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  • 特開-油性化粧料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151780
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】油性化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20220929BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20220929BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20220929BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20220929BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20220929BHJP
   A61Q 1/04 20060101ALI20220929BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20220929BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/37
A61K8/34
A61K8/81
A61Q19/00
A61Q1/04
A61Q1/10
A61Q1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045944
(22)【出願日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2021053873
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 史仁
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA072
4C083AA082
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB172
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB322
4C083AB382
4C083AB432
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC262
4C083AC302
4C083AC331
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC371
4C083AC372
4C083AC392
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC552
4C083AC662
4C083AC682
4C083AC792
4C083AC842
4C083AC852
4C083AD022
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD242
4C083AD332
4C083AD341
4C083AD342
4C083AD492
4C083AD532
4C083AD642
4C083AD662
4C083CC05
4C083CC06
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC14
4C083CC19
4C083DD11
4C083DD22
4C083EE06
4C083EE12
4C083EE17
(57)【要約】
【課題】
ヘパリン類似物質を油性剤形中に安定に分散することができ、肌あたりがよく、塗布直後には十分なうるおい感が得られ、さらにうるおい効果に持続性があり、肌や口唇の荒れ改善効果に優れる油性化粧料の提供。
【解決手段】(a)ヘパリン類似物質、(b)水酸基を有する25℃で液状の、エステル油及び高級アルコールから選ばれる1種または2種以上、(c)油性ゲル化剤を含有する油性化粧料。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)~(c);
(a)ヘパリン類似物質
(b)水酸基を有する25℃で液状の、エステル油及び高級アルコールよりなる群から選ばれる1種または2種以上
(c)油性ゲル化剤
を含有する油性化粧料。
【請求項2】
前記成分(b)が水酸基を有する25℃で液状のエステル油である請求項1に記載の油性化粧料。
【請求項3】
前記成分(a)の含有量が0.001~5質量%である請求項1または2に記載の油性化粧料。
【請求項4】
前記成分(b)が、リンゴ酸ジイソステアリル、デカエチルヘキサン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、ノナイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、及びモノイソステアリン酸ジグリセリルよりなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項2または3に記載の油性化粧料。
【請求項5】
前記成分(b)と成分(a)の含有質量割合(b)/(a)が5以上である請求項1~4のいずれかの項に記載の油性化粧料。
【請求項6】
