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特開2022-151668ゲームのためのプログラム、電子装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151668
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ゲームのためのプログラム、電子装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20220929BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20220929BHJP
   A63F 13/5375 20140101ALI20220929BHJP
   G06F 3/04847 20220101ALI20220929BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20220929BHJP
【FI】
A63F13/69 520
A63F13/533
A63F13/5375
A63F13/69 510
G06F3/0484 170
G06F3/0484 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031140
(22)【出願日】2022-03-01
(62)【分割の表示】P 2021050244の分割
【原出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】511249637
【氏名又は名称】株式会社Cygames
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】中西 栄二
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 哲
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 敬介
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA75
5E555AA76
5E555BA20
5E555BB20
5E555BC17
5E555BD01
5E555CA12
5E555CB12
5E555CB33
5E555CC03
5E555DD11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ゲーム媒体の段階を上昇させるための表示を行うプログラム等を提供すること。
【解決手段】互いに異なる複数の段階上昇条件のうちのいずれかが各段階に対して設定され、コンピュータに、ゲーム媒体から段階を上昇させる対象ゲーム媒体を選択するためのプレイヤ入力を受け付け、当該対象ゲーム媒体の段階に対して設定された第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップと、第1の段階上昇条件が満たされると判定された場合、次の段階に対して設定された段階上昇条件が第2の段階上昇条件であるか否かを判定するステップと、次の段階の段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定された場合、第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部を表示させるステップと、を実行させ、第1及び第2の段階上昇条件のいずれか一方は、プレイヤによって選択されたゲーム媒体を消費することを含む、プログラム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤのプレイヤ識別情報に関連付けられて記憶されたゲーム媒体の段階を上昇させることが可能なゲームにおいて用いられるプログラムであって、互いに異なる複数の段階上昇条件のうちのいずれかが各段階に対して設定され、
コンピュータに、
プレイヤ識別情報に関連付けて記憶されたゲーム媒体から段階を上昇させる対象ゲーム媒体を選択するためのプレイヤ入力を受け付け、当該対象ゲーム媒体の段階に対して設定された第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップと、
第1の段階上昇条件が満たされると判定された場合、次の段階に対して設定された段階上昇条件が第2の段階上昇条件であるか否かを判定するステップと、
次の段階の段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定された場合、第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部を表示させるステップと、
を実行させ、
前記第1の段階上昇条件及び前記第2の段階上昇条件のいずれか一方は、プレイヤによって選択されたゲーム媒体を消費することを含む、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップは、
所定の消費ゲーム媒体を選択するプレイヤ入力を受け付けると、第1の段階上昇条件が満たされると判定するステップと、
を更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第1の段階上昇条件が満たされると判定されて表示された前記遷移指示受付部へのプレイヤ入力を受け付けると、第2の段階上昇条件が設定された段階に対する段階上昇指示受付部を表示させるステップと、
前記段階上昇指示受付部に対する入力を受け付けると、前記第1の段階上昇条件を満たすために選択された消費ゲーム媒体及び第2の段階上昇条件を満たすための消費ゲーム媒体を消費するステップと、
を更にコンピュータに実行させることを特徴とする、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップは、所定の消費ゲーム媒体を選択するプレイヤ入力を受け付けると、前記第1の段階上昇条件が満たされることにより上昇可能な段階を表示するステップを更に含み、
第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部を表示させるステップは、前記第2の段階上昇条件が満たされると判定された場合、前記第2の段階上昇条件が満たされることにより上昇可能な段階を表示するステップを更に含む、
ことを特徴とする、請求項2又は3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2の段階上昇条件は、前記第2の段階上昇条件が設定された、上昇対象となる段階に基づいて決定されたゲーム媒体が所定の条件を満たすか否かに基づいて判定される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記遷移指示受付部に対するプレイヤ入力を受け付けると、前記第2の段階上昇条件を満たすために必要なゲーム媒体を表示するステップを、更にコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップは、
前記第1の段階上昇条件が設定された上昇後の段階を選択するプレイヤ入力を受け付けるステップと、
前記選択された段階に基づいて決定されたゲーム媒体が所定の条件を満たす場合に、第1の段階上昇条件が満たされると判定するステップと、
を更に含み、
前記表示された第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部に対するプレイヤ入力を受け付けると、
消費ゲーム媒体を選択するプレイヤ入力を受け付けるステップと、
前記選択された消費ゲーム媒体が所定の条件を満たす場合に、第2の段階上昇条件が満たされていると判定するステップと、
を更にコンピュータに実行させることを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップは、前記第1の段階上昇条件が満たされることによって上昇可能な段階を表示するステップを更に含み、
第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部を表示させるステップは、前記第2の段階上昇条件が満たされることによって上昇可能な段階を表示するステップを更に含む、
ことを特徴とする、請求項6又は7のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記対象ゲーム媒体及び前記プレイヤ入力によって選択される消費ゲーム媒体は、所定の抽選処理に基づいてプレイヤに付与される、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第1の段階上昇条件は複数の段階に対して設定され、
前記第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップは、次の段階に対して設定された段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定されるまで、前記第1の段階上昇条件が設定された各段階に対して実行される、
ことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
プレイヤのプレイヤ識別情報に関連付けられて記憶されたゲーム媒体の段階を上昇させることが可能なゲームにおいて用いられる電子装置であって、互いに異なる複数の段階上昇条件のうちのいずれかが各段階に対して設定され、
前記電子装置は、
プレイヤ識別情報に関連付けて記憶されたゲーム媒体から段階を上昇させる対象ゲーム媒体を選択するためのプレイヤ入力を受け付け、当該対象ゲーム媒体の段階に対して設定された第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定し、
第1の段階上昇条件が満たされると判定された場合、次の段階に対して設定された段階上昇条件が第2の段階上昇条件であるか否かを判定し、
次の段階の段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定された場合、第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部を表示させ、
前記第1の段階上昇条件及び前記第2の段階上昇条件のいずれか一方は、プレイヤによって選択されたゲーム媒体を消費することを含む、
ことを特徴とする電子装置。
【請求項12】
プレイヤのプレイヤ識別情報に関連付けられて記憶されたゲーム媒体の段階を上昇させることが可能なゲームにおいて用いられる方法であって、互いに異なる複数の段階上昇条件のうちのいずれかが各段階に対して設定され、
コンピュータに、
プレイヤ識別情報に関連付けて記憶されたゲーム媒体から段階を上昇させる対象ゲーム媒体を選択するためのプレイヤ入力を受け付け、当該対象ゲーム媒体の段階に対して設定された第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップと、
第1の段階上昇条件が満たされると判定された場合、次の段階に対して設定された段階上昇条件が第2の段階上昇条件であるか否かを判定するステップと、
次の段階の段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定された場合、第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部を表示させるステップと、
を実行させ、
前記第1の段階上昇条件及び前記第2の段階上昇条件のいずれか一方は、プレイヤによって選択されたゲーム媒体を消費することを含む、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームのためのプログラム等に関するものであり、特に、ゲーム媒体の段階を上昇させることが可能なゲームにおいて用いられるプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤが所持するゲーム媒体のパラメータを上昇させて強化していくゲームが多数リリースされている。このようなこのようなゲームにおいて、複数の異なる種類のパラメータを一括で最大値まで上昇させる処理を実現するゲームシステムが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6639102号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゲーム媒体に定められたパラメータが複数の値を取ることができる場合、プレイヤは必ずしも最大値までの一括上昇を望むわけではない。一つの種類のパラメータに対してその段階に応じて異なる上昇条件が設定されているようなゲームにおいて、プレイヤが所望する段階まで一括で複数の段階を上昇させるためのシステムはまだ実現されていない。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、互いに異なる複数の段階上昇条件が設定されたゲーム媒体を一括で複数段階上昇させる際に、簡易な操作によって、プレイヤが所望する段階まで上昇させるための表示を行うプログラム等を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1.上記の目的を達成するために、本発明の一態様としてのプログラムは、プレイヤのプレイヤ識別情報に関連付けられて記憶されたゲーム媒体の段階を上昇させることが可能なゲームにおいて用いられるプログラムであって、互いに異なる複数の段階上昇条件のうちのいずれかが各段階に対して設定され、コンピュータに、プレイヤ識別情報に関連付けて記憶されたゲーム媒体から段階を上昇させる対象ゲーム媒体を選択するためのプレイヤ入力を受け付け、当該対象ゲーム媒体の段階に対して設定された第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップと、第1の段階上昇条件が満たされると判定された場合、次の段階に対して設定された段階上昇条件が第2の段階上昇条件であるか否かを判定するステップと、次の段階の段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定された場合、第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部を表示させるステップと、を実行させ、前記第1の段階上昇条件及び前記第2の段階上昇条件のいずれか一方は、プレイヤによって選択されたゲーム媒体を消費することを含む。
【0007】
2.項目1に記載されたプログラムにおいて、前記第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップは、所定の消費ゲーム媒体を選択するプレイヤ入力を受け付けると、第1の段階上昇条件が満たされると判定するステップと、を更に含んでもよい。
【0008】
3.項目2に記載されたプログラムにおいて、前記第1の段階上昇条件が満たされると判定されて表示された前記遷移指示受付部へのプレイヤ入力を受け付けると、第2の段階上昇条件が設定された段階に対する段階上昇指示受付部を表示させるステップと、前記段階上昇指示受付部に対する入力を受け付けると、前記第1の段階上昇条件を満たすために選択された消費ゲーム媒体及び第2の段階上昇条件を満たすための消費ゲーム媒体を消費するステップと、を更にコンピュータに実行させるようにしてもよい。
【0009】
4.項目2又は3に記載されたプログラムにおいて、前記第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップは、所定の消費ゲーム媒体を選択するプレイヤ入力を受け付けると、前記第1の段階上昇条件が満たされることにより上昇可能な段階を表示するステップを更に含み、第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部を表示させるステップは、前記第2の段階上昇条件が満たされると判定された場合、前記第2の段階上昇条件が満たされることにより上昇可能な段階を表示するステップを更に含むことができる。
【0010】
5.項目1~4のいずれかに記載されたプログラムにおいて、前記第2の段階上昇条件は、前記第2の段階上昇条件が設定された、上昇対象となる段階に基づいて決定されたゲーム媒体が所定の条件を満たすか否かに基づいて判定されるようにしてもよい。。
【0011】
6.項目1~5のいずれかに記載されたプログラムにおいて、前記遷移指示受付部に対するプレイヤ入力を受け付けると、前記第2の段階上昇条件を満たすために必要なゲーム媒体を表示するステップを、更にコンピュータに実行させることができる。
【0012】
7.項目1に記載されたプログラムにおいて、前記第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップは、前記第1の段階上昇条件が設定された上昇後の段階を選択するプレイヤ入力を受け付けるステップと、前記選択された段階に基づいて決定されたゲーム媒体が所定の条件を満たす場合に、第1の段階上昇条件が満たされると判定するステップと、を更に含み、前記表示された第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部に対するプレイヤ入力を受け付けると、消費ゲーム媒体を選択するプレイヤ入力を受け付けるステップと、前記選択された消費ゲーム媒体が所定の条件を満たす場合に、第2の段階上昇条件が満たされていると判定するステップと、を更にコンピュータに実行させてもよい。
【0013】
8.項目6又は7のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップは、前記第1の段階上昇条件が満たされることによって上昇可能な段階を表示するステップを更に含み、第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部を表示させるステップは、前記第2の段階上昇条件が満たされることによって上昇可能な段階を表示するステップを更に含むことができる。
