(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151845
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】レーザトリミングされた可溶素子を有する保護デバイス
(51)【国際特許分類】
H01H 85/048 20060101AFI20220929BHJP
H01H 85/12 20060101ALI20220929BHJP
H01C 7/13 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
H01H85/048
H01H85/12
H01C7/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022048894
(22)【出願日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】17/212,769
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519226506
【氏名又は名称】リテルフューズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピー-エイ-ホーマー ザ・セカンド デラ トーレ
(72)【発明者】
【氏名】ロエル サントス レタルド
(72)【発明者】
【氏名】ケント ハーヴィー メルカド ベレンゲル
【テーマコード(参考)】
5E034
5G502
【Fターム(参考)】
5E034ED06
5E034FA02
5G502AA20
5G502BA08
5G502BB08
5G502BB15
5G502BC07
5G502BC12
5G502BD02
5G502CC04
5G502CC32
5G502JJ01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】トリミングされた並列素子の保護デバイスが提供される。
【解決手段】いくつかの保護デバイスは、基板と、基板の対向する端部にある第1の端子104Aおよび第2の端子104Bとを含んでいてよい。保護デバイスは、第1の端子と第2の端子との間に延在している第1の可溶素子120Aおよび第2の可溶素子120Bであって、第1の可溶素子および第2の可溶素子のうちの少なくとも1つがトリミング部分130を含んでいる、第1の可溶素子および第2の可溶素子をさらに含んでいてよい。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護デバイスであって、
基板と、
前記基板の対向する端部にある第1の端子および第2の端子と、
前記第1の端子と前記第2の端子との間に延在している第1の可溶素子および第2の可溶素子であって、前記第1の可溶素子および前記第2の可溶素子のうちの少なくとも1つがトリミング部分を含んでいる、第1の可溶素子および第2の可溶素子と
を備える保護デバイス。
【請求項2】
前記第1の可溶素子を前記第1の端子に電気的に接続する第1のリード部と、
前記第1の可溶素子を前記第2の端子に電気的に接続する第2のリード部と
をさらに備える、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項3】
前記第2の可溶素子を前記第1の端子に電気的に接続する第3のリード部と、
前記第2の可溶素子を前記第2の端子に電気的に接続する第4のリード部と
をさらに備える、請求項2に記載の保護デバイス。
【請求項4】
前記基板が、対向する第1の主面と第2の主面とを含んでいる、請求項3に記載の保護デバイス。
【請求項5】
前記第1の可溶素子が、前記基板の前記第1の主面に沿って位置付けられており、前記第2の可溶素子が、前記基板の前記第2の主面に沿って位置付けられている、請求項4に記載の保護デバイス。
【請求項6】
前記第1の可溶素子および前記第2の可溶素子が、前記基板の前記第1の主面に沿って位置付けられている、請求項4に記載の保護デバイス。
【請求項7】
前記第1のリード部および前記第2のリード部の上方に位置付けられた第1のガラス層をさらに備える、請求項4から6のいずれか一項に記載の保護デバイス。
【請求項8】
前記第3のリード部および前記第4のリード部の上方に位置付けられた第2のガラス層をさらに備える、請求項7に記載の保護デバイス。
【請求項9】
前記第1のガラス層および前記第2のガラス層が、前記基板の前記第1の主面に沿って位置付けられている、請求項8に記載の保護デバイス。
【請求項10】
前記第1の可溶素子および前記第2の可溶素子が金から形成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の保護デバイス。
