(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151821
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】フィラー配列フィルム
(51)【国際特許分類】
H01R 11/01 20060101AFI20220929BHJP
H01R 43/00 20060101ALI20220929BHJP
C08L 101/12 20060101ALI20220929BHJP
H05K 1/03 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
H01R11/01 501C
H01R43/00 H
C08L101/12
H05K1/03 670
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047653
(22)【出願日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2021054425
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000108410
【氏名又は名称】デクセリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000224
【氏名又は名称】弁理士法人田治米国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】塚尾 怜司
【テーマコード(参考)】
4J002
5E051
【Fターム(参考)】
4J002BE06W
4J002CD05W
4J002CD20X
4J002CH08X
4J002DA086
4J002FD116
4J002GQ02
5E051CA03
(57)【要約】
【課題】導電粒子等のフィラーが絶縁性樹脂層に配列したフィラー配列フィルムを用いて、μLEDの電極等の微小な第1物品の接続部を大画面テレビ用基板の電極等の第2物品の接続部にフィラーを介して接続する場合に、第1物品と第2物品のアライメントズレが±10%程度あったとしても各接続部におけるフィラーの実際の捕捉数を確実に1以上にすることのできるフィラー配列フィルムを提供する。
【解決手段】絶縁性樹脂層10にフィラー2が配列したフィラー配列フィルム1であって、絶縁性樹脂層10では複数のフィラー2で形成される第1群3が複数集合して第2群4をなし、第2群4が規則的に配列している。第2群4間の最近接距離L1が、第1群間の最近接距離L2よりも大きく、第1群間の最近接距離L2が、第1群内のフィラー間の最近接距離L3よりも大きい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性樹脂層にフィラーが配列したフィラー配列フィルムであって、
絶縁性樹脂層において複数のフィラーで形成される第1群が複数集合して第2群をなし、第2群が規則的に配列しており、
第2群間の最近接距離が、第1群間の最近接距離よりも大きく、
第1群間の最近接距離が、第1群内のフィラー間の最近接距離よりも大きい
フィラー配列フィルム。
【請求項2】
一つの第2群が3個以下の第1群で形成されている請求項1記載のフィラー配列フィルム。
【請求項3】
フィラー配列フィルム全面でのフィラーの平均個数密度が20000個/mm2以上1500000個/mm2以下である請求項1又は2記載のフィラー配列フィルム。
【請求項4】
フィラー配列フィルム全面での平均のフィラー占有面積率が25%以上50%以下である請求項1~3のいずれかに記載のフィラー配列フィルム。
【請求項5】
フィラー間の最近接距離L3とフィラーの平均粒子径Dとの比L3/Dが、0.3以上4以下である請求項1~4のいずれかに記載のフィラー配列フィルム。
【請求項6】
絶縁性樹脂層の層厚がフィラーの平均粒子径の0.6倍以上3倍以下である請求項1~5のいずれかに記載のフィラー配列フィルム。
【請求項7】
フィラーが導電粒子である請求項1~6のいずれかに記載のフィラー配列フィルム。
【請求項8】
複数の第1物品が第2物品上で配列した状態で、個々の第1物品の接続部と第2物品の接続部とを、絶縁性樹脂層にフィラーが配列したフィラー配列フィルムを介して加熱又は加圧することにより接続する接続構造体の製造方法であって、
フィラー配列フィルムとして、
絶縁性樹脂層において、第1物品の接続部に対応した位置に複数のフィラーで形成される第1群が第1物品の外形に対応して複数集合して第2群をなし、第2群が第1物品の配列に対応して配列しており、
第2群間の最近接距離が、第1群間の最近接距離よりも大きく、
第1群間の最近接距離が、第1群内のフィラー間の最近接距離よりも大きい
フィラー配列フィルムを使用する接続構造体の製造方法。
【請求項9】
第1物品がμLEDであり、第2物品が基板である請求項8記載の接続方法。
【請求項10】
