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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151778
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】粘着剤組成物及び光学粘着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 201/00 20060101AFI20220929BHJP
   C09J 133/04 20060101ALI20220929BHJP
   C09J 133/14 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
C09J201/00
C09J133/04
C09J133/14
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045709
(22)【出願日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0037212
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】509179087
【氏名又は名称】エルエムエス・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LMS Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ハム,ムン ホ
(72)【発明者】
【氏名】イ,スン フン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ホン
(72)【発明者】
【氏名】コン,イェ-ピル
【テーマコード(参考)】
4J040
【Fターム(参考)】
4J040DF021
4J040DF061
4J040JB09
4J040LA01
4J040LA08
4J040LA11
4J040NA17
(57)【要約】
【課題】安定性を保ちながらも、気泡の発生または合紙層間の浮き上がり現象を防止できる粘着剤組成物と光学粘着剤を提供する。
【解決手段】特定のガラス転移温度及び常温表面張力を有する単量体の組み合わせと含量比を通じて濡れ性及び耐光性に優れており、段差(step)及び異物(defect)をカバーできる粘着剤組成物を提供し、ディスプレイまたは透明電極製品の合紙層の間に位置する異物(defect)をカバーできる光学粘着剤を提供しうる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の単量体を共重合して得られた共重合体を含み、
前記単量体は、常温表面張力が30mN/m超の単量体及び常温表面張力が30mN/m以下の単量体を含み、
前記共重合体の常温表面張力は、30mN/m以下である、粘着剤組成物。
【請求項2】
前記単量体は、下記式(1)を満たす、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【数1】
式(1)において、Aは、常温表面張力が30mN/m超の単量体の重量を表し、Bは、常温表面張力が30mN/m以下の単量体の重量を表す。
【請求項3】
前記単量体は、ガラス転移温度が10℃超の単量体及びガラス転移温度が10℃以下の単量体を含み、
前記共重合体のガラス転移温度が-25℃以下である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
前記単量体は、下記式(2)を満たす、請求項3に記載の粘着剤組成物。
【数2】
式(2)において、Cは、ガラス転移温度が10℃超の単量体の重量を表し、Dは、ガラス転移温度が10℃以下の単量体の重量を表す。
【請求項5】
前記常温表面張力が30mN/m以下の単量体は、鎖状アルキルアクリレート化合物を含む、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項6】
前記鎖状アルキルアクリレート化合物は、ガラス転移温度が-20℃以下である、請求項5に記載の粘着剤組成物。
【請求項7】
前記鎖状アルキルアクリレート化合物は、下記構造式(1)で表される化合物を1つ以上含む、請求項5に記載の粘着剤組成物。
【化1】
構造式(1)において、
は、炭素数1~14の直鎖状のアルキレン基または炭素数2~14の分岐鎖状のアルキレン基であり、
及びRは、それぞれ独立して水素、炭素数1~6の直鎖状のアルキル基または炭素数2~6の分岐鎖状のアルキル基である。
【請求項8】
前記常温表面張力が30mN/m以下の単量体は、ヒドロキシ基含有アクリレート化合物を含む、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項9】
前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、ガラス転移温度が0℃以下である、請求項8に記載の粘着剤組成物。
【請求項10】
前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、下記構造式(2)で表される化合物を1つ以上含む、請求項8に記載の粘着剤組成物。
【化2】
構造式(2)において、
は、炭素数1~10の直鎖状のアルキレン基、炭素数2~10の分岐鎖状のアルキレン基、炭素数2~10の直鎖状または分岐鎖状のアルケニレン基または炭素数2~10の直鎖状または分岐鎖状のアルキニレン基である。
【請求項11】
前記常温表面張力が30mN/m超の単量体は、環状アルキルアクリレート化合物を含む、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項12】
前記環状アルキルアクリレート化合物は、ガラス転移温度が50℃以上である、請求項11に記載の粘着剤組成物。
【請求項13】
前記常温表面張力が30mN/m超の単量体は、環状アルキルアクリレート化合物を含み、
前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)と前記環状アルキルアクリレート化合物(Q)の重量比(R/Q)は、1.2~10の範囲内である、請求項8~10のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
【請求項14】
前記常温表面張力が30mN/m超の単量体は、環状エーテル基含有アクリレート化合物を含む、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項15】
前記環状エーテル基含有アクリレート化合物は、ガラス転移温度が10℃以下である、請求項14に記載の粘着剤組成物。
【請求項16】
前記環状エーテル基含有アクリレート化合物は、下記構造式(3)で表される化合物を1つ以上含む、請求項14に記載の粘着剤組成物。
【化3】
構造式(3)において、
は、水素または炭素数1~20の直鎖状のアルキル基であり、
及びLは、それぞれ独立して単結合または炭素数1~20の直鎖状のアルキレン基であり、
は、単結合または炭素数1~8の直鎖状のアルキレン基であり、
Qは、酸素原子または炭素原子である。
【請求項17】
請求項1に記載の粘着剤組成物の硬化物を含む、フィルム。
【請求項18】
前記フィルムは、常温粘着力が0.7kg/inch以上であるか、または引張率が0.002~0.012kgf/mmの範囲内であるか、または常温貯蔵弾性率が0.1MPa以下及び80℃貯蔵弾性率が0.055MPa以下である、請求項17に記載のフィルム。
【請求項19】
2以上の単量体を共重合して得られた共重合体を含み、
前記共重合体の常温表面張力は、30mN/m以下、及びガラス転移温度は、-25℃以下である、粘着剤組成物。
【請求項20】
前記単量体は、常温表面張力が30mN/m超の単量体及び常温表面張力が30mN/m以下の単量体を含む第1の単量体;または、ガラス転移温度が10℃超の単量体及びガラス転移温度が10℃以下の単量体を含む第2の単量体のうち少なくとも1つを含み、
前記第1の単量体は、下記式(1)を満たし、第2の単量体は、下記式(2)を満たす、請求項19に記載の粘着剤組成物。
【数1】
【数2】
式(1)において、Aは、常温表面張力が30mN/m超の単量体の重量を表し、Bは、常温表面張力が30mN/m以下の単量体の重量を表し、
式(2)において、Cは、ガラス転移温度が10℃超の単量体の重量を表し、Dは、ガラス転移温度が10℃以下の単量体の重量を表す。
【請求項21】
ガラス転移温度が10℃超であり、また前記常温表面張力が30mN/m超の単量体は、前記単量体の全重量に対して0.5~18重量%の範囲内に含まれる、請求項20に記載の粘着剤組成物。
【請求項22】
前記ガラス転移温度が10℃以下であって常温表面張力が30mN/m以下の単量体は、前記ガラス転移温度が10℃超であって常温表面張力が30mN/m超の単量体100重量部に対して450~5,500重量部の範囲内に含まれる、請求項21に記載の粘着剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、粘着剤組成物及び前記粘着剤組成物によって形成される光学粘着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
光学粘着剤(OCA、Optically Clear Adhesive)は、ディスプレイ製品または透明電極を含む製品(以下、透明電極製品という)を構成する機能性層間を接合させるために挿入される粘着剤であって、機能遂行のために前記光学粘着剤の粘着力は重要である。特に、前記機能性層は、2つ以上の異なる素材または部品が備えられている場合があるが、このような場合でも両方とも粘着力に優れていることが求められる。特許文献1には、部分重合されたアクリル樹脂を用いてガラス基材に対する優れた粘着力を確保した光学粘着剤が知られている。
【0003】
光学粘着剤が含まれたディスプレイ製品または透明電極製品は、ガラス基材に含まれるか、または工程間に浸透した異物、光学粘着剤または偏光板から発生するガス及び偏光板の熱的収縮などの様々な理由により、気泡の発生または合紙層間の浮き上がり現象が発生した。特に、気泡の発生または合紙層間の浮き上がり現象は、主にディスプレイ製品または透明電極製品の合紙層の間に位置する異物(defect)が核(nucleus)として作用することにより発生した。
【0004】