【請求項11】
前記第1の可溶素子が金から形成されていて、前記第2の可溶素子が銀から形成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の保護デバイス。
【請求項12】
可溶デバイスであって、
基板と、
前記基板の対向する端部にある第1および第2の端子と、
前記第1の端子と前記第2の端子との間に延在している第1の可溶素子および第2の可溶素子であって、外側表面内に形成された1つまたは複数の凹部を含むトリミング部分を、前記第1の可溶素子および前記第2の可溶素子のうちの少なくとも1つが含んでいる、第1の可溶素子および第2の可溶素子と
を備える可溶デバイス。
【請求項13】
前記第1の可溶素子を前記第1の端子に電気的に接続する第1のリード部と、
前記第1の可溶素子を前記第2の端子に電気的に接続する第2のリード部と
をさらに備える、請求項12に記載の可溶デバイス。
【請求項14】
前記第2の可溶素子を前記第1の端子に電気的に接続する第3のリード部と、
前記第2の可溶素子を前記第2の端子に電気的に接続する第4のリード部と
をさらに備える、請求項13に記載の可溶デバイス。
【請求項15】
前記基板が、対向する第1の主面と第2の主面とを含んでいる、請求項14に記載の可溶デバイス。
【請求項16】
前記第1の可溶素子が、前記基板の前記第1の主面に沿って位置付けられており、前記第2の可溶素子が、前記基板の前記第1の主面または前記第2の主面に沿って位置付けられている、請求項15に記載の可溶デバイス。
【請求項17】
前記第1の可溶素子および前記第2の可溶素子が、前記基板の前記第1の主面に沿って位置付けられている、請求項15に記載の可溶デバイス。
【請求項18】
前記第1のリード部および前記第2のリード部の上方に位置付けられた第1のガラス層をさらに備える、請求項15から17のいずれか一項に記載の可溶デバイス。
【請求項19】
前記第1の可溶素子の下に位置付けられた第2のガラス層をさらに備える、請求項18に記載の可溶デバイス。
【請求項20】
前記第1の可溶素子が金から形成されていて、前記第2の可溶素子が金または銀から形成されている、請求項12から19のいずれか一項に記載の可溶デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して回路保護デバイスに関し、より詳細には、レーザトリミングされた可溶素子を有する回路保護デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒューズは、電気回路保護デバイスとして一般に使用されており、電力供給源と保護されるべき回路構成要素との間で電気的接続を提供する。回路内で、過電流条件などの特定の故障条件が発生すると、可溶素子が融解するか他の態様で分離して、回路パスにおいて電流フローを遮断することができる。それにより、回路の保護部分は電気的に絶縁され、そのような部分への損傷を防止できるか、または少なくとも軽減することができる。
【0003】
既存のヒューズについて知られている1つの問題は、精度の低い抵抗である。したがって、より精度の高い抵抗公差を有する改善されたヒューズの必要性が存在している。上記その他の事柄を考慮して、この改善が必要とされてきている。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態において、保護デバイスは、基板と、基板の対向する端部にある第1および第2の端子とを含んでいてよい。保護デバイスは、第1および第2の端子間に延在している第1の可溶素子および第2の可溶素子であって、第1および第2の可溶素子のうちの少なくとも1つがトリミング部分を含んでいる、第1の可溶素子および第2の可溶素子をさらに含んでいてよい。
【0005】
いくつかの実施形態において、可溶デバイスは、基板と、基板の対向する端部にある第1および第2の端子とを含んでいてよい。可溶デバイスは、第1および第2の端子間に延在している第1の可溶素子および第2の可溶素子であって、外側表面内に形成された1つまたは複数の凹部を含むトリミング部分を、前記第1および第2の可溶素子のうちの少なくとも1つが含んでいる、第1の可溶素子および第2の可溶素子をさらに備えていてよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付図面は、本開示の原理の実用的な用途を含め、本開示の例示的な手法を示している。
【0007】
【
図1A】本開示の例示的実施形態による保護デバイスの斜視図である。
【0008】
【
図1B】本開示の例示的実施形態による、
図1Aの保護デバイスの切断線B-Bに沿った側方断面図である。
【0009】
【
図1C】本開示の例示的実施形態による、