複数の第1物品が第2物品上で配列した状態で、個々の第1物品の接続部と第2物品の接続部とがフィラーを介して接続されている接続箇所を有する接続構造体であって、
複数のフィラーで形成される第1群内のフィラーが接続箇所を構成し、
第1群が複数集合した第2群が第1物品の搭載位置に対応して存在し、
第2群が第1物品の配列に対応して配列しており、
第2群間の最近接距離が、第1群間の最近接距離よりも大きく、
第1群間の最近接距離が第1群内のフィラー間の最近接距離よりも大きい
接続構造体。
【請求項11】
第1物品がμLEDであり、第2物品が基板である請求項10記載の接続構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィラーが樹脂層に配列しているフィラー配列フィルム、フィラー配列フィルムを用いて微小な第1物品を基板等の第2物品に接続する方法、及びその方法により得られた接続構造体に関する。ここで微小な第1物品としては、例えばミニLED、μLED等の微小な発光素子を挙げることができる。
【背景技術】
【0002】
微小な発光素子であるμLEDを基板上に配列してなるμLEDディスプレイは、液晶ディスプレイに必要とされるバックライトを省略できることによりディスプレイを薄膜化することができ、さらに広色域化、高精細化、省電力化も実現することのできるディスプレイまたは光源として期待されている。
【0003】
μLEDを配列したディスプレイの作製方法として、特許文献1にはキャリア基板上に形成した赤、青、緑のμLEDアレイを移送ヘッドでピックアップし、ディスプレイ基板等の転写先基板に配置し、ハンダ層の溶着によりμLEDアレイと転写先基板とを接合し、次いでその上にITO等で接触線を形成することが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、ウエハ上に形成されたμLEDを基板に配置し、水素添加エポキシ化合物等を用いた接着剤成分中に導電粒子を分散させた異方性導電フィルムを使用して基板と接続し、ウエハをリフトオフする方法が記載されている。特許文献2に記載の異方性導電フィルムを使用する方法によればμLEDを用いたディスプレイを簡便に得ることができる。
【0005】
特許文献3には、平面視における導電粒子の面積占有率が35%以下の導電粒子配列層を有する異方性導電フィルムを用いてICチップとFPCを接続するにあたり、導電粒子の捕捉効率を上げるためにパルスヒータ式ボンダーを使用し、1段階目にICチップとFPCとを異方性導電フィルムの絶縁性樹脂層に押し込むことで、電極を導電粒子配列層に近づける仮固定を行い、2段階目に本圧着を行うという2段階方式の接続方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2015-500562号公報
【特許文献2】特開2017-157724号公報
【特許文献3】特開2019-216097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ディスプレイの高精細化のためにμLEDのサイズが小さくなり、それに伴いLED電極のサイズも小さくなると、絶縁材料中に導電粒子を単に混合した異方性導電フィルムを用いた場合には、個々のμLEDの電極に確実に導電粒子を捕捉させることが困難となる。
【0008】
これに対し、粒径の小さい導電粒子を使用し、導電フィルム、異方性導電フィルムにおける導電粒子の個数密度を上げることが考えられる。
【0009】
しかしながら、導電粒子の粒子径を小さくすると異方性導電フィルムを介してμLEDと基板とを接続する際の加熱加圧時に異方性導電フィルムを構成する樹脂材料の流動により導電粒子が移動しやすくなり、さらに、高精細化したディスプレイでは電極間スペースが極めて狭いため、電極間で導電粒子が繋がってショートが発生するリスクが懸念される。
【0010】
接続時の導電粒子の移動を抑えるために特許文献3に記載のパルスヒータ式ボンダーを使用することも考えられるが、この方法であっても一度の圧着で接続できる面積に限界があるため大画面テレビのような大面積のディスプレイを異方性導電フィルムで一括に圧着することができない。
【0011】
そこで本発明の課題は、導電粒子等のフィラーが絶縁性樹脂層に配列したフィラー配列フィルムを用いて、μLEDの電極等の微小な第1物品の接続部を大画面テレビ用基板の電極等の第2物品の接続部にフィラーを介して接続する場合に、第1物品と第2物品のアライメントズレが±10%程度あったとしても各接続部におけるフィラーの実際の捕捉数を確実に1以上にすることのできるフィラー配列フィルムを提供すること、そのようなフィラー配列フィルムを用いる、微小な第1物品と第2物品との接続方法、及びその方法で得られる接続構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、導電粒子等のフィラーが絶縁性樹脂層に配列したフィラー配列フィルムを用いてμLEDの電極等の微小な第1物品の接続部を大画面テレビ用基板の電極等の第2物品の接続部にフィラーを介して接続する場合に、フィラー配列フィルムにおけるフィラーが、第1物品の接続部に対応した位置に第1群を形成し、第1群が複数集合して第1物品の外形に対応した第2群を形成し、第2群が第1物品の配列に対応して配列しているようにすると、接続に関与しない不要なフィラーを極力低減することができ、また接続時の樹脂流動が第2群同士の間を通り、第2群内には影響しにくくなることで第1群を構成するフィラーが第1物品の接続部と第2物品の接続部との間に確実に捕捉されるようになること、加えて、第1物品がμLED等の発光素子である場合には、フィラーが発光素子からの光の出射の妨げとならず、発光素子を実装した発光装置の発光効率が向上することを想到し、本発明を完成した。
【0013】
即ち、本発明は、絶縁性樹脂層にフィラーが配列したフィラー配列フィルムであって、
絶縁性樹脂層において複数のフィラーで形成される第1群が複数集合して第2群をなし、第2群が規則的に配列しており、
第2群間の最近接距離が、第1群間の最近接距離よりも大きく、
第1群間の最近接距離が、第1群内のフィラー間の最近接距離よりも大きい
フィラー配列フィルムを提供する。
【0014】
また本発明は、複数の第1物品が第2物品上で配列した状態で、個々の第1物品の接続部と第2物品の接続部とを、絶縁性樹脂層にフィラーが配列したフィラー配列フィルムを介して加熱又は加圧することにより接続する接続構造体の製造方法であって、
フィラー配列フィルムとして、
絶縁性樹脂層において、第1物品の接続部に対応した位置に複数のフィラーで形成される第1群が第1物品の外形に対応して複数集合して第2群をなし、第2群が第1物品の配列に対応して配列しており、
第2群間の最近接距離が、第1群間の最近接距離よりも大きく、
第1群間の最近接距離が、第1群内のフィラー間の最近接距離よりも大きい
フィラー配列フィルムを使用する接続構造体の製造方法を提供する。
【0015】
さらに本発明は、複数の第1物品が第2物品上で配列した状態で、個々の第1物品の接続部と第2物品の接続部とがフィラーを介して接続されている接続箇所を有する接続構造体であって、
複数のフィラーで形成される第1群内のフィラーが接続箇所を構成し、
第1群が複数集合した第2群が第1物品の搭載位置に対応して存在し、
第2群が第1物品の配列に対応して配列しており、
第2群間の最近接距離が、第1群間の最近接距離よりも大きく、
第1群間の最近接距離が、第1群内のフィラー間の最近接距離よりも大きい
接続構造体を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明のフィラー配列フィルムを使用すると、μLEDの電極等の微小な第1物品の接続部を大画面テレビ用基板の電極等の第2物品の接続部に、導電粒子等のフィラーが絶縁性樹脂層に配列したフィラー配列フィルムを介して加熱又は加圧することにより接続する場合に、第1物品の接続部と第2物品の接続部の間に確実に1個以上のフィラーが捕捉され、かつ隣り合う第1物品の接続部同士、又は第2物品の接続部同士の間でフィラーが繋がるリスクが低い。よって、μLED等の電子部品を基板に接続する場合のショートのリスクを低減させることができる。
【0017】
また、第1物品がμLED等の発光素子である場合には、発光素子の外形に対応した第2群が発光素子の配列に対応して配列しているので、発光素子からの光の出射が第2群で妨げられることはない。よって、発光素子を実装した発光装置の発光効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、実施例のフィラー配列フィルムにおけるフィラーの配置図である。
【
図2】
図2は、実施例のフィラー配列フィルムにおけるフィラーの配置と、フィラー配列フィルムで接続する物品の接続部との対応図である。
【
図3】
図3は、
図1の実施例のフィラー配列フィルムのA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、各図中同一符号は、同一又は同等の構成要素を表している。
【0020】
(フィラー配置)
図1は、本発明の一実施例のフィラー配列フィルム1におけるフィラーの配置図である。このフィラー配列フィルム1は、フィラー2として導電粒子を絶縁性樹脂層10に配列させたものである。以下、実施例のフィラー配列フィルム1を主に異方性導電フィルムとして説明するが、本発明のフィラー配列フィルムは物品同士を導電接続する導電フィルムとして使用することもできる。
【0021】
本発明のフィラー配列フィルムは、複数の第1物品が第2物品上で配列した状態で第1物品と第2物品とをフィラー配列フィルムを介して加熱又は加圧することにより、個々の第1物品の接続部と第2物品の接続部とを接続するものであり、この接続状態において、個々の第1物品の接続部と第2物品の接続部との間にフィラーが挟持され、第1物品と第2物品の対向面同士が絶縁性樹脂層で接着されるようにするものである。
