(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151801
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】複素環化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 213/61 20060101AFI20220929BHJP
C07D 405/12 20060101ALI20220929BHJP
C07D 409/12 20060101ALI20220929BHJP
C07D 333/28 20060101ALI20220929BHJP
C07D 271/08 20060101ALI20220929BHJP
C07D 215/18 20060101ALI20220929BHJP
C07D 417/12 20060101ALI20220929BHJP
C07D 407/12 20060101ALI20220929BHJP
C07D 413/12 20060101ALI20220929BHJP
C07D 231/12 20060101ALI20220929BHJP
C07D 231/16 20060101ALI20220929BHJP
C07D 307/38 20060101ALI20220929BHJP
C07D 333/62 20060101ALI20220929BHJP
C07D 333/50 20060101ALI20220929BHJP
A61K 31/443 20060101ALI20220929BHJP
A61K 31/381 20060101ALI20220929BHJP
A61K 31/4245 20060101ALI20220929BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20220929BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220929BHJP
A61K 31/44 20060101ALI20220929BHJP
A61K 31/47 20060101ALI20220929BHJP
A61K 31/427 20060101ALI20220929BHJP
A61K 31/357 20060101ALI20220929BHJP
A61K 31/42 20060101ALI20220929BHJP
C07D 413/04 20060101ALI20220929BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20220929BHJP
A61K 31/385 20060101ALI20220929BHJP
A61K 31/426 20060101ALI20220929BHJP
A61K 31/415 20060101ALI20220929BHJP
A61K 31/341 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
C07D213/61
C07D405/12 CSP
C07D409/12
C07D333/28
C07D271/08
C07D215/18
C07D417/12
C07D407/12
C07D413/12
C07D231/12 C
C07D231/16
C07D307/38
C07D333/62
C07D333/50
A61K31/443
A61K31/381
A61K31/4245
A61P25/28
A61P29/00
A61K31/44
A61K31/47
A61K31/427
A61K31/357
A61K31/42
C07D413/04
A61K31/4439
A61K31/385
A61K31/426
A61K31/415
A61K31/341
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046625
(22)【出願日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2021053643
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】510108858
【氏名又は名称】国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】今村 真一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 康一
(72)【発明者】
【氏名】小関 弘恵知
(72)【発明者】
【氏名】尾迫 麻未
(72)【発明者】
【氏名】亀高 愛
(72)【発明者】
【氏名】河合 昭好
【テーマコード(参考)】
4C037
4C055
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C037HA01
4C037HA03
4C055AA01
4C055BA02
4C055BA39
4C055CA02
4C055CA20
4C055DA01
4C055FA01
4C055GA10
4C063AA01
4C063BB01
4C063BB08
4C063CC58
4C063CC81
4C063CC92
4C063CC94
4C063CC97
4C063DD12
4C063DD58
4C063DD62
4C063DD75
4C063DD81
4C063DD92
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA03
4C086BB02
4C086BB03
4C086BB04
4C086BC17
4C086BC28
4C086BC36
4C086BC67
4C086BC71
4C086BC82
4C086GA02
4C086GA04
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA10
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA16
4C086ZB11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ミクログリアからの炎症メディエーター産生の優れた抑制作用を有し、アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患の予防、治療に有用な新規化合物の提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物またはその塩。
(Het:単環式/二環式芳香族複素環。Z:H、C
1-6アルキル、またはHetと連結して環Qを形成。X、Y:H、OH、ハロゲンなど、または連結して隣接するCと共に環Wを形成。R:C
1-6アルキル、C
3-1
0シクロアルキルなど。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式中、
Hetは、置換されていてもよい単環式または二環式の芳香族複素環を示し、
Zは、水素原子もしくは置換されていてもよいC
1-6アルキルを示すか、またはHetと連結
して置換されていてもよい環Qを形成していてもよく、
XおよびYは、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン、置換されていてもよ
いC
1-6アルキル、置換されていてもよいC
3-10シクロアルキル、置換されていてもよいヘ
テロシクリル、置換されていてもよいC
1-6アルコキシ、置換されていてもよいC
3-10シク
ロアルキルオキシ、もしくは置換されていてもよいヘテロシクリルオキシを示すか、一緒
になってオキソもしくは置換されていてもよいイミノを形成するか、または互いに連結し
て隣接する炭素原子と共に、置換されていてもよい環Wを形成していてもよく、
Rは、置換されていてもよいC
1-6アルキル、置換されていてもよいC
3-10シクロアルキル
、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよいC
1-6アルコキシ、置換さ
れていてもよいC
3-10シクロアルキルオキシ、または置換されていてもよいヘテロシクリ
ルオキシを示す。
ただし、XおよびYが、ともに水素原子の場合、Hetは置換された単環式の芳香族複素環
を示す。]
で表される化合物またはその塩。
【請求項2】
Hetが、ハロゲン、C1-6アルキル、およびハロC1-6アルキルから選ばれる1~4個の置換
基で置換されていてもよい5~6員単環式または8~10員二環式の芳香族複素環である、請
求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
Zが、水素原子、もしくはC1-6アルキルであるか、またはHetと連結してC5-6シクロアル
カンである環Qを形成していてもよい、請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
XおよびYが、(1)ともに水素原子、(2)一方が水素原子、他方がヒドロキシ、(3
)一方がC1-6アルキル、他方がヒドロキシ、もしくは(4)一方が水素原子、他方がC1-6
アルコキシであるか、または(5)互いに連結して隣接する炭素原子と共に、1~2個のヒ
ドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキルで1~3個置換されていてもよい5員単環式
の非芳香族複素環である環Wを形成していてもよい、請求項1記載の化合物またはその塩
。
【請求項5】
Rが、C1-6アルコキシである、請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
Hetが、ハロゲン、C1-6アルキル、およびハロC1-6アルキルから選ばれる1~4個の置換
基で置換されていてもよい5~6員単環式または8~10員二環式の芳香族複素環であり、
Zが、水素原子、もしくはC1-6アルキルであるか、またはHetと連結してC5-6シクロアル
カンである環Qを形成していてもよく、
XおよびYが、(1)ともに水素原子、(2)一方が水素原子、他方がヒドロキシ、(3
)一方がC1-6アルキル、他方がヒドロキシ、もしくは(4)一方が水素原子、他方がC1-6
アルコキシであるか、または(5)互いに連結して隣接する炭素原子と共に、1~2個のヒ
ドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキルで1~3個置換されていてもよい5員単環式
の非芳香族複素環である環Wを形成していてもよく、
Rが、C1-6アルコキシである、請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
明細書の表1-1から表1-10に記載の実施例1~65の化合物から選択される、請
求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物またはその塩を含有する医薬。
【請求項9】
炎症メディエーター産生抑制剤である、請求項8記載の医薬。
【請求項10】
アルツハイマー病の予防または治療剤である、請求項8記載の医薬。
【請求項11】
請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物またはその塩の有効量を、哺乳動物に投与
することからなる、炎症メディエーター産生抑制の方法。
【請求項12】
請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物またはその塩の有効量を、哺乳動物に投与
することからなる、アルツハイマー病の予防または治療の方法。
【請求項13】
アルツハイマー病の予防または治療に使用するための、請求項1~7のいずれか1項に
記載の化合物またはその塩。
【請求項14】
アルツハイマー病の予防または治療剤を製造するための、請求項1~7のいずれか1項
に記載の化合物またはその塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミクログリアからの炎症メディエーター産生抑制作用を有し、アルツハイマ
ー病をはじめとする神経変性疾患の予防、治療剤として有用な新規な複素環化合物、それ
らを含有する医薬組成物などに関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病(AD)の進展には、脳内のアミロイドβタンパクやリン酸化タウタン
パクの関与が強く示唆されており、それら異常タンパクの生成・凝集過程において引き起
こされる脳内の免疫応答の調節異常もまた、AD病態の進行に大きな影響を与える可能性が
指摘されている(非特許文献1)。脳内の免疫機能を担当するのはミクログリアであり、
炎症反応の惹起に中心的な役割を果たしている。加齢に伴い増加したアミロイドβやリン
酸化タウ等により、脳内のミクログリアが活性化するが、この炎症反応が過剰に亢進する
と、炎症メディエーターが過剰に産生し、免疫細胞の機能障害、シナプス障害、さらに神
経細胞死を引き起こし、最終的に認知機能障害につながると考えられている。多くの炎症
メディエーターが、AD患者の脳や脳脊髄液において同定されている。パーキンソン病、レ
ビー小体型認知症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、前頭側頭葉型認知症、プリオ
ン病、多発性硬化症など各種神経変性疾患においても、活性化ミクログリアによる炎症メ
ディエーターの産生が観察されており、神経変性・病態の進行に寄与する可能性が指摘さ
れている(非特許文献2)。よって、ミクログリアからの炎症メディエーターの産生を抑
制することは重要であると考えられ、ミクログリアからの炎症メディエーター産生抑制剤
は、アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患の予防、治療剤となりうることが期待
される。ミクログリアからの炎症メディエーター産生抑制作用を示す化合物として非特許
文献3~7が報告されている。炎症メディエーター産生抑制作用を示す化合物として特許文
献1~3および非特許文献8~9が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2001/010826
【特許文献2】WO2016/181894
【特許文献3】WO2016/182036
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Nat Rev Neurosci, 2015, 16, 358
【非特許文献2】Nat Rev Immunol, 2014, 14, 463
【非特許文献3】Proc Natl Acad Sci U S A, 2010, 107, 6058
【非特許文献4】J Immunol, 2011, 186, 4443
【非特許文献5】ACS Chem Neurosci, 2016, 7, 1499
【非特許文献6】PLoS One, 2017, 12, e0180319
【非特許文献7】Neurochem Int, 2018, 119, 126
【非特許文献8】Bioorg Med Chem, 2008, 16, 3941
【非特許文献9】J Med Chem, 2011, 54, 4659
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ミクログリアからの炎症メディエーター産生抑制作用を有し、アルツハイマ
ー病をはじめとする神経変性疾患の予防、治療剤として有用な新規な複素環化合物を提供
することを目的とする。優れた炎症メディエーター産生抑制作用を有し、溶解性、膜透過
性、代謝安定性、薬物動態、中枢移行性、薬効発現、薬物相互作用、安全性の点で優れた
化合物は、医薬品として優れた効果を期待することができる。しかし現状では、優れた炎
症メディエーター産生抑制作用を有し、溶解性、膜透過性、代謝安定性、薬物動態、中枢
移行性、薬効発現、薬物相互作用、安全性の点で十分満足できる化合物は見出されていな
い。そこで、優れた炎症メディエーター産生抑制作用を有し、医薬品として十分に満足で
きる化合物の開発が望まれている。従って、本発明の目的は、優れた炎症メディエーター
産生抑制作用を有し、医薬品として十分に満足できる化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記の式(I)で示される化
合物またはその塩が、ミクログリアからの炎症メディエーターの産生に対して、優れた抑
制作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
式(I)
【化1】
[式中、
Hetは、置換されていてもよい単環式または二環式の芳香族複素環を示し、
Zは、水素原子もしくは置換されていてもよいC
1-6アルキルを示すか、またはHetと連結
して置換されていてもよい環Qを形成していてもよく、
XおよびYは、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン、置換されていてもよ
いC
1-6アルキル、置換されていてもよいC
3-10シクロアルキル、置換されていてもよいヘ
テロシクリル、置換されていてもよいC
1-6アルコキシ、置換されていてもよいC
3-10シク
ロアルキルオキシ、もしくは置換されていてもよいヘテロシクリルオキシを示すか、一緒
になってオキソもしくは置換されていてもよいイミノを形成するか、または互いに連結し
て隣接する炭素原子と共に、置換されていてもよい環Wを形成していてもよく、
Rは、置換されていてもよいC
1-6アルキル、置換されていてもよいC
3-10シクロアルキル、
置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよいC
1-6アルコキシ、置換され
ていてもよいC
3-10シクロアルキルオキシ、または置換されていてもよいヘテロシクリル
オキシを示す。
ただし、XおよびYが、ともに水素原子の場合、Hetは置換された単環式の芳香族複素環
を示す。]
で表される化合物またはその塩(本明細書中、化合物(I)と略記する場合がある)。
[2]Hetが、ハロゲン、C
1-6アルキル、およびハロC
1-6アルキルから選ばれる1~4個の
置換基で置換されていてもよい5~6員単環式または8~10員二環式の芳香族複素環である
、上記[1]記載の化合物またはその塩。
[3]Zが、水素原子、もしくはC
1-6アルキルであるか、またはHetと連結してC
5-6シクロ
アルカンである環Qを形成していてもよい、上記[1]記載の化合物またはその塩。
[4]XおよびYが、(1)ともに水素原子、(2)一方が水素原子、他方がヒドロキシ、
(3)一方がC
1-6アルキル、他方がヒドロキシ、もしくは(4)一方が水素原子、他方が
C
1-6アルコキシであるか、または(5)互いに連結して隣接する炭素原子と共に、1~2個
のヒドロキシで置換されていてもよいC
1-6アルキルで1~3個置換されていてもよい5員単
環式の非芳香族複素環である環Wを形成していてもよい、上記[1]記載の化合物または
その塩。
[5]Rが、C
1-6アルコキシである、上記[1]記載の化合物またはその塩。
[6]Hetが、ハロゲン、C
1-6アルキル、およびハロC
1-6アルキルから選ばれる1~4個の
置換基で置換されていてもよい5~6員単環式または8~10員二環式の芳香族複素環であり
、
Zが、水素原子、もしくはC
1-6アルキルであるか、またはHetと連結してC
5-6シクロアル
カンである環Qを形成していてもよく、
XおよびYが、(1)ともに水素原子、(2)一方が水素原子、他方がヒドロキシ、(3
)一方がC
1-6アルキル、他方がヒドロキシ、もしくは(4)一方が水素原子、他方がC
1-6
アルコキシであるか、または(5)互いに連結して隣接する炭素原子と共に、1~2個のヒ
ドロキシで置換されていてもよいC
1-6アルキルで1~3個置換されていてもよい5員単環式
の非芳香族複素環である環Wを形成していてもよく、
Rが、C
1-6アルコキシである、上記[1]記載の化合物またはその塩
[7]実施例1~65に示す化合物から選択される、上記[1]記載の化合物またはその
塩
[8]上記[1]~[7]のいずれか1項に記載の化合物またはその塩を含有する医薬。
[9]炎症メディエーター産生抑制剤である、上記[8]記載の医薬。
[10]アルツハイマー病の予防または治療剤である、上記[8]記載の医薬。
[11]上記[1]~[7]のいずれか1項に記載の化合物またはその塩の有効量を、哺
乳動物に投与することからなる、炎症メディエーター産生抑制の方法。
[12]上記[1]~[7]のいずれか1項に記載の化合物またはその塩の有効量を、哺
乳動物に投与することからなる、アルツハイマー病の予防または治療の方法。
[13]アルツハイマー病の予防または治療に使用するための、上記[1]~[7]のい
ずれか1項に記載の化合物またはその塩。
[14]アルツハイマー病の予防または治療剤を製造するための、上記[1]~[7]の
いずれか1項に記載の化合物またはその塩の使用。
【発明の効果】
【0007】
本発明化合物は、ミクログリアからの炎症メディエーター産生に対して、優れた抑制作
用を有し、アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患の予防、治療剤として有用であ
る。さらに、本発明化合物は、溶解性、膜透過性、代謝安定性、薬物動態、中枢移行性、
薬効発現、薬物相互作用、安全性の点でも優れている。
【発明の詳細な説明】
【0008】
本明細書における用語の定義は、以下の通りである。
各基の説明は、当該基が他の基の一部を構成する場合にも該当する。
本明細書中、「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
本明細書中、「C1-6アルキル」は、1~6個の炭素原子を有する、非環式の飽和炭化水素
基を指す。C1-6アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル(
プロパン-2-イル)、ブチル、sec-ブチル(ブタン-2-イル)、イソブチル(2-メチルプロ
ピル)、tert-ブチル、ペンチル、sec-ペンチル(ペンタン-2-イル)、イソペンチル(3-
メチルブチル)、tert-ペンチル(2-メチルブタン-2-イル)、ネオペンチル(2,2-ジメチ
ルプロピル)、3-ペンチル(ペンタン-3-イル)、ヘキシル、イソヘキシル(4-メチルペ
ンチル)、2-メチルペンタン-2-イル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2-エ
チルブチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロC1-6アルキル」は、1個以上のハロゲンで置換されたC1-6アルキル
を指す。ハロC1-6アルキルとしては、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリ
フルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオ
ロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピ
ルが挙げられる。
【0009】
本明細書中、「C3-10シクロアルキル」は、炭素原子からなる3~10個の環原子を有する
、単環式、二環式、または三環式の飽和炭化水素基を指す。単環式のC3-10シクロアルキ
ルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル
、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。二環式のC3-10シクロアルキルとして
は、例えば、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、スピロ[2.2]ペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチ
ル、スピロ[3.3]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチルが挙げ
られる。三環式のC3-10シクロアルキルとしては、例えば、アダマンチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロC3-10シクロアルキル」は、1個以上のハロゲンで置換されたC3-10
シクロアルキルを指す。ハロC3-10シクロアルキルとしては、例えば、2,2-ジフルオロシ
クロプロピル、3,3-ジフルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロペンチル、4,4-ジフ
ルオロシクロヘキシルが挙げられる。
本明細書中、「C2-6アルケニル」としては、例えば、エテニル(ビニル)、1-プロペニ
ル、2-プロペニル(アリル)、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル
、2-メチル-1-プロペニル、1-ペンテニル、4-ペンテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ヘキ
セニル、5-ヘキセニル、4-メチル-3-ペンテニルが挙げられる。
本明細書中、「C5-10シクロアルケニル」としては、例えば、1-シクロペンテニル、1-
シクロヘキセニル、1-シクロヘプテニル、1-シクロオクテニルが挙げられる。
本明細書中、「C2-6アルキニル」としては、例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロ
ピニル(プロパルギル)、1-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペ
ンチニル、1-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニルが挙げられる。
本明細書中、「アリール」は、炭素原子からなる6~14個の環原子を有する、単環式、
二環式、または三環式の芳香族炭化水素基を指す。アリールとしては、例えば、フェニル
、1-ナフチル、2-ナフチル、9-アントリルが挙げられる。
【0010】
本明細書中、「ヘテロアリール」は、5~14個の環原子を有する、単環式、二環式、ま
たは三環式の芳香族複素環基を指し、ここで1個以上の環原子は、独立して窒素、酸素、
または硫黄から選ばれるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素である。一つの実施形態
では、「ヘテロアリール」は、5~6個の環原子を有する、単環式の芳香族複素環基である
。別の実施形態では、「ヘテロアリール」は、8~10個の環原子を有する、二環式の芳香
族複素環基である。「ヘテロアリール」は、窒素または炭素の環原子を介して結合できる
。単環式のヘテロアリールとしては、例えば、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル
、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、1,2,
3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル
、1,2,5-オキサジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,3,4-チ
アジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1,
3,5-トリアジニルが挙げられる。二環式のヘテロアリールとしては、例えば、インドリル
、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベン
ゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベン
ゾトリアゾリル、2,1,3-ベンゾオキサジアゾリル、プリニル、ピロロピリジニル、フロピ
リジニル、チエノピリジニル、ピラゾロピリジニル、イミダゾピリジニル、オキサゾロピ
リジニル、チアゾロピリジニル、トリアゾロピリジニル、ピロロピリダジニル、フロピリ
ダジニル、チエノピリダジニル、ピラゾロピリダジニル、イミダゾピリダジニル、オキサ
ゾロピリダジニル、チアゾロピリダジニル、トリアゾロピリダジニル、ピロロピリミジニ
ル、フロピリミジニル、チエノピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリミジ
ニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、トリアゾロピリミジニル、ピロ
ロピラジニル、フロピラジニル、チエノピラジニル、ピラゾロピラジニル、イミダゾピラ
ジニル、オキサゾロピラジニル、チアゾロピラジニル、トリアゾロピラジニル、ピロロト
リアジニル、ピラゾロトリアジニル、イミダゾトリアジニル、トリアゾロトリアジニル、
イミダゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサ
リニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プテリジニルが挙げられる。
【0011】
本明細書中、「ヘテロシクリル」は、3~14個の環原子を有する、単環式、二環式、ま
たは三環式の、飽和または部分的に飽和した複素環基を指し、ここで1個以上の環原子は
、独立して窒素、酸素、または硫黄から選ばれるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素
である。一つの実施形態では、「ヘテロシクリル」は、3~14(好ましくは3~8、より好
ましくは4~7)個の環原子を有する、単環式の、飽和または部分的に飽和した複素環基で
ある。別の実施形態では、「ヘテロシクリル」は、5~14(好ましくは8~12、より好まし
くは8~10)個の環原子を有する、二環式の、飽和または部分的に飽和した複素環基であ
る。「ヘテロシクリル」は、窒素または炭素の環原子を介して結合できる。「ヘテロシク
リル」には、縮合-ヘテロシクリル、スピロ-ヘテロシクリル、および架橋-ヘテロシクリ
ルが含まれる。縮合-ヘテロシクリルは、二つの環が2個の環原子を介して連結したヘテロ
シクリルを指す。スピロ-ヘテロシクリルは、二つの環が1個の環原子を介して連結したヘ
テロシクリルを指す。架橋-ヘテロシクリルは、二つの環が3個以上の環原子を介して連結
したヘテロシクリルを指す。単環式のヘテロシクリルとしては、例えば、アジリジニル、
オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、
テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニ
ル、チアニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、アゾカニル、オキソカニル、チ
オカニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、ジオキサニル、ジチアニル、ピペラジニル、
モルホリニル、チオモルホリニル、ジアゼパニル、オキサゼパニル、チアゼパニル、ピラ
ゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリニル、イ
ミダゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピラ
ニル、ジヒドロチオピラニル、ジヒドロピリジニル、ピラニル、チオピラニルが挙げられ
る。二環式の縮合-ヘテロシクリルとしては、例えば、インドリニル、イソインドリニル
、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、テトラヒドロインダゾリル、
テトラヒドロベンゾイミダゾリル、テトラヒドロベンゾオキサゾリル、テトラヒドロベン
ゾチアゾリル、テトラヒドロベンゾトリアゾリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒド
ロイソキノリニル、テトラヒドロキナゾリニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒ
ドロベンゾアゼピニル、6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-a]イミダゾリル、5,6,7,8-テトラ
ヒドロ-1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピラジニル、6,7-ジヒドロ-5H-イミダゾ[2,1-b][1,3]チ
アジニルが挙げられる。二環式のスピロ-ヘテロシクリルとしては、例えば、2-オキサス
ピロ[3.3]ヘプタニル、5-アザスピロ[2.4]ヘプタニル、2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナ
ニルが挙げられる。二環式の架橋-ヘテロシクリルとしては、例えば、キヌクリジニル、8
-アザビシクロ[3.2.1]オクタニルが挙げられる。
【0012】
本明細書中、「C1-6アルキルカルボニル」としては、例えば、アセチル、プロパノイル
(プロピオニル)、ブタノイル(ブチリル)、2-メチルプロパノイル(イソブチリル)、
ペンタノイル(バレリル)、2-メチルブタノイル、3-メチルブタノイル(イソバレリル)
、2,2-ジメチルプロパノイル(ピバロイル)、ヘキサノイル、ヘプタノイルが挙げられる
。
本明細書中、「ハロC1-6アルキルカルボニル」としては、例えば、クロロアセチル、ト
リクロロアセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、3,3,3-トリフルオロプ
ロパノイル、4,4,4-トリフルオロブタノイルが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキルカルボニル」としては、例えば、シクロプロピル
カルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカル
ボニルが挙げられる。
本明細書中、「ハロC3-10シクロアルキルカルボニル」としては、例えば、2,2-ジフル
オロシクロプロピルカルボニル、3,3-ジフルオロシクロブチルカルボニル、3,3-ジフルオ
ロシクロペンチルカルボニル、4,4-ジフルオロシクロヘキシルカルボニルが挙げられる。
【0013】
本明細書中、「アリールカルボニル」としては、例えば、ベンゾイル、ナフタレン-1-
カルボニル、ナフタレン-2-カルボニルが挙げられる。
本明細書中、「ヘテロアリールカルボニル」としては、例えば、ピラゾール-4-カルボ
ニル、ピリジン-4-カルボニル、ピリジン-3-カルボニルが挙げられる。
本明細書中、「ヘテロシクリルカルボニル」としては、例えば、オキセタン-3-カルボ
ニル、ピロリジン-2-カルボニル、ピロリジン-1-カルボニル、ピペリジン-4-カルボニル
、モルホリン-4-カルボニルが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルコキシカルボニル」としては、例えば、メトキシカルボニル、
エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカル
ボニル、sec-ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル
、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルが挙げられる。
【0014】
本明細書中、「モノまたはジ(C1-6アルキル)カルバモイル」としては、例えば、メチ
ルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイ
ル、ブチルカルバモイル、sec-ブチルカルバモイル、イソブチルカルバモイル、tert-ブ
チルカルバモイル、ペンチルカルバモイル、ヘキシルカルバモイル、ジメチルカルバモイ
ル、エチル(メチル)カルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジプロピルカルバモイル、ジ
イソプロピルカルバモイル、ジブチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(ハロC1-6アルキル)カルバモイル」としては、例えば、
2,2,2-トリフルオロエチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(C3-10シクロアルキル)カルバモイル」としては、例え
ば、シクロプロピルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(ハロC3-10シクロアルキル)カルバモイル」としては、
例えば、3,3-ジフルオロシクロブチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(アリール)カルバモイル」としては、例えば、フェニル
カルバモイルが挙げられる。
【0015】
本明細書中、「モノまたはジ(ヘテロアリール)カルバモイル」としては、例えば、(
ピリジン-4-イル)カルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(ヘテロシクリル)カルバモイル」としては、例えば、(
オキセタン-3-イル)カルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルコキシ」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ
、イソプロポキシ(プロパン-2-イルオキシ)、ブトキシ、sec-ブトキシ(ブタン-2-イル
オキシ)、イソブトキシ(2-メチルプロポキシ)、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘ
キシルオキシが挙げられる。
本明細書中、「ハロC1-6アルコキシ」としては、1個以上のハロゲンで置換されたC1-6
アルコキシを指す。ハロC1-6アルコキシとしては、例えば、ジフルオロメトキシ、トリフ
ルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、3,3,3-トリフルオロプロポキシが挙げら
れる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキルオキシ」としては、例えば、シクロプロポキシ、
シクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書中、「ハロC3-10シクロアルキルオキシ」としては、例えば、2,2-ジフルオロ
シクロプロピルオキシ、3,3-ジフルオロシクロブチルオキシ、3,3-ジフルオロシクロペン
チルオキシ、4,4-ジフルオロシクロヘキシルオキシが挙げられる。
【0016】
本明細書中、「アリールオキシ」としては、例えば、フェノキシが挙げられる。
本明細書中、「ヘテロアリールオキシ」としては、例えば、(ピリジン-4-イル)オキシ
が挙げられる。
本明細書中、「ヘテロシクリルオキシ」としては、例えば、(オキセタン-3-イル)オキ
シが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキルカルボニルオキシ」としては、例えば、アセチルオキシが
挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキルスルホニルオキシ」としては、例えば、メチルスルホニル
オキシが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(C1-6アルキル)アミノ」としては、例えば、メチルアミ
ノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、sec-ブチルア
ミノ、イソブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ジメ
チルアミノ、エチル(メチル)アミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピ
ルアミノ、ジブチルアミノが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(ハロC1-6アルキル)アミノ」としては、例えば、2,2,2-
トリフルオロエチルアミノ、3,3,3-トリフルオロプロピルアミノが挙げられる。
【0017】
本明細書中、「モノまたはジ(C3-10シクロアルキル)アミノ」としては、例えば、シ
クロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミ
ノが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(ハロC3-10シクロアルキル)アミノ」としては、例えば
、2,2-ジフルオロシクロプロピルアミノ、3,3-ジフルオロシクロブチルアミノ、3,3-ジフ
ルオロシクロペンチルアミノ、4,4-ジフルオロシクロヘキシルアミノが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(アリール)アミノ」としては、例えば、アニリノが挙げ
られる。
本明細書中、「モノまたはジ(ヘテロアリール)アミノ」としては、例えば、(ピリジ
ン-4-イル)アミノが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(ヘテロシクリル)アミノ」としては、例えば、(オキセ
タン-3-イル)アミノが挙げられる。
【0018】
本明細書中、「C1-6アルキルカルボニルアミノ」としては、例えば、アセチルアミノ、
プロパノイルアミノ、ブタノイルアミノ、2-メチルプロパノイルアミノ、ペンタノイルア
ミノ、2-メチルブタノイルアミノ、3-メチルブタノイルアミノ、2,2-ジメチルプロパノイ
ルアミノ、ヘキサノイルアミノ、ヘプタノイルアミノが挙げられる。
本明細書中、「ハロC1-6アルキルカルボニルアミノ」としては、例えば、クロロアセチ
ルアミノ、トリクロロアセチルアミノ、ジフルオロアセチルアミノ、トリフルオロアセチ
ルアミノ、3,3,3-トリフルオロプロパノイルアミノ、4,4,4-トリフルオロブタノイルアミ
ノが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキルカルボニルアミノ」としては、例えば、シクロプ
ロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルア
ミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノが挙げられる。
本明細書中、「ハロC3-10シクロアルキルカルボニルアミノ」としては、例えば、2,2-