【0014】
9.項目1~8のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記対象ゲーム媒体及び前記プレイヤ入力によって選択される消費ゲーム媒体は、所定の抽選処理に基づいてプレイヤに付与されるようにしてもよい。
【0015】
10.項目1~9のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記第1の段階上昇条件は複数の段階に対して設定され、前記第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップは、次の段階に対して設定された段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定されるまで、前記第1の段階上昇条件が設定された各段階に対して実行されるようにすることができる。
【0016】
11.本発明の一態様としての電子装置は、プレイヤのプレイヤ識別情報に関連付けられて記憶されたゲーム媒体の段階を上昇させることが可能なゲームにおいて用いられる電子装置であって、互いに異なる複数の段階上昇条件のうちのいずれかが各段階に対して設定され、前記電子装置は、プレイヤ識別情報に関連付けて記憶されたゲーム媒体から段階を上昇させる対象ゲーム媒体を選択するためのプレイヤ入力を受け付け、当該対象ゲーム媒体の段階に対して設定された第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定し、第1の段階上昇条件が満たされると判定された場合、次の段階に対して設定された段階上昇条件が第2の段階上昇条件であるか否かを判定し、次の段階の段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定された場合、第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部を表示させ、前記第1の段階上昇条件及び前記第2の段階上昇条件のいずれか一方は、プレイヤによって選択されたゲーム媒体を消費することを含む、ことができる。
【0017】
12.本発明の一態様としての方法は、プレイヤのプレイヤ識別情報に関連付けられて記憶されたゲーム媒体の段階を上昇させることが可能なゲームにおいて用いられる方法であって、互いに異なる複数の段階上昇条件のうちのいずれかが各段階に対して設定され、コンピュータに、プレイヤ識別情報に関連付けて記憶されたゲーム媒体から段階を上昇させる対象ゲーム媒体を選択するためのプレイヤ入力を受け付け、当該対象ゲーム媒体の段階に対して設定された第1の段階上昇条件が満たされるか否かを判定するステップと、第1の段階上昇条件が満たされると判定された場合、次の段階に対して設定された段階上昇条件が第2の段階上昇条件であるか否かを判定するステップと、次の段階の段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定された場合、第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部を表示させるステップと、を実行させ、前記第1の段階上昇条件及び前記第2の段階上昇条件のいずれか一方は、プレイヤによって選択されたゲーム媒体を消費することを含む、ことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、簡易な操作によって、プレイヤが所望する段階までゲーム媒体の段階を一括で上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係るシステム構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る電子装置のハードウェア構成図である。
図3】本発明の一実施形態に係る電子装置の機能ブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
図5】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
図6】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
図7】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
図8】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
図9】本発明の一実施形態に係る情報処理を示すフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態に係る情報処理を示すフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態に係る情報処理を示すフローチャートである。
図12】本発明の一実施形態に係る情報処理を示すフローチャートである。
図13】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
図14】本発明の一実施形態に係る情報処理を示すフローチャートである。
図15】本発明の一実施形態に係る情報処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態によるゲームシステム1について説明する。本明細書においては、説明の便宜上、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成についての重複説明を省略する場合がある。
【0021】
ゲームシステム1は、ネットワークを介して複数の電子装置が接続されるシステムによって実現することができるが、1台の電子装置によっても実現することもできる。ここでは、ネットワークに接続されたシステムを用いた実施形態について説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施形態によるゲームシステムの全体構成の一例を示す。図1に示すように、ゲームシステム1は、複数のプレイヤ端末10と、サーバ20とを備え、プレイヤ端末10及びサーバ20は、インターネットなどのネットワーク2に接続され、互いに通信可能である。なお、本実施形態のゲームシステム1は、サーバ-クライアントシステムを想定して説明する。
【0023】
図2は本発明の一実施形態によるプレイヤ端末10及びサーバ20のハードウェア構成を示すブロック図である。プレイヤ端末10は、プロセッサ11、表示装置12、入力装置13、記憶装置14及び通信装置15を備える。これらの各構成装置はバス16によって接続される。なお、バス16と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態において、プレイヤ端末10はスマートフォンであるが、上記の構成を備えるものであれば、コンピュータやゲーム装置などの電子装置とすることができる。
【0024】
サーバ20もまた同様に、プロセッサ21、表示装置22、入力装置23、記憶装置24及び通信装置25を備える。これらの各構成装置はバス26によって接続される。なお、バス26と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態においてサーバ20はコンピュータによって実現される。
【0025】
プロセッサ11、21は、プレイヤ端末10ないしサーバ20全体の動作を制御するものであり、例えばCPUである。なお、プロセッサ11、21としては、MPU等の電子回路が用いられてもよい。プロセッサ11、21は、記憶装置14、24に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。1つの例では、プロセッサ11、21は、複数のプロセッサから構成される。
【0026】
表示装置(ディスプレイ)12、22は、プロセッサ11、21の制御に従って、アプリケーション画面などをプレイヤ端末10のユーザ(プレイヤ)ないしサーバ20のユーザ(管理者)に表示する。好ましくは液晶ディスプレイであるが、有機ELを用いたディスプレイやプラズマディスプレイ等であってもよい。
【0027】
入力装置13、23は、プレイヤ端末10及びサーバ20に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースであり、例えば、タッチパネル、タッチパッド、キーボード、又はマウスである。本実施形態においてプレイヤ端末10はスマートフォンであるため、プレイヤ端末10は入力装置13としてタッチパネルを備え、タッチパネルは表示装置12としても機能し、表示装置12と入力装置13は一体となった構造である。表示装置12と入力装置13は、別の位置に配置される別個の形態であってもよい。サーバ20はコンピュータであるため、入力装置としてキーボード及びマウスを備え、表示装置として液晶ディスプレイを備えるものとする。
【0028】
