(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151888
(43)【公開日】2022-10-11
(54)【発明の名称】調光装置
(51)【国際特許分類】
H05B 45/31 20200101AFI20221003BHJP
【FI】
H05B45/31
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054443
(22)【出願日】2021-03-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】504452859
【氏名又は名称】株式会社サンコーデバイス
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 ▲隆▼一
(72)【発明者】
【氏名】赤尾 義明
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA22
3K273BA34
3K273CA02
3K273CA04
3K273FA03
3K273FA14
3K273FA23
3K273GA02
3K273GA12
3K273GA17
(57)【要約】
【課題】コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる簡便な機構を備える調光装置を提供する。
【解決手段】調光装置100は、交流電源の双方向電流のオン/オフを切り替えるように構成され、ゲートに印加される電圧が所定の閾値以上になるとオンになる双方向スイッチ10と、双方向スイッチのゲートに電気的に接続され、双方向スイッチのオン/オフを切り替え制御する制御系回路20と、ゲートと制御系回路の間に電気的に接続された充放電速度制御回路30と、を備え、充放電速度制御回路は、双方向スイッチをオフからオンに切り替える場合のゲートに印加する電圧の増加速度に比べて、オンからオフに切り替える場合のゲートに印加する電圧の減少速度を速くするように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷と交流電源の間に電気的に直列に接続され、前記照明負荷を調光する調光装置であって、
前記交流電源の双方向電流のオン/オフを切り替えるように構成され、制御端子に印加される電圧が所定の閾値以上になるとオンになる双方向スイッチと、
前記双方向スイッチの前記制御端子に電気的に接続され、前記双方向スイッチのオン/オフを切り替え制御する制御部と、
前記制御端子と前記制御部の間に電気的に接続された充放電速度制御回路と、
を備え、
前記充放電速度制御回路は、前記制御部が前記双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合における前記制御端子に印加する電圧の増加速度に比べて、前記双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合における前記制御端子に印加する電圧の減少速度を速くするように構成されている、
調光装置。
【請求項2】
前記制御部は、逆位相制御を行う場合において、前記双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合における前記制御端子に印加する電圧の増加速度に比べて、前記双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合における前記制御端子に印加する電圧の減少速度を速くするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の調光装置。
【請求項3】
前記制御部は、正位相制御を行う場合において、前記双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合における前記制御端子に印加する電圧の減少速度に比べて、前記双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合における前記制御端子に印加する電圧の増加速度を遅くするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の調光装置。
【請求項4】
前記充放電速度制御回路は、前記双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合に電流が流れる充電回路と、前記双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合に電流が流れる放電回路とを含み、前記充電回路に比べて前記放電回路のインピーダンスが小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の調光装置。
【請求項5】
前記充電回路は、一端を前記制御部に、他端を前記制御端子に接続された第1抵抗から構成され、