ジフルオロシクロプロピルカルボニルアミノ、3,3-ジフルオロシクロブチルカルボニルア
ミノ、3,3-ジフルオロシクロペンチルカルボニルアミノ、4,4-ジフルオロシクロヘキシル
カルボニルアミノが挙げられる。
本明細書中、「アリールカルボニルアミノ」としては、例えば、ベンゾイルアミノ、(
ナフタレン-1-カルボニル)アミノ、(ナフタレン-2-カルボニル)アミノが挙げられる。
【0019】
本明細書中、「ヘテロアリールカルボニルアミノ」としては、例えば、(ピラゾール-4-
カルボニル)アミノ、(ピリジン-4-カルボニル)アミノ、(ピリジン-3-カルボニル)アミノ
が挙げられる。
本明細書中、「ヘテロシクリルカルボニルアミノ」としては、例えば、(オキセタン-3-
カルボニル)アミノ、(ピロリジン-2-カルボニル)アミノ、(ピロリジン-1-カルボニル)ア
ミノ、(ピペリジン-4-カルボニル)アミノ、(モルホリン-4-カルボニル)アミノが挙げられ
る。
本明細書中、「C1-6アルキルスルホニルアミノ」としては、例えば、メチルスルホニル
アミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ、イソプロピルスルホニル
アミノ、ブチルスルホニルアミノ、sec-ブチルスルホニルアミノ、イソブチルスルホニル
アミノ、tert-ブチルスルホニルアミノ、ペンチルスルホニルアミノ、ヘキシルスルホニ
ルアミノが挙げられる。
本明細書中、「ハロC1-6アルキルスルホニルアミノ」としては、例えば、ジフルオロメ
チルスルホニルアミノ、トリフルオロメチルスルホニルアミノ、2,2,2-トリフルオロエチ
ルスルホニルアミノ、3,3,3-トリフルオロプロピルスルホニルアミノが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキルスルホニルアミノ」としては、例えば、シクロプ
ロピルスルホニルアミノ、シクロブチルスルホニルアミノ、シクロペンチルスルホニルア
ミノ、シクロヘキシルスルホニルアミノが挙げられる。
【0020】
本明細書中、「ハロC3-10シクロアルキルスルホニルアミノ」としては、例えば、2,2-
ジフルオロシクロプロピルスルホニルアミノ、3,3-ジフルオロシクロブチルスルホニルア
ミノ、3,3-ジフルオロシクロペンチルスルホニルアミノ、4,4-ジフルオロシクロヘキシル
スルホニルアミノが挙げられる。
本明細書中、「アリールスルホニルアミノ」としては、例えば、(フェニルスルホニル)
アミノ、(ナフタレン-1-スルホニル)アミノ、(ナフタレン-2-スルホニル)アミノが挙げら
れる。
本明細書中、「ヘテロアリールスルホニルアミノ」としては、例えば、(ピラゾール-4-
スルホニル)アミノ、(ピリジン-4-スルホニル)アミノ、(ピリジン-3-スルホニル)アミノ
が挙げられる。
本明細書中、「ヘテロシクリルスルホニルアミノ」としては、例えば、(オキセタン-3-
スルホニル)アミノ、(ピロリジン-2-スルホニル)アミノ、(ピロリジン-1-スルホニル)ア
ミノ、(ピペリジン-4-スルホニル)アミノ、(モルホリン-4-スルホニル)アミノが挙げられ
る。
本明細書中、「C1-6アルキルスルファニル」としては、例えば、メチルスルファニル、
エチルスルファニル、プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、ブチルスルフ
ァニル、sec-ブチルスルファニル、イソブチルスルファニル、tert-ブチルスルファニル
、ペンチルスルファニル、ヘキシルスルファニルが挙げられる。
本明細書中、「ハロC1-6アルキルスルファニル」としては、例えば、ジフルオロメチル
スルファニル、トリフルオロメチルスルファニル、2,2,2-トリフルオロエチルスルファニ
ル、3,3,3-トリフルオロプロピルスルファニルが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキルスルファニル」としては、例えば、シクロプロピ
ルスルファニル、シクロブチルスルファニル、シクロペンチルスルファニル、シクロヘキ
シルスルファニルが挙げられる。
本明細書中、「ハロC3-10シクロアルキルスルファニル」としては、例えば、2,2-ジフ
ルオロシクロプロピルスルファニル、3,3-ジフルオロシクロブチルスルファニル、3,3-ジ
フルオロシクロペンチルスルファニル、4,4-ジフルオロシクロヘキシルスルファニルが挙
げられる。
本明細書中、「アリールスルファニル」としては、例えば、フェニルスルファニルが挙
げられる。
本明細書中、「ヘテロアリールスルファニル」としては、例えば、(ピリジン-4-イル)
スルファニルが挙げられる。
【0021】
本明細書中、「ヘテロシクリルスルファニル」としては、例えば、(オキセタン-3-イル
)スルファニルが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキルスルフィニル」としては、例えば、メチルスルフィニル、
エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフ
ィニル、sec-ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、tert-ブチルスルフィニル
、ペンチルスルフィニル、ヘキシルスルフィニルが挙げられる。
本明細書中、「ハロC1-6アルキルスルフィニル」としては、例えば、ジフルオロメチル
スルフィニル、トリフルオロメチルスルフィニル、2,2,2-トリフルオロエチルスルフィニ
ル、3,3,3-トリフルオロプロピルスルフィニルが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキルスルフィニル」としては、例えば、シクロプロピ
ルスルフィニル、シクロブチルスルフィニル、シクロペンチルスルフィニル、シクロヘキ
シルスルフィニルが挙げられる。
【0022】
本明細書中、「ハロC3-10シクロアルキルスルフィニル」としては、例えば、2,2-ジフ
ルオロシクロプロピルスルフィニル、3,3-ジフルオロシクロブチルスルフィニル、3,3-ジ
フルオロシクロペンチルスルフィニル、4,4-ジフルオロシクロヘキシルスルフィニルが挙
げられる。
本明細書中、「アリールスルフィニル」としては、例えば、フェニルスルフィニルが挙
げられる。
本明細書中、「ヘテロアリールスルフィニル」としては、例えば、(ピリジン-4-イル)
スルフィニルが挙げられる。
本明細書中、「ヘテロシクリルスルフィニル」としては、例えば、(オキセタン-3-イル
)スルフィニルが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキルスルホニル」としては、例えば、メチルスルホニル、エチ
ルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、sec-
ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、ペンチルスルホニ
ル、ヘキシルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「ハロC1-6アルキルスルホニル」としては、例えば、ジフルオロメチルス
ルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、2,2,2-トリフルオロエチルスルホニル、3,3,
3-トリフルオロプロピルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキルスルホニル」としては、例えば、シクロプロピル
スルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル、シクロヘキシルスル
ホニルが挙げられる。
【0023】
本明細書中、「ハロC3-10シクロアルキルスルホニル」としては、例えば、2,2-ジフル
オロシクロプロピルスルホニル、3,3-ジフルオロシクロブチルスルホニル、3,3-ジフルオ
ロシクロペンチルスルホニル、4,4-ジフルオロシクロヘキシルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「アリールスルホニル」としては、例えば、フェニルスルホニルが挙げら
れる。
本明細書中、「ヘテロアリールスルホニル」としては、例えば、(ピリジン-4-イル)ス
ルホニルが挙げられる。
本明細書中、「ヘテロシクリルスルホニル」としては、例えば、(オキセタン-3-イル)
スルホニルが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(C1-6アルキル)スルファモイル」としては、例えば、メ
チルスルファモイル、エチルスルファモイル、プロピルスルファモイル、イソプロピルス
ルファモイル、ブチルスルファモイル、sec-ブチルスルファモイル、イソブチルスルファ
モイル、tert-ブチルスルファモイル、ペンチルスルファモイル、ヘキシルスルファモイ
ル、ジメチルスルファモイル、エチル(メチル)スルファモイル、ジエチルスルファモイル
、ジプロピルスルファモイル、ジイソプロピルスルファモイル、ジブチルスルファモイル
が挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(ハロC1-6アルキル)スルファモイル」としては、例えば
、2,2,2-トリフルオロエチルスルファモイルが挙げられる。
【0024】
本明細書中、「モノまたはジ(C3-10シクロアルキル)スルファモイル」としては、例
えば、シクロプロピルスルファモイルが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(ハロC3-10シクロアルキル)スルファモイル」としては
、例えば、3,3-ジフルオロシクロブチルスルファモイルが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(アリール)スルファモイル」としては、例えば、フェニ
ルスルファモイルが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(ヘテロアリール)スルファモイル」としては、例えば、
(ピリジン-4-イル)スルファモイルが挙げられる。
本明細書中、「モノまたはジ(ヘテロシクリル)スルファモイル」としては、例えば、
(オキセタン-3-イル)スルファモイルが挙げられる。
【0025】
本明細書中、「ジ(C1-6アルキル)ホスホリル」としては、例えば、ジメチルホスホリル
が挙げられる。
本明細書中、「ジ(C1-6アルコキシ)ホスホリル」としては、例えば、ジエトキシホスホ
リルが挙げられる。
本明細書中、「トリ(C1-6アルキル)シリル」としては、例えば、トリメチルシリルが挙
げられる。
本明細書中、「C1-6アルコキシイミノ」としては、例えば、メトキシイミノが挙げられ
る。
本明細書中、「ハロC1-6アルコキシイミノ」としては、例えば、(フルオロメトキシ)イ
ミノが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキルオキシイミノ」としては、例えば、シクロプロポ
キシイミノが挙げられる。
本明細書中、「ハロC3-10シクロアルキルオキシイミノ」としては、例えば、(3,3-ジフ
ルオロシクロブトキシ)イミノが挙げられる。
本明細書中、「アリールオキシイミノ」としては、例えば、フェノキシイミノが挙げら
れる。
本明細書中、「ヘテロアリールオキシイミノ」としては、例えば、(ピリジン-4-イルオ
キシ)イミノが挙げられる。
本明細書中、「ヘテロシクリルオキシイミノ」としては、例えば、(オキセタン-3-イル
オキシ)イミノが挙げられる。
【0026】
本明細書中、「C1-6アルキレン」は、1~6個の炭素原子を有する、非環式の飽和炭化
水素の炭素原子から、2個の水素原子を除くことによって誘導される、2価の非環式の飽和
炭化水素基を指す。C1-6アルキレン基としては、例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル
(エチレン)、エタン-1,1-ジイル、プロパン-1,3-ジイル(プロピレン)、プロパン-1,2
-ジイル、プロパン-1,1-ジイル、プロパン-2,2-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、ブタン-1,3
-ジイル、ブタン-1,2-ジイル、ブタン-1,1-ジイル、ブタン-2,2-ジイル、2-メチルプロパ
ン-1,2-ジイル、ペンタン-1,5-ジイル、ヘキサン-1,6-ジイルが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキレン」は、炭素原子からなる3~10個の環原子を有す
る、単環式の飽和炭化水素の炭素原子から、2個の水素原子を除くことによって誘導され
る、2価の単環式の飽和炭化水素基を指す。C3-10シクロアルキレン基としては、例えば、
シクロプロパン-1,1-ジイル、シクロプロパン-1,2-ジイル、シクロブタン-1,1-ジイル、
シクロブタン-1,2-ジイル、シクロブタン-1,3-ジイル、シクロペンタン-1,1-ジイル、シ
クロペンタン-1,2-ジイル、シクロペンタン-1,3-ジイル、シクロヘキサン-1,1-ジイル、
シクロヘキサン-1,2-ジイル、シクロヘキサン-1,3-ジイル、シクロヘキサン-1,4-ジイル
が挙げられる。
本明細書中、「C2-6アルケニレン」としては、例えば、エテン-1,2-ジイル、エテン-1,
1-ジイル、1-プロペン-1,3-ジイル、1-プロペン-1,2-ジイル、1-プロペン-1,1-ジイル、2
-プロペン-1,2-ジイル、2-プロペン-1,1-ジイル、1-ブテン-1,4-ジイル、2-ブテン-1,4-
ジイル、1-ペンテン-1,5-ジイル、2-ペンテン-1,5-ジイル、1-ヘキセン-1,6-ジイル、2-
ヘキセン-1,6-ジイル、3-ヘキセン-1,6-ジイルが挙げられる。
【0027】
本明細書中、「C2-6アルキニレン」としては、例えば、エチン-1,2-ジイル、1-プロピ
ン-1,3-ジイル、2-プロピン-1,1-ジイル、1-ブチン-1,4-ジイル、2-ブチン-1,4-ジイル、
1-ペンチン-1,5-ジイル、2-ペンチン-1,5-ジイル、1-ヘキシン-1,6-ジイル、2-ヘキシン-
1,6-ジイル、3-ヘキシン-1,6-ジイルが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルカン」は、炭素原子からなる3~10個の環原子を有する
、単環式、二環式、または三環式の飽和炭化水素基を指す。単環式のC3-10シクロアルカ
ンとしては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン
、シクロヘプタン、シクロオクタンが挙げられる。二環式のC3-10シクロアルカンとして
は、例えば、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、スピロ[2.2]ペンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン、スピロ[3.3]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタンが挙げ
られる。三環式のC3-10シクロアルカンとしては、例えば、アダマンタンが挙げられる。
本明細書中、「C5-10シクロアルケン」としては、例えば、シクロペンテン、シクロヘ
キセン、シクロヘプテン、シクロオクテンが挙げられる。
本明細書中、「アレーン」は、炭素原子からなる6~14個の環原子を有する、単環式、
二環式、または三環式の芳香族炭化水素を指す。アレーンとしては、例えば、ベンゼン、
ナフタレン、アントラセンが挙げられる。
【0028】
本明細書中、「芳香族複素環」は、5~14個の環原子を有する、単環式、二環式、また
は三環式の芳香族複素環を指し、ここで1個以上の環原子は、独立して窒素、酸素、また
は硫黄から選ばれるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素である。一つの実施形態では
、「芳香族複素環」は、5~6個の環原子を有する、単環式の芳香族複素環である。別の実
施形態では、「芳香族複素環」は、8~10個の環原子を有する、二環式の芳香族複素環で
ある。単環式の芳香族複素環としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾ
ール、イソオキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、
1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,4-チアジアゾ
ール、1,2,5-オキサジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,3,
4-チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,3,
5-トリアジンが挙げられる。二環式の芳香族複素環としては、例えば、インドール、ベン
ゾフラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチア
ゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾ
ール、2,1,3-ベンゾオキサジアゾール、プリン、ピロロピリジン、フロピリジン、チエノ
ピリジン、ピラゾロピリジン、イミダゾピリジン、オキサゾロピリジン、チアゾロピリジ
ン、トリアゾロピリジン、ピロロピリダジン、フロピリダジン、チエノピリダジン、ピラ
ゾロピリダジン、イミダゾピリダジン、オキサゾロピリダジン、チアゾロピリダジン、ト
リアゾロピリダジン、ピロロピリミジン、フロピリミジン、チエノピリミジン、ピラゾロ
ピリミジン、イミダゾピリミジン、オキサゾロピリミジン、チアゾロピリミジン、トリア
ゾロピリミジン、ピロロピラジン、フロピラジン、チエノピラジン、ピラゾロピラジン、
イミダゾピラジン、オキサゾロピラジン、チアゾロピラジン、トリアゾロピラジン、ピロ
ロトリアジン、ピラゾロトリアジン、イミダゾトリアジン、トリアゾロトリアジン、イミ
ダゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フ
タラジン、ナフチリジン、プテリジンが挙げられる。
【0029】
本明細書中、「非芳香族複素環」は、3~14個の環原子を有する、単環式、二環式、ま
たは三環式の、飽和または部分的に飽和した複素環を指し、ここで1個以上の環原子は、
独立して窒素、酸素、または硫黄から選ばれるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素で
ある。一つの実施形態では、「非芳香族複素環」は、3~14(好ましくは3~8、より好ま
しくは4~7)個の環原子を有する、単環式の、飽和または部分的に飽和した複素環である
。別の実施形態では、「非芳香族複素環」は、5~14(好ましくは8~12、より好ましくは
8~10)個の環原子を有する、二環式の、飽和または部分的に飽和した複素環である。「
非芳香族複素環」には、縮合-非芳香族複素環、スピロ-非芳香族複素環、および架橋-非
芳香族複素環が含まれる。縮合-非芳香族複素環は、二つの環が2個の環原子を介して連結
した非芳香族複素環を指す。スピロ-非芳香族複素環は、二つの環が1個の環原子を介して
連結した非芳香族複素環を指す。架橋-非芳香族複素環は、二つの環が3個以上の環原子を
介して連結した非芳香族複素環を指す。単環式の非芳香族複素環としては、例えば、アジ
リジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、テト
ラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、チアン、
アゼパン、オキセパン、チエパン、アゾカン、オキソカン、チオカン、ジオキソラン、ジ
チオラン、ジオキサン、ジチアン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ジアゼパ
ン、オキサゼパン、チアゼパン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、オキサゾリジン、チア
ゾリジン、ピラゾリン、イミダゾリン、オキサゾリン、チアゾリン、テトラヒドロピリジ
ン、ジヒドロピラン、ジヒドロチオピラン、ジヒドロピリジン、ピラン、チオピランが挙
げられる。二環式の縮合-非芳香族複素環としては、例えば、インドリン、イソインドリ
ン、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、テトラヒドロインダゾール、テ
トラヒドロベンゾイミダゾール、テトラヒドロベンゾオキサゾール、テトラヒドロベンゾ
チアゾール、テトラヒドロベンゾトリアゾール、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイ
ソキノリン、テトラヒドロキナゾリン、テトラヒドロキノキサリン、テトラヒドロベンゾ
アゼピン、6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-a]イミダゾール、5,6,7,8-テトラヒドロ-1,2,4-
トリアゾロ[4,3-a]ピラジン、6,7-ジヒドロ-5H-イミダゾ[2,1-b][1,3]チアジンが挙げら
れる。二環式のスピロ-非芳香族複素環としては、例えば、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン
、5-アザスピロ[2.4]ヘプタン、2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナンが挙げられる。二環
式の架橋-非芳香族複素環としては、例えば、キヌクリジン、8-アザビシクロ[3.2.1]オク
タンが挙げられる。
【0030】
本明細書中、「置換されていてもよい」は、当該基が、化学的に置換可能な位置で置換
されている場合と、非置換(置換可能な位置が全て水素原子)の場合の両方を指す。
本明細書中、「置換された」は、当該基が、化学的に置換可能な位置で置換されている
場合を指す。
本明細書中、「置換されていてもよいC1-6アルキル」としては、例えば、下記リストA
から選ばれる置換基を1~5個有していてもよいC1-6アルキルが挙げられる。置換基の数が
2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいC3-10シクロアルキル」としては、例えば、下記
リストAから選ばれる置換基を1~5個有していてもよいC3-10シクロアルキルが挙げられる
。置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいヘテロシクリル」としては、例えば、下記リスト
Aから選ばれる置換基を1~5個有していてもよいヘテロシクリルが挙げられる。置換基の
数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいC1-6アルコキシ」としては、例えば、下記リスト
Aから選ばれる置換基を1~5個有していてもよいC1-6アルコキシが挙げられる。置換基の
数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいC3-10シクロアルキルオキシ」としては、例えば
、下記リストAから選ばれる置換基を1~5個有していてもよいC3-10シクロアルキルオキシ
が挙げられる。置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていても
よい。
本明細書中、「置換されていてもよいヘテロシクリルオキシ」としては、例えば、下記
リストAから選ばれる置換基を1~5個有していてもよいヘテロシクリルオキシが挙げられ
る。置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0031】
本明細書中、「置換されていてもよいイミノ」としては、例えば、下記リストAから選
ばれる置換基を1個有していてもよいイミノが挙げられる。
【0032】
[リストA]
ハロゲン、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、ハロC3-10シクロア
ルキル、C2-6アルケニル、C5-10シクロアルケニル、C2-6アルキニル、アリール、ヘテロ
アリール、ヘテロシクリル、ホルミル、C1-6アルキルカルボニル、ハロC1-6アルキルカル
ボニル、C3-10シクロアルキルカルボニル、ハロC3-10シクロアルキルカルボニル、アリー
ルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、C1
-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノまたはジ(C1-6アルキル)カルバモイル、モ
ノまたはジ(ハロC1-6アルキル)カルバモイル、モノまたはジ(C3-10シクロアルキル)カル
バモイル、モノまたはジ(ハロC3-10シクロアルキル)カルバモイル、モノまたはジ(アリー
ル)カルバモイル、モノまたはジ(ヘテロアリール)カルバモイル、モノまたはジ(ヘテロシ
クリル)カルバモイル、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ、C3-10シクロ
アルキルオキシ、ハロC3-10シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオ
キシ、ヘテロシクリルオキシ、ホルミルオキシ、C1-6アルキルカルボニルオキシ、C1-6ア
ルキルスルホニルオキシ、アミノ、モノまたはジ(C1-6アルキル)アミノ、モノまたはジ(
ハロC1-6アルキル)アミノ、モノまたはジ(C3-10シクロアルキル)アミノ、モノまたはジ(
ハロC3-10シクロアルキル)アミノ、モノまたはジ(アリール)アミノ、モノまたはジ(ヘテ
ロアリール)アミノ、モノまたはジ(ヘテロシクリル)アミノ、ホルミルアミノ、C1-6アル
キルカルボニルアミノ、ハロC1-6アルキルカルボニルアミノ、C3-10シクロアルキルカル
ボニルアミノ、ハロC3-10シクロアルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ
、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロシクリルカルボニルアミノ、C1-6アルキルス
ルホニルアミノ、ハロC1-6アルキルスルホニルアミノ、C3-10シクロアルキルスルホニル
アミノ、ハロC3-10シクロアルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテ
ロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、スルファニル、C1-6ア
ルキルスルファニル、ハロC1-6アルキルスルファニル、C3-10シクロアルキルスルファニ
ル、ハロC3-10シクロアルキルスルファニル、アリールスルファニル、ヘテロアリールス
ルファニル、ヘテロシクリルスルファニル、C1-6アルキルスルフィニル、ハロC1-6アルキ
ルスルフィニル、C3-10シクロアルキルスルフィニル、ハロC3-10シクロアルキルスルフィ
ニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロシクリルスルフィニ
ル、C1-6アルキルスルホニル、ハロC1-6アルキルスルホニル、C3-10シクロアルキルスル
ホニル、ハロC3-10シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールス
ルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、スルホ、スルファモイル、モノまたはジ(C1-6ア
ルキル)スルファモイル、モノまたはジ(ハロC1-6アルキル)スルファモイル、モノまたは
ジ(C3-10シクロアルキル)スルファモイル、モノまたはジ(ハロC3-10シクロアルキル)スル
ファモイル、モノまたはジ(アリール)スルファモイル、モノまたはジ(ヘテロアリール)ス
ルファモイル、モノまたはジ(ヘテロシクリル)スルファモイル、ジ(C1-6アルキル)ホスホ
リル、ホスホノ、ジ(C1-6アルコキシ)ホスホリル、トリ(C1-6アルキル)シリル、シアノ、
ニトロ、ペンタフルオロスルファニル、オキソ、ヒドロキシイミノ、C1-6アルコキシイミ
ノ、ハロC1-6アルコキシイミノ、C3-10シクロアルキルオキシイミノ、ハロC3-10シクロア
ルキルオキシイミノ、アリールオキシイミノ、ヘテロアリールオキシイミノ、ヘテロシク
リルオキシイミノ
【0033】
本明細書中、「本発明化合物」は、式(I)で示される化合物(化合物(I))および
その下位式、ならびにそれらの塩を指し、それらの立体異性体、互変異性体、溶媒和物、
同位体標識化合物、プロドラッグを包含する。
【0034】
式(I)の各記号について、以下に詳述する。
[1]Hetは、置換されていてもよい単環式または二環式の芳香族複素環を示す。
Hetで示される「置換されていてもよい単環式の芳香族複素環」としては、例えば、前
記リストAから選ばれる置換基を1~4個有していてもよい、前記「芳香族複素環」の単環
式のものが挙げられる。置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっ
ていてもよい。
Hetで示される「置換されていてもよい二環式の芳香族複素環」としては、例えば、前
記リストAから選ばれる置換基を1~5個有していてもよい、前記「芳香族複素環」の二環
式のものが挙げられる。置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっ
ていてもよい。
Hetは、好ましくは、置換されていてもよい5~6員単環式(例、フラン、チオフェン、
ピラゾール、イソオキサゾール、チアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジ
アゾール、ピリジン)または8~10員二環式(例、ベンゾチオフェン、キノリン)の芳香
族複素環である。
Hetは、より好ましくは、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素)、C1-6アルキル(例、
メチル)、およびハロC1-6アルキル(例、トリフルオロメチル)から選ばれる1~4個の置
換基で置換されていてもよい5~6員単環式(例、フラン、チオフェン、ピラゾール、イソ
オキサゾール、チアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、ピリジ
ン)または8~10員二環式(例、ベンゾチオフェン、キノリン)の芳香族複素環である。
Hetは、さらに好ましくは、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素)およびC1-6アルキル
(例、メチル)から選ばれる置換基を1~3個有していてもよい、5員単環式(例、フラン
、チオフェン、ピラゾール、イソオキサゾール、チアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、
1,2,5-オキサジアゾール)または9員二環式(例、ベンゾチオフェン)の芳香族複素環で
ある。
Hetは、特に好ましくは、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素)およびC1-6アルキル(
例、メチル)から選ばれる置換基を1~3個有していてもよいチオフェンまたはベンゾチオ
フェンである。
Hetは、最も好ましくは、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素)およびC1-6アルキル(例
、メチル)から選ばれる置換基を1~3個有するチオフェンである。
【0035】
[2]Zは、水素原子、もしくは置換されていてもよいC1-6アルキルを示すか、またはHet
と連結して置換されていてもよい環Qを形成していてもよい。
ZとHetが連結して形成される環Qは、2個の環原子と1本の結合をHetと共有し、二環式の
縮合環を形成する。以下の環Qの説明において、環Q内の共有する2個の環原子間の結合は
、単結合として解釈する。例えば、環QとHetからなる二環式の縮合環が、4,5,6,7-テトラ
ヒドロ-1-ベンゾチオフェンである場合、環Qはシクロヘキサン、Hetはチオフェンとして
記述する。
環Qとしては、C5-10シクロアルカン、C5-10シクロアルケン、および非芳香族複素環が
挙げられる。
環Qは、前記リストAから選ばれる置換基を1~5個有していてもよい。置換基の数が2個
以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
環Qは、好ましくは、C5-10シクロアルカン(例、シクロペンタン、シクロヘキサン)、
より好ましくは、C5-6シクロアルカン(例、シクロペンタン、シクロヘキサン)である。
【0036】
Zは、好ましくは、水素原子、もしくは置換されていてもよいC1-6アルキル(例、メチ
ル)であるか、またはHetと連結して置換されていてもよいC5-10シクロアルカン(好まし
くはC5-6シクロアルカン(例、シクロペンタン、シクロヘキサン))である環Qを形成し
ていてもよい。
Zは、より好ましくは、水素原子、もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6
アルキル(例、メチル)であるか、またはHetと連結してC5-10シクロアルカン(好ましく
はC5-6シクロアルカン(例、シクロペンタン、シクロヘキサン))である環Qを形成して
いてもよい。
Zは、さらに好ましくは、水素原子、もしくはC1-6アルキル(例、メチル)であるか、
またはHetと連結してC5-6シクロアルカン(例、シクロペンタン、シクロヘキサン)であ
る環Qを形成していてもよい。
Zは、特に好ましくは、水素原子、もしくはC1-6アルキル(例、メチル)であるか、また
はHetと連結してシクロペンタンまたはシクロヘキサンを形成していてもよい。
【0037】
[3]XおよびYは、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン、置換されていて
もよいC1-6アルキル、置換されていてもよいC3-10シクロアルキル、置換されていてもよ
いヘテロシクリル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいC3-10
シクロアルキルオキシ、もしくは置換されていてもよいヘテロシクリルオキシを示すか、
一緒になってオキソもしくは置換されていてもよいイミノを形成するか、または互いに連
結して置換されていてもよい環Wを形成していてもよい。
【0038】
XおよびYが互いに連結して形成される「置換されていてもよい環W」の「環W」としては
、C3-10シクロアルカン、C5-10シクロアルケン、および非芳香族複素環が挙げられる。
環Wは、例えば、前記リストAから選ばれる置換基を1~5個有していてもよい。置換基の
数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。また当該置換基は
、さらに置換されていてもよく、前記リストAから選ばれる置換基を1~3個有していても
よい。置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
環Wは、好ましくは、3~14員単環式の非芳香族複素環(例、ジオキソラン、ジチオラン
)である。より好ましくは、4~7員単環式の非芳香族複素環(例、ジオキソラン、ジチオ
ラン)である。
【0039】
XおよびYは、好ましくは、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、置換されていても
よいC1-6アルキル(例、メチル、エチル)、置換されていてもよいC3-10シクロアルキル
、置換されていてもよいC1-6アルコキシ(例、メトキシ)、もしくは置換されていてもよ
いC3-10シクロアルキルオキシであるか、一緒になってオキソを形成するか、または互い
に連結して隣接する炭素原子と共に、置換されていてもよい3~14員単環式の非芳香族複
素環(好ましくは、4~7員単環式の非芳香族複素環(例、ジオキソラン、ジチオラン))
である環Wを形成していてもよい。
XおよびYは、より好ましくは、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、置換されてい
てもよいC1-6アルキル(例、メチル、エチル)、置換されていてもよいC1-6アルコキシ(
例、メトキシ)であるか、または互いに連結して隣接する炭素原子と共に、置換されてい
てもよい4~7員単環式の非芳香族複素環(例、ジオキソラン、ジチオラン)である環Wを
形成していてもよい。
XおよびYは、さらに好ましくは、(1)ともに水素原子、(2)一方が水素原子、他方
がヒドロキシ、(3)一方が置換されていてもよいC1-6アルキル(例、メチル、エチル)
、他方がヒドロキシ、もしくは(4)一方が水素原子、他方が置換されていてもよいC1-6
アルコキシであるか、または(5)互いに連結して隣接する炭素原子と共に、置換されて
いてもよい5員単環式の非芳香族複素環(例、ジオキソラン、ジチオラン)である環Wを形
成していてもよい。
XおよびYは、特に好ましくは、(1)ともに水素原子、(2)一方が水素原子、他方が
ヒドロキシ、(3)一方がC1-6アルキル(例、メチル、エチル)、他方がヒドロキシ、も
しくは(4)一方が水素原子、他方がC1-6アルコキシであるか、または(5)互いに連結
して隣接する炭素原子と共に、1~2個のヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキル
で1~3個置換されていてもよい5員単環式の非芳香族複素環(例、ジオキソラン、ジチオ
ラン)である環Wを形成していてもよい。
XおよびYは、最も好ましくは、(1)一方が水素原子、他方がヒドロキシ、(2)一方
がC1-6アルキル(例、メチル、エチル)、他方がヒドロキシ、もしくは(3)一方が水素
原子、他方がC1-6アルコキシであるか、または(4)互いに連結して隣接する炭素原子と
共に、1~2個のヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキルで1~3個置換されていて
もよいジオキソランまたはジチオランを形成していてもよい。
【0040】
[4]Rは、置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいC3-10シクロアル
キル、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置
換されていてもよいC3-10シクロアルキルオキシ、または置換されていてもよいヘテロシ
クリルオキシを示す。
【0041】
Rは、好ましくは、置換されていてもよいC1-6アルコキシ(例、エトキシ)である。
Rは、より好ましくは、C1-6アルコキシ(例、エトキシ)である。
【0042】
好ましい化合物(I)としては、以下の化合物(I-1)~(I-11)が挙げられる
。
【0043】
化合物(I-1)
Hetが、置換されていてもよい5~6員単環式(例、フラン、チオフェン、ピラゾール、
イソオキサゾール、チアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、ピ
リジン)または8~10員二環式(例、ベンゾチオフェン、キノリン)の芳香族複素環であ
り、
Zが、水素原子、もしくは置換されていてもよいC1-6アルキル(例、メチル)であるか
、またはHetと連結して置換されていてもよいC5-10シクロアルカン(好ましくはC5-6シク
ロアルカン(例、シクロペンタン、シクロヘキサン))である環Qを形成していてもよく
、
XおよびYが、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、置換されていてもよいC1-6アル
キル(例、メチル、エチル)、置換されていてもよいC3-10シクロアルキル、置換されて
いてもよいC1-6アルコキシ(例、メトキシ)、もしくは置換されていてもよいC3-10シク
ロアルキルオキシであるか、一緒になってオキソを形成するか、または互いに連結して隣
接する炭素原子と共に、置換されていてもよい3~14員単環式の非芳香族複素環(好まし
くは、4~7員単環式の非芳香族複素環(例、ジオキソラン、ジチオラン))である環Wを
形成していてもよく、
Rが、置換されていてもよいC1-6アルコキシ(例、エトキシ)である、化合物(I)。
【0044】
化合物(I-2)
Hetが、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素)、C1-6アルキル(例、メチル)、および
ハロC1-6アルキル(例、トリフルオロメチル)から選ばれる1~4個の置換基で置換されて
いてもよい5~6員単環式(例、フラン、チオフェン、ピラゾール、イソオキサゾール、チ
アゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、ピリジン)または8~10
員二環式(例、ベンゾチオフェン、キノリン)の芳香族複素環であり;
Zが、水素原子、もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル(例、メチ
ル)であるか、またはHetと連結してC5-10シクロアルカン(好ましくはC5-6シクロアルカ
ン(例、シクロペンタン、シクロヘキサン))である環Qを形成していてもよく、
XおよびYが、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、置換されていてもよいC1-6アル
キル(例、メチル、エチル)、置換されていてもよいC1-6アルコキシ(例、メトキシ)で
あるか、または互いに連結して隣接する炭素原子と共に、置換されていてもよい4~7員単
環式の非芳香族複素環(例、ジオキソラン、ジチオラン)である環Wを形成していてよく
、
Rが、置換されていてもよいC1-6アルコキシ(例、エトキシ)である、化合物(I)。
【0045】
化合物(I-3)
Hetが、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素)、C1-6アルキル(例、メチル)、および
ハロC1-6アルキル(例、トリフルオロメチル)から選ばれる1~4個の置換基で置換されて
いてもよい5~6員単環式(例、フラン、チオフェン、ピラゾール、イソオキサゾール、チ
アゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、ピリジン)または8~10
員二環式(例、ベンゾチオフェン、キノリン)の芳香族複素環であり;
Zが、水素原子、もしくはC1-6アルキル(例、メチル)であるか、またはHetと連結してC5
