(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151772
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ブロック貯蔵要素の液体供給
(51)【国際特許分類】
B01J 4/00 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
B01J4/00 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022045091
(22)【出願日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】21164918.1
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】503314705
【氏名又は名称】ユングハインリヒ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カヴェリウス, イェルク
(72)【発明者】
【氏名】ロールヴァ, フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】リープハーバー, マルクス
【テーマコード(参考)】
4G068
【Fターム(参考)】
4G068AA03
4G068AA07
4G068AB11
4G068AB15
4G068AD01
4G068AD41
(57)【要約】 (修正有)
【課題】温室システムにおいて使用されるブロック貯蔵要素に、単純な構成で液体を供給する方法を提供する。
【解決手段】ブロック貯蔵要素には流出部9がある。本発明の目的は、液体の供給を構成上、簡単にすることである。この目的のために、液体は、分配制限体7を有する流出液分配器5内に導入され、液体は、分配制限体7内に配置された少なくとも1つの通路8によって絞られて、ブロック貯蔵要素のタブ領域2内に入り、少なくとも1つの通路8によって排出されない液体は、流出部9を通って排出される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック貯蔵要素(1)に液体を供給するための方法であって、
前記ブロック貯蔵要素(1)は流出部(9)を有し、
液体は、分配制限体(7)を有する流出液分配器(5)に導入され、
前記液体は、分配制限体(7)内に配置された少なくとも1つの通路(8)によって絞られて、前記ブロック貯蔵要素(1)のタブ領域(2)に入り、
前記少なくとも1つの通路(8)を通って排出されない液体は、前記流出部(9)を通って排出されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記流出部(9)を経て排出される第1のブロック貯蔵要素(1)の液体が、第1のブロック貯蔵要素(1)の下に配置された第2のブロック貯蔵要素(1)の液体ガイド(10)に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
流出部(9)は第1の流出部(9)であり、流出液分配器(5)からブロック貯留要素(1)に導入された液体が、流出液収集器(6)の第2の流出部(11)の第2の入口(13)によって排出される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
第2の流出部(11)によって排出される第1のブロック貯留要素(1)の液体が、第1のブロック貯留要素(1)の下に配置された第2のブロック貯留要素(1)の第2の液体ガイド(15)に導入される、請求項1乃至3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
第1のブロック貯蔵要素(1)の第2の流出部(11)によって、第1のブロック貯蔵要素(1)の下に配置された第2のブロック貯蔵要素(1)の第2の液体ガイド(15)内に導入される液体が、第2の流出部(11)の第1の入口(12)を経由して、重力方向にて第2のブロック貯蔵要素(1)の下方に配置された第3のブロック貯蔵要素(1)内に移送される、請求項1乃至4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
タブ領域(2)と流出部(9)を備えたブロック貯蔵要素であって、
流出部(9)は流出液分配器(5)に配置され、流出液分配器(5)は、タブ領域(2)への少なくとも1つの通路(8)を備えた分配制限体(7)を有し、
