(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151648
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】圧延制御装置および圧延制御方法
(51)【国際特許分類】
B21B 37/00 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
B21B37/00 260
B21B37/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025283
(22)【出願日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2021048216
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋宗 広祐
(72)【発明者】
【氏名】杉山 智彦
(72)【発明者】
【氏名】早田 慎一朗
【テーマコード(参考)】
4E124
【Fターム(参考)】
4E124AA07
4E124AA08
4E124CC02
4E124EE02
4E124GG03
4E124GG10
(57)【要約】
【課題】圧延時のパス間の許容計算時間内に圧延制御のための計算を完了させる圧延制御装置および圧延制御方法を提供する。
【解決手段】可逆式圧延機を用いて、複数パスの圧延を制御する装置であって、深層学習によりあらかじめ作成された圧延モデルを用いて圧延後の寸法誤差を低減する圧延条件を求める計算処理部を有し、前記計算処理部は、事前にモデル計算用の係数を抽出し、所定の圧延パスの終了後、圧延プロセスコンピュータの説明変数収集部が収集し伝達してきた所定の説明変数と前記圧延モデルに基づき、または、逆解析により、次パスの圧延条件を選定し、圧延プロセスコンピュータの圧延条件決定部に伝達するように構成されている圧延制御装置である。圧延モデルは、計算処理部とは異なるコンピュータによって作成されるものであって、実操業データからなる教師データに基づき、深層学習により構成されるものであることが好ましい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可逆式圧延機を用いて、複数パスの圧延を制御する装置であって、
深層学習によりあらかじめ作成された圧延モデルを用いて圧延後の寸法誤差を低減する圧延条件を求める計算処理部を有し、
前記計算処理部は、事前にモデル計算用の係数を抽出し、所定の圧延パスの終了後、圧延プロセスコンピュータの説明変数収集部が収集し伝達してきた所定の説明変数と前記圧延モデルに基づき、または、逆解析により、次パスの圧延条件を選定し、圧延プロセスコンピュータの圧延条件決定部に伝達するように構成されていることを特徴とする圧延制御装置。
【請求項2】
前記圧延モデルは、前記計算処理部とは異なるコンピュータによって作成されるものであって、実操業データからなる教師データに基づき、深層学習により構成されるものであることを特徴とする請求項1に記載の圧延制御装置。
【請求項3】
前記計算処理部で誤差を低減する寸法が板厚であって、
前記計算処理部は、前記次パスの圧延における圧延荷重を予測し、予測した圧延荷重を圧延条件として選定するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧延制御装置。
【請求項4】
前記計算処理部で誤差を低減する寸法が板幅であって、
前記計算処理部は、前記次パスの圧延による板幅を予測し、予測した板幅と目標値との差を低減する圧延条件を選定するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧延制御装置。
【請求項5】
可逆式圧延機を用いて、複数パスの圧延を制御する方法であって、
深層学習によりあらかじめ作成した圧延モデルを用いて圧延後の寸法誤差を低減する圧延条件を求める計算処理をコンピュータで実行し、
前記計算処理では、事前にモデル計算用の係数を抽出し、所定の圧延パスの終了後に、圧延プロセスコンピュータが収集した所定の説明変数と前記圧延モデルに基づき、または、逆解析により、次パスの圧延条件を選定し、圧延プロセスコンピュータの圧延条件決定部に伝達することを特徴とする圧延制御方法。
【請求項6】
前記圧延モデルは、前記計算処理を行うコンピュータとは異なるコンピュータで作成し、実操業データからなる教師データに基づき、深層学習することを特徴とする請求項5に記載の圧延制御方法。
【請求項7】
前記計算処理で誤差を低減する寸法が板厚であって、
前記計算処理では、前記次パスの圧延における圧延荷重を予測し、予測した圧延荷重を圧延条件として選定することを特徴とする請求項5または6に記載の圧延制御方法。
