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特開2022-151783建物のパッシブ換気システムの制御、建物のパッシブ換気システム、及びパッシブ換気システムを備えた建物
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  • 特開-建物のパッシブ換気システムの制御、建物のパッシブ換気システム、及びパッシブ換気システムを備えた建物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151783
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】建物のパッシブ換気システムの制御、建物のパッシブ換気システム、及びパッシブ換気システムを備えた建物
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
F24F7/007 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022046165
(22)【出願日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】21164628
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャラランポス アンゲロプロス
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル コークレイ
【テーマコード(参考)】
3L056
【Fターム(参考)】
3L056BA04
3L056BD02
(57)【要約】
【課題】パッシブ換気システムにおいて熱的に快適な内部環境を維持し換気のエネルギー効率を高める。
【解決手段】建物周辺の屋外空気温度の測定ステップと、建物内の少なくとも一つのゾーンの室内空気温度の測定ステップと、外空気温度測定値を屋内空気温度測定値から減算し温度差を計算するステップと、温度差が0より大きい場合、パッシブ換気システムの少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの状態を、閉状態、開状態、両状態の間の中間状態のうちの一つの何れかになるよう制御するステップとを含む。各状態は0~1の間で変動する建物内の少なくとも一つのゾーンの開放割合値の一つの値に対応し、開放割合値は、温度差が予め設定された下限温度差以下の場合、1に等しい上限割合に、温度差が予め設定された上限温度差以上の場合、0以上1未満の下限割合に、それ以外の場合、温度差の増加に伴い単調に減少する、温度差のパッシブ換気関数の値に設定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物のパッシブ換気システムを制御するための方法であって、
‐前記建物周辺の屋外空気温度(Tout)を測定するステップと、
‐前記建物内の少なくとも一つのゾーンの室内空気温度(Tint)を測定するステップと、
‐前記外空気温度(Tout)の測定値を前記屋内空気温度(Tint)の測定値から減算することによって温度差(ΔT)を計算するステップと、
‐前記計算された温度差(ΔT)が0より大きい場合には、前記パッシブ換気システムの少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの状態を、閉状態、開状態、閉状態と開状態との間の一つ以上の中間状態のうちの一つのいずれかになるように制御するステップであって、
前記状態の各々は、0~1の間で変動する前記建物内の前記少なくとも一つのゾーンの開放割合値(OF)の一つの値に対応し、
0は前記閉状態に対応し、
1は前記開状態に対応し、
前記それぞれのパッシブ換気デバイスは、前記建物内の前記少なくとも一つのゾーンのうちの少なくとも一つのそれぞれのゾーンと前記建物の前記環境との流体連結のために構成されている、制御ステップと、の方法ステップを含み、
前記少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの前記状態は、前記開放割合値(OF)を設定することを介して制御され、前記開放割合値(OF)は、
‐前記計算された温度差(ΔT)が予め設定された下限温度差(k)以下である場合には、1に等しい上限割合に、
‐前記計算された温度差(ΔT)が予め設定された上限温度差(m)以上である場合には、0以上1未満の下限割合(l)に、
‐それ以外の場合には、前記計算された温度差(ΔT)のパッシブ換気関数の値であって、前記パッシブ換気関数は、計算された温度差(ΔT)の増加に伴って単調に減少する、パッシブ換気関数の値に設定される、方法。
【請求項2】
前記少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの前記状態は、前記屋外空気温度(Tout)の測定値および前記室内空気温度(Tint)の測定値の両方が、下方設定点すなわち加熱設定点(TLL,HSP)と上方設定点すなわち冷却設定点(TUL,CSP)との間の範囲内にある場合にのみ前記開放割合値(OF)を設定することを介して制御され、それ以外の場合には閉状態に設定され、特に、前記加熱設定点および前記冷却設定点(TLL,HSP、TUL,CSP)は、快適温度に依存して式にしたがって動的設定点として設定されることができ、前記快適温度は、7日間の移動平均外温度等の移動平均外温度に依存して別の式にしたがって設定されることができる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