少なくとも1つの通路(8)の第1の断面が流出部(9)の第2の断面より本質的に小さいことを特徴とするブロック貯蔵要素。
【請求項7】
前記少なくとも1つの通路(8)は、重力方向にて流出部(9)の上端の高さに少なくとも部分的に配置され、及び/又は重力方向にて流出部(9)の上端の下に少なくとも部分的に配置される、請求項6に記載のブロック貯蔵要素。
【請求項8】
前記流出液分配器(5)はブロック貯蔵要素(1)のタブ領域(2)の隅部領域に配置される、請求項6又は7に記載のブロック貯蔵要素。
【請求項9】
前記流出液分配器(5)は、液体ガイド(10)を有し、該液体ガイド(10)の下端は重力方向にて前記流出部(9)の上端よりも下方に配置されている、請求項6乃至8の何れかに記載のブロック貯蔵要素。
【請求項10】
前記流出部(9)は第1の流出部(9)であり、前記ブロック貯蔵要素(1)が第1の入口(12)及び第2の入口(13)を有する第2の流出部(11)を有し、第1の入口(12)が流出液収集器(6)の内部と相互に作用し、第2の入口(13)が流出液収集器(6)の外部と相互に作用する、請求項6乃至9の何れかに記載のブロック貯蔵要素。
【請求項11】
前記液体ガイド(10)が第1の液体ガイド(10)であり、第2の液体ガイド(15)が流出収集器(6)の内部と相互に作用する、請求項10に記載のブロック貯蔵要素。
【請求項12】
前記第2の入口(13)が、重力方向にて第1の入口(12)の上方に配置される、請求項10又は11に記載のブロック貯蔵要素。
【請求項13】
前記第1の入口(12)の上端は、重力方向にて前記流出液収集器(6)の床(16)と同じ高さにある、請求項11又は12に記載のブロック貯蔵要素。
【請求項14】
隅部領域は第1の隅部領域であり、第2の流出部(11)を有する流出液収集器(6)が第1の隅部領域とは異なる第2の隅部領域に配置されている、請求項6乃至13の何れかに記載のブロック貯蔵要素。
【請求項15】
請求項6乃至請求項14の何れかに記載の少なくとも1つのブロック貯蔵要素を有するブロック貯蔵要素システムであって、
重力方向において第2のブロック貯蔵要素(1)の上方に第1のブロック貯蔵要素(1)を配置し、前記ブロック貯蔵要素(1)の第1の流出部(9)が前記第2のブロック貯蔵要素(1)の第1の液体ガイド(10)の上方に配置され、及び/又は前記第1のブロック貯蔵要素(1)の第2の流出部(11)が前記第2のブロック貯蔵要素(1)の第2の液体ガイド(15)の上方に配置されることを特徴とするブロック貯蔵要素システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック貯蔵要素に液体を供給する方法に関し、ブロック貯蔵要素は流出部を有する。
本発明は、さらに、タブ領域及び流出部を有するブロック貯蔵要素に関連する。
【背景技術】
【0002】
例えば、本発明に係るブロック貯蔵要素は、温室システムにおけるブロック貯蔵又はブロック貯蔵システムで使用される。以前のブロック貯蔵要素は、液体又は栄養液を外部から供給し、その結果、植物がこれらのブロック貯蔵要素で成長することができる。そのために、例えば、各ブロック貯蔵要素の流動レベルを監視し、流入/流出を制御することによって望ましい値に調整する。これには、バルブのような複数の構成要素、及びまた精巧な制御装置が必要である。
本発明の目的は、単純な構成の液体供給部及び栄養素供給部を与えることである。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、請求項1の特徴に従った方法と、請求項6の特徴を有するブロック貯蔵要素によって達成される。
【0004】
ブロック貯蔵又はブロック貯蔵システムは、少なくとも1つのブロック貯蔵要素の受入室を備えた貯蔵システムを記載する。積層可能なブロック貯蔵要素はブロック貯蔵要素の受入室に貯蔵され、ブロック貯蔵要素の受入室から取り出される。この目的のために、少なくとも1つのブロック貯蔵要素は、装填室を通じてブロック貯蔵要素の受入室に貯蔵され又は受入室から取り出される。装填室は、重力方向にブロック貯蔵要素の受入室の上下に配置されることができるので、貯蔵又は取り出しの方向は重力方向又は重力の反対方向に向けられる。貯蔵又は取り出しの方向は、装填室の配置により確立される。装填室がブロック貯蔵要素の受入室の上方に配置されると、貯蔵方向は重力方向であり、取り出し方向は重力方向と逆向きである。装填室をブロック貯蔵要素の重力方向にて受入室の下方に配置した場合、貯蔵方向は重力方向と逆向きであり、取り出し方向は重力方向である。ブロック貯蔵要素のいくつかが、ブロック貯蔵要素の受入室に貯蔵されている場合、ブロック貯蔵要素の積層が生じる。なお、以下の説明では、ブロック貯蔵要素の受入室は重力方向にて装填室の下方に配置されている。