-6シクロアルカン(例、シクロペンタン、シクロヘキサン)である環Qを形成していても
よく、
XおよびYが、(1)ともに水素原子、(2)一方が水素原子、他方がヒドロキシ、(3
)一方が置換されていてもよいC1-6アルキル(例、メチル、エチル)、他方がヒドロキシ
、もしくは(4)一方が水素原子、他方が置換されていてもよいC1-6アルコキシであるか
、または(5)互いに連結して隣接する炭素原子と共に、置換されていてもよい5員単環
式の非芳香族複素環(例、ジオキソラン、ジチオラン)である環Wを形成していてもよく
、
Rが、C1-6アルコキシ(例、エトキシ)である、化合物(I)。
【0046】
化合物(I-4)
Hetが、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素)、C1-6アルキル(例、メチル)、および
ハロC1-6アルキル(例、トリフルオロメチル)から選ばれる1~4個の置換基で置換されて
いてもよい5~6員単環式(例、フラン、チオフェン、ピラゾール、イソオキサゾール、チ
アゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、ピリジン)または8~10
員二環式(例、ベンゾチオフェン、キノリン)の芳香族複素環であり、
Zが、水素原子、もしくはC1-6アルキル(例、メチル)であるか、またはHetと連結して
C5-6シクロアルカン(例、シクロペンタン、シクロヘキサン)である環Qを形成していて
もよく、
XおよびYが、(1)ともに水素原子、(2)一方が水素原子、他方がヒドロキシ、(3
)一方がC1-6アルキル(例、メチル、エチル)、他方がヒドロキシ、もしくは(4)一方
が水素原子、他方がC1-6アルコキシであるか、または(5)互いに連結して隣接する炭素
原子と共に、1~2個のヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキルで1~3個置換され
ていてもよい5員単環式の非芳香族複素環(例、ジオキソラン、ジチオラン)である環Wを
形成していてもよく、
Rが、C1-6アルコキシ(例、エトキシ)である、化合物(I)。
【0047】
化合物(I-5)
Hetが、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素)およびC1-6アルキル(例、メチル)から
選ばれる置換基を1~3個有していてもよい、5員単環式(例、フラン、チオフェン、ピラ
ゾール、イソオキサゾール、チアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾ
ール)または9員二環式(例、ベンゾチオフェン)の芳香族複素環であり、
Zが、水素原子、もしくはC1-6アルキル(例、メチル)であるか、またはHetと連結して
C5-6シクロアルカン(例、シクロペンタン、シクロヘキサン)である環Qを形成していて
もよく、
XおよびYが、(1)ともに水素原子、(2)一方が水素原子、他方がヒドロキシ、(3
)一方がC1-6アルキル(例、メチル、エチル)、他方がヒドロキシ、もしくは(4)一方
が水素原子、他方がC1-6アルコキシであるか、または(5)互いに連結して隣接する炭素
原子と共に、1~2個のヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキルで1~3個置換され
ていてもよい5員単環式の非芳香族複素環(例、ジオキソラン、ジチオラン)である環Wを
形成していてもよく、
Rが、C1-6アルコキシ(例、エトキシ)である、化合物(I)。
【0048】
化合物(I-6)
Hetが、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素)およびC1-6アルキル(例、メチル)から
選ばれる置換基を1~3個有していてもよい、5員単環式(例、フラン、チオフェン、ピラ
ゾール、イソオキサゾール、チアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾ
ール)または9員二環式(例、ベンゾチオフェン)の芳香族複素環であり、
Zが、水素原子、もしくはC1-6アルキル(例、メチル)であるか、またはHetと連結して
シクロペンタンまたはシクロヘキサンを形成していてもよく、
XおよびYが、(1)ともに水素原子、(2)一方が水素原子、他方がヒドロキシ、(3
)一方がC1-6アルキル(例、メチル、エチル)、他方がヒドロキシ、もしくは(4)一方
が水素原子、他方がC1-6アルコキシであるか、または(5)互いに連結して隣接する炭素
原子と共に、1~2個のヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキルで1~3個置換され
ていてもよい5員単環式の非芳香族複素環(例、ジオキソラン、ジチオラン)である環Wを
形成していてもよく、
Rが、C1-6アルコキシ(例、エトキシ)である、化合物(I)。
【0049】
化合物(I-7)
Hetが、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素)およびC1-6アルキル(例、メチル)から
選ばれる置換基を1~3個有していてもよいチオフェンまたはベンゾチオフェンであり、
Zが、水素原子、もしくはC1-6アルキル(例、メチル)であるか、またはHetと連結してシ
クロペンタンまたはシクロヘキサンを形成していてもよく、
XおよびYが、(1)ともに水素原子、(2)一方が水素原子、他方がヒドロキシ、(3
)一方がC1-6アルキル(例、メチル、エチル)、他方がヒドロキシ、もしくは(4)一方
が水素原子、他方がC1-6アルコキシであるか、または(5)互いに連結して隣接する炭素
原子と共に、1~2個のヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキルで1~3個置換され
ていてもよい5員単環式の非芳香族複素環(例、ジオキソラン、ジチオラン)である環Wを
形成していてもよく、
Rが、C1-6アルコキシ(例、エトキシ)である、化合物(I)。
【0050】
化合物(I-8)
Hetが、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素)およびC1-6アルキル(例、メチル)から
選ばれる置換基を1~3個有するチオフェンであり、
Zが、水素原子、もしくはC1-6アルキル(例、メチル)であるか、またはHetと連結して
シクロペンタンまたはシクロヘキサンを形成していてもよく、
XおよびYが、(1)ともに水素原子、(2)一方が水素原子、他方がヒドロキシ、(3
)一方がC1-6アルキル(例、メチル、エチル)、他方がヒドロキシ、もしくは(4)一方
が水素原子、他方がC1-6アルコキシであるか、または(5)互いに連結して隣接する炭素
原子と共に、1~2個のヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキルで1~3個置換され
ていてもよい5員単環式の非芳香族複素環(例、ジオキソラン、ジチオラン)である環Wを
形成していてもよく、
Rが、C1-6アルコキシ(例、エトキシ)である、化合物(I)。
【0051】
化合物(I-9)
Hetが、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素)およびC1-6アルキル(例、メチル)から
選ばれる置換基を1~3個有していてもよい、5員単環式(例、フラン、チオフェン、ピラ
ゾール、イソオキサゾール、チアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾ
ール)または9員二環式(例、ベンゾチオフェン)の芳香族複素環であり、
Zが、水素原子、もしくはC1-6アルキル(例、メチル)であるか、またはHetと連結して
シクロペンタンまたはシクロヘキサンを形成していてもよく、
XおよびYが、(1)一方が水素原子、他方がヒドロキシ、(2)一方がC1-6アルキル(
例、メチル、エチル)、他方がヒドロキシ、もしくは(3)一方が水素原子、他方がC1-6
アルコキシであるか、または(4)互いに連結して隣接する炭素原子と共に、1~2個のヒ
ドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキルで1~3個置換されていてもよいジオキソラ
ンまたはジチオランを形成していてもよく、
Rが、C1-6アルコキシ(例、エトキシ)である、化合物(I)。
【0052】
化合物(I-10)
Hetが、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素)およびC1-6アルキル(例、メチル)から
選ばれる置換基を1~3個有していてもよいチオフェンまたはベンゾチオフェンであり、
Zが、水素原子、もしくはC1-6アルキル(例、メチル)であるか、またはHetと連結して
シクロペンタンまたはシクロヘキサンを形成していてもよく、
XおよびYが、(1)一方が水素原子、他方がヒドロキシ、(2)一方がC1-6アルキル(
例、メチル、エチル)、他方がヒドロキシ、もしくは(3)一方が水素原子、他方がC1-6
アルコキシであるか、または(4)互いに連結して隣接する炭素原子と共に、1~2個のヒ
ドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキルで1~3個置換されていてもよいジオキソラ
ンまたはジチオランを形成していてもよく、
Rが、C1-6アルコキシ(例、エトキシ)である、化合物(I)。
【0053】
化合物(I-11)
Hetが、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素)およびC1-6アルキル(例、メチル)から
選ばれる置換基を1~3個有するチオフェンであり、
Zが、水素原子、もしくはC1-6アルキル(例、メチル)であるか、またはHetと連結して
シクロペンタンまたはシクロヘキサンを形成していてもよく、
XおよびYが、(1)一方が水素原子、他方がヒドロキシ、(2)一方がC1-6アルキル(
例、メチル、エチル)、他方がヒドロキシ、もしくは(3)一方が水素原子、他方がC1-6
アルコキシであるか、または(4)互いに連結して隣接する炭素原子と共に、1~2個のヒ
ドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキルで1~3個置換されていてもよいジオキソラ
ンまたはジチオランを形成していてもよく、
Rが、C1-6アルコキシ(例、エトキシ)である、化合物(I)。
【0054】
化合物(I)の具体例としては、実施例1~65の化合物が挙げられる。
[塩、溶媒和物、結晶、共結晶、同位体、異性体、光学異性体、プロドラッグ]
化合物(I)が塩である場合、その塩としては薬学的に許容される塩が好ましく、例え
ば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性
アミノ酸との塩が挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、リチウム塩、ナトリ
ウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、アンモ
ニウム塩が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、メチルアミン、ジメチルア
ミン、卜リメチルアミン、卜リエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、
ジエタノールアミン、卜リエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、
tert-プチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン
、エチレンジアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、メグルミンとの塩が挙げられ
る。無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、
リン酸、炭酸との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリ
フルオロ酢酸、安息香酸、マンデル酸、フタル酸、サリチル酸、フマル酸、酒石酸、マレ
イン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、プロピオン酸、ヘキサン
酸、オクタン酸、デカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸、エチレンジアミン四酢酸、メ
タンスルホン酸、エタンスルホン酸、カンファースルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-ト
ルエンスルホン酸、メチル硫酸との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例と
しては、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチンとの塩が挙げられる。酸性アミノ
酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸との塩が挙げられる。化合
物(I)の塩は、自体公知の方法に従い製造することができる。
【0055】
化合物(I)は、薬学的に許容される溶媒和物であっても、無溶媒和物であってもよい
。溶媒和物の好適な例としては、水和物またはエタノールもしくは酢酸との溶媒和物が挙
げられる。
化合物(I)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であって
も、化合物(I)に包含される。化合物(I)の結晶は、自体公知の結晶化法に従い製造
することができる。
化合物(I)は、薬学的に許容されるコフォーマーとの共結晶であってもよい。コフォ
ーマーの好適な例としては、安息香酸、サリチル酸、4-ヒドロキシ安息香酸、2,5-ジヒド
ロキシ安息香酸、バニリン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、プロリンが
挙げられる。化合物(I)の共結晶は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができ
る。
化合物(I)は、同位元素(例、11C、13N、15O、 18F、2H、13C、15N、17O、18O、3
H、14C、32P、33P、35S、125I)で標識されていてもよい。
【0056】
化合物(I)に、立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、光学異性体、配置
異性体(configurational isomer)、シス-トランス異性体(cis-trans isomer)、配座
異性体(conformer)、回転異性体(rotamer)、互変異性体(tautomer)等の異性体が存
在する場合には、いずれか一方の異性体も、異性体の混合物も化合物(I)に包含される
。化合物(I)のこれら異性体は、自体公知の方法により製造することができる。
【0057】
化合物(I)に、光学異性体が存在する場合には、いずれか一方の光学異性体も、光学
異性体の混合物も化合物(I)に包含される。化合物(I)の光学異性体は、自体公知の
方法、例えば、「Stereoselective Synthesis of Drugs and Natural Products, Wiley (
2013)」等に記載された方法により製造することができる。具体的には、光学分割、不斉
合成、光学活性な出発原料の利用、またはこれらの組み合わせにより、化合物(I)の光
学異性体を製造することができる。光学分割には、自体公知の方法、例えば、キラルカラ
ム法、ジアステレオマー塩法、速度論的分割法等が用いられる。キラルカラム法では、光
学異性体の混合物を、キラルカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーまたは超臨界流
体クロマトグラフィーにより分離する。キラルカラム法の例は、「Chiral Separation Te
chniques: A Practical Approach, 3rd edition, Wiley-VCH (2007)」等に示されている
。キラルカラムとしては、例えば、CHIRALCEL(ダイセル)、CHIRALPAK(ダイセル)等が
用いられる。溶離液としては、例えば、ヘキサン、2-プロパノール、エタノール、メタノ
ール、アセトニトリル、酢酸エチル、トリフルオロ酢酸、ジエチルアミン、水、二酸化炭
素等を単独あるいは混合した溶液が用いられる。ジアステレオマー塩法では、光学異性体
の混合物と光学分割剤とでジアステレオマー塩を形成させ、ジアステレオマー塩間の溶解
度差を利用して、分別結晶することで一方のジアステレオマー塩を分離する。得られたジ
アステレオマー塩を分解することにより、目的の光学異性体を得ることができる。光学分
割剤としては、例えば、「CRC Handbook of Optical Resolutions via Diastereomeric S
alt Formation, CRC Press (2002)」等に記載されているようなものが用いられる。塩基
性化合物を光学分割する場合は、酸性分割剤(例、マンデル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒
石酸、カンファースルホン酸)が用いられ、酸性化合物を光学分割する場合は、塩基性分
割剤(1-フェネチルアミン、シンコニン、シンコニジン、キニン、キニジン)が用いられ
る。速度論的分割法は、酵素を用いる方法と、キラル反応剤またはキラル触媒を用いる方
法に分類される。本法では、光学異性体間の反応速度差を利用して、一方の光学異性体を
分離する。本法では、原料基質にラセミ体を用いた場合、分離される光学異性体の最大収
率は50%である。速度論的分割と原料基質のラセミ化を組み合わせた動的速度論的分割に
おいては、その最大収率の制限を克服することができる。酵素としては、例えば、リパー
ゼ(例、Lipase PS Amano SD、Lipase AK Amano)、固定化リパーゼ(例、Lipase PS IM
Amano、Chirazyme L-2 C4、Novozyme 435)等が用いられる。
【0058】
化合物(I)は、プロドラッグであってもよい。化合物(I)のプロドラッグは、生体
内において加水分解、酸化、還元等を起こして化合物(I)に変換する化合物をいう。化
合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のヒドロキシ基がアルキル化(例、ホ
スホノオキシメチル)、アシル化(例、アセチル、スクシニル、バリル、ジエチルアミノ
メチルカルボニル、エトキシカルボニル、ジメチルアミノカルボニル)、スルホニル化(
例、イソプロピルスルホニル、スルファモイル)、ホスホリル化(例、ホスホノ)された
化合物;化合物(I)のアミノ基がアルキル化(例、オキソラン-2-イル、(5-メチル-2-
オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル、スルホメチル、ホスホノオキシメチル)、ア
シル化(例、アラニル、エトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、(5-メチル-2-
オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メトキシカルボニル)、ホスホリル化(例、ホスホノ
)された化合物;化合物(I)のカルボキシ基がエステル化(例、エチル、ピバロイルオ
キシメチル、1-(エトキシカルボニルオキシ)エチル、1-フタリジル、(5-メチル-2-オキソ
-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル)された化合物等が挙げられる。これらの化合物は自
体公知の方法に従い、化合物(I)から製造することができる。また化合物(I)のプロ
ドラッグは、例えば、「Prodrugs: Challenges and Rewards, Springer (2007)」、「Pro
drugs and Targeted Delivery: Towards Better ADME Properties, Wiley-VCH (2011)」
、「The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, 3rd edition, Academic
Press (2014)、「The Practice of Medicinal Chemistry, 4th edition, Academic Press
(2015)」に記載されているような、生体内において化合物(I)に変換するものであっ
てもよい。
【0059】
[医薬組成物]
本発明化合物は、本発明化合物を単独で、または本発明化合物と薬学的に許容される1
以上の担体を混合し、医薬組成物として使用することができる。薬学的に許容される担体
としては、「Aulton’s Pharmaceutics: The Design and Manufacture of Medicines, 5t
h edition, Elsevier (2018)」等に記載されているような、自体公知の担体、例えば、賦
形剤(例、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、リン酸
一水素カルシウム、炭酸カルシウム、セルロース、デンプン)、崩壊剤(例、デンプン、
セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシ
メチルセルロースナトリウム)、結合剤(例、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、スクロース、デンプン、セル
ロース、メチルセルロース)、滑沢剤(例、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、
ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、流
動パラフィン、タルク、シリカ)、溶剤(例、精製水、滅菌精製水、注射用水、注射用蒸
留水、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、オ
レイン酸エチル)、酸化防止剤(例、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜
硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、トコフェロール)、防腐剤(例、ベンザルコニウム塩
化物、安息香酸、ベンジルアルコール、クロロブタノール、クロロクレゾール、クレゾー
ル、チメロサール、パラオキシ安息香酸エステル)、pH調整剤(例、クエン酸ナトリウム
、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム
、塩酸、硫酸、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム)、等張化剤(例、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、マンニトール、デキストロース、グリセロール)、乳化剤(多糖類(
例、アラビアゴム、メチルセルロース)、リン脂質(例、レシチン)、ステロール(例、
ラノリン、コレステロール、コレステロールエステル)、微粉固体(例、水酸化アルミニ
ウム、ベントナイト)、アルキル硫酸塩(例、ラウリル硫酸ナトリウム)、脂肪酸塩(例
、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カルシウム)、第四級アンモニウム塩(例、臭化
セチルトリメチルアンモニウム)、ポリエチレングリコールアルキルエーテル(例、セト
マクロゴール1000)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例、ステアリン酸ポリエ
チレングリコール40)、ソルビタン脂肪酸エステル(例、オレイン酸ソルビタン)、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例、ポリソルベート80)、ポリエチレングリ
コール-ポリプロピレングリコール-ブロック共重合体(例、ポロキサマー)、脂肪アルコ
ール(例、セタノール)、脂肪酸(例、ステアリン酸)、グリセリン脂肪酸エステル(例
、ステアリン酸グリセリル))、コーティング剤、可溶化剤、無痛化剤、着色剤、甘味剤
、香料等が挙げられる。
【0060】
本発明化合物を含有する医薬組成物(本明細書中、「本発明の医薬」と略記する)は、
自体公知の剤形、例えば、錠剤(例、素錠、フィルムコーティング錠、糖衣錠、多層錠、
有核錠、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠)、カプセル剤(例、硬
カプセル剤、軟カプセル剤)、顆粒剤、散剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、経口ゼリー剤
、口腔用錠剤(例、トローチ剤、舌下錠、バッカル錠、付着錠)、注射剤(例、皮下注射
剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、静脈注射剤、点滴静脈注射剤、髄腔内注射剤、関節内注射
剤、眼内注射剤)、吸入剤(例、吸入粉末剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤)、点眼剤、
点鼻剤(例、点鼻粉末剤、点鼻液剤)、経鼻剤、坐剤、ローション剤、軟膏剤、クリーム
剤、ゲル剤、貼付剤(例、テープ剤、パップ剤)等に製剤化することができる。本発明の
医薬は、例えば、即放性製剤、腸溶性製剤、徐放性製剤等であってもよい。本発明の医薬
の製剤は、自体公知の方法、例えば、日本薬局方に記載の方法等により製造することがで
きる。本発明の医薬の錠剤は、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング
剤等の担体を、本発明化合物と混合して製造することができる。必要に応じて、例えば、
防腐剤、酸化防止剤、着色剤、甘味剤、香料等が混合される。本発明の医薬の注射剤は、
例えば、溶剤、乳化剤、pH調整剤、等張化剤等の担体を、本発明化合物と混合して製造す
ることができる。必要に応じて、例えば、防腐剤、酸化防止剤、可溶化剤、無痛化剤等が
混合される。本発明の医薬中の本発明化合物の含有量は、製剤、投与量等により異なるが
、例えば、約0.01~100重量%である。
【0061】
本発明の医薬は、哺乳動物(例、ヒト、ラット、マウス、ウシ、ウサギ、ウマ、ヒツジ
、サル、イヌ、ブタ、ネコ、モルモット。好ましくはヒト)に経口的に、または非経口的
(例、皮下、静脈内、髄腔内)に投与することができる。本発明の医薬の有効投与量は、
疾患、種、年齢、体重、投与経路等により異なる。例えば、神経変性疾患(例、アルツハ
イマー病)の成人患者(体重約60 kg)に経口投与する場合、1日当りの投与量は、本発明
化合物として約0.1~10000 mg、好ましくは約1~1000 mg、より好ましくは約1~500 mg、
さらに好ましくは約1~300 mg、さらにより好ましくは約1~100 mgであり、この投与量を
1日1回から6回に分けて投与し得る。
【0062】
[使用方法]
本発明化合物は、ミクログリアからの優れた炎症メディエーター産生抑制作用を有する
ことから、アルツハイマー病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、筋萎縮性側索硬化
症、ハンチントン病、前頭側頭葉型認知症、プリオン病、多発性硬化症などの神経変性疾
患の予防または治療剤として有用であり得る。本発明化合物は、好ましくは、アルツハイ
マー病の予防または治療剤として有用であり得る。
本発明化合物は、溶解性、膜透過性、代謝安定性、薬物動態、中枢移行性、薬効発現、
薬物相互作用、安全性の点でも優れており、医薬として有用であり得る。
【0063】
本発明化合物は、優れた炎症メディエーター産生抑制作用を有することから、例えば、
以下から選択される疾患の予防または治療剤としても有用であり得る。
(1)神経系疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハン
チントン病、脊髄性筋萎縮症、進行性核上性麻痺、前頭側頭葉型認知症、ピック病、レビ
ー小体型認知症、多発性硬化症、てんかん、片頭痛、血管性認知症、多系統萎縮症、プリ
オン病、末梢神経障害)
(2)自己炎症性疾患(例、家族性地中海熱(FMF)、TNF受容体関連周期性症候群(TRAP
S)、高IgD症候群(HIDS)/メバロン酸キナーゼ欠損症(MKD)、クリオピリン関連周期熱
症候群(CAPS)、家族性寒冷自己炎症性症候群(FCAS)、Muckle-Wells症候群、慢性乳児
神経皮膚関節症候群(CINCA症候群)、Blau症候群/若年発症サルコイドーシス、化膿性無
菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群(PAPA症候群)、Majeed症候群/慢性再発性多
発性骨髄炎、NLRP12関連周期熱症候群(NAPS12)、Nakajo-Nishimura症候群、IL-1受容体
アンタゴニスト欠損症(DIRA)、IL-36受容体アンタゴニスト欠損症(DITRA)、CARD14異
常症、PLCG2関連抗体欠損免疫異常症、HOIL-1欠損症、STING関連血管炎、NLRC4異常症、A
DA2欠損症、Aicardi-Goutieres症候群、A20ハプロ不全症、周期性発熱・アフタ性口内炎
・咽頭炎・リンパ節炎症候群(PFAPA症候群))
【0064】
(3)炎症性疾患(例、脾臓炎、甲状腺炎、下垂体炎、副腎炎、胸腺炎、脳炎、白質脳炎
、辺縁系脳炎、脳幹脳炎、灰白髄炎、髄膜炎、脳膜炎、軟膜炎、くも膜炎、硬膜炎、脳室
炎、脊髄炎、脊髄膜炎、神経炎、神経節炎、神経根炎、眼炎、眼瞼炎、マイボーム腺炎、
涙腺炎、涙嚢炎、涙小管炎、角膜炎、結膜炎、ぶどう膜炎、虹彩炎、毛様体炎、脈絡膜炎
、網膜炎、強膜炎、眼内炎、眼球炎、硝子体炎、眼窩炎、視神経炎、外耳炎、外耳道炎、
鼓膜炎、中耳炎、鼓室炎、乳様突起炎、耳管炎、内耳炎、迷路炎、前庭炎、前庭神経炎、
聴神経炎、心炎、心内膜炎、心筋炎、心膜炎、心弁膜炎、血管炎、動脈炎、静脈炎、リン
パ管炎、リンパ節炎、鼻炎、鼻前庭炎、副鼻腔炎、上気道炎、咽頭炎、扁桃炎、口蓋扁桃
炎、咽頭扁桃炎、舌扁桃炎、喉頭蓋炎、喉頭炎、声帯炎、気管炎、気管支炎、細気管支炎
、肺炎、間質性肺炎、胸膜炎、縦隔炎、横隔膜炎、口内炎、口腔粘膜炎、口角炎、口唇炎
、舌炎、歯肉炎、歯周炎、歯髄炎、唾液腺炎、口蓋垂炎、食道炎、胃腸炎、胃炎、腸炎、
小腸炎、十二指腸炎、空腸炎、回腸炎、大腸炎、虫垂炎、盲腸炎、結腸炎、直腸炎、肛門
炎、憩室炎、腹膜炎、腹膜垂炎、漿膜炎、肝炎、胆嚢炎、胆管炎、門脈炎、膵炎、皮膚炎
、蜂巣炎、丹毒、爪囲炎、毛包炎、汗腺炎、関節炎、骨炎、骨髄炎、骨端炎、骨顆炎、骨
幹炎、骨膜炎、軟骨炎、軟骨膜炎、関節包炎、滑膜炎、滑液包炎、脊椎炎、椎間板炎、筋
炎、皮膚筋炎、筋膜炎、腱炎、腱鞘炎、腱膜炎、腱付着部炎、結合組織炎、脂肪組織炎、
腎炎、糸球体腎炎、腎盂腎炎、尿管炎、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、精巣炎、亀頭包皮炎
、乳腺炎、卵巣炎、卵管炎、子宮炎、子宮内膜炎、子宮筋層炎、子宮頸管炎、腟炎、外陰
炎、骨盤炎、臍炎)
【0065】
(4)自己免疫疾患(例、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、成人スチル病、薬剤
誘発性ループス、フェルティ症候群、若年性特発性関節炎、混合性結合組織病、乾癬性関
節炎、再発性多発軟骨炎、リウマチ熱、未分化結合組織病、IgG4関連疾患、サルコイドー
シス、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、抗NMDA受容体脳炎、Balo同心円硬化症、慢性
炎症性脱髄性多発神経炎、ギラン・バレー症候群、橋本脳症、ランバート・イートン筋無
力症候群、自己免疫性ぶどう膜炎、甲状腺眼症、視神経脊髄炎、交感性眼炎、自己免疫性
血管炎、ベーチェット病、多発血管炎性肉芽腫症、川崎病、ループス血管炎、リウマチ性
血管炎、血管炎、悪性貧血、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性
リンパ増殖症候群、自己免疫性好中球減少症、特発性血小板減少性紫斑病、エバンス症候
群、乾癬、円形脱毛症、自己免疫性蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、後天性表皮
水疱症、線状IgA水疱性皮膚症、尋常性天疱瘡、強皮症、重症筋無力症、皮膚筋炎、自己
免疫性萎縮性胃炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、自己免疫
性腸疾患、シェーグレン症候群、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性心筋炎、抗糸球体基底膜
腎炎、急速進行性糸球体腎炎、ループス腎炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、1
型糖尿病、自己免疫性膵炎、アジソン病、バセドウ病、橋本甲状腺炎、自己免疫性多内分
泌症候群)
【0066】
(5)感染症(例、敗血症、敗血症性ショック、細菌感染症、菌血症、ウイルス感染症、
ウイルス血症、真菌感染症、真菌血症、寄生虫感染症)
(6)がん(例、脳腫瘍、神経膠腫、眼腫瘍、聴器癌、口腔癌、舌癌、咽頭癌、喉頭癌、
甲状腺癌、食道癌、胃癌、消化管間質腫瘍、小腸癌、十二指腸癌、空腸癌、回腸癌、大腸
癌、結腸癌、直腸癌、肝癌、肝細胞癌、胆道癌、胆管癌、胆嚢癌、十二指腸乳頭部癌、膵
癌、膵管癌、腎癌、腎細胞癌、腎盂癌、尿管癌、膀胱癌、中皮腫、肺癌、胸腺腫、胸腺癌
、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、子宮体癌、子宮肉腫、卵巣癌、前立腺癌、白血病、骨髄異形
成症候群、骨髄増殖性腫瘍、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、キ
ャッスルマン病、多発性骨髄腫、肉腫、骨肉腫、軟部肉腫、皮膚癌、悪性黒色腫、基底細
胞癌、有棘細胞癌、神経内分泌腫瘍、原発不明がん)
【0067】
(7)造血器疾患(例、貧血、再生不良性貧血、サラセミア、鎌状赤血球症、血友病、播
種性血管内凝固症候群(DIC))
(8)内分泌疾患(例、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症)
(9)代謝疾患(例、1型糖尿病、2型糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、アミロイドーシ
ス、ライソゾーム病)
(10)眼科疾患(例、緑内障、加齢黄斑変性)
(11)精神疾患(例、統合失調症、うつ病、双極性障害、自閉スペクトラム症、注意欠
如多動症、不安症、不眠症、過眠症)
(12)循環器系疾患(例、高血圧症、肺高血圧症、低血圧症、アテローム硬化症、血栓
症、出血、不整脈、狭心症、心筋梗塞、心不全)
(13)呼吸器系疾患(例、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質
性肺炎、肺線維症、急性呼吸窮迫症候群)
(14)消化器系疾患(例、胃食道逆流症(GERD)、逆流性食道炎、消化性潰瘍、ヘリコ
バクター・ピロリ感染胃炎、感染性胃腸炎、機能性胃腸疾患、過敏性腸症候群(IBS)、
炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、クローン病、慢性肝疾患、ウイルス性肝炎、アル
コール性肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
、胆石症、急性膵炎、悪心・嘔吐、便秘、下痢)
【0068】
(15)皮膚疾患(例、皮膚感染症、水疱症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚
炎、刺激性接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、乾癬、蕁麻疹、日焼け、色素異常症、ざ瘡、脱毛
症)
(16)骨関節疾患(例、関節リウマチ、変形性関節症、強直性脊椎炎、骨粗鬆症、骨パ
ジェット病、骨軟化症、痛風、偽痛風)
(17)泌尿器系疾患(例、腎炎、糸球体腎炎、腎盂腎炎、慢性腎臓病、腎不全、腎・尿
管結石、糖尿病性腎症、尿路感染症、尿失禁、前立腺肥大症、子宮内膜症、不妊症)
(18)全身性疾患(例、全身性炎症反応症候群(SIRS))
(19)疼痛(例、がん性疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、中枢神経障害性
疼痛、末梢神経障害性疼痛)
【0069】
[併用療法]
本発明化合物は、一つ以上の他の薬物(併用薬物)と共に用いることができる。併用薬
物は、例えば、化学化合物、ペプチド、抗体、タンパク、核酸、糖鎖、細胞であり、それ
自身の治療効果を示すか、または、本発明化合物の治療効果を増強し得る。本発明化合物
と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明化合物は、併用薬物と同時に、または併用薬
物より前に、または併用薬物の後に、投与することができる。本発明化合物と併用薬物は
、それぞれ別々の製剤として投与してもよいし、それぞれの活性成分を含む単一の製剤と
して投与してもよい。本発明化合物と併用薬物をそれぞれ別々の製剤として投与する場合
、それぞれの製剤の投与経路は同じであっても異なっていてもよい。併用薬物の投与量は
、臨床上用いられている用量を基準として、適宜選択することができる。本発明化合物と
併用薬物の配合比は、疾患、種、投与経路、製剤等により異なるが、例えば、本発明化合
物の1重量部に対して併用薬物を0.0001~10000重量部用いる。
【0070】
本発明化合物は、例えば、以下の薬物と共に用い得るが、これに限定されない。
(1)消化性潰瘍治療薬(制酸剤(例、炭酸水素ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム)、プロトンポンプ阻害薬(例、オメプラゾール、パントプラゾール、ラ
ンソプラゾール、ラベプラゾール、エソメプラゾール、デクスランソプラゾール、デクス
ラベプラゾール、ボノプラザン)、H2受容体拮抗薬(例、シメチジン、ラニチジン、ファ
モチジン、ニザチジン、ニペロチジン、ロキサチジン、ラフチジン)、プロスタグランジ
ン(例、ミソプロストール、エンプロスチル)、ムスカリン性アセチルコリン受容体拮抗
薬(例、ピレンゼピン、ブチルスコポラミン、プロパンテリン、チメピジウム、チキジウ
ム)、抗ピロリ菌薬(例、アモキシシリン、クラリスロマイシン、メトロニダゾール)、
スクラルファート、テプレノン、レバミピドなど)
【0071】
(2)機能性胃腸疾患治療薬(プロトンポンプ阻害薬、H2受容体拮抗薬、抗ピロリ菌薬、
トリメブチン、メトクロプラミド、ドンペリドン、イトプリド、モサプリド、アコチアミ
ドなど)
(3)過敏性腸症候群治療薬(ポリカルボフィルカルシウム、5-HT3受容体拮抗薬(例、
ラモセトロン)、グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬(例、リナクロチド)、トリメブ
チンなど)
(4)炎症性腸疾患治療薬(メサラジン、スルファサラジン、グルココルチコイド(例、
プレドニゾロン、ブデソニド)、カルシニューリン阻害薬(例、タクロリムス)、アザチ
オプリン、抗TNF-α抗体(例、インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ)、抗IL-1
2/23p40抗体(例、ウステキヌマブ)、抗α4β7インテグリン抗体(例、ベドリズマブ)
、JAK阻害薬(例、トファシチニブ)など)
(5)制吐薬(D2受容体拮抗薬(例、メトクロプラミド、ドンペリドン)、5-HT3受容体
拮抗薬(例、オンダンセトロン、グラニセトロン、パロノセトロン)、NK1受容体拮抗薬
(例、アプレピタント、ホスアプレピタント)、H1受容体拮抗薬(例、ジフェンヒドラミ
ン)など)
【0072】
(6)肝機能改善薬(グリチルリチンなど)
(7)B型肝炎治療薬(インターフェロン(例、インターフェロンα、インターフェロン
β、ペグインターフェロンα-2a、ペグインターフェロンα-2b)、逆転写酵素阻害薬(例
、ラミブジン、テノホビルジソプロキシル、アデホビルピボキシル、エンテカビル、テノ
ホビルアラフェナミド)など)
(8)C型肝炎治療薬(RDRP阻害薬(例、リバビリン)、NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬(例
、テラプレビル、シメプレビル、アスナプレビル、グラゾプレビル、パリタプレビル、グ
レカプレビル)、NS5A阻害薬(例、ダクラタスビル、レジパスビル、オムビタスビル、エ
ルバスビル、ベルパタスビル、ピブレンタスビル)、NS5Bポリメラーゼ阻害薬(例、ソホ
スブビル、ダサブビル)、レジパスビル+ソホスブビル、オムビタスビル+パリタプレビル
+リトナビル、エルバスビル+グラゾプレビル、ソホスブビル+ベルパタスビル、グレカプ
レビル+ピブレンタスビルなど)
(9)非アルコール性脂肪肝炎治療薬(FXR作動薬(例、obeticholic acid、cilofexor)
、ASK1阻害薬(例、selonsertib)、ACC阻害薬(例、firsocostat)、PPAR作動薬(例、e
lafibranor)など)
(10)胆道疾患治療薬(ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、トレピブト
ン、フロプロピオンなど)
【0073】
(11)膵疾患治療薬(ナファモスタット、カモスタット、ガベキサート、ウリナスタチ
ンなど)
(12)便秘薬(酸化マグネシウム、カルメロースナトリウム、ヒマシ油、センノシド、
エロビキシバット、ルビプロストンなど)
(13)止瀉薬(ロペラミド、ケイ酸アルミニウム、タンニン酸アルブミン、次硝酸ビス
マス、βガラクトシダーゼ、乳酸菌製剤、ベルベリンなど)
(14)糖尿病治療薬(インスリン(例、ヒトインスリン、インスリン グラルギン、イ
ンスリン デテミル、インスリン デグルデク、インスリン リスプロ、インスリン アスパ
ルト、イソフェンインスリン)、ビグアナイド(例、メトホルミン、ブホルミン)、DPP-
4阻害薬(例、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サキサグリプチン、アログリプチン