さらに成分(d)多価アルコールを0.001~1質量%含有する請求項1~5のいずれかの項に記載の油性化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘパリン類似物質を含む油性化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の油性化粧料の市場では、口唇を中心にうるおいを与え健康的に見せたり、荒れを改善し化粧のりを良くする商品が求められている。これらの効果を叶えるために様々な有効成分が検討され、ヘパリン類似物質の使用も着目されている。例えば、ヘパリン類似物質と酸化鉄を含み、25℃で流動性を有する外用組成物の技術(例えば、特許文献1参照)や、ヘパリン類似物質を含む口唇用化粧料であれを改善する技術(例えば、特許文献2参照)などが検討されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-193847号公報
【特許文献2】特開2000-204020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、色による補正は可能なものの、ヘパリン類似物質は水性成分に溶解しており、油性化粧料の技術としては十分ではない場合があった。一方、ヘパリン類似物質の分散性が十分でないと、うるおい効果やその持続効果が得られにくい場合があった。そこで、水溶性成分であるヘパリン類似物質を油性成分に安定で十分に分散した状態で油性化粧料を作成することで、肌や唇にうるおい感を与え、その効果が持続し、更には荒れ改善効果を発揮するような化粧料の開発が望まれたため、本発明は、これらの効果を兼ね備えた化粧料の開発を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は鋭意検討の結果、特定の油剤が水溶性のヘパリン類似物質を安定に分散させることを見出し、ヘパリン類似物質と水酸基を持つ特定の油剤を組み合わせ、油溶性ゲル化剤で固めることで、油性化粧料においてもヘパリン類似物質を安定で十分に分散することができ、肌あたりがよく、うるおい感を十分に感じられ、その効果が持続し、更には荒れ改善効果も得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下の態様が含まれる。
[1](a)ヘパリン類似物質
(b)水酸基を有する25℃で液状の、エステル油及び高級アルコールから選ばれる1種または2種以上
(c)油性ゲル化剤
を含有する油性化粧料。
[2]さらに成分(b)が水酸基を有する25℃で液状のエステル油である油性化粧料。
[3]さらに成分(a)の含有量が0.001~5質量%である油性化粧料。
[4]さらに成分(b)が、リンゴ酸ジイソステアリル、デカエチルヘキサン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、ノナイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、及びモノイソステアリン酸ジグリセリルよりなる群から選ばれる1種または2種以上である油性化粧料。
[5]
さらに成分(b)と成分(a)の含有質量割合(b)/(a)が5以上である油性化粧料。
[6]
さらに成分(d)多価アルコールを0.001~1質量%含有する油性化粧料。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、ヘパリン類似物質を油性剤型中に安定に分散することができ、肌あたりがよく、塗布直後には十分なうるおい感が得られるものである。さらには、うるおい効果に持続性があり、肌や口唇の荒れ改善効果に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ヘパリン類似物質の油剤分散性の評価をしたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本発明書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
【0010】
本発明における成分(a)ヘパリン類似物質は、日本薬局方外医薬品規格に定義されたヘパリン類似物質であり、D―グルクロン酸及びN―アセチル―D―ガラクトサミンからなる二糖を反復単位とする多糖体を硫酸化した、ムコ多糖の多硫酸化エステルである。ヘパリン類似物質は、人の肝臓で生成される糖類の一種「ヘパリン」と類似の化学構造を有する成分であり、その総称として類似物質と呼ばれる。具体的には、ヘパリン類似物質とは、セルロース硫酸、キチン硫酸、キトサン硫酸、ペクチン硫酸、コンドロイチン硫酸、イヌリン硫酸、アルギン酸硫酸、グリコーゲン硫酸、デンプン硫酸、ポリビニルアルコール硫酸、ポリグルコース硫酸、ポリラクトース硫酸、ラミナリン硫酸、ガラクタン硫酸、レバン硫酸及びこれらの多硫酸化物並びにそれらの塩等である。ヘパリン類似物質は、保湿作用や血行促進作用等を有することが知られている。本発明においては、日本薬局方外医薬品規格2002に記載のヘパリン類似物質が好ましく使用できる。なお、日本薬局方外医薬品規格に定義されたヘパリン類似物質は、コンドロイチン硫酸の多硫酸エステルを主成分としたものである。
【0011】
成分(a)の有機硫酸基量は特に制限されず、何れのものも使用できるが、うるおい感の観点から20~40質量%(以下、単に%と略す)が好ましい。本発明における成分(a)の有機硫酸基量は、日本薬局方外医薬品規格2002「ヘパリン類似物質」の定量法に記載の方法により測定することができる。
【0012】
