(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151725
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ウェハ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
H01L21/304 631
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022039925
(22)【出願日】2022-03-15
(31)【優先権主張番号】110110536
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】111102292
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】515087558
【氏名又は名称】環球晶圓股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Global Wafers Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8 Industrial East Road 2,Science Park,Hsinchu City, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】温 禪儒
(72)【発明者】
【氏名】張 志▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】周 素蓮
【テーマコード(参考)】
5F057
【Fターム(参考)】
5F057AA03
5F057AA05
5F057AA21
5F057BA11
5F057BB03
5F057BB05
5F057BB07
5F057BB08
5F057BB09
5F057CA15
5F057DA01
5F057DA10
5F057DA11
5F057EB20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】厚い縁部を残す設計のウェハの研磨において、研磨の間に生成された微粒子の除去能力を改善できるウェハを提供する。
【解決手段】環状部110と加工部120とを含むウェハ100は、研磨された加工部の上面T1と、上面の反対側の底面B2と、を有する。加工部は環状部により囲まれ、加工部の上面が環状部に連接する領域R3は、上向きに湾曲した曲面である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状部と、
前記環状部と連接した加工部と
を含み、
前記加工部が、研磨された上面と、前記上面と反対側の底面とを有し、前記加工部が前記環状部に囲まれ、前記上面が前記環状部に連接する領域が上向きに湾曲した曲面であり、前記曲面が前記加工部に対して、前記環状部に近いほど前記環状部に連接する局所領域における前記加工部の厚さを増加させる、
ウェハ。
【請求項2】
前記加工部が前記環状部に連接する箇所の最大厚さがTEμmであり、前記加工部の幅がLmmであり、前記環状部から0.15L~0.3Lの距離に位置する前記加工部の部分が第1領域として定義され、前記環状部から0.3L~0.5Lの距離に位置する前記加工部の部分が第2領域として定義され、前記加工部の最薄部が前記第1領域に位置しており、前記加工部の前記最薄部の厚さがTLμmであり、前記第2領域に位置する前記加工部の最厚部の厚さがTHμmであり、(TE-TL)が4μm以上であり、前記環状部の厚さがRimHμmであり、THが0.1RimH~0.7RimHである、
請求項1に記載のウェハ。
【請求項3】
TEがTHよりも大きく、THがTLよりも大きい、
請求項2に記載のウェハ。
【請求項4】
前記第2領域における前記加工部の平均厚さが、前記第1領域における前記加工部の平均厚さよりも厚い、
請求項2に記載のウェハ。
【請求項5】
前記環状部の内側の側壁の延伸方向が前記加工部の前記底面に垂直であり、前記環状部の前記側壁と前記加工部の前記上面との間の境界から前記環状部の底面までの距離がTEμmであり、前記加工部の前記上面から前記加工部の前記底面までの前記最薄部の厚さがTLμmであり、前記第2領域における前記加工部の前記上面から前記第2領域における前記加工部の前記底面までの前記最厚部の厚さがTHμmである、
請求項2に記載のウェハ。
【請求項6】