記憶装置14、24は、揮発性メモリであるRAM及び不揮発性メモリであるROMを含む、一般的なスマートフォンないしコンピュータが備える記憶装置である。記憶装置14、24は、外部メモリを含むこともできる。例えば記憶装置14は、Webアプリケーション(ブラウザ)やゲームを実行するためのネイティブアプリケーション(ゲームプログラム)を記憶し、記憶装置24はサーバ用ゲームプログラムを記憶する。Webアプリケーション等は、プレイヤ端末10に対するユーザの操作に応じて起動され、プレイヤ端末10が予め実装するオペレーティングシステム(OS)上で実行される。サーバ用ゲームプログラムはクライアントである各プレイヤ端末において実行されるWebアプリケーション等でゲームを適切に進行させるように情報処理を行うための機能及び各種データを含む。
【0029】
1つの例では、記憶装置14、24は、揮発性メモリであるRAM及び不揮発性メモリであるeMMC、UFS、SSDのようなフラッシュメモリを用いた記憶装置及び磁気記憶装置等を含む、一般的なスマートフォン及びコンピュータが備える記憶装置である。記憶装置14、24は、外部メモリを含むこともできる。例えば記憶装置14は、ブラウザプログラムやゲームプログラムを記憶し、記憶装置24はサーバ用ゲームプログラムを記憶する。ブラウザプログラムやゲームプログラムは、プレイヤ端末10に対するユーザの操作に応じて起動され、プレイヤ端末10が予め実装するオペレーティングシステム(OS)上で実行される。サーバ用ゲームプログラムはクライアントである各プレイヤ端末において実行されるブラウザプログラムやゲームプログラム上でゲームを適切に進行させるように情報処理を行うための機能及び各種データを含む。また、記憶装置として、プレイヤ端末10及びサーバ20から物理的に分離されたデータベースを用いることもできる。
【0030】
通信装置15、25は、ネットワーク2(図2においては省略)を介して他の装置との間でデータの授受を行う。例えば通信装置15、25は、移動体通信や無線LAN等の無線通信を行い、ネットワーク2へ接続する。プレイヤ端末10は通信装置15を用いることで、ネットワークを介してサーバ20と通信を行う。通信装置15、25は、イーサネット(登録商標)ケーブル等を用いた有線通信を行ってもよい。
【0031】
図3は本発明の一実施形態によるプレイヤ端末10及びサーバ20の機能ブロック図の一例を示す。プレイヤ端末10は、入力部31、表示部32、通信部33及びゲーム制御部34を備え、サーバ20は、入力部41、表示部42、通信部43及びゲーム制御部44、段階上昇条件判定部45及び段階遷移判定部46を備える。
【0032】
実施形態においては、プロセッサ11及び21がプログラムを実行することによりこれらの機能が実現される。例えば実行されるプログラムは、記憶装置14、24に記憶されているブラウザプログラムやゲームプログラムである。このように、各種機能がプログラム読み込みにより実現されるため、1つのパート(機能)の一部又は全部を他のパートが有していてもよい。各機能の一部又は全部を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによってもこれらの機能は実現してもよい。
【0033】
入力部31、41は、入力装置13、23を用いて構成されるものであり、プレイヤ端末10及びサーバ20に対するユーザからの入力を受け付ける。プレイヤ端末10及びサーバ20は、入力部31、41によりプレイヤ入力を受け付ける。本実施形態では、プレイヤ端末10においてはタッチパネルを備えるスマートフォンが一般的に有しているタッチ検出機能を用いることができる。
【0034】
表示部32は、ゲーム用画面を表示装置12に表示し、ゲームの進行やユーザ操作に応じたゲーム用画面を表示する。ゲーム制御部34は、本実施形態のゲームを実行するにあたっての制御処理及び処理に必要な各種データの格納を行う。本実施形態においては、ブラウザプログラムを用いて、プレイヤへの入出力情報の処理及びサーバ20への送受信信号の処理等を行う。ゲームアプリケーションをプレイヤ端末10にインストールして、ゲームを実行する場合には、これによって実現されるゲーム制御部34は、ゲームの進行やデータの管理等のゲームを実行するための種々の情報処理を実行する。
【0035】
表示部42は、必要に応じてゲーム管理者のための管理用画面を表示装置22に表示する。ゲーム制御部44は、本実施形態のプレイヤ端末10において実行されるゲームのための処理を行う。1つの例では、プレイヤ端末10においてブラウザが起動されて、ゲーム制御部34が実現されて、ゲームを進行させるためにサーバ20へアクセスされると、ゲーム制御部44は、定期的に、又は必要に応じてデータの送受信を行い、ゲームを進行させる。例えばゲーム制御部44は、本実施形態のゲームを実行するにあたっての制御処理及び必要な各種データ等を記憶し、適宜プレイヤ端末10に提供する。各種データには、各ゲーム媒体の各段階を上昇させるための上昇条件や、プレイヤが所持するゲーム媒体を当該プレイヤのプレイヤ識別情報に関連付けて記憶されたゲーム媒体や、ゲーム媒体についてのパラメータ等が含まれる。
【0036】
ゲーム媒体には複数の段階が設定され、互いに異なる複数の段階上昇条件のうちのいずれかが各段階に対して予め設定され、ゲーム制御部44に記憶されているものとする。段階は、ゲーム媒体のパラメータの一つであり、上昇させることでゲーム媒体を強化することができる。
【0037】
本実施形態では段階は上限解放段階とする。ゲーム媒体のパラメータとして、攻撃力、ヒットポイント(HP)、レベル、レベル上限及び上限解放段階が含まれ、攻撃力及びHPはゲーム媒体のレベルに基づいて決定されるものとする。ゲーム媒体のレベルは、一定の要件を満たすことにより上昇させることができるが、当該ゲーム媒体の上限解放段階に基づいて決定されるレベル上限までしか上昇させることができない。上限解放段階を上昇させることによって、レベル上限を上昇させて、さらにゲーム媒体を強化することが可能となる。
【0038】
段階は、単にゲーム媒体のパラメータを上昇させるだけでなく、新たなパラメータ等の要素を追加させたり、異なるパラメータへ変化させるといった強化や進化を行うための段階であってもよいし、これらの全部又は一部の組合せであってもよい。
【0039】
段階を上昇させるための段階上昇条件は、各段階に対して予め設定されて記憶される。複数の段階に対して同一の上昇条件を設定してもよい。本実施形態においては、上限解放段階0~2に対して第1の段階上昇条件が設定され、上限解放段階3及び4に対して第2の上限解放条件が設定され、第1の段階上昇条件と第2の段階上昇条件とは設定されている上昇条件が異なる。
【0040】
プレイヤ端末10の入力部31は、入力されたプレイヤ識別情報に関連付けて記憶されたゲーム媒体から段階を上昇させる対象ゲーム媒体を選択するためのプレイヤ入力を受け付ける。段階上昇条件判定部45は、対象ゲーム媒体の段階に対して設定された段階上昇条件が満たされるか否かを判定する。
【0041】
段階上昇条件判定部45によって第1の段階上昇条件が満たされると判定された場合、段階遷移判定部47は、次の段階に対して設定された段階上昇条件が第2の段階上昇条件であるか否かを判定する。判定の具体的処理としては、その時点における段階上昇条件と次の段階に設定された段階上昇条件とを比較してもよいし、次の段階に設定された段階上昇条件そのものに基づいて判定してもよいが、例えば、次の段階が第2の段階上昇条件が設定された段階か否かを判定することで実現することもできる。本実施形態では、2種類の段階上昇条件のみが用いられるため、次の段階が、第2の段階上昇条件が設定されている一番小さい上限解放段階3であれば、次の段階に対して設定された段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定するものとする。
【0042】
ゲーム制御部44は、次の段階の段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定された場合、第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部をプレイヤ端末10の表示部32において表示させる。次の段階の段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定された場合に遷移指示受付部を表示することにより、段階上昇条件が変化することをプレイヤに通知することができる。
【0043】
更に第3の段階上昇条件を設定してもよい。第1の段階上昇条件が設定されている段階から第2の段階上昇条件が設定されている段階への段階上昇処理と同様の処理を第2の段階上昇条件が設定された段階から第3の段階上昇条件が設定されている段階への段階上昇処理に適用すれば実現可能であることは当業者には明らかである。4つ以上の段階上昇条件を設定する場合も同様である。
【0044】
ここでは、各段階に対して設定された段階上昇条件は、各段階を次の段階へ上昇させるための条件である。上限解放段階0~2を上限解放段階1~3に上昇させるための段階上昇条件が第1の段階上昇条件であり、上限解放段階3及び4を上限解放段階4及び5に上昇させるための段階上昇条件が第2の段階上昇条件である。各段階に対して設定された段階上昇条件は、その設定された段階に上昇させるための条件としてもよい。その場合、本実施形態と同様の情報処理によって実現可能であることは当業者には明らかである。