過量の架橋剤と熱安定性の高い単量体を導入し、高い架橋密度とガラス転移温度を有するように形成された従来の光学粘着剤は、高温、高温/高湿及び熱衝撃評価において優れた安定性を示したが、気泡の発生または合紙層間の浮き上がり現象が著しく発生した。
【0005】
したがって、安定性を保ちながらも、気泡の発生または合紙層間の浮き上がり現象を防止できる光学粘着剤が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2016-0105354号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、前述の問題点を解決できる粘着剤組成物と光学粘着剤を提供することを目的とする。
【0008】
また、本開示は、濡れ性及び耐光性に優れており、段差(step)及び異物(defect)をカバーできる光学粘着剤を形成する粘着剤組成物を提供することを目的とする。
【0009】
また、本開示は、耐久性及び粘着力など基本的に求められる物性を満たしながら、気泡の発生または合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる光学粘着剤を形成する粘着剤組成物を提供することを目的とする。
【0010】
また、本開示は、ディスプレイ製品または透明電極製品の合紙層の間に位置する異物(defect)をカバーできる光学粘着剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示で使用される用語の常温は、特に加温及び減温されていない自然状態の温度であって、約10℃~30℃の範囲内のいずれかの温度、例えば、約15℃以上、約18℃以上、約20℃以上、または約23℃以上であるか、または約27℃以下の温度を意味しうる。
【0012】
本開示で使用される用語の表面張力は、液状物質の表面を最小化する方向に作用する力であって、白金リング(ring)を使用する表面張力測定装置(surface tension meter)を通じてISO 304基準に従って測定した値であってもよい。また、本開示で使用される用語の常温表面張力は、常温環境下において前記方式に従って測定した値であってもよい。また、ここで、常温は、具体的に約25℃であってもよい。
【0013】
本開示で使用される用語の置換は、化合物の炭素原子に結合した水素原子が他の置換基に変わることを意味し、置換される位置は、水素原子が置換される位置、すなわち、置換基が置換可能な位置であれば特に限定されず、2つ以上置換される場合には、前記置換基が互いに同一または異なっていてもよい。
【0014】
本開示で使用される用語の置換基(substituent)は、炭化水素の母体鎖上の1つ以上の水素原子に代わる原子または原子団を意味する。このとき、前記置換基と結合した炭化水素の母体鎖にある炭素を本開示では置換炭素と定義する。また、置換基は、下記で説明するが、これに限定されるものではなく、前記置換基は、本開示に特段の記載がない限り、下記で説明する置換基にさらに置換されてもよく、いかなる置換基にも置換されていなくてもよい。
【0015】
本開示で使用される用語のアルキル基またはアルキレン基は、特に記載のない限り、炭素数1~20、または炭素数1~16、または炭素数1~12、または炭素数1~8、または炭素数1~6の直鎖または分枝鎖のアルキル基またはアルキレン基であってもよく、炭素数3~20、または炭素数3~16、または炭素数3~12、または炭素数3~8、または炭素数3~6の環状アルキル基またはアルキレン基であってもよい。ここで、環状アルキル基またはアルキレン基は、環構造のみを有するアルキル基またはアルキレン基及び環構造を含むアルキル基またはアルキレン基も含む。例えば、シクロヘキシル基とメチルシクロヘキシル基は、すべて環状アルキル基に該当する。
【0016】
本開示で使用される用語のアルケニル基またはアルケニレン基は、特に記載のない限り、炭素数2~20、または炭素数2~16、または炭素数2~12、または炭素数2~8、または炭素数2~6の直鎖または分岐鎖の非環状のアルケニル基またはアルケニレン基;炭素数3~20または炭素数3~16、または炭素数3~12、または炭素数3~8、または炭素数3~6の環状アルケニル基またはアルケニレン基であってもよい。ここで、環構造のアルケニル基またはアルケニレン基を含むと、環状アルケニル基またはアルケニレン基に該当する。
【0017】
本開示で使用される用語のアルキニル基またはアルキニレン基は、特に記載のない限り、炭素数2~20、または炭素数2~16、または炭素数2~12、または炭素数2~8、または炭素数2~6の直鎖または分岐鎖の非環状のアルキニル基またはアルキニレン基であってもよく、炭素数3~20、または炭素数3~16、または炭素数3~12、または炭素数3~8、または炭素数3~6の環状のアルキニル基またはアルキニレンであってもよい。ここで、環構造のアルキニル基またはアルキニレン基を含むと、環状アルキニル基またはアルキニレン基に該当する。
【0018】
前記アルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルケニレン基、アルキニル基、アルキニレン基は、任意に1つ以上の置換基で置換されていてもよい。この場合、置換基としては、ハロゲン(クロリン(Cl)、ヨウ素(I)、ブロミン(Br)、フルオリン(F))、アリール基、ヘテロアリール基、エーテル基、カルボニル基、カルボキシル基及びヒドロキシ基からなる群から選ばれる1つ以上であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0019】
本開示で使用される用語のアリール基は、芳香族炭化水素環から1つの水素が除去された芳香族環を意味し、前記芳香族炭化水素環は、単環式または多環式環を含んでもよい。前記アリール基は、炭素数を特に限定しないが、特に記載のない限り、炭素数6~30、または炭素数6~26、または炭素数6~22、または炭素数6~20、または炭素数6~18、または炭素数6~15のアリール基であってもよい。また、本開示で使用される用語のアリーレン基は、アリール基に結合位置が2つあること、すなわち、2価基を意味する。これらは、それぞれ2価基であることを除いては、前述のアリール基の説明が適用されてもよい。
【0020】
本開示で使用される用語のヘテロアリール基は、炭素ではない異種原子を1つ以上含む芳香族環であって、具体的には、前記異種原子は、窒素(N)、酸素(O)、硫黄(S)、セレニウム(Se)及びテレニウム(Te)からなる群から選ばれる原子を1つ以上含んでもよい。このとき、ヘテロアリール基の環構造を構成する原子を環原子と呼ぶことができる。また、ヘテロアリール基は、単環式または多環式環を含んでもよい。前記ヘテロアリール基は、炭素数を特に限定しないが、特に記載のない限り、炭素数2~30、または炭素数2~26、または炭素数2~22、または炭素数2~20、または炭素数2~18、または炭素数2~15のヘテロアリール基であってもよい。他の例示において、ヘテロアリール基は、環原子数を特に限定するものではないが、環原子数が5~30、5~25、5~20、5~15、5~10または5~8のヘテロアリール基であってもよい。
【0021】
また、本開示で使用される用語のヘテロアリーレン基は、ヘテロアリール基に結合位置が2つあること、すなわち、2価基を意味する。これらは、それぞれ2価基であることを除いては、前述のヘテロアリール基の説明が適用されてもよい。
【0022】
本開示で使用される用語のアクリレート化合物は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の誘導体またはメタクリル酸の誘導体を意味する。また、本開示で使用される用語の(メタ)アクリルは、アクリルまたはメタクリルを意味する。
【0023】
本開示の一例において、粘着剤組成物は、2以上の単量体を共重合して得られた共重合体を含み、前記単量体は、常温表面張力が30mN/m超の単量体及び常温表面張力が30mN/m以下の単量体を含んでもよい。
【0024】
また、本開示の一例において、粘着剤組成物の共重合体は、常温表面張力が30mN/m以下、29.5mN/m以下、29mN/m以下、28.5mN/m以下または28mN/m以下であってもよく、他の例示において、前記粘着剤組成物の共重合体は、常温表面張力が20mN/m以上、21mN/m以上、22mN/m以上または23mN/m以上であってもよい。
【0025】
粘着剤組成物の常温表面張力は、含まれる共重合体の常温表面張力の影響を受けることができる。本開示の一例において、粘着剤組成物の常温表面張力は、30mN/m以下、29.5mN/m以下、29mN/m以下、28.5mN/m以下または28mN/m以下であってもよく、他の例示において、前記粘着剤組成物の常温表面張力が20mN/m以上、21mN/m以上、22mN/m以上または23mN/m以上であってもよい。粘着剤組成物の常温表面張力が前記範囲を満たす場合、粘着剤組成物に含まれる共重合体の常温表面張力も前記範囲を満たすことができる。
【0026】
本開示の一例において、粘着剤組成物に含まれる単量体は、下記式(1)を満たすことができる。
【0027】
【数1】
【0028】
式(1)において、Aは、常温表面張力が30mN/m超の単量体の重量を表し、Bは、常温表面張力が30mN/m以下の単量体の重量を表す。
【0029】
また、式(1)において、A/B×100の値は、3以上、3.5以上、4以上、4.5以上、5以上、5.5以上または6以上であってもよく、他の例示において、前記式(1)においてA/B×100の値は、30以下、28以下、26以下、24以下または22以下であってもよい。また、前記式(1)においてA/B×100の値は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内であってもよい。
【0030】
式(1)において、A/B×100の値が前記範囲を満たす場合には、濡れ性及び耐光性に優れており、段差(step)及び異物(defect)をカバーする粘着剤組成物を形成してもよい。
【0031】
本開示の一例において、粘着剤組成物に含まれる単量体は、ガラス転移温度が10℃超の単量体及びガラス転移温度が10℃以下の単量体をさらに含んでもよい。
【0032】
本開示の一例において、粘着剤組成物の共重合体は、ガラス転移温度が-25℃以下、-26℃以下、-27℃以下、-28℃以下、-29℃以下、-30℃以下、-31℃以下、-32℃以下、-33℃以下または-34℃以下であってもよく、他の例示において、前記粘着剤組成物の共重合体は、ガラス転移温度が-50℃以上、-49.5℃以上、-49℃以上または-48.5℃以上であってもよい。