前記加工部が前記環状部に連接する箇所の最大厚さがTEμmであり、前記加工部の幅がLmmであり、前記環状部から0.15L~0.5Lの距離に位置する前記加工部の部分が第1領域として定義され、前記第1領域における前記加工部の最薄部の厚さがTLμmであり、前記第1領域における前記加工部の最厚部の厚さがTHμmであり、(TE-TL)が(TH-TL+1.5μm)以上であり、前記環状部の厚さがRimHμmであり、THが0.1RimH~0.7RimHである、
請求項1に記載のウェハ。
【請求項7】
THがTLに等しく、(TE-TL)が1.5μm以上である、
請求項6に記載のウェハ。
【請求項8】
前記環状部の内側の側壁の延伸方向が前記加工部の前記底面に垂直であり、前記環状部の前記側壁と前記加工部の前記上面との間の境界から前記環状部の底面までの距離がTEμmであり、前記第1領域における前記加工部の前記上面から前記第1領域における前記加工部の前記底面までの前記最薄部の厚さがTLμmであり、前記第1領域における前記加工部の前記上面から前記第1領域における前記加工部の前記底面までの前記最厚部の厚さがTHμmである、
請求項6に記載のウェハ。
【請求項9】
前記加工部の幅がLmmであり、前記環状部から0.15L内の距離に位置する前記加工部の部分が縁部領域として定義され、前記曲面が前記加工部に対して、前記環状部から遠いほど前記縁部領域における前記加工部の厚さを減少させ、前記曲面が前記縁部領域に位置しており、前記曲面の横幅がXであり、0.01L≦X≦0.15Lであり、前記曲面の丸みの曲率半径がCRであり、0.01L≦CR≦Lである、
請求項1に記載のウェハ。
【請求項10】
前記加工部の前記底面が前記環状部の底面と実質的に面一である、
請求項1に記載のウェハ。
【請求項11】
前記加工部が前記環状部に連接する箇所の最大厚さがTEμmであり、前記環状部の厚さがRimHμmであり、0.5≦TE/RimH≦1である、
請求項1に記載のウェハ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウェハに関するものであり、特に加工されたウェハに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業において、ウェハ製造の工程は、インゴットを形成することと、次いでウェハを得るためにインゴットをスライスすることとを含む。インゴットは、例えば高温環境において製造される。現在、インゴットを形成する工程は、チョクラルスキー法、物理的気相輸送法(PVT)、高温化学気相蒸着法(HT-CVD)、液相エピタキシ法(LPE)等を含む。
【0003】
インゴットを製造するとき、種結晶を高温炉に配置することが一般的である。所望のサイズのインゴットが得られるまで、種結晶を気体又は液体の原材料と接触させて種結晶の表面に半導体材料を形成させる。インゴットは製造方法及び使用される原材料によって結晶構造が異なる。
【0004】
成長が完了すると、インゴットは炉冷却又は他の工程により室温まで冷却される。結晶インゴットが冷やされると、研削用ホイールにより所望のサイズ(例えば3~12インチ)まで研磨される前に、形状が整っていない頭部と尾部が切断機で除去される。場合によっては、研磨により結晶インゴットの縁部に平坦な縁部又はV字状溝が形成される。平坦な縁部及びV字状溝は、インゴットを結晶配向させる、又はインゴットを固定させるのに適する。
【0005】
複数のウェハを得るため、次の工程でインゴットがスライスされる。例えば、結晶インゴットをスライスする工程は、刃又は研磨材粒子(例えばダイヤモンド粒子)を含む鋼線で切断することを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、インゴットがスライスされた後、研磨工程によりウェハの厚さが調整され、この研磨工程はウェハの表面を比較的平坦にもする。しかし、ウェハ研磨の間、研磨材又は研磨により生成された粒子がウェハの表面を容易に傷つける可能性がある。
【0007】
