《一連のゲームの概要》
以下、本実施形態のゲーム装置100においてプレイ体験が提供される一連のゲームについて、その概要を説明する。
【0043】
電源が投入されて起動すると、ゲーム装置100はサーバ200に接続した状態となり、サービス提供を受け付け可能なスタンバイ状態に遷移する。スタンバイ状態において代価の支払いが検出されると、ゲーム装置100はサービス提供状態に遷移し、一連のゲームのプレイ体験の提供を含むサービスの提供を開始する。従って、スタンバイ状態からサービス提供状態に移行ならしめる代価の支払いは、サービス提供開始に係る代価の支払いに相当する。
【0044】
サービスの提供が開始されると、例えばプレイヤカードの読み取り、対応するプレイヤ情報の受信、及び通常カードの提供を経た後に、制御部101は一連のゲームに係るゲーム処理を実行する。本実施形態では、サービス提供開始に係る代価の支払いに対する1回のサービス提供は、1枚の通常カードの提供と、それに続く1回の一連のゲームの実行を含むものとして説明する。より詳しくは、サービス提供開始に係る代価の支払いに対する1回のサービス提供は、1回の一連ゲームに含まれる後述のメインゲームのプレイ体験の提供と、該メインゲームに対する1枚の通常カードの提供とを含む。しかしながら、本発明の実施に際し、通常カードの提供数や提供タイミングがこれに限られるものではないことは理解されよう。
【0045】
一連のゲームは、ゲームカードを用いて登録したゲーム要素(使用ゲーム要素)を使用する、対人または対CPUの対戦ゲームであるメインゲーム(主ゲーム)と、1回のサービス提供中にランダムで発生し得る、メインゲームとは異なるサブゲーム(副ゲーム)とを含んで構成される。ここで、サブゲームは、一連のゲーム中の所定のタイミングに実行タイミングが設定されており、該実行タイミングについて実行されるか否かの抽選処理が行われ、抽選結果が当選であり、かつ、サービス提供中の更なる代価の支払いが検出されたことに応じて実行される。本実施形態では、一連のゲーム中に設定されたサブゲームの実行タイミングのたびに抽選処理を行い、サブゲームの実行制御を行うものとし、一連のゲーム中に必ずしもサブゲームは実行されない態様について説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、1回のサービス提供に係り実行される一連のゲーム中、少なくとも1回のサブゲームの実行機会が担保される(更なる代価の支払いは条件とする)よう制御されるものであってもよい。
【0046】
また、本実施形態のゲーム装置100では、サブゲームが1回実行されるごとに1枚のレアカードを提供するよう制御される。詳細は後述するが、サブゲームが実行された場合、提供制御部108は、これに伴い第2提供部140または第3提供部150にゲームカードを1枚提供させるよう制御を行う。従って、本実施形態の提供制御部108は、メインゲームとサブゲームとで異なる種別のゲームカードを提供させるよう構成されている。
【0047】
メインゲームとサブゲームとは、登場するゲーム要素が共通するコンテンツのゲームである点で共通するが、提供されるプレイ体験の内容は異なる。上述したように、メインゲームは対戦ゲームであり、開始に先立ってプレイヤと対戦相手(マッチングした他のプレイヤまたはCPUキャラクタ)のそれぞれについて、ゲームカードからの情報取得に基づいて一群の使用ゲーム要素を登録し、該登録した一群の使用ゲーム要素が所定のゲームフィールド中で対戦行動をとりながら進行する。このとき、メインゲームの進行は、使用ゲーム要素に対してなされた操作入力と、一群の使用ゲーム要素のパラメータとに基づいて制御される。これに対し、サブゲームには、本発明に係る第1副ゲーム及び第2副ゲームとしての、メインゲームとは異なるプレイ体験をそれぞれ提供する以下の2種類のゲームが含まれる。
【0048】
サブゲームの一方は、本発明に係る第1副ゲームとしてのサルベージゲームである。サルベージゲームは、メインゲームに使用可能なゲーム要素の入手機会をプレイヤに提供するゲームであり、例えば、進行中のゲームフィールド等におけるゲーム要素の発掘(サルベージ)の結果として、1つのゲーム要素に係るレアカードを提供する。サルベージゲームにおけるレアカードの提供は、第2提供部140が駆動されることにより実現される。サルベージゲームでは、レアカード提供に係る興趣性を向上させるべく、レアカードに対応付けられるゲーム要素のうちからランダムに選択されたゲーム要素について、該ゲーム要素の登場演出の提示がなされる。そして提供制御部108は、当該登場演出の提示中または提示後に第2提供部140を駆動させ、レアカードを提供させる。
