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特開2022-151739排気ガスを浄化するための排気後処理ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151739
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】排気ガスを浄化するための排気後処理ユニット
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/28 20060101AFI20220929BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20220929BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20220929BHJP
   F01N 3/20 20060101ALI20220929BHJP
   F01N 3/22 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
F01N3/28 301W
F01N3/08 B
F01N3/24 C
F01N3/24 E
F01N3/24 L
F01N3/28 301U
F01N3/24 N
F01N3/20 K
F01N3/22 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022042042
(22)【出願日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】21164780.5
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】512272672
【氏名又は名称】ボルボトラックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】ワルストロム,ゲルト‐オーヴェ
【テーマコード(参考)】
3G091
【Fターム(参考)】
3G091AA02
3G091AA18
3G091AB02
3G091AB05
3G091BA39
3G091CA05
3G091CA17
3G091HA08
3G091HA10
3G091HA15
3G091HA45
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電気加熱要素への容易なアクセスを可能にする単純な構成を有する排気後処理ユニットを提供する。
【解決手段】排気後処理ユニット(20)は、ディ―ゼル微粒子捕集フィルタDPF及び/又はディ―ゼル酸化触媒DOCである排出物低減モジュール(30)と、選択触媒還元SCR触媒(32)と、SCR触媒の上流に配置された電気加熱要素(38)と、少なくとも排出物低減モジュールを収容するケーシング(40)と、ケーシングの点検開口(42)を覆うように取外し可能に配置された点検蓋(44)であって、点検開口を通して排出物低減モジュールにアクセスすることが可能である、点検蓋(44)と、を備える。電気加熱要素は、ケーシングに対して取外し可能に配置され、かつ点検蓋の取外し時にアクセス可能となるように配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスを浄化するための排気後処理ユニット(20,120)であって、
ディ―ゼル微粒子捕集フィルタDPF(130A)及び/又はディ―ゼル酸化触媒DOC(130B)である排出物低減モジュール(30,130)と、
選択触媒還元SCR触媒(32,132)と、
前記SCR触媒の上流に配置された電気加熱要素(38,138)と、
少なくとも前記排出物低減モジュールを収容するケーシング(40,140)と、
前記ケーシングの点検開口(42,142)を覆うように取外し可能に配置された点検蓋(44,144)であって、前記点検開口を通して前記排出物低減モジュールにアクセスすることが可能である、点検蓋(44,144)と、
を備え、
前記電気加熱要素は、前記ケーシングに対して取外し可能に配置され、かつ前記点検蓋の取外し時にアクセス可能となるように配置される、排気後処理ユニット(20,120)。
【請求項2】
前記SCR触媒にアンモニアを供給するために還元剤を注入するように構成された噴射器(34,134)を更に備え、前記電気加熱要素(38,138)は、前記噴射器の上流に配置される、請求項1に記載の排気後処理ユニット(20,120)。
【請求項3】
前記電気加熱要素(38,138)は、前記点検蓋(44,144)に取り付けられ、前記点検蓋と一緒に前記ケーシング(40,140)に対して取外し可能に配置されるか、又は前記排出物低減モジュール(30)に取り付けられ、前記排出物低減モジュール(30)と一緒に前記ケーシング(40)に対して取外し可能に配置される、先行する請求項のいずれか1つに記載の排気後処理ユニット(20,120)。
【請求項4】
前記電気加熱要素(138)は、前記排気後処理ユニットのための前記点検蓋(144)に取り付けられ、前記点検蓋(144)は、前記排気後処理ユニットを通って流れる前記排気ガスの流路の少なくとも一部を画定する流路部分(126A)を備える、請求項3に記載の排気後処理ユニット(120)。
【請求項5】
前記噴射器(134)は、前記点検蓋(144)に取り付けられる、請求項2から4のいずれか1つに記載の排気後処理ユニット(120)。
【請求項6】
前記電気加熱要素(38,138)は、電気接続部(C)を介して電力供給されるように構成され、前記電気接続部は、少なくとも前記点検蓋(44,144)の外面を貫通して延びている、先行する請求項のいずれか1つに記載の排気後処理ユニット(20,120)。
【請求項7】
二次触媒(139)を備え、前記二次触媒は、前記点検蓋(144)の取外し時に前記ケーシング(140)の前記点検開口(142)を通して取外し可能であるように配置される、先行する請求項のいずれか1つに記載の排気後処理ユニット(120)。
【請求項8】
前記電気加熱要素(38,138)は、前記電気加熱要素の下流及び前記SCR触媒(32,132)の上流の温度を180℃超に保つように構成される、先行する請求項のいずれか1つに記載の排気後処理ユニット(20,120)。
【請求項9】
前記電気加熱要素(38,138)は、前記排出物低減モジュール(30,130)の下流及び前記SCR触媒(32,132)の上流に配置される、先行する請求項のいずれか1つに記載の排気後処理ユニット(20,120)。
【請求項10】
車両用の排気後処理ユニットを取り扱うための方法であって、前記排気後処理ユニットは、DPF及び/又はDOCである排出物低減モジュールと、選択触媒還元SCR触媒と、前記SCR触媒の上流に配置された電気加熱要素と、少なくとも前記排出物低減モジュール及び前記電気加熱要素を収容するケーシングと、前記ケーシングの点検開口を覆うように取外し可能に配置された点検蓋であって、前記点検開口を通して前記排出物低減モジュールにアクセスすることが可能である、点検蓋と、を備える、方法において、
前記電気加熱要素にアクセスするために前記点検蓋を取り外すステップ(S1)と、
前記電気加熱要素を前記ケーシングから取り外すステップ(S2)と、
を含む、方法。
【請求項11】
前記電気加熱要素は、前記点検蓋に取り付けられ、前記点検蓋を取り外す前記ステップ(S1)及び前記電気加熱要素を取り外す前記ステップ(S2)は、同時に行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記電気加熱要素は、前記排出物低減モジュールに取り付けられ、前記電気加熱要素を取り外す前記ステップ(S2)は、前記点検蓋を取り外す前記ステップ(S1)に続いて行われ、前記方法は、前記電気加熱要素を取り外す前記ステップ(S2)と同時に前記排出物低減モジュールを前記ケーシングから取り外すステップ(S3)を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記電気加熱要素を前記ケーシングに対して取り付けるステップ(S6)と、