本発明における成分(a)の含有量は、特に限定されないが、油性化粧料中に、0.001質量%以上が好ましく、さらには0.01%以上がより好ましく、0.05%以上がさらにより好ましく、また、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下がさらにより好ましい。また、0.001~5%が好ましく、0.01~3%がより好ましく、0.05~1%がさらにより好ましい。この範囲であると、うるおい感、うるおい感の持続、ヘパリン類似物質の分散性により優れるためより好ましい。
【0013】
本発明における成分(b)水酸基を有する液状のエステル油及び高級アルコールとは、その構造中にエステル化などの修飾のされていない水酸基を持つ油剤で、25℃で流動性を示す油剤を指しており、通常化粧料に使用できるものであればいずれのものも使用できる。本発明における成分(b)分子中の水酸基質量比は、特に限定されないが、例えば、1~20が好ましい。特に、成分(b)分子中の水酸基質量比が1以上のエステル油がより好ましく、2以上のエステル油がさらにより好ましい。
【0014】
このような成分(b)として、例えば、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリエチルヘキシルなどの有機酸エステル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、ノナイソステアリン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、デカエチルヘキサン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノールなどの分岐脂肪酸高級アルコール等が挙げられる。特に、ヘパリン類似物質の分散性の面からエステル油が好ましく、その中でも特にリンゴ酸ジイソステアリル、デカエチルヘキサン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、ノナイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、及びモノイソステアリン酸ジグリセリルよりなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましい。
【0015】
本発明における成分(b)の含有量は、特に限定されないが、油性化粧料中に、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がさらにより好ましく、また、90%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、75%以下がさらにより好ましい。また、10~90%が好ましく、20~80%がより好ましく、30~75%がさらにより好ましい。この範囲であれば、ヘパリン類似物質の分散性により優れるためより好ましい。
【0016】
特に限定されるものではないが、成分(a)と成分(b)との含有質量割合(b)/(a)は、5以上が好ましく、10以上がより好ましい。また、200以下が好ましく、150以下がより好ましい。また、5~200が好ましく、10~150がより好ましい。この範囲であると、成分(a)の分散性をより高めることができ、うるおい感、うるおい感の持続により優れるためより好ましい。
【0017】
本発明における成分(c)油性ゲル化剤は、油性化粧料に適切な粘性を付与し、使用により化粧膜を構成し、うるおい効果およびその持続性を高めるものであり、通常化粧料に使用できるものであればいずれも使用できる。油性ゲル化剤としては、例えば、合成炭化水素系、天然及び合成ロウ系、硬化油系、高級脂肪酸系、固形の高級アルコール、デキストリン脂肪酸エステル、金属石鹸、多糖脂肪酸エステル、煙霧状無水ケイ酸、有機変性粘土鉱物などが挙げられる。具体的には、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライトワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ビーズワックス、ライスワックス、ミツロウ、モクロウ、ゲイロウ、ジロウ、モンタンワックス、ステアリル変性メチルポリシロキサン、ベヘニル変性メチルポリシロキサン、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、フィトステロール、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、(パルミチン酸/2-エチルヘキサン酸)デキストリン、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖パルミチン酸エステル、フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、ステアリン酸イヌリン、12-ヒドロキシステアリン酸、煙霧状無水ケイ酸、ステアラルコニウムヘクトライト、ジステアルジモニウムヘクトライト、クオタニウム-18ヘクトライト等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。また、前記煙霧状無水ケイ酸は、疎水化処理してもよく、その処理方法としては、例えば、トリメチルシリルクロライドやヘキサメチルジシラザンによるトリメチルシロキシ処理、オクチルシラン化処理、メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いたコーティング焼き付け処理、金属石鹸によるコーティング等が挙げられる。本発明においては、天然ロウ、合成ロウ、デキストリン脂肪酸エステル、煙霧状無水ケイ酸、及び有機変性粘土鉱物よりなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましく、煙霧状無水ケイ酸を含有しさらに、天然ロウ、合成ロウ、及びデキストリン脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる1種または2種以上を含有するとより好ましい。