【請求項8】
前記計算処理で誤差を低減する寸法が板幅であって、
前記計算処理では、前記次パスの圧延による板幅を予測し、予測した板幅と目標値との差を低減する圧延条件を選定することを特徴とする請求項5または6に記載の圧延制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板圧延により鋼板を製造する際に板厚や板幅などの寸法精度を向上させた圧延制御装置および圧延制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧延機による鋼板(圧延材)の圧延においては、圧延後の板厚や板幅を目標値に近づけて、目標値に対する偏差を低減するための制御が行われており、たとえば、板厚の制御に関しては自動板厚制御(AGC)を用いている。この板厚制御の方式には、主に圧延荷重を予測して初期の圧下位置を設定する設定制御と、圧延中の板厚を実測あるいはモデルにより予測して、目標値との偏差がゼロになるように圧下位置を変更する動的制御とがあげられる。板幅制御についても同様である。
【0003】
設定制御において圧延荷重を予測する技術として、例えば非特許文献1に記載されている板圧延理論を基礎とした圧延荷重計算モデルをプロセスコンピュータに組み込んで、圧延スケジュールに沿って各パスの圧延荷重を算出する技術が知られている。
【0004】
一方、動的制御の一例として、特許文献1には、可逆式圧延機において、短時間で圧延荷重を精度良く予測し、板厚制御の精度向上を図るために、前パス圧延後の所定の操業因子の実績値を取得し、対象圧延材データに含まれる該操業因子の設定値と置き換えて、算出された影響係数に基づいて次パスの圧延荷重を予測する圧延制御技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、圧延パス途中では、各パス毎の実績値を計測して学習計算による適応制御を行い、次パスの設定を最適とする厚板圧延方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-66569号公報
【特許文献2】特開平07-60320号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】日本鉄鋼協会編、板圧延の理論と実際(特別報告書No.36)、昭和59年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の従来技術には、未だ解決すべき以下のような問題があった。
特許文献1のように、従来の計算方法では、圧延理論を基礎とするような予測計算モデルを圧延プロセスコンピュータ内で計算し、圧延スケジュールに当てはめることで圧延を行っていたが、予測誤差等の影響で精度が上がらないといった問題点があった。
【0009】
また、上記特許文献2に記載された技術では、機械学習を用いた計算を行うにしても、計算時間がかかり圧延のパス間で許容されている計算時間内に計算を完了させることができないといった問題点が存在した。
【0010】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧延時のパス間の許容計算時間内に圧延制御のための計算を完了させる圧延制御装置および圧延制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決し、上記の目的を実現するため開発した本発明にかかる圧延制御装置は、可逆式圧延機を用いて、複数パスの圧延を制御する装置であって、深層学習によりあらかじめ作成された圧延モデルを用いて圧延後の寸法誤差を低減する圧延条件を求める計算処理部を有し、前記計算処理部は、事前にモデル計算用の係数を抽出し、所定の圧延パスの終了後、圧延プロセスコンピュータの説明変数収集部が収集し伝達してきた所定の説明変数と前記圧延モデルに基づき、または、逆解析により、次パスの圧延条件を選定し、圧延プロセスコンピュータの圧延条件決定部に伝達するように構成されていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明にかかる圧延制御方法は、可逆式圧延機を用いて、複数パスの圧延を制御する方法であって、深層学習によりあらかじめ作成した圧延モデルを用いて圧延後の寸法誤差を低減する圧延条件を求める計算処理をコンピュータで実行し、前記計算処理では、事前にモデル計算用の係数を抽出し、所定の圧延パスの終了後に、圧延プロセスコンピュータが収集した所定の説明変数と前記圧延モデルに基づき、または、逆解析により、次パスの圧延条件を選定し、圧延プロセスコンピュータの圧延条件決定部に伝達することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明に係る圧延制御装置および圧延制御方法によれば、深層学習によりあらかじめ作成された圧延モデルを用いて圧延後の寸法誤差を低減する圧延条件を求める計算処理部を有しているので、圧延時のパス間の許容計算時間内に圧延制御のための計算を完了させることができるようになった。