前記放電回路は、アノードを前記制御端子に、カソードを第2抵抗の一端に接続されたダイオードと、一端を前記ダイオードのカソードに、他端を前記制御部に接続された前記第2抵抗とから構成される直列回路と、前記第1抵抗との並列回路から構成されていることを特徴とする請求項4に記載の調光装置。
【請求項6】
コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷と交流電源の間に電気的に直列に接続され、前記照明負荷を調光する調光装置であって、
前記交流電源の双方向電流のオン/オフを切り替えるように構成された双方向スイッチと、
前記双方向スイッチの制御端子に電気的に接続された容量性素子と、
前記容量性素子の充放電を制御することにより、前記双方向スイッチのオン/オフを切り替える制御部と、
前記容量性素子と前記制御端子との接続点と前記制御部の間に電気的に接続された充放電速度制御回路と、
を備え、
前記充放電速度制御回路は、前記制御部が前記容量性素子を充電する場合の充電する速度に比べて、前記制御部が前記容量性素子を放電する場合の放電する速度を速くするように構成されている、
調光装置。
【請求項7】
前記制御部は、逆位相制御を行う場合において、前記容量性素子を充電する場合の充電する速度に比べて、前記容量性素子を放電する場合の放電する速度を速くするように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の調光装置。
【請求項8】
前記制御部は、正位相制御を行う場合において、前記容量性素子を放電する場合の放電する速度に比べて、前記容量性素子を充電する場合の充電する速度を遅くするように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の調光装置。
【請求項9】
前記充放電速度制御回路は、前記容量性素子を充電する場合に電流が流れる充電回路と、前記容量性素子を放電する場合に電流が流れる放電回路とを含み、前記充電回路に比べて前記放電回路のインピーダンスが小さいことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の調光装置。
【請求項10】
前記充電回路は、一端を前記制御部に、他端を前記容量性素子と前記制御端子との接続点に接続された第1抵抗から構成され、
前記放電回路は、アノードを前記容量性素子と前記制御端子との接続点に、カソードを第2抵抗の一端に接続されたダイオードと、一端を前記ダイオードのカソードに、他端を前記制御部に接続された前記第2抵抗とから構成される直列回路と、前記第1抵抗との並列回路から構成されていることを特徴とする請求項9に記載の調光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明負荷を調光する調光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商用電源に接続された照明負荷を調光する調光装置が知られている。このような調光装置では、点灯時に、交流電圧の絶対値がゼロよりも大きいときに電圧を印加し始める正位相制御方式はもちろん、ゼロクロス付近から電圧を印加する逆位相制御方式であっても、照明負荷への突入電流を低減することが求められている。
【0003】
たとえば、特許文献1は、スイッチング素子に印加されるサージ電圧を低減させる事ができるとともに、従来の逆位相制御調光器の小型化及びコストダウンを図ることができる逆位相制御調光器を開示する。この調光器は、交流電力をスイッチング素子である半導体にて逆位相制御動作することにより、照明負荷に印加する電力を特に0点でオン・オフさせるタイミングを制御する。この調光器は、点灯時の突入電流が予め定めた過電流レベルになると制御信号に関わらず、次の0点までオフさせる過電流保護機能を有し、点灯時の過電流が流れるときのみスイッチング素子の駆動回路の時定数を大きくすることにより、スイッチング素子のターンオフ時間を延長させ、スイッチング素子に印加されるサージ電圧を低減させる構成を有する。
【0004】
また、LED照明におけるLEDを点灯する機構においては、最近は、全波整流ダイオードを具備する整流回路と平滑部を有するコンデンサインプット型整流回路を備えることが主流になってきている。なお、平滑部は、整流回路の出力端間に接続されて整流回路の出力電圧を平滑するコンデンサと、コンデンサの両端間に接続されてコンデンサの両端電圧を所定の直流電圧に変換するDC/DC変換部から構成されている。調光装置がこのような機構が組み込まれたLED照明を制御する場合においても、突入電流が大きくなるとコンデンサを破壊する恐れがあるため、調光装置が突入電流を低減することは重要である。
【0005】
また、コンデンサを備えるLED照明を調光する調光装置は、そもそも照明負荷の光出力を正確に変化させるように制御できることが好ましい。しかし、逆位相制御を行う調光装置では、交流電圧の絶対値がゼロよりも大きいときにスイッチング素子がオン状態からオフ状態になるため、スイッチング素子がオフ状態になっても、LED照明におけるコンデンサに電荷が蓄積されているのでその電荷がLEDに供給され、その結果オン時間が長くなり正確な調光制御ができないという問題がある。