【0018】
本発明における成分(c)油性ゲル化剤の含有量は、特に限定されないが、油性化粧料中に、0.1%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましく、1%以上がさらに好ましく、また、15%以下が好ましく、12%以下がより好ましく、10%以下がさらにより好ましい。また、0.1~15%が好ましく、0.5~12%がより好ましく、1~10%がさらにより好ましい。この範囲であると、油性化粧料に適度な粘度を付与することができ、化粧膜の柔軟性を演出することで肌や口唇への負担感のなさを演出できるとともに、化粧膜に適度な厚みを付与し、肌や口唇のうるおい感やその持続効果を演出することができ好ましい。
【0019】
本発明の油性化粧料には、さらに成分(d)多価アルコールを使用することにより、うるおい効果及びその持続効果を顕著に演出することができる。本発明における成分(d)多価アルコールは、通常化粧料に使用できるものであればいずれのものも使用でき、例えば、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。中でもプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、及びトリプロピレングリコールよりなる群から選ばれる1種または2種以上がうるおい感の持続の点において好ましい。
【0020】
本発明における成分(d)多価アルコールの含有量は、特に限定されないが、油性化粧料中に、0.001%以上が好ましく、0.01%以上がより好ましく、0.05%以上がさらにより好ましく、また、1%以下が好ましく、0.8%以下がより好ましく、0.6%以下がさらにより好ましい。また、0.001~1%が好ましく、0.01~0.8%がより好ましく、0.05~0.6%がさらにより好ましい。この範囲であると、うるおい感及びその持続効果の点をより顕著に演出する点で好ましい。
【0021】
本発明の口唇化粧料は、上記の成分(a)~(d)の他に、通常化粧料に使用される成分、油性成分、無機顔料、有機顔料及び色素等の粉体およびそれらのシリコーン処理物やフッ素化合物処理物、界面活性剤、繊維、油溶性皮膜形成性樹脂、保湿剤等の水性成分、糖類、紫外線吸収剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等を本発明の効果を妨げない範囲で含有することができる。
【0022】
油性成分としては、成分(b)、(c)以外のものであり、通常化粧料に用いられる油であれば特に制約なく使用することができ、動物油、植物油、合成油等の起源や半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油、フッ素系油類等を使用することができる。具体的には、流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテンの炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル等のエステル類、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)等のアミノ酸系エステル油剤、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビスイソステアリル等のダイマー酸誘導体、ヘキサ(12-ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリトール、ヘキサ(12-ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリトール等の脂肪酸ジペンタエリスリトール、コレステロール、コレスタノール、フィトステロール、デヒドロコレステロール、ラノリン脂肪酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、リシノール酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、マカデミアンナッツ油脂肪酸フィトステリル等のコレステロール誘導体やフィトステロール誘導体、ラノリン、吸着精製ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸等のラノリン誘導体及びそれらをポリオキシアルキレンで変性したもの、ジメチルポリシロキサン、フェニル変性ポリシロキサン、フッ素変性シリコーン油等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。
【0023】