窓、ダンパ、換気口のうちの少なくとも一つの状態が、前記少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの状態として制御される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも一つのゾーンが占有されているか否か、および/または将来の所与の時間に占有される予定であるか否かが判断され、前記少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの前記状態は、前記それぞれのゾーンが占有されている場合、および/または予め設定された経過時間内の所与の時間に占有される予定である場合にのみ、前記開放割合値(OF)を設定することを介して制御され、それ以外の場合には閉状態に設定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記建物の前記環境内の空気の前記屋外空気温度(Tout)が、予め設定された経過時間内に、将来、上限屋外温度を上回るか否かが予測にしたがって判断され、
前記屋外空気温度(Tout)が前記上限屋外温度を上回る場合には、前記少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの前記状態を、現在の時間につき測定される前記屋外温度に対応する前記少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの状態のものよりも高いか、または前記現在の時間につき測定される前記屋外温度に対応する前記少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの状態のものよりも低い開放割合値(OF)に対応する状態に設定する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記下限割合(l)は、予め設定された基準が満たされる場合には0より大きい値に設定され、前記基準が満たされない場合には0に設定され、前記基準は、好ましくは前記少なくとも一つのゾーンが占有されることを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記パッシブ換気関数は、前記計算された温度差(ΔT)の線形関数である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記線形関数は[ΔT-m]に比例し、ΔTは前記計算された温度差(ΔT)であり、mは上限温度差(m)であり、好ましくは[ΔT-m]/[k-m]に比例するかまたは等しく、kは下限温度差(k)である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記パッシブ換気関数は、{1/sqrt[a1ΔT]}に比例するかまたは{1/sqrt[a0+a1ΔT]}に比例する関数であり、a0およびa1は変数であり、前記パッシブ換気関数は、最大値1または同等のものに制限される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記変数a0前記変数a1は、前記少なくとも一つのパッシブ換気デバイスを通る所望の全空気流量m(m)から導出され、特に、前記全空気流量mは、m =m +m によって与えられ、mは浮力による空気流量(m)であり、mは風による空気流量(m)である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記パッシブ換気関数は、[Q/{C [Tint-TUL,CSPsqrt[0.052* +C 2*{[2ΔTg]/[Tav+273℃]}]}/A]によって与えられるかまたはそれに比例し、
は予め設定された全熱利得であり、
は空気の比熱容量であり、
intは室内温度の前記測定値であり、
UL,CSPは前記冷却設定点であり、
は前記建物の前記環境内の風速であり、
は予め設定された排出係数であり、
hは異なるパッシブ換気デバイスの開口部の中心間の予め設定された垂直距離であり、 gは重力による加速度であり、
avは前記屋内空気温度および前記屋外空気温度(Tint、Tout)の前記測定値の平均値であり、
は前記パッシブ換気システムの前記少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの予め設定された最大開放可能幾何学的面積である、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記風速Vは前記パッシブ換気システムの風センサによって測定され、ならびに/または、前記熱利得Qは、前記少なくとも一つのゾーンが占有されているか否かおよび/もしくは将来の所与の時間に特に何人によって占有予定であるか否か、の判断結果に依存して設定または計算される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法を行うように構成された制御デバイスを備えたパッシブ換気システム。
