(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151885
(43)【公開日】2022-10-11
(54)【発明の名称】折り畳まれた吸収性物品および吸収性物品包装体
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20221003BHJP
A61F 13/532 20060101ALI20221003BHJP
A61F 13/535 20060101ALI20221003BHJP
A61F 13/62 20060101ALI20221003BHJP
A61F 13/56 20060101ALI20221003BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20221003BHJP
A61F 13/47 20060101ALI20221003BHJP
B65D 85/07 20170101ALI20221003BHJP
【FI】
A61F13/15 210
A61F13/532 200
A61F13/535 200
A61F13/62 120
A61F13/56 210
A61F13/49 100
A61F13/47 300
B65D85/07
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045184
(22)【出願日】2021-03-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000110044
【氏名又は名称】株式会社リブドゥコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】特許業務法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福元 淳生
【テーマコード(参考)】
3B200
3E068
【Fターム(参考)】
3B200AA12
3B200AA13
3B200BA04
3B200DA11
3B200DB05
3B200DE01
3B200DE13
3B200DF08
3B200EA18
3E068AA40
3E068AB02
3E068BB06
3E068CC22
3E068CE02
3E068CE03
3E068DD04
3E068DD30
3E068EE32
(57)【要約】
【課題】折り畳まれた吸収性物品であって、折り畳まれた状態から容易に展開することができる吸収性物品を提供する。
【解決手段】折り畳まれた吸収性物品1であって、吸収性物品1は、第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2で折り返されて幅方向に3つ折りされ、この状態から、第1の幅方向折り目FB1で折り返されて長手方向に2つ折りされ、さらに第2の幅方向折り目FB2で折り返されて長手方向に2つ折りされることにより、長手方向に4つ折りされており、吸収性物品1は、第1の幅方向折り目FB1を挟んで短尺部12と長尺部13とに区分され、第2の幅方向折り目FB2で短尺部12が長尺部13の内側に位置し、短尺部12の第2の幅方向折り目FB2が形成される位置および長尺部13の第2の幅方向折り目FB2が形成される位置に吸収性コア4が存在する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれた吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、幅方向と長手方向を有し、トップシートとバックシートの間に吸収性コアが配されて構成され、
前記吸収性物品は、平面状に広げた状態で肌面側を内側にして、幅方向の両側部がそれらの間の中央部と重なるように第1の長手方向折り目と第2の長手方向折り目で折り返されて幅方向に3つ折りされ、この状態から、折り返された幅方向の両側部を内側にして第1の幅方向折り目で折り返されて長手方向に2つ折りされ、さらに第2の幅方向折り目で折り返されて長手方向に2つ折りされることにより、長手方向に4つ折りされており、
前記第1の幅方向折り目は、前記吸収性物品の長手方向の中心からずれた位置に形成され、前記吸収性物品は、前記第1の幅方向折り目を挟んで短尺部とそれより長手方向の長さが長い長尺部とに区分され、
前記第2の幅方向折り目は、前記短尺部と前記長尺部とが重なる位置に形成され、前記吸収性物品が前記第2の幅方向折り目で折り返された状態で、前記第2の幅方向折り目で前記短尺部が前記長尺部の内側に位置し、
前記吸収性物品は、前記短尺部の前記第2の幅方向折り目が形成される位置、および前記長尺部の前記第2の幅方向折り目が形成される位置に、前記吸収性コアが存在することを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記短尺部の長手方向の長さは、前記長尺部の長手方向の長さの55%以上90%以下である請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性物品は、前記短尺部の第1の長手方向折り目が形成される位置、および前記短尺部の前記第2の長手方向折り目が形成される位置にも、前記吸収性コアが存在する請求項1または2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収性コアには開口または凹部が設けられ、
前記開口または凹部は、前記長尺部の前記第2の幅方向折り目が形成される位置に形成され、前記短尺部の前記第2の幅方向折り目が形成される位置には形成されない請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記長尺部の前記第2の幅方向折り目において、前記開口または凹部の幅方向の長さは、前記吸収性コアの幅方向の長さの10%以上60%以下である請求項4に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収性物品はテープタイプの使い捨ておむつであって、トップシートとバックシートの間に吸収性コアが配されて構成されたおむつ本体と、前記おむつ本体の後側部の幅方向の両側に設けられた止着テープと、前記おむつ本体の前側部に設けられたターゲットテープとを有し、
前記ターゲットテープが前記短尺部の外面側に設けられ、
前記第2の幅方向折り目が、前記ターゲットテープが設けられた位置に形成されている請求項1~5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記ターゲットテープは、フィルム基材上に平面状の網目構造のループ部が設けられて形成されている請求項6に記載の使い捨ておむつ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の折り畳まれた吸収性物品が複数、包装容器内に収容されていることを特徴とする吸収性物品包装体。
【請求項9】
前記折り畳まれた吸収性物品は、前記第1の幅方向折り目が同じ方向を向くように複数積み重ねられ、
前記包装容器は、前記第1の幅方向折り目が向いている側に取出部が形成可能となっている請求項8に記載の吸収性物品包装体。
【請求項10】
前記折り畳まれた吸収性物品は、前記第2の幅方向折り目が同じ方向を向くように複数積み重ねられ、
前記包装容器は、前記第2の幅方向折り目が向いている側に取出部が形成可能となっている請求項8に記載の吸収性物品包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープタイプの使い捨ておむつや尿パッド等の吸収性物品が展開可能に折り畳まれることにより形成された折り畳まれた吸収性物品と、折り畳まれた吸収性物品が包装容器内に収容された吸収性物品包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
テープタイプの使い捨ておむつや尿パッド等の吸収性物品は、通常、包装容器内に収容されて店頭などで販売されている。この際、吸収性物品は折り畳まれた状態で包装容器内に収容される。例えば特許文献1~4には、幅方向に3つ折りした後、さらに長手方向に3つ折りすることにより折り畳まれた吸収性物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-41307号公報
【特許文献2】特開2014-4173号公報
【特許文献3】特開2015-157047号公報
【特許文献4】特開2018-51140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
折り畳まれた吸収性物品は、使用の際に折り畳みを展開する必要があるが、この際、折り畳まれた吸収性物品を容易に展開できることが望まれる。例えば、介護者が吸収性物品を扱う際、吸収性物品を折り畳んだ状態からスムーズに展開できることが望ましく、また高齢の使用者では手先が自由に動かせない場合などがあるが、そのような場合でも折り畳まれた吸収性物品をスムーズに展開できることが望ましい。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、折り畳まれた吸収性物品であって、折り畳まれた状態から容易に展開することができる吸収性物品と、当該折り畳まれた吸収性物品が包装容器内に収容された吸収性物品包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決することができた本発明の吸収性物品とは、折り畳まれた吸収性物品であって;吸収性物品は、幅方向と長手方向を有し、トップシートとバックシートの間に吸収性コアが配されて構成され;吸収性物品は、平面状に広げた状態で肌面側を内側にして、幅方向の両側部がそれらの間の中央部と重なるように第1の長手方向折り目と第2の長手方向折り目で折り返されて幅方向に3つ折りされ、この状態から、折り返された幅方向の両側部を内側にして第1の幅方向折り目で折り返されて長手方向に2つ折りされ、さらに第2の幅方向折り目で折り返されて長手方向に2つ折りされることにより、長手方向に4つ折りされており;第1の幅方向折り目は、吸収性物品の長手方向の中心からずれた位置に形成され、吸収性物品は、第1の幅方向折り目を挟んで短尺部とそれより長手方向の長さが長い長尺部とに区分され;第2の幅方向折り目は、短尺部と長尺部とが重なる位置に形成され、吸収性物品が第2の幅方向折り目で折り返された状態で、第2の幅方向折り目で短尺部が長尺部の内側に位置し;吸収性物品は、短尺部の第2の幅方向折り目が形成される位置、および長尺部の第2の幅方向折り目が形成される位置に、吸収性コアが存在するところに特徴を有する。