中でも、25℃で半固形油を含むと肌あたりの点において好ましい。ここで半固形油とは、25℃、1気圧下において、B型粘度計(ローターNo.2)で測定した時の粘度値が7000mPa・sを超えるものを指す。具体的にはワセリン、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)等のアミノ酸系エステル油剤、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビスイソステアリル等のダイマー酸誘導体、ヘキサ(12-ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリトール、ヘキサ(12-ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリトール等の脂肪酸ジペンタエリスリトール、コレステロール、コレスタノール、フィトステロール、デヒドロコレステロール等が好ましい。
【0024】
本発明において前記25℃で半固形油の含有量は、特に限定されないが、油性化粧料中に、5%以上が好ましく、10%以上が好ましく、15%以上がさらにより好ましく、また、45%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、35%以下がさらにより好ましい。また5~45%が好ましく、10~40%がより好ましく、15~35%がさらにより好ましい。この範囲であると、肌あたり、うるおい感により優れるためより好ましい。
【0025】
粉体成分としては、化粧料に一般に使用される粉体として用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、チタン・酸化チタン焼結物、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン-アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N-アシルリジン等の有機低分子性粉体、シルク粉末、セルロース粉末、デキストリン粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等や、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、セルロース等の維等が挙げられる。これらはフッ素化合物、シリコ-ン油、粉体、油剤、ゲル化剤、エマルションポリマー、界面活性剤等で表面処理されていてもよい。これらの粉体は、1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。
【0026】
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
【0027】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系等、例えば、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル2,4,6-トリス[4-(2-エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等を挙げることができる。
【0028】
酸化防止剤としては、例えばトコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0029】
本発明の油性化粧料は、通常公知の製法で得ることができる。以下に製造方法の例を示すが、これに限定されるものではない。例えば、成分(a)~(c)を加熱混合し、必要に応じて成分(d)、及びその他の成分を添加し、容器に充填、必要に応じて成型を経て得ることができる。
【0030】
本発明の油性化粧料は、特に限定されず、リップクリーム、リップエッセンス、口紅、リップグロス、チーク、アイカラー、ファンデーション、日焼け止め、化粧油、毛髪保護料等が挙げられるが、特に口唇化粧料であると、うるおい感やうるおい感の持続の効果が十分に感じられ好ましい。
【0031】
本発明の油性化粧料は、油剤や油溶性化合物である油性成分を連続相とする、実質的に水を含まないものであり、実質的に水を含まないとは、水の含有量が1%以下を指し、0.5%以下が好ましく、0.1%以下がより好ましい。性状としては、特に限定されないが、液状、半固形状、固形状等が挙げられる。
【実施例0032】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0033】
[ヘパリン類似物質の分散性評価]
表1に示す油剤を用いた際のヘパリン類似物質の分散性を以下の方法で評価し、その分散性の様子を図1に示す。
(評価方法)
25℃にて、表1に示す油剤30gとヘパリン類似物質0.3gをカップに入れ、マゼルスターKK-V350W(クラボウ社製)を用いて5分間混合し、円筒状の容器(直径1.5cm、高さ6.5cm、内容積約11.5cm)に約9cmを分注し、静置後24時間後、ヘパリン類似物質が沈降せずに、均一に不透明を呈しているかの度合いを目視にて下記◎・○・△・×の4段階で評価した。
◎:分散状態に変化がなく、沈降が見られない
○:液面上部に高さ0mmより大きく10mmまでの透明な液体が見られる
△:全体的に液の透明度が上がっており、液面上部に高さ10mmより大きく30mmまでの透明な液体が見られる
×:液面上部に高さ30mmより大きい透明な液体が見られる
【0034】
【表1】
*1:Sフェイス IS-1005P(阪本薬品工業社製)
*2:KEH-1010(阪本薬品工業社製)
【0035】
表1に示すように、水酸基を有さないエステル油や炭化水素油は、ヘパリン類似物質を分散させることができなかった。また、高級アルコールはヘパリン類似物質を分散していることが確認できたが、水酸基を有するエステル油の方が優れたものであった。さらに、水酸基を有するエステル油の中でも、分子構造中に含まれる水酸基質量比が1以上、特には2以上のエステル油がヘパリン類似物質の分散性が優れていた。