前記点検蓋を前記ケーシングに取り付けるステップ(S7)と、
を更に含む、請求項10から12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
請求項1から9のいずれか1つに記載の排気後処理ユニット(20,120)に用いられる電気加熱要素。
【請求項15】
請求項1から9のいずれか1つに記載の排気後処理ユニット(20,120)を備える車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガスを浄化するための排気後処理ユニットに関する。更に、本発明は、車両用の排気後処理ユニットを取り扱うための方法、排気後処理ユニットに用いられる電気加熱要素、及び排気後処理ユニットを備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、通常、車両を推進するためのエンジンを備える。エンジンは、種々の手段によって、例えば、内燃エンジンにおける液体燃料又は気体燃料によって又は電気機械における電力によって、動力供給され得る。更に、車両が内燃エンジン及び電気機械の両方によって推進されるハイブリッド解決策も存在する。
【0003】
エンジンがディーゼルエンジンのような燃焼エンジンである場合、エンジンからの排出物を処理するために、車両に排気後処理システム(Exhaust After Treatment System、EATS)を備えるのが一般的である。ディーゼルエンジン用のEATSは、通常、ディーゼル酸化触媒(Diesel Oxidation Catalyst、DOC)と、ディーゼル微粒子捕集フィルタ(Diesel Particulate Filter、DPF)と、選択触媒還元(Selective Catalytic Reduction、SCR)触媒とを備える。還元剤、例えば、尿素又はアンモニア含有物質がSCR触媒の上流に注入され、(還元剤の選択に依存して)、触媒の働きによってNOとも呼ばれる窒素酸化物を二原子窒素N、水、及び場合によっては二酸化炭素COに変換するのを助長する。次いで、浄化された又は少なくとも排出物が低減された排気ガスは、EATSを出て、車両の尾管を通って車両から排出される。ディーゼルエンジンと同様の排出物を生じる他の形式のエンジンが、同一又は同様のEATSを利用することもある。
【0004】
政府規制は、車両の燃費向上に対する絶え間ない要求と共に、EATSのより効率的な運用が必要であることを示唆している。例えば、EATSは、排気ガスの温度が低い時に急速に温められ、非常に低い負荷であっても高変換効率を有しなければならない。また、厳しいCO要件を満たすための極めて効率的なエンジンの必要性が、排気ガスの温度をより低くし、エンジンから排出されるNOxレベルをより高くし、そのために、SCR触媒の上流に大量の還元剤を注入する必要がある。更に、還元剤として尿素を用いる時、尿素を蒸発させ、加水分解によってアンモニアを生じさせるために、尿素を加熱する必要がある。もしその温度が低いなら、EATSの効果を低下させる結晶化と堆積物を生じる大きなリスクを伴う。
【0005】
排気ガスの低温の課題に対処するために排気ガスを加熱して関連する欠点を低減するために、電気加熱要素が用いられるとよい。しかしながら、EATSへの電気加熱要素の追加は、システムの複雑さを高め、及び/又は故障を招くリスクがあると共に保守又は交換を必要とする構成要素を増やすこととなる。EATSの構成要素の故障は、多くの場合、費用の掛かる車両の休止を伴う時間の掛かる点検を必要とする。更に、構成要素の交換又は完全なEATSの交換にも繋がる構成要素の故障は、環境に対して好ましくない。
【0006】
従って、上記の欠点を軽減することを目的とする改良されたEATSが当業界において必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、周知の排気後処理システムに関して前述した欠点を少なくとも部分的に軽減し、改良された排気後処理ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、排気ガスを浄化するための排気後処理ユニットが提供される。排気後処理ユニットは、
-ディ―ゼル微粒子捕集フィルタDPF及び/又はディ―ゼル酸化触媒DOCである排出物低減モジュールと、
-選択触媒還元SCR触媒と、
-SCR触媒の上流に配置された電気加熱要素と、
-少なくとも排出物低減モジュールを収容するケーシングと、
-ケーシングの点検開口を覆うように取外し可能に配置された点検蓋であって、点検開口を通して排出物低減モジュールにアクセスすることが可能である、点検蓋と、
を備え、
電気加熱要素は、ケーシングに対して取外し可能に配置され、かつ点検蓋の取外し時にアクセス可能となるように配置される。
【0009】
これによって、排気後処理ユニット内の電気加熱要素に容易にアクセスし、その保守又は交換を行うことが可能である。従って、排気ガスが低温であるという欠点を電気加熱要素によって軽減する一方、電気加熱要素への容易なアクセスを可能にする単純な構成を有する排気後処理ユニットが提供される。このように、改良された排気後処理ユニットは、少なくとも電気加熱要素による排気ガスの加熱によって排気ガスの排出物の極めて効率的な除去をもたらす一方、点検蓋の取外し時に容易にアクセス可能であるという点において電気加熱要素の追加的な複雑さを軽減することとなる。
【0010】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、ケーシングの内側に配置され、点検開口を通すことによってケーシングから取外し可能であり、又は点検蓋の内側に配置され、点検蓋を取り外すことによってケーシングから取外し可能である。後者の場合、例えば、点検蓋の孔を通して又は点検蓋のアクセス可能な側から電気加熱要素にアクセス可能である。従って、使用中、ケーシング又は点検蓋は、電気加熱要素を収容することとなる。これによって、例えば、点検開口を介して又は取り外された点検蓋を介して、電気加熱要素に容易にアクセス可能である。例えば、点検開口又は取り外された点検蓋を介して、電気加熱要素の保守を行うことができる。
【0011】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、その保守及び/又は交換のために、例えば、点検開口を通すことによって及び/又は点検蓋から取り外されることによって、ケーシングから取り外されるとよい。すなわち、点検蓋は、電気加熱要素のための点検蓋としての機能と、排出物低減モジュールのための点検蓋としての機能との両方を兼ね備えることができる。
【0012】
排出物低減モジュールは、粒子、例えば、ディーゼル粒子状物質又は煤を排気ガスから除去するように構成されたディーゼル微粒子捕集フィルタDPF及び/又は一酸化炭素及び炭化水素を二酸化炭素に変換するように配置構成されたディーゼル酸化触媒DOCである。従って、少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、排出物低減モジュールは、例えば、DOCがDPFの上流に配置された組合せDPF/DOCである。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、排出物低減モジュールは、DPFである。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、排出物低減モジュールはDOCである。
【0013】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、排出物低減モジュール、すなわち、DPF及び/又はDOCは、ケーシングの内側に取外し可能に配置され、点検蓋の取外し時に点検開口を通り抜けることが可能である。排出物低減モジュールは、ケーシングに一体的に固く取り付けられる静止部材と、静止部材内に取外し可能に配置される挿入部材とを備えることができることに留意されたい。このような実施形態では、挿入部材は、ケーシングの内側に取外し可能に配置され、点検蓋の取外し時に点検開口を通り抜けることが可能である。従って、本明細書の全体を通して、排出物低減モジュールは、排出物低減モジュールと呼ばれることもあるし、又は排出物低減モジュールの挿入部材と呼ばれることもある。
【0014】
電気加熱要素は、電気によって加熱されるように構成された加熱要素であることを理解されたい。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、コイル又はプレートであって、該コイル又はプレートを通して導かれる電気によって加熱されるように構成された、コイル又はプレートを備える。従って、電気加熱要素は、使用中に排気ガスがコイル内を周方向に通ることによって若しくはコイル又はプレートを横切ることによって加熱されるように配置されるとよい。電気加熱要素は、他の形状、例えば、平坦又は湾曲した加熱層板の形状であってもよいし、又は異なる形式、例えば、抵抗発泡体の加熱要素から構成されてもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、正温度係数(Positive Temperature Coefficient、PTC)に基づく要素である。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、誘導加熱に基づき、この場合、誘導加熱要素と呼ばれる。
【0015】
従って、使用中、排気ガスは、排気後処理ユニット内を流れ、電気加熱要素を通るように導かれ、これによって、電気加熱要素によって加熱される。電気加熱要素は、典型的には、排気後処理ユニットの流路内に配置された加熱面を備え、使用中、流路内の排気ガスは、加熱面を超えて又は加熱面を横切って流れる。
【0016】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、排気後処理ユニットは、SCR触媒にアンモニアを供給するために還元剤を注入するように構成された噴射器を更に備え、電気加熱要素は、噴射器の上流に配置される。
【0017】
これによって、電気加熱要素は、電気加熱要素を通る排気ガスを加熱することができ、その後、加熱された排気ガスが注入された還元剤を加熱することとなる。従って、還元剤が加水分解され、アンモニアが生じる。
【0018】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、噴射器の近くの上流に配置される。従って、使用中、電気加熱要素は、注入される還元剤の位置に達する直前に排気ガスを加熱し、これによって、電気加熱要素から与えられた熱が注入された還元剤を加熱する。例えば、電気加熱要素は、噴射器の0.1mから1.5m以内、0.1mから1m以内、又は0.1mから0.5m以内に配置される。この距離は、電気加熱要素と噴射器との間の流路距離である。
【0019】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、還元剤は、無水アンモニア、アンモニア水、尿素、尿素水、及びディーゼル排気液の少なくとも一種である。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、還元剤は、尿素又は尿素水であり、以後、一般的に尿素と呼ばれる。従って、電気加熱要素は、加熱された排気ガスを介して尿素を蒸発させ、加水分解によってアンモニアを生じさせるのに必要な熱を尿素に与えるとよい。電気加熱要素の作動電力に応じて、加熱された排気ガスは、SCR触媒を追加的に加熱してもよい。
【0020】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、排気後処理ユニットは、排気ガスのNOxの濃度を制御することを目的として、排気ガスの流路内への還元剤の導入を種々の排気ガスパラメータ、例えば、NOxの温度及び圧力の関数として制御するように構成された制御装置を備える。排気ガスパラメータは、排気後処理ユニットの種々の箇所における種々のセンサーによって測定されるとよい。例えば、NOxセンサーは、排気後処理ユニットの入口及び出口又はその近くに配置されるとよい。温度センサー及び/又は圧力センサーは、電気加熱要素又はSCR触媒の前後に配置されるとよい。
【0021】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、点検蓋に取り付けられ、点検蓋と一緒にケーシングに対して取外し可能に配置されるか、又は排出物低減モジュールに取り付けられ、排出物低減モジュールと一緒にケーシングに対して取外し可能に配置される。
【0022】
これによって、例えば、電気加熱要素を点検開口又は点検蓋の孔を通すことによって、電気加熱要素の保守又は交換を容易に行うことができる。更に、電気加熱要素のこのような構成によって、電気加熱要素は、点検開口及び/又は点検蓋の孔を通して電気加熱要素にアクセス可能となるように、点検蓋の近くに配置されることとなる。
【0023】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、ケーシングは、電気加熱要素を収容するように配置される。従って、電気加熱要素は、ケーシングの内側に取外し可能に取り付けられることによって、ケーシングに対して取外し可能に配置される。
【0024】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、点検蓋は、電気加熱要素を収容するように配置される。従って、電気加熱要素は、点検蓋と一緒にケーシングに対して取外し可能に配置される。ケーシングは、電気加熱要素を収容するように構成されてもよいし、場合によっては、電気加熱要素を点検蓋と一緒に収容するように構成されてもよいことに留意されたい。後者の場合、電気加熱要素は、点検蓋の外面に取り付けられてケーシング内に延びるように、点検蓋に取り付けられるとよい。なお、点検蓋の外面は、点検蓋の内部から離れる方を向く面を意味する。
【0025】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、点検蓋は、少なくとも2つの外面、具体的には、ケーシングの内部の方を向くように構成された第1の外面と、ケーシングの内部から離れる方を向くように構成された第2の外面とを備える。すなわち、点検蓋がケーシングに取り付けられて点検開口を覆う時、第1の外面は、ケーシングの内部の方を向くように配置され、第2の外面は、ケーシングの内部から離れる方を向くように配置される。電気加熱要素が点検蓋に取り付けられる実施形態では、電気加熱要素は、好ましくは、点検蓋の第1の外面に取り付けられる。これによって、電気加熱要素は、ケーシングの内部の方を向くように構成され、場合によっては、ケーシングの内部に延びるように構成される。
【0026】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、点検蓋に取外し可能に取り付けられる。これによって、電気加熱要素を点検蓋から取り外し、その保守又は交換を行うことができる。