【0049】
サブゲームの他方は、本発明に係る第2副ゲームとしてのボスゲームである。ボスゲームは、サルベージゲームと同様に、メインゲームに使用可能なゲーム要素の入手機会をプレイヤに提供するゲームであるが、例えばサルベージゲームとは異なり、メインゲームのように使用ゲーム要素に対する操作入力を要する対戦演出を含むゲームである。より詳しくは、本実施形態のボスゲームは、対戦相手について登録された一群の使用ゲーム要素が対戦行動の対象となる対戦ゲームではなく、例えば使用ゲーム要素よりも強力に構成(ゲームを有利に進行せしめるパラメータが設定)されたボスキャラクタが対戦行動の対象となる対戦ゲームである。ボスゲームは、このような対戦演出を含むゲームの終了後に、1つのゲーム要素に係るレアカードを提供する。ボスゲームにおけるレアカードの提供は、第3提供部150が駆動されることにより実現される。即ち、提供制御部108は、ボスキャラクタに係る対戦ゲームの終了後に第3提供部150を駆動させ、レアカードを提供させる。
【0050】
このように、サブゲームは、種類ごとにレアカードを提供するカードディスペンサが異なり、また提示される演出内容が異なって構成される。また、これらのサブゲームの違いは、一連のゲームにおける実行タイミング、最大実行回数、及び実行時間にも表れる。
【0051】
図5は、本実施形態のゲーム装置100でプレイ体験が提供される一連のゲームにおいて、メインゲーム、サルベージゲーム及びボスゲームのそれぞれの実行されるタイミングを例示した図である。図示されるように、サルベージゲームの実行タイミングは、一連のゲームにおけるメインゲームの実行期間中に複数回設けられる。対して、ボスゲームの実行タイミングは、一連のゲームの終了前であってメインゲームの終了後に1回のみ設けられる。即ち、一連のゲームにおいて、サルベージゲームの実行タイミングは、ボスゲームの実行タイミングよりも先に設けられる。
【0052】
ここで、各サブゲームの実行タイミングとは、必ずしも実行することが確定しているわけではなく、上述したように当該実行タイミングに至った際に実行するか否かの抽選処理が実行され、さらにその抽選処理が当選である場合に実行可能となる。サブゲームが実行可能となった場合には、サービス提供中の更なる代価の支払いを条件として該当のサブゲーム(サルベージゲームまたはボスゲーム)が実行可能である旨がゲーム装置100において通知される。そして、該通知の通知中または通知後に更なる代価の支払いが検出されたことを条件として、該当のサブゲームが実行されるよう制御される。
【0053】
本実施形態では、サルベージゲーム及びボスゲームに係る抽選処理は、プレイヤ間の公平性を担保すべく、それぞれ予め定められた当選確率を用いて行われるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、興趣性を向上させるために、例えばサルベージゲームの実行回数、メインゲームにおける進行状況等に応じて当選確率を変動させるよう制御されるものであってもよい。
【0054】
なお、図5に示されるように、サルベージゲームは、メインゲームの実行中に、当該メインゲームの処理を一時中断して実行されるものであるため、メインゲームに対するプレイヤの集中を妨げないよう、簡易に終了可能に構成されることが好ましい。よって、本実施形態のサルベージゲームは、特定の操作入力を要しない、あるいは、選択操作等の簡易な操作のみで終了でき、ゲーム要素の登場演出の提示のみで実行時間も短く設定される。一方、ボスゲームは、メインゲームの終了後に実行されるものであるため、メインゲームに対するプレイヤの集中を妨げることはない。従って、本実施形態のボスゲームは、ゲーム要素の操作する演出を含む、より興趣性の高いゲームとして構成され、実行時間もその分サルベージゲームに比べて長く設定される。換言すれば、本実施形態のゲーム装置100では、サルベージゲームは、実行時間がボスゲームよりも短く、実行中に必要とする操作入力の回数もボスゲームより少なく構成されている。
【0055】
《サービス提供に係るモジュール構成》
このような本実施形態のゲーム装置100におけるサービス提供を実現するモジュール構成について、図6を参照して説明する。図6は、ゲーム装置100においてサービス提供に係るプログラムが実行されることで、制御部101により実現される機能モジュール群を例示した図である。
【0056】