【0045】
第1の段階上昇条件は、プレイヤによって選択された所定の消費ゲーム媒体を消費することを条件とし、第2の段階上昇条件は、プレイヤの選択によらず、上昇対象となる段階に基づいて決定されたゲーム媒体を消費することを条件とする。具体的には第1の段階上昇条件は、プレイヤによって選択された対象ゲーム媒体と同一の一つの消費ゲーム媒体を消費することを条件とし、第2の段階上昇条件はプレイヤの選択によらず、プレイヤが所持する予め定められたゲーム媒体を消費することを条件とする。本明細書において、消費するゲーム媒体を素材と呼び、対象ゲーム媒体をベースゲーム媒体と呼ぶことがある。
【0046】
第1の段階上昇条件と第2の段階上昇条件との違いは、第1の段階上昇条件は消費されるアイテムをプレイヤが選択可能であり、第2の段階上昇条件は消費されるアイテムをプレイヤが選択できない点であるものとする。例えば、上限解放段階1に設定された第1の段階上昇条件は対象ゲーム媒体と同一の一つのゲーム媒体を消費することとし、上限解放段階2に設定された第1の段階上昇条件は二つのゲーム媒体を消費するようにすることもできる。上限解放段階1と2に設定された段階上昇条件は、消費されるゲーム媒体の数は異なるものの、プレイヤによって消費ゲーム媒体を選択可能であるから、いずれも第1の段階上昇条件である。また、他の実施形態としては、消費するゲーム媒体の数や種類が異なる場合には異なる段階上昇条件としてもよい。
【0047】
次の段階の段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定されて表示された遷移指示受付部へのプレイヤ入力を受け付けると、第2の段階上昇条件が設定された段階に対する段階上昇指示受付部を表示させ、当該受付部に対するプレイヤ入力を受け付けると、第1の段階上昇条件を満たすために選択された消費ゲーム媒体及び第2の段階上昇条件を満たすための消費ゲーム媒体を消費する。
【0048】
このように段階上昇指示を受け付けるまでは消費ゲーム媒体の消費を実行せず、プレイヤは所望の上限解放段階を検討することを可能とする。段階上昇条件が満たされると判定するためには消費ゲーム媒体の消費を必要としない。段階上昇条件を満たすために必要な消費ゲーム媒体のプレイヤによる選択やプレイヤによる所持という条件を暫定段階上昇条件とし、これが満たされることをもって段階上昇条件が満たされると判定してもよい。プレイヤ識別子に関連付けてゲーム媒体の識別子が記憶されている場合に、プレイヤがゲーム媒体を所持していると判定することができる。
【0049】
ゲーム制御部44は、上昇対象となる段階に設定された段階上昇条件が満たされると判定されると、段階上昇条件を満たすために必要なゲーム媒体を暫定的に消費されたゲーム媒体として管理する。本実施形態では、暫定消費ゲーム媒体はプレイヤの所持ゲーム媒体リストから削除し、暫定消費ゲーム媒体リストに記憶するものとする。
【0050】
複数段階について段階上昇条件が満たされると判定されれば、各段階上昇条件を満たすために必要なゲーム媒体の全てについて、各段階に対応付けて暫定消費ゲーム媒体として記憶する。本実施形態においては、第1の段階上昇条件が設定された段階上昇については、プレイヤによって選択された消費ゲーム媒体が暫定消費ゲーム媒体リストに記憶され、第2の段階上昇条件が設定された段階上昇については、予め決められた消費ゲーム媒体が暫定消費ゲーム媒体リストに記憶される。
【0051】
段階上昇指示を受け付ける前に、プレイヤが暫定的な段階上昇を取り消したり、一つ段階を戻すためのプレイヤ入力を行えば、取り消された段階上昇に対応する消費ゲーム媒体を暫定消費ゲームのリストから削除し、プレイヤの所持ゲーム媒体リストに戻す。段階上昇指示を受け付けると、消費ゲーム媒体の消費が実行されて、暫定消費ゲーム媒体リストからも削除し、消費された状態とする。
【0052】
段階上昇の対象となる段階に設定された段階上昇条件が満たされると判定されると上昇可能な段階(暫定上限解放段階)を表示する。遷移指示受付部へのプレイヤ入力を受け付け、第2の段階上昇条件が満たされると判定されると、第2の段階上昇条件が満たされることで上昇可能な段階(暫定上限解放段階)を表示する。上昇対象となる段階に基づいて決定されたゲーム媒体をプレイヤが所持している場合には所定の条件を満たすと判定するものとする。
【0053】
対象ゲーム媒体及びプレイヤ入力によって選択される消費ゲーム媒体は、所定の抽選処理に基づいてプレイヤに付与されうるものとし、上昇対象となる段階に基づいて決定されたゲーム媒体はゲームプレイの結果に応じてプレイヤに付与されうるものとするが、いずれも抽選処理やゲームプレイの結果に応じて付与されるようにしてもよい。
【0054】
本実施形態において対象ゲーム媒体及びプレイヤ入力によって選択される消費ゲーム媒体に対しては上限解放段階が設定される。プレイヤ入力によって選択される消費ゲーム媒体は、上限解放を行う対象として対象ゲーム媒体ともなることができるし、対象ゲーム媒体を上限解放するための消費ゲーム媒体として選択されることもできる。例えば、同一の武器アイテムを複数所有している場合に、一つの武器アイテムはすでに1段階上限解放を実行済の場合には、この武器アイテムを更に上限解放するための対象ゲーム媒体として選択し、他の上限解放未実行の武器アイテムを消費ゲーム媒体として選択することができる。
【0055】
一方、プレイヤによる選択によらず、上昇対象となる段階に基づいて予め決定されているゲーム媒体は上限解放段階が設定されない。このようなゲーム媒体は対象ゲーム媒体となるゲーム媒体の段階上昇を行うために消費されるゲーム媒体(素材アイテム)であって、それ自体を上限解放することはできない。したがって、対象ゲーム媒体を上限解放するにあたって、いずれのゲーム媒体を消費するかをプレイヤに選択させる必要性は必ずしも存在しない。
【0056】
複数の上限解放段階のうちの一つの上昇条件を抽選処理に基づいて提供されるゲーム媒体の消費とすることにより、プレイヤは抽選によって重複したゲーム媒体を無駄にすることなく、当該ゲーム媒体の強化のために有効利用することを可能とし、抽選を行う動機を高めることができる。更に他の上昇条件を、ゲームプレイを通じて取得されるゲーム媒体とすることにより、ゲーム媒体を強化するために、抽選だけではなく、ゲームプレイをも行わせることにより、ゲームシステムのアクティブ率を上昇させ、より活性化したゲーム環境を提供することができる。
【0057】
図4に、プレイヤが所持するゲーム媒体から段階を上昇させる対象ゲーム媒体を選択するためのプレイヤ入力を受け付けるゲーム画面48の一例を示す。ゲーム画面48においては、プレイヤが所持するゲーム媒体(武器)のうち段階上昇(上限解放)を行うことが可能なゲーム媒体を示す画像49のリストを提示する。具体的な情報処理としては、プレイヤが、プレイヤ端末10における入力部31を介して上限解放の対象ゲーム媒体選択画面表示を要求するプレイヤ入力を行うと、サーバ20のゲーム制御部44は、当該プレイヤのプレイヤ識別子に関連付けて記憶されたゲーム媒体を読み出し、上限解放段階が最大値に至っていないゲーム媒体を決定し、上限解放の対象となるゲーム媒体を示す画像49を含むゲーム画面情報を生成し、プレイヤ端末10へ送信する。プレイヤ端末10はこれを受信すると、表示部32においてゲーム画面48を表示させる。
【0058】
本実施形態では、第1の段階上昇条件として、プレイヤによって消費ゲーム媒体として、上限解放対象となるゲーム媒体(ベースゲーム媒体)と同一の一つのゲーム媒体を選択するプレイヤ入力を受け付け、選択された消費ゲーム媒体(素材ゲーム媒体)を消費することを条件とするが、同一のゲーム媒体を複数消費させたり、異なるゲーム媒体を消費させてもよい。プレイヤに消費ゲーム媒体を選択させるためのゲーム画面の一例を図5に示す。ゲーム制御部44は、段階を上昇させる対象ゲーム媒体を選択するプレイヤ入力を受け付けると、図5に示すゲーム画面50をプレイヤ端末10に表示させる。
【0059】
ここでは、プレイヤは、モード選択ボタン52によって、段階を一つのみ上昇させる通常モードおよび複数段階の上昇処理を一括で行う一括モードのいずれかを選択することができる。ゲーム画面50は通常モードが選択された画面であり、対象ゲーム媒体(武器A)を示す画像51が表示されるとともに、消費ゲーム媒体の候補であるゲーム媒体を示す画像53が表示される。プレイヤはいずれかの消費ゲーム媒体の画像にタッチすることにより選択をすることができる。消費ゲーム媒体が選択されると、例えば、プレイヤによる選択を確認する確認用画面が表示され(図示せず)、プレイヤによる確認入力がなされると、選択された消費ゲーム媒体が消費されて、対象ゲーム媒体の上限解放段階が一つ上昇される。
【0060】