【0027】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、排出物低減モジュールは、少なくとも2つの互いに向き合う端部、具体的には、点検蓋の方を向くように構成された第1の端部と第1の端部の反対側に配置された第2の端部とを備える。すなわち、排出物低減モジュールがケーシング内に配置された時、第1の端部は、点検蓋の方を向くように配置され、第2の端部は、第1の端部の上流に配置される。電気加熱要素が排出物低減モジュールに取り付けられる実施形態では、電気加熱要素は、好ましくは、排出物低減モジュールの第1の端部に取り付けられる。これによって、電気加熱要素は、点検蓋の方を向くように構成され、ケーシングの内側、すなわち、ケーシングの内部に配置される。換言すると、使用中、排出物低減モジュールは、排気ガスを受け入れるための入口部と、排出物低減モジュールからの排気ガスを排出するために入口部の下流に配置された出口部とを備え、出口部は、点検蓋の方を向くように配置され、電気加熱要素は、その出口部に対して又は出口部に取り付けられる。
【0028】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、排出物低減モジュールに取外し可能に取り付けられる。これによって、電気加熱要素を排出物低減モジュールから取り外し、その保守又は交換を行うことができる。
【0029】
電気加熱要素が点検蓋に取り付けられる少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、点検蓋は、排気後処理ユニット内を流れる排気ガスの流路の少なくとも一部を画定する流路部分を備える。
【0030】
従って、流路部分は、排気ガスの流路を延ばすことができる。更に、点検蓋がケーシングに対して取外し可能に配置されるので、点検蓋及び点検蓋内の流路部分をケーシングから取り外し、その保守を行うことができる。電気加熱要素は、点検蓋の流路部分内に配置されるとよい。
【0031】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、噴射器は、点検蓋に取り付けられる。
【0032】
従って、点検蓋は、流路部分及び噴射器を備えることができる。例えば、噴射器は、点検蓋内に配置されるか又は点検蓋に一体的に配置される。従って、流路部分は、注入された還元剤の流路を延ばし、流路内の均一な熱分布の可能性を高めることができる。
【0033】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、電気接続部を介して電力供給されるように構成され、電気接続部は、少なくとも点検蓋の外面を貫通している。
【0034】
これによって、電気接続部は、電気加熱要素がアクセスするために通る点検開口の近くに配置される。従って、不必要な配線を回避することができ、電気加熱要素への電気接続を比較的容易に行うことができる。
【0035】
前述したように、点検蓋は、第1及び第2の外面を備えることができる。このような実施形態では、電気接続部は、好ましくは、点検蓋の少なくとも第2の外面を貫通する。これによって、電力を排気後処理ユニットの外側から電気加熱要素に伝達することができる。
【0036】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気接続部は、点検蓋を貫通する。例えば、電気接続部は、点検蓋の第1及び第2の外面を貫通するとよい。このような電気接続部は、電気加熱要素が点検蓋に取り付けられる、例えば、点検蓋の第1の外面に取り付けられる実施形態、及び/又は電気加熱要素が排出物低減モジュールに取り付けられる、例えば、排出物低減モジュールの第1の端部に取り付けられる実施形態に対して、好ましい。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気接続部は、点検蓋に一体化される。
【0037】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気接続部は、点検蓋に取外し可能に取り付けられる。
【0038】
このような実施形態は、電気加熱要素が排出物低減モジュールに取り付けられる実施形態に対して特に有利である。何故なら、点検蓋がケーシングから取り外される前に、電気接続部を点検蓋から取り外すか又は緩めことができるからである。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気接続部は、点検蓋の対応するネジ山部分にねじ接続されるように構成されたねじ山部分を備えるとよい。
【0039】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、SCR触媒の性能を改良するために、SCR触媒の上流に配置される。例えば、電気加熱要素は、SCR触媒の0.5m-2.5m以内に配置され、この距離は、電気加熱要素とSCR触媒との間の流路距離である。
【0040】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、排出物低減モジュールの下流及びSCR触媒の上流に配置される。
【0041】
電気加熱要素のこのような配置は、SCR触媒の性能を改良する点において有益である共に、点検蓋の取外し時に電気加熱要素に容易にアクセス可能となる点においても有益である。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、排出物低減モジュールの下流及び噴射器の上流に配置される。電気加熱要素のこのような配置は、注入された還元剤を加熱する点において有益であると共に、点検蓋の取外し時に電気加熱要素に容易にアクセス可能となる点においても有益である。
【0042】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、SCR触媒は、排出物低減モジュールの下流に配置される。SCR触媒は、窒素酸化物NOxを触媒の働きによって二原子窒素N並びに水及び/又は二酸化炭素COに変換するように構成される。使用中、注入された還元剤(又は得られたアンモニア)は、触媒上で反応する。
【0043】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、電気加熱要素の下流及びSCR触媒の上流の温度を180℃超に保つように構成される。
【0044】
これによって、注入された還元剤によって生じる汚損を低減するか又は排除することができる。
【0045】
例えば、電気加熱要素は、電気加熱要素の下流及びSCR触媒の上流の流路内を流れる排気ガスの温度を180℃超に保つように構成される。この温度は、例えば、ある距離にわたる平均温度として測定される。電気加熱要素は、前記温度を180℃と300℃との間に保つように構成されるとよい。追加的に又は代替的に、電気加熱要素は、SCR触媒内の温度を180℃と300℃との間に保つように構成されてもよい。
【0046】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、電気加熱要素の上流(及び例えば、排出物低減モジュールの下流)の測定された温度が180℃未満であることに応じて排気ガスの加熱を開始するように制御される。電気加熱要素は、電気加熱要素の上流(及び例えば、排出物低減モジュールの下流)の測定された温度が200℃超であることに応じて、又は電気加熱要素の下流(及び例えば、SCR触媒の上流)の測定された温度が300℃超であることに応じて、排気ガスの加熱を終了するように更に制御されてもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、SCR触媒の測定された温度が200℃未満又は180℃未満であることに応じて、排気ガスの加熱を開始するように制御される。
【0047】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、少なくとも注入された還元剤の温度に基づいて電気加熱要素の下流及びSCR触媒の上流の温度を適合させるように構成される。