【請求項14】
請求項13に記載のパッシブ換気システムを備えた建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建物のパッシブ換気システムの制御、建物のパッシブ換気システム、及びパッシブ換気システムを備えた建物に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の換気の制御は、特に建物内の「パッシブ」または「自然」換気に関し重要な研究分野である。例えば、特許文献1は、調整可能な制御パラメータのセットおよび少なくとも一つのセンサからの測定値を用いて、複数の換気モードの中から選択される換気モードにしたがったアクティブな機械換気およびパッシブな自然換気により屋内エリアの換気がなされる、建物の屋内エリアの換気を制御するための方法およびシステムを提案している。その中では、各換気モードが、モードに依存した調整可能な値の群の中から選択される調整可能な値をそれぞれ有する調整可能な制御パラメータのセットおよび/またはモードに依存した固定値をそれぞれ有する固定制御パラメータのセットに関連する。換気モードによって定義される所望の室内気候が得られるように、センサからの測定値を換気モードの制御パラメータの対応する値と比較することによって、機械換気および自然換気の制御が達成される。
【0003】
別のパッシブ換気制御システムが特許文献2に開示され、ここではそれぞれの換気口が複数の組で設けられ、各換気口組が建物の複数のフロアまたは全高を通してほぼ垂直に揃えられる。
【0004】
特許文献3は、人間の利用者が占有する建物のリビングにおいて自然換気によって内部気候の快適性を制御する別のコンピュータ制御方法を開示している。
【0005】
特許文献4は、屋外温度を感知する単純な機械装置ならびに風力を使用して換気ダクト出口を制御することを提案している。この方法は、建物に入る冷気を排除するために空気交換を自動的に制御する。
【0006】
自然換気またはパッシブ換気に関するさらなる一般的背景が、特許文献5および特許文献6に記載される。
【0007】
非特許文献1は、混合モードのオフィス建物での省エネの可能性に対する様々な窓操作の影響を調べた。窓の操作は、窓の所定の位置に基づき、その結果、気候および窓の開口に基づいておよそ10%~72%の電力消費量の節約が生じた。混合モードの建物の省エネの可能性は、非特許文献2および非特許文献3などの他の研究でも議論されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2013/107461号
【特許文献2】米国特許出願公開第2019/331355号明細書
【特許文献3】米国特許第6,699,120号明細書
【特許文献4】米国特許第4,182,487号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第3578893号明細書
【特許文献6】特開2017-180960号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】H.ワン(H.Wang)およびQ.チェン(Q.Chen)著「オフィス建物の混合モード換気での熱質量の影響を研究するための半経験的モデルおよびコストリターン分析(A semi‐empirical model for studying the impact of thermal mass and cost‐return analysis on mixed‐mode ventilation in office buildings)」、「エネルギーと建物(Energy and Buildings)67」(2013年)267~274
【非特許文献2】S.エゼルディン(S.Ezzeldin)およびS.J.リース(S.J.Rees)著「換気された気候における混合モード換気および低エネルギー冷却システムを備えたオフィス建物の可能性(The potential for office buildings with mixed‐mode ventilation and low energy cooling systems in aired climates)」、「エネルギーと建物(Energy and Buildings)」65、(2013年)368~381
【非特許文献3】F.バビッチ(F.Babich)ら著「混合モード建物における空気の移動に起因する推定される省エネに対する新たな方法論的アプローチ(A new methodological approach for estimated energy savings due to air movement in mixed‐mode buildings)」、「ビルディングシミュレーションアプリケーションズの議事録(Proceedings of Buildings Simulation Applications)」2007年:第3回IBPSA‐イタリア会議、ボルツァーノ2017年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって近年、熱的に快適な内部環境を達成するために自然またはパッシブ換気を制御することへの関心が高まっている。自然換気またはパッシブ換気の制御は、それぞれの建物のファサードの対応するパッシブ換気デバイスの開放を調整することによって行われる。このような開放可能なパッシブ換気デバイスは、窓、ダンパ、格子、換気口などでありうる。