ゲーム媒体が消費されるとは、例えば、プレイヤ識別子に関連付けて記憶されていたゲーム媒体の識別情報を削除したり、プレイヤの所有状態というステータスにおいてプレイヤ識別子に関連付けられていたゲーム媒体のステータスを消費済として所持状態を解消し、これ以降は使用できない状態にする処理等によって実現することができる。
【0061】
図6は一括モードのゲーム画面の一例を示す。段階を上昇させる対象ゲーム媒体62に対して、ゲーム画面60は消費ゲーム媒体63を1つ選択している状態を示し、ゲーム画面61は消費ゲーム媒体63を3つ選択している状態を示している。上限解放段階表示64は対象ゲーム媒体のその時点における上限解放段階を示し、暫定上限解放段階表示65はプレイヤによって選択された消費ゲーム媒体によって上昇可能な上限解放段階(暫定上限解放段階)を示している。ここでは、現在のゲーム媒体62の上限解放段階は0であり、ゲーム画面60においては1つの消費ゲーム媒体を消費することにより上限解放段階1まで上昇されることを示し、ゲーム画面61においては3つの消費ゲーム媒体が消費されることにより上限解放段階3まで上昇されることが示されている。
【0062】
これによってプレイヤは、ゲーム画面の遷移を伴わずに、所望の上限解放段階までの段階上昇を消費ゲーム媒体と上昇後の上限解放段階を確認しながら、所望の上限解放段階までゲーム媒体を選択した後、素材(消費ゲーム媒体)決定ボタン66に対してプレイヤ入力を行うことにより、一括で複数の段階上昇を容易に実行することが可能となる。
【0063】
ゲーム画面61においては、3つの消費ゲーム媒体が選択されることにより上限解放段階3まで上昇されることが示されると、さらに次の上限解放段階4まで上昇させるためのゲーム画面遷移を行うことを指示する遷移指示受付部67が表示される。これによって、プレイヤに対して次の上限解放を行うためには異なる段階上昇条件が必要であることを知らせるとともに、プレイヤの入力に基づいて、異なる段階上昇条件の提示に適したゲーム画面への遷移を行うことを可能とする。
【0064】
図7は、遷移指示受付部67に対してプレイヤがタッチして画面遷移した後のゲーム画面の一例を示す。まず、ゲーム画面70が表示され、上限解放段階4に上昇させるために必要な消費ゲーム媒体72をプレイヤに提示する。第2の段階上昇条件を満たしていると判定された場合に表示される画面である。プレイヤは消費ゲーム媒体72を選択する必要はない。このため、本実施形態においては、消費ゲーム媒体72を選択するためのプレイヤ選択入力の受付部は表示させないものとする。プレイヤが更なる暫定的な上限解放及びその条件を表示するために画面遷移を指示するための画面遷移指示受付部74に対してプレイヤ入力を行うと、ゲーム画面71が表示される。戻るボタン76にタッチすると、一つ前の状態に戻るように暫定上限解放段階を一つ下げてゲーム画面61へ戻ることができるものとする。
【0065】
前述のとおり、ゲーム制御部44は、段階上昇の対象となる段階に設定された段階上昇条件が満たされると判定されると、各段階上昇条件を満たすために必要な消費ゲーム媒体をプレイヤの所持ゲーム媒体リストから削除し、各段階に対応付けて暫定消費ゲーム媒体リストに記憶する。戻るボタン76にタッチすると、戻る対象となった段階に対応付けられた消費ゲーム媒体を暫定消費ゲーム媒体リストから削除し、プレイヤの所持ゲーム媒体リストに戻す。
【0066】
本実施形態において遷移指示受付部は、次の段階上昇条件が異なる場合に表示される受付部67と次の段階上昇条件は異ならないが表示される受付部74の2つの種類がある。受付部74は、例えば、暫定上限解放段階が4であり、次の上限解放段階が5である場合、いずれも段階上昇条件は、第2の段階上昇条件である。しかし、上限解放段階を5にするためには更なる消費ゲーム媒体が必要であるから、これをプレイヤに提示するためにゲーム画面を遷移させるものとする。
【0067】
ゲーム画面71においては上限解放段階5へ上昇させるために必要な消費ゲーム媒体73を提示する。素材決定ボタン75に対してプレイヤ入力を行うことにより、暫定上限解放段階に表示されている段階まで一括で複数の段階上昇を実行することができる。すなわち、ゲーム画面70において素材決定ボタン75をタッチすれば、上限解放段階4まで段階上昇処理が実行され、ゲーム画面71においてタッチすれば、上限解放段階5まで段階上昇処理が実行される。
【0068】
前述のとおり、本実施形態においては、上限解放段階というゲーム媒体に対して設定される単一のパラメータであるにもかかわらず、上限解放段階0~2に設定された段階上昇条件と上限解放段階3及び4に設定された段階上昇条件とは異なる。上述の態様を用いることにより、異なる段階上昇条件が設定された段階にまたがる場合であっても、プレイヤに対して段階上昇条件が変化することを示しつつ、プレイヤによる簡易な入力操作によって、プレイヤの所望する段階まで一括で段階上昇処理を行うことができる。
【0069】
図8は、遷移指示受付部67に対してプレイヤがタッチをしてプレイヤ入力を行って画面遷移した後のゲーム画面の一つの変形例を示す。図7に示した例においては上限解放段階4へ上昇させるために必要な消費ゲーム媒体72は武器とは異なるゲームアイテムのみとしたが、図8においては、武器及び武器以外のゲームアイテム(トレジャー)の両方を消費することが要求されることをプレイヤに対して提示する。
【0070】
次に、本発明の一実施形態によるゲームシステム1で実行される一括モードにおけるゲーム媒体段階上昇処理の一例を図9~12に示したフローチャートを用いて説明する。ゲームシステムによって実行されるゲームは、プレイヤが複数のゲーム媒体の中から選択された1以上のゲーム媒体を用いてプレイすることができるゲームであればどのような形態のゲームであってもかまわない。プレイヤはゲーム媒体を強化することでゲームを有利に進めることを試みる。ゲーム媒体の強化の一つの態様として、上限解放段階を上昇させることができる。
【0071】
プレイヤはゲーム媒体の上限解放段階の上昇要求をプレイヤ端末10を介してサーバ20へ送信すると、サーバ20は図4に示す対象ゲーム媒体選択画面をプレイヤ端末10の表示部32において表示させる。そして、プレイヤが段階上昇の対象ゲーム媒体を選択するプレイヤ入力を行うと、選択された対象ゲーム媒体に対する段階上昇プレイヤ入力画面を表示するための情報をサーバ20がプレイヤ端末10へ送信する。そして、プレイヤが一括モードを選択すると、プレイヤ端末10は対象ゲーム媒体を段階上昇させるためのプレイヤ入力画面60(図6)を表示部32に表示させる(S902)。
【0072】
プレイヤがプレイヤ入力画面60においてプレイヤ入力を行うと(S904)、プレイヤ端末10はこれを受け付けて、サーバ20へ送信する。サーバ20は受信したプレイヤ入力に基づく処理を実行する。プレイヤ入力が消費ゲーム媒体選択入力であるか否かを判定し(S906)、真である場合には、消費ゲーム媒体選択応答処理を実行し(S908)、次のプレイヤ入力の待ち受けに戻る(S904)。
【0073】
消費ゲーム媒体選択応答処理(S908)のより詳細な処理を図10に示す。消費ゲーム媒体選択入力によって選択された消費ゲーム媒体が対象ゲーム媒体の段階に対して設定された段階上昇条件を満たすか否かを判定する(S1002)。
【0074】
判定対象となる対象ゲーム媒体の段階は、上昇条件判定処理(S1002)が実行される際の当該対象ゲーム媒体の暫定上限解放段階とする。暫定上限解放段階は、消費ゲーム媒体選択入力がなされる前に段階上昇指示応答処理(S920)が実行された場合の上限解放段階である。暫定上限解放段階は、ゲーム媒体段階上昇処理900を開始すると、その時点における上限解放段階を暫定上限解放段階の初期値としてゲーム制御部44に記憶する。
【0075】
ゲーム媒体に設定された上限解放段階が2段階のみである場合には、暫定上限解放段階とせずに、その時点におけるゲーム媒体の上限解放段階に設定された段階上昇条件に基づいて判定処理(S1002)を実行することができる。
【0076】
本実施形態においては、対象ゲーム媒体の上限解放段階0~2に対しては対象ゲーム媒体と同一のゲーム媒体が選択されることを条件とし、上限解放段階3及び4に対しては、プレイヤの選択によらず、予め定められたゲーム媒体をプレイヤが所持していることを上昇条件とする。したがって、プレイヤによる選択入力を受け付けるのは、暫定上限解放段階0~2の場合である。
【0077】
上昇条件判定処理(S1002)において、段階上昇条件を満たさないと判定された場合には、上昇条件を提示するポップアップ画面を表示し(S1012)、プレイヤによる確認応答入力がなされると、消費ゲーム媒体選択入力応答処理(S908)は終了する。
【0078】
段階上昇条件を満たすと判定された場合には、次の段階に対して設定された段階上昇条件が、対象ゲーム媒体の段階に対して設定された段階上昇条件と異なるか否かを判定する(S1004)。S1002の判定処理において用いた段階上昇条件と、次の上限解放段階に設定された段階上昇条件とが異なっているか否かによって判定することができる。本実施形態では、次の段階が上限解放段階3である場合には、次の段階に対して設定された段階上昇条件が異なる段階上昇条件であり、それ以外の場合には異なる段階上昇条件ではないと判定する。