【0048】
これによって、還元剤の温度を電気加熱要素の制御に組み入れることができる。
【0049】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素の作動電力は、300Wから15000Wの間、又は1000Wから15000Wの間である。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素の作動電圧は、12V、24V、又は48Vである。
【0050】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、排気後処理ユニットは、二次触媒を更に備え、二次触媒は、点検蓋の取外し時にケーシングの点検開口を通して取外し可能であるように配置される。
【0051】
これによって、点検蓋は、電気加熱要素のための点検蓋としての機能と、排出物低減モジュール及び二次触媒のための点検蓋としての機能との両方を兼ね備えることができる。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、二次触媒は、排出物低減モジュールの上流に配置される。二次触媒は、例えば、二次SCR触媒とすることができる。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、点検蓋は、例えば、クランプのような取外し可能な留め具によってケーシングに取外し可能に配置される。
【0052】
これによって、点検蓋をケーシングに取外し可能に配置するための簡単ではあるが効果的な手段が提供される。
【0053】
本発明の第2の態様によれば、車両用の排気後処理ユニットを取り扱うための方法が提供される。排気後処理ユニットは、DPF及び/又はDOCである排出物低減モジュールと、選択触媒還元SCR触媒と、SCR触媒の上流に配置された電気加熱要素と、少なくとも排出物低減モジュールを収容するケーシングと、ケーシングの点検開口を覆うように取外し可能に配置された点検蓋であって、点検開口を通して排出物低減モジュールにアクセスすることが可能である、点検蓋とを備える。この方法は、
-電気加熱要素にアクセスするための点検蓋を取り外すステップと、
-電気加熱要素をケーシングから取り外すステップと
を含む。
【0054】
これによって、電気加熱要素に容易にアクセスすることができ、電気加熱要素を保守及び/又は交換のためにケーシングから取り外すことができる。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、この方法は、電気加熱要素の保守を行うこと又は電気加熱要素を交換することを含む。従って、この方法は、排気後処理ユニットを点検するための方法と呼ばれることがある。電気加熱要素は、ケーシングに対して取外し可能に配置されるとよく、例えば、点検蓋の取外し時に点検開口又は点検蓋の孔を通してアクセス可能に配置されるとよい。本発明の第1の態様に関して述べたように、ケーシングは、電気加熱要素を収容するように配置されるとよく、又は点検蓋は、電気加熱要素を収容するように配置されるとよい。
【0055】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、本発明の第2の態様の方法の対象となる排気後処理ユニットは、本発明の第1の態様において述べたのと同じ排気後処理ユニットである。従って、本発明の第2の態様における排気後処理ユニットの効果及び特徴は、本発明の第1の態様に関連して前述したものとほぼ同様である。本発明の第1の態様に関連して述べた実施形態は、本発明の第2の態様における排気後処理ユニットとほぼ互換性がある。
【0056】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、点検開口を通すことによってケーシングから取り外される。
【0057】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、点検蓋に取り付けられ、点検蓋を取り外すステップ及び電気加熱要素を取り外すステップは、同時に行われる。
【0058】
これによって、電気加熱要素をケーシングから取り外す簡単であるが効果的な方法が提供される。従って、点検蓋は、電気加熱要素と一緒にケーシングに対して取外し可能に配置され、電気加熱要素は、点検蓋の取外し時にケーシングから取外し可能である。
【0059】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、排出物低減モジュールに取り付けられ、電気加熱要素を取り外すステップは、点検蓋を取り外すステップに続いて行われ、この方法は、電気加熱要素を取り外すステップと同時に排出物低減モジュールをケーシングから取り外すステップを更に含む。
【0060】
これによって、電気加熱要素をケーシングから取り外す他の簡単であるが効果的な方法が提供される。従って、排出物低減モジュールは、電気加熱要素と一緒にケーシングに対して取外し可能に配置され、電気加熱要素は、排出物低減モジュールの取外し時にケーシングから取外し可能である。例えば、排出物低減モジュールは、DPFであり、電気加熱要素をDPFと一緒にケーシングから取り外すことができる。
【0061】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素は、電気接続部を介して電力供給されるように構成され、電気接続部は、少なくとも点検蓋の外面を貫通し、点検蓋に取外し可能に取り付けられ、この方法は、点検蓋をケーシングから取り外す前に、電気接続部を点検蓋から取り外すか又は緩めることを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気接続部は、点検蓋の対応するネジ山部分にねじ接続されるように構成されたねじ山部分を備えるとよい。
【0062】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、この方法は、
-電気加熱要素をケーシングに対して取り付けるステップと、
-点検蓋をケーシングに取り付けるステップと
を更に含む。
【0063】
これによって、点検又は保守が行われた電気加熱要素を再びケーシングに取外し可能に取り付けることができ、又は古い電気加熱要素に取って代わる新しい電気加熱要素をケーシングに取り外し可能に取り付けることができる。電気加熱要素をケーシングに対して取り付けるステップは、電気加熱要素を点検開口内に通すことによって、又は電気加熱要素が点検蓋内に一体化又は収容される場合、単純に点検蓋をケーシングに取り付けることによって、電気加熱要素をケーシング内に挿入することを含んでもよい。従って、点検蓋は、電気加熱要素をケーシングに対して取り付けるステップに続いて又は同時に、ケーシングに取り付けられる。典型的には、点検蓋は、点検開口を覆うことによってケーシングに取り付けられる。電気加熱要素が点検蓋内に収容される実施形態では、電気加熱要素を取り付けるステップは、電気加熱要素を点検蓋内に挿入することを含んでもよい。
【0064】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、排気後処理ユニットは、SCRにアンモニアを供給するために還元剤を注入するように構成された噴射器を備え、噴射器は、点検蓋内に配置され、この方法は、
-噴射器をケーシングから取り外すステップ
を更に含む。
【0065】
これによって、噴射器もケーシングから取り外し、その保守又は交換を行うことができる。
【0066】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、排気後処理ユニットは、二次触媒を備え、この方法は、
-点検蓋を取り外すステップに続いて、二次触媒をケーシングの点検開口を通して取り外すステップ