【0011】
これは、熱的に快適な内部環境を維持しながら建物の換気におけるエネルギー効率をいかにして高めるかという解決すべき目的である技術的課題につながる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的である技術的課題は、独立請求項の主題によって解決される。従属請求項、明細書、および図面から有利な実施形態が明らかである。
【0013】
一態様は、自然換気システムとも呼称されうる建物のパッシブ換気システムを制御するための方法に関する。前記方法は、建物周辺における空気の屋外空気温度を測定するステップ、および建物内の少なくとも一つのゾーン、すなわち一つまたはいくつかのゾーンの室内空気温度を測定するステップの方法ステップを含む。前記ゾーンは、熱ゾーンと呼称されうる。建物の部屋、ホール、廊下、または階段は、例示的な熱ゾーンと考えられうる。それぞれの温度は、パッシブ換気システムの温度センサの測定により判断されるか、または対応するデータベース、例えば、建物周辺の温度データベースにインターネットでアクセス可能なら、それによって判断されうる。屋外空気温度および/または室内空気温度は、平均化された空気温度として定められる。この方法が建物内の複数の熱ゾーンに適用される場合には、各ゾーンの内部空気温度、特に平均内部空気温度が、それぞれのゾーンのパッシブ換気デバイスを制御するために使用されうる。複数の熱ゾーンの場合には、パッシブ換気デバイスの状態の制御が個別に行われうる、すなわちパッシブ換気デバイスの状態が互いに独立して制御されうる。
【0014】
外の空気温度の測定値を屋内温度の測定値から減算することにより、温度差が計算される。前記計算された温度差が、好ましくは外の空気温度が所与の換気設定点より高いことと組み合わせて0より大きい場合には、建物内の前記少なくとも一つのゾーンのうちの一つまたはいくつかまたは全てに関連するパッシブ換気システムの少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの状態が、閉状態、開状態、または閉状態と開状態との間の一つ以上の中間状態のうちの一つのいずれかになるように制御される。ここで各状態は、0~1の間で変動する、建物内のそれぞれの少なくとも一つのゾーンの開放割合値の一つの値に対応する。0は閉状態に対応し、1は開状態に対応する。それぞれのパッシブ換気デバイスがそれぞれの熱ゾーンに関連することは、建物内の対応する単数または複数のゾーンと建物の周辺環境との流体連結のためにそれぞれのパッシブ換気デバイスが構成されることを意味する。したがって、パッシブに換気される各ゾーンに、一つ以上のパッシブ換気デバイスが関連しうる。中間状態は、段階的な開放制御を実現するために、例えば25%開状態、50%開状態、および75%開状態として良い。
【0015】
次に、対応する少なくともパッシブ換気デバイスの状態が開放割合値を設定することによって制御され、開放割合値は、計算された温度差ΔTが予め設定された下限温度差k以下である場合には上限割合=1に設定され、計算された温度差ΔTが予め設定された上限温度差m以上である場合には0以上1未満の下限割合lに設定され、それ以外の場合すなわちk≦ΔT≦mである場合には計算された温度差のパッシブ換気関数f(ΔT)の値に設定される。パッシブ換気関数は、計算された温度差の増加に伴って単調に減少する。
【0016】
計算された温度差が0(および/または所与の換気設定点)より大きくない場合には、単数または複数の制御されたパッシブ換気デバイスの状態は変わらないままとされるか、あるいは開状態または閉状態に設定されうる。
【0017】
これにより、アクティブな機械システムへの依存がより少ない、したがってエネルギー消費量を減少するのに役立つ、占有者にとって熱的に快適な内部環境をもたらすパッシブ換気システムの制御された動作の利点が得られる。計算された温度差でのそれぞれのパッシブ換気デバイスの所定の状態または位置の使用により、単純かつ動的な制御方式、すなわち所与の屋内環境条件および屋外環境条件でパッシブ換気デバイスの開放を制御する単純かつ信頼性の高い手法が得られる。建物内の対応するゾーンの室内空気温度を測定、具体的には繰り返し計測する、すなわち動的に測定することは、パッシブ換気システムを目の前の状況に適合させ、単純なフィードバックループの実施態様をもたらし、それによりエネルギーの使用を減少させる。外の空気温度が所与のまたは予め設定された換気設定点の下限(TLL,HSP)より大きいという追加条件により、換気の熱力学的利点があることが保証される。
【0018】