【0006】
たとえば、特許文献2は、コンデンサを備えたLED照明装置の光出力を、白熱電球の光出力を変化させるときと同じように変化させることが可能な調光装置を開示する。この調光装置では、整流回路に交流電圧が供給されてから所定時間が経過するまでの期間における直流電圧に基づいて、照明負荷がLED照明装置と白熱電球との何れであるかを判定し、LED照明装置であると判定された場合、直流電圧の最小値および最大値に対応する導通角以外の導通角が、白熱電球であると判定された場合に比べて小さくなるように制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000-340371号公報
【特許文献2】特開2019-033098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記の従来技術では、コンデンサインプット型整流回路を備える照明負荷を調光する場合、判定する機構を設ける必要があるなどコスト増なってしまう。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みて考案されたものであり、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる簡便な機構を備える調光装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷と交流電源の間に電気的に直列に接続され、照明負荷を調光する調光装置であって、交流電源の双方向電流のオン/オフを切り替えるように構成され、制御端子に印加される電圧が所定の閾値以上になるとオンになる双方向スイッチと、双方向スイッチの制御端子に電気的に接続され、双方向スイッチのオン/オフを切り替え制御する制御部と、制御端子と制御部の間に電気的に接続された充放電速度制御回路と、を備え、充放電速度制御回路は、制御部が双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の増加速度に比べて、双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の減少速度を速くするように構成されている調光装置が提供される。
これによれば、充放電速度制御回路が双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の増加速度に比べて、双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の減少速度を速くすることで、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる調光装置を提供することができる。
【0010】
さらに、制御部は、逆位相制御を行う場合において、双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の増加速度に比べて、双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の減少速度を速くするように構成されていることを特徴としてもよい。
これによれば、逆位相制御を行う場合において、双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の増加速度に比べて、双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の減少速度を速くすることで、双方向スイッチが迅速にオフになり、オン時間が長くなることを低減し、正確な調光制御を可能にすることができる。
【0011】
さらに、制御部は、正位相制御を行う場合において、双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の減少速度に比べて、双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の増加速度を遅くするように構成されていることを特徴としてもよい。
これによれば、正位相制御を行う場合において、双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の減少速度に比べて、双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の増加速度を遅くすることで、照明負荷への突入電流を低減することができる。
【0012】
さらに、充放電速度制御回路は、双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合に電流が流れる充電回路と、双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合に電流が流れる放電回路とを含み、充電回路に比べて放電回路のインピーダンスが小さいことを特徴としてもよい。
これによれば、充放電速度制御回路において充電回路に比べて放電回路のインピーダンスが小さいことで、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる簡便な機構を提供できる。