【0079】
また、前の段階と比較して段階上昇条件が異なる段階に対して予めフラグを設定し、フラグが設定されている場合には、前の段階に対して設定された段階上昇条件と異なると判定してもよい。例えば、上限解放段階3に設定された段階上昇は、上限解放段階2に設定された段階上昇と異なる第2の段階上昇条件が設定されているから、上限解放段階3にフラグを設定することができる。
【0080】
プレイヤによって消費ゲーム媒体を選択させる画面において表示されるゲーム媒体が対象ゲーム媒体と同一のゲーム媒体のみとなるように抽出処理を行っている場合や、上昇条件を満たさないゲーム媒体の選択ができないようにする場合には、プレイヤによって消費ゲーム媒体が選択されれば必ず第1の段階上昇条件を満たすこととなる。したがって、このような場合には消費ゲーム媒体選択入力を受け付けることをもって第1の段階上昇条件を満たすとの判定がなされたとすることができる。一方、消費ゲーム媒体が所定数の特定のゲーム媒体である場合には、選択されたゲーム媒体が条件を満たすか否かの判定を行う。
【0081】
S1004において判定が真である場合には、第2の段階上昇条件を提示するための画面への遷移指示受付部を表示させるためにゲーム画面情報の更新を行う(S1006)。S1004において判定が偽である場合には、遷移指示受付部を表示させるためのゲーム画面情報の更新(S1006)は行わない。
【0082】
次に、ゲーム制御部44に記憶されている暫定上限解放段階を上昇させて更新する(S1008)。また、選択された消費ゲーム媒体をプレイヤの所持ゲーム媒体リストから削除し、上昇段階に対応付けて暫定消費ゲーム媒体リストに記憶する。その後、サーバ20は更新されたゲーム画面情報をプレイヤ端末10へ送信し、プレイヤ端末10はこれに基づいてゲーム画面表示を更新して(S1010)、消費ゲーム媒体選択応答処理(S908)を終了する。
【0083】
例えば、図6のゲーム画面61は、対象ゲーム媒体の暫定上限解放段階表示65が3となり、上限解放段階3に設定された第2の段階上昇条件は上限解放段階2に設定された第1の段階上昇とは異なるから、遷移指示受付部67が表示されている。
【0084】
消費ゲーム媒体選択応答処理は、次の段階に対して設定された段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定されるまで、消費ゲーム媒体が選択されるたびに繰り返し実行される。次の段階に対して設定された段階上昇条件が第2の段階上昇条件であると判定されると、更なる消費ゲーム媒体の選択を受け付けないようにしてもよいし、既に選択されたゲーム媒体に代えて新たに選択されたゲーム媒体に対して消費ゲーム媒体選択応答処理を実行してもよい。また、既に選択した消費ゲーム媒体の選択を解除する機能を含んでもよい。この場合には、暫定上限解放段階を一つ減少させ、当該ゲーム媒体を暫定消費ゲーム媒体リストから所持ゲーム媒体リストへ移動させ、ゲーム画面の更新を行う。
【0085】
次に、図9のS906において、プレイヤ入力が消費ゲーム媒体選択入力でない場合には、遷移指示入力であるか否かを判定し(S910)、判定結果が真である場合には、遷移指示応答処理(S912)を実行する。図11に遷移指示応答処理の具体的な処理の一例を示す。
【0086】
次の段階に設定された段階上昇条件を満たすか否かを判定し(S1102)、判定結果が偽である場合には、段階上昇条件を提示するための画面をプレイヤ端末10において表示させて(S1112)、遷移指示応答処理(S912)を終了する。本実施形態においては、ポップアップ表示において、次段階の段階上昇条件を満たすためにプレイヤが所持している必要のあるアイテム及び確認ボタンを表示し、確認ボタンに対するプレイヤ入力を受けると、ポップアップ表示を終了して、元のゲーム画面を表示させる。
【0087】
S1102における判定結果が真である場合には、次の段階の更に次の段階に対して設定された段階上昇条件が次の段階に対して設定された段階上昇条件と異なるか否か、及び、次の段階の更に次の段階の条件提示が必要か否かのいずれか一方が真であるか否かを判定する(S1104)。
【0088】
次の更に次の段階に対して設定された段階上昇条件が異なるか否かの判定の具体的な情報処理はS1004と同様の手法によって実現可能である。本実施形態においては、第3の段階上昇条件を設定しないから、S1104においては、次の更に次の段階に対して設定された段階上昇条件が異なるか否かの判定はなくともよい。次の段階の更に次の段階の条件提示が必要か否かの判定は、例えば、各段階に対して条件提示が必要である段階を記憶しておき、次の次の段階が条件提示が必要な段階として記憶された段階であるか否かに基づいて判定することができる。本実施形態においては上限解放段階5を条件提示が必要な段階として記憶する。
【0089】
判定結果が真である場合には、遷移指示受付部を表示させるためにゲーム画面情報の更新を行い(S1106)、偽である場合には、遷移指示受付部を表示させるためのゲーム画面情報の更新処理を行わない。その後、暫定上限解放段階を一つ上昇させて、段階上昇条件を満たすために必要なプレイヤが所持している消費ゲーム媒体を所持ゲーム媒体リストから削除するとともに、上昇段階に対応付けて暫定消費ゲーム媒体リストに記憶する。そして、ゲーム画面情報も更新し(S1108)、更新されたゲーム画面情報に基づいて、プレイヤ端末10においてゲーム画面を表示する(S1110)。図7のゲーム画面70は、次の段階の更に次の段階の条件を表示させるための遷移指示受付部74を表示するゲーム画面の一例である。
【0090】
図9に戻り、プレイヤ入力が段階上昇指示であると判定された場合(S918)、段階上昇指示応答処理を実行する(S920)。段階上昇指示応答処理の具体的な情報処理の一例を図12に示す。段階上昇指示受付部に対する入力を受け付けると、暫定消費ゲーム媒体リストに記憶された消費ゲーム媒体を提示する確認画面が表示され、プレイヤが確認入力を行うと、ゲーム制御部44においてプレイヤ識別子に関連付けて記憶された、暫定上昇段階まで上昇させるために必要な消費ゲーム媒体の識別子を暫定消費ゲーム媒体リストから削除することにより、当該消費ゲーム媒体を消費する(S1202)。そして、ゲーム制御部44に記憶された対象ゲーム媒体の段階を示すパラメータを暫定上限解放段階まで上昇させる(S1204)。確認画面において戻るためのプレイヤ入力が実行されると、段階上昇指示を受け付ける前の画面に戻るようにしてもよい。
【0091】
本実施形態における一括モードの上昇応答処理は、プレイヤが所望する上昇段階まで上昇させるために必要な消費ゲーム媒体を消費して所望する段階(暫定上限解放段階)まで一括で実行される。第1の段階上昇条件を満たすためにプレイヤ入力によって選択された消費ゲーム媒体及び第2の段階上昇条件を満たすために必要とされる消費ゲーム媒体のすべてが消費されて、所望上昇段階に対象ゲーム媒体の段階が上昇される。
【0092】
例えば、本実施形態において、上限解放段階0の対象ゲーム媒体に対して暫定上限解放段階4まで段階上昇処理を実行する場合には、上限解放段階1~3まで上昇させるためにプレイヤによって選択された対象ゲーム媒体と同一のゲーム媒体3つと、対象ゲーム媒体を上限解放段階4に上昇させるために必要なゲーム媒体をすべて当該プレイヤの所持アイテムから削除する一方で、対象ゲーム媒体の上限解放段階を4に更新する。
【0093】
ゲーム制御部44は対象ゲーム媒体の段階上昇が実行されたことを示す画面情報を生成し、プレイヤ端末10の表示部32にゲーム画面を表示させて(S1206)、段階上昇指示応答処理を終了させる。
【0094】
また、更なる上限解放を希望してゲーム画面が遷移させたものの、上限解放条件の提示を見て、そこまでの上限解放を望まないと考え直した場合には、戻るボタン76にタッチすることで(S914)、一つ前の暫定上限解放段階に戻すとともに、ゲーム画面も一つ前のゲーム画面に遷移させる(S916)。ゲーム制御部44は、一つ前の暫定上限解放段階及びゲーム画面を記憶しておき、戻る入力に応答して、記憶された状態に戻すことができる。戻る対象となった段階に対応付けられた消費ゲーム媒体を暫定消費ゲーム媒体リストから削除し、プレイヤの所持ゲーム媒体リストに戻す。
【0095】
図9において、プレイヤ入力が、消費ゲーム媒体選択入力、遷移指示、戻る指示及び段階上昇指示のいずれでもない場合には、プレイヤ入力は対象ゲーム媒体の段階上昇処理を終了させるための終了入力とする。この場合、対象ゲーム媒体への段階上昇処理を終了させるための処理を実行する(S922)。例えば、新たな対象ゲーム媒体を選択するための選択画面をプレイヤ端末10において表示させたり、ゲームをプレイするための入力やその他のプレイヤ入力を受け付けるためのメインメニュー画像を表示させることができる。
【0096】
本実施形態では、プレイヤ入力が段階上昇指示であり、上昇指示応答処理(S920)が実行された後も、段階上昇終了処理を実行するものとするが、対象ゲーム媒体に対して、更なる段階上昇入力を受け付けるためにS904へ戻るようにしてもかまわない。