有利な実施形態では、少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの状態は、屋外空気温度の測定値および室内空気温度の測定値の両方が下方設定点すなわち加熱設定点TLL,HSPと上方設定点すなわち冷却設定点TUL,CSPとの間の範囲内にある場合にのみ上述のように開放割合値を設定することを介して制御され、それ以外の場合には閉状態に設定される。ここでは特に、加熱設定点および冷却設定点は、快適温度に依存して式にしたがって動的設定点として設定されることができ、快適温度は、7日目の移動平均外温度等の移動平均外温度Trmに依存して式にしたがって設定されうる。加えてまたは代わりに、加熱設定点および冷却設定点は、ISO17772、EN16798、EN15251B、またはASAHRAEなどの既知の基準のいずれかにしたがって動的設定点として設定されてもよい。これは以下の表に例示的に示され、表においてTUL,CSPは冷却設定点を表し、TLL,HSPは加熱設定点を表し、Trmは、屋外気温の移動平均である屋外測定気温Tintを、屋外空気の測定温度として表す。例えば、ASAHRAE基準によれば、快適温度は0.31Trm+17.8℃として定義される。
【0019】
【表1】
【0020】
屋外移動平均温度は、例えば、
rm=ted-1+0.8*ted-2+0.6*ted-3+0.5*ted-4+0.4*ted-5+0.3*ted-6+0.2*ted-7/3.8
によって定義されうる。
【0021】
ここでted-1は前日等の日平均屋外温度を表す。動的設定点は理想的には毎日変動し、したがって年間を通じて全ての気候に合わせて最適化されうる。
【0022】
これにより、グローバルスケールで建物周辺の気候に適合し、ローカルスケールでフィードバック情報として屋内温度の測定値に応じて適合する、動的システムの利点が提供される。したがって、単純なやり方で省エネおよび熱快適性が保証される。
【0023】
特に、窓(または窓の組)、ダンパ(またはダンパの組)、換気口(または換気口の組)または格子(または格子の組)の少なくとも一つの状態が、少なくともパッシブ換気デバイスの状態として制御されうる。換言すれば、パッシブ換気デバイスは、窓(または窓の組)、ダンパ(またはダンパの組)、換気口(または換気口の組)または格子(または格子の組)の少なくとも一つであるかまたはそれを含むことができる。したがって、既知のパッシブ換気デバイスまたはパッシブ換気デバイスの組の対応する状態が上に提供された定義にしたがって閉状態、開状態、または中間状態として定義されうるため、提案された方法は既知のパッシブ換気デバイスに容易に適用されうる。
【0024】
パッシブ換気デバイスの組の中間状態は、その組のデバイスの開状態および閉状態の組み合わせに対応しうる。例えば、二つの窓の組は、窓の一方を開きもう一方を閉めることによって、50%開状態に設定されうる。これにより、記載された制御方式を実施するために個々の窓の単純な制御モードで足りる利点が得られる。
【0025】
特に有利な実施形態では、パッシブ換気デバイス制御される少なくとも一つのゾーンが占有されているか否か、および/または将来の所与の時間に占有される予定であるか否かが判断され、前記少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの状態は、それぞれのゾーンが占有されているおよび/または予め設定された経過時間内の所与の時間に占有される予定である場合にのみ開放割合値を設定することで制御され、それ以外の場合には閉状態に設定される。予め設定された経過時間は、例えば二時間もしくは一時間など数時間、またはわずか三十分もしくは十五分を含むように設定されうる。これにより、誰もいないときに単数または複数のそれぞれのパッシブ換気デバイスを開けることが防がれるため、安全性が高まる利点が得られる。さらに、ゾーンが占有されていないかまたは占有される予定ではない場合には、換気の優先度は比較的低く、それが制御方式に反映される。
【0026】
別の有利な実施形態では、例えばインターネットまたは別のサービスから得られる予測にしたがって、建物周辺の屋外空気温度が、予め設定された経過時間内に上限屋外温度を上回るか否かが判断され、上回る場合には(特に上回る場合に限り)、少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの状態を、現在の時間につき判断される屋外温度に対応する少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの状態の開放割合値よりも高いかまたは現在の時間の屋外温度に対応する少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの状態の開放割合値よりも低い開放割合値に対応する状態に設定する。これによって、より高い開放割合に対応する状態に設定する場合には建物内のゾーンが予冷却されることができ、あるいは、より低い開放割合値に対応する状態に設定する場合には冷たい空気を閉じ込め、それにより機械システムの使用時間を減少させる利点が得られる。特に、少なくともパッシブ換気デバイスの状態は、第一期間においてより高い開放割合値に設定され、第一期間に続く第二期間においてより低い開放割合値に設定されることもできる。これにより、前記利点が組み合わされる。
【0027】