【0007】
本発明の折り畳まれた吸収性物品は、折り畳まれた状態から展開する際、まず第2の幅方向折り目を展開する。この際、長尺部の端部を掴んで、長尺部の第2の幅方向折り目での折り返しを展開することにより、長尺部の内側に重ねられた短尺部が現れる。短尺部は、第2の幅方向折り目が形成される位置に吸収性コアが存在するため、長尺部の第2の幅方向折り目での折り返しを展開すると、短尺部は第2の幅方向折り目での折り返しが自然に展開されやすくなる。また吸収性物品は、第1の長手方向折り目と第2の長手方向折り目で折り返されるとともに、長尺部の第2の幅方向折り目が形成される位置に吸収性コアが存在するため、長尺部のクッション性が高まり、短尺部が、折り畳まれた吸収性物品の外側から直接強く圧迫されにくくなり、これによっても、短尺部の第2の幅方向折り目での折り返しが自然に展開されやすくなる。そのため吸収性物品は、長尺部の第2の幅方向折り目での折り返しを展開することにより、短尺部の端部を掴みやすくなる。そして、長尺部の端部と短尺部の端部をそれぞれ手で掴んで吸収性物品を長手方向に広げることで、吸収性物品の折り畳みを容易に展開することができる。
【0008】
短尺部の長手方向の長さは、長尺部の長手方向の長さの55%以上90%以下であることが好ましい。このように第1の幅方向折り目が形成されることにより、第2の幅方向折り目を短尺部と長尺部が重なる位置に形成しやすくなるとともに、折り畳まれた吸収性物品を展開する際、長尺部の第2の幅方向折り目での折り返しを展開すると、長尺部の内側に重ねられた短尺部の端部が自然に立ち上がりやすくなる。
【0009】
吸収性物品は、短尺部の第1の長手方向折り目が形成される位置、および短尺部の第2の長手方向折り目が形成される位置にも、吸収性コアが存在することが好ましい。これにより、吸収性物品が折り畳まれた状態で短尺部の厚みが厚く形成され、クッション性が高まり、短尺部が強く圧迫されにくくなる。そのため、短尺部の第2の幅方向折り目での折り返しが自然に展開されやすくなる。
【0010】
吸収性コアには開口または凹部が設けられ、開口または凹部は、長尺部の第2の幅方向折り目が形成される位置に形成され、短尺部の第2の幅方向折り目が形成される位置には形成されないことが好ましい。これにより、短尺部は第2の幅方向折り目で強く圧迫されにくくなり、長尺部の第2の幅方向折り目での折り返しを展開すると、長尺部の内側に重ねられた短尺部の折り目が自然に展開されやすくなる。この場合、長尺部の第2の幅方向折り目において、開口または凹部の幅方向の長さは、吸収性コアの幅方向の長さの10%以上60%以下であることが好ましい。
【0011】
本発明の折り畳まれた吸収性物品は、テープタイプの使い捨ておむつにも適用することができる。この場合、テープタイプの使い捨ておむつは、トップシートとバックシートの間に吸収性コアが配されて構成されたおむつ本体と、おむつ本体の後側部の幅方向の両側に設けられた止着テープと、おむつ本体の前側部に設けられたターゲットテープとを有し、ターゲットテープが短尺部の外面側に設けられ、第2の幅方向折り目がターゲットテープが設けられた位置に形成されていることが好ましい。第2の幅方向折り目がターゲットテープが設けられた位置に形成されることにより、短尺部の第2の幅方向折り目での剛性が高まり、折り畳まれた吸収性物品を展開する際、長尺部の第2の幅方向折り目での折り返しを展開すると、長尺部の内側に重ねられた短尺部の第2の幅方向折り目が自然に展開されやすくなる。
【0012】
ターゲットテープは、フィルム基材上に平面状の網目構造のループ部が設けられて形成されていることが好ましい。このようにターゲットテープが形成されていれば、ターゲットテープの厚みを薄く形成することができる。そのため、ターゲットテープが設けられた位置に第2の幅方向折り目を形成しても、第2の幅方向折り目で吸収性物品を折り返しやすくなる。
【0013】
本発明はまた、上記のように折り畳まれた吸収性物品が複数、包装容器内に収容されている吸収性物品包装体も提供する。本発明の吸収性物品包装体によれば、包装容器内に収容された折り畳まれた吸収性物品は、全体が強く圧迫されずに、第1の幅方向折り目側があまり強く圧迫されない。そのため、包装容器から折り畳まれた吸収性物品を取り出すことが容易になる。一方、折り畳まれた吸収性物品は、包装容器内で第2の幅方向折り目側が比較的強く圧迫されるが、そのように第2の幅方向折り目側が強く圧迫されても、吸収性物品の折り畳みを容易に展開することができる。
【0014】
吸収性物品包装体において、折り畳まれた吸収性物品は、第1の幅方向折り目が同じ方向を向くように複数積み重ねられ、包装容器は、第1の幅方向折り目が向いている側に取出部が形成可能となっていることが好ましい。この場合、第1の幅方向折り目側を掴んで折り畳まれた吸収性物品を包装容器から取り出すことができるが、折り畳まれた吸収性物品の第1の幅方向折り目側は包装容器内で強く圧迫されていないため、取出部に近い第1の幅方向折り目側を手で掴むことが容易になる。そのため、包装容器から折り畳まれた吸収性物品を簡単に取り出すことができる。
【0015】
吸収性物品包装体において、折り畳まれた吸収性物品は、第2の幅方向折り目が同じ方向を向くように複数積み重ねられ、包装容器は、第2の幅方向折り目が向いている側に取出部が形成可能となっていることも好ましい。この場合、第2の幅方向折り目側を掴んで折り畳まれた吸収性物品を包装容器から取り出すことができるが、折り畳まれた吸収性物品は、取出部とは反対側の第1の幅方向折り目側は包装容器内で強く圧迫されていないため、第2の幅方向折り目側を掴んで少し引き抜けば、その後スムーズに包装容器から折り畳まれた吸収性物品を取り出すことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の折り畳まれた吸収性物品は、折り畳まれた状態から容易に展開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る吸収性物品の一例を示し、折り畳みを展開した状態の吸収性物品(尿パッド)をトップシート側から見た平面図を表す。
【
図2】
図1に示した吸収性物品のII-II断面図を表す。
【
図3】
図1に示した吸収性物品を幅方向に3つ折りした状態の平面図を表す。
【
図4】
図3に示した吸収性物品を第1の幅方向折り目で折り返し、長手方向に2つ折りした状態の平面図を表す。
【
図5】
図4に示した吸収性物品をさらに第2の幅方向折り目で折り返し、長手方向に4つ折りした状態の斜視図を表す。
【
図6】本発明に係る吸収性物品の他の一例を示し、折り畳みを展開した状態の吸収性物品(テープタイプの使い捨ておむつ)をトップシート側から見た平面図を表す。
【
図7】
図6に示した吸収性物品を幅方向に3つ折りした状態の平面図を表す。
【
図8】
図7に示した吸収性物品を第1の幅方向折り目で折り返し、長手方向に2つ折りした状態の平面図を表す。
【
図9】折り畳まれた吸収性物品が包装容器内に収容されたおむつ包装体の一例を表す。
【
図10】折り畳まれた吸収性物品が包装容器内に収容されたおむつ包装体の他の一例を表す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、折り畳まれた吸収性物品に関するものであり、詳細には、テープタイプの使い捨ておむつや尿パッドなど、装着する際に平面状に広げて用いられるいわゆる展開型(オープンタイプ)の吸収性物品であって、当該吸収性物品が折り返されることにより形成された折り畳まれた吸収性物品に関するものである。
【0019】
まず、本発明で用いられる吸収性物品の基本構成について、
図1および
図2を参照して説明する。
図1および
図2では、吸収性物品の一例として尿パッドが示されている。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
【0020】
図1は、吸収性物品(尿パッド)をトップシート側から見た平面図を表し、
図2は、
図1に示した吸収性物品のII-II断面図を表す。本願の図では、矢印xが幅方向、矢印yが長手方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が厚み方向zを表す。
図1では、図面の上側が吸収性物品の前側に相当し、図面の下側が吸収性物品の後側に相当する。
【0021】
吸収性物品1(1A)は、トップシート2とバックシート3とこれらの間に設けられた吸収性コア4とを有する。トップシート2は吸収性コア4の肌面側に配され、吸収性物品を着用した際に着用者側に位置するシートである。バックシート3は吸収性コア4の外面側に配され、吸収性物品を着用した際に着用者とは反対側に位置するシートである。着用者から排泄された尿等は、トップシート2を透過して吸収性コア4により収容される。バックシート3は、排泄物が外部へ漏れるのを防いでいる。
【0022】