進行管理モジュール601は、一連のゲームの実行を含む、提供するサービスの進行を管理する機能モジュールである。進行管理モジュール601は、サービス提供開始に係る代価の支払いが検出されたことを受けて、サービス提供に係る処理(以下の提供処理)の開始、一連のゲームの処理の開始、一連のゲーム中の各サブゲームの実行タイミングに至ったかの判断、一連ゲームの処理の終了判断、サービス提供終了の処理を行う。
【0057】
メインゲームモジュール602、サルベージゲームモジュール604及びボスゲームモジュール605は、それぞれ一連のゲームのうちのメインゲーム、サルベージゲーム及びボスゲームを実行する機能モジュールである。メインゲームモジュール602、サルベージゲームモジュール604及びボスゲームモジュール605は、進行管理モジュール601からの指示に基づいて、該当するゲームに係る処理を実行する。
【0058】
実行決定モジュール603は、各サブゲームの実行タイミングに至った際の、該サブゲームを実行可能とするか否かの判断を行う。より詳しくは、実行決定モジュール603は、各実行タイミングにおいて所定の当選確率に基づいて抽選処理を実行し、サブゲームを実行可能とするかの判断を行う。判断結果は進行管理モジュール601にリターンされ、サルベージゲームモジュール604及びボスゲームモジュール605の動作制御に用いられる。
【0059】
〈提供処理〉
以下、このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100において、サービス提供に係る処理を実行する提供処理について、図7のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。より詳しくは、本提供処理を実行することで、制御部101は図6に示した各機能モジュールを実現し、以下の処理を行うことができる。なお、本提供処理は、例えばサービス提供開始に係る代価の支払いが検出された際に開始されるものとして説明する。
【0060】
S701で、進行管理モジュール601は、今回のサービス提供に係る通常カードの提供を提供制御部108に行わせる。提供制御部108は、進行管理モジュール601による指示に基づいて、第1提供部130を駆動させて通常カードを提供させる。
【0061】
S702で、メインゲームモジュール602は進行管理モジュール601の制御の下、今回のサービス提供に係るメインゲームの処理を開始する。
【0062】
S703で、進行管理モジュール601は、サルベージゲームの実行タイミングに至ったか否かを判断する。上述したように、サルベージゲームの実行タイミングはメインゲーム実行中に複数回設けられており、本ステップにおいて進行管理モジュール601は、そのいずれかの実行タイミングに至ったか否かを判断する。進行管理モジュール601は、サルベージゲームの実行タイミングに至ったと判断した場合は処理をS704に移し、至っていないと判断した場合は処理をS707に移す。
【0063】
S704で、実行決定モジュール603は進行管理モジュール601の制御の下、抽選処理を行い、サルベージゲームを実行可能とするか否かを決定する。実行決定モジュール603は、サルベージゲームを実行可能とすると決定した場合(抽選処理で当選)は処理をS705に移し、実行不可能とすると決定した場合は処理をS707に移す。
【0064】
S705で、進行管理モジュール601は、更なる代価の支払いによりサルベージゲームを実行可能である旨を提示制御部107に通知させる。そして進行管理モジュール601は、当該通知中または当該通知後から所定時間内に更なる代価の支払いがなされた場合には処理をS706に移す。なお、進行管理モジュール601は、該当の期間に更なる代価の支払いがなされなかった場合には、サルベージゲームを実行しないものとして処理をS707に移せばよい。
【0065】
S706で、サルベージゲームモジュール604は、サルベージゲームを実行する。より詳しくは、サルベージゲームモジュール604は、ゲーム要素の登場演出を提示制御部107に提示させつつ、今回実行したサルベージゲームに係るレアカードの提供を提供制御部108に行わせ、サルゲージゲームを終了する。提供制御部108は、サルベージゲームモジュール604による指示に基づいて、第2提供部140を駆動させてレアカードを提供させる。
【0066】
S707で、進行管理モジュール601は、メインゲームの処理が終了したか否かを判断する。進行管理モジュール601は、メインゲームの処理が終了したと判断した場合は処理をS708に移し、終了していないと判断した場合は処理をS703に戻す。