、リナグリプチン、ゲミグリプチン、エボグリプチン、テネリグリプチン、アナグリプチ
ン、オマリグリプチン、トレラグリプチン)、スルホニルウレア(例、トルブタミド、グ
リベンクラミド、グリクラジド、グリメピリド、レパグリニド、ナテグリニド、ミチグリ
ニド)、SGLT-2阻害薬(例、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、エンパグリフロジン
、エルツグリフロジン、イプラグリフロジン、ソタグリフロジン、ルセオグリフロジン、
トホグリフロジン)、α-グリコシダーゼ阻害薬(例、アカルボース、ミグリトール、ボ
グリボース)、GLP-1受容体作動薬(例、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド
、アルビグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、ベイナグルチド)、PPAR-γ作動薬
(例、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン)、アルドース還元酵素阻害薬(例、エパルレス
タット)など)
(15)抗肥満薬(フェンテルミン、マジンドール、オルリスタット、フェンテルミン+
トピラマート、ブプロピオン+ナルトレキソン、GLP-1受容体作動薬(例、リラグルチド)
など)
(16)低血糖症治療薬(ジアゾキシド、グルカゴン、オクトレオチドなど)
抗血小板薬(アスピリン、P2Y12受容体拮抗薬(例、クロピドグレル、チクロピジン、プ
ラスグレル)、PDE3阻害薬(例、シロスタゾール)など)
【0074】
(17)抗凝固薬(ヘパリン(例、ヘパリン、ダルテパリン、エノキサパリン、ナドロパ
リン)、ヘパリン中和剤(例、プロタミン)、ビタミンKエポキシド還元酵素阻害薬(例
、ワルファリン)、トロンビン阻害薬(例、ダビガトランエテキシラート、アルガトロバ
ン)、第Xa因子阻害薬(例、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバン)など)
(18)血栓溶解薬(ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、ウロキナーゼ、モンテプラ
ーゼなど)
(19)抗出血薬(トラネキサム酸、ビタミンK(例、フィトナジオン)、カルバゾクロ
ム、デスモプレシン、凝固第VIII因子(例、ヒト血液凝固第VIII因子、ルリオクトコグア
ルファ、エフラロクトコグアルファ、ルリオクトコグアルファペゴル)、凝固第IX因子(
例、ヒト血液凝固第IX因子、ノナコグアルファ、エフトレノナコグアルファ、ノナコグガ
ンマ、ノナコグベータペゴル、アルブトレペノナコグアルファ)、エミシズマブ、conciz
umab、fitusiranなど)
(20)造血薬(第一鉄塩、第一鉄塩+葉酸、葉酸、シアノコバラミン、ヒドロキソコバ
ラミン、赤血球造血因子(例、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンシー
タ、ダルベポエチンアルファ、エポエチンベータペゴル)、顆粒球コロニー刺激因子(例
、フィルグラスチム、レノグラスチム、ペグフィルグラスチム)、マクロファージコロニ
ー刺激因子(例、ミリモスチム)、顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(例、サル
グラモスチム)、トロンボポエチン受容体作動薬(例、ロミプロスチム、エルトロンボパ
グ)など)
【0075】
(21)降圧薬(カルシウムチャネル遮断薬(例、アムロジピン、ニカルジピン、ニフェ
ジピン、ジルチアゼム)、β受容体拮抗薬(例、プロプラノロール)、β1受容体拮抗薬
(例、アテノロール、ビソプロロール、メトプロロール)、αβ受容体拮抗薬(例、ラベ
タロール、カルベジロール)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(例、エナラプリル、リ
シノプリル)、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(例、ロサルタン、カンデサルタン、テ
ルミサルタン)、利尿薬(例、ヒドロクロロチアジド、スピロノラクトン)、レニン阻害
薬(例、アリスキレン)、α1受容体拮抗薬(例、ドキサゾシン、ブナゾシン、フェント
ラミン)、α2受容体作動薬(例、メチルドパ、クロニジン)、ヒドララジン、リシノプ
リル+アムロジピン、リシノプリル+ヒドロクロロチアジド、テルミサルタン+アムロジピ
ン、テルミサルタン+ヒドロクロロチアジドなど)
(22)利尿薬(ループ利尿薬(例、フロセミド、ブメタニド、トラセミド)、チアジド
系利尿薬(例、ヒドロクロロチアジド、トリクロルメチアジド、インダパミド)、ナトリ
ウムチャネル遮断薬(例、アミロリド、トリアムテレン)、ミネラルコルチコイド受容体
拮抗薬(例、スピロノラクトン、エプレレノン)、浸透圧利尿薬(例、マンニトール、イ
ソソルビド)、バソプレシン受容体拮抗薬(例、トルバプタン)など)
【0076】
(23)抗不整脈薬(リドカイン、メキシレチン、プロカインアミド、ジソピラミド、キ
ニジン、プロパフェノン、アプリンジン、シベンゾリン、ピルメノール、フレカイニド、
ピルシカイニド、ベプリジル、ベラパミル、ジルチアゼム、ソタロール、アミオダロン、
ニフェカラント、ナドロール、プロプラノロール、アトロピン、ATP、ジゴキシンなど)
(24)心不全治療薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬(例、エナラプリル、リシノプ
リル)、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(例、カンデサルタン)、利尿薬(例、フロセ
ミド、トラセミド、トリクロルメチアジド、スピロノラクトン、カンレノ酸、エプレレノ
ン、トルバプタン)、β1受容体拮抗薬(例、ビソプロロール)、αβ受容体拮抗薬(例
、カルベジロール)、抗不整脈薬(例、アミオダロン)、硝酸薬(例、ニトログリセリン
、硝酸イソソルビド、ニコランジル)、ジギタリス(例、ジゴキシン、メチルジゴキシン
、デスラノシド)、強心薬(ピモベンダン、デノパミン、ドカルパミン、ドブタミン、ド
パミン、ノルアドレナリン)、PDE3阻害薬(例、オルプリノン、ミルリノン)、カルペリ
チド、モルヒネなど)
(25)狭心症治療薬(硝酸薬(例、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ニコランジ
ル)、β受容体拮抗薬(例、プロプラノロール、カルテオロール)、β1受容体拮抗薬(
例、アテノロール、ビソプロロール、メトプロロール、アセブトロール)、αβ受容体拮
抗薬(例、カルベジロール、アロチノロール)、カルシウムチャネル遮断薬(例、アムロ
ジピン、ニフェジピン、ジルチアゼム、ベラパミル)、ジピリダモールなど)
【0077】
(26)心筋梗塞治療薬(硝酸薬、鎮痛薬、抗血小板薬、抗凝固薬、血栓溶解薬、β受容
体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、ミネラ
ルコルチコイド受容体拮抗薬、カルシウムチャネル遮断薬、脂質異常症薬、抗不整脈薬な
ど)
(27)末梢血管拡張薬(プロスタグランジンE1(例、アルプロスタジル、アルプロスタ
ジルアルファデクス、リマプロストアルファデクス)、プロスタグランジンI2(例、エポ
プロステノール、イロプロスト、ベラプロスト、トレプロスチニル)、ニコチン酸誘導体
(例、ニセリトロール、ニコチン酸、ニコモール)、エンドセリン受容体拮抗薬(例、ボ
センタン、アンブリセンタン、マシテンタン)、PDE5阻害薬(例、シルデナフィル、タダ
ラフィル)、グアニル酸シクラーゼ活性化薬(例、リオシグアト)など)
(28)昇圧薬(α1受容体作動薬(例、フェニレフリン)、αβ受容体作動薬(例、エ
チレフリン)、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(例、アメジニウム)、ドロキシドパ
など)
(29)脂質異常症治療薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬(例、シンバスタチン、ロバスタチ
ン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタ
チン)、胆汁酸吸着剤(例、コレスチラミン、コレスチミド)、小腸コレステロールトラ
ンスポーター阻害薬(例、エゼチミブ)、フィブラート(例、クロフィブラート、ベザフ
ィブラート、フェノフィブラート)、ニコチン酸誘導体(例、ニセリトロール、ニコチン
酸、ニコモール)、LDL異化促進剤(例、プロブコール)、オメガ-3脂肪酸(例、イコサ
ペント酸エチル、オメガ-3脂肪酸エチル)、抗PCSK9抗体(例、エボロクマブ、アリロク
マブ)、PCSK9 siRNA(例、inclisiran)など)
【0078】
(30)性ホルモン関連薬(性腺刺激ホルモン放出ホルモン受容体調節薬(例、ゴナドレ
リン、リュープロレリン、ゴセレリン、デガレリクス)、アンドロゲン薬(例、テストス
テロン、メチルテストステロン、テストステロンエナンタート、メテノロンアセタート)
、抗アンドロゲン薬(例、ビカルタミド、エンザルタミド、フルタミド、アパルタミド、
ダロルタミド、クロルマジノン酢酸エステル)、リアーゼ阻害薬(例、アビラテロン)、
5α還元酵素阻害薬(例、フィナステリド、デュタステリド)、エストロゲン薬(例、エ
ストラジオール、エストリオール、エチニルエストラジオール、エストラジオールシピオ
ナート、エストラジオール吉草酸エステル)、選択的エストロゲン受容体調節薬(例、ク
ロミフェン、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、バゼドキシフェン)、抗
エストロゲン薬(例、フルベストラント、メピチオスタン)、アロマターゼ阻害薬(例、
アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン)、プロゲステロン薬(例、プロゲス
テロン、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、ジドロゲステロン、ノルエチステロン
、ジエノゲスト)など)
(31)視床下部ホルモン関連薬(成長ホルモン放出抑制ホルモン(例、オクトレオチド
、ランレオチド)など)
(32)下垂体前葉ホルモン関連薬(成長ホルモン(例、ソマトロピン)、成長ホルモン
受容体拮抗薬(例、ペグビソマント)など)
(33)下垂体後葉ホルモン関連薬(バソプレシン(例、バソプレシン、デスモプレシン
)、オキシトシン(例、オキシトシン、カルベトシン)など)
【0079】
(34)副腎皮質ホルモン関連薬(ミネラルコルチコイド(例、アルドステロン、フルド
ロコルチゾン)、グルココルチコイド(例、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、プレドニゾ
ロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン)、3
β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素阻害薬(例、トリロスタン)、11β-水酸化酵素阻害
薬(例、メチラポン)など)
(35)子宮収縮薬(エルゴメトリン、ミソプロストール、ミフェプリストン+ミソプロ
ストール、オキシトシン、カルベトシンなど)
(36)過活動膀胱治療薬(ムスカリン性アセチルコリン受容体拮抗薬(例、オキシブチ
ニン、プロピベリン、トルテロジン、ソリフェナシン、フェソテロジン、イミダフェナシ
ン)、β3受容体作動薬(例、ミラベグロン、ビベグロン)など)
(37)前立腺肥大症・排尿障害治療薬(α1受容体拮抗薬(例、タムスロシン、シロド
シン、ナフトピジル、プラゾシン、テラゾシン、ウラピジル)、5α還元酵素阻害薬(例
、デュタステリド)、抗アンドロゲン薬(例、アリルエストレノール、クロルマジノン酢
酸エステル、ゲストノロンカプロン酸エステル)、PDE5阻害薬(例、タダラフィル)など
)
ED治療薬(PDE5阻害薬(例、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル)など)
(38)甲状腺疾患治療薬(甲状腺ホルモン(例、レボチロキシン、リオチロニン)、抗
甲状腺薬(例、プロピルチオウラシル、カルビマゾール、チアマゾール)、ヨウ素(ヨウ
化カリウム、ルゴール溶液)など)
【0080】
(39)抗菌薬(テトラサイクリン(例、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサ
イクリン、チゲサイクリン、エラバサイクリン、オマダサイクリン)、ペニシリン(例、
アンピシリン、アモキシシリン、アモキシシリン+クラブラン酸、ピペラシリン+タゾバク
タム、ベンジルペニシリン、ベンザチンベンジルペニシリン、プロカインベンジルペニシ
リン、フェノキシメチルペニシリン、クロキサシリン)、アンフェニコール(例、クロラ
ムフェニコール)、第1世代セファロスポリン(例、セファレキシン、セファゾリン)、
第2世代セファロスポリン(例、セフロキシム)、第3世代セファロスポリン(例、セフォ
タキシム、セフタジジム、セフトリアキソン、セフィキシム、セフタジジム+アビバクタ
ム)、第4世代セファロスポリン(例、セフェピム、セフトロザン+タゾバクタム)、第5
世代セファロスポリン(例、セフタロリン)、モノバクタム(例、アズトレオナム)、カ
ルバペネム(例、イミペネム+シラスタチン、メロペネム、メロペネム+バボルバクタム)
、トリメトプリム、スルファメトキサゾール+トリメトプリム、スルファセタミド、マク
ロライド(例、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン)、リンコサ
ミド(例、クリンダマイシン)、ナタマイシン(例、ピマリシン)、アミノグリコシド(
例、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、アミカシン、プラゾマイシン
)、キノロン(例、オフロキサシン、シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフ
ロキサシン、デラフロキサシン、レボフロキサシン)、グリコペプチド(例、バンコマイ
シン)、ポリミキシン(例、コリスチン誘導体、ポリミキシンB)、メトロニダゾール、
ニトロフラントイン、ホスホマイシン、スペクチノマイシン、オキサゾリンジノン(例、
リネゾリド)、ダプトマイシンなど)
【0081】
(40)抗真菌薬(アムホテリシンB、クロトリマゾール、フルコナゾール、イトラコナ
ゾール、ボリコナゾール、フルシトシン、ナイスタチン、グリセオフルビン、ヨウ化カリ
ウムなど)
(41)抗結核菌薬(パラアミノサリチル酸、クロファジミン、抗生物質(例、サイクロ
セリン、リファンピシン、リファブチン、リファペンチン、カプレオマイシン)、アミノ
グリコシド(例、ストレプトマイシン、カナマイシン、アミカシン)、イソニアジド、エ
チオナミド、ピラジナミド、エタンブトール、ベダキリン、デラマニド、エタンブトール
+イソニアジド、イソニアジド+リファンピシン、エタンブトール+イソニアジド+リファン
ピシン、イソニアジド+ピラジナミド+リファンピシン、エタンブトール+イソニアジド+ピ
ラジナミド+リファンピシン、ペニシリン(例、アモキシシリン+クラブラン酸)、カルバ
ペネム(例、メロペネム)、キノロン(例、オフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチ
フロキサシン、レボフロキサシン)、オキサゾリンジノン(例、リネゾリド)など)
(42)抗HIV薬(逆転写酵素阻害薬(例、ジドブジン、ジダノシン、スタブジン、ラミ
ブジン、アバカビル、テノホビルジソプロキシル、エムトリシタビン、テノホビルアラフ
ェナミド)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(例、ネビラピン、エファビレンツ、エト
ラビリン、リルピビリン、ドラビリン)、プロテアーゼ阻害薬(例、サキナビル、インジ
ナビル、リトナビル、ネルフィナビル、ロピナビル+リトナビル、ホスアンプレナビル、
アタザナビル、アタザナビル+リトナビル、チプラナビル、ダルナビル)、インテグラー
ゼ阻害薬(例、ラルテグラビル、エルビテグラビル、ドルテグラビル、カボテグラビル)
、CCR5拮抗薬(例、マラビロク)など)
【0082】
(43)抗インフルエンザウイルス薬(ノイラミニダーゼ阻害薬(例、ザナミビル、オセ
ルタミビル、ペラミビル、ラニナミビルオクタン酸エステル)、キャップ依存性エンドヌ
クレアーゼ阻害薬(例、バロキサビルマルボキシル)、RDRP阻害薬(例、ファビピラビル
)など)
(44)抗ヘルペスウイルス薬(DNAポリメラーゼ阻害薬(例、アシクロビル、ビダラビ
ン、ガンシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、バルガンシクロビル)、ヘリ
カーゼ・プライマーゼ阻害薬(例、アメナメビル)など)
免疫グロブリン(ヒト免疫グロブリンなど)
(45)ワクチン(B型肝炎ウイルスワクチン、麻疹ウイルスワクチン、風疹ウイルスワ
クチン、ムンプスウイルスワクチン、水痘帯状疱疹ウイルスワクチン、ジフテリアワクチ
ン、百日咳ワクチン、破傷風ワクチン、ポリオウイルスワクチン、ロタウイルスワクチン
、ヘモフィルスインフルエンザBワクチン、肺炎球菌ワクチン、日本脳炎ウイルスワクチ
ン、パピローマウイルスワクチン、BCGワクチン、インフルエンザウイルスワクチン、コ
ロナウイルスワクチンなど)
(46)抗原虫薬(抗マラリア薬(例、アルテメテル、ルメファントリン、アトバコン、
プログアニル、メフロキン、キニーネ、クロロキン、プリマキン、アモジアキン、ピリメ
タミン、スルファドキシン、アルテスナート、ピロナリジン、ジヒドロアルテミシニン、
ピペラキン、ドキシサイクリン)、メトロニダゾール、チニダゾール、パロモマイシン、
アルベンダゾール、ニタゾキサニド、ペンタミジン、エフロルニチン、ニフルチモックス
、スラミン、メラルソプロール、ベンズニダゾール、アムホテリシンB、スチボグルコン
酸、ミルテホシン、スピラマイシン、スルファジアジン、ロイコボリン、プレゾニドン、
クリンダマイシン、スルファメトキサゾール+トリメトプリムなど)
(47)抗蠕虫薬(ピランテル、メベンダゾール、アルベンダゾール、イベルメクチン、
ジエチルカルバマジン、ドキシサイクリン、スラミン、プラジカンテル、トリクラベンダ
ゾール、オキサムニキンなど)
【0083】
(48)抗がん薬(アルキル化薬(例、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファ
ラン、イホスファミド、ベンダムスチン、ブスルファン、チオテパ、カルムスチン、スト
レプトゾシン、ニムスチン、ラニムスチン、テモゾロミド、ダカルバジン、プロカルバジ
ン)、白金抗がん薬(例、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)、代謝拮
抗薬(例、メトトレキサート、ペメトレキセド、プララトレキサート、メルカプトプリン
、チオグアニン、クラドリビン、フルダラビン、クロファラビン、ネララビン、シタラビ
ン、フルオロウラシル、テガフール、ゲムシタビン、カペシタビン、アザシチジン、テガ
フール+ギメラシル+オテラシル、ドキシフルリジン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタ
チン、ロイコボリン、レボロイコボリン)、微小管脱重合阻害薬(例、パクリタキセル、
ドセタキセル)、微小管重合阻害薬(例、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビ
ン)、トポイソメラーゼ1阻害薬(例、イリノテカン、トポテカン)、トポイソメラーゼ2
阻害薬(例、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エトポシド)、RNAポリメラーゼ阻害薬
(例、ダクチノマイシン)、DNA鎖切断薬(例、ブレオマイシン)、アスパラギン加水分
解酵素(例、アスパラギナーゼ、ペグアスパラガーゼ)、三酸化ヒ素、BCR-ABL阻害薬(
例、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、ポナチニブ)、EGFR阻害薬(例
、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ)、HER2
阻害薬(例、ラパチニブ、ネラチニブ、ツカチニブ)、VEGFR2阻害薬(例、アキシチニブ
、セジラニブ、ティボザニブ)、BRAF阻害薬(例、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エ
ンコラフェニブ)、ALK阻害薬(例、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ブリガ
チニブ、ロルラチニブ)、BTK阻害薬(例、イブルチニブ、アカラブルチニブ、ザヌブル
チニブ)、CDK阻害薬(例、パルボシクリブ、リボシクリブ、アベマシクリブ)、JAK阻害
薬(例、ルキソリチニブ、フェドラチニブ)、MEK阻害薬(例、トラメチニブ、コビメチ
ニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ)、PI3K阻害薬(例、イデラリシブ、コパンリシブ、
アルペリシブ、デュベリシブ)、mTOR阻害薬(例、テムシロリムス、エベロリムス)、キ
ナーゼ阻害薬(例、スニチニブ、ソラフェニブ、パゾパニブ、バンデタニブ、レゴラフェ
ニブ、カボザンチニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、ミドスタウリン、キザルチニブ、
ラロトレクチニブ、ギルテリチニブ、エヌトレクチニブ、ペキシダルチニブ、エルダフィ
チニブ、カプマチニブ、アバプリチニブ、リプレチニブ、ペミガチニブ、テポチニブ)、
RAR作動薬(例、トレチノイン、ベキサロテン)、プロテアソーム阻害薬(例、ボルテゾ
ミブ、カルフィルゾミブ、イキサゾミブ)、HDAC阻害薬(例、ボリノスタット、ロミデプ
シン、パノビノスタット)、PARP阻害薬(例、オラパリブ、ニラパリブ)、抗HER2抗体(
例、トラスツズマブ、ペルツズマブ)、抗HER2抗体薬物複合体(例、トラスツズマブエム
タンシン、トラスツズマブデルクステカン)、抗EGFR抗体(例、セツキシマブ、パニツム
マブ、ネシツムマブ)、抗VEGF抗体(例、ベバシズマブ)、抗VEGFR2抗体(例、ラムシル
マブ)、抗CD19/CD3抗体(例、ブリナツモマブ)、抗CD20抗体(例、リツキシマブ、オフ
ァツムマブ、オビヌツズマブ)、抗CD22抗体薬物複合体(例、イノツズマブオゾガマイシ
ン)、抗CD30抗体薬物複合体(例、ブレンツキシマブベドチン)、抗CD33抗体薬物複合体
(例、ゲムツズマブオゾガマイシン)、抗CD38抗体(例、ダラツムマブ、イサツキシマブ
)、抗PD-1抗体(例、ニボルマブ、ペムブロリズマブ)、抗PD-L1抗体(例、デュルバル
マブ、アベルマブ、アテゾリズマブ)、抗CTLA-4抗体(例、イピリムマブ)、抗SLAMF7抗
体(例、エロツズマブ)、抗CCR4抗体(例、モガムリズマブ)、性腺刺激ホルモン放出ホ
ルモン受容体調節薬(例、リュープロレリン、ゴセレリン、デガレリクス)、抗アンドロ
ゲン薬(例、ビカルタミド、エンザルタミド、フルタミド、アパルタミド、ダロルタミド
)、リアーゼ阻害薬(例、アビラテロン)、エストロゲン薬(例、エチニルエストラジオ
ール)、選択的エストロゲン受容体調節薬(例、タモキシフェン、トレミフェン)、抗エ
ストロゲン薬(例、フルベストラント、メピチオスタン)、アロマターゼ阻害薬(例、ア
ナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン)、プロゲステロン薬(例、メドロキシ
プロゲステロン酢酸エステル)、成長ホルモン放出抑制ホルモン(例、オクトレオチド)
、副腎皮質ホルモン関連薬(例、デキサメタゾン)、抗CD19 CAR-T細胞(例、tisagenlec
leucel、axicabtagene ciloleucel、lisocabtagene maraleucel)など)
【0084】
(49)免疫賦活薬(インターフェロン(例、インターフェロンα、ペグインターフェロ
ンα-2a、ペグインターフェロンα-2b、インターフェロンβ、インターフェロンβ-1a、
インターフェロンβ-1b、インターフェロンγ-1a)、インターロイキン(例、インターロ
イキン2)など)
(50)免疫抑制薬(TNF受容体+Fc融合タンパク(例、エタネルセプト)、抗TNF-α抗体
(例、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ)、抗INF
γ抗体(例、エマパルマブ)、抗IL-1β抗体(例、カナキヌマブ)、IL-1受容体拮抗薬(
例、アナキンラ)、IL-1トラップ(例、リロナセプト)、抗IL-2受容体(CD25)抗体(例
、バシリキシマブ、ダクリズマブ)、抗IL-6抗体(例、シルツキシマブ、シルクマブ)、
抗IL-6受容体抗体(トシリズマブ、サリルマブ、サトラリズマブ)、抗IL-12/23p40抗体
(例、ウステキヌマブ)、抗IL-17A抗体(例、セクキヌマブ、イキセキズマブ)、抗IL-1
7受容体A抗体(例、ブロダルマブ)、抗IL-23p19抗体(例、グセルクマブ、チルドラキズ
マブ、リサンキズマブ)、抗CD19抗体(例、イネビリズマブ)、抗CD20抗体(例、オクレ
リズマブ)、抗CD52抗体(例、アレムツズマブ)、CTLA-4+Fc融合タンパク(例、アバタ
セプト、ベラタセプト)、抗BLyS抗体(例、ベリムマブ)、抗補体C5抗体(例、エクリズ
マブ、ラブリズマブ)、抗α4インテグリン抗体(例、ナタリズマブ)、抗α4β7インテ
グリン抗体(例、ベドリズマブ)、抗胸腺細胞グロブリン、mTOR阻害薬(例、シロリムス
、エベロリムス)、JAK阻害薬(例、トファシチニブ、バリシチニブ、ウパダシチニブ、
フィルゴチニブ、ペフィシチニブ、イタシチニブ)、PDE4阻害薬(アプレミラスト)、カ
ルシニューリン阻害薬(例、シクロスポリン、タクロリムス、ボクロスポリン)、アルキ
ル化薬(例、シクロホスファミド)、代謝拮抗薬(例、メトトレキサート、アザチオプリ
ン、ミゾリビン)、イノシン酸脱水素酵素阻害薬(例、ミコフェノール酸モフェチル)、
ジヒドロオロト酸脱水素酵素阻害薬(例、レフルノミド、テリフルノミド)、S1P受容体
作動薬(例、フィンゴリモド、シポニモド、オザニモド)、サリドマイド、レナリドミド
、ポマリドマイド、グスペリムス、ピルフェニドン、ダルバドストロセル、フマル酸ジメ
チル、フマル酸モノメチルなど)
(51)抗炎症薬(ステロイド性抗炎症薬(例、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、プレド
ニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン)
、非ステロイド性抗炎症薬(例、アスピリン、サリチル酸、エテンザミド、メフェナム酸
、フルフェナム酸、アセメタシン、インドメタシン、インドメタシンファルネシル、エト
ドラク、ジクロフェナク、スリンダク、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン
、ロキソプロフェン、ピロキシカム、メロキシカム、ロルノキシカム、セレコキシブ、チ
アラミド)など)
【0085】
(52)解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン、イソプロピルアンチピリン、スルピリンなど
)
(53)疾患修飾性抗リウマチ薬(代謝拮抗薬(例、メトトレキサート、アザチオプリン
、ミゾリビン)、スルファサラジン、金製剤(例、金チオリンゴ酸、オーラノフィン)、
ペニシラミン、ブシラミン、ヒドロキシクロロキン、クロロキン、ジヒドロオロト酸脱水
素酵素阻害薬(例、レフルノミド)、カルシニューリン阻害薬(例、タクロリムス)、JA
K阻害薬(例、トファシチニブ、バリシチニブ、ウパダシチニブ、フィルゴチニブ、ペフ
ィシチニブ)、TNF受容体+Fc融合タンパク(例、エタネルセプト)、抗TNF-α抗体(例、
インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ)、抗IL-6受容体
抗体(トシリズマブ、サリルマブ)、抗CD20抗体(例、リツキシマブ)、CTLA-4+Fc融合
タンパク(例、アバタセプト)など)
(54)筋弛緩薬(スキサメトニウム、ニコチン性アセチルコリン受容体拮抗薬(例、ア
トラクリウム、パンクロニウム、ベクロニウム、ロクロニウム)、リアノジン受容体拮抗
薬(例、ダントロレン)、GABA-B受容体作動薬(例、バクロフェン)、α2受容体作動薬
(例、チザニジン)、エペリゾン、A型ボツリヌス毒素など)
【0086】
(55)筋弛緩拮抗薬(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(例、ネオスチグミン、ピリ
ドスチグミン)、スガマデクスなど)
(56)痛風治療薬(コルヒチン、XOR阻害薬(例、アロプリノール、フェブキソスタッ
ト、トピロキソスタット)、URAT1阻害薬(例、プロベネシド、ベンズブロマロン)、尿
酸オキシダーゼ(例、ペグロチカーゼ、ラスブリカーゼ)など)
(57)骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート(例、ゾレドロン酸、アレンドロン酸、リセ
ドロン酸)、ビタミンD(例、カルシトリオール、エルデカルシトール、コレカルシフェ
ロール、エルゴカルシフェロール)、選択的エストロゲン受容体調節薬(例、ラロキシフ
ェン、バゼドキシフェン)、エストロゲン(例、結合型エストロゲン)、抗RANKL抗体(
例、デノスマブ)
(58)副甲状腺ホルモン(例、テリパラチド)、カルシトニン(例、カルシトニン、エ
ルカトニン)、抗スクレロスチン抗体(例、ロモソズマブ)など)
(59)変形性関節症治療薬(非ステロイド性抗炎症薬、解熱鎮痛薬、グルココルチコイ
ド(例、プレドニゾロンコハク酸エステル、デキサメタゾンリン酸エステル、ベタメタゾ
ンリン酸エステル)、ヒアルロン酸、抗NGF抗体(例、tanezumab)、ジクロフェナクエタ
ルヒアルロン酸、lorecivivint、spriferminなど)
(60)デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬(ジストロフィンアンチセンスオリゴヌ
クレオチド(例、エテプリルセン、ゴロジルセン、ビルトラルセン)など)
(61)全身麻酔薬(ハロタン、イソフルラン、セボフルラン、チオペンタール、フェン
タニル、ケタミン、プロポフォール、ミダゾラム、亜酸化窒素など)
【0087】
(62)局所麻酔薬(テトラカイン、ブピバカイン、リドカインなど)
(63)オピオイド鎮痛薬(オピオイド受容体作動薬(例、モルヒネ、ヒドロモルフォン
、オキシコドン、コデイン、ペチジン、フェンタニル、ペンタゾシン、ブプレノルフィン
、メサドン、トラマドール)など)
(64)呼吸抑制改善薬(ジモルホラミン、ドキサプラム、フルマゼニル、オピオイド受
容体拮抗薬(例、ナロキソン、レバロルファン)など)
(65)片頭痛治療薬(非ステロイド性抗炎症薬(例、アスピリン、イブプロフェン、ジ
クロフェナク、ナプロキセン)、解熱鎮痛薬(例、アセトアミノフェン)、D2受容体拮抗
薬(例、メトクロプラミド)、5-HT1受容体作動薬(例、スマトリプタン、ナラトリプタ
ン、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン)、抗CGRP抗体(例、エレヌマ
ブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブ)、CGRP受容体拮抗薬(例、ubrogepant)など)
(66)抗てんかん薬(ナトリウムチャネル遮断薬(例、カルバマゼピン、ラモトリギン
、フェニトイン)、レベチラセタム、ゾニサミド、トピラマート、ガバペンチン、バルプ
ロ酸、プレガバリン、フェノバルビタール、ベンゾジアゼピン(例、クロバザム、クロナ
ゼパム、ジアゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム)、AMPA受容体拮抗薬(例、ペランパネル
)、ラコサミド、エトスクシミドなど)
(67)統合失調症治療薬(クロルプロマジン、フルフェナジン、ハロペリドール、ルラ
シドン、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、ドパミン受容体拮抗薬(例、スルピ
リド)、炭酸リチウム、セロトニン・ドパミン受容体拮抗薬(例、リスペリドン、パリペ
リドン)、ドパミン受容体部分作動薬(例、アリピプラゾール、ブレクスピプラゾール)
など)
【0088】
(68)抗うつ薬(クロミプラミン、アミトリプチリン、アモキサン、ミアンセリン、選
択的セロトニン再取り込み阻害薬(例、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、
フルボキサミン、エスシタロプラム)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動
性抗うつ薬(例、ミルタザピン)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(例
、ベンラファキシン、ミルナシプラン、デュロキセチン)など)
(69)双極性障害治療薬(炭酸リチウム、オランザピン、アリピプラゾール、クエチア
ピン、リスペリドン、パリペリドン、アセナピン、バルプロ酸、カルバマゼピン、ルラシ
ドン、ラモトリギンなど)
(70)抗不安薬(ベンゾジアゼピン(例、ジアゼパム、クロルジアゼポキシド、クロラ
ゼプ酸、フルジアゼパム、クロキサゾラム、ロラゼパム、ブロマゼパム、アルプラゾラム
、エチゾラム、クロチアゼパム、ロフラゼプ酸エチル)、タンドスピロンなど)
(71)睡眠薬(ベンゾジアゼピン(例、トリアゾラム、エチゾラム、ブロチゾラム、エ
スタゾラム、ニトラゼパム、クアゼパム、フルラゼパム)、ゾルピデム、エスゾピクロン
、メラトニン受容体作動薬(例、ラメルテオン)、オレキシン受容体拮抗薬(例、スボレ
キサント、レンボレキサント)など)
(72)過眠症治療薬(モダフィニル、メチルフェニデート、ペモリン、オレキシン受容
体作動薬など)
(73)注意欠如多動症治療薬(メチルフェニデート、アトモキセチン、グアンファシン
など)
(74)パーキンソン病治療薬(ドパ(例、レボドパ、レボドパ+カルビドパ、レボドパ+
カルビドパ+エンタカポン)、ドパ脱炭酸酵素阻害薬(例、カルビドパ)、COMT阻害薬(
例、エンタカポン、オピカポン)、ドパミン受容体作動薬(例、ブロモクリプチン、ペル
ゴリド、ロピニロール、プラミペキソール、カベルゴリン、ロチゴチン、タリペキソール
、アポモルヒネ)、MAO-B阻害薬(例、セレギリン、ラサギリン、サフィナミド)、アマ
ンタジン、ムスカリン性アセチルコリン受容体拮抗薬(例、トリヘキシフェニジル、ビペ
リデン)、ドロキシドパ、ゾニサミド、アデノシンA2A受容体拮抗薬(例、イストラデフ
ィリン)、GLP-1受容体作動薬(例、エキセナチド)、抗αシヌクレイン抗体(例、prasi
nezumab、cinpanemab)、LRRK2阻害薬、SNCA遺伝子抑制、PARKIN遺伝子増強、PINK1遺伝
子増強など)
【0089】
(75)アルツハイマー病治療薬(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(例、ドネペジル
、リバスチグミン、ガランタミン)、NMDA受容体拮抗薬(例、メマンチン)、oligomanna
te、BACE阻害薬、γセクレターゼ調節薬、Aβ凝集阻害薬、抗Aβ抗体(例、gantenerumab
、aducanumab、lecanemab)、Tau凝集阻害薬、Tauリン酸化阻害薬、抗Tau抗体(例、zago
tenemab、gosuranemab、tilavonemab、semorinemab)、MAPT遺伝子抑制、神経保護薬、神
経再生薬、シナプス再生薬、レベチラセタム、抗酸化剤、抗炎症薬、免疫抑制薬、レナリ
ドミド、リラグルチド、neflamapimod、HDAC阻害薬、CSF1R阻害薬、抗TREM2抗体、抗CD33
抗体、間葉系幹細胞、mTOR阻害薬、抗APOE4抗体など)
(76)筋萎縮性側索硬化症治療薬(リルゾール、エダラボン、抗C5抗体(例、ravulizu
mab)、C5阻害薬(例、zilucoplan)、MPO阻害薬(例、verdiperstat)、SOD1アンチセン
スオリゴヌクレオチド(例、tofersen)、C9ORF72アンチセンスオリゴヌクレオチド、mTO
R阻害薬(例、シロリムス)、間葉系幹細胞(例、NurOwn)など)
(77)ハンチントン病(テトラベナジン、HTTアンチセンスオリゴヌクレオチド(例、t
ominersen)など)
(78)多発性硬化症(グルココルチコイド(例、メチルプレドニゾロン)、インターフ
ェロン(例、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b)、S1P受容体作動薬(例
、フィンゴリモド、シポニモド、オザニモド、ポネシモド)、抗α4インテグリン抗体(
例、ナタリズマブ)、グラチラマー、フマル酸ジメチル、テリフルノミド、抗CD20抗体(
例、オクレリズマブ、オファツムマブ)、抗CD52抗体(例、アレムツズマブ)、PDE4阻害
薬(例、イブジラスト)など)
【0090】
(79)脊髄性筋萎縮症治療薬(SMN2スプライシング修飾薬(例、リスジプラム)、SMN2
アンチセンスオリゴヌクレオチド(例、ヌシネルセン)、SMNアデノ随伴ウイルスベクタ
ー(例、オナセムノゲンアベパルボベク)など)
(80)末梢神経障害治療薬(カルシウムチャネルα2δ遮断薬(例、プレガバリン、ガ
バペンチン、ミロガバリン)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(例、デ
ュロキセチン)、抗うつ薬(例、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、イミプラミン)
、オピオイド受容体作動薬(例、トラマドール、モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル
)、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液、メチルコバラミン、シアノコバラミン
など)
(81)TTRアミロイドーシス治療薬(TTR安定化薬(例、タファミジス)、TTRアンチセ
ンスオリゴヌクレオチド(例、イノテルセン)、TTR siRNA(例、パチシラン)など)
(82)喘息・慢性閉塞性肺疾患治療薬(グルココルチコイド(例、ベクロメタゾン、ブ
デソニド、フルチカゾン)、β2受容体作動薬(例、サルブタモール、テルブタリン、フ
ェノテロール、ツロブテロール、サルメテロール、ホルモテロール、クレンブテロール、
インダカテロール)、ブデソニド+ホルモテロール、フルチカゾン+ホルモテロール、フル
チカゾン+サルメテロール、ムスカリン性アセチルコリン受容体拮抗薬(例、イプラトロ
ピウム、チオトロピウム)、エピネフリン、クロモグリク酸、テオフィリン、ロイコトリ
エン受容体拮抗薬(例、プランルカスト、モンテルカスト)、PDE4阻害薬(例、イブジラ
スト、ロフルミラスト)、トロンボキサン受容体拮抗薬(例、セラトロダスト、ラマトロ
バン)、抗IgE抗体(例、オマリズマブ)、抗IL-5抗体(抗、メポリズマブ)、抗IL-5受
容体α抗体(例、ベンラリズマブ)、抗IL-4受容体α抗体(例、デュピルマブ)など)
(83)抗アレルギー薬(H1受容体拮抗薬(例、ロラタジン、ケトチフェン、アゼラスチ
ン、セチリジン、フェキソフェナジン、エピナスチン、オロパタジン、デスロラタジン、
レボセチリジン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、プロメタジ
ン)、クロモグリク酸、ロイコトリエン受容体拮抗薬(例、プランルカスト、モンテルカ
スト)、PDE4阻害薬(例、イブジラスト)、トロンボキサン合成酵素阻害薬(例、オザグ
レル)、トロンボキサン受容体拮抗薬(例、セラトロダスト、ラマトロバン)、Th2サイ
トカイン阻害薬(例、スプラタスト)など)
【0091】
(84)鎮咳薬(コデイン、チペピジン、デキストロメトルファン、ペントキシベリンな
ど)
(85)去痰薬(ブロムヘキシン、カルボシステイン、アンブロキソール、フドステイン
など)
(86)気管支拡張薬(テオフィリン、β2受容体作動薬(例、プロカテロール、クレン
ブテロール、サルブタモール、ツロブテロール、サルメテロール、インダカテロール)、
ムスカリン性アセチルコリン受容体拮抗薬(例、イプラトロピウム、オキシトロピウム、
チオトロピウム)など)
(87)眼科用薬(抗感染症薬(例、オフロキサシン、アシクロビル、アジスロマイシン
、エリスロマイシン、ゲンタマイシン、イドクスウリジン、ナタマイシン、硝酸銀、スル
ファセタミド、テトラサイクリン)、抗炎症薬(例、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン
)、緑内障治療薬(例、ラタノプロスト、トラボプロスト、タフルプロスト、チモロール
、アセタゾラミド、エピネフリン、ジピベフリン、ブリモニジン、ブナゾシン、リパスジ
ル、ピロカルピン)、縮瞳薬(例、ピロカルピン)、散瞳薬(例、アトロピン、シクロペ
ントラート、ホマトロピン、トロピカミド、フェニレフリン)、加齢黄斑変性症治療薬(
例、ラニビズマブ、ペガプタニブ、アフリベルセプト、ブロルシズマブ、アビシパルペゴ
ル)など)
【0092】
[製造法]
本発明化合物(化合物(I))の製造法について以下に説明する。
以下の製造方法における各工程で用いられた原料や試薬、ならびに得られた化合物は、
それぞれ塩を形成していてもよい。このような塩としては、例えば、前述の本発明化合物
の塩と同様のもの等が挙げられる。
各工程で得られた化合物が遊離化合物である場合には、自体公知の方法により、目的と
する塩に変換することができる。逆に各工程で得られた化合物が塩である場合には、自体
公知の方法により、遊離体または目的とする他の種類の塩に変換することができる。
各工程で得られた化合物は反応液のままか、または粗生成物として得た後に、次反応に
用いることもできる、あるいは、各工程で得られた化合物を、常法に従って、反応混合物
から濃縮、晶出、再結晶、蒸留、溶媒抽出、分溜、クロマトグラフィーなどの分離手段に
より単離および/または精製することができる。
各工程の原料や試薬の化合物が市販されている場合には、市販品をそのまま用いること
ができる。
【0093】
各工程の反応において、反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なりえるが、特に記載