【0036】
実施例1~9及び比較例1~2:リップクリーム
下記表2に示す処方のリップクリームを下記に示す製造方法にて調製し、イ.肌(口唇)あたりの良さ、ロ.うるおい感、ハ.うるおい感の持続、二.荒れ改善効果について下記評価方法により評価した。イ~ハについては、評価結果を表2に示す。ニ.荒れ改善効果については表3に示す。
【0037】
【表2】
*3:CIREWAX90(CIREBELLE社製)
*4:LIPWAX A-4(日本ナチュラルプロダクツ社製)
*5:MULTIWAX W445(SONNEBORN社製)
【0038】
【表3】
【0039】
(製造方法)
A:成分(1)~(13)を110℃にて均一に加熱溶解する。
B:Aに成分(14)~(21)を加え、ロールミルにて冷却しながら均一に混合分散する。
C:Bを95℃で溶融しジャー容器に充填し、常温に冷却固化する。
【0040】
(評価方法)
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
イ.肌(口唇)あたりの良さ
ロ.うるおい感
ハ.うるおい感の持続
イ~ハの項目について、各試料について化粧品評価専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人が下記評価基準1にて7段階に評価し評点をつけ、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準1により判定した。尚、評価項目イおよびロは試料を肌または唇に塗布した直後に評価、評価項目ハは、試料塗布後、パネルに通常の生活をしてもらい、8時間後に評価を行った。
【0041】
<評価基準1>
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
【0042】
<判定基準1>
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える
○ :3.5点を超え5点以下
△ :1点を超え3.5点以下
× :1点以下
【0043】
(評価項目)
ニ.荒れ改善効果
評価項目ニについては、実施例1、4、9、比較例2の各試料を、それぞれ化粧品評価専門パネル5名ずつが2週間の連用試験を行い、口唇の荒れの改善を感じたかどうかを評価し、下記評価基準2により判定した結果を表3に示す。
<判定基準2>
(判定):(荒れ改善を感じた人数)
◎ :4名以上
○ :2~3名
× :1名以下
【0044】
表2、3の結果から明らかなように、本発明の実施例のリップクリームは、比較例に比べ、使用時の唇あたりも良く、うるおい感、うるおい感の持続にすぐれ、荒れ改善効果も見られた。
一方、成分(a)へパリン類似物質を含有しない比較例1は、うるおい感、うるおい感の持続、荒れ改善効果の点で満足のいくものが得られなかった。
また、成分(b)水酸基を有する液状のエステル油・高級アルコールが含有されていない比較例2では、ヘパリン類似物質の分散性が悪く、唇で使用する際にざらつきを感じ、十分なうるおい効果の持続効果、荒れ改善効果が得られなかった。
【0045】
実施例10:リップエッセンス
(成分) (%)
1.パルミチン酸デキストリン*6 3.5
2.流動パラフィン 5
3.ポリブテン *7 3
4.ワセリン 10
5.ペンタイソステアリン酸デカグリセリル *1 10
6.リンゴ酸ジイソステアリル 20
7.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
8.テトラエチルヘキサン酸ペンタエリトリット 18
9.トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 1
10.ホホバ油 0.5
11.セサミ油 0.5
12.ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
13.シリル化処理無水ケイ酸 *8 3
14.ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
15.ジプロピレングリコール 0.3
16.l-メンチルグリセリルエーテル 3
17.ヘパリン類似物質 1
18.アラントイン 0.5
19.アスタキサンチン 0.25
20.トコフェロール 0.001
21.香料 0.1
*6:レオパール KL2(千葉製粉社製)
*7:精製ポリブテンHV-100F(S)(日本ナチュラルプロダクツ社製)
*8:AEROSIL R―976S(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A:成分(1)~(12)を90℃にて均一に加熱溶解する。
B:Aに成分(13)~(21)を加え、均一に混合分散する。
C:Bをチップ付きアプリケーター容器に充填する。
【0046】
実施例10のリップエッセンスは、ヘパリン類似物質の分散性も良好で、唇あたりも良く、うるおい感、うるおい感の持続、唇の荒れ改善効果にも優れるものであった。
【0047】
実施例11:口紅
(成分) (%)
1.(エチレン/プロピレン)コポリマー 4.5
2.合成ワックス *9 5
3.キャンデリラロウ 1.5
4.ポリエチレンワックス 1
5.デカイソステアリン酸デカグリセリル 10
6.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
7.リンゴ酸ジイソステアリル 12
8.イソノナン酸トリデシル 5