現在一般的に採用されているウェハ研磨工程では、ウェハが比較的薄い厚さに加工されるとき、過度の処理強度のためにウェハのひび割れを起こしやすい。この問題に対し、ウェハの厚さが200μm未満(又は50μm未満)である必要があるとき、TAIKO研磨プロセスが採用される。ウェハを研磨するとき、TAIKO研磨プロセスはウェハの構造的強度を高めるために縁部に一定の厚さを残す。しかし、このようなウェハに比較的厚い縁部を残す設計は、ウェハの研削又は研磨の間に生成された微粒子が適切に除去されることも妨げ、これは不要な傷を容易に生むこととなり、加工中のウェハに影響を与え、ウェハの加工品質及び幾何学的形状を損なう可能性すらある。このため、研削又は研磨の間のウェハの粒子除去能力を改善することはやはり解決すべき課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はウェハを提供する。該ウェハは環状部と加工部とを含む。加工部は環状部に連接される。加工部は、研磨された上面と、該上面と反対側の底面とを有する。加工部は環状部により囲まれる。該上面が環状部に連接する領域は上向きに湾曲した曲面であり、曲面は加工部に対して、環状部に近いほど環状部が連接される局所領域における加工部の厚さを増加させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、加工部の縁部における傷の問題を改善することのできるウェハを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の1つの実施形態によるウェハ研磨工程の概略上面図である。
【0011】
【
図2】
図2は、本発明の1つの実施形態によるウェハの概略断面図である。
【0012】
【
図3】
図3は、本発明の1つの実施形態によるウェハの概略断面図である。
【0013】
【
図4】
図4は、本発明の1つの実施形態によるウェハの加工部の断面の厚さ分布のグラフである。
【0014】
【
図5】
図5は、本発明の1つの実施形態によるもう1つのウェハの加工部の断面の厚さ分布のグラフである。
【0015】
【
図6】
図6は、本発明の1つの実施形態による更にもう1つのウェハの加工部の断面の厚さ分布のグラフである。
【0016】
【
図7】
図7は、本発明の1つの実施形態によるまた更にもう1つのウェハの加工部の断面の厚さ分布のグラフである。
【0017】
【
図8A】
図8Aは、本発明の1つの実施形態によるウェハの一部領域の概略断面図である。
【0018】
【
図8B】
図8Bは、本発明の比較例によるウェハの一部領域の概略断面図である。
【0019】
【
図9】
図9は、本発明の1つの実施形態によるウェハ研磨工程の概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の1つの実施形態によるウェハ研磨工程の概略上面図である。
図2は、本発明の1つの実施形態によるウェハの概略断面図である。
【0021】
図1と
図2において、ウェハ100に研磨工程が実行される。例えば、ウェハ100は、ウェハ100の上面を研磨ヘッドPで研磨するため作業台Cに配置される。いくつかの実施形態において、作業台Cと研磨ヘッドPのうちの一方が時計回り方向に回転し、他方が逆時計回り方向に回転するが、本発明はこれに限定されない。本実施形態において、研磨工程はTAIKO研磨である。本実施形態において、ウェハ100の材料は、例えば、シリコン(Si)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化インジウム(InP)、アンチモン化インジウム(InSb)、窒化ガリウム(GaN)、炭化ケイ素(SiC)、セレン化亜鉛(ZnSe)、又は他の適する半導体材料を含む。
【0022】
研磨されたウェハ100は、環状部110と加工部120とを含む。加工部120は環状部110に連接される。加工部120は、研磨された上面T1と、上面T1と反対側の底面B1とを有する。加工部120は環状部110により囲まれる。環状部110の厚さは加工部120の厚さよりも厚く、このため環状部110はウェハ100の強度を高め、ウェハ100の反りを減少させる。加えて、ウェハ100の環状部110が厚いことから、ウェハ100の縁部は加工の間にひび割れ又は欠けが生じ難い。
【0023】
本実施形態において、加工部120の上面T1が環状部110に連接する領域は、上向きに湾曲した曲面CS(即ち、環状部110の上面T2に近い方向へ湾曲した面)であり、曲面CSは加工部120に対して、環状部110に近いほど環状部110に連接する局所領域における加工部120の厚さを増加させる。
【0024】
図8Aに示すように、加工部120に対して環状部110に近いほど環状部110と連接する局所領域における加工部120の厚さが増加されるとき、曲面CSにおいて、環状部110に比較的近い加工部120の厚さX1が環状部110から比較的遠い加工部120の厚さX2よりも厚いことが見て取れる。このようにして、ウェハの研磨工程の間に生成された微粒子Zは曲面CSに沿って(例えば、方向Dに沿って)容易に除去されることができ、加工部120の縁部の傷を減少させるため、微粒子Zが加工部120と環状部110との境界で引っ掛かることを防止する。いくつかの実施形態において、加工部120の上面T1の断面形状はW字状又はU字状である。ただし、本実施形態は加工部120に対して環状部110に近いほど加工部120全体の厚さを増加させることに限定しないことに注意されたい。