吸収性物品1は、長手方向yと幅方向xを有する。長手方向yとは、吸収性物品を着用した際に着用者の股間の前後方向に延びる方向に相当する。幅方向xとは、吸収性物品と同一面上にあり長手方向yと直交する方向を意味し、吸収性物品を着用した際の着用者の左右方向に相当する。また、吸収性物品の肌面側とは、吸収性物品を着用した際の着用者の肌に向く側を意味し、吸収性物品の外面側とは、吸収性物品を着用した際の着用者とは反対に向く側を意味する。
【0023】
トップシート2は液透過性であることが好ましい。トップシート2としては、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシート2として、織布、編布、有孔プラスチックフィルム等を用いてもよい。
【0024】
バックシート3は液不透過性であることが好ましい。バックシート3としては、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、プラスチックフィルム等を用いることができる。バックシート3として、不織布とプラスチックフィルムの積層体を用いることもできる。
【0025】
吸収性コア4は、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収性コア4としては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いることができる。吸収性コア4は、紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布等の被覆シートで覆われてもよい。吸収性材料としては、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸水性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の熱融着性繊維が含まれてもよい。これらの熱融着性繊維は、尿等との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされていることが好ましい。
【0026】
吸収性材料は、尿等の吸収速度を高める点から、親水性繊維を含むことが好ましい。また、吸収性材料に親水性繊維が含まれることにより、折り畳んだ吸収性物品1の折り目における弾性が高まり、吸収性物品1の折り畳みの展開が容易になる。一方、吸収容量を高める点からは、吸収性材料は吸水性樹脂を含むことが好ましい。従って、吸収性コア4は、親水性繊維(特にパルプ繊維)と吸水性樹脂を含むことが好ましく、例えば、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いることが好ましい。この場合、吸収性コア4は、親水性繊維100質量部に対して、吸水性樹脂が10質量部以上含まれることが好ましく、15質量部以上がより好ましく、また150質量部以下が好ましく、130質量部以下がより好ましい。
【0027】
吸収性コア4の形状(平面形状)は特に限定されず、例えば、長方形、砂時計形、羽子板形等が挙げられる。なお、吸収性コア4は、着用者の大腿部に挟まれて幅方向xに圧迫されても歪みにくくする点から、砂時計形に形成されることが好ましい。すなわち、吸収性コア4が長手方向yに前側部と後側部とこれらの間の中間部を有し、中間部が前側部と後側部よりも幅狭に形成されていることが好ましい。
【0028】
吸収性コア4の単位面積あたりの質量は、例えば、60g/m2以上が好ましく、75g/m2以上がより好ましく、80g/m2以上がさらに好ましく、また500g/m2以下が好ましく、450g/m2以下がより好ましく、400g/m2以下がさらに好ましい。吸収性コア4に含まれる親水性繊維の単位面積当たりの質量は、60g/m2以上が好ましく、75g/m2以上がより好ましく、80g/m2以上がさらに好ましく、また450g/m2以下が好ましく、400g/m2以下がより好ましく、350g/m2以下がさらに好ましい。吸収性コア4が複数層から構成される場合は、複数層の吸収性コア4またはそこに含まれる親水性繊維の合計の単位面積当たりの質量がこのような範囲にあることが好ましい。このように吸収性コア4が構成されていれば、吸収性コア4が存在する位置で吸収性物品を折り畳みやすくなり、また吸収性物品を折り畳んだ際に折り目が強く付きにくくなる。なお、上記に説明した吸収性コア4または吸収性コア4に含まれる親水性繊維の単位面積当たりの質量は、後述するように吸収性コア4に開口または凹部が設けられる場合は、開口または凹部以外の部分の吸収性コア4または吸収性コア4に含まれる親水性繊維の単位面積当たりの質量を意味する。
【0029】
吸収性コア4は、単層から構成されてもよく、複数層から構成されてもよい。後者の場合、吸収性コア4は、上側吸収層と下側吸収層を有するものであってもよい。吸収性コア4が複数層から構成されていれば、吸収性コア4の単位面積当たりの質量が大きい場合でも、吸収性物品を所定の折り目で折り返しやすくなる。
【0030】
吸収性物品1は、肌面側の幅方向xの両側に立ち上がりフラップ7が設けられることが好ましい。立ち上がりフラップ7を設けることにより、尿等の横漏れが防止される。立ち上がりフラップ7は、例えば、トップシート2の幅方向xの両側に、長手方向yに延在するサイドシート8を接合し、サイドシート8の幅方向xの内方部分に起立用弾性部材9を設けることにより形成される。このようにサイドシート8と起立用弾性部材9とを設けることにより、起立用弾性部材9の収縮力によりサイドシート8の幅方向xの内方部分が着用者の肌に向かって立ち上がり、立ち上がりフラップ7が形成される。立ち上がりフラップ7またはサイドシート8は、液不透過性のプラスチックフィルムや液不透過性の不織布等により構成されることが好ましい。
【0031】
上記に説明した各シートを構成する不織布としては、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布、トウ開繊不織布、SMS不織布等を用いることができる。これらの各シートの単位面積あたりの質量は、8g/m2以上が好ましく、10g/m2以上がより好ましく、また40g/m2以下が好ましく、30g/m2以下がより好ましい。
【0032】
吸収性物品1Aは、
図1に示すように平面状に広げた状態から、肌面側を内側にして、幅方向xの両側部10がそれらの間の中央部11と重なるように第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2で折り返され、これにより
図3に示すように幅方向xに3つ折りされる。具体的には、吸収性物品1Aを幅方向xに3分割し幅方向xの両側部10とその間の中央部11とに区分したときに、吸収性物品1Aをトップシート2を上面にして広げた状態で、吸収性物品1Aの幅方向xの両側部10が肌面側を内側にして折り返され、中央部11と重ねられる。このとき、吸収性物品1Aは、幅方向xの両側部10の一方が第1の長手方向折り目FA1に沿って折り返され、幅方向xの両側部10の他方が第2の長手方向折り目FA2に沿って折り返される。吸収性物品1Aは、第1の長手方向折り目FA1または第2の長手方向折り目FA2よりも幅方向xの外方の部分が両側部10となり、第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2の間の部分が中央部11となる。
【0033】
吸収性物品1Aは、
図3に示すように、幅方向xに3つ折りされた状態から、折り返された幅方向xの両側部10を内側にして第1の幅方向折り目FB1で折り返されて、
図4に示すように長手方向yに2つ折りされ、さらにこの状態から第2の幅方向折り目FB2で折り返されて長手方向yに2つ折りされ、これにより
図5に示すように長手方向yに4つ折りされる。この際、第1の幅方向折り目FB1は、吸収性物品1Aの長手方向yの中心からずれた位置に形成され、吸収性物品1Aは、第1の幅方向折り目FB1を挟んで、短尺部12とそれより長手方向yの長さが長い長尺部13とに区分される。すなわち、吸収性物品1Aは、第1の幅方向折り目FB1の一方側(第1の幅方向折り目FB1より長手方向yの一方側の部分)の長手方向yの長さが短い部分が短尺部12となり、第1の幅方向折り目FB1の他方側(第1の幅方向折り目FB1より長手方向yの他方側の部分)の長手方向yの長さが長い部分が長尺部13となる。第2の幅方向折り目FB2は、吸収性物品1Aが第1の幅方向折り目FB1で折り返された状態で、短尺部12と長尺部13とが重なる位置に形成され、吸収性物品1Aが第2の幅方向折り目FB2で折り返された状態で、第2の幅方向折り目FB2で短尺部12が長尺部13の内側に位置する。吸収性物品1Aは第2の幅方向折り目FB2で折り返されることにより、短尺部12が、第2の幅方向折り目FB2を挟んで、吸収性物品1Aの長手方向yの端部側の端部側短尺部12Aと、吸収性物品1Aの長手方向yの中央側の中央側短尺部12Bとに区分され、長尺部13が、第2の幅方向折り目FB2を挟んで、吸収性物品1Aの長手方向yの端部側の端部側長尺部13Aと、吸収性物品1Aの長手方向yの中央側の中央側長尺部13Bとに区分される。そして、吸収性物品1Aは、短尺部12の第2の幅方向折り目FB2が形成される位置、および長尺部13の第2の幅方向折り目FB2が形成される位置に、吸収性コア4が存在する。
【0034】