【0005】
冒頭に述べたような方法では、液体は、分配制限体を備えた流出液分配器を介して導入され、液体は、分配制限体に配置された少なくとも1つの通路によって絞られ、ブロック貯蔵要素のタブ領域に入り、少なくとも1つの通路によって排出されなかった液体は、流出部を通じて排出される。
【0006】
液体は、流出液分配器内に導入され、分配制限体によってブロック貯蔵要素のタブ領域から分離される。流出部は、さらに流出液分配器の内部に配置される。流出液分配器内に導入された液体は、以下、通路と呼ばれる少なくとも1つの通路を経て、タブ領域に入るが、その通路は、導入される液体の量を絞る。これにより、流出液分配器内で液体のレベルが上昇し、液体のレベルが一旦流出部の上限に達すると、流出部を介して排出される。
この構成の結果として、液体は、バルブ又は電子制御装置を全く必要とせずにブロック貯蔵要素に供給される。これにより、ブロック貯蔵要素の組立、制御、設置が単純化され、及びメンテナンスが容易になる。
【0007】
例えば、通路の横断面は流出の横断面に調整される。ここで通路の横断面は、全ての通路の全体的な横断面に関係している。この目的のために、通路はいくつかの通路によって形成することができる。通路をいくつかの通路に分割することで、通過する液体の量を望ましい絞り量に調整することが可能になる。さらに、絞り、ひいてはタブ領域の液体供給は、このようにきめ細かく調整することができる。
【0008】
通路を通ってタブ領域に導入されない液体は、液体レベルが流出部の上端を超えるまで、流出液分配器内に残る。液体レベルが流出部の上限を上回るとすぐに、液体は流出の経路を経由して排出される。これにより、ブロック蓄積要素のタブ領域に正確で目標とする液体供給を可能にするシステムが可能になる。また、不要な液体は、早期にブロック貯蔵要素から排出され、これにより、この液体がタブ領域の内部と接触して混ざり合うのを防ぎ、さらに早い段階で排出される液体量が用意されることを防ぐ。これにより、用意する液体の量が減少する。
【0009】
流出によって排出される第1のブロック貯蔵要素の液体は、好ましくは、第1のブロック貯蔵要素の下に配置された第2のブロック貯蔵要素の液体ガイドで実施される。このような構成の結果、少なくとも2つのブロック貯蔵要素からなるブロック貯蔵要素の積層体には、第1のブロック貯蔵要素に液体を導入することによって供給される。
この目的のために、第1のブロック貯蔵要素の流出液分配器に液体が導入され、そこでは、液体の一部が第1のブロック貯蔵要素のタブ領域への通路を経由する。導入された液体の残りの部分は、第1のブロック貯蔵要素の流出液分配器の流出を経て、第2のブロック貯蔵要素の液体ガイドに導入される。第2のブロック貯蔵要素の液体ガイドは、液体を第2のブロック貯蔵要素の流出液分配器に導き、そこから、導入された液体の一部が流出液分配器の通路を通って第2のブロック貯蔵要素のタブ領域に導入される。その結果、第2のブロック貯蔵要素又はそのタブ領域に液体が供給される。この構成により、複数のバルブ及び該バルブのコントローラが不要となり、従って、構成がコストの点で効率的となる。
【0010】
例えば、液体ガイドは漏斗として構成され、第2のブロック貯蔵要素に対し第1のブロック貯蔵要素が不正確に配置されても、第1のブロック貯蔵要素の流出部から第2のブロック貯蔵要素の液体ガイドへの液体の移送に影響を及ぼさない。この構成はまた、製造公差及び組立ての不正確さを補償することができる。
【0011】
流出部は、第1の流出部であることが好ましく、流出液分配器からブロック貯蔵要素に導入された液体は、流出液収集器の第2の流出部の第2の入口を介して排出される。第1の流出部は、ブロック貯蔵要素のタブ領域にまだ接触していない新鮮な液体を排出し、第2の流出部はタブ領域から液体を排出する。
この構成により、たとえレベルの高い液体が導入されたとしても、タブ領域の内部に規定されたレベルの液体を残すことになる。その結果、貯蔵される商品、例えば、植物、苗木、種子、キノコその他の生物材料から成るものには、常に十分な液体をもって供給される。さらに、液体は、例えば、流出液分配器から進む第2の流出部へと流れる。その結果、タブ領域の全ての領域に液体が供給されるので、液体が均一に印加される。
【0012】