を更に含む。
【0067】
従って、二次触媒の保守又は交換を行うことができる。二次触媒の実施形態は、本発明の第1の態様を参照して説明されているので、繰り返して説明しない。
【0068】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様による排気後処置ユニットに用いられる電気加熱要素が提供される。
【0069】
本発明の第3の態様の効果及び特徴は、本発明の第1の態様に関連して前述したものとほぼ同様である。本発明の第1の態様に関連して前述した実施形態は、本発明の第3の態様とほぼ互換性がある。
【0070】
従って、排気後処理ユニットは、DPF及び/又はDOCである排出物低減モジュールと、選択触媒還元SCR触媒と、少なくとも排出物低減モジュールを収容するケーシングと、ケーシングの点検開口を覆うように取外し可能に配置された点検蓋であって、点検蓋を通して排出物低減モジュールにアクセスすることが可能である、点検蓋とを備える。電気加熱要素は、排気後処理ユニットに取外し可能に取付け可能であり、例えば、点検開口を通してケーシング内に取外し可能に配置可能であるか、又は点検蓋内に取外し可能に配置可能である。典型的には、電気加熱要素は、SCR触媒の上流及び排気後処理ユニットに含まれる任意の噴射器の上流に配置されるように寸法決めされる。
【0071】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1の態様による排気後処理ユニット内における電気加熱要素の使用が提供される。
【0072】
本発明の第4の態様の効果及び特徴は、本発明の第1、第2、及び第3の態様に関連して前述したものとほぼ同様である。本発明の第1、第2、及び第3の態様に関連して前述した実施形態は、本発明の第4の態様とほぼ互換性がある。
【0073】
本発明の第5の態様によれば、本発明の第1の態様による排気後処理ユニットに用いられる電気加熱要素を備える点検蓋が提供される。
【0074】
従って、電気加熱要素は、本発明の第1の態様において前述したように点検蓋に取り付けられる。電気加熱要素は、点検蓋内に収容されてもよいし、又は点検蓋から外に延びるように配置されてもよい。
【0075】
本発明の第5の態様の効果及び特徴は、少なくとも点検蓋及び電気加熱要素に関して本発明の第1の態様に関連して前述したものとほぼ同様である。本発明の第1の態様に関連して前述した実施形態は、少なくとも点検蓋及び電気加熱要素に関して本発明の第5の態様とほぼ互換性がある。
【0076】
本発明の第6の態様によれば、本発明の第1の態様による排気後処理ユニットを備える車両が提供される。
【0077】
本発明の第6の態様の効果及び特徴は、本発明の第1の態様に関連して前述したものとほぼ同様である。本発明の第1の態様に関連して前述した実施形態は、本発明の第6の態様とほぼ互換性がある。
【0078】
本発明の第2の態様において前述した方法ステップの順序は、本開示に記載されたものに制約されるものではない。これらのステップの1つ又はいくつかは、本発明の範囲から逸脱しないように明示的に記載されない限り、入れ替えられてもよいし又は異なる順序で行われてもよい。しかしながら、少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、方法ステップは、本発明の第2の態様に記載された順序で行われる。
【0079】
本開示の更なる利点及び特徴は、以下の説明及び添付の図面において開示されかつ検討される。
【0080】
以下、添付の図面を参照して、例として引用される本発明の実施形態を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1】本発明の例示的な実施形態による排気後処理ユニットを備える車両の略側面図である。
図2】本発明の例示的な実施形態による排気後処理ユニットの略断面図である。
図3A】本発明の例示的な実施形態に適用可能である、電気加熱要素がどのように点検蓋に取り付けられるか及びどのようにケーシングから取り外されるかを示す概略例を示す図である。
図3B】本発明の例示的な実施形態に適用可能である、電気加熱要素がどのように点検蓋に取り付けられるか及びどのようにケーシングから取り外されるかを示す概略例を示す図である。
図4A】本発明の例示的な実施形態に適用可能である、電気加熱要素がどのように排出物低減モジュールに取り付けられるか及びどのようにケーシングから取り外されるかを示す概略例を示す図である。
図4B】本発明の例示的な実施形態に適用可能である、電気加熱要素がどのように排出物低減モジュールに取り付けられるか及びどのようにケーシングから取り外されるかを示す概略例を示す図である。
図5】本発明の例示的な実施形態による排気後処理ユニットの略断面図である。
図6】本発明の例示的な一実施形態による方法のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0082】
図1を参照すると、車両1は、ここでは、本開示に記載される種類の排気後処理ユニット20が有利な大型トラック1として具体化されている。しかしながら、排気後処理ユニット20は、他の形式の車両、例えば、バス、軽量トラック、乗用車、船舶用途、等に実装されてもよい。図1の車両1は、エンジン10、具体的には、ディーゼルエンジン10を備えるが、この車両は、少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、(図示されない)電気機械を更に備えるハイブリッド車両であってもよい。ディーゼルエンジン10は、典型的には燃料タンク内に含まれるディーゼル燃料によって動力供給され、任意の電気機械は、典型的には、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置又は変換装置、例えば、バッテリ又は燃料電池から供給される電気によって動力供給される。
【0083】
図1において、車両1は、少なくともディーゼルエンジン10からの排気ガスを浄化するための排気後処理ユニット20を備える。排気後処理ユニット20は、DPF及び/又はDOCである排出物低減モジュール30と、排出物低減モジュール30の下流に配置された(以下、SCR触媒32と呼ぶ)選択触媒還元(Selective Catalyst Reduction)触媒32と、を少なくとも備える。排出物低減モジュール30は、ディーゼルエンジン10の排気ガスから粒子、すなわち、ディーゼル粒子状物質又は煤を除去するように配置構成され、及び/又は一酸化炭素及び炭化水素を二酸化炭素に変換するように配置構成される。SCR触媒32は、NOxとも呼ばれる窒素酸化物を触媒の作用によって二原子窒素N、並びに水及び/又は二酸化炭素COに変換するように配置構成される。還元剤、典型的には、無水アンモニア、アンモニア水、尿素、尿素水、又はディーゼル排気液がエンジン排気ガスに添加され、SCR触媒32内の触媒に吸収される。排気後処理ユニット20は、車両の排気後処理システム、具体的には、更なる構成要素、例えば、配管及び他の排出物低減構成要素を備える排気後処理システム内に含まれるとよい。
【0084】
図2において、図1の排気後処理装置20は、更に詳細に示される。排気後処理ユニット20は、排気ガスを受け入れるための入口22と、排気後処理ユニット20から少なくとも部分的に浄化された排気ガスを排出するための出口24と、排気ガスを入口22から出口24に送るための流路26とを備える。排気後処理ユニット20は、ディーゼル微粒子捕集フィルタ(Diesel Particulate Filter、DPF)及び/又はディーゼル酸化触媒(Diesel Oxidation Catalyst、DOC)である排出物低減モジュール30と、排出物低減モジュール30の下流に配置されたSCR触媒32と、を更に備える。また、SCR触媒32にアンモニアを供給するために、排気後処理ユニット20は、前述のように、還元剤を注入するための噴射器34を備える。還元剤は、例えば、尿素であるとよい。排気後処理ユニット20は、SCR触媒32の上流に、図2では噴射器34の上流に配置された電気加熱要素38を更に備える。図2において、排出物低減モジュール30、SCR触媒32、及び電気加熱要素38は、ケーシング40に収容されている。