吸収性物品1Aは、このように折り畳まれることにより、折り畳みを展開することが容易になる。これについて詳しく説明すると、吸収性物品1Aは、折り畳まれた状態から展開する際、まず第2の幅方向折り目FB2を展開する。この際、端部側長尺部13Aを掴んで、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2での折り返しを展開することにより、長尺部13の内側に重ねられた短尺部12が現れる。短尺部12は、第2の幅方向折り目FB2が形成される位置に吸収性コア4が存在するため、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2での折り返しを展開すると、短尺部12は第2の幅方向折り目FB2での折り返しが自然に展開されやすくなり、その結果、端部側短尺部12Aが立ち上がりやすくなる。また短尺部12は、端部側短尺部12Aの長手方向yの長さが比較的短く形成されており、このことも、端部側短尺部12Aが立ち上がりやすくなることに寄与する。さらに吸収性物品1Aは、第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2で折り返されるとともに、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2が形成される位置に吸収性コア4が存在するため、長尺部13のクッション性が高まり、短尺部12が、折り畳まれた吸収性物品1Aの外側から直接強く圧迫されにくくなり、これによっても、短尺部12の第2の幅方向折り目FB2での折り返しが自然に展開されやすくなる。そのため吸収性物品1Aは、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2での折り返しを展開することにより、端部側短尺部12Aを掴みやすくなる。そして、端部側長尺部13Aと端部側短尺部12Aをそれぞれ手で掴んで吸収性物品1Aを長手方向yに広げることで、吸収性物品1Aの折り畳みを展開することが容易になる。
【0035】
なお吸収性物品1Aは通常ある程度の厚みを有することから、上記に説明した第1の長手方向折り目FA1、第2の長手方向折り目FA2、第1の幅方向折り目FB1、第2の幅方向折り目FB2で折り返しても、明確な折り目が付くとは限らず、折り目で折れ曲がることにより折り返される場合もあり、本発明ではそのような場合も折り目に含まれる。各折り目は、吸収性物品1Aが折り畳まれた状態での折り目の位置、例えば折り目の延在方向の垂直断面における折り目の先端の位置をマーキングするなどして、決定することができる。また、吸収性物品1Aの折り目間の長さなどは、折り目の位置をマーキングした上で、吸収性物品1Aを完全に広げて計測することにより求めることができる。吸収性物品1Aに弾性部材が設けられる場合は、弾性部材を細かく切断するなどして、弾性部材の収縮力が発現しない状態で長さを計測する。
【0036】
第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2は長手方向yに対して略平行に延びるように形成されていればよく、例えば長手方向yに対して±10°以内の角度で延在していることが好ましい。このように第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2が形成されていれば、吸収性物品1Aが略矩形状に折り畳まれやすくなり、折り畳まれた吸収性物品1Aの取り扱い性が向上する。なお、吸収性物品1Aに弾性部材が設けられる場合、特に幅方向xに延びるように弾性部材が設けられる場合、第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2は、当該弾性部材の収縮力によって、一部が長手方向yに対して斜めの方向に延びるように形成されることが起こりうる。例えば、吸収性物品1Aの長手方向yの端部に幅方向xに延びる弾性部材が設けられるような場合は、第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2は、長手方向yに対して斜めに延びるように形成されることが起こりうる。このように、第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2は、吸収性物品1Aの長手方向yの両端部などの一部が、長手方向yに対して略平行に延びないように形成されてもよい。
【0037】
折り畳まれた吸収性物品1Aは、幅方向xに対しては、第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2のみで折り返されていることが好ましい。すなわち折り畳まれた吸収性物品1Aには、長手方向yに延びる折り目として、第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2のみが形成されていることが好ましい。折り畳まれた吸収性物品1Aの幅方向xの長さは、折り畳む前の吸収性物品1Aの幅方向xの長さの30%以上であることが好ましく、35%以上がより好ましく、また60%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、45%以下がさらに好ましい。
【0038】
第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2は、端部側短尺部12A、中央側短尺部12B、中央側長尺部13B、および端部側長尺部13Aにわたって形成されていることが好ましく、吸収性物品1Aの長手方向yの全体にわたって形成されることがより好ましい。また、第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2は、第1の幅方向折り目FB1と交差するように形成されることが好ましく、第2の幅方向折り目FB2と交差するように形成されることが好ましい。この場合、第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2は、短尺部12の第2の幅方向折り目FB2および/または長尺部13の第2の幅方向折り目FB2と交差するように形成されればよく、短尺部12の第2の幅方向折り目FB2と長尺部13の第2の幅方向折り目FB2の両方と交差するように形成されることが好ましい。
【0039】
吸収性物品1Aは、第1の長手方向折り目FA1が形成される位置、および第2の長手方向折り目FA2が形成される位置において、吸収性コア4が存在していてもよく、存在していなくてもよい。好ましくは、吸収性物品1Aは、第1の長手方向折り目FA1が形成される位置の少なくとも一部において吸収性コア4が存在し、第2の長手方向折り目FA2が形成される位置の少なくとも一部において吸収性コア4が存在する。これにより折り畳まれた吸収性物品1Aを略矩形状に形成しやすくなり、折り畳まれた吸収性物品1Aの取り扱い性が向上する。なお、吸収性物品1Aは通常、長手方向yの両端部において吸収性コア4は存在しないことから、吸収性物品1Aの長手方向yの両端部の第1の長手方向折り目FA1が形成される位置および第2の長手方向折り目FA2が形成される位置には、吸収性コア4が存在しなくてもよい。第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2はまた、吸収性コア4の全体を長手方向yに横切るように設けられてもよく、あるいは、第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2の一部が吸収性コア4よりも幅方向xの外方に位置するように形成されてもよい。
【0040】
吸収性物品1Aは、短尺部12の第1の長手方向折り目FA1が形成される位置、および短尺部12の第2の長手方向折り目FA2が形成される位置に、吸収性コア4が存在することが好ましい。これにより、吸収性物品1Aが折り畳まれた状態で短尺部12の厚みが厚く形成され、クッション性が高まり、短尺部12が強く圧迫されにくくなる。そのため、短尺部12の第2の幅方向折り目FB2での折り返しが自然に展開されやすくなる。より好ましくは、吸収性物品1Aは、短尺部12において、第1の長手方向折り目FA1が第2の幅方向折り目FB2と交差する位置と、第2の長手方向折り目FA2が第2の幅方向折り目FB2と交差する位置において、吸収性コア4が存在する。
【0041】
吸収性物品1Aは、長尺部13の第1の長手方向折り目FA1が形成される位置、および長尺部13の第2の長手方向折り目FA2が形成される位置に、吸収性コア4が存在することが好ましい。これにより、吸収性物品1Aが折り畳まれた状態で長尺部13の厚みが厚く形成されてクッション性が高まり、短尺部12が、折り畳まれた吸収性物品1Aの外側から強く圧迫されにくくなる。折り畳まれた吸収性物品1Aの外側から強く圧迫されにくくなる観点から、吸収性物品1Aは、長尺部13において、第1の長手方向折り目FA1が第2の幅方向折り目FB2と交差する位置と、第2の長手方向折り目FA2が第2の幅方向折り目FB2と交差する位置において、吸収性コア4が存在することがより好ましい。
【0042】
一方、吸収性物品1Aは、中央側長尺部13B(すなわち長尺部13の第1の幅方向折り目FB1と第2の幅方向折り目FB2の間の部分)において、第1の長手方向折り目FA1が形成される位置の少なくとも一部で吸収性コア4が存在していなくてもよく、第2の長手方向折り目FA2が形成される位置の少なくとも一部で吸収性コア4が存在していなくてもよい。これにより折り畳まれた吸収性物品1Aの厚みが過度に厚くならないように形成し、折り畳まれた吸収性物品1Aの取り扱い性を高めることができる。この場合、吸収性物品1Aは、中央側長尺部13Bにおいて、第1の長手方向折り目FA1が形成される位置の全体にわたって吸収性コア4が存在しないことが好ましく、第2の長手方向折り目FA2が形成される位置の全体にわたって吸収性コア4が存在しないことが好ましい。
【0043】
第1の幅方向折り目FB1と第2の幅方向折り目FB2は幅方向xに対して略平行に延びるように形成されていればよく、例えば幅方向xに対して±10°以内の角度で延在していることが好ましく、±5°以内がより好ましい。このように第1の幅方向折り目FB1と第2の幅方向折り目FB2が形成されていれば、吸収性物品1Aが略矩形状に折り畳まれやすくなり、折り畳まれた吸収性物品1Aの取り扱い性が向上する。折り畳まれた吸収性物品1Aは、長手方向yに対しては、第1の幅方向折り目FB1と第2の幅方向折り目FB2のみで折り返されていることが好ましい。すなわち折り畳まれた吸収性物品1Aには、幅方向xに延びる折り目として、第1の幅方向折り目FB1と第2の幅方向折り目FB2のみが形成されていることが好ましい。
