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特開2022-151670感温性粘着剤および被加工物の加工方法
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  • 特開-感温性粘着剤および被加工物の加工方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151670
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】感温性粘着剤および被加工物の加工方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 133/06 20060101AFI20220929BHJP
   C09J 133/14 20060101ALI20220929BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20220929BHJP
   C08F 220/28 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
C09J133/06
C09J133/14
C09J7/38
C08F220/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031579
(22)【出願日】2022-03-02
(31)【優先権主張番号】P 2021053396
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000111085
【氏名又は名称】ニッタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003029
【氏名又は名称】弁理士法人ブナ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 卓
(72)【発明者】
【氏名】惠 隆史
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
4J100
【Fターム(参考)】
4J004AA10
4J004AA14
4J004AB01
4J004AB07
4J004BA02
4J004CA06
4J004CB03
4J004CC02
4J004CD08
4J004DB02
4J004FA05
4J040DF021
4J040DF031
4J040DF061
4J040EF282
4J040FA291
4J040GA05
4J040HD41
4J040JB09
4J040KA13
4J040KA14
4J040KA16
4J040LA01
4J040LA02
4J040LA08
4J040NA20
4J040PA20
4J040PA32
4J040PA42
4J100AL03Q
4J100AL05P
4J100AL09R
4J100CA05
4J100JA05
(57)【要約】
【課題】固定性および易剥離性に優れる感温性粘着剤および被加工物の加工方法を提供することである。
【解決手段】本発明の感温性粘着剤は、紫外線硬化性官能基を有する化合物と側鎖結晶性ポリマーとの反応物であって、融点以上の温度で流動性を示す紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーは、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、炭素数2~6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートをモノマー成分として含むとともに、前記ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートをモノマー成分中に6重量%以上の割合で含む。本発明の被加工物の加工方法は、感温性粘着テープの粘着剤層に紫外線を照射し、前記融点未満の温度で加工物を感温性粘着テープから剥離する工程を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線硬化性官能基を有する化合物と側鎖結晶性ポリマーとの反応物であって、融点以上の温度で流動性を示す紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーを含有し、
前記側鎖結晶性ポリマーは、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、炭素数2~6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートをモノマー成分として含むとともに、前記ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートをモノマー成分中に6重量%以上の割合で含む、感温性粘着剤。
【請求項2】
前記融点未満の温度で被加工物を仮固定し、且つ、紫外線の照射により前記融点未満の温度で加工物を剥離する、請求項1に記載の感温性粘着剤。
【請求項3】
アゾ化合物をさらに含有する、請求項1または2に記載の感温性粘着剤。
【請求項4】
前記アゾ化合物の含有量が、前記紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して5~15重量部である、請求項3に記載の感温性粘着剤。