また、圧延モデルは、前記計算処理部とは異なるコンピュータによって作成されるものであって、実操業データからなる教師データに基づき、深層学習により構成されるものであることが好ましい。さらに、誤差を低減する寸法が板厚であって、次パスの圧延における圧延荷重を予測し、予測した圧延荷重を圧延条件として選定したり、誤差を低減する寸法が板幅であって、次パスの圧延による板幅を予測し、予測した板幅と目標値との差を低減する圧延条件を選定したりすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる圧延制御装置を説明する概略ブロック図である。
【
図2】上記実施形態にかかる圧延制御方法を説明する概念図である。
【
図3】上記実施形態にかかる他の圧延制御方法を説明する概念図である。
【
図4】本発明を適用する可逆式圧延機を用いた板圧延のプロセスを説明する模式概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0016】
図4は本発明を適用する可逆式圧延機を用いた板圧延のプロセスを説明する模式概念図である。加熱炉で所定の温度に加熱された鋼スラブ100は、後続する圧延において狙いの板幅や板厚に圧延できる所望の形状となるように、可逆式圧延機によって成形圧延110が施される。所望の形状となった被圧延材101は、水平面内で90°の転回140が行われる。圧延方向が90°転回された被圧延材101は、製品の幅方向に延伸するように同じ可逆式圧延機で幅出し圧延120が施される。所望の狙い幅Wまで圧延された被圧延材101は、再び、水平面内で90°の転回140が行われる。圧延方向が90°転回された被圧延材101は、製品長手方向に延伸するように同じ可逆式圧延機で厚み出し圧延130が行われ、製品102の狙い板厚まで圧延される。幅出し圧延120では、板幅の予測精度の向上、つまり、目標板幅Wと実績の板幅の寸法誤差を小さくする制御が求められる。厚み出し圧延130では、狙いの製品板厚となるように圧延荷重の予測精度の向上、つまり、目標圧延荷重と実績の圧延荷重の差を小さくする制御が求められる。もって、目標板厚と実績の製品板厚との寸法誤差を小さくすることができる。
【0017】
図1に本発明の一実施形態にかかる圧延制御装置1の概略ブロック図を示す。本実施形態では、深層学習により板圧延にかかる教師データを用いてあらかじめ圧延モデルを作成する学習部2と、作成した圧延モデルに説明変数を与えて計算を行う計算処理部3と、を異なるコンピュータに配している。学習部で作成する圧延モデルは、たとえば、深層学習アルゴリズムを用いて学習させたディープラーニングモデルである。
【0018】
圧延モデルは、板圧延の圧延条件と圧延材の圧延後の特性を1セットとして教師データとする。たとえば、製品板厚の寸法誤差を小さくするために圧延荷重の精度向上を目的とする場合には、類似する寸法の厚鋼板製品や成分情報、加熱炉からの抽出温度を含む圧延情報と圧延後の実績荷重を1セットとした教師データを用いて学習する。また、板幅の精度向上を目的とする場合には、過去の類似する材料特性、類似する寸法の厚鋼板製品についての、幅出し圧延時の幅出し終了時の板厚と加熱炉からの抽出温度とを含む圧延条件と、圧延後の幅寸法と、を1セットとした教師データを用いて学習する。
【0019】
計算処理部3は、圧延モデル計算に必要な係数の抽出を行い、モデルとともに格納する。圧延プロセスコンピュータ4は、説明変数収集部41と、圧延条件決定部42と、圧延実行部と、を有している。説明変数収集部41は、可逆式圧延機を用いた、複数のパスからなる板圧延の所定のパス終了後に、圧延モデル計算に必要な説明変数を収集し、計算処理部3に伝達する。計算処理部3は、伝達された説明変数と圧延モデルに基づき、または、逆解析により、所定のパスの次パスの圧延条件を選定する。計算処理部3は選定した次パスの圧延条件を圧延条件決定部42に伝達する。ここで、計算処理部3は圧延プロセスコンピュータ4内に構築してもよいし、別途用意したコンピュータに構築して、圧延プロセスコンピュータと通信するようにしてもよい。
【0020】
圧延プロセスコンピュータ4の圧延条件決定部42は、計算処理部3によって選定され伝達された圧延条件の採用可否を判断して圧延条件を決定し、圧延実行部43に伝達する。圧延実行部43は、決定された圧延条件に基づき、次パスの圧延を行う。具体的には、圧延条件決定部42は、計算処理部3によるモデル計算の結果を、基準となる値と比較し、採用の可否を判定する。採用可と判定された場合には、次パスの圧延条件にモデル計算結果を反映する。採用可否の情報は、学習部2の教師データに追加することが好ましい。