【0044】
第1の幅方向折り目FB1は、上記に説明したように、吸収性物品1Aの長手方向yの中心からずれた位置に形成され、第1の幅方向折り目FB1によって、吸収性物品1Aが短尺部12と長尺部13とに区分される。短尺部12と長尺部13は、どちらが吸収性物品1Aの前側部に相当してもよく、またどちらが後側部に相当してもよい。
【0045】
吸収性物品1Aは、短尺部12の長手方向yの長さが、長尺部13の長手方向yの長さの55%以上90%以下となるように、第1の幅方向折り目FB1で折り返されることが好ましい。このように第1の幅方向折り目FB1が形成されることにより、第2の幅方向折り目FB2を短尺部12と長尺部13が重なる位置に形成しやすくなるとともに、吸収性物品1Aを第2の幅方向折り目FB2で折り返した際に、端部側短尺部12Aが長手方向yに対して適当な長さで形成されやすくなる。そのため、折り畳まれた吸収性物品1Aを展開する際、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2での折り返しを展開すると、長尺部13の内側に重ねられた端部側短尺部12Aが自然に立ち上がりやすくなるとともに、立ち上がった端部側短尺部12Aを手で掴みやすくなる。短尺部12の長手方向yの長さは、長尺部13の長手方向yの長さの60%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、また85%以下が好ましく、80%以下がより好ましい。
【0046】
第1の幅方向折り目FB1には、吸収性コア4が存在することが好ましい。すなわち吸収性物品1Aは、第2の幅方向折り目FB2が形成される位置に吸収性コア4が存在するとともに、第1の幅方向折り目FB1が形成される位置にも吸収性コア4が存在することが好ましい。なお、吸収性コア4は、第2の幅方向折り目FB2が形成される位置の少なくとも一部に存在していればよく、第1の幅方向折り目FB1に吸収性コア4が存在する場合は、吸収性コア4は、第1の幅方向折り目FB1が形成される位置の少なくとも一部に存在していればよい。例えば、後述するように、吸収性コア4に開口または凹部が設けられ、開口または凹部が第1の幅方向折り目FB1および/または第2の幅方向折り目FB2と交差するように設けられていてもよい。
【0047】
第2の幅方向折り目FB2は、長尺部13の長手方向yの略中心に形成されることが好ましい。このように第2の幅方向折り目FB2が形成されることにより、折り畳まれた吸収性物品1Aは、端部側長尺部13Aの長手方向yの端縁と第1の幅方向折り目FB1の位置が略一致し、折り畳まれた吸収性物品1Aの取り扱い性を高めることができる。例えば、端部側長尺部13Aの長手方向yの長さは、中央側長尺部13Bの長手方向yの長さの80%以上であることが好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましく、また120%以下が好ましく、110%以下がより好ましく、105%以下がさらに好ましい。
【0048】
短尺部12は、第2の幅方向折り目FB2で折り返されることにより、端部側短尺部12Aの長手方向yの長さが、中央側短尺部12Bの長手方向yの長さよりも短くなることが好ましい。これにより、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2での折り返しを展開すると、端部側短尺部12Aが自然に立ち上がりやすくなる。端部側短尺部12Aの長手方向yの長さは、中央側短尺部12Bの長手方向yの長さの10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、また80%以下が好ましく、70%以下がより好ましく、60%以下がさらに好ましい。
【0049】
短尺部12が第2の幅方向折り目FB2で安定して折り返されるようにする点から、吸収性コア4は上側吸収層と下側吸収層を有し、上側吸収層と下側吸収層は親水性繊維を含み、下側吸収層に含まれる親水性繊維の単位面積当たりの質量が上側吸収層に含まれる親水性繊維の単位面積当たりの質量よりも小さく形成されていることが好ましい。折り畳まれた吸収性物品1Aにおいて、短尺部12の第2の幅方向折り目FB2は最も内側に位置する折り目となる。そのため、短尺部12を第2の幅方向折り目FB2で折り返した際、短尺部12には、第2の幅方向折り目FB2を挟んで、大きなテンションがかかりやすく、短尺部12が第2の幅方向折り目FB2で真っ直ぐ折り返されずに、折り目が歪んだりしやすくなる。しかし、上記のように吸収性コア4が形成されていれば、短尺部12の第2の幅方向折り目FB2において、単位面積当たりの親水性繊維の質量が小さい下側吸収層が折り目の内側に位置することにより、短尺部12が第2の幅方向折り目FB2で安定して折り返されやすくなる。
【0050】
吸収性コア4には開口5が設けられていてもよい。吸収性コア4に開口5が設けられることにより、開口5が尿等の拡散路として機能し、尿等が開口5に沿って拡散しやすくなる。その結果、尿等が吸収性コア4に速やかに吸収されるとともに、吸収性コア4が広範囲にわたって尿等の吸収に寄与しやすくなる。なお図面には示されていないが、吸収性コア4には、開口5の代わりに凹部が設けられてもよい。
【0051】
開口5は、吸収性コア4を厚み方向zに貫通して設けられる。凹部は、吸収性コア4の目付(単位面積当たりの質量)が部分的に減らされることにより形成される。この場合、凹部は、目付けが、凹部以外の部分よりも60質量%以下、より好ましくは50質量%以下となるように形成されることが好ましい。吸収性コア4に凹部が形成される場合、凹部は吸収性コア4のトップシート2側の表面に形成されても、バックシート3側の表面に形成されてもよい。吸収性コア4がトップシート2側の上側吸収層とバックシート3側の下側吸収層から構成される場合は、上側吸収層に開口が形成され、当該開口を覆うように下側吸収層が設けられることにより、吸収性コア4に凹部が形成されてもよく、逆に下側吸収層に開口が形成され、当該開口を覆うように上側吸収層が設けられることにより、吸収性コア4に凹部が形成されてもよい。好ましくは、凹部は吸収性コア4のトップシート2側の表面に形成される。
【0052】
以下、吸収性コア4に設けられる開口5の好適態様について説明するが、下記の開口5の説明は、吸収性コア4に凹部が設けられる場合の凹部にも適用される。
【0053】
開口5は長手方向yに延びるように設けられることが好ましい。これにより、尿等が開口5に沿って長手方向yに拡散しやすくなり、吸収性コア4が長手方向yの広い範囲にわたって尿等の吸収に寄与しやすくなる。
【0054】
吸収性コア4には、開口5が1つのみ設けられてもよく、2つ以上設けられてもよいが、吸収性コア4に設けられる開口5の数は、3つ以下が好ましく、2つ以下がより好ましく、1つのみがさらに好ましい。吸収性コア4に開口5が1つのみ設けられる場合は、開口5は、吸収性コア4の幅方向xの中央部に、長手方向yに延びるように設けられることが好ましい。吸収性コア4に開口5が2つ設けられる場合は、開口5は、吸収性コア4の幅方向xの中央部には設けられず、吸収性コア4の幅方向xの中央部を挟んだ一方側と他方側に、それぞれ長手方向yに延びるように設けられることが好ましい。吸収性コア4に開口5が3つ設けられる場合は、開口5は、吸収性コア4の幅方向xの中央部とその両側に、それぞれ長手方向yに延びるように設けられることが好ましい。なお、吸収性コア4の幅方向xの中央部とは、吸収性コア4の幅方向xの中心線を含み、当該中心線に沿って長手方向yに延びる部分を意味する。
【0055】
開口5は、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2が形成される位置に形成されることが好ましい。この場合、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2では吸収性コア4が断続的に存在することとなり、吸収性コア4が存在しない部分が形成される。そのため、短尺部12は、吸収性物品1Aが折り畳まれた状態で、第2の幅方向折り目FB2で、長尺部13によって強く圧迫されにくくなり、これにより折り畳まれた吸収性物品1Aを展開する際、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2での折り返しを展開すると、長尺部13の内側に重ねられた端部側短尺部12Aが自然に展開されやすくなる。この場合、長尺部13の第2の幅方向折り目F2において、開口5の幅方向xの長さは、吸収性コア4の幅方向xの長さの10%以上となることが好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましく、また60%以下が好ましく、55%以下がより好ましく、50%以下がさらに好ましい。これにより、第2の幅方向折り目FB2で短尺部12が長尺部13によって強く圧迫されにくくなり、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2での折り返しを展開した際に、長尺部13の内側に重ねられた短尺部12の第2の幅方向折り目FB2が自然に展開されやすくなる。
【0056】
一方、開口5は、短尺部12の第2の幅方向折り目FB2が形成される位置には形成されないことが好ましい。これにより、短尺部12の第2の幅方向折り目FB2では吸収性コア4が連続的に存在することとなり、短尺部12の第2の幅方向折り目FB2での剛性が高まる。そのため、折り畳まれた吸収性物品1Aを展開する際、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2での折り返しを展開すると、長尺部13の内側に重ねられた端部側短尺部12Aが自然に立ち上がりやすくなる。