【請求項5】
セラミックグリーンシート積層体の仮固定用である、請求項1~4のいずれかに記載の感温性粘着剤。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の感温性粘着剤を含む、感温性粘着シート。
【請求項7】
フィルム状の基材と、
前記基材の少なくとも片面に積層されており請求項1~5のいずれかに記載の感温性粘着剤を含む粘着剤層と、を備える、感温性粘着テープ。
【請求項8】
請求項7に記載の感温性粘着テープを前記融点以上の温度にして被加工物に貼付する工程と、
前記感温性粘着テープを前記融点未満の温度にして前記被加工物を仮固定する工程と、
前記被加工物を加工して加工物を得る工程と、
前記感温性粘着テープの前記粘着剤層に紫外線を照射し、前記融点未満の温度で前記加工物を前記感温性粘着テープから剥離する工程と、を備える、被加工物の加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感温性粘着剤および被加工物の加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
温度変化に対応して粘着力が変化する粘着剤として、感温性粘着剤が知られている。感温性粘着剤は、テープなどに加工され、積層セラミックコンデンサなどの製造工程においてセラミックグリーンシート積層体などを仮固定する際に使用される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
仮固定用の粘着剤には、セラミックグリーンシート積層体などの被加工物を加工する際の固定性と、被加工物を加工して得られる加工物を剥離する際の易剥離性とが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-251923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、固定性および易剥離性に優れる感温性粘着剤および被加工物の加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)紫外線硬化性官能基を有する化合物と側鎖結晶性ポリマーとの反応物であって、融点以上の温度で流動性を示す紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーは、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、炭素数2~6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートをモノマー成分として含むとともに、前記ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートをモノマー成分中に6重量%以上の割合で含む、感温性粘着剤。
(2)前記融点未満の温度で被加工物を仮固定し、且つ、紫外線の照射により前記融点未満の温度で加工物を剥離する、前記(1)に記載の感温性粘着剤。
(3)アゾ化合物をさらに含有する、前記(1)または(2)に記載の感温性粘着剤。
(4)前記アゾ化合物の含有量が、前記紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して5~15重量部である、前記(3)に記載の感温性粘着剤。
(5)セラミックグリーンシート積層体の仮固定用である、前記(1)~(4)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(6)前記(1)~(5)のいずれかに記載の感温性粘着剤を含む、感温性粘着シート。
(7)フィルム状の基材と、前記基材の少なくとも片面に積層されており前記(1)~(5)のいずれかに記載の感温性粘着剤を含む粘着剤層と、を備える、感温性粘着テープ。
(8)前記(7)に記載の感温性粘着テープを前記融点以上の温度にして被加工物に貼付する工程と、前記感温性粘着テープを前記融点未満の温度にして前記被加工物を仮固定する工程と、前記被加工物を加工して加工物を得る工程と、前記感温性粘着テープの前記粘着剤層に紫外線を照射し、前記融点未満の温度で前記加工物を前記感温性粘着テープから剥離する工程と、を備える、被加工物の加工方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、固定性および易剥離性に優れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)~(c)は、本発明の一実施形態に係る被加工物の加工方法を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<感温性粘着剤>
本実施形態の感温性粘着剤は、紫外線(Ultra Violet:以下、「UV」ということがある。)硬化型側鎖結晶性ポリマーを含有する。UV硬化型側鎖結晶性ポリマーは、UV硬化性官能基を有する化合物と側鎖結晶性ポリマーとの反応物であって、融点以上の温度で流動性を示す。このUV硬化型側鎖結晶性ポリマーは、UVの照射によって硬化するUV硬化性に加えて、温度変化に対応して結晶状態および流動状態を可逆的に起こす感温性を有する。
【0010】