【実施例0021】
(実施例1)
上記実施形態を厚鋼板の圧延における幅出し圧延120に適用した場合の圧延制御方法の概念図を
図2に示す。幅出し圧延120では圧延後の板幅が製品幅に相当するため、板幅予測の精度を向上させる必要がある。ここでは、モデル作成用パソコン11上で実操業データからなる教師データを用いて、深層学習計算処理用の圧延モデルを作成した。作成した圧延モデルに説明変数を与え、計算を行う計算処理部3を圧延プロセスコンピュータ4に実装し、モデル構築に必要な部分はモデル格納用パソコン12に実装した。ここで、教師データは、厚板用圧延プロセスコンピュータ4が過去の圧延結果である実操業データを別途記憶装置(サーバ)に蓄積しているもののうち、幅出し精度に影響を与えると考えられるものを用いた。たとえば、成分組成、材料特性、スラブ寸法、成形圧延110後の形状や寸法、幅出し圧延120後の形状や寸法、厚出し圧延130後の寸法、それぞれの圧延回数、圧延機のロールの使用回数や摩耗の程度、圧延間時間、加熱炉抽出温度や圧延前後の被圧延材計算温度などのうちから選ばれ、次パスの圧延後の寸法誤差(板幅寸法)に影響を与える寄与度の高い順に選択した。また、説明変数は、同様に厚板用圧延プロセスコンピュータ4が収集している現在圧延中のデータのうち、教師データに用いたものと同じ項目のものを用いた。
【0022】
まず、幅出し圧延120の成形圧延110完了時のモデル計算に必要な説明変数、たとえば、
図2の例では、幅出し終了狙い厚、加熱炉からの抽出温度、製品幅などを圧延プロセスコンピュータ4で収集し、実装した計算処理部3に伝達する。計算処理部3で深層学習計算処理により、次パスの幅出し圧延における予測板幅と目標板幅との差を低減する圧延条件を求める。
【0023】
深層学習計算処理による最適化は、逆解析を用い、説明変数のうち、1変数の値を所定の基準に基づき変化させる。
図2の例では、説明変数から「幅出し終了狙い厚」を抽出し、複数の幅出し終了狙い厚に対し、圧延モデル計算に基づく幅推定値を算出する。算出された幅推定値を目標狙い幅と比較し、最も近い、つまり目標板幅との誤差が最小である幅推定値xを求める。逆解析として、幅推定値xを算出した幅出し終了狙い厚を、幅出し圧延の圧延条件として、選定する。次パス以降の圧延も同様に繰り返す。
【0024】
(実施例2)
上記実施形態を厚鋼板の圧延における厚み出し圧延に適用した場合の圧延制御方法の概念図を
図3に示す。厚み出し圧延では圧延後の板厚が製品板厚に相当するため、圧延荷重の予測精度を向上させる必要がある。ここでは、モデル作成用パソコン11上で実操業データからなる教師データを用いて、深層学習計算処理用の圧延モデルを作成した。作成した圧延モデルに説明変数を与え、計算を行う計算処理部3を圧延プロセスコンピュータ4に実装し、モデル構築に必要な部分はモデル格納用パソコン12に実装した。ここで、教師データは、厚板用プロセスコンピュータが過去の圧延結果である実操業データを別途記憶装置(サーバ)に蓄積しているもののうち、圧延荷重精度に影響を与えると考えられるものを用いた。たとえば、成分組成、材料特性、パス情報、圧延寸法、加熱炉情報、スラブの加熱情報、圧延前後の被圧延材計算温度、ロール替えやロール履歴を含む圧延機のロール情報、圧延本数、パススケジュール情報、前パス実績情報などのうちから選ばれ、次パスの圧延荷重誤差に影響を与える寄与度の高い順に選択した。また、説明変数は、同様に厚板用圧延プロセスコンピュータ4が収集している現在圧延中のデータのうち、教師データに用いたものと同じ項目のものを用いた。そして、
図3の例では、圧延プロセスコンピュータ4内の計算処理部3にモデル計算に必要な係数を与え、圧延が開始されるとパスごとに説明変数から計算処理部3にて「圧延荷重」を抽出し、荷重計算処理に返す。そして、荷重計算処理では、「圧延荷重」の適否を判断したうえで、荷重の適用処理を行い、そのパスの圧延を行う。次パス以降の圧延も同様に繰り返す。
【0025】
一般用厚鋼板と温度調整が必要な厚鋼板のそれぞれについて、従来法(約5000本ずつ)および本実施形態(約5000本ずつ)を適用した圧延荷重予測制御で厚み出し圧延を行った。実績先端荷重と予測先端荷重の比が、従来法では、平均値で、0.6~0.7%の誤差を生じ、ばらつきが標準偏差σ=0.07~0.11程度であった。本実施形態の適用により、平均値で0.1~0.2%の誤差に減少し、ばらつきも標準偏差σ=0.06~0.07に減少した。本実施形態の適用により、圧延荷重予測精度の向上が認められる。