【0057】
開口5は、第1の幅方向折り目FB1が形成される位置に、存在してもよく存在しなくてもよい。なお、
図1に示すように、開口5が、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2から第1の幅方向折り目FB1にかけて設けられていれば、折り畳まれた吸収性物品1Aの厚みが部分的に減り、この厚みが減った部分が折り畳まれた吸収性物品1Aの長手方向yの全体にわたって形成される。そのため、後述するように、折り畳まれた吸収性物品1Aを包装容器内に収容した際に、折り畳まれた吸収性物品1Aが開口5が形成された部分で強く圧迫されず、折り畳まれた吸収性物品1Aを包装容器から取り出すことが容易になる。また、吸収性物品1Aを使用する際に、尿等が開口5に沿って長手方向yのより広い範囲に拡散されやすくなる。
【0058】
次に、本発明の折り畳まれた吸収性物品について、テープタイプの使い捨ておむつに適用した例を
図6~
図8を参照して説明する。
図6は、吸収性物品(テープタイプの使い捨ておむつ)をトップシート側から見た平面図を表し、
図7は、
図6に示した吸収性物品を幅方向に3つ折りした状態の平面図を表し、
図8は、
図7に示した吸収性物品を第1の幅方向折り目で折り返し、長手方向に2つ折りした状態を表す。
図6~
図8において、
図1~
図5に示した吸収性物品1Aと同じ構成部材は同一の参照符号を用いて示されている。また、下記の説明において、上記と重複する部分の説明は省略する。
【0059】
図6に示した吸収性物品1(1B)は、おむつ本体6と、おむつ本体6の後側部の幅方向xの両側に設けられた止着テープ16と、おむつ本体6の前側部に設けられたターゲットテープ19とを有する。
図6では、おむつ本体6の右側に取り付けられた止着テープ16は展開状態となっており、おむつ本体6の左側に取り付けられた止着テープ16は折り畳まれた状態となっている。
【0060】
おむつ本体6は、トップシート2とバックシート3の間に吸収性コア4が配されて構成され、長手方向yに対して前側部と後側部とこれらの間に位置する股部とを有する。前側部と股部と後側部は、おむつ本体6を平面状に広げた状態で長手方向yに3つに区分することにより規定され、
図6では、幅方向xの長さが短く形成された部分が股部となり、それより前側の部分が前側部で後側の部分が後側部となる。
【0061】
止着テープ16は、テープ基材17の肌面側に留め具18が設けられて構成され、おむつ本体6の前側部に設けられたターゲットテープ19と着脱可能となっている。留め具18は、具体的には、止着テープ16を展開した状態で、テープ基材17の肌面側に設けられている。吸収性物品1Bは、着用の際、前側部を着用者の腹部に、股部を着用者の股間部に、後側部を着用者の背部に当て、止着テープ16の留め具18を吸収性物品1Bの前側部のターゲットテープ19に止着することで、装着することができる。
【0062】
テープ基材17は任意のシート部材から構成することができ、例えば、不織布、織布、編布、樹脂フィルム、あるいはこれらの積層体等を用いることができる。留め具18としては、面ファスナーのフック部材や粘着テープを用いることができる。留め具18として面ファスナーのフック部材を用いる場合は、おむつ本体6の前側部の外面側に面ファスナーのループ部材をターゲットテープ19として設けることが好ましい。留め具18として粘着テープを用いる場合は、ターゲットテープ19として、おむつ本体6の前側部の外面側に樹脂フィルムを設けることが好ましい。面ファスナーのフック部材は、例えば、基盤から、錨形や鉤形やきのこ形等の形状の係合素子が多数突出して構成される。なお、留め具18は面ファスナーのフック部材であり、テープ基材17は不織布から構成されることが好ましい。また、ターゲットテープ19として、面ファスナーのループ部材を用いることが好ましい。
【0063】
吸収性物品1Bの幅方向xの両側には、長手方向yに延びる脚用弾性部材14が設けられることが好ましい。脚用弾性部材14により、着用者の脚周りにギャザーを形成して脚周りのフィット性を高めたり、横漏れを防止することができる。
【0064】
吸収性物品1Bの長手方向yの端部には、幅方向xに延びるウェスト用弾性部材15が設けられることが好ましい。ウェスト用弾性部材15により着用者の腰周りに沿ったウェストギャザーが形成され、腹部や背部からの尿等の漏れが防止される。
【0065】
吸収性物品1Bにおいても、吸収性物品1Aと同じように、幅方向xに3つ折りした後、長手方向yに4つ折りすることにより、折り畳むことができる。具体的には、
図6に示した状態からおむつ本体6を第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2で折り返して、
図7に示すように幅方向xに3つ折りし、この状態から、第1の幅方向折り目FB1で折り返して
図8に示すように長手方向yに2つ折りし、さらに第2の幅方向折り目FB2で折り返して長手方向yに2つ折りすることにより、折り畳んだ吸収性物品1Bとすることができる。なお、テープタイプの使い捨ておむつである吸収性物品1Bでは、第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2で幅方向xに折り返す前に、
図6の吸収性物品1Bの後側部の左側に取り付けられた止着テープ16のように、止着テープ16をおむつ本体6の幅方向xの側縁に沿って折り返し、おむつ本体6に重ねるように折り畳むことが好ましい。これにより、止着テープ16が邪魔にならずに吸収性物品1Bを折り畳むことができる。
【0066】
吸収性物品1Bは、第1の幅方向折り目FB1で折り返した際に、前側部と後側部のどちらが短尺部12となってもよい。なお吸収性物品1Bは、前側部が短尺部12となり、短尺部12の外面側のターゲットテープ19が設けられた位置に第2の幅方向折り目FB2が形成されることが好ましい。このように吸収性物品1Bが折り畳まれることにより、短尺部12の第2の幅方向折り目FB2での剛性が高まり、折り畳まれた吸収性物品1Bを展開する際、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2での折り返しを展開すると、長尺部13の内側に重ねられた短尺部12の第2の幅方向折り目FB2が自然に展開されやすくなる。
【0067】
吸収性物品1Bは、吸収性コア4が存在しかつターゲットテープ19が設けられた位置に、第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2が形成されていることが好ましい。このように吸収性物品1Bが折り畳まれることにより、ターゲットテープ19が設けられた位置で第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2での剛性が高まる。そのため、折り畳まれた吸収性物品1Bの第1の幅方向折り目FA1と第2の幅方向折り目FA2での折り返しを展開して長手方向yに広げると、第1の長手方向折り目FA1と第2の長手方向折り目FA2が自然に展開されやすくなる。
【0068】
ターゲットテープ19は面ファスナーのループ部材から構成されることが好ましい。この場合、止着テープ16の留め具18として面ファスナーのフック部材が用いられ、ターゲットテープ19である面ファスナーのループ部材は、基盤上に、留め具18のフック部材の係合素子と係合可能なループ部が設けられて構成されることが好ましい。ループ部は一部が基盤に固定され他部が基盤と非固定とされ、これにより留め具18の係合素子がループ部の基盤との非固定部分に係合することができる。各ループ部は、閉じた環を形成してもよく、環の一部が開いて形成され、隣接するループ部と接続して設けられていてもよい。
【0069】
ターゲットテープ19として用いられるループ部材は、基盤としてフィルム基材が用いられ、フィルム基材上に平面状の網目構造のループ部が設けられて形成されていることが好ましい。フィルム基材上に糸条による網目構造が形成され、網目構造は一部が基材に固定され他部が基材に非固定とされることにより、非固定とされた部分がループ部として機能する。面ファスナーのループ部材は通常、基盤とループ部がある程度の厚みを有するように形成されるが、基盤がフィルム基材から構成され、ループ部が当該基材上に平面状の網目構造を有するように形成されていれば、面ファスナーであるターゲットテープ19の厚みを薄く形成することができる。そのため、ターゲットテープ19が設けられた位置に第2の幅方向折り目FB2を形成しても、第2の幅方向折り目FB2で吸収性物品1Bを折り返しやすくなる。
【0070】
フィルム基材や網目構造を形成する糸条は、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の樹脂材料から構成することができる。フィルム基材の単位面積当たりの質量は、35g/m2以下が好ましく、30g/m2以下がより好ましく、28g/m2以下がさらに好ましく、これにより、ターゲットテープ19が設けられた位置に第2の幅方向折り目FB2を形成しても、第2の幅方向折り目FB2で吸収性物品1Bを折り返しやすくなる。フィルム基材の単位面積当たりの質量の下限値は、ターゲットテープ19の強度を確保する点から、10g/m2以上が好ましく、12g/m2以上がより好ましい。ターゲットテープ19全体の単位面積当たりの質量は、15g/m2以上が好ましく、20g/m2以上がより好ましく、また60g/m2以下が好ましく、55g/m2以下がより好ましく、50g/m2以下がさらに好ましい。
【0071】