【0025】
加工部120の上面T1が環状部110に連接する領域が下向きの曲面CS(即ち、環状部110の上面T2から離れる方向に湾曲した表面)、又は環状部の側面に垂直な面である場合、ウェハ100の研磨工程の間に生成された微粒子Zは加工部120と環状部110との間の境界で引っ掛かりやすく、加工部120の縁部に傷をもたらしやすい。これら傷は、ウェハ100に後に堆積される膜層(例えば、エピタキシャル層、金属層、又は絶縁層)の不良歩留まりを引き起こす可能性がある。例えば、
図8Bに示すように、加工部120の上面T1が環状部110に連接する領域が、下向きに湾曲した曲面CSである。曲面CSにおいて、環状部110に比較的近い加工部120の厚さX1が環状部110から比較的遠い加工部120の厚さX2よりも薄いことが見て取れる。このため、ウェハの研磨工程の間に生成された微粒子Zは加工部120と環状部110との間の境界で引っ掛かりやすく、加工部120の縁部に傷をもたらすこととなる。いくつかの実施形態において、加工部120の上面T1が環状部110に連接する領域は下向きの曲面CSであり、これは加工部120の上面T1の断面形状をM字状又はn字状にする。
【0026】
再び
図2を参照し、本実施形態において、加工部120の上面T1の構造は、ウェハ100の加工部120の縁部での傷を更に避けるために調整される。本実施形態において、環状部110の厚さはRim
Hμmである。Rim
Hは、200μm~1500μmであり、300μm~900μmであることが好ましく、400μm~800μmであることが最適である。いくつかの実施形態において、ウェハ100の環状部110は面取りされ、環状部110の上面T2と環状部110の底面B2は湾曲又は傾斜しており、環状部110の厚さRim
Hは環状部110の最大厚さ(即ち、上面T2から底面B2までの最大厚さ)として定義される。本実施形態において、研磨ヘッドPは環状部110の側壁S2に沿って下向きに研磨し、環状部110の側壁S2の延伸方向は作業台C(又は加工部120の底面B1)に対し実質的に垂直である。加工部120の底面B1は環状部110の底面B2と実質的に面一にされており、換言すれば、底面B1と底面B2は実質的に連続面である。
【0027】
加工部120が環状部110に連接する場所の最大厚さはTEμmである。換言すれば、加工部120が環状部110の側壁S2に連接する部分の最大厚さはTEμmである。更に換言すれば、環状部110の側壁S2と加工部120の上面T1との間の境界から環状部110の底面B2までの距離はTEμmである。曲面CSの設計は、工程の間に生成されるチップを取り外しやすくするものである。このため、厚さRimHと厚さTEとの差が小さいほうがよい。いくつかの実施形態において、0.5≦厚さTE/厚さRimH≦1であり、0.75≦厚さTE/厚さRimH≦1であることが好ましい。
【0028】
加工部120の幅(又は直径)はLmmであり、Lは70mm~300mmである。環状部110から0.15L内の距離に位置する加工部の部分は、縁部領域R3として定義される。曲面CSは縁部領域R3に位置しており、曲面CSは加工部120に対して、環状部110から遠いほど縁部領域R3における加工部120の厚さを減少させる。本実施形態において、加工部120の縁部領域R3全体の上面が曲面CSである。即ち、曲面CSの横幅X(又は垂直投影の幅)は0.15Lであるが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施形態において、縁部領域R3において上向きに湾曲した曲面CSの横幅はXであり、0.01L≦X≦0.15Lである。好ましい実施形態において、0.02L≦X≦0.14Lである。更に好ましい実施形態において、0.03L≦X≦0.13Lである。
【0029】
環状部110から0.15L~0.3Lの距離に位置する加工部120の部分は、第1領域R1として定義される。加工部の最薄部は第1領域R1に位置しており、加工部120の最薄部の厚さはTLμmである。本実施形態において、(TE-TL)は4μm以上であり、ウェハ100を研磨することで生成された微粒子を曲面CSに沿って除去することが容易である。本実施形態において、加工部120の上面T1から加工部120の底面B1までの最薄部の厚さはTLμmである。