【0013】
さらに、充電回路は、一端を制御部に、他端を制御端子に接続された第1抵抗から構成され、放電回路は、アノードを制御端子に、カソードを第2抵抗の一端に接続されたダイオードと、一端をダイオードのカソードに、他端を制御部に接続された第2抵抗とから構成される直列回路と、第1抵抗との並列回路から構成されていることを特徴としてもよい。
これによれば、充放電速度制御回路がかかる回路から構成されることで、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる簡便な機構を備えた調光装置を提供できる。
【0014】
上記課題を解決するために、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷と交流電源の間に電気的に直列に接続され、照明負荷を調光する調光装置であって、交流電源の双方向電流のオン/オフを切り替えるように構成された双方向スイッチと、双方向スイッチの制御端子に電気的に接続された容量性素子と、容量性素子の充放電を制御することにより、双方向スイッチのオン/オフを切り替える制御部と、容量性素子と制御端子との接続点と制御部の間に電気的に接続された充放電速度制御回路と、を備え、充放電速度制御回路は、制御部が容量性素子を充電する場合の充電する速度に比べて、制御部が容量性素子を放電する場合の放電する速度を速くするように構成されている調光装置が提供される。
これによれば、充放電速度制御回路が容量性素子を充電する場合の充電速度に比べて、容量性素子を放電する場合の放電速度を速くするように構成されていることで、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる調光装置を提供することができる。
【0015】
さらに、制御部は、逆位相制御を行う場合において、容量性素子を充電する場合の充電する速度に比べて、容量性素子を放電する場合の放電する速度を速くするように構成されていることを特徴としてもよい。
これによれば、逆位相制御を行う場合において、容量性素子を充電する場合の充電速度に比べて、放電する場合の放電速度を速くするように構成されていることで、容量性素子の電荷が迅速に放電され、オン時間が長くなることを低減し、正確な調光制御を可能にすることができる。
【0016】
さらに、制御部は、正位相制御を行う場合において、容量性素子を放電する場合の放電する速度に比べて、容量性素子を充電する場合の充電する速度を遅くするように構成されていることを特徴としてもよい。
これによれば、正位相制御を行う場合において、容量性素子を放電する場合の放電速度に比べて、充電する場合の充電速度を遅くするように構成されていることで、照明負荷への突入電流を低減することができる。
【0017】
さらに、充放電速度制御回路は、容量性素子を充電する場合に電流が流れる充電回路と、容量性素子を放電する場合に電流が流れる放電回路とを含み、充電回路に比べて放電回路のインピーダンスが小さいことを特徴としてもよい。
これによれば、充放電速度制御回路において充電回路に比べて放電回路のインピーダンスが小さいことで、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる簡便な機構を提供できる。
【0018】
さらに、充電回路は、一端を制御部に、他端を容量性素子と制御端子との接続点に接続された第1抵抗から構成され、放電回路は、アノードを容量性素子と制御端子との接続点に、カソードを第2抵抗の一端に接続されたダイオードと、一端をダイオードのカソードに、他端を制御部に接続された第2抵抗とから構成される直列回路と、第1抵抗との並列回路から構成されていることを特徴としてもよい。
これによれば、充放電速度制御回路がかかる回路から構成されることで、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる簡便な機構を備えた調光装置を提供できる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる簡便な機構を備える調光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る第一実施形態の調光装置の回路図。
【
図2】(A)理想的な逆位相制御の波形と、(B)コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対する逆位相制御の波形、を示す。
【
図3】(A)コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対する逆位相制御の波形、(B)本発明に係る第一実施形態の調光装置における、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対する逆位相制御の波形、を示す。
【