【0067】
S708で、進行管理モジュール601は、ボスゲームの実行タイミングに至ったか否かを判断する。進行管理モジュール601は、ボスゲームの実行タイミングに至ったと判断した場合は処理をS709に移し、至っていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
【0068】
S709で、実行決定モジュール603は進行管理モジュール601の制御の下、抽選処理を行い、ボスゲームを実行可能とするか否かを決定する。実行決定モジュール603は、ボスゲームを実行可能とすると決定した場合は処理をS710に移し、実行不可能とする決定した場合は処理をS712に移す。
【0069】
S710で、進行管理モジュール601は、更なる代価の支払いによりボスゲームを実行可能である旨を提示制御部107に通知させる。そして進行管理モジュール601は、当該通知中または当該通知後から所定時間内に更なる代価の支払いがなされた場合には処理をS711に移す。なお、進行管理モジュール601は、該当の期間に更なる代価の支払いがなされなかった場合には、ボスゲームを実行しないものとして処理をS712に移せばよい。
【0070】
S711で、ボスゲームモジュール605は、ボスゲームを実行する。より詳しくは、ボスゲームモジュール605は、ゲーム要素を操作する演出含むボスゲームの実行後、今回実行したボスゲームに係るレアカードの提供を提供制御部108に行わせ、ボスゲームを終了する。提供制御部108は、ボスゲームモジュール605による指示に基づいて、第3提供部150を駆動させてレアカードを提供させる。
【0071】
S712で、進行管理モジュール601は、今回のサービス提供を終了させる処理を実行し、ゲーム装置100の状態をサービス提供中からスタンバイ状態に遷移させて本提供処理を完了する。
【0072】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、サブゲームを実行すればメインゲームと異なる種別の物品(レアカード)が確定で提供されることを把握できるため、1回のサービス提供に係る一連のゲームの実行中において、プレイヤが所望の種別の物品を入手しやすくなり、結果興趣性の高いプレイ体験が提供される。
【0073】
[変形例]
上述した実施形態では、2種類のサブゲーム(サルベージゲームとボスゲーム)のそれぞれで異なるカードディスペンサからレアカードを提供する態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。両種類のサブゲームについて、同一のカードディスペンサからレアカードを提供するものとしてもよい。
【0074】
また本発明は、多様な種別の物品をプレイヤがより入手しやすくなるものであればよく、サブゲームについて提供される物品は、メインゲームについて提供される物品と異なる種別の物品であればよい。例えば、メインゲームについて物理的な体積を有するゲームカード(リアルカード)が提供される態様において、サブゲームについて物理的な体積を有しない仮想ゲームカード(ゲーム上、現実物品と同等に機能する電子的な物品)を提供するものとしてもよい。
【0075】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形・変更が可能である。また本発明に係るゲーム装置は、1以上のコンピュータを該ゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
【符号の説明】
【0076】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記録媒体、103:メモリ、104:支払検出部、105:取得部、106:要素DB、107:提示制御部、120:表示部、108:提供制御部、130:第1提供部、140:第2提供部、150:第3提供部、109:操作入力部、110:通信部、200:サーバ、201:サーバ制御部、202:サーバ記録媒体、203:サーバメモリ、204:プレイヤDB、205:マッチング処理部、206:管理部、207:サーバ通信部、300:ネットワーク、501:進行管理モジュール、502:メインゲームモジュール、503:実行決定モジュール、504:サルベージゲームモジュール、505:ボスゲームモジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7