第2の流出部によって排出される第1のブロック貯蔵要素の液体は、好ましくは、第1のブロック貯蔵要素の下に配置された第2のブロック貯蔵要素の第2の液体ガイド内に導入される。第1のブロック貯蔵要素から排出された液体を、第2のブロック貯蔵要素の第2の液体ガイドに移送することは、新鮮な液体と排出された液体の望ましくない混合を防ぐ。その結果、タブ領域には常に新鮮な液体が供給される。
【0013】
第1のブロック貯蔵要素の第2の流出部を経て、第1のブロック貯蔵要素の下に配置された第2のブロック貯蔵要素の第2の液体ガイドに導入された液体は、第2の流出部の第1の入口を経て、重力方向にて第2のブロック貯蔵要素の下に配置された第3のブロック貯蔵要素に移送されることが好ましい。この構成の結果、消費された液体は、消費された液体が第2のブロック貯蔵要素又は第3のブロック貯蔵要素のタブ領域に入ることなく、第1のブロック貯蔵要素から排出される。従って、新鮮な液体の流入部と消費された液体の流出部は、互いに分離されて配置される。
【0014】
さらに、前述の目的は、請求項6の特徴により達成される。ここで、流出部は流出液分配器に配置され、流出液分配器は、タブ領域への少なくとも1つの通路を備えた分配制限体を有し、少なくとも1つの通路の第1の断面は、流出部の第2の断面よりも本質的に小さい。例えば、ここでの通路は、互いに分離されたいくつかの通路を有する。通路の個々の断面の合計が、前記の第1の断面を構成する。
【0015】
流出部は、分配制限体によりタブ領域から分離される。流出部の周囲に液体が導入され、その場合、導入された液体の量は、例えば、タブ領域への通路を通る液体の量よりも多い。ここで通路を通って排出されない液体は、流出液分配器内の液体レベルの上昇につながる。液面が重力方向にて流出部の上端より上がったらすぐに、流出部を介して液体が排出される。これにより、可動要素なしで液体レベルの制御及び/又は調整が可能となり、メンテナンス費用の削減が可能となる。
【0016】
少なくとも1つの通路は、望ましくは、重力方向にての流出部の上端の高さ、及び/又は、少なくとも部分的には重力の方向への流出の上端より下に配置される。この構成によって、液体の少なくとも一部が流出液分配器から引き出され、少なくとも1つの通路を通してタブ領域内側に入ることが保証される。さらに、液体の絞りは、例えば、通路の幾何学的形状を調整することによって、液体レベルとは独立に調整することができる。
【0017】
流出液分配器は、ブロック貯蔵要素のタブ領域の隅部領域に配置されることが望ましい。隅部領域内に流出液分配器を配置することにより、ブロック貯蔵要素のタブ領域の内側をあらゆる側面からアクセス可能な状態に保つことができる。これにより、ブロック貯蔵要素のタブ領域からの商品の取り扱い、撤去及びブロック貯蔵要素のタブ領域へ格納される商品の備蓄を容易に行うことができる。
【0018】
流出液分配器は、好ましくは液体ガイドを有し、その下端は、重力方向にて流出部の上端よりも下方に配置される。液体ガイドの下端は流出部の上端よりも重力方向にて下方に配置されているため、流出部の上端よりも下方の流出液分配器に液体が導入される。これにより、液体が液体ガイドから直接流出部に入ることを防ぐことができる。液体レベルは、まず流出液分配器の内部で上昇しなければならないが、それは、液体が流出部を経由して排出される前である。これにより、液体を目標に供給し中継することが可能になる。
【0019】
流出部は、第1の流出部であることが好ましく、ブロック貯蔵要素は、第1の入口及び第2の入口を有する第2の流出部を有し、第1の入口は、流出液収集器の内部と相互作用し、第2の入口は、流出液収集器の外部と相互に作用する。流出液収集器の外側は、例えば、タブ領域である。第2の入口は、少なくとも一部が、タブ領域に配置される。第1の入口は、タブ領域から空間的に分離されている。その結果、液体は、第2の入口を通ってタブ領域から排出されることができ、第1の入口は、流出液収集器の内部に導入された液体を排出するためだけに機能する。この構成は、消費された液体が、流出液分配器からタブ領域を通って流出液収集器に導入され、再び新鮮な液体と混合されることを防止する。その代わり、消費された液体は、目標を定めた方法で排出される。
【0020】
液体ガイドは、望ましくは第1の液体ガイドであり、第2の液体ガイドは流出液収集器の内側と相互に作用する。第2の液体ガイドは、第2の流出部を介して排出された消費された液体を流出液収集器に導入する。例えば、これは消費された液体の飛散や飛散を防ぎ、消費された液体とタブ領域にある液体との混合を避ける。さらに、第2の液体ガイドは、ブロック貯蔵要素の周囲環境における消費された液体による汚染を防ぐ。