具体的に説明すると、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーは、融点を有する。融点とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていた重合体の特定部分が無秩序状態になる温度であり、示差熱走査熱量計(DSC)によって10℃/分の測定条件で測定して得られる値のことを意味する。
【0011】
UV硬化型側鎖結晶性ポリマーは、上述した融点未満の温度で結晶化し、且つ、融点以上の温度では相転移して流動性を示す。これにより、感温性粘着剤の温度を融点以上の温度にすると、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーが流動性を示すので、感温性粘着剤を被加工物に貼付することができる。また、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーが流動性を示すと、被加工物の表面に存在する微細な凹凸形状に感温性粘着剤が追従する。そして、この状態の感温性粘着剤を融点未満の温度に冷却すると、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーが結晶化することによっていわゆるアンカー効果が発現し、その結果、被加工物を仮固定することができる。
【0012】
ここで、被加工物を仮固定する際には、高い固定力が求められる(固定性)。また、被加工物を加工して得られる加工物を感温性粘着剤から剥離する際には、容易に剥離できることも求められる(易剥離性)。剥離については、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーを流動状態にして固定力を低下させることで対応することも考えられるが、この対応では融点以上の温度に加熱する手間が必要となる。
【0013】
本実施形態では、側鎖結晶性ポリマーが、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、炭素数2~6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートをモノマー成分として含む。そして、側鎖結晶性ポリマーが、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートをモノマー成分中に6重量%以上の割合で含む。
【0014】
このような構成によれば、融点未満の温度において、被加工物を高い固定力で仮固定することが可能となる。また、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、UV硬化性官能基を有する化合物と反応する。側鎖結晶性ポリマーが、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートをモノマー成分中に6重量%以上の割合で含むと、UV硬化性官能基を有する化合物が多く反応し、その結果、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーが、UV硬化性官能基を多く有する。そして、UV照射時の硬化収縮が大きくなり、加工物との密着力が低下してアンカー効果が外れ易くなる。それゆえ、UVの照射によって固定力を十分に低下させることができる。したがって、剥離する際に融点以上の温度に加熱する必要がなく、UVの照射により融点未満の温度で加工物を容易に剥離することが可能となる。
【0015】
このように、本実施形態の感温性粘着剤によれば、融点未満の温度で被加工物を高い固定力で仮固定することができ、しかも、加工物を剥離する際には、融点以上の温度に加熱する手間が不要であることから、固定性および易剥離性に優れるという効果を奏する。すなわち、本実施形態の感温性粘着剤は、融点未満の温度で被加工物を仮固定し、且つ、UVの照射により融点未満の温度で加工物を剥離する。
【0016】
感温性粘着剤は、UV硬化性および感温性が得られる割合でUV硬化型側鎖結晶性ポリマーを含有する。すなわち、感温性粘着剤は、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーを主成分として含有する。主成分とは、感温性粘着剤中に重量比で最も多く含まれる成分のことを意味する。
【0017】
UV硬化型側鎖結晶性ポリマーの融点は、例えば、23~50℃、好ましくは40~50℃である。融点を40~50℃にすると、室温においてUV硬化型側鎖結晶性ポリマーを結晶化させることができるので、被加工物を室温で高い固定力で仮固定し、加工することができる。また、得られた加工物を室温で易剥離することもできる。すなわち、被加工物の加工と加工物の剥離とを、いずれも室温で行うことが可能となる。なお、室温とは、23℃±5℃のことを意味してもよい。
【0018】
融点は、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーの組成などを変えることによって調整することができる。また、融点は、UV照射前後で実質的に変化しない傾向にある。すなわち、UV硬化後の融点は、UV硬化前の融点と実質的に同じ値になる傾向がある。さらに、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーは、UV硬化後においても融点未満の温度で結晶化し、且つ、融点以上の温度で流動性を示す。すなわち、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーは、UV照射前後のいずれの状態においても、温度変化に対応して結晶状態および流動状態を可逆的に起こすことができる。