【0033】
粘着剤組成物のガラス転移温度は、含まれる共重合体のガラス転移温度の影響を受けることができる。本開示の一例において、粘着剤組成物のガラス転移温度は、-25℃以下、-26℃以下、-27℃以下、-28℃以下、-29℃以下、-30℃以下、-31℃以下、-32℃以下、-33℃以下または-34℃以下であってもよく、他の例示において、前記粘着剤組成物のガラス転移温度は、-50℃以上、-49.5℃以上、-49℃以上または-48.5℃以上であってもよい。粘着剤組成物のガラス転移温度が前記範囲を満たす場合、粘着剤組成物に含まれた共重合体のガラス転移温度も前記範囲を満たすことができる。
【0034】
本開示の一例において、粘着剤組成物に含まれる単量体は、下記式(2)を満たすことができる。
【0035】
【数2】
【0036】
式(2)において、Cは、ガラス転移温度が10℃超の単量体の重量を表し、Dは、ガラス転移温度が10℃以下の単量体の重量を表す。
【0037】
また、式(2)において、C/D×100の値は、1以上、1.5以上、2以上、2.5以上、3以上、3.5以上、4以上、4.5以上、5以上、5.5以上または6以上であってもよく、他の例示において、式(2)におけるC/D×100の値は、22以下、21以下、20以下、19以下または18以下であってもよい。また、前記式(2)において、C/D×100の値は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内であってもよい。
【0038】
式(2)においてC/D×100の値が前記範囲を満たす場合には、適切な貯蔵弾性率及び引張率を有するようにする粘着剤組成物を形成してもよい。
【0039】
本開示の他の一例において、粘着剤組成物は、2以上の単量体を共重合して得られた共重合体を含み、前記共重合体の常温表面張力は、30mN/m以下であり、ガラス転移温度は、-25℃以下であってもよい。
【0040】
本開示の他の一例において、粘着剤組成物の共重合体は、常温表面張力が30mN/m以下、29.5mN/m以下、29mN/m以下、28.5mN/m以下または28mN/m以下であってもよく、他の例示において、粘着剤組成物の共重合体は、常温表面張力が20mN/m以上、21mN/m以上、22mN/m以上または23mN/m以上であってもよい。
【0041】
粘着剤組成物の常温表面張力は、含まれる共重合体の常温表面張力の影響を受けることができる。本開示の一例において、粘着剤組成物の常温表面張力は、30mN/m以下、29.5mN/m以下、29mN/m以下、28.5mN/m以下または28mN/m以下であってもよく、他の例示において、前記粘着剤組成物の常温表面張力が20mN/m以上、21mN/m以上、22mN/m以上、または23mN/m以上であってもよい。粘着剤組成物の常温表面張力が前記範囲を満たす場合、粘着剤組成物に含まれた共重合体の常温表面張力も前記範囲を満たすことができる。
【0042】
また、粘着剤組成物の共重合体は、ガラス転移温度が-25℃以下、-26℃以下、-27℃以下、-28℃以下、-29℃以下、-30℃以下、-31℃以下、-32℃以下、-33℃以下または-34℃以下であってもよく、他の例示において、前記粘着剤組成物の共重合体は、ガラス転移温度が-50℃以上、-49.5℃以上、-49℃以上または-48.5℃以上であってもよい。
【0043】
粘着剤組成物のガラス転移温度は、含まれる共重合体のガラス転移温度の影響を受けることができる。本開示の一例において、粘着剤組成物のガラス転移温度は、-25℃以下、-26℃以下、-27℃以下、-28℃以下、-29℃以下、-30℃以下、-31℃以下、-32℃以下、-33℃以下または-34℃以下であってもよく、他の例示において、前記粘着剤組成物のガラス転移温度は、-50℃以上、-49.5℃以上、-49℃以上または-48.5℃以上であってもよい。粘着剤組成物のガラス転移温度が前記範囲を満たす場合、粘着剤組成物に含まれた共重合体のガラス転移温度も前記範囲を満たすことができる。
【0044】
本開示の他の一例において、粘着剤組成物に含まれる単量体は、常温表面張力が30mN/m超の単量体及び常温表面張力が30mN/m以下の単量体を含む第1の単量体;またはガラス転移温度が10℃超の単量体及びガラス転移温度が10℃以下の単量体を含む第2の単量体のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0045】
前記第1の単量体は、下記式(1)を満たすことができる。
【0046】
【数1】
【0047】
式(1)において、Aは、常温表面張力が30mN/m超の単量体の重量を表し、Bは、常温表面張力が30mN/m以下の単量体の重量を表す。
【0048】
また、式(1)においてA/B×100の値は、3以上、3.5以上、4以上、4.5以上、5以上、5.5以上または6以上であってもよく、他の例示において、前記式(1)においてA/B×100の値は、30以下、28以下、26以下、24以下または22以下であってもよい。また、前記式(1)においてA/B×100の値は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内であってもよい。
【0049】
式(1)においてA/B×100の値が前記範囲を満たす場合には、濡れ性及び耐光性に優れており、段差(step)及び異物(defect)をカバーする粘着剤組成物を形成してもよい。
【0050】
前記第2の単量体は、下記式(2)を満たすことができる。
【0051】
【数2】
【0052】
式(2)において、Cは、ガラス転移温度が10℃超の単量体の重量を表し、Dは、ガラス転移温度が10℃以下の単量体の重量を表す。
【0053】
また、式(2)において、C/D×100の値は、1以上、1.5以上、2以上、2.5以上、3以上、3.5以上、4以上、4.5以上、5以上、5.5以上または6以上であってもよく、他の例示において、C/D×100の値は、22以下、21以下、20以下、19以下または18以下であってもよい。また、前記式(2)において、C/D×100の値は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内であってもよい。
【0054】
式(2)において、C/D×100の値が前記範囲を満たす場合には、適切な貯蔵弾性率及び引張率を有するようにする粘着剤組成物を形成してもよい。
【0055】
本開示の他の一例において、粘着剤組成物に含まれる単量体は、第1の単量体の常温表面張力が30mN/m超の単量体または第2の単量体のガラス転移温度が10℃超の単量体に該当するガラス転移温度が10℃超であって常温表面張力が30mN/m超の単量体を含んでもよい。
【0056】
前記ガラス転移温度が10℃超であって常温表面張力が30mN/m超の単量体は、単量体全重量に対して0.5重量%以上、0.75重量%以上、1重量%以上、1.25重量%以上、1.5重量%以上または1.75重量%以上含まれてもよく、他の例示において、前記ガラス転移温度が10℃超であって常温表面張力が30mN/m超の単量体は、単量体全重量に対して18重量%以下、17重量%以下、16重量%以下または15重量%以下で含まれてもよい。また、前記ガラス転移温度が10℃超であって常温表面張力が30mN/m超の単量体は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内に含まれてもよい。
【0057】
また、本開示の他の一例において、粘着剤組成物に含まれる単量体は、第1の単量体の常温表面張力が30mN/m以下の単量体または第2の単量体のガラス転移温度が10℃以下の単量体に該当するガラス転移温度が10℃以下であって常温表面張力が30mN/m以下の単量体をさらに含んでもよい。
【0058】
前記ガラス転移温度が10℃以下であって常温表面張力が30mN/m以下の単量体は、ガラス転移温度が10℃超であって常温表面張力が30mN/m超の単量体100重量部に対して450重量部以上、475重量部以上、500重量部以上、525重量部以上、550重量部以上又は575重量部以上で含まれてもよく、他の例示において、前記ガラス転移温度が10℃以下であって常温表面張力が30mN/m以下の単量体は、ガラス転移温度が10℃超であって常温表面張力が30mN/m超の単量体100重量部に対して6,000重量部以下、5,800重量部以下、5,600重量部以下、5,400重量部以下、5,200重量部以下、5,000重量部以下または4,800重量部以下で含まれてもよい。また、前記ガラス転移温度が10℃以下であって常温表面張力が30mN/m以下の単量体は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内に含まれてもよい。
【0059】
粘着剤組成物に含まれるガラス転移温度が10℃超及び常温表面張力が30mN/m超の単量体及び/又はガラス転移温度が10℃以下及び常温表面張力が30mN/m以下の単量体が前記含量範囲を満たす場合には、優れた濡れ性及び耐光性を確保しうる。
【0060】
本開示の一例において、粘着剤組成物が特定の化合物群を含んでもよいという意味は、前記特定の化合物群を満たす1種以上の化合物を含んでもよいことを意味する。例えば、粘着剤組成物が下記構造式(1)で表される化合物を含む鎖状アルキルアクリレート化合物を含むという意味は、前記粘着剤組成物が下記構造式(1)で表される化合物の構造を満たす1種以上の化合物を含んでもよいことを意味する。
【0061】
本開示の一例において、粘着剤組成物の常温表面張力が30mN/m以下の単量体は、鎖状アルキルアクリレート化合物を含んでもよい。
【0062】
本開示で使用される用語の鎖状アルキルアクリレート化合物とは、鎖状アルキル基を含有するアクリレート化合物を意味しうる。ここで、鎖状アルキル基は、直鎖状アルキル基または分岐鎖状アルキル基を意味しうる。
【0063】
前記鎖状アルキル基は、炭素数1~30、または炭素数1~25、または炭素数1~20、または炭素数1~15、または炭素数1~10の直鎖または分岐鎖のアルキル基であってもよい。
【0064】
前記鎖状アルキルアクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m以下、29mN/m以下、28mN/m以下、27mN/m以下、26mN/m以下または25mN/m以下であってもよい。
【0065】
また、前記鎖状アルキルアクリレート化合物は、ガラス転移温度が-20℃以下、-30℃以下、-40℃以下または-50℃以下であってもよい。
【0066】
前記鎖状アルキルアクリレート化合物は、下記構造式(1)で表される化合物を1つ以上含んでもよい。
【0067】
【化1】
【0068】
構造式(1)において、Lは、炭素数1~14の直鎖状のアルキレン基または炭素数2~14の分岐鎖状のアルキレン基であり、R及びRは、それぞれ独立して水素、炭素数1~6の直鎖状のアルキル基または炭素数2~6の分岐鎖状のアルキル基であってもよい。
【0069】
また、他の例示において、Lは、炭素数1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上または7以上の直鎖状のアルキレン基または炭素数2以上、3以上、4以上、5以上、6以上または7以上の分岐鎖状のアルキレン基であってもよい。さらに他の例示において、Lは、炭素数14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下または8以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であってもよい。Lは、前記列挙した炭素数の上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内の炭素数を有する直鎖または分岐鎖状のアルキレン基であってもよい。
【0070】
また、他の例示において、R及びRは、それぞれ独立して水素、炭素数1~4の直鎖状のアルキル基または炭素数2~4の分岐鎖状のアルキル基であってもよく、さらに他の例示において、R及びRは、それぞれ独立して水素または炭素数1~2の直鎖状のアルキル基であってもよい。
【0071】
前記構造式(1)で表される化合物は、常温表面張力が30mN/m以下、29mN/m以下、28mN/m以下、27mN/m以下、26mN/m以下または25mN/m以下であってもよい。
【0072】
また、前記構造式(1)で表される化合物は、ガラス転移温度が-20℃以下、-30℃以下、-40℃以下または-50℃以下であってもよい。
【0073】
前記構造式(1)で表される化合物は、イソブチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート及び2-エチルヘキシルアクリレートなどが挙げられ、前述の物性を満足すれば、これに特に制限されるものではない。
【0074】
本開示の一例において、鎖状アルキルアクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m以下の単量体全重量に対して55重量%以上、57.5重量%以上、60重量%以上、62.5重量%以上または65重量%以上で含まれてもよく、他の例示において、鎖状アルキルアクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m以下の単量体全重量に対して98重量%以下、97重量%以下、96重量%以下または95重量%以下で含まれてもよい。また、前記鎖状アルキルアクリレート化合物は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内に含まれてもよい。
【0075】
本開示のさらに他の一例において、鎖状アルキルアクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m以下の単量体全重量に対して55重量%以上、57.5重量%以上、60重量%以上、62.5重量%以上または65重量%以上で含まれてもよく、他の例示において、鎖状アルキルアクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m以下の単量体の全重量に対して70重量%以下、69重量%以下または68重量%以下で含まれてもよい。また、前記鎖状アルキルアクリレート化合物は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内に含まれてもよい。
【0076】
本開示の一例において、粘着剤組成物の常温表面張力が30mN/m以下の単量体は、ヒドロキシ基含有アクリレート化合物を含んでもよい。
【0077】
前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m以下、29mN/m以下または28mN/m以下であってもよい。
【0078】
また、前記鎖状アルキルアクリレート化合物は、ガラス転移温度が0℃以下、-5℃以下、-10℃以下または-15℃以下であってもよい。
【0079】
前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、ヒドロキシ基を有しており、前記物性を満たすアクリレート化合物であればよく、その種類が特に制限されるものではない。
【0080】
前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、下記構造式(2)で表される化合物を1つ以上含んでもよい。
【0081】
【化2】
【0082】
構造式(2)において、Lは、炭素数1~10の直鎖状のアルキレン基、炭素数2~10の分岐鎖状のアルキレン基、炭素数2~10の直鎖状または分岐鎖状のアルケニレン基または炭素数2~10の直鎖状または分岐鎖状のアルキニレン基であってもよい。
【0083】
また、一例において、Lは、炭素数1以上、2以上、3以上または4以上の直鎖状のアルキレン基であってもよく、他の例示において、Lは、炭素数10以下、9以下、8以下、7以下、6以下または5以下の直鎖状のアルキレン基であってもよい。Lは、前記列挙した炭素数の上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内の炭素数を有する直鎖状のアルキレン基であってもよい。
【0084】
また、他の一例において、Lは、炭素数2以上、3以上または4以上の分岐鎖状のアルキレン基、直鎖状または分岐鎖状のアルケニレン基または直鎖状または分岐鎖状のアルキニレン基であってもよく、他の例示において、Lは、炭素数10以下、9以下、8以下、7以下、6以下または5以下の分岐鎖状のアルキレン基、直鎖状または分岐鎖状のアルケニレン基または直鎖状または分岐鎖状のアルキニレン基であってもよい。Lは、前記列挙した炭素数の上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内の炭素数を有する分岐鎖状のアルキレン基、直鎖状または分岐鎖状のアルケニレン基または直鎖状または分岐鎖状のアルキニレン基であってもよい。
【0085】
前記構造式(2)で表される化合物は、常温表面張力が30mN/m以下、29mN/m以下または28mN/m以下であってもよい。
【0086】
また、前記構造式(2)で表される化合物は、ガラス転移温度が0℃以下、-5℃以下、-10℃以下または-15℃以下であってもよい。
【0087】
前記構造式(2)で表される化合物は、2-ヒドロキシエチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート及び2-ヒドロキシ-1-メチルエチルアクリレートなどが挙げられ、前述の物性を満足すれば、これに特に制限されるものではない。
【0088】
本開示の一例において、ヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m以下の単量体全重量に対して1重量%以上、2重量%以上、3重量%以上、4重量%以上または5重量%以上で含まれてもよく、他の例示において、ヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m以下の単量体全重量に対して40重量%以下、38.5重量%以下、37重量%以下または35.5重量%以下で含まれてもよい。また、前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内に含まれてもよい。
【0089】
本開示のさらに他の一例において、ヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m以下の単量体全重量に対して、30重量%以上、30.5重量%以上、31重量%以上または31.5重量%以上で含まれてもよく、他の例示において、ヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m以下の単量体の全重量に対して40重量%以下、38.5重量%以下、37重量%以下または35.5重量%以下で含まれてもよい。また、前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内に含まれてもよい。
【0090】
本開示の一例において、粘着剤組成物の常温表面張力が30mN/m以下の単量体は、鎖状アルキルアクリレート化合物及びヒドロキシ基含有アクリレート化合物を含んでもよい。
【0091】
この場合、前記鎖状アルキルアクリレート化合物(P)とヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)の重量比(P/R)は、1以上、1.2以上、1.4以上、1.6以上または1.8以上であってもよく、20以下、19.5以下、19以下または18.5以下であってもよい。また、前記鎖状アルキルアクリレート化合物(P)とヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)の重量比(P/R)は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内に含まれてもよい。
【0092】
また、他の例示において、前記鎖状アルキルアクリレート化合物(P)とヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)の重量比(P/R)は、1以上、1.2以上、1.4以上、1.6以上または1.8以上であってもよく、3.6以下、3.2以下、2.8以下または2.4以下であってもよい。また、前記鎖状アルキルアクリレート化合物(P)とヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)の重量比(P/R)は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内に含まれてもよい。