の無い場合、通常1分~7日間、好ましくは5分~3日間である。
各工程の反応において、反応温度は、用いる試薬や溶媒により異なりえるが、特に記載
が無い場合、通常-100℃~300℃、好ましくは-78℃~150℃である。
各工程の反応において、圧力は、用いる試薬や溶媒により異なりえるが、特に記載が無
い場合、通常1~200気圧、好ましくは1気圧~10気圧である。
各工程の反応において、試薬は、特に記載が無い場合、基質に対して0.1~20当量、好
ましくは0.5~5当量が用いられる。試薬を触媒として使用する場合、試薬は基質に対して
0.001~1当量、好ましくは0.01~0.2当量が用いられる。試薬が反応溶媒を兼ねる場合、
試薬は溶媒量が用いられる。
各工程の反応において、特に記載が無い場合、これらの反応は、無溶媒、あるいは適当
な溶媒に溶解または懸濁して行われる。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール
、2-プロパノール、tert-ブチルアルコール、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエー
テル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサ
ン、シクロペンチルメチルエーテル、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジクロロ
メタン、クロロホルム、四塩化炭素、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ピリジン
、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、硫酸、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケ
トン、水など、あるいは実施例に記載されている溶媒が用いられる。溶媒は、二種以上を
適宜の割合で混合して用いてもよい。
各工程の反応において、酸または酸触媒を用いる場合、例えば、塩化水素、塩酸、硫酸
、硝酸、臭化水素酸、リン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、p-トルエンスルホン酸、
p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸トリメチルシリル、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、塩化アルミニウ
ム、塩化チタン、塩化鉄、塩化亜鉛など、あるいは実施例に記載されている酸が用いられ
る。
【0094】
各工程の反応において、塩基または塩基触媒を用いる場合、例えば、水酸化リチウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸三カリウム
、フッ化セシウム、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-
ジメチルアミノピリジン(DMAP)、イミダゾール、ピペリジン、N-メチルモルホリン、1,
8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(
DABCO)、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド、水
素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメ
チルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド
、n-ブチルリチウムなど、あるいは実施例に記載されている塩基が用いられる。
【0095】
各工程の反応は、特に記載の無い限り、自体公知の方法、例えば、March's Advanced O
rganic Chemistry, 7th Edition(Michael B. Smith)、Comprehensive Organic Transfo
rmations, 2nd Edition(Richard C. Larock)、Strategic Applications of Named Reac
tions in Organic Synthesis(Laszlo Kurti)、Handbook of Heterocyclic Chemistry,
3rd Edition(Alan R. Katritzky)、新編ヘテロ環化合物(山中 宏)などに記載された
方法、あるいは実施例に記載された方法に準じて行われる。
各工程において、官能基の保護または脱保護反応は、自体公知の方法、例えば、Greene
's Protective Groups in Organic Synthesis, 5th Edition(Peter G. M. Wuts)などに
記載された方法、あるいは実施例に記載された方法に準じて行われる。
【0096】
水酸基の保護基としては、例えば、メチル基、メトキシメチル基、2-(トリメチルシリ
ル)エトキシメチル基、ベンジル基、トリフェニルメチル基、tert-ブチルジメチルシリル
基、テトラヒドロピラニル基などのエーテル型保護基、アセチル基、ベンゾイル基などの
エステル型保護基、アリルオキシカルボニル基などの炭酸エステル型保護基などが挙げら
れる。
カルボニル基の保護基としては、例えば、ジメチルアセタールなどのアセタール型保護
基、環状1,3-ジオキソラン、環状1,3-ジオキサンなどの環状アセタール型保護基などが挙
げられる。
カルボキシ基の保護基としては、例えば、メチル基、エチル基、tert-ブチル基、アリ
ル基、ベンジル基などのエステル型保護基などが挙げられる。
スルファニル基の保護基としては、例えば、p-メトキシベンジル基などのチオエーテル
型保護基、アセチル基、ベンゾイル基などのチオエステル型保護基などが挙げられる。
アミノ基の保護基としては、例えば、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、tert-
ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などの
カルバメート型保護基、ホルミル基、アセチル基などのアミド型保護基、ベンジル基、ト
リフェニルメチル基などのN-アルキルアミン型保護基、2-ニトロベンゼンスルホニル基な
どのスルホンアミド型保護基などが挙げられる。
保護基の除去は、自体公知の方法、例えば、酸(塩化水素、塩酸、トリフルオロ酢酸、
トリフルオロメタンスルホン酸など)、塩基(炭酸カリウム、ピペリジン、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムなど)、紫外光、ヒドラジン、テトラブチルアンモニウムフルオリ
ド、酢酸パラジウム、トリアルキルシリルハライド(トリメチルシリルヨージド、トリメ
チルシリルブロミドなど)などを使用する方法や、還元法(水素化分解、水素添加など)
、酸化法(DDQなど)などを用いて行うことができる。
各工程において、アルコール、アミン、チオール、アミド、またはカルボン酸に対して
、アルキル化を行う場合、アルキル化剤としては、アルキルハライド、アルキルメシラー
ト、アルキルトシラート、またはアルキルトリフラートなどが用いられる。塩基としては
、炭酸カリウム、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシ
クロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、カリウムtert-ブトキシド、水素化ナトリウム、また
はリチウムジイソプロピルアミドなどが用いられる。
各工程において、求核置換反応、求核付加反応、または求核共役付加反応(Michael付
加反応など)を行う場合、試薬としては、求核剤(カルボアニオン、アミン、アミド、ア
ルコール、アルコキシド、チオール、チオラートアニオン、ハロゲン化物イオンなど)と
、必要に応じて塩基が用いられる。
各工程において、Mitsunobu反応を行う場合、光延試薬としては、アゾジカルボン酸エ
ステル(アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)
など)およびトリフェニルホスフィンが用いられる。
【0097】
各工程において、アルコールに対して、ハロゲン化を行う場合、ハロゲン化剤としては
、ハロゲン化水素(塩化水素など)、ハロゲン化水素酸(塩酸、臭化水素酸など)、また
は無機酸ハロゲン化物(塩化チオニル、オキシ塩化リンなど)などが用いられる。ハロゲ
ン化剤として、トリフェニルホスフィンと四塩化炭素または四臭化炭素などを用いてもよ
い。アルコールをスルホン酸エステルへ変換した後、金属ハロゲン化物(臭化リチウム、
塩化リチウム、ヨウ化ナトリウムなど)と反応させるような2段階の反応を経て、ハロゲ
ン化アルキルを製造することもできる。
各工程において、有機ハロゲン化物に対して、アジド化を行う場合、アジド化剤として
は、アジ化ナトリウム、トリメチルシリルアジドなどが用いられる。アルコールに対して
、アジド化を行う場合、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)と光延試薬を用いる方法や
、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)と1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DB
U)を用いる方法などがある。
各工程において、芳香環に対して、ハロゲン化を行う場合、ハロゲン化剤としては、N-
クロロコハク酸イミド(NCS)、N-ブロモコハク酸イミド(NBS)、N-ヨードコハク酸イミ
ド(NIS)、塩素、臭素、塩化スルフリルなどが用いられる。
各工程において、Friedel-Craftsアシル化を行う場合、試薬としては、酸ハロゲン化物
と酸(塩化アルミニウムなど)が用いられる。酸ハロゲン化物の代わりに、酸無水物を用
いることもできる。
各工程において、Vilsmeier-Haack反応を行う場合、試薬としては、塩化ホスホリルとN
,N-ジメチルホルムアミドが用いられる。
【0098】
各工程において、カルボン酸に対して、脱炭酸を行う場合、試薬としては、酸(塩酸な
ど)または塩基(水酸化ナトリウム、ピリジンなど)が用いられる。エステルの加水分解
とカルボン酸の脱炭酸がワンポットで行われることもある。
各工程において、カップリング反応を行う場合、金属触媒としては、パラジウム化合物
(酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラ
ジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリ
デンアセトン)ジパラジウム(0)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロ
ロパラジウム(II)、[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン](
3-クロロピリジル)パラジウム(II)ジクロリド、パラジウム炭素など)、ニッケル化合物
(塩化ニッケル(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)など)、ロジ
ウム化合物(クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、[1,1'-ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)フェロセン]ジクロロニッケル(II)など)、銅化合物(ヨウ化銅(I)、チオ
フェン-2-カルボン酸銅(I)など)、コバルト化合物、白金化合物などが用いられる。本反
応には塩基を加えてもよく、塩基としては、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、リン酸三カ
リウム、酢酸カリウム、フッ化セシウム、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチル
アミンなどが用いられる。カップリング反応において、一方の基質は、有機ハロゲン化物
または有機トリフラートなどが用いられ、もう一方の基質は、有機ホウ素化合物(Suzuki
-Miyaura反応)、アルキン(Sonogashira反応)、アルケン(Mizoroki-Heck反応)、アミ
ン(Buchwald-Hartwig反応)、有機亜鉛化合物(Negishi反応)、有機スズ化合物(Migit
a-Kosugi-Stille反応)、金属シアン化物(シアノ化反応)などが用いられる。カップリ
ング反応で使用される金属触媒、配位子、塩基などの試薬は、上述した試薬に加え、自体
公知の方法、例えば、Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions and More(Armin de
Meijere)などに記載された方法、または実施例に記載された方法に準じて行われる。
【0099】
各工程において、ラジカル反応を行う場合、ラジカル開始剤としては、2,2'-アゾビス(
イソブチロニトリル)(AIBN)、4,4'-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2'-アゾビス[2-(2-
イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、過酸化ベンゾイル(BPO)、またはトリエチル
ボラン/酸素などが用いられる。ラジカル還元剤としては、トリブチルスズ、トリス(トリ
メチルシリル)シラン、1,1,2,2-テトラフェニルジシランなどが用いられる。
各工程において、ベンジル位またはアリル位のハロゲン化を行う場合、ハロゲン化剤と
しては、N-ブロモコハク酸イミド(NBS)、N-クロロコハク酸イミド(NCS)などが用いら
れる。ラジカル開始剤(2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、過酸化ベンゾイ
ル(BPO)など)の添加により、反応が加速する。
各工程において、ケトンまたはアルデヒドに対して、アセタール化を行う場合、試薬と
しては、アルコール、脱水剤(オルトギ酸トリメチルなど)、および酸触媒(p-トルエン
スルホン酸、p-トルエンスルホン酸ピリジニウムなど)が用いられる。アルコールとして
は、1価アルコール(メタノールなど)または2価アルコール(エチレングリコール、1,3-
プロパンジオールなど)が用いられる。
【0100】
各工程において、脱水反応を行う場合、脱水剤としては、オルトエステル(オルトギ酸
トリメチル、オルトギ酸トリエチルなど)、モレキュラーシーブ、硫酸、ポリリン酸、五
酸化二リン、オキシ塩化リン、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドなどが用いられる
。Dean-Stark装置を用いて、生成した水を系外に除去することで、反応が加速する場合が
ある。
各工程において、ケトンまたはアルデヒドに対して、オキシム化、ヒドラゾン化、また
はイミン化を行う場合、試薬としては、ヒドロキシルアミン(ヒドロキシルアミン塩酸塩
、O-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩など)、ヒドラジン(ヒドラジン塩酸塩、フェニル
ヒドラジン塩酸塩など)、またはアミン(メチルアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩など)が
用いられる。酸、塩基、または脱水剤の添加により、反応が加速する場合がある。
各工程において、ケトンまたはアルデヒドに対して、還元的アミノ化を行う場合、還元
剤としては、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、
水素化ホウ素ナトリウムなどが用いられる。塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイ
ソプロピルエチルアミンなど)の添加により、反応が加速する場合がある。あらかじめ、
ケトンまたはアルデヒドとアミンとを脱水剤存在下に反応させて生成したイミンまたはエ
ナミンに対して、あとから、還元剤を反応させて目的のアミンを製造することもできる。
【0101】
各工程において、Grignard反応を行う場合、Grignard試薬としては、アルキルマグネシ
ウムハロゲン化物(メチルマグネシウムブロミドなど)またはアリールマグネシウムハロ
ゲン化物(フェニルマグネシウムブロミドなど)などが用いられる。
各工程において、Knoevenagel縮合反応を行う場合、試薬としては、活性メチレン化合
物(マロン酸、マロン酸ジエチル、ニトロメタンなど)および塩基(ピペリジンなど)が
用いられる。
各工程において、Wittig反応を行う場合、Wittig試薬(リンイリド)としては、アルキ
リデントリフェニルホスホランなどが用いられる。アルキリデントリフェニルホスホラン
は、アルキルトリフェニルホスホニウム塩と塩基を反応させることで調製できる。アルキ
ルトリフェニルホスホニウム塩は、ハロゲン化アルキルとトリフェニルホスフィンを反応
させることで調製できる。
各工程において、Horner-Wadsworth-Emmons反応を行う場合、試薬としては、ホスホノ
酢酸エステル(ジエチルホスホノ酢酸エチルなど)と塩基(水素化ナトリウム、カリウム
tert-ブトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、炭酸カリウム、DBU、N,N-ジイソプ
ロピルエチルアミンなど)が用いられる。添加物としてリチウム塩(塩化リチウムなど)
を加えてもよい。ホスホノ酢酸エステルは、ハロゲン化アルキル(ブロモ酢酸エチルなど
)とホスファイト(トリエチルホスファイトなど)を反応させることで調製できる(Arbu
zov反応)。
【0102】
各工程において、加水分解を行う場合、試薬としては、酸(塩酸など)または塩基(炭
酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウムなど
)が用いられる。
各工程において、エステル化またはアミド化を行う場合、縮合剤としては、1-エチル-3
-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、N,N’-ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(DCC)、1,1'-カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジフェニルホスホリル
アジド(DPPA)、シアノリン酸ジエチル(DEPC)、2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨー
ジド(Mukaiyama試薬)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチ
ルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU)、1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシト
リピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(PyBOP)、ブロモトリピロリジノホ
スホニウムヘキサフルオロリン酸塩(PyBrOP)、{{[(1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチ
リデン)アミノ]オキシ}-4-モルホリノメチレン}ジメチルアンモニウムヘキサフルオロリ
ン酸塩(COMU)、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウ
ムクロリド(DMT-MM)、プロピルホスホン酸無水物(T3P)、硫酸などが用いられる。必
要に応じて適当な縮合促進剤(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N-ヒドロキシ
コハク酸イミド(NHS)など)を加えてもよい。本反応において、塩基(トリエチルアミ
ン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンなど)を添加することで反応がより円滑に進行する
場合がある。
【0103】
アルコールまたはアミンに対して、酸ハロゲン化物、酸無水物、混合酸無水物、または
活性エステルを反応させることで、エステルまたはアミドを製造することもできる。本反
応は通常、塩基(トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、DMAP
など)存在下で行われる。酸ハロゲン化物は、カルボン酸に対して、ハロゲン化剤(塩化
チオニル、塩化オキサリルなど)を作用させて製造できる。混合酸無水物は、カルボン酸
に対して、例えば、ハロゲン化ギ酸エステル(クロロギ酸エチルなど)などを作用させて
製造できる。活性エステルとしては、カルボン酸とN-ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)
またはペンタフルオロフェノールなどとのエステルが用いられる。
各工程において、スルホニル化を行う場合、試薬としては、スルホン酸ハロゲン化物(
メタンスルホニルクロリド、p-トルエンスルホニルクロリドなど)またはスルホン酸無水
物(トリフルオロメタンスルホン酸無水物など)が用いられる。本反応は通常、塩基(ト
リエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、DMAPなど)存在下で行わ
れる。
各工程において、Curtius転位を行う場合、カルボン酸ハロゲン化物とアジ化ナトリウ
ムまたはトリメチルシリルアジドとの反応により、酸アジドを製造してから転位させる方
法や、カルボン酸とジフェニルホスホリルアジド(DPPA)との反応により、系内で酸アジ
ドを発生させてからそのまま転位させる方法がある。
【0104】
各工程において、酸化を行う場合、酸化剤としては、m-クロロ過安息香酸、過酸化水素
、オキソン(2KHSO5・KHSO4・K2SO4)、tert-ブチルヒドロペルオキシド、過ルテニウム
酸テトラプロピルアンモニウム/N-メチルモルホリン-N-オキシド、1,1,1-トリアセトキシ
-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンゾヨードキソール-3(1H)-オン、過塩素酸テトラブチルアンモニ
ウム、塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、ヨードシルベン
ゼン、二酸化マンガン、過マンガン酸カリウム、四酢酸鉛、クロロクロム酸ピリジニウム
(PCC)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、ジョーンズ試薬、N-ブロモスクシンイミド(
NBS)、酸素、オゾン、ジメチルスルホキシド/三酸化硫黄ピリジン錯体、四酸化オスミウ
ム、二酸化セレン、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)などが用いら
れる。
各工程において、還元を行う場合、還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化
トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素化アルミニウム
リチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、ボランジメチルスルフィド錯体、トリエチ
ルシラン、ヒドラジン、展開ラネーニッケル、水素などが用いられる。水素を還元剤とし
て用いる場合、触媒(パラジウム炭素、Pearlman触媒、Lindlar触媒、Adams触媒、白金炭
素など)が用いられる。
【0105】
以下に上に記載した化合物(I)の製造法を説明する。
以下の反応式中の各記号は、特に記載のない限り、前記と同義である。原料化合物は、
その具体的製法を述べない場合、市販されているものを容易に入手できるか、あるいは、
自体公知の方法またはそれに準ずる方法により製造できる。
化合物(I)は、以下のスキーム1に示す方法により製造できる。
【化2】
[式中、P
1はスルファニル基の保護基(アセチル基など)を示し、L
1は脱離基(塩素原子
、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、p-トルエンスルホニルオキシ基な
ど)を示し、その他の各記号は前記と同義である。]
【0106】
工程1-1:このスキーム1中の化合物(3)は、酸(塩化水素、塩酸など)または塩基
(炭酸カリウムなど)による化合物(2)の脱保護により製造できる。化合物(2)は、例
えば、スキーム3、スキーム6、またはスキーム7に示す方法またはそれに準ずる方法で製
造できる。
工程1-2:化合物(5)は、塩基(炭酸カリウム、DBUなど)存在下、化合物(4)によ
る化合物(3)のアルキル化により製造できる。化合物(4)は、市販品を用いるか、実施
例に記載された方法、自体公知の方法またはそれに準ずる方法で製造できる。化合物(5
)は、塩基(炭酸カリウムなど)存在下、化合物(2)と化合物(4)を反応させることに
より、ワンポットで製造することもできる。
工程1-3:化合物(I)は、酸化剤(m-クロロ安息香酸など)によるこのスキーム1中
の化合物(5)の酸化により製造できる。
【0107】
化合物(I)に包含される化合物(Ia)は、以下のスキーム2に示す方法により製造で
きる。
【化3】
[式中、R
1は、置換されていてもよいC
1-6アルキル、置換されていてもよいC
3-10シクロア
ルキル、置換されていてもよいヘテロシクリルを示し、その他の各記号は前記と同義であ
る。]
【0108】
工程2-1:このスキーム2中において「7」で示す化合物(7)は、塩基(炭酸カリウ
ムなど)による同様に「6」で示す化合物(6)のアセチル基の脱保護により製造できる
。
工程2-2:化合物(8)は、塩基(炭酸カリウムなど)存在下、化合物(4)による化合
物(7)のアルキル化により製造できる。化合物(8)は、塩基(炭酸カリウムなど)存在
下、化合物(6)と化合物(4)を反応させることにより、ワンポットで製造することもで
きる。
工程2-3:化合物(Ia)は、酸化剤(m-クロロ安息香酸など)による化合物(8)の酸
化により製造できる。
【0109】
化合物(6)は、以下のスキーム3に示す方法により製造できる。
【化4】
[式中、L
2は、脱離基(塩素原子、シアノ基、R
1O-基など)を示し、その他の各記号は前
記と同義である。]
【0110】
工程3-1:このスキーム3の化合物(11)は、塩基(カリウムtert-ブトキシドなど)
存在下、化合物(10)による市販化合物(9)のアルコキシカルボニル化により製造でき
る。化合物(10)は市販品を用いるか、自体公知の方法またはそれに準ずる方法で製造で
きる。
工程3-2:化合物(12)は、塩基(N,N-ジイソプロピルエチルアミンなど)存在下、ト
リフルオロメタンスルホン酸無水物による化合物(11)のスルホニル化(トリフラート化
)により製造できる。
工程3-3:化合物(13)は、チオ酢酸カリウムによる化合物(12)の求核置換により製
造できる。
工程3-4:化合物(14)は、酸(塩化水素など)による化合物(13)の脱アセタール化
および二重結合異性化により製造できる。
工程3-5:化合物(6)は、酸触媒(p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸ピ
リジニウムなど)および脱水剤(オルトギ酸トリメチルなど)存在下、エチレングリコー
ルによる化合物(14)のアセタール化により製造できる。
【0111】
化合物(I)に包含される化合物(Ib)~(1e)は、以下のスキーム4に示す方法によ
り製造できる。
【化5】
[式中、R
2は置換されていてもよいC
1-6アルキルを示し、L
3は塩素、臭素、またはヨウ素
を示し、R
3は置換されていてもよいC
1-6アルキルを示し、L
4はヨウ素を示し、その他の各
記号は前記と同義である。]
【0112】
工程4-1:このスキーム4中の化合物(15)は、酸(塩化水素、塩酸など)による化合
物(8)の脱アセタール化により製造できる。
工程4-2:化合物(16)は、塩化セリウム存在下、水素化ホウ素ナトリウムによる化合
物(15)の還元により製造できる。
工程4-3:化合物(Ib)は、酸化剤(m-クロロ安息香酸など)による化合物(16)の酸
化により製造できる。
工程4-4:化合物(Ic)は、酸化剤(m-クロロ安息香酸など)による化合物(15)の酸
化により製造できる。
工程4-5:化合物(18)は、化合物(15)にGrignard試薬(17)を作用させることで製
造できる。化合物(17)は、市販品を用いるか、自体公知の方法またはそれに準ずる方法
で製造できる。
工程4-6:化合物(Id)は、酸化剤(m-クロロ安息香酸など)による化合物(18)の酸
化により製造できる。
工程4-7:化合物(20)は、酸化銀の存在下、化合物(19)による化合物(16)のアル
キル化により製造できる。化合物(19)は、市販品を用いるか、自体公知の方法またはそ
れに準ずる方法で製造できる。
工程4-8:化合物(Ie)は、酸化剤(m-クロロ安息香酸など)による化合物(20)の酸
化により製造できる。
【0113】
化合物(I)に包含される化合物(If)は、以下のスキーム5に示す方法により製造で
きる。
【化6】
[式中、各記号は前記と同義である。]
【0114】
工程5-1:このスキーム5中の化合物(22)は、酸(塩化水素、塩酸など)または塩基
(炭酸カリウムなど)による化合物(21)のアセチル基の脱保護により製造できる。
工程5-2:化合物(23)は、塩基(炭酸カリウム、DBUなど)存在下、化合物(4)によ
る化合物(22)のアルキル化により製造できる。化合物(23)は、塩基(炭酸カリウムな
ど)存在下、化合物(21)と化合物(4)を反応させることにより、ワンポットで製造す
ることもできる。
工程5-3:化合物(If)は、酸化剤(m-クロロ安息香酸など)による化合物(23)の酸
化により製造できる。
【0115】
上記の化合物(21)は、以下のスキーム6に示す方法により製造できる。
【化7】
[式中、各記号は前記と同義である。]
工程6-1:化合物(26)は、塩基(炭酸カリウムなど)存在下、市販化合物(24)と化
合物(25)を反応させることで製造できる(Synth Commun, 1986, 16, 149)。化合物(2
5)は市販品を用いるか、自体公知の方法(Arbuzov反応)で製造できる。
工程6-2:化合物(27)は、塩基(ピリジン、DMAPなど)存在下、無水酢酸による化合
物(26)のアセチル化により製造できる。
工程6-3:化合物(21)は、塩基(トリエチルアミンなど)存在下、チオ酢酸カリウム
による化合物(27)の求核置換により製造できる。
【0116】
化合物(I)に包含される化合物(Ig)は、以下のスキーム7に示す方法により製造でき
る。
【化8】
[式中、P
2は、ヒドロキシ基の保護基(ベンゾイル基など)を示し、その他の各記号は前
記と同義である。]
工程7-1:化合物(28)は、酸触媒(p-トルエンスルホン酸ピリジニウムなど)および
脱水剤(オルトギ酸トリメチルなど)存在下、メタノールによる化合物(14)のアセター
ル化により製造できる。
工程7-2:化合物(30)は、化合物(29)による、化合物(28)のアセタール交換によ
り製造できる。化合物(29)は、自体公知の方法またはそれに準ずる方法で製造できる。
工程7-3:化合物(31)は、塩基(炭酸カリウムなど)存在下、化合物(30)と化合物
(4)を反応させることで製造できる。
工程7-4:化合物(Ig)は、酸化剤(m-クロロ安息香酸など)による化合物(31)の酸
化により製造できる。
【0117】
上記スキーム4の化合物(15)は、以下のスキーム8に示す方法によっても製造できる
。
【化9】
[式中、各記号は前記と同義である。]
【0118】
工程8-1:化合物(32)は、塩基(炭酸カリウムなど)による化合物(13)のアセチル
基の脱保護により製造できる。化合物(13)は、例えば、スキーム3に示す方法等で製造
できる。
工程8-2:化合物(33)は、塩基(炭酸カリウムなど)存在下、化合物(4)による化
合物(32)のアルキル化により製造できる。化合物(4)は、市販品を用いるか、実施例
に記載された方法、自体公知の方法またはそれに準ずる方法で製造できる。化合物(33)
は、塩基(炭酸カリウムなど)存在下、化合物(13)と化合物(4)を反応させることに
より、ワンポットで製造することもできる。
工程8-3:化合物(15)は、酸(塩化水素など)による化合物(33)の脱アセタール化
、および塩基(DBUなど)による二重結合異性化により製造できる。
【0119】
[実施例]
本発明は、更に以下の実施例および試験例によって詳しく説明されるが、これらは本発
明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。な
お、このセクションにおいて、実施例1~65のうち、実施例3、4、6~11、13~
17、20、29、31、32、34、37~39、44、45、50、55、58につ
いては、当業者であれば、上記の製造方法に基づき、また前後の実施例を参照して容易に
製造できるのであえて記載を省略したが、実施例1~65の全てについて、その化合物名
と構造式が、一連の表1に記載されている。
実施例中、「室温」は通常約10℃~約35℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に
断らない限り容量比を示す。%は、特に断らない限り重量%を示す。
プロトン核磁気共鳴(1H-NMR)スペクトルは、フーリエ変換NMR装置(Bruker Avance 6
00 MHz)により、テトラメチルシランを基準として測定した。
マススペクトル(MS)は、液体クロマトグラフ質量分析計(Shimadzu LCMS-2020)によ
り測定した。移動相には0.1%ギ酸水溶液と0.1%ギ酸アセトニトリル溶液の混合液を用いた
。イオン化法としては、エレクトロスプレーイオン化(ESI)を用いた。通常、ポジティ
ブモードではプロトン付加イオン[M+H]+、ネガティブモードではプロトン脱離イオン[M-H
]-が観測される。化合物によっては、アンモニウムイオン、ナトリウムイオン、アセトニ
トリル、ギ酸イオンなどが付加したイオンが観測されることもある。
【0120】
以下の実施例において、下記の略号を使用する。
M:モル濃度
N:規定度
MS:マススペクトル
ESI:エレクトロスプレーイオン化
1H-NMR:プロトン核磁気共鳴
CDCl3:重水素化クロロホルム
DMSO-d6:重水素化ジメチルスルホキシド
LC/MS:液体クロマトグラフ質量分析計
DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
NCS:N-クロロスクシンイミド
THF:テトラヒドロフラン
【0121】
実施例1
エチル 8-[(3-クロロピリジン-2-イル)メタンスルホニル]-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ
-6-エン-7-カルボキシラート
(A) エチル 8-ヒドロキシ-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-7-エン-7-カルボキシラート
炭酸ジエチル(5.91 g, 50 mmol)のTHF(40 mL)溶液に、撹拌下、カリウムtert-ブト
キシド(6.73 g, 48 mmol)を加え、混合物を加熱還流下、5分間撹拌した。混合物に、加
熱還流撹拌下、1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-オン(3.12 g, 20 mmol)のTHF(10 m
L)溶液を滴下し、混合物を加熱還流下、4時間撹拌した。混合物に、氷冷撹拌下、1N塩酸
を加え酢酸エチルで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、ろ液を減圧
濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル
(94:6→73:27)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(3.64 g, 16
mmol, 収率80%)を無色油状物として得た。
(B) エチル 8-(アセチルスルファニル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-7-エン-7-カルボ
キシラート
エチル 8-ヒドロキシ-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-7-エン-7-カルボキシラート(3.4
2 g, 15 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.33 g, 18 mmol)のトルエン(30
mL)溶液に、撹拌下、-78℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(3.78 mL, 22.5 mmo
l)を滴下し、混合物を同温度で1時間撹拌した。混合物を5%炭酸水素ナトリウム水溶液で
希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、ろ液を減
圧濃縮した。残留物をDMSO(15 mL)に溶解し、チオ酢酸カリウム(3.43 g, 30 mmol)を
加え、混合物を8時間撹拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を
水で洗浄後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキ
サン-酢酸エチル(83:17→63:37)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化
合物(2.04 g, 7.1 mmol, 収率48%)を淡黄色油状物として得た。
(C) エチル 6-(アセチルスルファニル)-3-オキソシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラー
ト
エチル 8-(アセチルスルファニル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-7-エン-7-カルボキ
シラート(2.04 g, 7.1 mmol)のTHF(10 mL)溶液に、4N塩化水素酢酸エチル溶液(40 m
L)を加え、混合物を24時間撹拌した。混合物を減圧濃縮後、水で希釈し、酢酸エチルで
抽出した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、
ヘキサン-酢酸エチル(91:9→70:30)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題
化合物(1.58 g, 6.5 mmol, 収率92%)を淡黄色油状物として得た。
(D) エチル 8-(アセチルスルファニル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボ
キシラート
エチル 6-(アセチルスルファニル)-3-オキソシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
(853 mg, 3.5 mmol)、エチレングリコール(2.19 g, 35 mmol)、およびオルトギ酸ト
リメチル(1.87 g, 18 mmol)のトルエン(20 mL)溶液に、p-トルエンスルホン酸ピリジ
ニウム(973 mg, 3.9 mmol)を加え、混合物を室温で3日間撹拌した。混合物を5%炭酸水
素ナトリウム水溶液で希釈後、酢酸エチルで抽出した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(88:12→67:33)混合
溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(845 mg, 3.0 mmol, 収率84%)を
無色油状物として得た(冷凍庫内で固化)。
MS (ESI) m/z 287 [M+H]+
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ 1.27 (3 H, t, J = 7.2 Hz), 1.86 (1 H, d, J = 13.6 Hz)
, 1.91-2.07 (2 H, m), 2.20-2.37 (4 H, m), 3.88-3.98 (1 H, m), 4.00-4.14 (3 H, m)
, 4.13-4.28 (2 H, m), 4.67 (1 H, br. s.), 6.70 (1 H, s)
(E) エチル 8-{[(3-クロロピリジン-2-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサスピロ[
4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 8-(アセチルスルファニル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキ
シラート(86 mg, 0.30 mmol)と3-クロロ-2-(クロロメチル)ピリジン(63 mg, 0.39 mmo
l)のメタノール(6 mL)溶液に、氷冷撹拌下、炭酸カリウム(54 mg, 0.39 mmol)を加
え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、水を加え、有機相を
分取した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(57:43→36:64)混合溶媒
で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(94 mg, 0.25 mmol, 収率85%)を無色
油状物として得た。
MS (ESI) m/z 370 [M+H]+
(F) エチル 8-[(3-クロロピリジン-2-イル)メタンスルホニル]-1,4-ジオキサスピロ[4.5]
デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 8-{[(3-クロロピリジン-2-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサスピロ[4.