【0019】
炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートは、その炭素数16以上の直鎖状アルキル基がUV硬化型側鎖結晶性ポリマーにおける側鎖結晶性部位として機能する。すなわち、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーは、側鎖に炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する櫛形のポリマーであり、この側鎖が分子間力などで秩序ある配列に整合されることによって結晶化する。
【0020】
炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどの炭素数16~22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。例示した(メタ)アクリレートは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートのことを意味する。
【0021】
炭素数2~6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。例示した(メタ)アクリレートは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0022】
ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。例示した(メタ)アクリレートは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0023】
側鎖結晶性ポリマーは、上述したとおり、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートをモノマー成分中に6重量%以上の割合で含む。ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートの割合は、好ましくは8重量%以上、より好ましくは10重量%以上である。ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートの割合の上限値は、30重量%以下であってもよい。
【0024】
また、側鎖結晶性ポリマーは、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートおよび炭素数2~6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートをモノマー成分中に同じ割合で含んでもよい。
【0025】
側鎖結晶性ポリマーにおいて、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが、炭素数2~6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートよりも重量比で多く含まれてもよい。この場合には、固定性に優れる。
【0026】
側鎖結晶性ポリマーの組成としては、例えば、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが10~90重量%、炭素数2~6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが4~60重量%、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートが6~30重量%である。
【0027】
モノマーの重合方法としては、例えば、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法などが挙げられる。溶液重合法を採用する場合には、上述した各モノマーを溶剤に混合し、必要に応じて重合開始剤などを添加して、40~90℃程度で2~10時間程度攪拌すればよい。
【0028】
側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量は、例えば、100000以上、好ましくは400000~800000である。重量平均分子量は、側鎖結晶性ポリマーをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
【0029】
UV硬化性官能基を有する化合物においてUV硬化性官能基とは、UV照射によって硬化する官能基のことを意味する。UV硬化性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、グリシジル基などが挙げられる。
【0030】
UV硬化性官能基を有する化合物としては、上述したヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートと反応するうえでイソシアネート化合物がよく、例えば、下記式(I)で表される2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、下記式(II)で表される2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、下記式(III)で表される1,1-ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートなどが挙げられる。