【0085】
排気後処理ユニット20は、典型的には、以下のように操作される。ディーゼルエンジンからの(浄化されるべき)排気ガスは、入口22を介して排気後処理ユニット20に入り、例えば、微粒子の除去のために、排出物低減モジュール30内を通される。その後、排気ガスは、電気加熱要素38に達し、加熱される。加熱された排気ガスは、尿素が噴射器34によって注入される位置まで流路26に沿って連続的に流れる。これによって、注入された還元剤は、加熱された排気ガスと混合され、電気加熱要素38によってもたらされた熱によって十分に蒸発し、尿素の加水分解によってアンモニアを生じる。この後、アンモニア及び排気ガスは、SCR触媒32に入り、NOxを触媒還元し、次いで、浄化された排気ガスは、出口22を介して排気後処理ユニット20から排出されることとなる。
【0086】
種々の理由から、排出物低減モジュール30及び/又は電気加熱要素38にアクセス可能であると望ましい。この点から、ケーシング40は、点検開口42であって、点検開口42を通して少なくとも排出物低減モジュール30にアクセスすることが可能であり、場合によっては、少なくとも排出物低減モジュール30を(もしケーシング40から取り外されたなら)点検開口42を通すことが可能である、点検開口42を備える。従って、排出物低減モジュール30を保守又は交換のためにケーシング40から取り外し、及び/又は取付けのためにケーシング40内に挿入することができる。点検開口42は、取外し可能に配置された点検蓋44によって閉鎖可能である。換言すれば、点検蓋44は、点検開口42を覆うように取外し可能に配置される。言い方を変えれば、点検蓋44は、ケーシング40と別の構成要素であり、ケーシング40に対して取外し可能に配置されることとなる。
【0087】
電気加熱要素38は、ケーシング40に対して取外し可能に配置され、図2では、点検蓋44の取外し時に点検開口42を通して電気加熱要素38にアクセス可能となるようにケーシング40の内側に配置される。従って、電気加熱要素38をケーシング40から取り外し、その交換及び/又は保守を行うことが可能である。
【0088】
以下、図3A,3Bを参照して、図2の排気後処理ユニット20を取り扱う手順を簡単に説明する。この方法は、ケーシング40内の電気加熱要素38にアクセスするための方法と呼ばれることもある。図3A,3Bの実施形態では、電気加熱要素38は、点検蓋44に取り付けられ、従って、点検蓋44と一緒にケーシング40に対して取外し可能に配置される。さらに詳細には、点検蓋44は、点検蓋44が点検開口42を閉じるように配置された時に流路26の方を向くように配置される第1の外面44Aを備え、電気加熱要素38は、点検蓋44の第1の外面44Aに取り付けられる。図3A,3Bにおける点検蓋44は、第1の外面44Aの反対側に配置される第2の外面であって、点検蓋44が点検開口42を閉じるように配置された時にケーシング40から離れる方を向くように配置される、第2の外面を更に備える。
【0089】
最初、図3Aに示されるように、点検蓋44が電気加熱要素38と一緒にケーシング40から取り外される。すなわち、電気加熱要素38は、点検蓋44の取外しと同時に点検開口42を介してケーシング40から取り外される。これによって、例えば、保守又は交換のために電気加熱要素38にアクセスすることが可能である。この後、図3Bに示されるように、排出物低減モジュール30がケーシング40から取り外されることによって点検開口42を通される。これによって、例えば、保守又は交換のために排出物低減モジュール30にアクセスすることが可能である。
【0090】
図4A,4Bに示される他の実施形態では、電気加熱要素38は、排出物低減モジュール30に取り付けられ、排出物低減モジュール30と一緒にケーシング40に対して取外し可能に配置される。さらに詳細には、排出物低減モジュール30は、流路26の下流の方を向く第1の端部30A(又は下流面)を備え、電気加熱要素38は、排出物低減モジュール30の第1の端部30Aに取り付けられる。
【0091】
最初、図4Aに示されるように、点検蓋44が、ケーシング40から取り外される。これによって、例えば、保守又は交換のために電気加熱要素38にアクセスすることが可能である。すなわち、点検開口42を介して電気加熱要素38の保守を行うことができ、及び/又は排出物低減モジュール30をケーシング40から取り外す前に、電気加熱要素38を排出物低減モジュ―ル30から取り外すことができる。この後、図4Bに示されるように、排出物低減モジュール30を電気加熱要素38と一緒に点検開口42を通し、これによって、排出物低減モジュ―ル30をケーシング40から取り外すことができる。すなわち、電気加熱要素38は、排出物低減モジュール30の取外しと同時に点検開口42を介してケーシング40から取り外される。これによって、例えば、保守又は交換のために、電気加熱要素38を伴う排出物低減モジュール30に容易にアクセス可能である。
【0092】
図5に排気後処理ユニット120の代替的実施形態が示される。排気後処理ユニット120は、図2の実施形態と同様に、入口122と、出口124と、入口122から出口124への排気ガスのための流路126と、排出物低減モジュール130と、SCR触媒132と、噴射器134と、電気加熱要素138とを備える。従って、ここでは、これらについて再び十分に説明しない。図5の実施形態では、排出物低減モジュール130は、DPF130A及びDOC130Bを備え、排気後処理ユニット120は、排出物低減モジュール130の上流に配置された二次触媒139を更に備える。二次触媒139は、ここでは、二次SCR139である。排出物低減モジュール130と、SCR触媒132と、二次触媒139は、ケーシング140内に収容されている。排出物低減モジュール130は、DPF130A及び/又はDOC130Bであってもよいこと、すなわち、DPF130A及びDOC130Bのいずれか一方が図5の排出物低減モジュール130から省略されてもよいことに留意されたい。
【0093】
ケーシング140は、点検開口142であって、点検開口142を通して少なくとも排出物低減モジュール130にアクセスすることが可能であり、場合によっては、少なくとも排出物低減モジュール130を(もしケーシング140から取り外されたなら)点検開口142を通すことが可能である、点検開口142を備える。点検開口142は、点検開口142を覆うように取外し可能に配置された点検蓋144によって閉鎖可能である。図5の実施形態では、噴射器134及び電気加熱要素138は、点検蓋144内に配置される。換言すれば、点検蓋は、電気加熱要素138及び噴射器134を収容する。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、電気加熱要素138及び噴射器134の1つのみが点検蓋144に収容される。例えば、電気加熱要素138のみが点検蓋144内に配置され、噴射器134がケーシング140内に配置される。更に、点検蓋144は、排気後処理ユニット120を通って流れる排気ガスの流路126の少なくとも一部を画定する流路部分126Aを備え、流路部分126Aは、少なくとも電気加熱要素138から噴射器134まで延びている。すなわち、電気加熱要素138は、流路部分126A内に配置されるとよい。従って、排気後処理ユニット120の点検又は保守中、点検蓋144は、電気加熱要素138及び噴射器134と一緒にケーシング140から取り外される。すなわち、電気加熱要素138及び噴射器134は、点検蓋144の取外しと同時にケーシング140から取り外される。これによって、例えば、保守又は点検のために電気加熱要素138及び噴射器134並びに流路部分126Aにアクセス可能である。この後、排出物低減モジュール130を点検開口142を通してケーシング140から取り外し、例えば、保守又は交換のために排出物低減モジュール130にアクセスすることが可能である。続いて、二次触媒139は、排出物低減モジュール130の上流に配置されているので、この二次触媒139を点検開口142を通してケーシング140から取り外すことができる。