【0093】
前記鎖状アルキルアクリレート化合物(P)とヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)の重量比(P/R)が前記範囲を満たす場合には、適正な安定性を保ちながらも、気泡の発生または合紙層間の浮き上がり現象を防止しうる。
【0094】
本開示の一例において、粘着剤組成物の常温表面張力が30mN/m超の単量体は、環状アルキルアクリレート化合物を含んでもよい。
【0095】
前記環状アルキルアクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m超、31mN/m以上、32mN/m以上または33mN/m以上であってもよい。
【0096】
また、前記環状アルキルアクリレート化合物は、ガラス転移温度が50℃以上、55℃以上、60℃以上、65℃以上、70℃以上または75℃以上であってもよい。
【0097】
前記環状アルキルアクリレート化合物は、環状アルキル基を有し、また、前記物性を満たすアクリレート化合物であればよく、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート及びt-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどがあるが、その種類が特に制限されるものではない。
【0098】
本開示の一例において、環状アルキルアクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m超の単量体の全重量に対して10~100重量%、15~100重量%または20~100重量%で含まれてもよい。
【0099】
本開示の一例において、粘着剤組成物の常温表面張力が30mN/m以下の単量体は、ヒドロキシ基含有アクリレート化合物を含み、前記粘着剤組成物の常温表面張力が30mN/m超の単量体は、環状アルキルアクリル化合物を含んでもよい。ここで、ヒドロキシ基含有アクリレート化合物と環状アルキルアクリレート化合物は、前述の通りである。
【0100】
本開示の一例において、前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)と環状アルキルアクリレート化合物(Q)の重量比(R/Q)は、1.2以上、1.3以上、1.4以上、1.5以上、1.6以上、1.7以上または1.8以上であってもよく、10以下、9以下、8以下、7以下または6以下であってもよい。また、前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)と環状アルキルアクリレート化合物(Q)の重量比(R/Q)は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内に含まれてもよい。
【0101】
前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)と環状アルキルアクリレート化合物(Q)の重量比(R/Q)が前記範囲を満たす場合には、耐久性及び粘着力など基本的に求められる物性を満たしながら、気泡の発生または合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる。
【0102】
本開示の一例において、粘着剤組成物の常温表面張力が30mN/m超の単量体は、環状エーテル基含有アクリレート化合物を含んでもよい。
【0103】
前記環状エーテル基含有アクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/mを超え、30.5mN/m以上または31mN/m以上であってもよい。
【0104】
また、前記環状エーテル基含有アクリレート化合物は、ガラス転移温度が10℃以下、5℃以下、0℃以下、-5℃以下または-10℃以下であってもよい。
【0105】
前記環状エーテル基含有アクリレート化合物は、下記構造式(3)で表される化合物を1つ以上含んでもよい。
【0106】
【化3】
【0107】
構造式(3)において、Rは、水素または炭素数1~20の直鎖状のアルキル基であってもよい。また、L及びLは、それぞれ独立して単結合または炭素数1~20の直鎖状のアルキレン基であってもよい。また、Lは、単結合または炭素数1~8の直鎖状のアルキレン基であってもよい。また、Qは、酸素原子または炭素原子であってもよい。
【0108】
また、他の例示において、構造式(3)において、L及びLは、それぞれ独立して炭素数1~20、炭素数1~16、炭素数1~12、炭素数1~8、炭素数2~8または炭素数2~6または炭素数2~4の直鎖状のアルキレン基であってもよい。また、Lは、単結合または炭素数1~4の直鎖状のアルキレン基であってもよく、例えば単結合であってもよい。
【0109】
また、構造式(3)においてL及びLに存在する炭素数の合計は、1~8の範囲内であってもよい。前記炭素数の合計は、7以下、6以下、5以下、4以下または3以下であってもよく、1以上、2以上または3以上であってもよい。前記L及びLの炭素数の合計は、Lがアルキレン基であり、Lが単結合である場合には、前記Lのアルキレン基の炭素数であり、Lがアルキレン基であり、Lもアルキレン基である場合には、Lのアルキレン基の炭素数とLのアルキレン基の炭素数の合計である。また、前記アルキレン基に置換基が存在する場合には、その置換基に存在する炭素数は、前記合計に含まれない。
【0110】
前記構造式(3)で表される化合物は、常温表面張力が30mN/mを超え、30.5mN/m以上または31mN/m以上であってもよい。
【0111】
また、前記構造式(3)で表される化合物は、ガラス転移温度が10℃以下、5℃以下、0℃以下、-5℃以下または-10℃以下であってもよい。
【0112】
前記構造式(3)で表される化合物は、オキシランイル(メタ)アクリレート(oxiranyl(meth)acrylate)、オキセタニル(メタ)アクリレート(oxetanyl(meth)acrylate)、テトラヒドロフランイル(メタ)アクリレート(tetrahydrofuranyl(meth)acrylate)、テトラヒドロ-2H-ピランイル(メタ)アクリレート(tetrahydro-2H-pyranyl(meth)acrylate)、オキシランイルメチル(メタ)アクリレート(oxiranylmethyl(meth)acrylate、またはグリシジル(メタ)アクリレート)、オキセタニルエチル(メタ)アクリレート(oxetanylethyl(meth)acrylate)及びテトラヒドロフランイルメチル(メタ)アクリレート(または、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート)などが挙げられ、前述の物性を満足すれば、これに特に制限されるものではない。
【0113】
本開示の一例において、環状エーテル基含有アクリレート化合物は、粘着剤組成物に含まれる場合、常温表面張力が30mN/m超の単量体全重量に対して35重量%以上、40重量%以上、45重量%、50重量%以上、55重量%以上または60重量%以上で含まれてもよく、他の例示において、環状エーテル基含有アクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m超の単量体全重量に対して80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下または65重量%以下で含まれてもよい。また、前記環状エーテル基含有アクリレート化合物は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内に含まれてもよい。
【0114】
本開示の一例において、粘着剤組成物の常温表面張力が30mN/m超の単量体は、環状エーテル基含有アクリレート化合物及びアクリルアミド(acrylamide)基を含有する化合物を含んでもよい。
【0115】
前記アクリルアミド基含有化合物は、常温表面張力が30mN/mを超え、33mN/m以上、35mN/m以上または37mN/m以上であってもよい。
【0116】
また、前記アクリルアミド基含有化合物は、ガラス転移温度が80℃以上、90℃以上、100℃以上または110℃以上であってもよい。
【0117】
前記アクリルアミド基含有化合物は、アクリルアミド基を有して前記物性を満たす化合物であればよく、例えば、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-メチルエチルアクリルアミド及びN,N-ジエチルアクリルアミドなどがあるが、その種類が特に制限されるものではない。
【0118】
本開示の一例において、アクリルアミド基含有化合物は、環状エーテル基含有アクリレート化合物100重量部に対して10重量部以上、15重量部以上、20重量部以上、25重量部以上または30重量部以上で含まれてもよく、他の例示において、90重量部以下、80重量部以下、70重量部以下、60重量部以下、50重量部以下または40重量部以下で含まれてもよい。
【0119】
本開示の一例において、粘着剤組成物は、活性エネルギー線による硬化のために光開始剤をさらに含んでもよい。ここで、光開始剤は、活性エネルギー線の放出スペクトルの付近での高い吸収率と前述の化合物間の相溶性を考慮して選ばれてもよく、前記活性エネルギー線は、粘着剤組成物の速硬化のために紫外線であることが好ましい。
【0120】
光開始剤は、ベンゾフェノン系開始剤及びα-ヒドロキシケトン類開始剤からなる群から選ばれた1つ以上であってもよく、α-ヒドロキシケトン類開始剤を選ぶことが好ましい。具体的に、光開始剤は、α-ヒドロキシケトン類開始剤のうち、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン(1-hydroxy-cyclohexylphenyl ketone)、2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオペノン(2-hydroxy-4’-(2-hydroxyethoxy)-2-methylpropiophenone)及び1-ヒドロキシ-1-メチルエチルフェニルケトン(1-hydroxy-1-methylethyl phenyl ketone)を少なくとも1つ以上含んでもよく、これに限定されるものではない。
【0121】