【0031】
【化1】
【0032】
また、式(I)~(III)以外の他のUV硬化性官能基を有するイソシアネート化合物としては、例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシブチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、1-(4-ビニルフェニル)-1-メチルエチルイソシアネートなどが挙げられる。例示したイソシアネート化合物は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0033】
UV硬化性官能基を有する化合物と側鎖結晶性ポリマーとの反応は、例えば、両者を所定の割合で混合した後、酸化防止剤および触媒などを必要に応じて加えて窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下とし、40~80℃程度で1~9時間程度攪拌して行えばよい。
【0034】
両者の混合割合は、例えば、側鎖結晶性ポリマー中のヒドロキシアルキル基に対して、UV硬化性官能基を有する化合物が0.1~5モル当量、好ましくは0.5~2モル当量である。側鎖結晶性ポリマーの含有量は、UV硬化性官能基を有する化合物の含有量よりも多いのがよい。
【0035】
UV硬化性官能基の硬化には、光重合開始剤を用いる。光重合開始剤は、UV硬化性官能基の組成に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。また、光重合開始剤は、市販品を用いることができる。市販の光重合開始剤としては、例えば、IGM Resins社製の「Omnirad500」などが挙げられる。光重合開始剤の添加量は、UV硬化型側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して、例えば、0.3~3重量部である。
【0036】
UV硬化型側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量は、例えば、100000以上、好ましくは600000~800000である。重量平均分子量は、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーをGPCによって測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
【0037】
感温性粘着剤は、アゾ化合物をさらに含有してもよい。この場合には、UV照射時に気体が発生し、加工物をリフトアップする効果が得られるため、より易剥離性に優れる。
【0038】
アゾ化合物としては、例えば、アゾアミド類、アゾエステル類などが挙げられる。アゾアミド類としては、例えば、2,2'-Azobis(N-butyl-2-methylpropionamide) などが挙げられる。アゾ化合物の含有量は、UV硬化型側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して、例えば、5~15重量部である。
【0039】
感温性粘着剤は、架橋剤をさらに含有してもよい。架橋剤としては、例えば、金属キレート化合物、アジリジン化合物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物などが挙げられる。架橋剤の含有量は、UV硬化型側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して、例えば、0.1~5重量部である。架橋条件としては、加熱温度が90~120℃程度であり、加熱時間が1分~20分程度である。
【0040】
感温性粘着剤は、ポリエチレンテレフタレートに対する180°剥離強度が、紫外線照射前の23℃において1.0N/25mm以上、好ましくは1.0~15N/25mmであってもよく、また、紫外線照射後の23℃において0.1N/25mm以下、好ましくは0.01~0.1N/25mmであってもよい。この場合には、被貼付面が有機材料を含む被加工物に対して、感温性粘着剤が優れた固定性と易剥離性とを有する。180°剥離強度は、JIS Z0237に準拠して測定される値である。
【0041】
感温性粘着剤は、ステンレス鋼に対する180°剥離強度が、紫外線照射前の23℃において3.0N/25mm以上、好ましくは3.0~40N/25mmであってもよく、また、紫外線照射後の23℃において0.2N/25mm以下、好ましくは0.01~0.2N/25mmであってもよい。この場合には、被貼付面が無機材料を含む被加工物に対して、感温性粘着剤が優れた固定性と易剥離性とを有する。
【0042】
感温性粘着剤は、例えば、セラミック部品製造用の仮固定材として使用することができる。セラミック部品としては、例えば、積層セラミックコンデンサ、セラミックインダクタ、セラミックバリスタなどが挙げられる。感温性粘着剤は、セラミックグリーンシート積層体の仮固定用であってもよい。
【0043】
感温性粘着剤の使用形態は、特に限定されず、例えば、そのまま使用してもよいし、下記で説明するように、粘着シート、粘着テープなどの形態で使用してもよい。
【0044】
<感温性粘着シート>