【0021】
前記第2の入口は、重力方向にて前記第1の入口の上方に配置されることが好ましい。この結果、第2の液体ガイドを通って導入された液体は、第1の入口に導入され、第2の液体ガイドを通って導入された液体がタブ領域に流入する危険性はない。その代わり、第2の液体ガイドによって導入された液体は、第2の流出部によって直接排出される。これにより、消費された液体を容易に排出することができる。
【0022】
重力方向にて第1の入口の上端は、好ましくは、流出液収集器の床と同じ高さに存在する。これにより、第2の液体ガイドを経由して導入された液体が、タブ領域に流出する危険をさらに回避することができる。さらに、この構成では、導入された少量の液体しか流出液収集器の中に残っていない。この少量の液体では、作業過程に支障をきたす可能性がある不要な虫類、キノコその他の生物物質の繁殖に十分な主成分を与えることはできない。これにより、ブロック貯蔵要素の使い易さと洗浄の容易さが改善される。
【0023】
隅部領域は、好ましくは第1の隅部領域であり、第2の隅部領域を有する流出液収集器は、第1の隅部領域とは異なる第2の隅部領域に配置される。その結果、流出液分配器を介して導入された液体は、まず、流出液収集器を介して排出される前に、タブ領域を通過しなければならない。その結果、タブ領域は一様に浸され、タブ領域に配置された全ての要素に液体が供給され、洗浄される。
【0024】
第1のブロック貯蔵要素は、重力方向にて第2のブロック貯蔵要素の上に配置されていることが望ましく、この第1のブロック貯蔵要素の第1の流出部は、第2のブロック貯蔵要素の第1の液体ガイドの上に配置され、及び/又は第1のブロック貯蔵要素の第2の流出部は、第2のブロック貯蔵要素の第2の液体ガイドの上に配置される。この構成では、例えば、第1のブロック貯蔵要素の第1の流出部が、第2のブロック貯蔵要素の第1の液体ガイドと相互に作用する。さらに、例えば、第1のブロック貯蔵要素の第2の流出部は、第2のブロック貯蔵要素の第2の液体ガイドと相互に作用する。
【0025】
第1の流出部と第1の液体ガイドは常に新鮮な液体に接するので、タブ領域には流出液分配器から新たな液体が供給される。
【0026】
第2の流出部と第2の液体ガイドは、消費された液体を取り扱い、消費された液体は、タブ領域から進む第2の流出部に導入される。
2つの構成は、新鮮な液体と消費された液体とを分離する。その結果、タブ領域には消費された液体と混合されない新鮮な液体が供給されることが保証される。
【0027】
例えば、ブロック貯蔵要素はブロック貯蔵要素に積み込まれる。ここでの少なくとも2つのブロック貯蔵要素は、ブロック貯蔵要素の積層体を構成している。例えば、新鮮な液体は、第1の、最上部のブロック貯蔵要素の第1の液体ガイドを介して導入される。
液体は、第1の液体ガイドを介して、第1のブロック貯蔵要素の流出液分配器に導入される。該流出液分配器から、液体の一部がタブ領域に入ってくる。導入された液体の残りの部分は流出液分配器に残り、そのため、第1のブロック貯蔵要素の流出液分配器の内部の液体レベルが上昇し、第1の流出部によって液体が排出されるまで、残りの部分は流出液分配器に留まる。そこから、液体は第2のブロック貯蔵要素の第1の液体ガイドを通って、第2のブロック貯蔵要素の流出液分配器に入る。第2のブロック貯蔵要素は、ここでは、第1のブロック貯蔵要素の下に配置される。この工程は第2のブロック貯蔵要素で繰り返され、第2のブロック貯蔵要素でタブ領域が浸水し、過剰な液体が第1の流出部を通して排出される。
【0028】
上記段落で述べたブロック貯蔵要素の積層体において、液体は第1のブロック貯蔵要素においてタブ領域にて拡がる。そこでは、第2の流出部の第2の入口を介して液体が排出されるまで、液体レベルが上昇する。そこから、排出液は第2のブロック貯蔵要素の第2の液体ガイドに入る。第2の液体ガイドは、排出された液体を流出液収集器の内部に移送し、排出された液体は、さらに、第2の流出部の第1の入口を介して直接排出され、流出液収集器の内部から進行する。