また、光開始剤の含量は、粘着剤組成物を適切に硬化できるのであれば、特に制限されるものではないが、粘着剤組成物の全重量に対して0.01重量%以上、0.015重量%以上、0.02重量%以上または0.025重量%以上であってもよく、他の例示において、0.05重量%以下、0.04重量%以下または0.03重量%以下であってもよい。
【0122】
光開始剤を含む粘着剤組成物は、活性エネルギー線による硬化が可能であり、前述のように、前記活性エネルギー線は、紫外線であってもよい。前記紫外線の光量は、5J/cm以上、6J/cm以上、7J/cm以上、8J/cm以上、9J/cm以上または10J/cm以上であってもよく、他の例示において、20J/cm以下、18J/cm以下、16J/cm以下、14J/cm以下または12J/cm以下であってもよい。硬化時間とは、粘着剤組成物が完全に硬化するまでの時間を意味し、粘着剤組成物の厚さ及び前記紫外線の光量などによって異なってもよい。
【0123】
本開示による粘着剤組成物は、必要な場合には、レベリング剤、粘着付与剤、カップリング剤及び粘度調整剤などをさらに含んでもよい。例えば、粘度を上げるか、または下げるため、またはせん断力による粘度調整のため、粘度調整剤、例えば可塑剤、チキソトロピー性付与剤、希釈剤または分散剤などをさらに含んでもよい。チキソトロピー性付与剤は、粘着剤組成物のせん断力による粘度を調整しうる。使用可能なチキソトロピー性付与剤としては、フュームドシリカ、ベントナイトなどが挙げられる。希釈剤または分散剤は、通常、粘着剤組成物の粘度を下げるために使用されるもので、前記のような作用を示すものであれば、当業界で公知の様々な種類のものを制限なく使用してもよい。
【0124】
また、粘着剤組成物は、前述のような構成を含んでもよく、また、溶剤型組成物、水系組成物または無溶剤型組成物であってもよいが、製造工程の便宜などを考慮すると、無溶剤型が適切であると考えられる。
【0125】
また、粘着剤組成物は、前記列挙した各構成要素を混合して形成してもよく、必要な成分をすべて含んでいれば、混合順序については、特に制限されるものではない。
【0126】
本開示の一例において、フィルムは、前述の粘着剤組成物の硬化物そのものであるか、または粘着剤組成物の硬化物を含んでもよい。また、フィルムは、下記のような物性のうち少なくとも1つ以上の物性を有していてもよく、光学粘着剤(optically clear adhesive、OCA)として使用されてもよい。
【0127】
本開示の一例において、フィルムは、ディスプレイ製品または透明電極製品の光学粘着剤として使用され、ディスプレイ製品または透明電極製品の合紙層の間に位置する異物(defect)をカバーすることができ、これによって気泡の形成を防止しうる。
【0128】
下記の各物性は、独立的なもので、いずれかの物性が他の物性を優先することなく、フィルムは、下記の物性のうち少なくとも1つまたは2つ以上を満たすことができる。下記の物性を少なくとも1つ以上満たすフィルムは、粘着剤組成物の各構成要素の組み合わせに起因する。
【0129】
フィルムは、室温粘着力が0.7kg/inch以上、0.75kg/inch以上または0.8kg/inch以上であってもよい。前記常温粘着力は、PET(polyethylene terephthalate)フィルムに前記粘着剤組成物の硬化物を付着し、前記PETフィルムを粘着力測定装置を用いて300mm/minの剥離速度及び180°の剥離角度で常温で測定した値であってもよい。また、このとき、常温とは、約25℃を意味しうる。
【0130】
また、フィルムは、引張率が0.002kgf/mm以上、0.003kgf/mm以上、0.004kgf/mm以上、0.005kgf/mm以上または0.006kgf/mm以上であってもよく、他の例示において、0.012kgf/mm以下、0.011kgf/mm以下、0.01kgf/mm以下または0.009kgf/mm以下であってもよい。また、前記フィルムの引張率は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内であってもよい。このとき、前記引張率は、σ/εと定義してもよく、前記σは、引張強度(Tensile stress)/断面積であり、εは、前記フィルムが破断したひずみから標点距離(初期ひずみ)までの値/標点距離であってもよい。
【0131】
また、フィルムは、常温貯蔵弾性率が0.1MPa以下及び80℃貯蔵弾性率が0.055MPa以下であってもよい。すなわち、フィルムは、常温貯蔵弾性率が0.1MPa以下であって80℃貯蔵弾性率が0.055MPa以下であってもよい。
【0132】
前記フィルムは、常温貯蔵弾性率が0.1MPa以下、0.09MPa以下、0.08MPa以下、0.07MPa以下または0.06MPa以下であってもよく、他の例示において、前記フィルムは、常温貯蔵弾性率が0.02MPa以上、0.025MPa以上、0.03MPa以上、0.035MPa以上、0.04MPa以上または0.045MPa以上であってもよい。また、このとき、常温とは、約25℃を意味し得、前記フィルムの常温貯蔵弾性率は、前記列挙した上限及び下限を適宜選択して形成された範囲内であってもよい。
【0133】
また、前記フィルムは、80℃貯蔵弾性率が0.055MPa以下、0.0525MPa以下または0.05MPa以下であってもよく、他の例示において、前記フィルムは、80℃貯蔵弾性率が0.005MPa以上、0.0075MPa以上、0.01MPa以上または0.0.125MPa以上であってもよい。また、前記フィルムの80℃貯蔵弾性率は、前記列挙した上限及び下限を適切に選択して形成された範囲内であってもよい。
【0134】
フィルムが引張率及び貯蔵弾性率(常温及び80℃)が前記範囲を満たす場合、高温、低温、熱衝撃及び高温/高湿評価において優れた安定性を確保しうる。
【0135】
フィルムは、下記の濡れ性(wettability)評価過程に従って測定した濡れ時間(wet-time)が60秒以下であってもよい。
【0136】
[濡れ性評価過程]
1)第1の軽剥離離型フィルム及び中剥離離型フィルムの間に粘着剤組成物を一定の厚さを有するように入れ、前記粘着剤組成物を硬化させて硬化物サンプル(sample)を製造する。
【0137】
2)硬化物サンプルの第1の軽剥離離型フィルムを除去し、第2の軽剥離離型フィルムを前記第1の軽剥離離型フィルムが除去された硬化物サンプルの一面に前記硬化物サンプルの先端から長さ方向に0.2cmまで重なり合うように付着して評価サンプル(sample)を製造する。
【0138】
3)ガラス基材の一面に第2の軽剥離離型フィルムが前記ガラス基材と接触するように前記評価サンプルを軽く載置し、第2の軽剥離離型フィルムが付着されておらず露出している部分で硬化物サンプルの先端から長さ方向に0.2cmまで前記ガラス基板と接触するように付着する。
【0139】
4)評価サンプルの露出している部分が先端から長さ方向に約0.5cmまでガラス基材と接触するように付着された時点から、前記露出している部分が先端から長さ方向に約2cmまでガラス基材と接触する時点までの経過時間を濡れ時間(wet-time)として測定する。
【0140】
フィルムは、偏光板と合紙した後、約830~1,000W/mの光量で約500時間露光しても気泡が発生しないことがある。
【0141】
このとき、偏光板は、当業界に主に使用するものであれば特に制限されず、保護フィルム、TAC(tri-acetyl-cellulose)フィルム、PVA(poly vinyl alcohol)フィルム、TACフィルム、PSA(pressure sensitive adhesives)フィルム及び離型フィルムの順で積層された構造を有してもよい。
【0142】
本開示の一例において、ディスプレイまたは透明電極は、前述のフィルムを粘着剤層として含んでもよい。また、ディスプレイは、フィルムを含む透明電極を含んでもよい。
【0143】
ディスプレイ(またはディスプレイ製品)または透明電極製品(透明電極を含むディスプレイ)は、異物をカバーするフィルムが含まれているため、耐久性及び粘着力など基本的に求められる物性を満たしながら、気泡の発生または合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる。ここで、ディスプレイは、CRT(陰極線管)ディスプレイ、PDP(plasma display panel)、LCD(liquid crystal display)、LED(light emitting diode)ディスプレイ、OLED(organic emitting diode)ディスプレイ及び量子ドット(quantum dot)ディスプレイが挙げられ、これに限定されるものではない。また、透明電極製品は、透明電極が含まれたディスプレイが挙げられ、前記透明電極は、ガラス基板などの透明リジッド基板と、PET(polyethylene terephthalate)、PES(polyether sulfone)及びPEN(Polyethylene naphthalate)などのようにフレキシブル基板上に成膜させた高い伝導度及び可視光領域の高い透過度を有する電極物質を意味する。
【発明の効果】
【0144】
本開示は、濡れ性及び耐光性に優れており、段差(step)及び異物(defect)をカバーできる光学粘着剤を形成する粘着剤組成物を提供しうる。
【0145】
本開示は、耐久性及び粘着力など基本的に求められる物性を満たしながら、気泡の発生または合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる光学粘着剤を形成する粘着剤組成物を提供しうる。
【0146】
また、本開示は、ディスプレイ製品または透明電極製品の合紙層の間に位置する異物(defect)をカバーできるフィルムを提供しうる。
【図面の簡単な説明】
【0147】
図1】実施例1による粘着剤組成物の硬化物に対する温度による貯蔵弾性率(Storage Modulus)、損失弾性率(Loss Modulus)及びタンジェント値(tanδ)を-50℃~120℃の温度範囲で示すグラフである。
図2】実施例2による粘着剤組成物の硬化物に対する温度による貯蔵弾性率(Storage Modulus)、損失弾性率(Loss Modulus)及びタンジェント値(tanδ)を-50℃~120℃の温度範囲で示すグラフである。
図3】比較例1による粘着剤組成物の硬化物に対する温度による貯蔵弾性率(Storage Modulus)、損失弾性率(Loss Modulus)及びタンジェント値(tanδ)を-50℃~120℃の温度範囲で示すグラフである。