本実施形態の感温性粘着シートは、上述した感温性粘着剤を含むものであり、基材レスのシート状である。感温性粘着シートの厚さは、例えば、10~400μmである。
【0045】
感温性粘着シートの表面には、離型フィルムを積層してもよい。離型フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどからなるフィルムの表面に、シリコーンなどの離型剤を塗工したものが挙げられる。離型フィルムの厚さは、例えば、5~500μm、好ましくは25~250μmである。離型フィルムは、感温性粘着シートの使用時に剥離される。
【0046】
<感温性粘着テープ>
本実施形態の感温性粘着テープは、フィルム状の基材と、基材の少なくとも片面に積層されている粘着剤層とを備えている。フィルム状とは、フィルム状のみに限定されるものではなく、本実施形態の効果を損なわない限りにおいて、フィルム状ないしシート状をも含む概念である。
【0047】
基材の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンポリプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂が挙げられる。
【0048】
基材の構造は、単層構造または多層構造のいずれであってもよい。基材の厚さは、例えば、5~500μm、好ましくは25~250μmである。基材は、粘着剤層に対する密着性を高めるうえで、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理(コロナ処理)、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理などが挙げられる。
【0049】
基材の少なくとも片面に積層されている粘着剤層は、上述した感温性粘着剤を含むものである。粘着剤層を基材の少なくとも片面に積層するには、例えば、感温性粘着剤に溶剤を加えて塗工液を調製し、得られた塗工液をアプリケーター、コーターなどで基材の片面または両面に塗工して乾燥させればよい。アプリケーターとしては、例えば、ベーカー式アプリケーターなどが挙げられる。コーターとしては、例えば、ナイフコーター、ロールコーター、カレンダーコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ロッドコーターなどが挙げられる。
【0050】
粘着剤層の厚さは、例えば、5~300μm、好ましくは10~300μmである。
【0051】
基材の両面に粘着剤層を積層する場合には、片面の粘着剤層と他面の粘着剤層は、互いの組成や厚さなどが同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、片面の粘着剤層が上述した感温性粘着剤を含む限り、他面の粘着剤層は特に限定されない。他面の粘着剤層は、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などで構成することもできる。
【0052】
粘着剤層の表面には、離型フィルムを積層してもよい。離型フィルムとしては、上述した感温性粘着シートで例示したのと同じものが挙げられる。離型フィルムは感温性粘着テープの使用時に剥離される。
【0053】
<被加工物の加工方法>
次に、本発明の一実施形態に係る被加工物の加工方法について、被加工物がセラミックグリーンシート積層体である場合を例にとって、図1を参照して詳細に説明する。
【0054】
本実施形態の被加工物の加工方法は、上述した感温性粘着テープを使用するとともに、以下の(i)~(iv)の工程を備えている。
(i)感温性粘着テープを融点以上の温度にして被加工物に貼付する工程。
(ii)感温性粘着テープを融点未満の温度にして被加工物を仮固定する工程。
(iii)被加工物を加工して加工物を得る工程。
(iv)感温性粘着テープの粘着剤層に紫外線を照射し、融点未満の温度で加工物を感温性粘着テープから剥離する工程。
【0055】
具体的に説明すると、図1(a)に示すように、本実施形態の感温性粘着テープ1は、フィルム状の基材2と、基材2の片面に積層されており上述した感温性粘着剤を含む粘着剤層3と、を備えている。
【0056】
(i)の工程では、感温性粘着テープ1を融点以上の温度にして、被加工物であるセラミックグリーンシート積層体100に貼付する。感温性粘着テープ1を融点以上の温度にするには、例えば、ヒータなどの加熱手段を使用すればよい。
【0057】
セラミックグリーンシート積層体100は、例えば、セラミック粉末のスラリーをドクターブレードで薄く延ばしてセラミックグリーンシートを形成し、このセラミックグリーンシートの表面に複数の電極を印刷した後、複数のセラミックグリーンシートを積層一体化して得られる。
【0058】
(ii)の工程では、感温性粘着テープ1を融点未満の温度にしてセラミックグリーンシート積層体100を仮固定する。本実施形態によれば、粘着剤層3が上述した感温性粘着剤を含むことから、セラミックグリーンシート積層体100を高い固定力で仮固定することができる。なお、感温性粘着テープ1を融点未満の温度にするには、例えば、ファンなどの冷却手段を使用すればよい。
【0059】
(iii)の工程では、セラミックグリーンシート積層体100を加工して加工物を得る。加工方法としては、例えば、切削加工、研磨加工などが挙げられる。本実施形態の(iii)の工程は、図1(b)に示すように、いわゆるダイシング加工である。具体的に説明すると、本実施形態の(iii)の工程では、セラミックグリーンシート積層体100を回転刃200でカットし、加工物として複数の生チップ110を得る。