【0022】
本実施例のフィラー配列フィルム1は、第1物品をμLED、その電極を第1物品の接続部、第2物品をμLED用の配線回路が形成された基板、その電極を第2物品の接続部とした場合に、第1物品と第2物品とを異方導電性接続する異方性導電フィルムとして使用される。このフィラー配列フィルム1は導電フィルムとして使用してもよい。
【0023】
図2に示すように、本実施例のフィラー配列フィルム1を用いて接続する各μLED20は2つの電極21を有し、ウエハ22に格子状に規則的に配列している。
【0024】
μLED20の外形とサイズについては、例えば、外形が矩形の場合、その長辺は200μm以下、又は150μm未満、又は50μm未満、又は20μm未満である。より具体的には、例えば10μm×20μm、7μm×14μm、5μm×5μmの矩形をあげることができる。なお、μLED20の外形は矩形に限られず、例えば菱形でもよい。
【0025】
また、電極21の外形とサイズとしては、特に限定されないが、μLEDが小さい場合には、長辺5μm~50μm、短辺3μm~40μmの矩形をあげることができ、一つのμLED20内おける電極21同士の間隔Ls は使用方法によって適宜選択できる。下限は載置工程の利便性から好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上である。上限は特に制限はない。μLEDやミニLEDよりも大きく単独で用いる素子の場合には3000μm以下でもよい。ディスプレイ用途の場合には1000μm以下でもよく、500μm以下でもよく、150μm以下でもよく、20μm以下でもよい。
【0026】
フィラー配列フィルム1では、μLED(第1物品)20の個々の電極(接続部)21に対応した位置に配置された複数の導電粒子(フィラー)2が第1群3を形成しており、第1群3の複数個がμLED20の外形に対応して集合することで第2群4を形成している。この第2群4はμLED20の配列に対応して規則的に配列している。
【0027】
ここで、第1群3がμLED20の電極21に対応した位置に配置されているとは、所定の配列状態にある複数のμLED20とフィラー配列フィルム1とをアライメントした場合に、平面視において個々のμLED20の電極21と第1群3が重なり、かつ個々のμLED20の電極21間のスペースLsと第1群3間のスペースL2とが重なることをいい、好ましくは第1群3内に電極21が位置すること、又は第1群3を構成する導電粒子2の1個以上が電極21と重なることをいう。
【0028】
第2群4がμLED20の配列に対応して配列しているとは、上述のアライメントにより平面視において各μLED20と第2群4とが重なり、かつ各μLED間のスペースと第2群4間のスペースL1とが重なることをいい、好ましくは各μLED20について、第2群4を構成する導電粒子2のうち該μLED20の外形から外れた導電粒子2の面積の合計がμLED20の外形の面積の50%以内であること、より好ましくは各μLED20の外形内に第2群4を構成する全ての導電粒子2が位置することをいう。
【0029】
また、第2群4がμLED20の配列に対応して配列しているとは、第2群4の配列方向及び配列ピッチがμLED20の配列方向及び配列ピッチと等しいことをいう。
【0030】
第2群4同士の間では、フィラー配列フィルム1に微小な部品を搭載した後の外観上の問題を低減させるため、導電粒子2は少ないことが望ましく、特に導電粒子2の粒子径が3μm未満の場合には第2群4同士の間に存在する凝集もしくはイレギュラーな導電粒子が少ないことが望ましい。
【0031】
上述のようにフィラー配列フィルム1の導電粒子の第1群3はμLED20の電極21に対応し、第2群4はμLED20の外形に対応しているので、第2群4間の最近接距離(即ち、或る第2群を構成する導電粒子と、その第2群に最も近接した第2群を構成する導電粒子との距離)をL1とし、第1群3間の最近接距離(即ち、或る第1群を構成する導電粒子と、その第1群に最も近接した第1群を構成する導電粒子との距離)をL2とし、第1群3内の導電粒子2間の最近接距離をL3とした場合に、
L1>L2>L3
となる。
【0032】
第1群3はμLED20の電極21に対応していることから、μLEDの電極数(2つ)の並列した同様の外形の導電粒子群を一つの第2群4と考えることができる。この第2群4が並列している場合、導電粒子が距離L3で比較的密集している第1群3と、距離L2で離間して群を成す第2群4と、第2群4間がL1の距離で離間している、と見なすことができる。したがって、フィルムに配列している導電粒子(フィラー)は、一面一様に存在しているのではなく、異なる距離の規則性からなる群が一面に存在していることになる。そのため、L1は上述したように「第2群間の最近接距離」として定義される距離であるが、これよりも大きい距離を持った第2群間距離が存在(混在)していることが実用上好ましい。
【0033】