図4】比較例3による粘着剤組成物の硬化物に対する温度による貯蔵弾性率(Storage Modulus)、損失弾性率(Loss Modulus)及びタンジェント値(tanδ)を-50℃~120℃の温度範囲で示すグラフである。
図5】実施例1による粘着剤組成物について、耐光性評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図6】実施例2による粘着剤組成物について、耐光性評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図7】比較例1による粘着剤組成物について、耐光性評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図8】比較例2による粘着剤組成物について、耐光性評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図9】比較例3による粘着剤組成物について、耐光性評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図10】比較例4による粘着剤組成物について、耐光性評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0148】
以下、実施例及び比較例を通じて本開示を説明するが、本開示の範囲が下記の内容によって限定されるものではない。
【0149】
<物性測定方法>
【0150】
1.引張率測定方法
粘着剤組成物を200μmの厚さを有するように離型フィルムの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させ、幅2.5cm、長さ7cm(標点距離3.5cm)及び厚さ200μmで裁断して測定サンプル(sample)を製造した。以後、前記測定サンプルを300mm/minの速度で長さ方向に破断するまで変形を加え、このときのひずみ(strain(Δl)、単位:mm)と引張強度(tensile stress(F)、単位:kgf)を測定して引張率(単位:kgf/mm)を計算した。
【0151】
ここで、引張率は、σ/εと定義した。σは、F/Aと定義し、F(Tensile stress)は、引張強度であり、Aは、断面積である。εは、Δl/lと定義し、Δlは、測定サンプルが破断したひずみにおける標点距離(初期ひずみ)値の差であり、lは、標点距離である。
【0152】
粘着剤組成物を200μmの厚さを有するように軽剥離離型フィルムと中剥離離型フィルムとの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させた。硬化が完了した後、幅2.5cm、長さ11cm及び厚さ325μmで裁断して硬化物サンプルを製造した。
【0153】
硬化物サンプルの軽剥離離型フィルムを除去し、前記軽剥離離型フィルムが除去された面に幅2.5cm以上、長さ25cm及び厚さ75μmのPET(polyethylene terephthalate)フィルムを付着した。PETフィルムが付着した硬化物サンプルを幅2.5cm、長さ25cm及び厚さ350μmで裁断した。
【0154】
以後、裁断された硬化物サンプルから中剥離離型フィルムを除去し、幅12.5cm、長さ12.5cm及び厚さ700μmのガラス基材(コーニング社、製品名:Eagle XG glass)の一面に前記中剥離離型フィルムが除去された面が接触するように前記裁断された硬化物サンプルを付着した。ガラス基材と裁断された硬化物サンプルの付着は、約2kgのローラーを用いており、付着後には、常温で約30分間放置した。
【0155】
以後、粘着力測定装置(大元テック社、モデル名:TW-D2000)を通じて前記PETフィルムを保持し、300mm/minの剥離速度及び180°剥離角度で常温で剥離して粘着力を測定した。測定された粘着力は、繰り返し実験により平均値として示した。
【0156】
2.濡れ性(Wetability)評価方法-濡れ時間(Wet-time)測定
【0157】
以下、濡れ性評価過程は、常温及び常湿環境で行った。
【0158】
幅42.0cm、長さ1,000cm及び厚さ50μmの第1の軽剥離離型フィルム及び幅42.0cm、長さ1,000cm及び厚さ75μmの中剥離離型フィルムの間に粘着剤組成物を200μmの厚さを有するように入れた。以後、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させて前記粘着剤組成物を硬化させ、幅2cm、長さ4cm及び厚さ325μmで裁断して硬化物サンプル(sample)を製造した。
【0159】
第1の軽剥離離型フィルムを除去し、幅2.0cm、長さ4.0cm及び厚さ50μmの第2の軽剥離離型フィルムを前記第1の軽剥離離型フィルムが除去された硬化物サンプルの一面に前記硬化物サンプルの先端から長さ方向に0.2cmまで重なり合うように付着し、評価サンプル(sample)を製造した。すなわち、評価サンプルは、硬化物サンプルの一面の全部に重剥離離型フィルムが付着しており、他方の面には、第2の軽剥離離型フィルムが硬化物サンプルの先端から長さ方向に0.2cmまで重なり合って付着されており、重なり合っていない部分は、硬化物サンプルが露出した構造を有している。
【0160】
幅12.5cm、長さ12.5cm及び厚さ700μmで裁断されたガラス基材(コーニング社、製品名:Eagle XG glass)の一面に前記第2の硬剥離離型フィルムが前記ガラス基材と接触するように前記評価サンプルを軽く載置した。
【0161】
以後、前記露出した硬化物サンプルの先端から長さ方向に0.2cmまで前記評価サンプルが前記ガラス基材と接触されるように付着した。すなわち、評価サンプルの露出した硬化物サンプルは、先端から約0.2cmまで前記ガラス基材と接触するように付着した。
【0162】
評価サンプルの露出した部分が先端から長さ方向に約0.5cmまで前記ガラス基材と接触するように付着した時点から、前記露出部分が先端から長さ方向に2cmまでガラス基材と接触する時点までの経過時間を濡れ時間(wet-time)として測定した。
【0163】
測定された経過時間に基づいて、下記基準に従って濡れ性を評価した。
【0164】
PASS:経過時間(wet-time)が60秒以下
NG:経過時間(wet-time)が60秒超過
【0165】
3.耐光性評価方法
【0166】
粘着剤組成物を200μmの厚さを有するように軽剥離離型フィルムと中剥離離型フィルムとの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させた。硬化が完了した後、幅10cm、長さ10cm及び厚さ325μmで裁断して硬化物サンプル(sample)を製造した。
【0167】
硬化物サンプルの軽剥離離型フィルムを除去し、幅10cm、長さ10cm及び厚さ700μmのガラス基材(コーニング社、製品名:Eagle XG glass)の一面に前記硬剥離離型フィルムが除去された面が接触するように前記硬化物サンプルを付着した。ガラス基材と硬化物サンプルの付着は、約2kgのローラーを用いた。
【0168】
保護フィルム、TAC(tri-acetyl-cellulose)フィルム、PVA(poly vinyl alcohol)フィルム、TACフィルム、PSA(pressure sensitive adhesives)フィルム及び離型フィルムの順に積層された構造を有する幅10cm、長さ10cm及び厚さ258μmの偏光板を用意し、保護フィルムを除去した。
【0169】
ガラス基材に付着した硬化物サンプルの中剥離離型フィルムを除去し、保護フィルムが除去された偏光板のTACフィルム面と前記中剥離離型フィルムが除去された面が接触するようにローラーを用いて積層し、積層サンプルを製造した。
【0170】
以後、約97kPaの真空環境を作ることができる真空合紙装置(MRK社、製品名:M-Tool vacuum laminator & autoclave)で積層サンプルのガラス基材が底に向くように置き、偏光板の離型フィルムを除去してPSAフィルムを露出させた。幅10cm、長さ10cm及び厚さ700μmのガラス基板(コーニング社、製品名:Eagle XG glass)を前記露出したPSAフィルム上に載置し、温度約40℃で約30秒間放置し、前記ガラス基板と偏光板の剥離フィルムが除去された積層サンプルを合紙した。
【0171】
すなわち、合紙された積層サンプルは、ガラス基板、保護フィルム及び離型フィルムが除去された偏光板、硬化された粘着剤組成物及びガラス基材が順に積層された構造を有している。
【0172】
合紙された後、約50℃の温度及び約0.5MPaの圧力で約15分間オートクレーブ(autoclave)を行った。以後、光発生装置(フィリップス社、製品名:Arenavision MVF403)を用いて約830~1,000W/mの光量で約500時間露出させ、このとき、前記光発生装置から発生する光が合紙された積層サンプルのガラス基材に最初に届くようにした。
【0173】
以後、ガラス基材と硬化した粘着剤組成物の間に気泡が発生していないかを確認し、下記基準に従って耐光性を評価した。
【0174】
PASS:気泡が発生しない。
NG:気泡が発生する。
【0175】
4.温度による貯蔵弾性率(Storage Modulus)測定方法
【0176】
粘着剤組成物を200μmの厚さを有するように離型フィルムの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させて硬化物を形成した。前記硬化物を互いに付着して厚さ1mmとなるように作製した。前記硬化物を直径8mm及び厚さ1mmで裁断してディスク(disk)状の測定サンプル(sample)を製造した。
【0177】
回転型レオメータ(TA社、製品名:ARES-G2)を用いて、前記測定サンプルに1%ひずみ(strain)及び1Hzの回転速度を加えながら-50℃~120℃の温度範囲で貯蔵弾性率を測定した。-50℃から120℃に昇温するとき、昇温速度は、1分当たり5℃とした。
【0178】
また、常温貯蔵弾性率は、25℃の貯蔵弾性率を基準とした。
【実施例0179】
実施例1
【0180】
ガラス転移温度(T)が10℃超の単量体(T1)及びガラス転移温度が10℃以下の単量体(T2)の重量比が15:85(T1:T2)であり、常温表面張力が30mN/m超の単量体(S1)及び常温表面張力が30mN/m以下の単量体(S2)の重量比が15:85(S1:S2)となるように粘着剤組成物を製造した。