【0060】
(iv)の工程では、図1(c)に示すように、感温性粘着テープ1の粘着剤層3にUVを照射し、融点未満の温度で複数の生チップ110を感温性粘着テープ1から剥離する。UV照射量は、例えば、0.5~3J/cm2である。
【0061】
本実施形態では、粘着剤層3が上述した感温性粘着剤を含むことから、粘着剤層3にUVを照射すれば、融点未満の温度で固定力を十分に低下させることができる。それゆえ、複数の生チップ110を感温性粘着テープ1から融点未満の温度で容易に剥離することができ、歩留りよく複数の生チップ110を得ることができる。
【0062】
融点が40~50℃であれば、(ii)の工程において、セラミックグリーンシート積層体100を室温で高い固定力で仮固定することができる。また、(iii)の工程では、セラミックグリーンシート積層体100を室温でダイシング加工することができる。(iv)の工程では、複数の生チップ110を感温性粘着テープ1から室温で易剥離できる。
【0063】
得られた生チップ110を焼成すると、セラミックチップを得ることができる。また、得られたセラミックチップの端面に外部電極を形成すると、積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0064】
以上、本発明に係る実施形態について例示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることはいうまでもない。
【0065】
例えば、上述の実施形態における被加工物の加工方法では、被加工物がセラミックグリーンシート積層体100であるが、本実施形態の被加工物の加工方法は、セラミックグリーンシート積層体100の他、例えば、セラミックインダクタ、セラミックバリスタなどの他のセラミック部品を製造する際の被加工物に対しても適用することができる。
【0066】
また、被加工物の加工方法における(i)の工程では、感温性粘着テープ1の基材2を台座に固定してもよい。基材2を台座に固定する方法としては、例えば、基材2と台座との間に所定の粘着剤や接着剤を介在させて固定する方法や、吸着機構などの固定手段を備えた台座を採用する方法などが挙げられる。また、感温性粘着テープ1の構成が、基材2の両面に粘着剤層3が積層されている両面テープである場合には、セラミックグリーンシート積層体100を固定している片面の粘着剤層3と反対の他面の粘着剤層3を介して台座に固定してもよい。
【0067】
また、被加工物の加工方法における(iii)の工程では、回転刃200によるカットに代えて、例えば、切断刃による押し切りにしてもよい。
【0068】
以下、合成例および実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の合成例および実施例のみに限定されるものではない。
【0069】
(合成例1~2)
まず、ベヘニルアクリレート、n-ブチルアクリレートおよび2-ヒドロキシエチルアクリレートを表1に示す割合で混合し、モノマー混合物を得た。
【0070】
次に、重合開始剤として日油社製の「パーブチルND」をモノマー混合物100重量部に対して0.3重量部の割合で混合し、酢酸エチル:ヘプタン=7:3(重量比)の混合溶媒によって固形分量が32重量%になるように調整し、混合液を得た。
【0071】
次に、得られた混合液を55℃で4時間撹拌した後、追加の重合開始剤として日油社製の「パーブチルPV」をモノマー混合物100重量部に対して0.5重量部の割合で混合し、80℃で2時間さらに撹拌することによって各モノマーを共重合させ、側鎖結晶性ポリマーの溶液を得た。
【0072】
得られた側鎖結晶性ポリマーの溶液を固形分換算で100重量部、上述した式(I)で表される2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製のUV硬化性官能基を有する化合物「カレンズMOI」)を10.5重量部(側鎖結晶性ポリマー中のヒドロキシアルキル基に対して0.8モル当量)、および触媒としてジルコニウムテトラアセチルアセトネート(マツモトファインケミカル(株)製の「オルガチックスZC-150」)を0.1重量部の割合で混合し、窒素ガス雰囲気下、50℃で8時間撹拌して反応させて、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーの溶液を得た。
【0073】
(比較合成例1)
まず、ベヘニルアクリレートを45重量%、メチルアクリレートを50重量%および2-ヒドロキシエチルアクリレートを5重量%の割合で混合し、モノマー混合物を得た。
【0074】
次に、このモノマー混合物を用いた以外は、合成例1~2と同様にして各モノマーを共重合させて、側鎖結晶性ポリマーの溶液を得た。そして、この側鎖結晶性ポリマーの溶液を用いるとともに、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートの割合を5.3重量部(側鎖結晶性ポリマー中のヒドロキシアルキル基に対して0.8モル当量)にした以外は、合成例1~2と同様にして反応させて、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーの溶液を得た。
【0075】
(比較合成例2)