図1Aの保護デバイスの切断線C-Cに沿った側方断面図である。
【0010】
【
図2A】本開示の例示的実施形態による保護デバイスの斜視図である。
【0011】
【
図2B】本開示の例示的実施形態による、第1の切断線に沿った
図2Aの保護デバイスの側方断面図である。
【0012】
【
図2C】本開示の例示的実施形態による、第2の切断線に沿った
図2Aの保護デバイスの側方断面図である。
【0013】
【
図3A】本開示の例示的実施形態による保護デバイスの斜視図である。
【0014】
【
図3B】本開示の例示的実施形態による、第1の切断線に沿った
図3Aの保護デバイスの側方断面図である。
【0015】
【
図3C】本開示の例示的実施形態による、第2の切断線に沿った
図3Aの保護デバイスの側方断面図である。
【0016】
【
図4A】本開示の例示的実施形態による保護デバイスの斜視図である。
【0017】
【
図4B】本開示の例示的実施形態による、第1の切断線に沿った
図4Aの保護デバイスの側方断面図である。
【0018】
【
図4C】本開示の例示的実施形態による、第2の切断線に沿った
図4Aの保護デバイスの側方断面図である。
【0019】
【
図5】本開示の保護デバイスを使用して達成可能な抵抗値を描写したチャートである。
【0020】
【
図6】例示的実施形態による方法のフローチャートである。
【0021】
図面は、必ずしも原寸に比例していない。図面は単なる表示であり、本開示の特定のパラメータを表現することを意図していない。図面は、本開示の典型的な実施形態を描くことを意図しており、したがって範囲を限定するものとみなされるべきではない。図面において、同様の参照符号は同様の要素を表す。
【0022】
さらに、一部の図における特定の要素は、説明を分かりやすくするために省略されてもよいし、原寸に比例せずに示されてもよい。断面図は「スライス」の形態であるか、または「近視的」断面図であってよく、本来であれば「真の」断面図において見える特定の背景が、説明を分かりやすくするために省略されていてもよい。さらに、分かりやすくするために、一部の参照符号は、特定の図面において省略されていることがある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
システムおよび方法の実施形態を示す添付図面を参照しながら、ここで本開示によるヒューズ装置およびヒューズ組立体を以下でさらに十分に説明する。しかし、ヒューズ装置およびヒューズ組立体は、多数の異なる形態で具現化されてよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、本開示が徹底した完全なものになり、システムおよび方法の範囲を十分に当業者に伝達するように、これらの実施形態が提供される。
【0024】
本明細書の手法は、2つの並列の可溶素子とともにプリントされた硬質基板(たとえば、グレーズセラミック基板)を含む保護デバイスを提供し、素子のうちの少なくとも1つが、精度に合わせてトリミングされていてよい。その結果、本開示の保護デバイスは、抵抗をより高精度(+/-5%公差)にしながら、i2tを維持するか、2つの並列の可溶素子間でのより大きな差異を維持する。
【0025】
図1A~
図1Cを参照すると、本開示によるヒューズ装置/組立体/デバイス(以下「デバイス」)100の例示的実施形態が示してある。例示的デバイス100は基板102を含んでいてよく、基板102は、対向する第1の主面103Aと第2の主面103B、対向する第1の側面105Aと第2の側面105B、および対向する第1の端面107Aと第2の端面107Bによって画成された硬質グレーズセラミック基板であってよい。示してあるように、デバイス100は、第1の端面107Aの周りに形成された第1の端子104Aと、第2の端面107Bの周りに形成された第2の端子104Bとをさらに含んでいてよい。いくつかの実施形態において、第1および第2の端子104A、104Bは、プリント回路基板(図示せず)に結合されていてよい。
【0026】
デバイス100は、基板102の第1の主面103Aに沿って配置された第1の可溶素子120Aと、基板102の第2の主面103Bに沿って配置された第2の可溶素子120Bとをさらに含んでいてよい。示してあるように、第1の可溶素子120Aは、第1のリード部122によって第1の端子104Aに接続され、第2のリード部124によって第2の端子104Bに接続されていてよい。同様に、第2の可溶素子120Bは、第3のリード部126によって第1の端子104Aに接続され、第4のリード部128によって第2の端子104Bに接続されていてよい。第1と第2の可溶素子120A、120Bは、電気的に並列接続されていてよい。
【0027】