ウエハ22に配列した複数のμLED20と基板とをフィラー配列フィルム1を介して加熱加圧することにより接続する場合のフィラー配列フィルム1の絶縁性樹脂層10の樹脂流動が第2群4内の導電粒子2の配置に影響しにくくする点から、L1やL2は、当該μLED20の外形や配列ピッチ、電極間距離などに応じて適宜定める。また、L1やL2はμLEDやミニLEDの設計によっても定まり、例えば表示する上での分解能や光源としての性能を調整するため、下限は10μm以上あればよく、上限は3000μm以下、又は1000μm以下、又は500μm以下とすることができる。
【0034】
第2群4を構成する導電粒子2のうち外周部の導電粒子2に外接する第2群4の輪郭形状の面積は、対応するμLED20の外形に対して以下の比率を満たせることが望まれる。即ち、第2群4の輪郭形状の面積とμLED20の外形の面積の比の下限を小さくすれば、μLED20外形内に導電粒子2が収まり易くなる。この比は、電極で導電粒子を捕捉しやくするため0.1倍以上が好ましく、0.2倍以上がより好ましく、0.5倍以上がさらに好ましい。一方、上限を大きくすれば、電極に捕捉される導電粒子が不足する懸念は回避できるが、透明性や美観を損なう虞があるため、1.5倍以下が好ましく、1.3倍以下がより好ましく、1.2倍以下がさらに好ましい。
【0035】
また、フィラー配列フィルム1の第1群3とμLED20の電極21と基板の電極とのアライメントに±10%程度のズレを許容する点から、第1群3を構成する導電粒子2のうち外周部の導電粒子に外接する第1群3の輪郭形状の面積は、対応するμLED20の電極21の面積の0.5~1.8倍であってもよく、0.8~1.2倍とすることが好ましい。この範囲であれば、導電粒子数が過不足なく存在するため捕捉とショートも両立でき、また良好な捕捉状態を得られ易く確認もしやすい。
【0036】
本発明において一つの第2群4には、一つの第1物品が有する接続部の個数に応じた個数で第1群3を存在させることができ、特に3個以下を存在させることができ、本実施例では2個の第1群3を存在させている。
【0037】
第1群3内での導電粒子間の最近接距離L3と導電粒子2の平均粒子径Dとの関係は、これらの比L3/Dとして、下限については好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上であり、上限については好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。
【0038】
第1群3における導電粒子2の配置は、ランダムとしても規則的配置としてもよいが、各電極21における導電粒子の捕捉性を向上させる点から、導電粒子が所定ピッチで所定方向に配置されている配列軸を1以上有する平面格子パターンが好ましく、例えば、斜方格子、六方格子、正方格子、矩形格子、平行体格子などが挙げられる。また、平面格子パターンの異なる領域があってもよい。
【0039】
一方、本発明においてフィラー配列フィルム1全面でのフィラーの平均個数密度や第1群3でのフィラーの平均個数密度は、当該フィラー配列フィルムを使用する対象物よって設計される。例えば全面での平均個数密度の下限について、疎な状態が好ましい場合では500個/mm2以上が好ましくなり、密な状態が好ましい場合では好ましくは20000個/mm2以上、より好ましくは40000個/mm2以上である。
【0040】
第1群3におけるフィラーの平均個数密度の下限については、好ましくは50000個/mm2以上、より好ましくは500000個/mm2以上であり、また平均個数密度の上限については好ましくは1500000個/mm2以下、より好ましくは1000000個/mm2以下である。
【0041】
第2群4の間のスペースのフィラーの平均個数密度は1000個/mm2以下が好ましく、実質的にゼロであることがより好ましい。
【0042】
なお、対象物の設計によっては、上述の下限値及び上限値の範囲を超える場合もある。
【0043】
フィラー配列フィルム1全面での平均のフィラー面積占有率も、第1群3での平均のフィラー面積占有率も平均個数密度と同様の考え方になる。例えば、当該フィラー配列フィルム1を使用する対象物によって粒子径が小さく密な状態が好ましい場合の第1群3での平均のフィラー面積占有率は、一例として5%以上、8%以上、25%以上とすることができ、また85%以下、50%以下とすることができる。ここで、フィラー面積占有率は、本実施例では導電粒子面積占有率の意味であり、フィラー配列フィルム1の平面視における導電粒子の個数密度(個/mm2)×導電粒子1個の平面視面積の平均(mm2/個)×100で求められる。フィラー配列フィルムを著しく小さい個片にする場合は、個片化前の状態で測定した個数密度を指す。
【0044】
なお、導電粒子の個数密度は、金属顕微鏡を用いて観察して求める他、画像解析ソフト(例えば、WinROOF(三谷商事株式会社)や、A像くん(登録商標)(旭化成エンジニアリング株式会社)等)により観察画像を計測して求めてもよい。導電粒子の個数は、フィラー配列フィルム上で観察された個数を計測する。