【0094】
二次触媒139は、噴射器134及び/又は電気加熱要素138を含む点検蓋142から構造的及び機能的に分離されていることに留意されたい。従って、図5の排気後処理ユニット120は、任意選択的に、二次触媒139、及び/又は噴射器134及び/又は電気加熱要素138を含む点検蓋144を備えることができる。相応して、図2の排気後処理ユニット20は、二次触媒139を備えてもよく、及び/又は噴射器及び/又は電気加熱要素を含む点検蓋を有してもよい。更に、DPF130A及びDOC130Bは、構造的及び機能的に互いに分離され、排出物低減モジュール130内においてDPF/DOCとして組み合わされてもよいし、又は一方が他方を含まずに排出物低減モジュール30内に含まれてもよい 。
【0095】
図2図3A,3B及び図4A,4Bの排気後処理ユニット20及び図5の排気後処理ユニット120の両方に適用可能な構成として、電気加熱要素38,138は、点検蓋44,144の少なくとも1つの外面を貫通することによって点検蓋44,144内に一体化された電気接続部Cを介して、電力供給可能である。電気接続部Cは、例えば、排気後処理ユニット20の場合、点検蓋44を貫通するとよく、排気後処理ユニット120の場合、点検蓋144の少なくとも1つの外面を貫通するとよい。好ましくは、電気加熱要素38が排出物低減モジュール30に取り付けられる図4A,4Bに示される実施形態では、電気接続部Cは、例えば、ネジ山付き接続部によって、点検蓋44に離脱可能に取り付けられる。これによって、点検蓋44は、電気加熱要素38を取り外す前に、電気接続部Cから切り離され、ケーシング40から取り外される。
【0096】
更に、図2図3A,3B、図4A,4Bの排気後処理ユニット20及び図5の排気後処理装置120の両方に適用可能な構成として、電気加熱要素38,138は、電気加熱要素38,138の下流及びSCR触媒の上流の温度を180℃超に保つように電力供給されるとよい。例えば、電気加熱要素38,138の作動電力は、300Wから15000Wの間であるとよい。
【0097】
ここで図6のフローチャートを参照すると、車両用の排気後処理ユニット、例えば、図2図3A,3B、及び図4A,4Bの排気後処理ユニット20及び図5の排気後処理ユニット120を取り扱う又は点検するための方法のステップが概略的に示される。従って、排気後処理ユニットは、DPF及び/又はDOCである排出物低減モジュールと、排出物低減モジュールの下流に配置されたSCR触媒と、SCR触媒の上流に配置された電気加熱要素と、少なくとも排出物低減モジュールを収容するケーシングと、ケーシングの点検開口を覆うように取外し可能に配置された点検蓋であって、点検蓋を通して排出物低減モジュールにアクセスすることが可能である、点検蓋とを備える。
【0098】
ステップS1では、電気加熱要素にアクセスするために点検蓋が取り外される。
【0099】
ステップS2では、電気加熱要素は、ケーシングから取り外される。
【0100】
ステップS1は、例えば、図4A,4Bに示されるような第1のステップS1とすることができる。この場合、点検蓋は、電気加熱要素を取り外すステップS2、従って、第2のステップS2の前に取り外される。代替的に、ステップS1及びステップS2は、図3A,3Bに示されるように同時に行われてもよい。この場合、点検蓋は、電気加熱要素が点検蓋に取り付けられているので、電気加熱要素と一緒に取り外される。
【0101】
噴射器が点検蓋内に配置される図5の排気後処理ユニット120に適用可能な任意選択的なステップS3では、噴射器が、ケーシングから取り外される。従って、点検蓋を取り外し、電気加熱要素を取り外すステップS1,S2、及び任意選択的なステップS3は、同時に行われる。何故なら、電気加熱要素及び噴射器が点検蓋に取り付けられているので、点検蓋が電気加熱要素及び噴射器と一緒に取り外されるからである。
【0102】
任意選択的なステップS4では、排出物低減モジュールは、点検開口を通して取り外される。図4A,4Bに示される実施形態では、任意選択的なステップS4は、電気加熱要素が排出物低減モジュールに取り付けられているので、電気加熱要素を取り外す第2のステップS2と一緒に行われる。図3A,3Bに示される実施形態では、任意選択的なステップS4は、点検蓋を取り外して電気加熱要素を取り外すステップS1,S2に続いて行われ、図5に示される実施形態では、任意選択的なステップS4は、点検蓋を取り外して電気加熱要素を取り外すステップS1,S2,S3に続いて行われる。
【0103】
二次触媒139を備える排気後処理ユニット、例えば、図5の排気後処理ユニット120に適用可能な任意選択的なステップS5では、二次触媒は、少なくとも点検蓋を取り外すステップS1に続いてケーシングの点検開口を通して取り外される。
【0104】
任意選択的なステップS6では、電気加熱要素がケーシングに対して取り付けられるか又は再び取り付けられる。従って、このような任意選択的なステップS6は、少なくとも電気加熱要素を取り外すステップS2に続いて行われる。例えば、電気加熱要素は、ケーシング内に挿入可能である。これは、例えば、図3A,3B及び図4A,4Bに示されるように電気加熱要素がケーシング内に配置される実施形態に適用可能である。代替的に、電気加熱要素は、点検蓋内に挿入可能である。これは、例えば、図5に示されるように電気加熱要素が点検蓋に収容される実施形態に適用可能である。
【0105】
任意選択的なステップS7では、点検蓋がケーシングに取り付けられる。図3A,3B及び図5に示される実施形態の場合、任意選択的なステップS7は、任意選択的なステップS6と同時に行われる。図4A,4Bに示される実施形態では、任意選択的なステップS7は、任意選択的なステップS6に続いて行われる。
【0106】
本発明は、図面を参照して前述された実施形態に制限されないことを理解されたい。むしろ、当業者であれば、多くの変更及び修正が添付の請求項の範囲内においてなされ得ることを認識するだろう。例えば、排気後処理ユニットは、ディーゼルエンジン以外のエンジンの排気ガスを浄化するために用いられてもよい。例えば、この排気後処理ユニットは、例えば、CNG(圧縮天然ガス)、LPG(液化加圧ガス)、DME(ジメチルエーテル)、及び/又はH(水素)に基づく内燃エンジンの排気からのNOx排出物を変換することによって、排気ガスを浄化するために用いられてもよい。
【0107】
加えて、開示された実施形態の変更例は、図面、開示内容、及び添付の請求項の検討から請求された本発明の概念を具体化する際に、当業者によって理解され、かつ当業者に影響を与えることになるだろう。請求項において、「備える(comprising)」という用語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a, an」は、複数を排除するものではない。いくつかの手段が互いに異なる従属請求項に記載されるが、これは、単なる事実にすぎず、これらの手段の組合せを用いても利点を得ることができないことを示すものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
【外国語明細書】