図1Aに最も明瞭に示してあるように、第1および/または第2の可溶素子120A、120Bは、その中に形成されたトリミング部分130を含んでいてよい。トリミング部分130は、外側表面134内に形成された1つまたは複数の凹部132を含んでいてよい。デバイス100の抵抗値を要望通りに調整できるように、凹部132は、レーザトリミング(たとえばアブレーション)によって形成されてよい。非限定的であるが、第1および/または第2の可溶素子120A、120Bは、その場で、たとえば実施中の動作条件下でトリミングされてよい。たとえば、厳密な抵抗値は、当初分かっていないか、留意事項でないことさえあるが、その後微調整が必要になる場合がある。非限定的な一実施形態において、顧客、ユーザ、および/または製造者は、たとえば意図的に高い抵抗を有するデバイス100を組み込み、次いで、たとえば顧客の要求に基づく正確な抵抗が生じるまで、第1および/または第2の可溶素子120A、120B内に凹部132を形成してもよい。
【0028】
図1B~
図1Cに最も明瞭に示してあるように、第1の可溶素子120Aは、基板102の第1の主面103Aの上に直接形成されていてよく、第1のリード部122および第2のリード部124は、第1の可溶素子120の上に直接形成されていてよく、第1のガラス層138は、第1および第2のリード部122、124と第1の可溶素子120Aとの上に直接形成されていてよい。示してあるように、第1の端子104Aおよび第2の端子104Bは、第1のガラス層138の一部分の上方に形成されていてよい。図示していないが、いくつかの実施形態において、第1および第2のリード部122、124は、第1および第2の端子104A、104Bに対してはんだによって接続されてもよい。いくつかの実施形態において、第1および第2の可溶素子120A、120Bは金から作られている。
【0029】
デバイスの第2の主面103Bに沿って、第3のリード部126および第4のリード部128が、第2の可溶素子120Bの外部/下部に沿って形成されていてよく、第2のガラス層142が、第3および第4のリード部126、128の外部/下部に沿って、かつ第2の可溶素子120Bに沿って形成されていてよい。示してあるように、第1の端子104Aおよび第2の端子104Bは、第2のガラス層142の一部分の上方に形成されていてよい。
【0030】
図2A~
図2Cを参照すると、本開示によるヒューズ装置/組立体/デバイス(以下「デバイス」)200の例示的実施形態が示してある。例示的デバイス200は基板202を含んでいてよく、基板202は、対向する第1の主面203Aと第2の主面203B、対向する第1の側面205Aと第2の側面205B、および対向する第1の端面207Aと第2の端面207Bによって画成された硬質グレーズセラミック基板であってよい。示してあるように、デバイス200は、第1の端面207Aの周りに形成された第1の端子204Aと、第2の端面207Bの周りに形成された第2の端子204Bとをさらに含んでいてよい。
いくつかの実施形態において、第1および第2の端子204A、204Bは、プリント回路基板(図示せず)に結合されていてよい。
【0031】
デバイス200は、第1の可溶素子220Aおよび第2の可溶素子220Bをさらに含んでいてよく、これらの可溶素子は両方とも、基板202の第1の主面203Aに沿って配置されている。いくつかの実施形態において、第2の可溶素子220Bは、基板202の上に直接形成されてよい。示してあるように、第1の可溶素子220Aは、第1のリード部222によって第1の端子204Aに接続され、第2のリード部224によって第2の端子204Bに接続されていてよい。同様に、第2の可溶素子220Bは、第3のリード部226によって第1の端子204Aに接続され、第4のリード部228によって第2の端子204Bに接続されていてよい。第1と第3のリード部222、226は、第1の可溶素子220Aによって電気的に接続されていてよく、その一方で第2と第4のリード部224、228も、第1の可溶素子220Aによって同様に接続されていてよい。図示していないが、第1と第2の可溶素子220A、220Bが電気的に並列接続されるように、それらの間で電気的接続を形成するためのはんだが存在していてよい。いくつかの実施形態において、第1および第2の可溶素子220A、220Bは金から作られている。
【0032】
図2Aに最も明瞭に示してあるように、第1および/または第2の可溶素子220A、220Bは、その中に形成されたトリミング部分230を含んでいてよい。トリミング部分230は、外側表面234内に形成された1つまたは複数の凹部232を含んでいてよい。デバイス200の抵抗値を要望通りに調整できるように、凹部232は、レーザトリミング(たとえばアブレーション)によって形成されてよい。
【0033】
図2B~