【0045】
(フィラー)
本実施例においてフィラーとする導電粒子2の粒子径は特に制限されないが、粒子径の下限は1μm以上であることが好ましい。粒子径の上限は、例えば、接続構造体における導電粒子の捕捉効率の観点から、例えば50μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。電極のサイズによっては、導電粒子の粒子径は3μm未満、好ましくは2.5μm未満、より好ましくは2μm以下が求められる場合がある。粒子径が1μm未満の場合、1μm以上の集合体として扱ってもよい。
【0046】
平均粒子径は、画像型粒度分布計(一例として、FPIA-3000:マルバーン・パナリティカル社製)により測定した値とすることができる。この場合、粒子個数は1000個以上、好ましくは2000個以上であることが好ましい。
【0047】
また、導電粒子の種類としては、公知の異方導電性フィルムに用いられている導電粒子の中から適宜選択することができる。例えば、導電粒子としては、ニッケル、コバルト、銀、銅、金、パラジウムなどの金属粒子、ハンダなどの合金粒子、金属被覆樹脂粒子、表面に絶縁性微粒子が付着している金属被覆樹脂粒子などが挙げられる。2種以上を併用することもできる。中でも、金属被覆樹脂粒子が、接続された後に樹脂粒子が反発することで端子との接触が維持され易くなり、導通性能が安定する点から好ましい。また、導電粒子の表面には公知の技術によって、導通特性に支障を来さない絶縁処理が施されていてもよい。
【0048】
なお、本発明のフィラー配列フィルムにおいてフィラーとしては、当該フィラー配列フィルムの用途に応じて、無機系フィラー(金属粒子、金属酸化物粒子、金属窒化物粒子など)、有機系フィラー(樹脂粒子、ゴム粒子など)、有機系材料と無機系材料が混在したフィラー(例えば、コアが樹脂材料で形成され、表面が金属メッキされている粒子(金属被覆樹脂粒子)、導電粒子の表面に絶縁性微粒子を付着させたもの、導電粒子の表面を絶縁処理したもの等)から、硬さ、光学的性能などの用途に求められる性能に応じて適宜選択される。
【0049】
例えば、フィラー配列フィルムを導電フィルム、異方性導電フィルムとして使用する場合、フィラーとして導電粒子を含有させる。フィラー配列フィルムの用途に応じて導電粒子以外のフィラーを使用してもよい。
【0050】
フィラー配列フィルムをμLED等の微小光学素子の発色の調整や、カラーディスプレイにおけるブラックスマトリクス等の用途に使用する場合、フィラーとして公知の色素、顔料、光散乱性粒子等を使用してもよい。フィラー配列フィルムの用途が光学フィルムや艶消しフィルムである場合、シリカフィラー、酸化チタンフィラー、スチレンフィラー、アクリルフィラー、メラミンフィラーや種々のチタン酸塩等を使用することができる。コンデンサー用フィルムでは、酸化チタン、チタン酸マグネシウム、チタン酸亜鉛、チタン酸ビスマス、酸化ランタン、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛及びこれらの混合物等を使用することができる。接着フィルムではポリマー系のゴム粒子、シリコーンゴム粒子等を含有させることができる。
【0051】
(フィラー配列フィルムの断面構造)
図3は、
図1に示したフィラー配列フィルム1のA-A断面図である。本実施例のフィラー配列フィルム1の第1群3の領域では、導電粒子2が絶縁性樹脂層10に配列している。
【0052】
絶縁性樹脂層10は単一の絶縁性樹脂層から構成されていてもよく、複数の樹脂層の積層体から構成されていてもよい。導電粒子2の端部の位置は、層の一方の面と略一致していることが好ましい。略一致とは、例えば、粒子径の±10%程度の誤差を含む。絶縁性樹脂層を複数の樹脂層の積層体とする場合、例えば、
図3に示すように導電粒子2を保持する高粘度バインダー樹脂層11と、高粘度バインダー樹脂層11よりも低粘度の接着剤層12とすることができる。この高粘度バインダー樹脂層11と接着剤層12を構成する樹脂は、例えば、特許文献3に記載の絶縁性樹脂層を構成するバインダーや接着剤層と同様とすることができる。異なる層に異なるフィラーを配置させて積層してもよい。
【0053】
絶縁性樹脂層10には必要に応じてゴム成分、無機フィラー、シランカップリング剤、希釈用モノマー、充填剤、軟化剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤などを添加することができる。
【0054】
ゴム成分を接続構造体の反りや歪みの防止のために配合してもよい。ゴム成分は、クッション性(衝撃吸収性)の高いエラストマーであれば特に限定されるものではなく、具体例として、例えば、アクリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、ポリウレタン樹脂(ポリウレタン系エラストマー)などを挙げることができる。
【0055】