【0030】
環状部110から0.3L~0.5Lの距離に位置する加工部120の部分は、第2領域R2として定義される。第2領域R2における加工部120の最厚部の厚さはTHμmであり、THは0.1RimH~0.7RimHである。本実施形態において、第2領域R2における加工部120の上面T1から第2領域R2における加工部120の底面B1までの最厚部の厚さはTHμmである。本実施形態において、TEはTHよりも大きく、THはTLよりも大きい。本実施形態において、曲面CSは第1領域R1と第2領域R2を囲む。
【0031】
本実施形態において、第2領域R2における加工部120の平均厚さは、第1領域R1における加工部120の平均厚さよりも厚く、これは加工部120の最薄部が第2領域R2において現れることを防ぎ、TL未満の厚さの部分が第2領域R2において現れる可能性を低減させ、これにより加工によって生成された微小な屑が第2領域R2に留まることを防止し、微小な屑が縁部領域R3から排出される可能性を高める。
【0032】
本実施形態において、加工部120の上面T1の断面形状はW字状に類似する。
【0033】
上記に基づき、本実施形態のウェハ100は研磨後の加工部120の縁部の傷の問題を防止する。
【0034】
図3は、本発明の1つの実施形態によるウェハの概略断面図である。
【0035】
図3の実施形態は、
図1と
図2の実施形態の部材符号及び一部内容を援用している。同一又は類似の符号は同一又は類似の部材を表し、このため同一の技術内容は省略する。省略された部分の説明については上述の実施形態を参照されたい。
【0036】
図3において、研磨されたウェハ100aは環状部110と加工部120とを含む。加工部120は環状部110と連接される。加工部120は、研磨された上面T1と、上面T1と反対側の底面B1とを有する。加工部120は環状部110に囲まれる。環状部110の厚さは加工部120の厚さよりも厚く、このため環状部110はウェハ100aの強度を高め、ウェハ100aの反りを減少させる。加えて、ウェハ100aの環状部110が加工部120よりも厚いことから、ウェハ100aの縁部は加工の間にひび割れ又は欠けが生じ難い。
【0037】
本実施形態において、加工部120の上面T1が環状部110に連接する領域は、上向きに湾曲した曲面CS(即ち、環状部110の上面T2に近い方向へ湾曲した面)であり、ウェハの研磨加工の間に生成された微粒子は曲面CSに沿って容易に除去することができ、これは微粒子が加工部120と環状部110との境界で引っ掛かることを防止し、加工部120の縁部での傷を減少させる。
【0038】
本実施形態において、環状部110から0.15L内の距離に位置する加工部120の部分は、縁部領域R3として定義される。曲面CSは加工部120に対して、環状部110から遠いほど縁部領域R3における加工部120の厚さを減少させ、曲面CSは縁部領域R3に位置している。本実施形態において、加工部120の縁部領域R3全体の上面が曲面CSである。即ち、曲面CSの横幅Xは0.15Lであるが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施形態において、縁部領域R3において上向きに湾曲した曲面CSの横幅はXであり、0.01L≦X≦0.15Lである。好ましい実施形態において、0.02L≦X≦0.14Lである。更に好ましい実施形態において、0.03L≦X≦0.13Lである。
【0039】
本実施形態において、環状部110から0.15L~0.5Lの距離に位置する加工部120の部分は、第1領域R1として定義される。第1領域R1における加工部120の最薄部の厚さはTLμmである。換言すれば、第1領域R1における加工部120の上面T1から第1領域R1における加工部120の底面B1までの最薄部の厚さはTLμmである。第1領域R1における加工部120の最厚部の厚さはTHμmである。更に換言すれば、第1領域R1に位置する加工部120の上面T1から第1領域R1に位置する加工部120の底面B1までの最厚部の厚さはTHμmである。いくつかの実施形態において、曲面CSは第1領域R1を囲む。
【0040】
本実施形態において、第1領域R1における加工部120の最厚部は、第1領域R1が縁部領域R3に最も近い部分において現れるが、本発明はこれに限定されない。第1領域R1における加工部120の最厚部は、他の実施形態において他の場所に現れてよい。
【0041】