図2Cに最も明瞭に示してあるように、第2の可溶素子220Bは、基板202の第1の主面203Aの上に直接形成されていてよく、その一方で第3および第4のリード部226、228は、第2の可溶素子220Bの一部分の上方に形成されていてよい。第2のガラス層242が、第3のリード部226、第4のリード部228、および第2の可溶素子220Bの上方に形成されていてよく、その一方で第1および第2のリード部222、224が、第2のガラス層242の上に形成されている。第1のガラス層238が、第1および第2のリード部222、224の上方に、かつ第1の可溶素子220Aの一部分の上に形成されていてよい。示してあるように、第1および第2の端子204A、204Bは、第1のリード部222、第2のリード部224、および第1のガラス層238の周りに巻かれていてもよい。
【0034】
図3A~
図3Cを参照すると、本開示によるヒューズ装置/組立体/デバイス(以下「デバイス」)300の例示的実施形態が示してある。例示的デバイス300は基板302を含んでいてよく、基板302は、対向する第1の主面303Aと第2の主面303B、対向する第1の側面305Aと第2の側面305B、および対向する第1の端面307Aと第2の端面307Bによって画成された硬質グレーズセラミック基板であってよい。示してあるように、デバイス300は、第1の端面307Aの周りに形成された第1の端子304Aと、第2の端面307Bの周りに形成された第2の端子304Bとをさらに含んでいてよい。
【0035】
デバイス300は、第1の可溶素子320Aおよび第2の可溶素子320Bをさらに含んでいてよく、これらの可溶素子は両方とも、基板302の第1の主面303Aに沿って配置されている。いくつかの実施形態において、第2の可溶素子320Bは、基板302の上に直接形成されてよい。示してあるように、第1の可溶素子320Aは、第1のリード部322によって第1の端子304Aに接続され、第2のリード部324によって第2の端子304Bに接続されていてよい。この実施形態において、第2の可溶素子320Bは、第1の端子304Aおよび第2の端子304Bに、たとえばはんだによって直接接続されていてよい。いくつかの実施形態において、第1および第2の可溶素子320A、320Bは金から作られている。
【0036】
図3Aに最も明瞭に示してあるように、第1および/または第2の可溶素子320A、320Bは、その中に形成されたトリミング部分330を含んでいてよい。トリミング部分330は、外側表面334内に形成された1つまたは複数の凹部332を含んでいてよい。デバイス300の抵抗値を要望通りに調整できるように、凹部332は、レーザトリミング(たとえばアブレーション)によって形成されてよい。
【0037】
図3B~
図3Cに最も明瞭に示してあるように、第2の可溶素子320Bは、基板302の第1の主面303Aの上に直接形成されていてよく、その一方で第2のガラス層342が、第2の可溶素子320Bの上方に形成されていてよい。第1の可溶素子320Aは、第2のガラス層342の上方に形成されていてよい。示してあるように、第1と第2の可溶素子320A、320Bは、電気的および物理的に互いに直接接触していてよい。第1および第2のリード部322、324は、第1の可溶素子320Aの一部分の上に形成されていてよく、第1のガラス層338が、第1の可溶素子320Aと第1および第2のリード部322、324の一部分との上方に形成されていてよい。示してあるように、第1および第2の端子304A、304Bは、第1のリード部322、第2のリード部324、および第1のガラス層338の周りに巻かれていてもよい。
【0038】
図4A~
図4Cを参照すると、本開示によるヒューズ装置/組立体/デバイス(以下「デバイス」)400の例示的実施形態が示してある。例示的デバイス400は基板402を含んでいてよく、基板402は、対向する第1の主面403Aと第2の主面403B、対向する第1の側面405Aと第2の側面405B、および対向する第1の端面407Aと第2の端面407Bによって画成された硬質グレーズセラミック基板であってよい。示してあるように、デバイス400は、第1の端面407Aの周りに形成された第1の端子404Aと、第2の端面407Bの周りに形成された第2の端子404Bとをさらに含んでいてよい。
【0039】
デバイス400は、第1の可溶素子420Aおよび第2の可溶素子420Bをさらに含んでいてよく、これらの可溶素子は両方とも、基板402の第1の主面403Aに沿って配置されている。いくつかの実施形態において、第2の可溶素子420Bは、基板402の上に直接形成されてよい。示してあるように、第1の可溶素子420Aは、第1のリード部422によって第1の端子404Aに接続され、第2のリード部424によって第2の端子404Bに接続されていてよい。この実施形態において、第2の可溶素子420Bは、第1の端子404Aおよび第2の端子404Bに、たとえばはんだによって直接接続されていてよい。いくつかの実施形態において、第1の可溶素子420Aは金から作られていて、第2の可溶素子420Bは銀から作られている。