別の有利な実施形態では、下限割合lは、予め設定された基準が満たされる場合に0より大きい値に設定され、前記基準が満たされない場合に0に設定される。この基準は、制御されたパッシブ換気デバイスに対応する少なくとも一つのゾーンが占有されているかまたは予め設定されたスケジュールにしたがって占有される予定であることを含むのが好ましい。したがって、ゾーンが使用される予定であるかまたは人により使用される予定である場合に最小限の換気が保証されうる。
【0028】
特に有利な実施形態では、パッシブ換気関数は、計算された温度差ΔTの線形関数fである。これにより、特に単純なシステムでありながらも目の前の目的である技術的課題を非常にうまく解決する利点が得られる。
【0029】
特に、線形関数は、上限温度差mを計算された温度差ΔTから減算することによって得られる差に比例し、好ましくは前記差を、上限温度mを下限温度差kから減算することによって得られる差で除算したもの比例するかまたは等しい。すなわちf prop.(ΔT-m)/(k-m)である。この具体的な線形関数は特に有利である。
【0030】
代替的実施形態では、パッシブ換気関数fは、変数a1と計算された温度差ΔTとの積の逆平方根に比例するか、または別の変数a0と計算された温度差ΔTである第一変数a1の積との和の逆平方根に比例する関数である。ここでは、パッシブ換気関数は最大値1または同等のものに制限される。すなわちパッシブ換気関数fの値は、それぞれの式が実際には1より大きい値を生じるであろう場合に1に設定される。これにより、具体的設定のさらなる制限または特性を考慮する利点が得られ、上記の線形関数のような利点が提供される。
【0031】
特に、変数a0および変数a1は、少なくとも一つのパッシブ換気デバイスを通る所望の全空気流量mから導出されうる。特に、全空気流量mはm =m +m によって得られ、mは浮力による空気流量であり、mは風による空気流量である。
【0032】
CIBSEガイドB、暖房、換気、空調および変動(CIBSE guide B,heating,ventilation,air conditioning and fluctuation)、ロンドン、UK、2005年を参照すると、快適な環境に必要な全空気流量は、
=m (Tint-TUL,CSP
として与えられうる内部全熱利得Qについての式に基づいて計算されうる。
【0033】
式中Qはワット単位の全熱利得であり、換気された空間で稼働する機械類、その空間に存在する人の数、日照などによって決定される。CはkJ/(kgK)単位の空気の比熱容量であり、Tintは平均化されうる℃単位の内部温度の測定値であり、TUL,CSPは℃単位の冷却設定点である。
=C [(2ΔTg)/(Tav+273)]^2、
=0.05 、および
=m +m
により、具体的なパッシブ換気関数が提供されうる。式中、空気流量mはm/sec単位で与えられ、Aは平方メートル単位の窓の有効面積であり、hはそれぞれのゾーンの異なるパッシブ換気デバイスの開口部の中心間のm単位の垂直距離であり(これはパッシブ換気デバイスが一つしか存在しない場合には0である)、gはm/s単位の重力による加速度であり、Tavは℃単位の測定された屋外温度および屋内温度の平均値であり、Vはm/s単位の建物周辺における風速である。
【0034】
したがって、窓の有効面積Aは、
=m/{0.052* +C 2*[2ΔTg/(Tav+273℃)]1/2 (式A)
として計算されうる。
【0035】
ここでQおよび/またはCは、それぞれのゾーンについての具体的知識または仮定にしたがって予め設定されるかまたは計算されうる。排出係数Cは、開口を通る、すなわち換気される熱ゾーンを通る流路の後の流線の狭窄を考慮するために使用される無次元数である。したがって排出係数は、それぞれのパッシブ換気デバイスの開口部の形状の関数である。円形の開口部で断面積対周囲長の最大比が生じ、したがって開口部の形状がより円形でなくなるほど、排出係数は減少する。標準の円形の形状の縁が鋭い口の排出係数Cは、0.61として与えられることが多い。「エネルギーと建物(Energy and Buildings)」118(2016年)249~258のジョーンズ(Jones)ら「換気開口部エリア用語の説明(A review of ventilation opening area terminology)」を参照されたい。片側換気の場合、文献に見られる典型的な値は0.25であり、二方向換気の場合、Cは0.26~0.9の範囲である。アウビ HB(Awbi HB)による「建物の換気(Ventilation of buildings)」、第2版、2003年、またはCIBSEによるアプリケーションマニュアル、2005年:「非家庭用建物における自然換気(Natural ventilation in non‐domestic buildings)」ならびにCIBSEガイドA:「環境デザイン(Environmental design)」2015年を参照されたい。0.5~0.6mの窓面積では、排出係数は0.6~0.8まで変動しうる一方で、より小さな窓面積では、排出係数は0.8~1.0のより大きな値となる傾向があることが示されている。ダンパでは、排出係数は通常、金属ルーバの形状および角度などのルーバの幾何学的特性に応じて0.4~0.6の範囲である。45°の角度の典型的な防雨ルーバでは、排出係数は0.3~0.5の範囲でありうる。インターナショナルジャーナルオブベンチレーション(International Journal of Ventilation):ISSN5(1)、2006年、1473~3315のハイゼルベルク P(Heiselberg P)およびサンドバーグ M(Sandberg M)、「窓開口部および風駆動自然換気の排出係数の評価(Evaluation of Discharge Coefficients for Window Openings and Wind Driven Natural Ventilation)」を参照されたい。