【0181】
具体的には、イソデシルアクリレート(IDA、isodecyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(IBOA、isobornyl acrylate)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA、2-hydroxyethyl acrylate)及びブチルアクリレート(BA、butyl acrylate)を24:15:27:34(IDA:IBOA:2-HEA:BA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して0.03重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)を添加して粘着剤組成物を製造した。
【0182】
実施例2
【0183】
ガラス転移温度(Tg)が10℃超の単量体(T1)及びガラス転移温度が10℃以下の単量体(T2)の重量比が7:93(T1:T2)であり、常温表面張力が30mN/m超の単量体(S1)及び常温表面張力が30mN/m以下の単量体(S2)の重量比が18:82(S1:S2)となるように粘着剤組成物を製造した。
【0184】
具体的には、ブチルアクリレート(BA、butyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(IBOA、isobornyl acrylate)、テトラヒドロフルプリルアクリレート(THFA、tetrahydrofurfuryl acrylate)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA、2-ethylhexyl acrylate)及び2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA、2-hydroxyethyl acrylate)を20:7:11:34:28(BA:IBOA:THFA:2-EHA:2-HEA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して0.03重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)を添加して粘着剤組成物を製造した。
【0185】
実施例3
【0186】
ガラス転移温度(Tg)が10℃超の単量体(T1)及びガラス転移温度が10℃以下の単量体(T2)の重量比が2:98(T1:T2)であり、常温表面張力が30mN/m超の単量体(S1)及び常温表面張力が30mN/m以下の単量体(S2)の重量比が5:95(S1:S2)となるように粘着剤組成物を製造した。
【0187】
具体的には、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)、N、N-ジメチルアクリルアミド(DMAA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)及びテトラヒドロフルプリルアクリレート(THFA)を90:5:1:1:3(2-EHA:2-HEA:DMAA:IBOA:THFA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して0.03重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)を添加して粘着剤組成物を製造した。
【0188】
比較例1
【0189】
ガラス転移温度(Tg)が10℃超の単量体(T1)及びガラス転移温度が10℃以下の単量体(T2)の重量比が19:81(T1:T2)であり、常温表面張力が30mN/m超の単量体(S1)及び常温表面張力が30mN/m以下の単量体(S2)の重量比が24:76(S1:S2)となるように粘着剤組成物を製造した。具体的には、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)、N、N-ジメチルアクリルアミド(DMAA)、イソステアリルアクリレート(ISTA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)及びテトラヒドロフルプリルアクリレート(THFA)を39:17:5:20:14:5(2-EHA:2-HEA:DMAA:ISTA:IBOA:THFA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して0.18重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)を添加して粘着剤組成物を製造した。
【0190】
比較例2
【0191】
ガラス転移温度(Tg)が10℃超の単量体(T1)及びガラス転移温度が10℃以下の単量体(T2)の重量比が24:76(T1:T2)であり、常温表面張力が30mN/m超の単量体(S1)及び常温表面張力が30mN/m以下の単量体(S2)の重量比が37:63(S1:S2)となるように粘着剤組成物を製造した。
【0192】
具体的には、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)、N、N-ジメチルアクリルアミド(DMAA)、イソステアリルアクリレート(ISTA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)及びテトラヒドロフルプリルアクリレート(THFA)を33:14:12:17:12:12(2-EHA:2-HEA:DMAA:ISTA:IBOA:THFA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して0.15重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)を添加して粘着剤組成物を製造した。
【0193】
比較例3
【0194】
ガラス転移温度(Tg)が10℃超の単量体(T1)及びガラス転移温度が10℃以下の単量体(T2)の重量比が19:81(T1:T2)であり、常温表面張力が30mN/m超の単量体(S1)及び常温表面張力が30mN/m以下の単量体(S2)の重量比が24:76(S1:S2)となるように粘着剤組成物を製造した。
【0195】
具体的には、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)、N、N-ジメチルアクリルアミド(DMAA)、イソステアリルアクリレート(ISTA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)及びテトラヒドロフルプリルアクリレート(THFA)を39:17:5:20:14:5(2-EHA:2-HEA:DMAA:ISTA:IBOA:THFA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して0.03重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)を添加して粘着剤組成物を製造した。
【0196】
比較例4
【0197】
ガラス転移温度(Tg)が10℃超の単量体(T1)及びガラス転移温度が10℃以下の単量体(T2)の重量比が24:76(T1:T2)であり、常温表面張力が30mN/m超の単量体(S1)及び常温表面張力が30mN/m以下の単量体(S2)の重量比が30:70(S1:S2)となるように粘着剤組成物を製造した。
【0198】
具体的には、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)、N、N-ジメチルアクリルアミド(DMAA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)及びテトラヒドロフルプリルアクリレート(THFA)を49:21:6:18:6(2-EHA:2-HEA:DMAA:IBOA:THFA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して0.03重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)を添加して粘着剤組成物を製造した。
【0199】
前記実施例及び比較例について測定した物性は、下記表1に示す通りである。
【0200】
【表1】
【0201】
表1を参照すると、実施例1~3は、ガラス転移温度が-25℃以下であり、常温表面張力が30mN/m以下を示した。
【0202】
一方、比較例1~3は、ガラス転移温度が-25℃以下を満たしておらず、比較例1~4は、常温表面張力がすべて30mN/mより大きい値を示した。
【0203】
また、表1を参照すると、実施例1~3は、0.002~0.012kgf/mmの範囲内に引張率を有するが、比較例1~4は、0.012kgf/mm以上の引張率を有することを示した。
【0204】
また、表1を参照すると、実施例1~3は、常温における貯蔵弾性率がすべて0.1MPa以下であり、80℃における貯蔵弾性率がすべて0.055MPa以下であることを示した。図1及び2を参照すると、実施例1及び2の温度に応じた貯蔵弾性率値が確認できる。
【0205】
一方、比較例1~3は、常温における貯蔵弾性率がすべて0.1MPaより大きい値を示し、80℃における貯蔵弾性率がすべて0.055MPaより大きい値を示した。図3及び図4を参照すると、比較例1及び比較例3の温度に応じた貯蔵弾性率値が確認できる。
【0206】
また、表1を参照すると、実施例1~3は、濡れ時間(Wet-time)が60秒以下であり、濡れ性評価においてすべてPASSを示した。一方、比較例1~4は、濡れ時間が60秒より大きい値を示し、濡れ性評価においてすべてNGを示した。
【0207】
また、表1を参照すると、実施例1~3は、耐光性評価において気泡が発生せず、すべてPASSを示した。図5及び6は、実施例1及び2の耐光性評価結果を示している。前記図5及び図6を参照すると、異物(defect)があっても気泡が発生しないことが分かる。
【0208】
一方、比較例1~4は、耐光性評価において気泡が発生してすべてNGを示した。図7~10は、比較例1~4の耐光性評価結果を示している。前記図7図10を参照すると、異物(defect)を中心に気泡が発生したことが分かる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10