ターゲットテープ19は、接着剤によりおむつ本体6の前側部に取り付けられることが好ましい。接着剤としては、例えば、ホットメルト接着剤を用いることができる。ホットメルト接着剤は、例えば、天然ゴム系、ブチルゴム系、ポリイソプレン等のゴム系接着剤;スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)等のスチレン系エラストマー;ウレタン系接着剤等がベースポリマーとして用いられることが好ましい。また、ベースポリマーに、エチレン・酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリエステル、アクリル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー等を配合して、粘着性や流動性を調節してもよい。
【0072】
ターゲットテープ19における接着剤の塗布パターンは特に限定されない。ターゲットテープ19には、接着剤が略全面にわたって塗布されてもよく、接着剤が所定のパターンで塗布されてもよい。接着剤の塗布方法としては、例えば、ビード法、スロットコート法、カーテンスプレー法、オメガコーティング法、スパイラルコーティング法、パターンコート等を用いることができる。例えば、接着剤がターゲットテープ19の略全面に塗布されていれば、ターゲットテープ19をおむつ本体6に強固に接着することができる。一方、接着剤がストライプ状のパターンでターゲットテープ19に塗布されていれば、ターゲットテープ19とおむつ本体6との非接着部分を通気路として機能させることができ、おむつ本体6の前側部における通気性を高めることができる。ストライプ状の接着パターンのストライプの延在方向は、幅方向xであってもよく、長手方向yであってもよい。前者の場合、ターゲットテープ19が設けられた位置に第2の幅方向折り目FB2を形成し、第2の幅方向折り目FB2で吸収性物品1Bを折り返す際、吸収性物品1Bを折り返しやすくなる。後者の場合、ターゲットテープ19が設けられた位置に第2の幅方向折り目FB2を形成し、折り畳まれた吸収性物品1Bを展開する際、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2での折り返しを展開すると、長尺部13の内側に重ねられた端部側短尺部12Aが自然に立ち上がりやすくなる。
【0073】
本発明はまた、上記のように折り畳まれた吸収性物品1が複数、包装容器内に収容された吸収性物品包装体も提供する。本発明の折り畳まれた吸収性物品1は、上記に説明したように、短尺部12と長尺部13が形成されるように第1の幅方向折り目FB1で折り返され、さらに第2の幅方向折り目FB2で折り返されているため、折り畳まれた状態の厚みが不均一に形成される。具体的には、折り畳まれた吸収性物品1は、第1の幅方向折り目FB1側よりも第2の幅方向折り目FB2側の方が、厚みが厚く形成される。そのため、折り畳まれた吸収性物品1を包装容器内に収容した際、折り畳まれた吸収性物品1は全体が強く圧迫されずに、第1の幅方向折り目FB1側があまり強く圧迫されない。これにより、包装容器から折り畳まれた吸収性物品1を取り出す際に、折り畳まれた吸収性物品1を取り出すことが容易になる。一方、折り畳まれた吸収性物品1は包装容器内で第2の幅方向折り目FB2側が比較的強く圧迫されるが、そのように第2の幅方向折り目FB2側が強く圧迫されても、吸収性物品1の折り畳みを容易に展開することができる。すなわち、折り畳まれた吸収性物品1を包装容器から取り出して長尺部13の第2の幅方向折り目FB2での折り返しを展開した際、短尺部12の第2の幅方向折り目FB2での折り返しが自然に展開されやすくなる。そのため吸収性物品1は、端部側短尺部12Aを掴むことが容易になり、端部側長尺部13Aと端部側短尺部12Aをそれぞれ手で掴んで吸収性物品1を長手方向yに広げることで、吸収性物品1の折り畳みを簡単に展開することができる。
【0074】
包装容器は、折り畳まれた吸収性物品1を収容できるものであれば特に限定されず、例えば、プラスチックフィルム製の袋、紙製の袋、プラスチック製の硬質容器、段ボール等が挙げられる。なかでも、包装容器が軟質材料(例えば、プラスチックフィルムや紙など)から構成されている場合は、包装容器内に折り畳まれた吸収性物品1がより圧迫された状態で収容されうるが、本発明によれば、このような場合でも、折り畳まれた吸収性物品1を包装容器から取り出すことが容易になる。
【0075】
包装容器内には、折り畳まれた吸収性物品1が複数積み重ねられて束となった状態で収容されていることが好ましい。当該束においては、複数の折り畳まれた吸収性物品1が全て同じ方向を向くように(例えば、第1の幅方向折り目FB1が同じ側に位置したり、第2の幅方向折り目FB2が同じ側に位置するように)積み重ねられることが好ましい。
【0076】
包装容器に収容される吸収性物品1の束は1つのみでも、2つ以上でもよい。後者の場合、折り畳まれた吸収性物品1の束は、包装容器内で上下に複数段積まれてもよく、左右に並んで配置されてもよく、またこれらの組み合わせでもよい。
【0077】
包装容器は、取出部が形成可能となっていることが好ましい、包装容器の取出部は、例えば、包装容器にミシン目が形成され、ミシン目に沿って包装容器を切断することで形成することができる。あるいは、包装容器に切断線を設け、この切断線を含んでシールを貼り、シールを剥がすことにより包装容器が切断線に沿って切断され、取出部が形成されるものでもよい。また、取出部として包装容器に開口が設けられ、この開口を塞ぐように蓋を設けたりシールを貼り、蓋を取ったりシールを剥がすことにより取出部が形成されるものでもよい。いずれの場合も、包装容器は取出部が形成可能となっていればよい。
【0078】
取出部は、例えば、包装容器の上面や側面に形成することができる。取出部は、包装容器内に収容された折り畳まれた吸収性物品1に対して、第1の長手方向折り目FA1または第2の長手方向折り目FA2が向く側に形成可能となっていてもよく、第1の幅方向折り目FB1または第2の幅方向折り目FB2が向く側に形成可能となっていてもよく、端部側長尺部13A側の面または中央側長尺部13B側の面が向く側に形成可能となっていてもよい。なお、取出部は、第1の幅方向折り目FB1または第2の幅方向折り目FB2が向く側に形成可能となっていることが好ましく、これにより、包装容器から折り畳まれた吸収性物品1を取り出すことが容易になり、また一度に2個以上の吸収性物品1を取り出すことも容易になる。
【0079】
図9および
図10には、このように形成された吸収性物品包装体の構成例を示した。
図9および
図10では、吸収性物品包装体を側面から見た図が模式的に示されており、容器内に収容された折り畳まれた吸収性物品は、容器の外側から不可視である場合もあるが、理解を容易にするために実線で表している。図中の「・・・」は、折り畳まれた吸収性物品がその両側と同様に複数配置されていることを表している。
【0080】
折り畳まれた吸収性物品1は複数積み重ねられて束を形成し、折り畳まれた吸収性物品1は、束の状態で包装容器22内に収容されることで、吸収性物品包装体21が形成される。このように折り畳まれた吸収性物品1を包装容器22内に収容することで、折り畳まれた吸収性物品1を高密度にパッキングできるとともに、包装容器22から折り畳まれた吸収性物品1を取り出すことが容易になる。
【0081】
折り畳まれた吸収性物品1は、第1の幅方向折り目FB1が同じ方向を向き、また第2の幅方向折り目FB2が同じ方向を向くように、複数積み重ねられることが好ましい。隣接する折り畳まれた吸収性物品1どうしは、中央側長尺部13Bと端部側長尺部13Aとが対向するように積み重ねられてもよく、中央側長尺部13Bと中央側長尺部13Bとが対向または端部側長尺部13Aと端部側長尺部13Aとが対向するように積み重ねられてもよい。
図9および
図10では、隣接する折り畳まれた吸収性物品1どうしが、中央側長尺部13Bと端部側長尺部13Aとが対向するように積み重ねられている。
【0082】
包装容器22は、内部に収容された折り畳まれた吸収性物品1を取り出すための取出部が形成可能となっている。
図9および
図10に示した吸収性物品包装体21では、包装容器22にミシン目23が形成され、ミシン目23に沿って包装容器22を切断することで、包装容器22の上面(図面における上側)に取出部が形成される。
【0083】
包装容器22は、第1の幅方向折り目FB1が向いている側または第2の幅方向折り目FB2が向いている側に取出部が形成可能となっていることが好ましい。このように吸収性物品包装体21が形成されることにより、包装容器22から折り畳まれた吸収性物品1を取り出す際に、第1の幅方向折り目FB1または第2の幅方向折り目FB2を掴んで折り畳まれた吸収性物品1を包装容器22から取り出すことができる。また、折り畳まれた吸収性物品1は、包装容器22内で、第1の幅方向折り目FB1側が強く圧迫されないため、包装容器22から取り出すことが容易になる。
【0084】
図9に示した吸収性物品包装体21では、包装容器22は、第1の幅方向折り目FB1が向いている側に取出部が形成可能となっている。詳細には、折り畳まれた吸収性物品1は、第1の幅方向折り目FB1が上側、第2の幅方向折り目FB2を下側にして、包装容器22内に収容されており、包装容器22は、第1の幅方向折り目FB1が向いている上側に取出部が形成可能となっている。
図9に示した吸収性物品包装体21では、第1の幅方向折り目FB1側を掴んで折り畳まれた吸収性物品1を包装容器22から取り出すことができるが、第1の幅方向折り目FB1側は包装容器22内で強く圧迫されていないため、取出部に近い第1の幅方向折り目FB1側を手で掴むことが容易になる。そのため、包装容器22から折り畳まれた吸収性物品1を簡単に取り出すことができる。また、折り畳まれた吸収性物品1は、厚みが厚い第2の幅方向折り目FB2が下側となるように包装容器22内に収容されているため、折り畳まれた吸収性物品1を立てて並べた状態で安定して包装容器22内に収容することができる。特に、折り畳まれた吸収性物品1は、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2が形成される位置において、吸収性コア4に開口または凹部が形成されていれば、折り畳まれた吸収性物品1を立てて並べた状態でより安定して包装容器22内に収容することができる。そのため、折り畳まれた吸収性物品1を包装容器22から取り出すことが容易になる。