【0097】
互いに異なる複数の段階上昇条件のうちのいずれかがゲーム媒体の各段階に対して設定されるゲームにおいては、異なる段階上昇条件をプレイヤに認識させながら、段階上昇指示を受け付ける必要があるから、段階毎に段階上昇処理を行うことが通常である。複数段階を上昇させる場合に、対象ゲーム媒体の選択、消費ゲーム媒体の選択又は消費ゲーム媒体の提示、段階上昇指示のためのゲーム画面を何度も遷移させながら入力を行うと、手続が非常に煩雑であるとともに、サーバ-クライアントシステムにおいてはゲーム画面を表示するためのデータ送信量が大きくなる。
【0098】
本実施形態を用いることによって、互いに異なる複数の段階上昇条件のうちのいずれかがゲーム媒体の各段階に対して設定されるゲームにおいても、次の段階の段階上昇条件が異なる段階場合には、次の段階を段階上昇させるための画面への遷移指示受付部を表示することにより、プレイヤに段階上昇条件が変化することを通知することにより、一括で複数段階上昇を実行することを可能とするユーザインタフェースを提供することができる。複数の段階に対して同一の段階上昇条件の場合には、一つのゲーム画面内においてプレイヤによるゲーム媒体選択入力を許容し、段階上昇条件が変化する段階で、新たな段階上昇条件を提示するための遷移指示を表示することにより、ゲーム画面遷移回数を抑制し、画面遷移によるサーバからの送信データ量を削減するとともに、プレイヤの入力操作を簡易にすることを可能とする。
【0099】
また、最大の段階まで上昇させる固定的な処理ではなく、プレイヤの所望する段階までの一括段階上昇を可能とし、プレイヤの操作性をより高めることが可能となる。次の段階の段階上昇条件が画面に表示されれば、プレイヤはその条件を確認した上で、どの段階まで段階上昇を実行するかを決定することができる。例えば、選択している対象ゲーム媒体の他にも上限解放を行いたいと考えているプレイヤが、消費されるゲーム媒体を確認しながら、計画的に段階上昇を実行することを可能とする。
【0100】
[変形例]
前述の実施形態とは異なり、第1の段階上昇条件は、プレイヤの選択によらず、予め定められたプレイヤが所持しているゲーム媒体を消費することを条件とし、第2の段階上昇条件は、プレイヤによって選択された、対象ゲーム媒体と同一のゲーム媒体を消費することを条件とする変形例について説明する。上限解放段階0~2に対して第1の段階上昇条件が設定され、上限解放段階3及び4に対して、第2の段階上昇条件が設定されるものとする。
【0101】
変形例においては、まず、1段階のみの上限解放のための段階上昇条件を満たすか否かを判定し、満たさないと判定された場合には段階上昇条件を提示するポップアップ画面を表示した後、プレイヤの確認応答を受け付けると、元の画面に戻るものとする。段階上昇条件を満たすと判定された場合には、図13に示すように、対象ゲーム媒体の上限解放段階が0の場合には、暫定上限解放段階として1を設定し、段階上昇に必要なゲーム媒体132が提示される。
【0102】
更に、第1の段階上昇条件が設定されている上限解放段階2または上限解放段階3までの上限解放を行うためのプレイヤ入力ボタン136が表示される。第1の上限解放段階が設定されている段階から上昇対象となる段階を選択することを可能とする。プレイヤがいずれかのプレイヤ入力ボタンにタッチすると、選択された上限解放段階まで段階上昇を行うために必要な消費ゲーム媒体133がゲーム画面71において表示される。
【0103】
さらに、暫定上限解放段階の次の段階に設定された段階上昇条件が第2の段階上昇条件である場合、本実施形態においては、暫定上限解放段階が3である場合、次の上限解放段階4まで上昇させるためのゲーム画面遷移を行うことを指示するための遷移指示受付部137が表示される。遷移指示受付部137に対してプレイヤ入力が行われると、図6のゲーム画面60のような対象ゲーム媒体と同一の消費ゲーム媒体を選択するための画面が表示される。
【0104】
変形例を実現するための情報処理のフローチャート1400の一例を図14に示す。説明の簡明化のため、図9に示したフローチャートと異なる部分を中心について説明する。図9と同様の処理については同一の符号番号を付す。対象ゲーム媒体がプレイヤによって選択されて、一段階上限解放を行うための段階上昇条件を満たすと判定すると、段階上昇プレイヤ入力画面130がプレイヤ端末10に表示される(S902)。そして、プレイヤ入力が上昇段階選択であると判定されると(S1402)、上限段階選択入力応答処理(S1404)が実行される。
【0105】
上限段階選択入力応答処理(S1404)のフローチャートの一例を図15に示す。本処理は、消費ゲーム媒体選択入力応答処理(S908)と類似の処理である。すなわち、プレイヤによって選択された上限解放段階に至るまで段階上昇を実行した場合に必要なゲーム媒体をプレイヤが所持しているか否かを判定し(S1502)、判定結果が偽である場合には、必要なゲーム媒体を提示するポップアップ画面を表示して(S1512)、プレイヤによる確認入力を受け付けると、段階上昇プレイヤ入力画面130に戻る。
【0106】
判定結果が真である場合には、上昇した後の次の段階が第2の上限解放段階であるか否かを判定し(S1504)、真である場合には遷移指示受付部137を表示させるようにゲーム画面情報を更新し(S1506)、偽である場合には、ゲーム画面情報を更新しない。プレイヤの選択入力に基づいて対象ゲーム媒体の暫定上限解放段階を上昇させ、段階上昇条件を満たすために必要なプレイヤが所持している消費ゲーム媒体を所持ゲーム媒体リストから削除するとともに、上昇段階に対応付けて暫定消費ゲーム媒体リストに記憶し、ゲーム画面情報を更新する(S1508)。そして、プレイヤ端末10において更新されたゲーム画面を表示させる(S1510)。暫定上限解放段階が2の場合には、上限解放段階を3に上昇させるための入力受付部136が更新されたゲーム画面に表示される。
【0107】
消費ゲーム媒体選択入力応答処理(S908)、遷移指示応答処理(S912)、戻る入力応答処理(S916)、上昇指示応答処理(S920)等のその他の処理は図9~12と同様である。本変形例においては、上限解放段階3及び4に対して第2の上限解放条件を設定するものの、第3の段階上昇条件を設定しないから、消費ゲーム媒体選択入力応答処理(S908)において、次段階上昇条件判定(S1008)及び遷移指示受付部情報生成処理(S1010)は不要である。第3の段階上昇条件を設定する場合にはこれらの処理を実装することによって、実現可能である。
【0108】
本変形例を用いることにより、第1の段階上昇条件が設定された段階においては、プレイヤの選択によらず消費されるゲーム媒体を確認しながら上昇させる段階を選択することを可能とし、遷移指示受付部への入力に応答して表示される画面において、第2の段階上昇条件を満たすために、プレイヤによる消費ゲーム媒体の選択入力を可能とし、希望する段階まで一括で段階上昇処理を実現することができる。
【0109】
上述の実施形態においては、プレイヤ端末10においては、Webアプリケーションを用いて、ユーザにゲームをプレイさせる場合を例にとって説明したが、プレイヤ端末10においてネイティブアプリケーションを記憶装置14に記憶して、これを実行することにより、ゲームを進行させるための情報処理を実行するようにしてもよい。ネイティブアプリケーションは、ゲームを実行するためのゲームプログラム及び該ゲームプログラム実行時に参照する各種データを含む。ネイティブアプリケーションは、プレイヤ端末10に対するユーザの操作に応じて起動され、プレイヤ端末10が予め実装するオペレーティングシステム(OS)上で実行される。この場合に、上述の実施形態において、サーバ20が備える機能の少なくとも一部をプレイヤ端末10が備えるものとすることができる。さらに別の実施形態においては、プレイヤ端末10がサーバ20と通信を行わずに1台のプレイヤ端末10のみで実行できるようにしてもよい。
【0110】
以上に説明した処理又は動作において、あるステップにおいて、そのステップではまだ利用することができないはずのデータを利用しているなどの処理又は動作上の矛盾が生じない限りにおいて、処理又は動作を自由に変更することができる。また以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0111】
1 :ゲームシステム
2 :ネットワーク
10 :プレイヤ端末
11 :プロセッサ
12 :表示装置
13 :入力装置
14 :記憶装置
15 :通信装置
16 :バス
20 :サーバ
21 :プロセッサ
22 :表示装置
23 :入力装置
24 :記憶装置
25 :通信装置
26 :バス
31 :入力部
32 :表示部
33 :通信部
34 :ゲーム制御部
41 :入力部
42 :表示部
43 :通信部
44 :ゲーム制御部
45 :段階上昇条件判定部
46 :段階遷移判定部
47 :段階遷移判定部
48 :ゲーム画面
49 :画像
図1
図2
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