5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート(94 mg, 0.25 mmol)のアセトニトリル(6 mL)溶液
に、氷冷撹拌下、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 138 mg, 0.56 mmol)を加え、混合物を
氷冷下で3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、
5%炭酸水素ナトリウム水溶液、および水で順に洗浄した。有機相を減圧濃縮後、残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(39:61→18:82)混
合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(89 mg, 0.22 mmol, 収率87%)
を白色固体として得た。
【0122】
実施例2
エチル 8-[(5-クロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デ
カ-6-エン-7-カルボキシラート
(A) エチル 8-{[(5-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサスピ
ロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 8-(アセチルスルファニル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキ
シラート(173 mg, 0.60 mmol)と2-クロロ-5-(クロロメチル)チオフェン(121 mg, 0.72
mmol)のメタノール(8 mL)溶液に、氷冷撹拌下、炭酸カリウム(100 mg, 0.72 mmol)
を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、水を加え、有機
相を分取した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を減圧濃縮後、残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(95:5→74:26)混合溶
媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(166 mg, 0.44 mmol, 収率73%)を無
色油状物として得た。
MS (ESI) m/z 375 [M+H]+
(B) エチル 8-[(5-クロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]-1,4-ジオキサスピロ[4.
5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 8-{[(5-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサスピロ[
4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート(161 mg, 0.43 mmol)のアセトニトリル(8 mL)
溶液に、氷冷撹拌下、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 233 mg, 0.95 mmol)を加え、混合
物を室温で2時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液
を加え、有機相を分取した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を5%炭酸水素
ナトリウム水溶液および水で順に洗浄した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(74:26→53:47)混合溶媒で溶出
した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(125 mg, 0.31 mmol, 収率72%)を無色油状物
として得た(徐々に固化)。
【0123】
実施例5
エチル 6-[(5-クロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-1-カル
ボキシラート
(A) エチル 6-ヒドロキシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
5.6Mグルタルアルデヒド水溶液(3.1 mL, 17 mmol)とジエチルホスホノ酢酸エチル(3
.4 mL, 17 mmol)の混合物に、5M炭酸カリウム水溶液(0.2 mL)を加え、混合物を室温で
1時間撹拌した。混合物に5M炭酸カリウム水溶液(7 mL)を加え、混合物を室温で18時間
撹拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を減圧濃縮後、残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→80:20)混
合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(1.06 g, 6.2 mmol, 収率36%)
を無色油状物として得た。
(B) エチル 6-(アセチルスルファニル)シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-ヒドロキシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(1.05 g, 6.2 mmol)
とDMAP(75 mg, 0.61 mmol)のピリジン(10 mL)溶液に、無水酢酸(1.75 mL, 18.5 mmo
l)を加え、混合物を室温で1.5時間撹拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し
た。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。ろ液を減圧濃
縮後、残留物をエタノール(6 mL)に溶解した。混合物にトリエチルアミン(0.95 mL, 6
.8 mmol)およびチオ酢酸カリウム(844 mg, 7.4 mmol)を加え、混合物を室温で18時間
撹拌した。混合物を減圧濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→93:7)混合溶媒で溶
出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(882 mg, 3.9 mmol, 収率63%)を無色油状
物として得た。
(C) エチル 6-スルファニルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-(アセチルスルファニル)シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(1.07 g,
4.7 mmol)のエタノール(5 mL)溶液に、4N塩化水素酢酸エチル溶液(5 mL)を加え、
混合物を60℃で20時間撹拌した。混合物を減圧濃縮し、水を加え酢酸エチルで抽出した。
有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し
、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→
97:3)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(878 mg, 4.7 mmol, 収
率100%)を無色油状物として得た。
(D) エチル 6-{[(5-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-エ
ン-1-カルボキシラート
エチル 6-スルファニルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(100 mg, 0.54 mmol
)と2-クロロ-5-(クロロメチル)チオフェン(90 mg, 0.54 mmol)のDMF(3 mL)溶液に、
氷冷撹拌下、DBU(0. 096 mL, 0.64 mmol)を加え、混合物を氷冷下で20分間撹拌した。
混合物を酢酸エチルで希釈後、水を加え、有機相を分取した。水相を酢酸エチルで抽出し
た。合わせた有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し
、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→95:5)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表
題化合物(160 mg, 0.50 mmol, 収率94%)を無色油状物として得た。
(E) エチル 6-[(5-クロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-1-
カルボキシラート
エチル 6-{[(5-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-エン-
1-カルボキシラート(100 mg, 0.32 mmol)のアセトニトリル(20 mL)溶液に、3-クロロ
過安息香酸(含量70%, 236 mg, 0.96 mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。混
合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶
液、および水で順に洗浄した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(95:5→90:10)混合溶媒で溶出した。目的画分
を減圧濃縮し、表題化合物(45 mg, 0.13 mmol, 収率41%)を白色固体として得た。
【0124】
実施例12
エチル 8-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-1,4-ジオキサスピロ[4.
5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
(A) エチル 8-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサ
スピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 8-(アセチルスルファニル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキ
シラート(100 mg, 0.35 mmol)と2,5-ジクロロ-3-(クロロメチル)チオフェン(84 mg, 0
.42 mmol)のメタノール(5 mL)溶液に、炭酸カリウム(193 mg, 1.40 mmol)を加え、
混合物を室温で15分間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、水を加え、有機相を分取
した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(95:5→85:15)混合溶媒で溶出
した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(90 mg, 0.22 mmol, 収率63%)を無色油状物
として得た。
(B) エチル 8-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-1,4-ジオキサスピ
ロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 8-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサス
ピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート(90 mg, 0.22 mmol)のアセトニトリル(5 m
L)溶液に、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 119 mg, 0.48 mmol)を加え、混合物を室温
で3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、
有機相を分取した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液および水で順に洗浄した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(70:30→40:60)混合溶媒で溶出した。目
的画分を減圧濃縮し、表題化合物(65 mg, 0.15 mmol, 収率67%)を無色油状物として得
た(徐々に固化)。
【0125】
実施例18
エチル 6-[(5-クロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]-3-オキソシクロヘキサ-1-エ
ン-1-カルボキシラート
(A) エチル 6-{[(5-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-3-オキソシクロヘ
キサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 8-{[(5-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサスピロ[
4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート(304 mg, 0.81 mmol)のTHF(2 mL)溶液に、4N塩
化水素酢酸エチル溶液(10 mL)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を減圧
濃縮後、残留物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(95:5→74:26)混合溶
媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(240 mg, 0.73 mmol, 収率89%)を淡
黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ 1.35 (3 H, t, J = 7.1 Hz), 2.14 (1 H, ddt, J = 14.0, 5.0, 2.6,
2.6 Hz), 2.31 (1 H, tt, J = 14.0, 4.3 Hz), 2.45 (1 H, dt, J = 17.4, 3.4 Hz), 2.
86 (1 H, ddd, J = 17.4, 14.1, 5.1 Hz), 3.97 (1 H, d, J = 15.0 Hz), 4.00 (1 H, t,
J = 3.1 Hz), 4.08 (1 H, d, J = 15.0 Hz), 4.31 (2 H, q, J = 7.1 Hz), 6.62 (1 H,
s), 6.76 (1 H, d, J = 3.9 Hz), 6.81 (1 H, d, J = 3.9 Hz)
(B) エチル 6-[(5-クロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]-3-オキソシクロヘキサ-
1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-{[(5-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-3-オキソシクロヘキ
サ-1-エン-1-カルボキシラート(40 mg, 0.12 mmol)のアセトニトリル(4 mL)溶液に、
氷冷撹拌下、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 66 mg, 0.27 mmol)を加え、混合物を氷冷
下で3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭
酸水素ナトリウム水溶液および水で順に洗浄した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(74:26→53:47)混合溶媒
で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(37 mg, 0.10 mmol, 収率84%)を白色
固体として得た。
【0126】
実施例19
エチル 6-[(5-クロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]-3-ヒドロキシシクロヘキサ-
1-エン-1-カルボキシラート
(A) エチル 6-{[(5-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロキシシク
ロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-{[(5-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-3-オキソシクロヘキ
サ-1-エン-1-カルボキシラート(198 mg, 0.60 mmol)と塩化セリウム(III)七水和物(26
8 mg, 0.72 mmol)のエタノール(6 mL)溶液に、氷冷撹拌下、水素化ホウ素ナトリウム
(23 mg, 0.6 mmol)を加え、混合物を氷冷下で1時間撹拌した。混合物に、氷冷撹拌下、
水素化ホウ素ナトリウム(23 mg, 0.6 mmol)を加え、混合物を氷冷下で0.5時間撹拌した
。混合物を水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(73:27→52:48)混合溶媒で
溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(131 mg, 0.39 mmol, 収率66%)を無色油
状物として得た。
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ 1.30 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.73-1.93 (3H, m), 2.01-2.0
9 (1H, m), 3.71 (1H, br. s), 3.92 (1H, d, J = 14.7 Hz), 4.03 (1H, d, J = 14.7 Hz
), 4.20-4.26 (2H, m), 4.27-4.34 (1H, m), 6.72 (1H, d, J = 3.7 Hz), 6.77 (1H, d,
J = 3.7 Hz), 6.80 (1H, br. s)
(B) エチル 6-[(5-クロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]-3-ヒドロキシシクロヘ
キサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-{[(5-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロキシシクロ
ヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(129 mg, 0.39 mmol)のアセトニトリル(5 mL)溶
液に、氷冷撹拌下、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 210 mg, 0.85 mmol)を加え、混合物
を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、
5%炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順に洗浄した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(51:49→30:70)混合
溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(130 mg, 0.36 mmol, 収率92%)を
無色油状物として得た(冷凍庫内で固化)。
【0127】
実施例21
エチル cis-6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-ヒドロキシシク
ロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
(A) エチル 6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-オキソシク
ロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 8-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサス
ピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート(120 mg, 0.29 mmol)に、4N塩化水素酢酸エ
チル溶液(5 mL)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エ
チルで抽出した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付し、ヘキサン-酢酸エチル(95:5→75:25)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し
、表題化合物(100 mg, 0.27 mmol, 収率93%)を淡黄色油状物として得た。
(B) エチル cis-6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロ
キシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-オキソシクロ
ヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(100 mg, 0.27 mmol)と塩化セリウム(III)七水和物
(153 mg, 0.41 mmol)のエタノール(5 mL)溶液に、氷冷撹拌下、水素化ホウ素ナトリ
ウム(16 mg, 0.4 mmol)を加え、混合物を氷冷下で1時間撹拌した。混合物を水で希釈後
、酢酸エチルで抽出した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(80:20→60:40)混合溶媒で溶出した。目的画分を
減圧濃縮し、表題化合物(80 mg, 0.22 mmol, 収率80%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ 1.29 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.80-1.91 (3H, m), 1.98 (1H
, br. s.), 2.01-2.07 (1H, m), 3.68 (1H, br. s), 3.73, 3.74 (2H, ABq, J = 14.0 Hz
), 4.17-4.26 (2H, m), 4.26-4.32 (1H, m), 6.80-6.82 (1H, m), 6.86 (1H, s)
(C) cis-エチル 6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-ヒドロキシ
シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル cis-6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロキ
シシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(40 mg, 0.11 mmol)のアセトニトリル(3
mL)溶液に、氷冷撹拌下、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 64 mg, 0.26 mmol)を加え、
混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水
溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順に洗浄した。有機相を減圧濃縮後、残留
物を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル 1:1)で精製し、表題化合物(3
0 mg, 0.08 mmol, 収率69%)を白色固体として得た。
【0128】
実施例22
エチル trans-6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-ヒドロキシシ
クロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
(A) trans-4-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-(エトキシカ
ルボニル)シクロヘキサ-2-エン-1-イル 4-ニトロベンゾアート
エチル cis-6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロキ
シシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(35 mg, 0.10 mmol)、4-ニトロ安息香酸(
18 mg, 0.11 mmol)、およびトリフェニルホスフィン(34 mg, 0.13 mmol)のTHF(5 mL
)溶液に、アゾジカルボン酸ビス(2-メトキシエチル)(31 mg, 0.13 mmol)を加え、混合
物を室温で16時間撹拌した。混合物を水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。有機相を減圧
濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(9
5:5→75:25)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(30 mg, 0.06 mm
ol, 収率61%)を無色油状物として得た。
(B) エチルtrans-6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒド
ロキシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
4-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-(エトキシカルボニル)
シクロヘキサ-2-エン-1-イル 4-ニトロベンゾアート(30 mg, 0.06 mmol)のメタノール/
酢酸エチル(5 mL/5 mL)溶液に、炭酸カリウム(18 mg, 0.13 mmol)を加え、混合物を
室温で2時間撹拌した。混合物を水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。有機相を減圧濃縮
後、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル 2:1)で精製し、表題
化合物(5 mg, 0.01 mmol, 収率23%)を無色油状物として得た。
(C) エチル trans-6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-ヒドロキ
シシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロキシシ
クロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(5 mg, 0.01 mmol)のアセトニトリル(3 mL)
溶液に、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 7 mg, 0.03 mmol)を加え、混合物を室温で1時
間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸水素
ナトリウム水溶液および水で順に洗浄した。有機相を減圧濃縮後、分取薄層クロマトグラ
フィー(ヘキサン-酢酸エチル 1:1)で精製し、表題化合物(3 mg, 0.008 mmol, 収率55%
)を無色油状物として得た。
【0129】
実施例23
エチル 6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-1-
カルボキシラート
(A) エチル 6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1
-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-スルファニルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(50 mg, 0.27 mmol
)と2,5-ジクロロ-3-(クロロメチル)チオフェン(54 mg, 0.27 mmol)のDMF(3 mL)溶液
に、DBU(0. 048 mL, 0.32 mmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を酢
酸エチルで希釈後、水を加え、有機相を分取した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせ
た有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン
-酢酸エチル(98:2→95:5)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(4
0 mg, 0.11 mmol, 収率42%)を単黄色油状物として得た。
(B) エチル 6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エ
ン-1-カルボキシラート
エチル 6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-
エン-1-カルボキシラート(40 mg, 0.11 mmol)のアセトニトリル(5 mL)溶液に、3-ク
ロロ過安息香酸(含量70%, 72 mg, 0.29 mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。
混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水
溶液、および水で順に洗浄した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(95:5→80:20)混合溶媒で溶出した。目的画
分を減圧濃縮し、表題化合物(40 mg, 0.10 mmol, 収率92%)を無色油状物として得た(
室温で徐々に固化)。
【0130】
実施例24
エチル 6-[1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-
1-カルボキシラート(低極性)
【0131】
実施例25
エチル 6-[1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-
1-カルボキシラート(高極性)
(A) エチル 6-{[1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エチル]スルファニル}シクロヘキサ
-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-スルファニルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(50 mg, 0.27 mmol
)と2,5-ジクロロ-3-(1-クロロエチル)チオフェン(58 mg, 0.27 mmol)のDMF(3 mL)溶
液に、DBU(0. 048 mL, 0.32 mmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を
酢酸エチルで希釈後、水を加え、有機相を分取した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わ
せた有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサ
ン-酢酸エチル(98:2→85:15)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物
(35 mg, 0.096 mmol, 収率36%)を無色油状物として得た。
(B) エチル 6-[1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタンスルホニル]シクロヘキサ-1-
エン-1-カルボキシラート
エチル 6-{[1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エチル]スルファニル}シクロヘキサ-1
-エン-1-カルボキシラート(35 mg, 0.096 mmol)のアセトニトリル(3 mL)溶液に、3-
クロロ過安息香酸(含量70%, 52 mg, 0.21 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した
。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム
水溶液、および水で順に洗浄した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(95:5→80:20)混合溶媒で溶出した。目的
画分を減圧濃縮し、表題化合物の二つのジアステレオマーをそれぞれ得た(低極性:20 m
g, 0.050 mmol, 収率53%, 白色個体)(高極性:10 mg, 0.025 mmol, 収率26%, 無色油状
物)。
【0132】
実施例26
エチル 6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-ヒドロキシ-3-メチル
シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(低極性)
(A) エチル 6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロキシ-
3-メチルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(低極性および高極性)
エチル 6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-オキソシクロ
ヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(60 mg, 0.16 mmol)のTHF(10 mL)溶液に、氷冷撹
拌下、臭化メチルマグネシウム(3 Mジエチルエーテル溶液, 0.27 mL, 0.81 mmol)を加
え、混合物を氷冷下で2時間撹拌した。混合物を1N塩酸で希釈後、酢酸エチルで抽出した
。有機相を減圧濃縮後、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル 3:
1)で精製し、表題化合物の二つのジアステレオマーをそれぞれ得た(低極性:15 mg, 0.