【0085】
図10に示した吸収性物品包装体21では、包装容器22は、第2の幅方向折り目FB2が向いている側に取出部が形成可能となっている。詳細には、折り畳まれた吸収性物品1は、第2の幅方向折り目FB2が上側、第1の幅方向折り目FB1を下側にして、包装容器22内に収容されており、包装容器22は、第2の幅方向折り目FB2が向いている上側に取出部が形成可能となっている。
図10に示した吸収性物品包装体21では、第2の幅方向折り目FB2側を掴んで折り畳まれた吸収性物品1を包装容器22から取り出すことができるが、取出部とは反対側の第1の幅方向折り目FB1側は包装容器22内で強く圧迫されていないため、第2の幅方向折り目FB2側を掴んで少し引き抜けば、その後スムーズに包装容器22から折り畳まれた吸収性物品1を取り出すことができる。特に、折り畳まれた吸収性物品1は、長尺部13の第2の幅方向折り目FB2が形成される位置において、吸収性コア4に開口または凹部が形成されていれば、第2の幅方向折り目FB2側が包装容器22内で強く圧迫されていても、第2の幅方向折り目FB2側を掴むことが容易になる。そのため、折り畳まれた吸収性物品1を包装容器22から取り出すことが容易になる。
【符号の説明】
【0086】
1,1A,1B:吸収性物品
2:トップシート
3:バックシート
4:吸収性コア
5:開口
6:おむつ本体
10:両側部
11:中央部
12:短尺部、12A:端部側短尺部、12B:中央側短尺部
13:長尺部、13A:端部側長尺部、13B:中央側長尺部
16:止着テープ
17:テープ基材
21:吸収性物品包装体
22:包装容器
FA1: 第1の長手方向折り目(第1の長手方向に延びる折り目)
FA2: 第2の長手方向折り目(第2の長手方向に延びる折り目)
FB1: 第1の幅方向折り目(第1の幅方向に延びる折り目)
FB2: 第2の幅方向折り目(第2の幅方向に延びる折り目)
【手続補正書】
【提出日】2022-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれた吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、幅方向と長手方向を有し、トップシートとバックシートの間に吸収性コアが配されて構成され、
前記吸収性物品は、平面状に広げた状態で肌面側を内側にして、幅方向の両側部がそれらの間の中央部と重なるように第1の長手方向折り目と第2の長手方向折り目で折り返されて幅方向に3つ折りされ、この状態から、折り返された幅方向の両側部を内側にして第1の幅方向折り目で折り返されて長手方向に2つ折りされ、さらに第2の幅方向折り目で折り返されて長手方向に2つ折りされることにより、長手方向に4つ折りされており、
前記第1の幅方向折り目は、前記吸収性物品の長手方向の中心からずれた位置に形成され、前記吸収性物品は、前記第1の幅方向折り目を挟んで短尺部とそれより長手方向の長さが長い長尺部とに区分され、
前記第2の幅方向折り目は、前記短尺部と前記長尺部とが重なる位置に形成され、前記吸収性物品が前記第2の幅方向折り目で折り返された状態で、前記第2の幅方向折り目で前記短尺部が前記長尺部の内側に位置し、
前記吸収性物品は、前記短尺部の前記第2の幅方向折り目が形成される位置、および前記長尺部の前記第2の幅方向折り目が形成される位置に、前記吸収性コアが存在し、さらに前記短尺部の第1の長手方向折り目が形成される位置、および前記短尺部の前記第2の長手方向折り目が形成される位置にも、前記吸収性コアが存在することを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
折り畳まれた吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、幅方向と長手方向を有し、トップシートとバックシートの間に吸収性コアが配されて構成され、
前記吸収性物品は、平面状に広げた状態で肌面側を内側にして、幅方向の両側部がそれらの間の中央部と重なるように第1の長手方向折り目と第2の長手方向折り目で折り返されて幅方向に3つ折りされ、この状態から、折り返された幅方向の両側部を内側にして第1の幅方向折り目で折り返されて長手方向に2つ折りされ、さらに第2の幅方向折り目で折り返されて長手方向に2つ折りされることにより、長手方向に4つ折りされており、
前記第1の幅方向折り目は、前記吸収性物品の長手方向の中心からずれた位置に形成され、前記吸収性物品は、前記第1の幅方向折り目を挟んで短尺部とそれより長手方向の長さが長い長尺部とに区分され、
前記第2の幅方向折り目は、前記短尺部と前記長尺部とが重なる位置に形成され、前記吸収性物品が前記第2の幅方向折り目で折り返された状態で、前記第2の幅方向折り目で前記短尺部が前記長尺部の内側に位置し、
前記吸収性物品は、前記短尺部の前記第2の幅方向折り目が形成される位置、および前記長尺部の前記第2の幅方向折り目が形成される位置に、前記吸収性コアが存在し、
前記吸収性コアには開口または凹部が設けられ、
前記開口または凹部は、前記長尺部の前記第2の幅方向折り目が形成される位置に形成され、前記短尺部の前記第2の幅方向折り目が形成される位置には形成されないことを特徴とする吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性コアには開口または凹部が設けられ、
前記開口または凹部は、前記長尺部の前記第2の幅方向折り目が形成される位置に形成され、前記短尺部の前記第2の幅方向折り目が形成される位置には形成されない請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記長尺部の前記第2の幅方向折り目において、前記開口または凹部の幅方向の長さは、前記吸収性コアの幅方向の長さの10%以上60%以下である請求項2または3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記短尺部の長手方向の長さは、前記長尺部の長手方向の長さの55%以上90%以下である請求項1~4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収性物品はテープタイプの使い捨ておむつであって、トップシートとバックシートの間に吸収性コアが配されて構成されたおむつ本体と、前記おむつ本体の後側部の幅方向の両側に設けられた止着テープと、前記おむつ本体の前側部に設けられたターゲットテープとを有し、
前記ターゲットテープが前記短尺部の外面側に設けられ、
前記第2の幅方向折り目が、前記ターゲットテープが設けられた位置に形成されている請求項1~5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記ターゲットテープは、フィルム基材上に平面状の網目構造のループ部が設けられて形成されている請求項6に記載の使い捨ておむつ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の折り畳まれた吸収性物品が複数、包装容器内に収容されていることを特徴とする吸収性物品包装体。
【請求項9】
前記折り畳まれた吸収性物品は、前記第1の幅方向折り目が同じ方向を向くように複数積み重ねられ、
前記包装容器は、前記第1の幅方向折り目が向いている側に取出部が形成可能となっている請求項8に記載の吸収性物品包装体。
【請求項10】
前記折り畳まれた吸収性物品は、前記第2の幅方向折り目が同じ方向を向くように複数積み重ねられ、
前記包装容器は、前記第2の幅方向折り目が向いている側に取出部が形成可能となっている請求項8に記載の吸収性物品包装体。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
折り畳まれた吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、幅方向と長手方向を有し、トップシートとバックシートの間に吸収性コアが配されて構成され、
前記吸収性物品は、平面状に広げた状態で肌面側を内側にして、幅方向の両側部がそれらの間の中央部と重なるように第1の長手方向折り目と第2の長手方向折り目で折り返されて幅方向に3つ折りされ、この状態から、折り返された幅方向の両側部を内側にして第1の幅方向折り目で折り返されて長手方向に2つ折りされ、さらに第2の幅方向折り目で折り返されて長手方向に2つ折りされることにより、長手方向に4つ折りされており、
前記第1の幅方向折り目は、前記吸収性物品の長手方向の中心からずれた位置に形成され、前記吸収性物品は、前記第1の幅方向折り目を挟んで短尺部とそれより長手方向の長さが長い長尺部とに区分され、
前記第2の幅方向折り目は、前記短尺部と前記長尺部とが重なる位置に形成され、前記吸収性物品が前記第2の幅方向折り目で折り返された状態で、前記第2の幅方向折り目で前記短尺部が前記長尺部の内側に位置し、前記吸収性物品は、前記短尺部が前記第2の幅方向折り目を挟んで端部側短尺部と中央側短尺部とに区分され、前記長尺部が前記第2の幅方向折り目を挟んで端部側長尺部と中央側長尺部とに区分され、
前記端部側長尺部の長手方向の長さは前記中央側長尺部の長手方向の長さの90%以上110%以下であり、
前記吸収性物品は、前記短尺部の前記第2の幅方向折り目が形成される位置、前記長尺部の前記第2の幅方向折り目が形成される位置、前記短尺部の第1の長手方向折り目が形成される位置、および前記短尺部の前記第2の長手方向折り目が形成される位置に、前記吸収性コアが存在することを特徴とする吸収性物品。