9.トリエチルヘキサノイン 15
10.水添ポリイソブテン 5
11.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/べヘニル) *10 5
12.ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/
フィトステアリル/ベヘニル) *11 3
13.シア脂 0.1
14.ジメチルシリル化シリカ 1
15.(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)
クロスポリマー混合物 *12 5
16.レシチン処理タルク *13 1
17.メタクリル酸メチルクロスポリマー *14 10
18.PET *15 5
19.炭酸カルシウム 0.5
20.ヘパリン類似物質 0.3
21.トウガラシチンキ 0.05
22.カンファ 0.5
23.メントール 0.3
24.赤色202号 0.05
25.赤色104号 0.2
26.黄色4号 0.8
27.黄色5号 0.1
28.酸化チタン 5
29.黒酸化鉄 0.2
*9:CIREWAX80(CIREBELLE社製)
*10:PLANDOOL-S(日本製化社製)
*11:エルデュウPS-306(味の素社製)
*12:KSG-43(信越化学工業社製)
*13:TL-LC5(N)(東色ピグメント社製)
*14:マツモトマイクロスフェアーM305QD7(松本油脂製薬社製)
*15:スノーリーフP(オーケン社製)
(製造方法)
A:成分(1)~(13)を90℃にて均一に加熱溶解する。
B:Aに成分(14)~(29)を加え、ロールミルにて冷却しながら均一に混合分散する。
C:Bを110℃で溶解し、モールド容器に充填後冷却する。
D:Cを容器に装填する。
【0048】
実施例11の口紅は、ヘパリン類似物質の分散性も良好で、唇あたりも良く、うるおい感、うるおい感の持続、口唇の荒れ改善効果にも優れるものであった。
【0049】
実施例12:アイカラー
(成分) (%)
1.(エチレン/プロピレン)コポリマー 2.5
2.キャンデリラロウ 1
3.パラフィン 1
4.マイクロクリスタリンワックス 0.5
5.トリエチルヘキサノイン 10
6.ジカプリン酸PG 5
7.トリイソステアリン酸ジグリセリル 25
8.ジメチコン 3
9.ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)
ジペンタエリスリチル *16 2
10.シリカ *17 1
11.ポリメチルシルセスキオキサン *18 10
12.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)
クロスポリマー *19 3
13.ヘパリン類似物質 0.25
14.ジメチコン処理セリサイト 残量
15.カルミン 0.7
16.グンジョウ 0.05
17.黒酸化鉄 0.01
18.ベンガラ 0.4
19.メチコン(1%)・ジメチコン(3%)処理
ベンガラ被覆雲母チタン *20 3
20.ジメチコン(2%)処理雲母チタン *21 5
21.酸化鉄・酸化チタン・シリカ処理
ホウケイ酸(Ca/Na) *22 2
*16:コスモール168ARNV(日清オイリオ社製)
*17:AEROSIL 380S日本アエロジル社製)
*18:TOSPEARL 150KA(MOMENTIVE社製)
*19:KSP-102(信越化学工業社製)
*20:TIMICA RADIANT GOLD 222G(BASF社製)にメチコン1%・ジメチコン3%処理を施したもの
*21:FLAMENCO GOLD 220C(BASF社製)にジメチコン2%処理を施したもの
*22:REFLECKS MULTIDIMENSIONS TWISTED TERRACOTTA(BASF社製)
(製造方法)
A:成分(1)~(9)を110℃にて均一に加熱溶解する。
B:Aに成分(10)~(21)を加え、ロールミルにて冷却しながら均一に混合分散する。
C:Bを100℃で溶解し、金皿に充填する。
【0050】
実施例12のアイカラーは、ヘパリン類似物質の分散性も良好で、肌あたりも良く、うるおい感、うるおい感の持続、肌の荒れ改善効果にも優れるものであった。
【0051】
実施例13:油性ファンデーション
(成分) (%)
1.ジラウロイルグルタミン酸リシンNa(1%)処理
酸化チタン 10
2.レシチン(0.5%)処理酸化チタン 4
3.シリコン処理酸化亜鉛 *23 14
4.オクチルシリル化(2%)処理ベンガラ 0.25
5.オクチルシリル化(2%)処理黄色酸化鉄 1
6.オクチルシリル化(2%)処理黒色酸化鉄 0.15
7.オクチルシリル化(2%)処理タルク 2.5
8.ヘパリン類似物質 0.3
9.トリイソステアリン酸ジグリセリル 5.5
10.ジイソステアリン酸ジグリセリル 1
11.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン *24 2.5
12.セチルジメチコン *25 0.5
13.ジステアルジモニウムヘクトライト 0.2
14.イソドデカン 1.5
15.1,3-ブチレングリコール 0.03
16.パルミチン酸エチルヘキシル 5.5
17.ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 5
18.デシルテトラデカノール 5
19.リンゴ酸ジイソステアリル 残量
20.パラメトキシケイヒ酸エチルヘキシル 2
21.イソドデカン 5
22.メチルトリメチコン 15
23.香料 0.4