個々のブロック貯蔵要素に対する液体の連鎖的供給は、任意のサイズのブロック貯蔵要素の積層体に適用することができる。ここでは、流出液収集器と流出液分配器とをそれぞれの液体ガイドと組み合わせて配置することで、可動部が無くても済む。これにより、メンテナンスの容易さが良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明は、図面と併せて好ましい実施形態に基づき、以下に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1に示すブロック貯蔵要素1には、タブ領域2と積層用形状3がある。分配要素4は、タブ領域2に配備されている。流出液分配器5は、ブロック貯蔵要素1の第1の隅部領域に設けられる。流出液収集器6は、ブロック貯蔵要素1の第2の隅部領域に設けられる。
【0031】
流出液分配器5は、
図2に破断して示されている。流出液分配器5は、幾つかの通路8を備えた分配制限体7を備えている。分配制限体7は、タブ領域2から第1の流出部9の周囲の領域を区切る。
第1の液体ガイド10は、第1の流出部9の周りの領域内に入る。重力方向にて第1の液体ガイド10の下端部は、第1の流出部9の上端部の下に配置されている。第1の液体ガイド10はさらに漏斗形状を有し、漏斗形状の入口は重力方向にて第1の流出部9の上方に配置される。通路8は、流出液分配器5の内側とも呼ばれる第1の流出部9の周囲の領域と、タブ領域2とを接続する。液体は流出液分配器5の内側から進むと、通路8を経てタブ領域2に入る。タブ領域2では、流体は分配要素4を経由して導入される。
【0032】
図3は、流出液収集器6を破断して示す。流出液収集器6は、第1の入口12及び第2の入口13を有する第2の流出部11を有し、2つの入口12、13は、境界14によって互いに分離されている。さらに第2の液体ガイド15が配備されている。
【0033】
図4は、流出液収集器6の第1の入口12と第2の入口13の配置を示している。第2の入口13は、タブ領域2のための流出部として機能する。対照的に、第1の入口12は、流出液収集器6の内部に導入された液体のための流出部として機能する。第1の入口及び第2の入口12,13はいずれも第2の流出部11内に入る。加えて、第1の入口12は、床16と同じ高さにある。
【0034】
電子化されていないブロック貯蔵要素システムでは、少なくとも2つのブロック貯蔵要素1が他の要素よりも上に積層されている。第1のブロック貯蔵要素1は、ここでは第2のブロック貯蔵要素1の上に配置される。各ブロック貯蔵要素1の積層用形状3は、互いに取り外し可能に連結される。この配置では、第2のブロック貯蔵要素1の第1の液体ガイド10が、第1のブロック貯蔵要素1の第1の流出部9の下に配置される。また、第2のブロック貯蔵要素1の第2の液体ガイド15は、第1のブロック貯蔵要素1の第2の流出部11の下方に配置される。
【0035】
新鮮な液体は、第1のブロック貯蔵要素1の第1の液体ガイド10に導入される。そこで液体ガイド10は、液体を流出液分配器5に移送し、そこから液体の少なくとも一部が通路8を通ってタブ領域2に入る。液体は通路8を通して絞られるので、流体のレベルは流出液分配器5内で上昇する。流体のレベルが第1の流出部9の上限に達するとすぐに、第1の流出部9を経由して液体が排出される。第1のブロック貯蔵要素1の第1の流出部9は、第2のブロック貯蔵要素の第1の液体ガイド10へ入る。そこでは、再び工程が始まる。
【0036】
流出液分配器5から進んでタブ領域2に入った液体は、分配要素4によって全タブ領域2に沿って分配される。その結果、全タブ領域2には、新鮮な液体が供給される。タブ領域2に液体が供給されるとすぐに、液体はまた流出液収集器6に入る。そこで消費された液体は、第1のブロック貯蔵要素1の第2の入口13を経て、第2のブロック貯蔵要素1の第2の液体ガイド15に入る。第2の液体ガイド15は、消費された液体を流出液収集器6の内部に移送し、そこから、第1の入口12を介して第2のブロック貯蔵要素1の第2の流出部11に液体が移送される。ここでも、必要な多くのブロック貯蔵要素1を他の要素より上に積み上げることができるので、消費された液体が流出することができる。
【0037】
流出液分配器5は、第1の液体ガイド10と組み合わせて、専ら新鮮な液体を導入する。流出液収集器6は、第2の液体ガイド15と組み合わせて、消費された液体を処理する。その結果、新鮮な液体は消費された液体から分離される。これにより、ブロック貯蔵システムに位置する全てのブロック貯蔵要素1の優れた供給が可能になる。
【符号の説明】
【0038】
符号リスト
1 ブロック貯蔵要素
2 タブ領域
3 積層用形状
4 分配要素
5 流出液分配器
6 流出液収集器
7 分配制限体
8 通路
9 第1の流出部
10 第1の液体ガイド
11 第2の流出部
12 第1の入口
13 第2の入口
14 境界
15 第2の液体ガイド
16 床
【外国語明細書】