04 mmol, 収率24%, 無色油状物)(高極性:10 mg, 0.03 mmol, 収率16%, 無色油状物)
。
(B) エチル 6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-ヒドロキシ-3-メ
チルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(低極性)
エチル 6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロキシ-3-
メチルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(低極性)(15 mg, 0.04 mmol)のアセ
トニトリル(3 mL)溶液に、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 21 mg, 0.09 mmol)を加え
、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム
水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順に洗浄した。有機相を減圧濃縮後、残
留物を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル 1:1)で精製し、表題化合物
(10 mg, 0.02 mmol, 収率62%)を白色固体として得た。
【0133】
実施例27
エチル 6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-ヒドロキシ-3-メチル
シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(高極性)
エチル 6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロキシ-3-
メチルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(高極性)(10 mg, 0.03 mmol)のアセ
トニトリル(3 mL)溶液に、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 14 mg, 0.06 mmol)を加え
、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム
水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順に洗浄した。有機相を減圧濃縮後、残
留物を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル 1:1)で精製し、表題化合物
(3 mg, 0.007 mmol, 収率28%)を無色油状物として得た。
【0134】
実施例28
エチル cis-6-[(2-クロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-ヒドロキシシクロヘ
キサ-1-エン-1-カルボキシラート
(A) エチル 8-{[(2-クロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサスピ
ロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 8-(アセチルスルファニル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキ
シラート(286 mg, 1.0 mmol)と2-クロロ-3-(クロロメチル)チオフェン(200 mg, 1.2 m
mol)のメタノール(8 mL)溶液に、炭酸カリウム(166 mg, 1.2 mmol)を加え、混合物
を室温で1.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、水を加え、有機相を分取した
。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→76:24)混合溶媒で溶出した。目的画分を減
圧濃縮し、表題化合物(239 mg, 0.64 mmol, 収率64%)を無色油状物として得た。
MS (ESI) m/z 375 [M+H]+
(B) エチル 6-{[(2-クロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-オキソシクロヘ
キサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 8-{[(2-クロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサスピロ[
4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート(239 mg, 0.64 mmol)のTHF(2 mL)溶液に、4N塩
化水素酢酸エチル溶液(7 mL)を加え、混合物を室温で17時間撹拌した。混合物を減圧濃
縮後、残留物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(95:5→74:26)混合溶媒で溶出し
た。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(181 mg, 0.54 mmol, 収率86%)を淡黄色油状物
として得た。
MS (ESI) m/z 372 [M+H+CH3CN]+
(C) エチル cis-6-{[(2-クロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロキシ
シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-{[(2-クロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-オキソシクロヘキ
サ-1-エン-1-カルボキシラート(181 mg, 0.54 mmol)と塩化セリウム(III)七水和物(24
2 mg, 0.65 mmol)のエタノール(6 mL)溶液に、氷冷撹拌下、水素化ホウ素ナトリウム
(25 mg, 0.65 mmol)を加え、混合物を氷冷下で1時間撹拌した。混合物を水で希釈後、
酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→62:38)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し
、表題化合物(145 mg, 0.43 mmol, 収率81%)を無色油状物として得た。
(D) エチル cis-6-[(2-クロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-ヒドロキシシク
ロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル cis-6-{[(2-クロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロキシシ
クロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(135 mg, 0.40 mmol)のアセトニトリル(5 mL
)溶液に、氷冷撹拌下、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 220 mg, 0.89 mmol)を加え、混
合物を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶
液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ
過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘ
キサン-酢酸エチル(51:49→30:70)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題
化合物(130 mg, 0.36 mmol, 収率89%)を無色油状物として得た(冷凍庫内で固化)。
【0135】
実施例30
エチル cis-3-ヒドロキシ-6-[(チオフェン-3-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エ
ン-1-カルボキシラート
(A) エチル 8-{[(チオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デ
カ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 8-(アセチルスルファニル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキ
シラート(143 mg, 0.5 mmol)と3-(クロロメチル)チオフェン(132 mg, 0.6 mmol)のメ
タノール(4 mL)溶液に、氷冷撹拌下、炭酸カリウム(83 mg, 0.6 mmol)を加え、混合
物を氷冷下で1.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、水を加え、有機相を分取
した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過
した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキ
サン-酢酸エチル(100:0→75:25)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化
合物(90 mg, 0.26 mmol, 収率53%)を無色油状物として得た。
MS (ESI) m/z 341 [M+H]+
(B) エチル 3-オキソ-6-{[(チオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-エ
ン-1-カルボキシラート
エチル 8-{[(チオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ
-6-エン-7-カルボキシラート(90 mg, 0.26 mmol)のTHF(1 mL)溶液に、4N塩化水素酢
酸エチル溶液(3 mL)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を減圧濃縮後、残
留物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(93:7→72:28)混合溶媒で溶出した。目的
画分を減圧濃縮し、表題化合物(63 mg, 0.21 mmol, 収率82%)を無色油状物として得た
。
MS (ESI) m/z 297 [M+H]+
(C) エチル cis-3-ヒドロキシ-6-{[(チオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}シクロヘ
キサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 3-オキソ-6-{[(チオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-エン
-1-カルボキシラート(63 mg, 0.21 mmol)と塩化セリウム(III)七水和物(82 mg, 0.22
mmol)のエタノール(3 mL)溶液に、氷冷撹拌下、水素化ホウ素ナトリウム(8 mg, 0.22
mmol)を加え、混合物を氷冷下で1.5時間撹拌した。混合物を水で希釈後、酢酸エチルで
抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した
。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン
-酢酸エチル(100:0→62:38)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物
(63 mg, 0.21 mmol, 収率100%)を無色油状物として得た。
(D) エチル cis-3-ヒドロキシ-6-[(チオフェン-3-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-
1-エン-1-カルボキシラート
エチル cis-3-ヒドロキシ-6-{[(チオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキ
サ-1-エン-1-カルボキシラート(63 mg, 0.21 mmol)のアセトニトリル(2 mL)溶液に、
氷冷撹拌下、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 114 mg, 0.46 mmol)を加え、混合物を室温
で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液および水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。
有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-
酢酸エチル(51:49→30:70)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(
49 mg, 0.15 mmol, 収率71%)を無色油状物として得た。
【0136】
実施例33
エチル 6-[(3-クロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-1-カル
ボキシラート
(A) (3-クロロチオフェン-2-イル)メタノール
3-クロロチオフェン-2-カルバルデヒド(500 mg, 3.4 mmol)のメタノール(15 mL)溶
液に、氷冷撹拌下、水素化ホウ素ナトリウム(64 mg, 1.7 mmol)を加え、混合物を室温
で19時間撹拌した。混合物を水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→81:19)混
合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(236 mg, 1.6 mmol, 収率47%)
を淡褐色個体として得た。
(B) 3-クロロ-2-(クロロメチル)チオフェン
(3-クロロチオフェン-2-イル)メタノール(236 mg, 1.6 mmol)のジクロロメタン(5 m
L)溶液に、氷冷撹拌下、塩化チオニル(0.23 mL, 3.2 mmol)を加え、混合物を氷冷下で
18時間撹拌した。混合物を減圧濃縮後、ジクロロメタンに溶解させた。有機相を飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃
縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100
:0→97:3)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(192 mg, 1.2 mmol
, 収率72%)を淡褐色個体として得た。
(C) エチル 6-{[(3-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-エ
ン-1-カルボキシラート
エチル 6-スルファニルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(56 mg, 0.30 mmol
)と3-クロロ-2-(クロロメチル)チオフェン(55 mg, 0.33 mmol)のメタノール(2 mL)
溶液に、炭酸カリウム(46 mg, 0.33 mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。混
合物を酢酸エチルで希釈後、水を加え、有機相を分取した。水相を酢酸エチルで抽出した
。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相
を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エ
チル(100:0→81:19)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(64 mg,
0.20 mmol, 収率67%)を無色油状物として得た。
MS (ESI) m/z 317 [M+H]+
(D) エチル 6-[(3-クロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-1-
カルボキシラート
エチル 6-{[(3-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-エン-
1-カルボキシラート(64 mg, 0.20 mmol)のアセトニトリル(2 mL)溶液に、3-クロロ過
安息香酸(含量70%, 96 mg, 0.39 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物
を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、
および水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(88:12→61:3
9)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(54 mg, 0.15 mmol, 収率9
1%)を無色油状物として得た。
【0137】
実施例35
エチル 6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-エチル-3-ヒドロキシ
シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(低極性)
(A) 臭化エチルマグネシウム
窒素雰囲気下、マグネシウム(50 mmol, 1.2 g)およびヨウ素(1粒)のTHF(40 mL)
溶液に、氷冷撹拌下で、臭化エチル(3.7 mL, 50 mmol)のTHF(10 mL)溶液をゆっくり
と滴下し、混合物を80℃で2時間撹拌し、表題化合物(1N THF溶液、50 mL)を灰色溶液
として得た。
(B) エチル 6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-エチル-3-ヒ
ドロキシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(低極性および高極性)
エチル 6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-オキソシクロ
ヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(109 mg, 0.30 mmol)のTHF(3 mL)溶液に、-50℃
で撹拌下、臭化エチルマグネシウム(1N THF溶液, 0.5 mL, 0.5 mmol)を加え、混合物を
-50℃で20分間撹拌した後、室温で2時間撹拌した。混合物を-50℃に冷却し、臭化エチル
マグネシウム(1N THF溶液, 0.3 mL, 0.3 mmol)を加え、混合物を-50℃で10分間撹拌し
た後、室温で1時間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈後、酢酸エチ
ルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過
した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキ
サン-酢酸エチル(100:0→90:10)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化
合物の二つのジアステレオマーをそれぞれ得た(低極性:33 mg, 0.08 mmol, 収率27%,
無色油状物)(高極性:6 mg, 0.02 mmol, 収率4%, 無色油状物)。
(C) エチル 6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-エチル-3-ヒドロ
キシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(低極性)
エチル 6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-エチル-3-ヒド
ロキシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(低極性)(83 mg, 0.20 mmol)のアセ
トニトリル(2 mL)溶液に、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 114 mg, 0.44 mmol)を加え
、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム
水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し
、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→70:30)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、
表題化合物(69 mg, 0.16 mmol, 収率81%)を白色固体として得た。
【0138】
実施例36
エチル 6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-エチル-3-ヒドロキシ
シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(高極性)
エチル 6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-エチル-3-ヒド
ロキシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(高極性)(5 mg, 0.013 mmol)のアセ
トニトリル(2 mL)溶液に、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 7 mg, 0.028 mmol)を加え
、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム
水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン-酢
酸エチル 2:1)で精製し、表題化合物(2 mg, 0.004 mmol, 収率32%)を無色油状物とし
て得た。
【0139】
実施例40
エチル 6-[(5-クロロ-2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ
-1-エン-1-カルボキシラート
(A) エチル 8-{[(3-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサスピ
ロ[4.5]デカ-7-エン-7-カルボキシラート
エチル 8-(アセチルスルファニル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-7-エン-7-カルボキ
シラート(143 mg, 0.5 mmol)と3-クロロ-2-(クロロメチル)チオフェン(83 mg, 0.5 mm
ol)のメタノール(3 mL)溶液に、炭酸カリウム(76 mg, 0.55 mmol)を加え、混合物を
室温で1.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、水を加え、有機相を分取した。
水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(97:3→76:24)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃
縮し、表題化合物(164 mg, 0.44 mmol, 収率87%)を淡黄色油状物として得た。
MS (ESI) m/z 375 [M+H]+
(B) エチル 6-{[(3-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-3-オキソシクロヘ
キサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 8-{[(3-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサスピロ[
4.5]デカ-7-エン-7-カルボキシラート(134 mg, 0.44 mmol)のTHF(1 mL)溶液に、4N塩
化水素酢酸エチル溶液(3 mL)を加え、混合物を室温で22時間撹拌した。混合物を減圧濃
縮後、残留物のトルエン(2 mL)溶液に氷冷撹拌下、DBU(0.06 mL, 0.04 mmol)を加え
、氷冷下で1時間撹拌した。混合液にDBU(0.12 mL, 0.40 mmol)を加え、氷冷下で2.5時
間撹拌した。混合液に2N 塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→81:19)混合
溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(55 mg, 0.16 mmol, 収率38%)を
黄色油状物として得た。
MS (ESI) m/z 372 [M+H+CH3CN]+
(C) エチル cis-6-{[(3-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロキシ
シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-{[(3-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-3-オキソシクロヘキ
サ-1-エン-1-カルボキシラート(181 mg, 0.54 mmol)と塩化セリウム(III)七水和物(62
mg, 0.16 mmol)のエタノール(3 mL)溶液に、氷冷撹拌下、水素化ホウ素ナトリウム(
6 mg, 0.16 mmol)を加え、混合物を氷冷下で1時間撹拌した。混合物を水で希釈後、酢酸
エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、
ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、
ヘキサン-酢酸エチル(100:0→62:38)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表
題化合物(35 mg, 0.11 mmol, 収率66%)を無色油状物として得た。
(D) エチル cis-6-[(3-クロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]-3-ヒドロキシシク
ロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル cis-6-{[(3-クロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロキシシ
クロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(35 mg, 0.11 mmol)のアセトニトリル(2 mL)
溶液に、氷冷撹拌下、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 57 mg, 0.22 mmol)を加え、混合
物を室温で1.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和チオ硫酸ナトリウム水
溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(50:50→29:71)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧
濃縮し、表題化合物(28 mg, 0.08 mmol, 収率78%)を無色油状物として得た。
【0140】
実施例41
エチル 6-[(5-クロロ-2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ
-1-エン-1-カルボキシラート
(A) 5-クロロ-4-(クロロメチル)-2-メチル-1,3-チアゾール
4-(クロロメチル)-2-メチル-1,3-チアゾール(500 mg, 3.40 mmol)のDMF溶液(4 mL)
に、NCS(498 mg, 3.73 mmol)を加え、混合物を50℃で2.5時間撹拌した。混合物を水で
希釈後、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩
水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮
し、表題化合物(380 mg, 2.09 mmol, 収率62%)を無色油状物として得た。
MS (ESI) m/z 182 [M+H]+
(B) エチル 6-{[(5-クロロ-2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)メチル]スルファニル}シク
ロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-(アセチルスルファニル)シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(68 mg,
0.30 mmol)と5-クロロ-4-(クロロメチル)-2-メチル-1,3-チアゾール(55 mg, 0.30 mmol
)のメタノール(2 mL)溶液に、炭酸カリウム(46 mg, 0.33 mmol)を加え、混合物を室
温で3.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、水を加え、酢酸エチルで抽出した
。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相
を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エ
チル混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(55 mg, 0.17 mmol, 収率
56%)を無色油状物として得た。
MS (ESI) m/z 332 [M+H]+
(C) エチル 6-[(5-クロロ-2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)メタンスルホニル]シクロヘ
キサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-{[(5-クロロ-2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)メチル]スルファニル}シクロ
ヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(55 mg, 0.17 mmol)のアセトニトリル(2 mL)溶液
に、氷冷撹拌下、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 88 mg, 0.36 mmol)を加え、混合物を
室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、ヘキサン-酢酸エチル混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(50
mg, 0.14 mmol, 収率83%)を無色油状物として得た。
【0141】
実施例42
エチル 8-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-1,4-ジチアスピロ[4.5]
デカ-6-エン-7-カルボキシラート
(A) エチル 6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-オキソシクロヘ
キサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-オキソシクロ
ヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(250 mg, 0.68 mmol)のアセトニトリル(5 mL)溶
液に、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 371 mg, 1.50 mmol)を加え、混合物を室温で2.5
時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過
した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキ
サン-酢酸エチル(100:0→82:18)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化
合物(123 mg, 0.31 mmol, 収率46%)を無色油状物として得た。
(B) SOCl2-SiO2
シリカゲル60(70μm, 3 g)のジクロロメタン(5 mL)溶液に、塩化チオニル(3 g, 2
5 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を減圧濃縮し、表題化合物を得
た。
(C) エチル 8-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-1,4-ジチアスピロ[
4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-オキソシクロヘキ
サ-1-エン-1-カルボキシラート(101 mg, 0.25 mmol)のトルエン(3 mL)溶液に、SOCl2
-SiO2(250 mg)およびエタン-1,2-ジチオール(72 mg, 0.76 mol)を加え、混合物を加
熱還流下18時間撹拌した。混合物に酢酸エチルを加えてろ過した。ろ液に飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→80:20)混合溶媒で溶出した
。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(76 mg, 0.16 mmol, 収率65%)を無色油状物とし
て得た。
【0142】
実施例43
エチル 6-[(3-メチルチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-1-カル
ボキシラート
(A) 3-メチル-2-(クロロメチル)チオフェン
(3-メチルチオフェン-2-イル)メタノール(58 mg, 0.45 mmol)のTHF(2 mL)溶液に、
塩化チオニル(0.065 mL, 0.90 mmol)を加え、混合物を50℃で2時間撹拌した。混合物に
トルエン(2 mL)を加え、190 kPaで10分間、減圧濃縮し、表題化合物のトルエン溶液を
粗生成物として得た。
(B) エチル 6-{[(3-メチルチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-エ
ン-1-カルボキシラート
エチル 6-スルファニルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(56 mg, 0.30 mmol
)のTHF(2 mL)溶液に、前記の3-メチル-2-(クロロメチル)チオフェンのトルエン溶液、
およびDBU(0.05 mL, 0.33 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸
エチルで希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機相を分取した。水相を酢酸
エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、
ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、
ヘキサン-酢酸エチル(100:0→94:6)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題
化合物(62 mg, 0.21 mmol, 収率70%)を無色油状物として得た。
(C) エチル 6-[(3-メチルチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-1-
カルボキシラート
エチル 6-{[(3-メチルチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-エン-
1-カルボキシラート(61 mg, 0.21 mmol)のアセトニトリル(2 mL)溶液に、3-クロロ過
安息香酸(含量70%, 111 mg, 0.45 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合
物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液
、および水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル混合溶媒で
溶出した。目的画分を減圧濃縮後、残留物をODSカラムクロマトグラフィー(水-メタノー
ル)で精製して、表題化合物(33 mg, 0.10 mmol, 収率49%)を無色油状物として得た。
【0143】
実施例46
エチル 8-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-2,3-ビス(ヒドロキシメ
チル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
(A) エチル 8-(アセチルスルファニル)-2,3-ビス[(ベンゾイルオキシ)メチル]-1,4-ジオ
キサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 6-(アセチルスルファニル)-3,3-ジメトキシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシ
ラート(144 mg, 0.50 mmol)と(2R,3S)-4-(ベンゾイルオキシ)-2,3-ビス[(トリメチルシ
リル)オキシ]ブチル ベンゾアート(308 mg, 0.65 mmol)のアセトニトリル(3 mL)溶液
に、氷冷撹拌下、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.01 mL, 0.05 mmol
)を加え、混合物を氷冷下で1時間撹拌した。混合物を減圧濃縮後、残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→82:18)混合溶媒で溶
出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(154 mg, 0.28 mmol, 収率55%)を無色油状
物として得た。
MS (ESI) m/z 555 [M+H]+
(B) エチル 8-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-2,3-ビス(ヒド
ロキシメチル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 8-(アセチルスルファニル)-2,3-ビス[(ベンゾイルオキシ)メチル]-1,4-ジオキ
サスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート(77 mg, 0.14 mmol)と2,5-ジクロロ-3-
(クロロメチル)チオフェン(28 mg, 0.14 mmol)のメタノール(2 mL)溶液に、炭酸カリ
ウム(58 mg, 0.42 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチル
で希釈後、2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し
、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(50:50→29:71)混合溶媒で溶出し
た。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(48 mg, 0.10 mmol, 収率74%)を無色油状物と
して得た。
MS (ESI) m/z 469 [M+H]+
(C) エチル 8-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-2,3-ビス(ヒドロキ
シメチル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 8-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-2,3-ビス(ヒドロ
キシメチル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート(48 mg, 0.10 m
mol)のアセトニトリル(2 mL)溶液に、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 54 mg, 0.22 mm
ol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和チオ硫
酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順に洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(50:50→25:75)混合溶媒で溶出した。
目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(11 mg, 0.02 mmol, 収率22%)を無色油状物として
得た。
【0144】
実施例47
エチル 6-[(3-フルオロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-1-カ
ルボキシラート
(A) (3-フルオロチオフェン-2-イル)メタノール
水素化アルミニウムリチウム(130 mg, 3.4 mmol)のTHF(5 mL)懸濁液に、氷冷撹拌
下、3-フルオロチオフェン-2-カルボン酸(500 mg, 3.4 mmol)を加え、混合物を室温で1
時間撹拌した。混合物を水で希釈後、1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽
出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。
有機相を減圧濃縮し、表題化合物の粗生成物(276 mg, 2.1 mmol, 収率61%)を黄色油状
物として得た。
(B) 3-フルオロ-2-(クロロメチル)チオフェン
(3-フルオロチオフェン-2-イル)メタノール(276 mg, 2.1 mmol)のジクロロメタン(5
mL)溶液に、氷冷撹拌下、塩化チオニル(0.30 mL, 4.2 mmol)を加え、混合物を室温で
18時間撹拌した。混合物を減圧濃縮後、ジクロロメタンに溶解させた。有機相を飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃
縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル混合
溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(111 mg, 0.74 mmol, 収率35%)を
淡褐色油状物として得た。
(C) エチル 6-{[(3-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-
エン-1-カルボキシラート
エチル 6-スルファニルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(56 mg, 0.30 mmol
)と3-フルオロ-2-(クロロメチル)チオフェン(45 mg, 0.30 mmol)のTHF(3 mL)溶液に
、DBU(0.050 mL, 0.33 mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を酢酸エ
チルで希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機相を分取した。水相を酢酸エ
チルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ
過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘ
キサン-酢酸エチル混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(36 mg, 0.
12 mmol, 収率40%)を得た。
(D) エチル 6-[(3-フルオロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-
1-カルボキシラート
エチル 6-{[(3-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-エ
ン-1-カルボキシラート(36 mg, 0.12 mmol)のアセトニトリル(2 mL)溶液に、3-クロ
ロ過安息香酸(含量70%, 65 mg, 0.26 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混
合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶
液、および飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減
圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル
混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮後、残留物をODSカラムクロマトグラフィー(
水-メタノール)で精製して、表題化合物(35 mg, 0.11 mmol, 収率88%)を無色油状物と
して得た。
【0145】
実施例48
エチル(2S,3S)-8-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-2,3-ビス(ヒド
ロキシメチル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
(A) エチル (2S,3S)-8-(アセチルスルファニル)-2,3-ビス[(ベンゾイルオキシ)メチル]-1
,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 6-(アセチルスルファニル)-3,3-ジメトキシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシ
ラート(367 mg, 1.27 mmol)と(2S,3S)-4-(ベンゾイルオキシ)-2,3-ビス[(トリメチルシ
リル)オキシ]ブチル ベンゾアート(786 mg, 1.66mmol)のアセトニトリル(5 mL)溶液
に、氷冷撹拌下、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.02 mL, 0.13 mmol
)を加え、混合物を氷冷下で1時間撹拌した。混合物を減圧濃縮後、残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→82:18)混合溶媒で溶
出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(424 mg, 0.76 mmol, 収率60%)を無色油状
物として得た。
MS (ESI) m/z 555 [M+H]+
(B) エチル(2S,3S)-8-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-2,3-
ビス(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル (2S,3S)-8-(アセチルスルファニル)-2,3-ビス[(ベンゾイルオキシ)メチル]-1,4
-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート(166 mg, 0.30 mmol)と2,5-ジ
クロロ-3-(クロロメチル)チオフェン(60 mg, 0.30 mmol)のメタノール(3 mL)溶液に
、炭酸カリウム(124 mg, 0.90 mmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を
酢酸エチルで希釈後、2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(50:50→29:71)混合溶
媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(58 mg, 0.12 mmol, 収率41%)を無
色油状物として得た。
MS (ESI) m/z 469 [M+H]+
(C) エチル(2S,3S)-8-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-2,3-ビス(
ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル(2S,3S)-8-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-2,3-ビ
ス(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート(58 m
g, 0.12 mmol)のアセトニトリル(2 mL)、DMF(1 mL)混合溶液に、氷冷撹拌下、3-ク
ロロ過安息香酸(含量70%, 67 mg, 0.27 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。
混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液および飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を
減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチ
ル(50:50→25:75)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(16 mg, 0
.03 mmol, 収率27%)を無色油状物として得た。
【0146】
実施例49
エチル 6-[(5-クロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-1-カル
ボキシラート
(A) (5-クロロチオフェン-3-イル)メタノール
水素化アルミニウムリチウム(117 mg, 3.1 mmol)のTHF(5 mL)懸濁液に、氷冷撹拌
下、5-クロロチオフェン-3-カルボン酸(500 mg, 3.1 mmol)を加え、混合物を室温で1時
間撹拌した。混合物を水で希釈後、1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出
した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有
機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢
酸エチル(81:19→71:29)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(25
0 mg, 1.7 mmol, 収率50%)を無色油状物として得た。
(B) 2-クロロ-4-(クロロメチル)チオフェン
(5-クロロチオフェン-3-イル)メタノール(250 mg, 1.7 mmol)のジクロロメタン(5 m
L)溶液に、氷冷撹拌下、塩化チオニル(0.24 mL, 3.4 mmol)を加え、混合物を室温で18
時間撹拌した。混合物を減圧濃縮後、酢酸エチルに溶解させた。有機相を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧濃縮し、表題化合物(
276 mg, 1.7 mmol, 収率98%)を淡褐色油状物として得た。
(C) エチル 6-{[(5-クロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-エ
ン-1-カルボキシラート
エチル 6-スルファニルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(56 mg, 0.30 mmol
)と2-クロロ-4-(クロロメチル)チオフェン(50 mg, 0.30 mmol)のメタノール(2 mL)
溶液に、炭酸カリウム(46 mg, 0.33 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混
合物を酢酸エチルで希釈後、水を加え、有機相を分取した。水相を酢酸エチルで抽出した
。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相
を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エ
チル(100:0→81:19)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(52 mg,
0.16 mmol, 収率55%)を無色油状物として得た。
MS (ESI) m/z 317 [M+H]+
(D) エチル 6-[(5-クロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-1-
カルボキシラート
エチル 6-{[(5-クロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-エン-
1-カルボキシラート(52 mg, 0.16 mmol)のアセトニトリル(2 mL)溶液に、3-クロロ過
安息香酸(含量70%, 89 mg, 0.36 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物
を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、
および水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(88:12→61:3
9)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(18 mg, 0.05 mmol, 収率3
3%)を無色油状物として得た。
【0147】
実施例51
エチル 6-[(3,5-ジクロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-1-
カルボキシラート
(A) (3,5-ジクロロチオフェン-2-イル)メタノール
水素化アルミニウムリチウム(51 mg, 1.34 mmol)のTHF(3 mL)懸濁液に、氷冷撹拌
下、3,5-ジクロロチオフェン-2-カルボン酸(110 mg, 0.56 mmol)を加え、混合物を60℃
で6時間撹拌した。混合物を水で希釈後、1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル
で抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し
た。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサ
ン-酢酸エチル(81:19→71:29)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合
物(62 mg, 0.34 mmol, 収率27%)を淡黄色油状物として得た。
(B) 3,5-ジクロロ-2-(クロロメチル)チオフェン
(3,5-ジクロロチオフェン-2-イル)メタノール(62 mg, 0.34 mmol)のジクロロメタン
(2 mL)溶液に、氷冷撹拌下、塩化チオニル(0.05 mL, 0.68 mmol)を加え、混合物を室
温で18時間撹拌した。混合物を減圧濃縮後、酢酸エチルに溶解させた。有機相を飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧濃縮し、表題化
合物の粗生成物を褐色油状物として得た。
(C) エチル 6-{[(3,5-ジクロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1
-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-スルファニルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(32 mg, 0.17 mmol
)と3,5-ジクロロ-2-(クロロメチル)チオフェン(34 mg, 0.17 mmol)のメタノール(2 m
L)溶液に、炭酸カリウム(26 mg, 0.19 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した
。混合物を酢酸エチルで希釈後、水を加え、有機相を分取した。水相を酢酸エチルで抽出
した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有
機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢
酸エチル(100:0→81:19)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(26
mg, 0.07 mmol, 収率43%)を無色油状物として得た。
(D) エチル 6-[(3,5-ジクロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エ
ン-1-カルボキシラート
エチル 6-{[(3,5-ジクロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-
エン-1-カルボキシラート(26 mg, 0.07 mmol)のアセトニトリル(2 mL)溶液に、3-ク
ロロ過安息香酸(含量70%, 38 mg, 0.15 mmol)を加え、混合物を室温で1.5時間撹拌した
。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム
水溶液、および水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃
縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(88:
12→61:39)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(14 mg, 0.04 mmo
l, 収率54%)を無色油状物として得た。
【0148】
実施例52
エチル cis-6-[(3,5-ジクロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]-3-ヒドロキシシク
ロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
(A) エチル 8-{[(3,5-ジクロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサ
スピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 8-(アセチルスルファニル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキ
シラート(49 mg, 0.17 mmol)と3,5-ジクロロ-2-(クロロメチル)チオフェン(34 mg, 0.
17 mmol)のメタノール(2 mL)溶液に、炭酸カリウム(26 mg, 0.19 mmol)を加え、混
合物を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、水を加え、有機相を分取し
た。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(97:3→76:24)混合溶媒で溶出した。目的画分を減
圧濃縮し、表題化合物(25 mg, 0.06 mmol, 収率36%)を無色油状物として得た。
(B) エチル 6-{[(3,5-ジクロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-3-オキソシク
ロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 8-{[(3,5-ジクロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-1,4-ジオキサス
ピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート(25 mg, 0.06 mmol)のTHF(1 mL)溶液に、
4N塩化水素酢酸エチル溶液(1 mL)を加え、混合物を室温で19時間撹拌した。混合液に水
を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→81:19)混合溶媒で溶出した。目的画分を減
圧濃縮し、表題化合物(8 mg, 0.02 mmol, 収率37%)を無色油状物として得た。
(C) エチル cis-6-{[(3,5-ジクロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロ
キシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-{[(3,5-ジクロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-3-オキソシクロ
ヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(8 mg, 0.02 mmol)と塩化セリウム(III)七水和物(
10 mg, 0.03 mmol)のエタノール(1 mL)溶液に、氷冷撹拌下、水素化ホウ素ナトリウム
(1 mg, 0.03 mmol)を加え、混合物を氷冷下で2時間撹拌した。混合物を水で希釈後、酢
酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
、ろ過した。有機相を減圧濃縮後し、表題化合物の粗生成物を無色油状物として得た。
(D) エチル cis-6-[(3,5-ジクロロチオフェン-2-イル)メタンスルホニル]-3-ヒドロキシ
シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル cis-6-{[(3,5-ジクロロチオフェン-2-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロキ
シシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(7 mg, 0.02 mmol)のアセトニトリル(2 m
L)溶液に、氷冷撹拌下、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 11 mg, 0.04 mmol)を加え、混
合物を室温で2.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和チオ硫酸ナトリウム
水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(50:50→29:71)混合溶媒で溶出した。目的画分を減
圧濃縮し、表題化合物(4 mg, 0.01 mmol, 収率50%)を白色個体として得た。
【0149】
実施例53
エチル 6-[1-(5-クロロチオフェン-2-イル)エタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-1-カ
ルボキシラート(低極性)
【0150】
実施例54
エチル 6-[1-(5-クロロチオフェン-2-イル)エタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-1-カ
ルボキシラート(高極性)
(A) 1-(5-クロロチオフェン-2-イル)エタン-1-オール
1-(5-クロロチオフェン-2-イル)エタン-1-オン(1.0 g, 6.3 mmol)のエタノール(20
mL)溶液に、氷冷撹拌下、水素化ホウ素ナトリウム(355 mg, 9.4 mmol)を加え、混合
物を室温で30分間撹拌した。混合物を水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機
相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(81:19→71
:29)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(1.0 g, 6.3 mmol, 収率
100%)を無色油状物として得た。
(B) 2-(1-ブロモエチル)-5-クロロチオフェン
1-(5-クロロチオフェン-2-イル)エタン-1-オール(114 mg, 0.7 mmol)のジクロロメタ
ン(2 mL)溶液に、氷冷撹拌下、三臭化リン(0.05 mL, 0.5 mmol)を加え、混合物を室
温で2時間撹拌した。混合物に三臭化リン(0.05 mL, 0.5 mmol)を加え、室温で30分間、
40℃で30分間撹拌した。混合物を水で希釈後、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機
相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有
機相を減圧濃縮後、表題化合物の粗生成物を淡褐色油状物として得た。
(C) 6-{[1-(5-クロロチオフェン-2-イル)エチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-エン-1-
カルボン酸エチル
エチル 6-スルファニルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(112 mg, 0.6 mmol
)と2-(1-ブロモエチル)-5-クロロチオフェン(160 mg, 0.7 mmol)のTHF(3.5 mL)およ
びDMF(0.5mL)混合溶液に、DBU(0.1 mL, 0.7 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹
拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機相を
分取した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→97:3)混合溶媒で溶出した。目的画
分を減圧濃縮し、表題化合物(188 mg, 0.6 mmol, 収率95%)を無色油状物として得た。
(D) エチル 6-[1-(5-クロロチオフェン-2-イル)エタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-
1-カルボキシラート(低極性)(高極性)
6-{[1-(5-クロロチオフェン-2-イル)エチル]スルファニル}シクロヘキサ-1-エン-1-カ
ルボン酸エチル(188 mg, 0.57 mmol)のアセトニトリル(3 mL)溶液に、3-クロロ過安
息香酸(含量70%, 308 mg, 1.25 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物
を酢酸エチルで希釈後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
、および飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧
濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(1
00:0→81:19)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物の二つのジアス
テレオマーをそれぞれ得た(低極性:106 mg, 0.29 mmol, 収率50%, 無色油状物)(高極
性:107 mg, 0.29 mmol, 収率50%, 無色油状物)。
【0151】
実施例56
エチル(3RS,6SR)-6-[1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタンスルホニル]-3-ヒドロ
キシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(低極性)
【0152】
実施例57
エチル(3RS,6SR)-6-[1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタンスルホニル]-3-ヒドロ
キシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(高極性)
(A) 1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタン-1-オール
1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタン-1-オン(100 mg, 0.5 mmol)のエタノール
(8 mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(31 mg, 0.8 mmol)を滴下し、混合物を室温
で1時間撹拌した。混合物を水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(81:19→71:29)混
合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(101 mg, 0.5 mmol, 収率100%)
を無色油状物として得た。
(B) 3-(1-ブロモエチル)-2,5-ジクロロチオフェン
窒素雰囲気下、1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタン-1-オール(101 mg, 0.5 mm
ol)およびDMAP(122 mg, 1.0 mmol)のヘキサン(1 mL)溶液に、氷冷撹拌下、リン酸オ
キシブロミド(86 mg, 0.3 mmol)のヘキサン(1 mL)溶液を滴下し、混合物を氷冷下で2
0分間撹拌した。混合物をろ過し、ヘキサンで洗浄した。ろ液を水、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮し、表題
化合物の粗生成物(107 mg, 0.5 mmol)を無色油状物として得た。
(C) エチル 8-{[1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エチル]スルファニル}-1,4-ジオキ
サスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート
エチル 8-(アセチルスルファニル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキ
シラート(143 mg, 0.5 mmol)と3-(1-ブロモエチル)-2,5-ジクロロチオフェン(107 mg,
0.41 mmol)のメタノール(3 mL)溶液に、炭酸カリウム(76 mg, 0.55 mmol)を加え、
混合物を室温で1.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、水を加え、有機相を分
取した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(97:3→76:24)混合溶媒で溶出した。目的画分
を減圧濃縮し、表題化合物(53 mg, 0.12 mmol, 収率25%)を無色油状物として得た。
MS (ESI) m/z 423 [M+H]+
(D) エチル 6-{[1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エチル]スルファニル}-3-オキソシ
クロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 8-{[1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エチル]スルファニル}-1,4-ジオキサ
スピロ[4.5]デカ-6-エン-7-カルボキシラート(25 mg, 0.06 mmol)のTHF(1 mL)溶液に
、4N塩化水素酢酸エチル溶液(1 mL)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。混合液に
水を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→81:19)混合溶媒で溶出した。目的画分を
減圧濃縮し、表題化合物(26 mg, 0.07 mmol, 収率59%)を無色油状物として得た。
(E) エチルcis-6-{[1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エチル]スルファニル}-3-ヒド
ロキシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-{[1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エチル]スルファニル}-3-オキソシク
ロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(26 mg, 0.07 mmol)と塩化セリウム(III)七水和
物(30 mg, 0.08 mmol)のエタノール(2 mL)溶液に、氷冷撹拌下、水素化ホウ素ナトリ
ウム(3 mg, 0.08 mmol)を加え、混合物を氷冷下で1.5時間撹拌した。混合物を水で希釈
後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後し、表題化合物(21 mg, 0.05 mmol, 収率78%)
を無色油状物として得た。
(F) エチル cis-6-[1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタンスルホニル]-3-ヒドロキ
シシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(低極性)およびエチル cis-6-[1-(2,5-ジ
クロロチオフェン-3-イル)エタンスルホニル]-3-ヒドロキシシクロヘキサ-1-エン-1-カル
ボキシラート(高極性)
エチルcis-6-{[1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エチル]スルファニル}-3-ヒドロ
キシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(21 mg, 0.05 mmol)のアセトニトリル(
2 mL)溶液に、氷冷撹拌下、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 29 mg, 0.12 mmol)を加え
、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和チオ硫酸ナトリウ
ム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(50:50→29:71)混合溶媒で溶出した。目的画分を
減圧濃縮し、表題化合物の二つのジアステレオマーをそれぞれ得た(低極性:10 mg, 0.0
2 mmol, 収率49%, 白色結晶)(高極性:4 mg, 0.01 mmol, 収率21%, 無色油状物)。
【0153】
実施例59
エチル6-[(1S)-1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタンスルホニル]シクロヘキサ-1-
エン-1-カルボキシラート(低極性)
【0154】
実施例60
エチル6-[(1S)-1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタンスルホニル]シクロヘキサ-1-
エン-1-カルボキシラート(高極性)
(A) (1S)-1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタン-1-オール
窒素雰囲気下、(R)-2-メチル-CBS-オキサザボロリジン(71 mg, 0.26 mmol)に、-23℃
でボラン-THF コンプレックス(1M, 2.7 mL, 2.69 mmol)を加え、同温度で20分間撹拌し
た。混合物に、1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタン-1-オン(500 mg, 2.56 mmol
)のTHF(13 mL)溶液を70分間かけて滴下し、同温度で30分間撹拌した。混合物を水およ
び1N塩酸で希釈後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(81:19→71:29)混合溶媒で溶出した。目
的画分を減圧濃縮し、表題化合物(506 mg, 2.56 mmol, 収率100%, 93%ee)を無色油状物
として得た。
(B) 3-[(1R)-1-ブロモエチル]-2,5-ジクロロチオフェン
窒素雰囲気下、(1S)-1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタン-1-オール(138 mg, 0
.7 mmol)およびDMAP(171 mg, 1.4 mmol)のヘキサン(4 mL)溶液に、氷冷撹拌下、リ
ン酸オキシブロミド(120 mg, 0.42 mmol)のヘキサン(2 mL)溶液を滴下し、混合物を
室温で20分間撹拌した。混合物をろ過し、ヘキサンで洗浄した。ろ液に飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液を加えヘキサンで抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、
ろ過した。有機相を減圧濃縮し、表題化合物の粗生成物(134 mg)を無色油状物として得
た。
(C) エチル6-{[(1S)-1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エチル]スルファニル}シクロ
ヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-スルファニルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(56 mg, 0.3 mmol)
と3-[(1R)-1-ブロモエチル]-2,5-ジクロロチオフェン(134 mg, 0.5 mmol)のTHF(2 mL
)溶液に、氷冷撹拌下、DBU(0.05 mL, 0.33 mmol)を加え、混合物を同温度で1時間撹拌
した。混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機相を分
取した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→97:3)混合溶媒で溶出した。目的画分
を減圧濃縮し、表題化合物(30 mg, 0.08 mmol, 収率28%)を無色油状物として得た。
(D) エチル6-[(1S)-1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エタンスルホニル]シクロヘキ
サ-1-エン-1-カルボキシラート(低極性)およびエチル6-[(1S)-1-(2,5-ジクロロチオフ
ェン-3-イル)エタンスルホニル]シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(高極性)
エチル6-{[(1S)-1-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)エチル]スルファニル}シクロヘ
キサ-1-エン-1-カルボキシラート(30 mg, 0.08 mmol)のアセトニトリル(2 mL)溶液に
、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 44 mg, 0.18 mmol)を加え、混合物を室温で1.5時間撹
拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液、および飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した
。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン
-酢酸エチル(100:0→80:20)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物
の二つのジアステレオマーをそれぞれ得た(低極性:3.5 mg, 0.01 mmol, 収率11%, 無色
油状物)(高極性:7.2 mg, 0.02 mmol, 収率23%, 無色油状物)。
【0155】
実施例61
エチル 6-{[5-メチル-2-(トリフルオロメチル)フラン-3-イル]メタンスルホニル}シクロ
ヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
(A) [5-メチル-2-(トリフルオロメチル)フラン-3-イル]メタノール
水素化アルミニウムリチウム(489 mg, 12.9 mmol)のTHF懸濁液(8 mL)に、氷冷撹拌
下、5-メチル-2-(トリフルオロメチル)フラン-3-カルボン酸(1.00 g, 5.15 mmol)のTHF
溶液(2 mL)を加え、混合物を70℃で24時間撹拌した。氷冷撹拌下、混合物に水(1 mL)
、10%水酸化ナトリウム水溶液(1 mL)を加えた。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出
した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有
機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢
酸エチル(90:10→70:30)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(1.