まず、ベヘニルアクリレートを45重量%、n-ブチルアクリレートを50重量%および2-ヒドロキシエチルアクリレートを5重量%の割合で混合し、モノマー混合物を得た。
【0076】
次に、このモノマー混合物を用いた以外は、合成例1~2と同様にして各モノマーを共重合させて、側鎖結晶性ポリマーの溶液を得た。そして、この側鎖結晶性ポリマーの溶液を用いるとともに、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートの割合を5.3重量部(側鎖結晶性ポリマー中のヒドロキシアルキル基に対して0.8モル当量)にした以外は、合成例1~2と同様にして反応させて、UV硬化型側鎖結晶性ポリマーの溶液を得た。
【0077】
合成例1~2および比較合成例1~2で得られた各UV硬化型側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量および融点を表1に示す。なお、重量平均分子量は、GPCで測定して得られた測定値をポリスチレン換算した値である。融点は、DSCを用いて10℃/分の測定条件で測定した値である。
【0078】
【表1】
【0079】
[実施例1~7および比較例1~2]
<感温性粘着テープの作製>
まず、合成例1~2および比較合成例1~2で得られた各UV硬化型側鎖結晶性ポリマーの溶液を固形分換算で100重量部、IGM Resins社製の光重合開始剤「Omnirad500」を固形分換算で1重量部、架橋剤およびアゾ化合物を表2に示す割合でそれぞれ混合し、塗工液を得た。
【0080】
なお、表2に示す架橋剤およびアゾ化合物の割合は、固形分換算でUV硬化型側鎖結晶性ポリマー100重量部に対する値である。使用した架橋剤およびアゾ化合物は、以下のとおりである。
架橋剤:日本ポリウレタン工業社製のイソシアネート化合物「コロネートL-45E」
アゾ化合物:2,2'-Azobis(N-butyl-2-methylpropionamide)
【0081】
次に、得られた塗工液を基材の片面に塗工して乾燥させ、基材の片面に厚さ40μmの粘着剤層が積層された感温性粘着テープを得た。使用した基材、塗工条件および乾燥条件(架橋条件)は、以下のとおりである。
基材:片面をコロナ処理した厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートからなるフィルム状の基材を用いた。
塗工条件:塗工液を、基材のコロナ処理面にアプリケーターによって塗工した。
乾燥条件:100℃の乾燥機内で5分間乾燥した。
【0082】
<評価>
実施例1~7および比較例1~2で得られた各感温性粘着テープについて、180°剥離強度を評価した。評価方法を以下に示すとともに、その結果を表2に示す。
【0083】
(180°剥離強度)
得られた感温性粘着テープについて、UV照射前およびUV照射後の23℃の雰囲気温度におけるポリエチレンテレフタレート(PET)およびステンレス鋼(SUS)に対する180°剥離強度を測定した。180°剥離強度は、JIS Z0237に準拠して測定した。具体的には、以下の条件で感温性粘着テープをPETおよびSUSにそれぞれ貼付した後、ロードセルを用いて300mm/分の速度で180°剥離した。
【0084】
[UV照射前23℃]
60℃の雰囲気温度で感温性粘着テープをPETおよびSUSにそれぞれ貼付し、この雰囲気温度で20分間静置した後、雰囲気温度を23℃に下げ、この雰囲気温度で20分間静置した後、180°剥離した。
【0085】
[UV照射後23℃]
60℃の雰囲気温度で感温性粘着テープをPETおよびSUSにそれぞれ貼付し、この雰囲気温度で20分間静置した後、雰囲気温度を23℃に下げ、この雰囲気温度で20分間静置した後、粘着剤層にUVを照射した。
【0086】
UV照射条件は、以下のとおりである。
装置:ベルト式UV照射装置
光源:高圧水銀ランプ
UV照射量:1J/cm2
【0087】
UVを照射した後、23℃の雰囲気温度で20分間静置してから180°剥離した。
【0088】
なお、PETは、厚さ0.25mmのフィルム状であって、表面が未処理のものを使用した。SUSは、板状のSUS304を使用した。PETおよびSUSに対する感温性粘着テープの貼付は、感温性粘着テープの上で2kgのローラーを5往復させることによって行った。
【0089】
【表2】
【0090】
表2から明らかなように、実施例1~7は、PETおよびSUSのいずれに対しても、UV照射前の23℃における180°剥離強度の値が高く、且つ、UV照射後の23℃における180°剥離強度の値が低い結果を示した。したがって、実施例1~7は、融点未満の温度で被加工物を仮固定し、且つ、UVの照射により融点未満の温度で加工物を剥離できるといえる。
【0091】
比較例1は、23℃の雰囲気温度でPETおよびSUSから簡単に剥がれてしまい、UV照射前の23℃における180°剥離強度を測定できず、固定性に劣る結果を示した。なお、参考例として、UV照射前の80℃における180°剥離強度の値を、表2中の「UV照射前23℃」の欄に示した。
【0092】
比較例2は、PETおよびSUSのいずれに対しても、UV照射後の23℃における180°剥離強度の値が高く、UV照射後の融点未満の温度における剥離性に劣る結果を示した。
【符号の説明】
【0093】
1・・・感温性粘着テープ
2・・・基材
3・・・粘着剤層
100・・・セラミックグリーンシート積層体
110・・・生チップ
200・・・回転刃
図1