絶縁性樹脂層10の層厚は、フィラー配列フィルム1を介してμLED20と基板とを加熱加圧することによりこれらを接続する場合に、絶縁性樹脂層に不用な樹脂流動が生じないようにし、また、フィラー配列フィルム1を巻装体とする場合の樹脂のはみ出しやブロキングを防止する点から、層厚の下限については導電粒子2の平均粒子径の0.6倍以上、好ましくは0.9倍以上、さらに好ましくは1倍以上であり、上限については3倍以下、好ましくは2倍以下、さらに好ましくは1.5倍以下である。絶縁性樹脂層10の層厚が、導電粒子2の平均粒子径の0.6倍未満であると絶縁性樹脂層10から導電粒子2が露出してしまうので、フィラー配列フィルム1を用いてμLED20と基板とを接続する際に、フィラー配列フィルム1とμLED20又は基板との仮貼りがし難くなる。一方、3倍を超えると、μLED20と基板との接続時に過度に樹脂流動が生じ、樹脂流動により導電粒子2が流され、電極における導電粒子2の捕捉性が低下する。
【0056】
また、粒子の配列までを踏まえた製造上の理由から、絶縁性樹脂層10の層厚は、下限については2μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましい。上限については、層厚が大きくなりすぎると接続時のズレが生じやすくなることから、32μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、8μm以下がさらに好ましい。
【0057】
また、本発明の場合は、μLEDそのものが小さく、μLEDの大きさと導電粒子の大きさとは従来よりも近くなる。μLEDはズレ易くなることが懸念されるが、接続構造体としてはこのズレを回避していることが好ましい。こういった理由からも、絶縁性樹脂層10の厚みは上記の範囲内に収まることが求められる。
【0058】
(フィラー配列フィルムの製造方法)
フィラー配列フィルム1は、導電粒子を前述のように特定の配置とする以外は公知の異方性導電フィルムと同様に製造することができる。例えば、特許文献3に記載の異方性導電フィルムの製造方法と同様に、まず、導電粒子の配列パターンに応じた凹部が形成された型を用意し、その型に導電粒子2を充填し、その上に剥離フィルム上に形成した高粘度バインダー樹脂層11を貼り合わせて、導電粒子2を高粘度バインダー樹脂層11に押し込んで転着し、その転着面に接着剤層12を積層する。
【0059】
(フィラー配列フィルムを使用する接続方法)
フィラー配列フィルム1を用いて、複数のμLED20がウエハ22上で規則的に配列した状態でμLED20の電極と、基板の電極とを接続する方法は、まず、基板の電極上にフィラー配列フィルム1を位置合わせして貼着し、そのフィラー配列フィルム1と、ウエハ22上に配列したμLED20とを位置合わせして貼り合わせ、加熱加圧してμLED20の電極と基板の電極とを接続する。この場合、特許文献3に記載のように2段階方式で加熱加圧することにより接続してもよい。また、導電粒子が半田粒子等である場合に、リフローにより接続してもよい。
【0060】
この加熱加圧時に、フィラー配列フィルム1の絶縁性樹脂層10は流動し、μLED20と基板との対向面の間隙に充填され、硬化することでμLED20と基板とを接着するが、このときの樹脂の流動性は、導電粒子が配置されていない第2群4同士の間で高く、第2群4内では第2群4同士の間に比して樹脂の流動性が低い。したがって、第2群4内においてμLED20の電極に対応して配置されている第1群3の導電粒子2は、第2群4同士の間の樹脂流動の影響を受けにくく、各μLED20の電極21が確実に導電粒子2を捕捉することが可能となる。
【0061】
さらに、第2群4内では、電極21の配置に対応して第1群3同士が距離L2をあけて配置されているので、一つのμLED20内の電極21同士のショートの発生が抑制される。
【0062】
加えて、フィラー配列フィルム1において、第2群4同士の間には導電粒子2が存在しないため、基板に接続した後にμLED20が発する光がこの間の導電粒子2で遮られないため、フィルム全面に導電粒子が一様に存在しているフィラー配列フィルムを使用した場合に比して、μLEDを実装した発光装置の発光効率が向上する。
【0063】
なお、フィラー配列フィルムは個片形状にしてもよい。個片形状の大きさは、対象物に合わせて設計できるが、例えば1辺が5μm以上、150m以下とすることができる。このようにすることで、後述する色や光を調整する用途にも展開できることが期待できる。即ち、個片形状にしたフィルムで第1物品と第2物品とを接続してもよく、固片形状にしたフィルムを電極上のみに配置してもよい。個片化は、機械的方法、化学的方法、レーザーなどを用いて切り込みを設けるなどして形成できる。なお、切り込みは、基材に達するまで深くなくてもよく、ハーフカットでもよい。
【0064】