28 g)を無色油状物として得た。
(B) エチル 6-({[5-メチル-2-(トリフルオロメチル)フラン-3-イル]メチル}スルファニル
)シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
[5-メチル-2-(トリフルオロメチル)フラン-3-イル]メタノール(108 mg, 0.60 mmol)
のTHF(3 mL)溶液に、氷冷撹拌下、三臭化リン(0.02 mL, 0.2 mmol)を加え、混合物を
氷冷下で2時間撹拌した(系中に3-(ブロモメチル)-5-メチル-2-(トリフルオロメチル)フ
ランが生成)。混合物に炭酸カリウム(83 mg, 0.60 mmol)、メタノール(3mL)、エチ
ル 6-スルファニルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(56 mg, 0.30 mmol)を順
に加え、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。
合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を
減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチ
ル(100:0→90:10)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(78 mg, 0
.22 mmol, 75%)を得た。
(C) エチル 6-{[5-メチル-2-(トリフルオロメチル)フラン-3-イル]メタンスルホニル}シ
クロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-({[5-メチル-2-(トリフルオロメチル)フラン-3-イル]メチル}スルファニル)
シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(78 mg, 0.22 mmol)のアセトニトリル(3 mL
)溶液に、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 122 mg, 0.49 mmol)を加え、混合物を室温で
2時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、および飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、
ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、
ヘキサン-酢酸エチル(100:0→85:15)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮後、残
留物をODSカラムクロマトグラフィー(水-メタノール)で精製して、表題化合物(11 mg,
0.028 mmol, 収率13%)を白色固体として得た。
【0156】
実施例62
エチル 6-{[2-クロロ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-4-イル]スルホニル}シ
クロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(低極性)
【0157】
実施例63
エチル 6-{[2-クロロ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-4-イル]スルホニル}シ
クロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(高極性)
(A) 2-クロロ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-4-オン
4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-4-オン(1418 mg, 9.32 mmol)の酢酸(11
mL)溶液に、NCS(1617 mg, 12.1 mmol)を加え、混合物を50℃で7時間撹拌した。混合
物を水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。有機相を8%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後
、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸
エチル(90:10→69:31)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(1114
mg, 5.97 mmol, 収率64%)を淡黄色油状物として得た。
(B) 2-クロロ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-4-オール
2-クロロ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-4-オン(500 mg, 2.7 mmol)の
エタノール(20 mL)溶液に、氷冷撹拌下、水素化ホウ素ナトリウム(162 mg, 4.3 mmol
)を加え、混合物を同温度で2時間撹拌した。混合物を水で希釈後、酢酸エチルで抽出し
た。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機
相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸
エチル(81:19→71:29)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(505
mg, 2.7 mmol, 収率100%)を無色油状物として得た。
(C) 4-ブロモ-2-クロロ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン
2-クロロ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-4-オール(132 mg, 0.7 mmol)
のジクロロメタン(4 mL)溶液に、氷冷撹拌下、三臭化リン(0.05 mL, 0.5 mmol)を加
え、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈後、
酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥、ろ過、減圧濃縮し、表題化合物の粗生成物(239 mg)を淡褐色油状物として得た。
(D) エチル 6-[(2-クロロ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-4-イル)スルファ
ニル]シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-スルファニルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(111 mg, 0.6 mmol
)と4-ブロモ-2-クロロ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン(160 mg, 0.7 mmol
)のTHF(4 mL)溶液に、DBU(0.1 mL, 0.7 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌し
た。混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機相を分取
した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→97:3)混合溶媒で溶出した。目的画分を
減圧濃縮し、表題化合物(200 mg, 0.6 mmol, 収率93%)を無色油状物として得た。
(E) エチル 6-{[2-クロロ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-4-イル]スルホニ
ル}シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(低極性)およびエチル 6-{[2-クロロ-4,5
,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-4-イル]スルホニル}シクロヘキサ-1-エン-1-カ
ルボキシラート(高極性)
エチル 6-[(2-クロロ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチオフェン-4-イル)スルファニ
ル]シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(200 mg, 0.56 mmol)のアセトニトリル(
5 mL)溶液に、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 304 mg, 1.23 mmol)を加え、混合物を室
温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→80:20)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮後
、残留物をODSカラムクロマトグラフィー(水-メタノール)で精製して、表題化合物の二
つのジアステレオマーをそれぞれ得た(低極性:19 mg, 0.05 mmol, 収率9%, 白色個体)
(高極性:15 mg, 0.04 mmol, 収率7%, 白色個体)。
【0158】
実施例64
エチル cis-6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-メトキシシクロ
ヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
(A) エチル cis-6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-メトキ
シシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル cis-6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-ヒドロキ
シシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(117 mg, 0.32 mmol)のアセトニトリル(2
mL)溶液に、酸化銀(I)(148 mg, 0.64 mmol)およびヨウ化メチル(0.4 mL, 6.4 mmo
l)を加え、混合物を40℃で3日間撹拌した。混合物をセライトろ過し、酢酸エチルで洗浄
した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキ
サン-酢酸エチル(100:0→97:3)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合
物(27 mg, 0.07 mmol, 収率22%)を無色油状物として得た。
(B) エチル cis-6-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メタンスルホニル]-3-メトキシシ
クロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル cis-6-{[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)メチル]スルファニル}-3-メトキシ
シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(27 mg, 0.07 mmol)のアセトニトリル(2 mL
)溶液に、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 38 mg, 0.15 mmol)を加え、混合物を室温で1
.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸
水素ナトリウム水溶液、および水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。
有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-
酢酸エチル(100:0→75:25)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(
13 mg, 0.03 mmol, 収率46%)を白色個体として得た。
【0159】
実施例65
エチル 6-({2-クロロ-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-イル}スルホニル)
シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
(A) 5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-オール
5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-オン(276 mg, 2.0 mmol)のエタノー
ル(4 mL)およびTHF(2 mL)混合溶液に、氷冷撹拌下、水素化ホウ素ナトリウム(121 m
g, 3.2 mmol)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を水で希釈後、酢酸エチル
で抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し
た。有機相を減圧濃縮し、表題化合物(280 mg, 2.0 mmol, 収率100%)を無色油状物とし
て得た。
(B) 2-クロロ-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-オール
5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-オール(280 mg, 2.0 mmol)のTHF(3
mL)および水(0.3 mL)混合溶液に、NCS(294 mg, 2.2 mmol)を加え、混合物を室温で
18時間撹拌した。混合物を水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。有機相を室温で減圧濃縮後、残留
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(81:19→71:29
)混合溶媒で溶出した。目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(280 mg, 1.6 mmol, 収率80
%)を無色油状物として得た。
MS (ESI) m/z 198 [M+H+Na]+
(C) 4-ブロモ-2-クロロ-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン
2-クロロ-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-オール(122 mg, 0.7 mmol
)のジクロロメタン(4 mL)溶液に、氷冷撹拌下、三臭化リン(0.05 mL, 0.5 mmol)を
加え、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈後
、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥させ、表題化合物の粗生成物(167 mg)を褐色油状物として得た。
(D) エチル 6-[(2-クロロ-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-イル)スルフ
ァニル]シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-スルファニルシクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(111 mg, 0.6 mmol
)と4-ブロモ-2-クロロ-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン(167 mg, 0.7 mmo
l)のTHF(4 mL)溶液に、DBU(0.1 mL, 0.7 mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌し
た。混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機相を分取
した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーに付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→99:1)混合溶媒で溶出した。目的画分を
減圧濃縮し、表題化合物(90 mg, 0.26 mmol, 収率44%)を淡黄色油状物として得た。
(E) エチル 6-({2-クロロ-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-イル}スルホ
ニル)シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート
エチル 6-[(2-クロロ-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-イル)スルファ
ニル]シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシラート(90 mg, 0.26 mmol)のアセトニトリル
(3 mL)溶液に、3-クロロ過安息香酸(含量70%, 142 mg, 0.58 mmol)を加え、混合物を
室温で1.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液
、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥、ろ過した。有機相を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
に付し、ヘキサン-酢酸エチル(100:0→90:10)混合溶媒で溶出した。目的分画を減圧濃
縮し、表題化合物(88 mg, 0.23 mmol, 収率91%)を無色油状物として得た(二つのジア
ステレオマー混合物)。
【0160】
実施例化合物の化合物名と構造式を表1-1~1-10に示す。
上記の実施例に示した方法、またはそれらに準じた方法に従って、表1-1~1-10
の実施例番号1~65の化合物を製造した。実施例のセクションに明示の記載のない実施例
3~4、6~11、13~17、20、29、31~32、34、37~39、44~45、50、55、58の化合物につ
いても、上記の製造方法と上記の実施例の記載に準じて製造した。
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
【0168】
【0169】
【0170】
【0171】
実施例化合物の1H-NMRスペクトルおよびマススペクトルを表2-1~2-10に示す。
全実施例について、少なくとも一方のデータは開示されているので、実施例化合物の実際
の合成とその存在は明らかである。
【0172】
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
【0179】
【0180】
【0181】
試験例1 ミクログリア(IMG細胞)からの炎症メディエーター(TNF-α、IL-1β)産生に
対する抑制効果
(A) ミクログリア細胞株の培養
ミクログリア細胞株の培養は次の通り行った。ミクログリア細胞株としてIMG Mo
use Microglial Cell Line(製品番号SCC134、以下IM
G細胞とする)をミリポア(現メルク)より購入したものを使用した。細胞培養用培地は
10%ウシ血清アルブミン(コーニング;56℃、30分間非働化済み)と100uni
ts/mLペニシリンG及び100μg/mLストレプトマイシン硫酸塩(富士フイルム
和光純薬株式会社)を含むダルベッコ改変イーグル培地(富士フイルム和光純薬株式会社
、以下10%FBS/DMEM培地とする)を使用した。この10%FBS/DMEM培
地を使用してIMG細胞がサブコンフルエントになるまで5%CO2雰囲気下37℃のC
O2インキュベーター(三洋電機株式会社)にて培養を行った。サブコンフルエントに達
したIMG細胞はトリプシン(富士フイルム和光純薬株式会社)により剥がし、10%F
BS/DMEM培地にてトリプシンを失活させ、剥がしたIMG細胞は遠心分離(株式会
社トミー精工;440×g、室温、5分間)してコニカルチューブに回収したのち継代培
養を行った。
(B) 2%FBS/DMEM-F12培地の調製
フェノールレッド不含DMEM/Ham’s F-12培地(富士フイルム和光純薬株
式会社)にHyCloneウシ血清アルブミン(GEヘルスケアライフサイエンス(現サ
イティバ);56℃、30分間非働化済み)を2%濃度になるよう調製し、2%FBS/
DMEM-F12培地として使用した。
(C) IMG細胞播種96ウェルプレートの作製
継代培養にてサブコンフルエントに達したIMG細胞をトリプシンで剥離させ、過剰量
の10%FBS/DMEM培地でトリプシンを失活させた。その後剥離させた細胞をコニ
カルチューブに回収したのち遠心分離(株式会社トミー精工;440×g、室温、5分間
)を行った。遠心上清を除去した後、回収した細胞は2%FBS/DMEM-F12培地
を用いて懸濁化し、この細胞懸濁液の細胞濃度が5×105個/mLになるよう2%FB
S/DMEM-F12培地で調整した。次に細胞培養用ポリスチレン製96ウェルプレー
トに細胞濃度調整後の細胞懸濁液を1ウェルあたり100μL分注し、1ウェルあたりの
IMG細胞数が5×104個になるよう播種した。播種したプレートは5%CO2雰囲気
下37℃でCO2インキュベーターにて一晩インキュベートした。この一晩インキュベー
トした後のIMG細胞播種96ウェルプレートを腫瘍壊死因子α(以下TNFαとする)
産生阻害アッセイ、並びにインターロイキン1β(以下IL-1βとする)産生阻害アッ
セイに使用した。
【0182】
(D) 実施例化合物-DMSO溶液の調製
実施例化合物約1mgを正確に計量したのち、実施例化合物の最終濃度が10mMにな
るようジメチルスルホキシド(シグマ・アルドリッチ、以下DMSOとする)を添加して
溶解させ、10mM実施例化合物-DMSO溶液を調製した。この10mM実施例化合物
-DMSO溶液からさらにDMSO希釈により、1mM実施例化合物-DMSO溶液を調
製した。
(E) 実施例化合物-2%FBS/DMEM-F12混合溶液の調製
10mM実施例化合物-DMSO溶液を2%FBS/DMEM-F12培地で希釈し、
90μM実施例化合物-2%FBS/DMEM-F12混合溶液を調製した。同様に1m
M実施例化合物-DMSO溶液を2%FBS/DMEM-F12培地で希釈し、9μM実
施例化合物-2%FBS/DMEM-F12混合溶液を調製した。これにより1つの実施
例化合物に対し90μMおよび9μMの実施例化合物-2%FBS/DMEM-F12混
合溶液系列を調製したが、評価する実施例化合物数に応じて必要な分の実施例化合物-2
%FBS/DMEM-F12混合溶液系列を調製した。またDMSOを2%FBS/DM
EM-F12培地で希釈した溶液を実施例化合物陰性コントロールとした。
(F) LPS-2%FBS/DMEM-F12混合溶液の調製
リポ多糖(リポポリサッカリド、LPS)はシグマ・アルドリッチ(製品番号L439
1)より購入した。データシートに基づき再溶解させて1mg/mLのLPSストック溶
液を調製した。このLPSストック溶液を2%FBS/DMEM-F12培地にて希釈し
、2000ng/mL LPS-2%FBS/DMEM-F12混合溶液を調製した。
(G) TNFα産生阻害アッセイ
一晩インキュベートしたIMG細胞播種96ウェルプレート上の各ウェルの培養上清を
除去し、37℃に加温した新鮮な2%FBS/DMEM-F12培地を1ウェルあたり1
00μLで培地交換した。
次に実施例化合物陰性コントロール(0μM実施例化合物)、90μMおよび9μM実
施例化合物-2%FBS/DMEM-F12混合溶液を1ウェルあたり50μL添加して
良く混合し(実施例化合物の最終濃度はそれぞれ0、30μM、3μM)、5%CO2雰
囲気下37℃のCO2インキュベーターにて1時間インキュベートした。その後続けて2
%FBS/DMEM-F12培地(LPS陰性コントロール)、若しくは2000ng/
mL LPS-2%FBS/DMEM-F12混合溶液を1ウェルあたり50μL添加し
て良く混合し(LPSの最終濃度はそれぞれ0、500ng/mL)、5%CO2雰囲気
下37℃のCO2インキュベーターにて4時間インキュベートした。インキュベート終了
後、培養上清100μLをポリプロピレン製96ウェルプレート(V底タイプ、グライナ
ーバイオ・ワン)に分取し、マウスTNFαのHTRF測定までプレートシールを貼り4
℃(すぐにHTRF測定する場合は室温)で保存した。この保存したものをマウスTNF
α測定用培養上清サンプルとした。
【0183】
(H) IL-1β産生阻害アッセイ
先述したLPS刺激4時間インキュベート終了後の培養上清(残り100μL)に1m
Mニゲリシン溶液(ニゲリシンナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社)をDMSO
に溶解させて調製した)を1ウェルあたり1μL添加して良く混合し(ニゲリシンの最終
濃度10μM)、5%CO2雰囲気下37℃のCO2インキュベーターにて1時間インキ
ュベートした。インキュベート終了後、培養上清全量をポリプロピレン製96ウェルプレ
ートに分取し、マウスIL-1βのHTRF測定までプレートシールを貼り4℃(すぐに
HTRF測定する場合は室温)で保存した。この保存したものをマウスIL-1β測定用
培養上清サンプルとした。
(I) TNFαのHTRF(Homogeneous Time Resolved
Fluorescence、ホモジニアス時間分解蛍光)測定
TNFα定量にはMouse TNFα kit(シスバイオ株式会社)を使用し、キ
ットのマニュアルに準じつつ一部条件を変更してアッセイを実施した。具体的には、20
倍濃度のAnti-TNFα-Cryptate antibodyと20倍濃度のAn
ti-TNFα-d2 antibodyをそれぞれの抗体が0.5倍濃度になるようD
etection buffer#3と混合し、0.5倍濃度のCryptate-d2
抗体混合溶液を調製した。次にこの抗体混合溶液をフェノールレッド含まないD-MEM
/Ham’s F-12培地でさらに希釈して0.1倍濃度のCryptate-d2抗
体混合溶液を調製した。この0.1倍濃度のCryptate-d2抗体混合溶液をポリ
スチレン製384ウェル白色マイクロプレート(グライナーバイオ・ワン、製品番号78
4075)に1ウェルあたり12μL分注し、さらにマウスTNFα測定用培養上清サン
プル(添加直前に遠心分離(株式会社トミー精工;700×g、室温、2分間)を実施)
を1ウェルあたり8μL添加して良く混合し、プレートシールを貼り、室温で遮光下1時
間インキュベートした。インキュベート終了後、PHERAstar FS マイクロプ
レートリーダー(BMG LABTECH)にてキットメーカーによる測定パラメーター
の推奨値を設定し、励起波長337nmにおける蛍光波長620nmおよび665nmの
HTRF測定を行った。得られたHTRF測定値より、キット添付のマウスTNFαタン
パク質を標品として作成した検量線をもとに培養上清サンプル中のマウスTNFα濃度(
pg/mL)を定量した。
(J) IL-1βのHTRF測定
IL-1β定量はMouse IL1β kit(シスバイオ株式会社)を使用した。
これにより、20倍濃度のAnti-IL1β-Cryptate antibody、
20倍濃度のAnti-IL1β-d2 antibody、マウスIL-1βタンパク
質標品、並びにマウスIL-1β測定用培養上清サンプルを使用すること以外はマウスT
NFαのHTRF測定と同様の操作を実施した。ただし0.1倍濃度のCryptate
-d2抗体混合溶液と培養上清サンプルを混合した後は室温で遮光下一晩インキュベート
したのち、HTRF測定により培養上清サンプル中のマウスIL-1β濃度(pg/mL
)を定量した。
(K) TNFαおよびIL-1β産生阻害率の計算
実施例化合物によるTNFα産生阻害率は、HTRF測定により得られた下記の各定量
値A、B、Cを用いて、計算式1により算出した。IL-1β産生阻害率もTNFα産生
阻害率の計算方法と同様に算出した。
A:実施例化合物非添加、LPS非添加時のTNFα濃度
B:実施例化合物非添加、LPS添加時のTNFα濃度
C:実施例化合物(30μMまたは3μM)添加、LPS添加時のTNFα濃度
計算式1:TNFα産生阻害率(%)=100×{1-(C-A)÷(B-A)}
【0184】
ミクログリアからのTNF-α産生阻害活性の結果を表3-1~3-2に示す。
【表3-1】
【表3-2】
【0185】
表3-1~3-2の結果から明らかなように、本発明化合物は、ミクログリアからのTN
F-α産生の優れた抑制作用を有する。
【0186】
ミクログリアからのIL-1β産生阻害活性の結果を表4に示す。
【表4】
【0187】
表4の結果から明らかなように、本発明化合物は、ミクログリアからの優れたIL-1β産
生抑制作用を有する。
【0188】
試験例2 Aβ共存下におけるミクログリアからのTNFα産生に対する抑制効果
(A) Aβストックの調製
Aβストックおよびそのオリゴマー溶液の調製はStineらが報告した方法(Stine WB Jr et al. J Biol Chem. 2003;278(13):11612―11622)に準じて行ったが、一部改変して次の通り行った。まずアミロイドβ(1-42)トリフルオロ酢酸塩(株式会社ペプチド研究所、以下Aβとする)を1mg/mLの濃度になるよう1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(関東化学株式会社、以下HFIPとする)で溶解した。その溶解液を卓上型超音波バス(アズワン株式会社)にて10分間超音波処理したのち室温で1時間静置した。1時間静置後の溶解液をタンパク質低吸着タイプの1.5mLマイクロチューブ(深江化成株式会社、以下プロキープチューブとする)に2等分したのち、HFIPを窒素ガス気流下で除去し、さらに残留HFIPを除去するため遠心エバポレーター(東京理化器械株式会社)を用いて室温で30分間真空乾燥した(HFIP溶解処理1回目、以下Aβ1とする)。次に、Aβの濃度が1mg/mLの濃度になるようAβ1をHFIPで再溶解し、HFIP溶解処理1回目と同様10分間超音波処理、室温1時間静置、窒素ガス気流下でのHFIP除去、遠心エバポレーターによる真空乾燥の順に実施した(HFIP溶解処理2回目、以下Aβ2とする)。最後にAβの濃度が1mg/mLの濃度になるようAβ2をHFIPで再々溶解したのち、10分間超音波処理、室温1時間静置の順に実施した。この1時間静置後の溶解液を1つにまとめたのち、1本あたりのAβが20~25nmol(実験により適宜増減する)になるようプロキープチューブに分注した。その後窒素ガス気流下でのHFIP除去、遠心エバポレーターによる真空乾燥の順に実施した(HFIP溶解処理3回目)。HFIP溶解処理3回目終了後のAβをAβストックとし、次の実験まで-20℃で保存した。
(B) Aβオリゴマー溶液の調製
-20℃保存のAβストックを室温に戻したのち、Aβの濃度が2.5mMになるようDMSOを添加してAβ-DMSO溶液を調製した。このAβ-DMSO溶液を卓上型超音波バス中で室温10分間超音波処理した。この超音波処理した溶液をAβの濃度が100μMになるよう20mM HEPES-NaOH緩衝液(pH7.4)へ少量ずつ添加とタッピングによる混合を繰り返し、添加・混合終了後の溶液を卓上型超音波バス中で室温10分間超音波処理した。超音波処理した溶液は遠心分離(株式会社トミー精工;20,380×g、4℃、15分間)を行ったのち、遠心上清を新しいプロキープチューブに移し、4℃にて一晩静置インキュベーションした。インキュベーション終了後、BCA Protein Assay Kit(タカラバイオ株式会社)を用いてタンパク定量を行いAβオリゴマー溶液として実験に用いた。以下、この時のタンパク定量値をP(μM)とする。
(C) 2%FBS/DMEM-F12培地の調製
試験例1(B)に記載した方法と同様に調製した。
(D) IMG細胞播種96ウェルプレートの作製
試験例1(C)に記載した方法と同様に作製した。1ウェルあたりのIMG細胞数は2×104個になるよう播種した。
(E) 実施例化合物-DMSO溶液の調製
試験例1(D)に記載した方法と同様に調製した。10mM実施例化合物-DMSO溶液からDMSOによる10倍段階希釈を行い、10mM、1mM、0.1mM、0.01mM、0.001mMの各実施例化合物-DMSO溶液を調製した。
(F) 実施例化合物-2%FBS/DMEM-F12混合溶液の調製
試験例1(E)に記載した方法と同様に、90μM、9μM、0.9μM、0.09μM、0.009μMの実施例化合物-2%FBS/DMEM-F12混合溶液を調製した。DMSOを2%FBS/DMEM-F12培地で希釈した溶液を実施例化合物陰性コントロールとした。
(G) LPS-2%FBS/DMEM-F12混合溶液の調製
試験例1(F)に記載した方法により、2000ng/mL LPS-2%FBS/DMEM-F12混合溶液を調製した。この溶液を希釈することで、20ng/mL LPS-2%FBS/DMEM-F12混合溶液、および[5/(1-10/P)]ng/mL LPS-2%FBS/DMEM-F12混合溶液を調製した。
(H) Aβ共存下におけるTNFα産生阻害アッセイ
一晩インキュベートしたIMG細胞播種96ウェルプレート上の各ウェルの培養上清を除去し、37℃に加温した新鮮な2%FBS/DMEM-F12培地を1ウェルあたり100μLで培地交換した。
90μM、9μM、0.9μM、0.09μM、0.009μMの実施例化合物-2%FBS/DMEM-F12混合溶液、または実施例化合物陰性コントロールを1ウェルあたり50μL添加して良く混合し(1ウェルあたりの培養液量は150μLとなり、実施例化合物の最終濃度はそれぞれ30μM、3μM、0.3μM、0.03μM、0.003μM、または0μM)、5%CO2雰囲気下37℃で1時間インキュベートした。
IMG細胞をプライミングするために、2%FBS/DMEM-F12培地(LPS陰性コントロール)、または20ng/mL LPS-2%FBS/DMEM-F12混合溶液を1ウェルあたり50μL添加して良く混合し(1ウェルあたりの培養液量は200μLとなり、LPSの最終濃度は0、または5ng/mL)、5%CO2雰囲気下37℃で1時間インキュベートした。プライミング終了後、IMG細胞播種96ウェルプレート上の各ウェルの培養上清を除去した。
Aβ共存下条件として、LPSおよびAβオリゴマーの最終濃度がそれぞれ5ng/mL、10μMで、かつ1ウェルあたりの培養液量が100μLとなるよう[5/(1-10/P)]ng/mL LPS-2%FBS/DMEM-F12混合溶液とPμMのAβオリゴマー溶液を添加して良く混合し、5%CO2雰囲気下37℃で1時間インキュベートした。Aβ非共存下条件として、LPSおよびAβオリゴマーの最終濃度がそれぞれ5ng/mL、0μMで、かつ1ウェルあたりの培養液量が100μLとなるよう[5/(1-10/P)]ng/mL LPS-2%FBS/DMEM-F12混合溶液と20mM HEPES-NaOH緩衝液(pH7.4)を添加して良く混合し、5%CO2雰囲気下37℃で1時間インキュベートした。培養上清をポリプロピレン製96ウェルプレートに分取し、TNFαのHTRF測定までプレートシールを貼り4℃(すぐにHTRF測定する場合は室温)で保存した。この保存したものをマウスTNFα測定用培養上清サンプルとした。
(I) TNFαのHTRF測定
試験例1(I)に記載した方法と同様に実施した。
(J) TNFα産生量の計算
培養上清中のマウスTNFα産生量はHTRF測定により求められたそれぞれのマウスTNFα定量値からブランク値(2%FBS/DMEM-F12培地におけるマウスTNFα定量値)を引いた値とした。
Aβ共存下におけるTNFα産生抑制の結果を表5のグラフに示す。
【表5】
表5のグラフの結果から明らかなように、本発明化合物はAβ共存下において、優れたTNFα産生抑制作用を有する。
【0189】
試験例3 Aβ共存下におけるミクログリア内のTNFα遺伝子発現に対する抑制効果
(A) mRNA抽出およびcDNA合成
mRNA抽出およびcDNA合成はSuperPrepII Cell Lysis & RT Kit for qPCR(東洋紡株式会社)を用いて次の通り実施した。IMG細胞(前述した試験例2(H)においてAβ共存下あるいは非共存下37℃、1時間インキュベート終了後、培養液を分取した後の96ウェルプレート上に残っているIMG細胞)を氷冷したPBSで200μLx2回洗浄し、Lysis Solution(RNase Inhibitor およびgDNA Removerを含む溶液で、これらの比率はキットマニュアルに準拠)60μLを添加して室温で適宜振とうしながら細胞を溶解させ、mRNAを含む細胞溶解液を調製した。細胞溶解液はPCRチューブ等に移し、直ぐにcDNA合成しない場合は-80℃に保存した。次に0.2mL PCRプレート(深江化成株式会社)に1ウェルあたり5xRT Master Mix 4μL、Nuclease-free Water 12μLと細胞溶解液4μLを加え合計20μLとなるよう混合したのちPCRキャップで封をした。この混合液の入ったPCRプレートをサーマルサイクラー(Applied Biosystems Veriti)にセットし、(1)37℃、15分間、(2)50℃、5分間、(3)98℃、5分、(4)4℃保温、の順にRT反応によるcDNA合成を行った。調製したcDNA溶液は直ぐにリアルタイムPCRを実施しない場合-20℃で保存した。
(B) リアルタイムPCRによるTNFα遺伝子発現解析
リアルタイムPCRによるTNFα遺伝子発現解析はKOD SYBR qPCR Mix(東洋紡株式会社)を用いて次の通り実施した。リアルタイムPCR解析対象の遺伝子は標的遺伝子としてマウスTNFα、内部標準遺伝子としてマウスGAPDHとマウスβ-アクチンとした。これら各遺伝子に対するフォワードプライマー配列とリバースプライマー配列はPrimerBank(https://pga.mgh.harvard.edu/primerbank/)に登録されている配列を使用した。
リアルタイムPCRに使用したプライマー塩基配列は次の通りである。
マウスTNFαフォワード:CTGAACTTCGGGGTGATCGG
マウスTNFαリバース:GGCTTGTCACTCGAATTTTGAGA
マウスGAPDHフォワード:AGGTCGGTGTGAACGGATTTG
マウスGAPDHリバース:GGGGTCGTTGATGGCAACA
マウスβ-アクチンフォワード:GGCTGTATTCCCCTCCATCG
マウスβ-アクチンリバース:CCAGTTGGTAACAATGCCATGT
PCR反応液は1ウェルあたりの各試薬の終濃度が1xKOD SYBR qPCR Mix、0.2μM フォワードプライマー、 0.2μM リバースプライマー、 0.1x ROX reference dyeとなるように、かつcDNA溶液1μL(添加量は適宜増減する)を混合して合計10μLとなるよう384ウェルPCRプレート(深江化成株式会社)に調製した。調製後のプレートにタイタースティックHCフィルム(深江化成株式会社)を貼ってプレートを封じ、ボルテックスミキサーにて撹拌後、プレート遠心機にてスピンダウンした。全てのサンプルは遺伝子プライマーセット毎にtriplicateで調製した。次にPCR反応はQuantStudio6FlexリアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems)を使用し、PCRサイクル条件は初期変性(98℃、2分)を行ったのち、変性(98℃、10秒)、アニーリング(60℃、10秒)、伸長反応(68℃、30秒)を40サイクル繰り返すこととした。また40サイクル終了後は融解曲線測定を行った。最後にExpressionSuite Software v1.3ソフトウエア(Applied Biosystems)を使用して、Aβ非共存下かつLPS非添加の条件を基準とした時のマウスTNFα遺伝子相対発現量を比較Ct法(delta delta Ct法)により計算した。
Aβ共存下におけるTNFα遺伝子発現抑制の結果を表6のグラフに示す。
【表6】
表6のグラフの結果から明らかなように、本発明化合物はAβ共存下において、優れたTNFα遺伝子発現抑制作用を有する。
【産業上の利用可能性】
【0190】
本発明化合物は、ミクログリアからの優れた炎症メディエーター産生抑制作用を有し、
アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患の予防、治療剤として有用である。