図4】(A)正位相制御の波形、(B)従来技術における正位相制御において双方向スイッチのオフからオンにする場合の増加速度を遅くしなかった場合の突入電流、(C)本発明に係る第一実施形態の調光装置における、正位相制御において双方向スイッチのオフからオンにする場合の増加速度を遅くした場合の突入電流、を示す。
【
図5】本発明に係る第二実施形態の調光装置の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る各実施形態について説明する。
<第一実施形態>
図1~
図3を参照し、本実施形態における調光装置100を説明する。調光装置100は、コンデンサインプット型整流回路を有するLED器具200(照明負荷)を調光する2線式の装置であり、LED器具200と交流電源ACの間に電気的に直列に接続される。LED器具200は、光源のLED素子(図示せず)と、LED素子を点灯させるLED電源系回路と、コンデンサインプット型整流回路と、を備える。コンデンサインプット型整流回路は、交流電源ACからの交流電流を直流電流に変換する回路であり、全波整流回路BD_LEDと、全波整流の後で挿入されたコンデンサC_LEDとを備え、LED電源系回路に入力される波形を平滑化するための回路として構成される。なお、交流電源ACは、例えば単相100V、60Hz/50Hzの商用電源である。
【0022】
調光装置100は、双方向スイッチ10と、制御系回路20(制御部)と、充放電速度制御回路30と、入力部40と、を備える。双方向スイッチ10は、LED器具200と交流電源ACの間に電気的に直列に接続された第1スイッチ素子Q1および第2スイッチ素子Q2の2個の素子からなる。例えば、スイッチ素子Q1、Q2の各々は、エンハンスメント形のnチャネルMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)からなる半導体スイッチ素子である。
【0023】
双方向スイッチ10は、交流電源ACの双方向電流のオン/オフを切り替えるように構成される。具体的には、スイッチ素子Q1、Q2は、スイッチ素子Q1、Q2のソース同士が互いに接続され、いわゆる逆直列に接続されている。スイッチ素子Q1のドレインは交流電源ACに接続され、スイッチ素子Q2のドレインはLED器具200に接続されている。両スイッチ素子Q1、Q2のソースは、調光装置100のグランドに接続されている。双方向スイッチ10は、交流電源ACから交流電圧が印加される場合、交流電圧の正極性つまりスイッチ素子Q1のドレインが正極の半周期においてスイッチ素子Q1がオン状態であれば正極方向の電流が流れる。逆に、双方向スイッチ10は、交流電源ACから交流電圧が印加される場合、交流電圧の負極性つまりスイッチ素子Q2のドレインが正極の半周期においてスイッチ素子Q2がオン状態であれば負極方向の電流が流れる。
【0024】
双方向スイッチ10のスイッチ素子Q1、Q2は、ゲート(制御端子)に印加される電圧が所定の閾値以上になるとオンになる。スイッチ素子Q1、Q2は、
図6に示すように、一般的に、各端子間に寄生容量素子を内部に有している。スイッチ素子Q1、Q2は、たとえば、ゲート/ソース間にはコンデンサCgs、ゲート/ドレイン間にはコンデンサCdg、ソース/ドレイン間にはコンデンサCdsを有している。スイッチ素子Q1、Q2は、ゲートに電圧を印加し、コンデンサCgsに電荷が蓄積され、所定の閾値電圧を超えると、オン状態になる。
【0025】
入力部40は、ユーザによって操作される操作部から、調光レベルを表す信号を受け付け、制御系回路20に調光信号として出力する。調光信号とは、LED器具200の光出力の大きさを指定する数値等である。操作部は、ユーザの操作を受けて入力部40に調光レベルを表す信号を出力するよう構成されており、たとえば可変抵抗器となったロータリスイッチなどである。
【0026】
制御系回路20は、双方向スイッチ10のオン/オフを切り替え制御するマイクロコンピュータを有する。マイクロコンピュータには双方向スイッチ10を制御するプログラムが格納されており、マイクロコンピュータがこのプログラムを実行することで、制御系回路20の機能を実現する。また、制御系回路20は、調光装置100に印加される交流電圧の位相、すなわち交流電圧のゼロクロス点や交流電圧の極性(正極性、負極性)を検出する回路を有する。制御系回路20は、交流電圧が負極性の半周期から正極性の半周期に移行する際のゼロクロス点、および、交流電圧が正極性の半周期から負極性の半周期に移行する際のゼロクロス点を検出する。
【0027】
制御系回路20は、この検出信号と入力部40からの調光信号に基づいて、双方向スイッチ10を制御する。制御系回路20は、制御信号S1、S2により、スイッチ素子Q1、Q2を別々に制御する。制御系回路20は、充放電速度制御回路31、32を介して、双方向スイッチ10のスイッチ素子Q1、Q2のゲートに電気的に接続され、制御信号S1、S2を個別に出力することにより調光制御する。
【0028】