本実施形態において、(TE-TL)は(TH-TL+1.5μm)以上であり、THは0.1RimH~0.7RimHである。いくつかの実施形態において、加工部120の第1領域R1は実質的に平坦であり、即ち、THはTLに等しく、このため(TE-TL)は1.5μm以上である。
【0042】
本実施形態において、加工部120の上面T1の断面形状はU字状に類似する。
【0043】
上記に基づき、本実施形態のウェハ100aは研磨後の加工部120の縁部の傷の問題を回避することができる。
【0044】
図4は、本発明の1つの実施形態によるウェハの加工部の断面の厚さ分布のグラフである。
図5は、本発明の1つの実施形態によるもう1つのウェハの加工部の断面の厚さ分布のグラフである。
【0045】
ここで、
図4の実施形態及び
図5の実施形態は
図1と
図2の実施形態の部材符号及び一部内容を援用している。同一又は類似の符号は同一又は類似の部材を表し、このため同一の技術内容は省略する。省略された部分の説明については上述の実施形態を参照されたい。
【0046】
図4と
図5において、横軸はウェハの加工部の断面の横方向位置をミリメートルで表しており、縦軸は異なる位置でのウェハの加工部の厚さをμmで表している。
図4の実施形態及び
図5の実施形態において、T
EはT
Hよりも大きく、T
HはT
Lよりも大きい。(T
E-T
L)は4μm以上である。
【0047】
上記に基づき、ウェハは研磨後の加工部の縁部の傷の問題を回避することができる。
【0048】
図6は、本発明の1つの実施形態による更にもう1つのウェハの加工部の断面の厚さ分布のグラフである。
図7は、本発明の1つの実施形態によるまた更にもう1つのウェハの加工部の断面の厚さ分布のグラフである。
【0049】
ここで、
図6の実施形態及び
図7の実施形態は
図3の実施形態の部材符号及び一部内容を援用している。同一又は類似の符号は同一又は類似の部材を表し、このため同一の技術内容は省略する。省略された部分の説明については上述の実施形態を参照されたい。
【0050】
図6と
図7において、横軸はウェハの加工部の断面の横方向位置をミリメートルで表しており、縦軸は異なる位置でのウェハの加工部の厚さをμmで表している。
図6の実施形態及び
図7の実施形態において、T
EはT
Hよりも大きく、T
HはT
Lよりも大きい。(T
E-T
L)は(T
H-T
L+1.5μm)以上である。
【0051】
上記に基づき、ウェハは研磨後の加工部の縁部の傷の問題を回避することができる。
【0052】
図9は、本発明の1つの実施形態によるウェハ研磨工程の概略部分断面図である。例えば、
図9は上述した実施形態のいずれかにおけるウェハ研磨工程の概略部分断面図である。
【0053】
図9において、ウェハ100は研磨ヘッドPにより研磨される。本実施形態において、研磨ヘッドPは研磨材P1と研削用ホイールP2とを含む。複数の研磨材(grinding abrasives)P1が研削用ホイールP2に配置される。本実施形態において、加工部120の上面T1が環状部110に連接する領域は、上向きに湾曲した曲面CS(即ち、環状部110の上面T2に近い方向へ湾曲した面)であり、曲面CSは加工部120に対して、環状部110に近いほど環状部110と連接する局所領域における加工部120の厚さを増加させる。いくつかの実施形態において、加工部120の幅(又は直径)はLmmであり(
図2又は
図3を参照)、曲面CSの丸みの曲率半径はCRであり、0.01L≦CR≦Lである。好ましい実施形態において、0.01L≦CR≦0.5Lである。より好ましい実施形態において、0.01L≦CR≦0.25Lである。いくつかの実施形態において、研磨ヘッドPの研磨材P1の幅W(又は直径)は曲面CSの丸みの曲率半径よりも小さい。このため、研磨ヘッドPは、0.01L<CR<Lとするため曲面CSの幅及び形状をより好ましく制御することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明のウェハは、半導体産業における製造プロセスにおいて適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
100、100a:ウェハ
110:環状部
120:加工部
B1、B2:底面
C:作業台
CS:曲面
D:方向
L、W:幅
P:研磨ヘッド
P1:研磨材
P2:研削用ホイール
R1:第1領域
R2:第2領域
R3:縁部領域
RimH、TE、TL、TH、X1、X2:厚さ
S2:側壁
T1、T2:上面
Z:粒子
【外国語明細書】