*23:MZY-505S(テイカ社製)
*24:KF-6028(信越化学工業社製)
*25:ABIL WAX 9840(EVONIK GOLDSCHMIDT GMBH社製)
(製造方法)
A:成分(1)~(12)をロールミルにて均一に混合分散する。
B:成分(13)~(15)をロールミルにて均一に膨潤する。
C:AにB、成分(16)~(23)を加え、均一に混合分散する。
D:Cをボトル容器に充填する。
【0052】
実施例13の油性ファンデーションは、ヘパリン類似物質の分散性も良好で、肌あたりも良く、うるおい感、うるおい感の持続、肌の荒れ改善効果にも優れるものであった。
【0053】
実施例14:油性スティック日焼け止め
(成分) (%)
1.合成ワックス 9
2.ジブチルラウロイルグルタミド 2
3.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7
4.ジエチルアミノヒドロキシ
ベンゾイル安息香酸ヘキシル *26 2.5
5.ビスエチルヘキシルオキシフェノール
メトキシフェニルトリアジン *27 2
6.デカエチルヘキサン酸デカグリセリル 残量
7.トリエチルヘキサノイン 10
8.ミネラルオイル 5
9.エチルヘキサン酸セチル 5
10.イソステアリン酸 1
11.ポリヒドロキシステアリン酸 0.5
12.シリコン処理酸化亜鉛 *23 13
13.シリコン処理酸化チタン *28 2
14.シリコン処理セリサイト *29 10
15.(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)
クロスポリマー *30 5
16.ポリメチルシルセスキオキサン *31 3
17.シリカ *32 4
18.ジメチルシリル化シリカ 1
19.ヘパリン類似物質 3
20.酢酸DL-α-トコフェロール 0.5
21.青1 0.01
22.赤202 0.01
23.ラベンダー油 0.01
24.BHT 0.05
25.ジプロピレングリコール 0.1
26.香料 0.1
*26:UVINUL A PLUS GRANULAR(BASF社製)
*27:TINOSORB S(BASF社製)
*28:2%ジメチコン処理酸化チタン
*29:3%ジメチコン処理セリサイト
*30:D-400(根上工業社製)
*31:TOSPEARL 3000A(MOMENTIVE社製)
*32:サイリシア 550(富士シリシア化学社製)
(製造方法)
A:成分(1)~(11)を130~150℃にて均一に加熱溶解する。
B:Aに成分(12)~(22)を加え、ロールミルにて均一に混合分散する。
C:Bに成分(23)~(26)を加え、混合溶解する。
D:Cを110℃にて溶解し、スティック容器に充填、冷却固化する。
【0054】
実施例14の油性スティック日焼け止めは、ヘパリン類似物質の分散性も良好で、肌あたりも良く、うるおい感、うるおい感の持続、肌の荒れ改善効果にも優れるものであった。
【0055】
実施例15:化粧油
(成分) (%)
1.ミツロウ 10
2.キャンデリラロウ 5
3.パルミチン酸デキストリン *6 2
4.スクワラン 3
5.コメヌカ油 25
6.メドウフォーム油 10
7.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
8.アボカド油 0.5
9.アンズ核油 0.1
10.カニナバラ果実油 0.1
11.サフラワー油 0.1
12.ヒマワリ種子油 0.1
13.ブドウ種子油 0.1
14.チャ種子油 0.1
15.ヤシ油 0.1
16.ヘパリン類似物質 1
17.テトラヘキシルデカン酸アスコルビル 0.1
18.1,2-ペンタンジオール 0.2
19.BHT 0.01
(製造方法)
A:成分(1)~(15)を90℃にて均一に加熱溶解する。
B:Aに成分(16)~(19)を加え、均一に混合分散する。
C:Bをジャー容器に充填する。
【0056】
実施例15の化粧油は、ヘパリン類似物質の分散性も良好で、肌あたりも良く、うるおい感、うるおい感の持続、肌の荒れ改善効果にも優れるものであった。
【0057】
実施例16:スティック状リップクリーム
(成分) (%)
1.合成ワックス 6
2.(エチレン/プロピレン)コポリマー 1
3.マイクロクリスタリンワックス 5
4.ポリプロピレン 1
5.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/べヘニル) *10 24
6.水添ポリイソブテン 22
7.ラウロイルグルタミン酸
ジ(フィトステアリル/オクチルドデシル) 10
8.トリエチルヘキサノイン 10
9.ノナイソステアリン酸デカグリセリル 残量
10.デシルテトラデカノール 2
11.ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル 1
12.ヘパリン類似物質 0.05
13.ジメチルシリル化シリカ 2
14.カプリリルグリコール 2
15.1,2-ヘキサンジオール 1
16.バニリルブチル 0.02
17.パプリカ色素 0.2
18.ベニバナ赤色素 0.3
(製造方法)
A:成分(1)~(11)を110℃にて均一に加熱溶解する。
B:Aに成分(12)~(18)を加え、ロールミルにて均一に混合分散する。
C:Bを100℃にて溶解し、スティック容器に充填、冷却固化する。
【0058】
実施例16のスティック状リップクリームは、ヘパリン類似物質の分散性も良好で、唇あたりも良く、うるおい感、うるおい感の持続、唇の荒れ改善効果にも優れるものであった。



図1