【0036】
それに応じて、パッシブ換気開放割合値(したがって理想的な有効面積を最も良く実現するパッシブ換気デバイスの状態)が、パッシブ換気システムのそれぞれの少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの予め設定された最大開放可能幾何学的面積であるAで除算した(式A)によって与えられる。したがって、開放割合値はAの値がAmaxより小さい場合にはAで除算したAであり、AがAmax以上である場合には1である。
【0037】
これにより、パッシブ換気システムが温度差に基づいて制御されるだけでなく、外と内との空気の密度差および施設の具体的設定を考慮して換気される空間を通る全流量を最適化する利点が得られる。
【0038】
好ましくは、風速Vはパッシブ換気システムの風センサによって測定されることができ、ならびに/または熱利得Qは少なくとも一つのゾーンが占有されているか否かおよび/もしくは将来の所与の時間に特に何人によって占有予定であるか否かの判断結果に依存して設定または計算される。これは、少なくとも一つのゾーンの対応する占有センサによってまたは占有スケジュールによって判断されうる。これは、建物内に快適に換気された空間を提供しながら、上述の利点すなわち省エネにさらに寄与する。
【0039】
提案された方法によれば、具体的な設定点温度、ならびに屋外空気温度および室内空気温度等の所与の環境条件に基づいたパッシブ換気システムのそれぞれのパッシブ換気デバイスの(有効)開口部面積すなわち状態の選択に対して、建物内の自然換気が達成されうる。しかし風、屋外相対湿度および室内相対湿度、花粉レベルなども考慮されうる。例えば、風、屋外相対湿度および室内相対湿度、花粉レベルなどのそれぞれの基準をチェックすることにより、室内快適性を改善するために自然換気が適切であるか否かがチェックされうる。例えば、初期段階で、環境内の花粉レベルが良い状態の所与の閾値を下回っているか否か、ならびに/または環境内の風レベルが建物内の良い状態の所与の閾値を下回っているか否か、ならびに/または屋外相対湿度および/もしくは屋内相対湿度が予め設定された許容可能性範囲内であるか否かがチェックされうる。その後、パッシブ換気が建物内の良い状態を助長する場合、すなわち基準がそれぞれの閾値を下回っているおよび/またはそれぞれの許容可能性範囲内である場合にのみパッシブ換気が有効にされるように、提案された方法が適合されうる。湿度レベルに関しては、許容可能性範囲は30%~70%相対湿度として設定されうる(ベルグルンド,G.(Berglund,G.)(1998年)「快適性と湿度(Comfort and Humidity)」、ASHRAEトランザクションズ(ASHRAE Transactions)、pp.35~41;アレンズ,E.A.(Arens,E.A.)、シュウ,T.(Xu,T.)、バウマン,F.(Bauman,F.)およびオグロ,M.(Oguro,M.)
(1999年)「高湿度における熱快適性の調査(An investigation of thermal comfort at high humidity)」、ASHRAEトランザクションズ(ASHRAE Transactions)、105(2)、pp.94-103;ASHRAE規格55(2013年)人の占有のための熱環境条件(Thermal Environmental Conditions for human occupancy)、アトランタ、米国を参照されたい)。
【0040】
制御アルゴリズムは、過去の気象データを利用して自然換気のための動的設定点を計算することができ、線形であってもよい分析式を使用して、屋外空気温度および室内空気温度、特に浮力によるおよび/または風力による空気流量に反映される内と外との間の圧力差にも基づいてパッシブ換気デバイスの最適位置を計算する。また、パッシブ換気デバイスの適切な構成および制御に関する特定度の改善を可能にするために、気象、占有者数、好ましい温度設定などの一連の任意のパラメータに関する予測データも含めてもよい。
【0041】
制御方法は、任意の既存の建物管理システムにおいて実施されうる。それぞれのパッシブ換気デバイスの状態についての情報および場合によっては動作モードについての情報、例えば建物がパッシブ自然換気モードによって冷却されるかまたはアクティブ機械モードによって冷却されるかも提供するセンサに加え、屋外環境条件および屋内環境条件のセンサが、パッシブ換気システムのコントローラに必要な入力を提供するために使用されることもでき、使用されるべきである。機械モードが作動された場合、パッシブ換気システムのコントローラはパッシブ/一時停止状態であり、確立されたシステムに加熱および/または冷却を制御させうる。
【0042】