フィラー配列フィルムの仮貼りやフィルム転写及びμLEDの基板上への搭載は、スタンプ材やレーザーを用いた手法(レーザーリフトオフ法)といった公知の手法やそれを応用した手法を用いることができ(例えば、特開平9-124020号公報、特開2011-76808号公報、特許6636017号公報、特許6187665号公報等に記載の方法)、発明の効果が発揮できる手法であれば特に限定はされない。
【0065】
(接続構造体)
実施例のフィラー配列フィルム1を用いて上述の方法で接続されたμLED20と基板との接続構造体は、第1群3内のフィラー2がμLED20の電極21と基板の電極との接続箇所を構成している。実施例はμLEDを例に説明しているが、本発明において接続構造体はミニLEDであってもよい。
【0066】
上述のように接続時の樹脂流動の影響が第2群4内の導電粒子2の配置に影響しにくいため、接続前と同様に、接続後においてもフィラーの平面配置においては、第1群が複数集合した第2群がμLEDの搭載位置に対応して存在し、第2群がμLEDの配列に対応して配列している。そして、接続箇所を構成しているか否かを問わず、全導電粒子を見た場合に、接続後の第2群間の最近接距離をL1’、接続後の第1群間の最近接距離をL2’、導電粒子の最近接距離をL3’とした場合に、
L1’>L2’>L3’
という関係が保持されている。
【0067】
この接続構造体は、上述のようにフィルム全面に導電粒子が一様に存在しているフィラー配列フィルムを用いてμLEDと基板とを接続した接続構造体に比して発光効率が向上している。また、各電極における導電粒子の捕捉性も高く、ショートの発生割合も低下している。
【0068】
以上、本発明のフィラー配列フィルムを用いた接続方法とそれにより得られる接続構造体を、第1物品をμLEDとし、第2物品をμLEDの配線回路が形成された基板とし、フィラー配列フィルムのフィラーを導電粒子とする場合に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0069】
例えば、第1物品を光散乱フィルム、ブラックマトリックス層等とし、第2物品を透明基板(μLEDを搭載する基板)等とし、フィラーをシリカや黒色に着色した粒子等とすることで第1物品と第2物品の接続構造体の色味を調整してもよい。
【実施例0070】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
実施例1~3、比較例1、2
【0071】
(異方性導電フィルムの作製)
表1の樹脂組成で樹脂を混合し、剥離フィルム上に塗布し、乾燥(60℃、3分)させることにより接着フィルムを得た。
【0072】
【0073】
一方、導電粒子(平均粒子径2.2μm又は3.2μm、0.2μmNiメッキ樹脂粒子、積水化学工業株式会社)が表2に示す配置となるように、特許第6187665号公報に記載の方法と同様にして導電粒子を充填する凹部を有する型を作製し、その凹部に導電粒子を充填し、表1の接着フィルムを被せ、その接着フィルムに導電粒子を押し込み、異方性導電フィルムを作製した。
【0074】
【0075】
(異方性導電フィルムの評価)
実施例1~3及び比較例1、2の異方性導電フィルムを用いて粒子捕捉性、絶縁性、可視光透過率を次のように評価した。結果を表2に示す。
【0076】
(i)粒子捕捉性
実施例1~3及び比較例1、2の異方性導電フィルムをITO/NdMoパターンガラスに貼り、その上に、μLEDに模した評価用ICチップを加熱圧着(到達温度150℃、加圧30Mpa、10秒)し、実装体を得た。この評価用ICチップは、バンプ10μm×10μmが2つ(バンプ間スペース7μm)で一組となったものが、1.5cm×1.5cmの範囲に略一面に30μmピッチで並べられた電極レイアウトを有する。
【0077】
この実装体の100個のバンプを観察することにより、バンプに捕捉されている導電粒子数を計測した。この計測数の100個のバンプにおける最低数により、以下の基準で評価した。
【0078】
A:5個以上
B:3~4個
C:1~2個
D:0個
【0079】
(ii)絶縁性
上述の実装体の100個のバンプ間スペースについて導通抵抗を測定し、107Ω以下をショートと判定した。このショート数により、以下の基準で評価した。
【0080】
A:ショート無し
B:ショート1個
C:ショート2個
D:ショート3個以上
【0081】
(iii)可視光透過率
実施例1~3及び比較例1、2の異方性導電フィルムの可視光透過率(400~700nm)を測定し、その平均の透過率(計測面積10mm×10mm)により、以下の基準で評価した。この場合、異方性導電フィルムとしては、基板に貼り付けた状態で、200℃環境下で1分間放置し、硬化した状態のものを測定した。これにより接続構造体においてはみだした樹脂がどのように影響するかをみることができる。
【0082】
A:50%以上
B:35%以上
C:20%以上
D:20%未満
【0083】
表2から、導電粒子をμチップまたはμLEDのバンプに偏在させた実施例の異方性導電フィルムを用いると、粒子捕捉性、絶縁性、可視光透過率のいずれもB以上の優れた評価になることがわかる。