【0040】
図4Aに最も明瞭に示してあるように、第1および/または第2の可溶素子420A、420Bは、その中に形成されたトリミング部分430を含んでいてよい。トリミング部分430は、外側表面434内に形成された1つまたは複数の凹部432を含んでいてよい。デバイス400の抵抗値を要望通りに調整できるように、凹部432は、レーザトリミング(たとえばアブレーション)によって形成されてよい。
【0041】
図4B~
図4Cに最も明瞭に示してあるように、第2の可溶素子420Bは、基板402の第1の主面403Aの上に直接形成されていてよく、その一方で第2のガラス層442が、第2の可溶素子420Bの上方に形成されていてよい。第1の可溶素子420Aは、第2のガラス層420の上方に形成されていてよい。示してあるように、第1と第2の可溶素子420A、420Bは、電気的および物理的に互いに直接接触していてよい。第1および第2のリード部422、424は、第1の可溶素子420Aの一部分の上に形成されていてよく、第1のガラス層438が、第1の可溶素子420Aと第1および第2のリード部422、424の一部分との上方に形成されていてよい。示してあるように、第1および第2の端子404A、404Bは、第1のリード部422、第2のリード部424、および第1のガラス層438の周りに巻かれていてもよい。
【0042】
ここで
図5の(A)~(C)を見ながら、本開示のデバイスの抵抗の改善について、さらに説明する。
図5の(A)において、1対の可溶素子520A、520Bの平均抵抗を実証するチャート501が示してある。可溶素子520A、520Bは、デバイス100、200、300、および400に関して本明細書に記載した可溶素子と同じであってよい。
図5の(B)に示す第1の可溶素子520Aの初期分布505は、精度限界+-5%を使用すると、より広範囲に及んでいる。第2の可溶素子520Bをプリントした後、第1および第2の可溶素子520A、520Bは並列であり、したがって抵抗は著しく低くなる。1対の可溶素子520A、520Bに対してレーザトリミング工程を使用して、抵抗を精度限界+-5%の範囲内にトリミングしてよい。
図5の(C)の分布511において実証されているように、トリミング後の抵抗は、第1の素子520Aの初期抵抗よりも低く、定格をより高くする。
【0043】
ここで
図6を見ながら、本開示の実施形態による方法600について説明する。
ブロック601において、方法600は、第1と第2の端子間に第1および第2の可溶素子を延在させることによりデバイスを形成する段階であって、第1および第2の可溶素子のうちの少なくとも1つが、トリミング部分を含んでいる、形成する段階を含んでいてよい。いくつかの実施形態において、デバイスは、硬質セラミック基板などの基板を含んでいる。いくつかの実施形態において、基板は、対向する第1の主面と第2の主面とを含んでおり、第1の可溶素子は、基板の第1の主面に沿って位置付けられており、第2の可溶素子は、基板の第2の主面に沿って位置付けられている。いくつかの実施形態において、第1の可溶素子および第2の可溶素子は、基板の第1の主面に沿って位置付けられている。いくつかの実施形態において、第1および第2の可溶素子は、電気的に並列に配置されている。いくつかの実施形態において、トリミング部分は、外側表面内に形成された1つまたは複数の凹部を含んでいてよい。デバイスの抵抗値を要望通りに調整できるように、凹部は、レーザトリミング(たとえばアブレーション)によって形成されてよい。いくつかの実施形態において、第1および第2の可溶素子は、金から形成されている。いくつかの実施形態において、第1の可溶素子は金から作られていて、第2の可溶素子は銀から作られている。
【0044】
ブロック602において、方法600は、第1のリード部を第1の可溶素子および第1の端子に電気的に接続し、第2のリード部を第1の可溶素子および第2の端子に電気的に接続する段階をさらに含んでよい。いくつかの実施形態において、第3のリード部が、第2の可溶素子を第1の端子に電気的に接続してよく、その一方で第4のリード部が、第2の可溶素子を第2の端子に電気的に接続してよい。
【0045】
ブロック603において、方法は、第1および第2の端子を基板の対向する端部に提供する段階をさらに含んでよい。
【0046】