別の態様は、上述の方法またはいずれかの実施形態を行うように構成された制御デバイスを備えたパッシブ換気システムに関する。さらなる態様は、そのようなパッシブ換気システムを備えた建物に関する。
【0043】
パッシブ換気システムおよび建物の利点および有利な実施形態は、記載された方法の利点および有利な実施形態に対応する。
【0044】
説明の一般的部分を含む上述の特徴および特徴の組み合わせ、ならびに図面の説明または図面のみに開示される特徴および特徴の組み合わせは、単独でまたは記載された組み合わせで使用されうるだけでなく、本発明の範囲を逸脱せずに他の特徴とともにまたは開示された特徴の一部を伴わずに使用されることもできる。その結果、図面によって明示的に示され、説明されていないが、図面に開示された個々の特徴を個別に組み合わせることによって生成されうる実施形態も、本開示の一部である。したがって、当初に策定された独立請求項の全ての特徴を含まない実施形態および特徴の組み合わせは、開示されているものとみなされるものとする。さらに、請求項の従属関係によって説明される特徴の組み合わせと異なるかまたはそれらを逸脱する実施形態および特徴の組み合わせは、開示されているものとみなされるものとする。
【0045】
例示的な実施形態が、概略図により以下でさらに説明される。その中で図1は、建物のパッシブ換気システムを制御するための方法の一実施形態の例示的なフローチャートを示す。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】建物のパッシブ換気システムを制御するための方法の一実施形態の例示的なフローチャートを示す。
【0047】
ここでは、第一ステップS1で、加熱が不要であるか否かが判断される。本実施形態では、平均化された温度でありうる室内空気温度Tintおよび平均化された温度でありうる屋外空気温度Toutの両方が、加熱設定点TLL,HSP(この場合にはプラスある予め設定された不感帯温度DB)よりも高いか否かをチェックすることによって、これが達成される。室内空気温度Tintおよび屋外空気温度Toutの両方が加熱設定点TLL,HSP(プラス前記不感帯温度DB)よりも高くない、すなわち低温であり加熱が必要である場合には、ステップS11で室内空気温度が加熱設定点TLL,HSP(プラス前記不感帯温度DB)よりも低いか否かがチェックされる。室内空気温度が加熱設定点TLL,HSP(プラス前記不感帯温度DB)よりも低い場合には、ステップS12で窓が閉められ、従来の機械加熱がオンに切り替えられる。ステップS11の結果が「no」である場合には、ステップSxで窓が閉められ、加熱/冷却はオンに切り替えられない。
【0048】
ステップS1の結果が「yes」である、すなわち機械加熱が必要ない場合には、ステップS2で、屋内空気温度Tintおよび外の空気温度Toutの両方が冷却設定点TUL,CSP(この場合にはマイナス前記予め設定された温度DB)を下回るか否かがチェックされる。ステップS2の結果が「no」である、すなわち冷却が必要である可能性がある場合には、ステップS21で室内空気温度Tintが冷却設定点TUL,CSP(ここではプラス前記不感帯温度DB)を上回るか否かがチェックされる。室内空気温度Tintが冷却設定点TUL,CSP(プラス前記不感帯温度DB)を上回らない場合には、ステップSxに進む。室内空気温度Tintが冷却設定点TUL,CSP(プラス前記不感帯温度DB)を上回る場合には、ステップS22で窓が閉められ、従来の機械冷却が開始される。
【0049】
ステップS2の結果が「yes」である、すなわち機械冷却が必要ない場合には、ステップS3で窓等のパッシブ換気デバイスが開いているか否かがチェックされる。ステップS3の結果が「yes」である場合には、単数または複数のパッシブ換気デバイスは、本実施形態ではステップSyで現在の状態に保たれ、プロセスが再び開始する。
【0050】
ステップS3の結果が「no」の場合には、ステップS4でパッシブ換気システムの少なくとも一つのパッシブ換気デバイスの状態が、開放割合値OFを設定することを介して制御される。ここで開放割合値OFは0~1の間で変動し、換気される建物内の少なくとも一つのゾーンの対応するパッシブ換気デバイスのそれぞれの状態に対応する。状態は、閉状態、開状態、閉状態と開状態との間の一つ以上の中間状態のうちの一つのいずれかであり得る。開放割合値0は閉状態に対応し、開放割合値1は開状態に対応し、0~1の間の開放割合値は一つ以上の中間状態に関連する。
【0051】
計算された温度差ΔT=Tint-Toutが予め設定された下限温度差k以下である場合には、開放割合値は1に設定される。計算された温度差ΔTが予め設定された上限温度差m以上である場合には、開放割合値は0以上1未満の、この例では0より大きい下限割合lに設定される。それ以外の場合には、すなわち計算された温度差が予め設定された上限温度差mを下回り、予め設定された下限温度差kを上回る場合には、開放割合値は計算された温度差ΔTのパッシブ換気関数の値である。このパッシブ換気関数は、計算された温度差ΔTの増加に伴って単調に減少し、本実施形態では線形関数f(ΔT)=(ΔT-m)/(k-m)である。
【0052】
提示された制御方式によって、エネルギー効率が高く、熱的に快適な建物の換気が達成される。
図1
【外国語明細書】