前述した議論は、図解および説明を目的として提供されてきており、本明細書に開示した1つまたは複数の形態に本開示を限定することを意図していない。たとえば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化することを目的として、1つまたは複数の態様、実施形態、もしくは構成にまとめられてもよい。しかし、本開示の特定の態様、実施形態、構成の様々な特徴が、代替的な態様、実施形態、または構成に組み込まれてもよいことが理解されるべきである。さらに、添付の特許請求の範囲は、ここでこの参照により、この発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は、本開示の別々の実施形態として独立している。
【0047】
本明細書において使用するとき、単数形で記載されていて、「a」または「an」という語の後にある要素または段階は、複数の要素または段階を除外しないものとして理解されるべきであるが、ただしそのような除外が明示的に記載されている場合を除く。さらに、本開示の「一実施形態」への言及は、記載した特徴を同じく組み込んでいる付加的な実施形態の存在を除外するものと解釈されることを意図していない。
【0048】
「含む」、「備える」、または「有する」、およびこれらの変化形を本明細書において使用することは、これらの前に列挙された項目およびその等価物ならびに付加的な項目を包含することを意味している。したがって、「含む」、「備える」、または「有する」という用語およびこれらの変化形は、オープンエンド表現であり、本明細書において交換可能に使用することができる。
【0049】
本明細書において使用するとき、「少なくとも1つ」、「1つまたは複数」、および「および/または」という言い回しは、接続的にも離接的にも作用するオープンエンド表現である。たとえば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの1つまたは複数」、「A、B、またはCのうちの1つまたは複数」、および「A、B、および/またはC」という表現のそれぞれは、A単体、B単体、C単体、AとBとの組合せ、AとCとの組合せ、BとCとの組合せ、またはAとBとCとの組合せを意味する。
【0050】
方向に関するすべての言及(たとえば、近位、遠位、上側、下側、上向き、下向き、左、右、横方向、長手方向、前方、後方、上部、下部、~の上、~の下、鉛直、水平、半径方向、軸線方向、時計回り、および反時計回り)は、読者による本開示の理解を促すために、識別を目的として使用されているに過ぎず、特に本開示の位置、配向、または使用に関して限定を付すものではない。接続に関する言及(たとえば、取り付けられた、結合された、接続された、および接合された)は、広く解釈されるべきであり、別段の指示のない限り、要素の集まりの間にある中間部材、および要素間の相対運動を含んでよい。したがって、接続に関する言及は、2つの要素が直接接続され互いに固定された関係にあることを、必ずしも意味するものではない。
【0051】
さらに、識別に関する言及(たとえば、一次、二次、第1、第2、第3、第4など)は、重要度または優先度を暗示することを意図しているのではなく、1つの特徴を別の特徴から区別するために使用されている。図面は、単に図解を目的としたものであり、本明細書に添付の図面に反映された寸法、位置、順序、および相対的なサイズは異なってもよい。
【0052】
さらに、「実質的」または「実質的に」という用語、ならびに「おおよその」または「おおよそ」という用語は、いくつかの実施形態において交換可能に使用することができ、当業者によって容認可能な任意の相対的な尺度を使用して説明されることが可能である。たとえば、これらの用語は、基準パラメータとの比較としての役割を果たして、意図する機能を提供することが可能な逸脱を示すことができる。非限定的であるが、基準パラメータからの逸脱は、たとえば1%未満、3%未満、5%未満、10%未満、15%未満、20%未満などの量とすることができる。
【0053】
本開示は、本明細書に記載の特定の実施形態によって範囲を限定されることはない。実際、本明細書に説明したものに加えて、本開示の様々な他の実施形態および修正形態は、前述した説明および添付図面から当業者には明らかであろう。したがって、そのような他の実施形態および修正形態は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。さらに、本開示は、特定の目的のための特定の環境において特定の実装形態の文脈で、本明細書において説明されてきた。有用性はこれらに限定されず、本開示は、任意の数の目的のために任意の数の環境において有益に実現されてよいことを、当業者であれば認識するであろう。したがって、以下に記載する特許請求の範囲は、本明細書に説明した本開示の全容および趣旨を考慮して解釈されるべきである。
【外国語明細書】