なお、制御系回路20は、ダイオードを介して交流電源ラインに電気的に接続された電解コンデンサなどを含む調光電源部(図示せず)を有する。調光電源部のグランドは、スイッチ素子Q1、Q2の各々が備える寄生ダイオードの接続点に電気的に接続されている。これにより、これらのダイオードと寄生ダイオードとで構成されるダイオードブリッジにて、印加される交流電圧が全波整流されて、調光電源部に供給される。したがって、双方向スイッチ10がオフ状態にある場合、調光電源部には、全波整流された交流電圧が印加される。調光電源部は、全波整流された交流電圧を平滑化し、制御系回路20やスイッチ素子Q1、Q2を駆動するための動作電圧を供給する。
【0029】
充放電速度制御回路31、32は、スイッチ素子Q1、Q2のゲートと制御系回路20の間に電気的に接続される。充放電速度制御回路31、32は、双方向スイッチ10をオフ状態からオン状態に切り替える場合に電流が流れる充電回路(実線矢印で示すターンオン回路)と、双方向スイッチ10をオン状態からオフ状態に切り替える場合に電流が流れる放電回路(点線矢印で示すターンオフ回路)とを有する。
【0030】
充放電速度制御回路31の充電回路は、一端を制御系回路20に、他端をスイッチ素子Q1のゲート(制御端子)に接続された抵抗R1(第1抵抗)から構成される。充放電速度制御回路31の放電回路は、アノードをスイッチ素子Q1のゲートに、カソードを抵抗R2(第2抵抗)の一端に接続されたダイオードD1と、一端をダイオードD1のカソードに、他端を制御系回路20に接続された抵抗R2とから構成される直列回路と、抵抗R1との並列回路から構成されている。
【0031】
充放電速度制御回路32の充電回路は、一端を制御系回路20に、他端をスイッチ素子Q2のゲート(制御端子)に接続された抵抗R3(第1抵抗)から構成される。充放電速度制御回路32の放電回路は、アノードをスイッチ素子Q2のゲートに、カソードを抵抗R4(第2抵抗)の一端に接続されたダイオードD2と、一端をダイオードD2のカソードに、他端を制御系回路20に接続された抵抗R4とから構成される直列回路と、抵抗R3との並列回路から構成されている。
【0032】
このような構成を有する充放電速度制御回路30では、スイッチ素子Q1、Q2のゲートをオンさせる場合に流れる充電回路は抵抗R1、R3のみから構成されるのに対し、当該ゲートをオフさせる場合に流れる放電回路は抵抗R1と抵抗R2の並列回路、抵抗R3と抵抗R4の並列回路から構成されるため、充電回路に比べて放電回路のインピーダンスが小さくなる。つまり、充放電速度制御回路30は、制御系回路20が双方向スイッチ10をオフ状態からオン状態に切り替える場合におけるスイッチ素子Q1、Q2のゲートに印加する電圧の増加速度に比べて、双方向スイッチ10をオン状態からオフ状態に切り替える場合におけるスイッチ素子Q1、Q2のゲートに印加する電圧の減少速度を速くするように構成されている。
【0033】
ここで、
図2と
図3を参照し、逆位相制御の波形について説明する。逆位相制御は、交流電源ACの交流電圧の半周期の始点から調光レベルに応じた可変時間が経過した時点で双方向スイッチ10がオン状態からオフ状態に切り替わるように双方向スイッチ10を制御する。逆位相制御による調光制御では、ゼロクロス点で双方向スイッチ10をオンし、調光レベルに応じたオン時間経過時にオフすることにより調光制御を行う。本図(A)は、オフした時にほぼ垂直に電圧が下がり、すなわち電圧の減少速度が非常に速い理想的な逆位相制御の波形を示している。照明負荷が白熱電球の場合は、電圧のオン期間を正確に把握できるためこのような波形になる。このような波形で調光制御できれば、正確な調光制御が可能となる。
【0034】
一方、コンデンサインプット型整流回路を備えるLED器具200が照明負荷である場合、本図(B)に示すように、双方向スイッチ10をオフしてからも自身の容量成分によりしばらく電流が流れることにより電圧の減少速度がなだらか、つまり電圧の減少速度が遅くなる。このため、双方向スイッチ10をオフしたタイミングと、実際のLED器具200で電圧がゼロになるタイミングにずれが生じ、実際の調光制御よりLED器具200が明るく点灯してしまい、正確な調光制御が困難になる。
【0035】
上述した充放電速度制御回路30を有さない場合(
図3(A))に比べて、充放電速度制御回路30を有する場合(
図3(B))は、双方向スイッチ10をオン状態からオフ状態に切り替える場合におけるスイッチ素子Q1、Q2のゲートに印加する電圧の減少速度を速くするように構成されているため、双方向スイッチ10をオフしたタイミングと、実際のLED器具200で電圧がゼロになるタイミングのずれが小さくなり、正確な調光制御に近づくことができる。
【0036】
このように、逆位相制御を行う場合において、双方向スイッチ10をオフ状態からオン状態に切り替える場合におけるスイッチ素子Q1、Q2のゲートに印加する電圧の増加速度に比べて、双方向スイッチ10をオン状態からオフ状態に切り替える場合におけるゲートに印加する電圧の減少速度を速くすることで、双方向スイッチ10が迅速にオフになり、オン時間が長くなることを低減し、正確な調光制御を可能にすることができる。
【0037】
また、
図4を参照し、正位相制御の波形について説明する。正位相制御は、交流電源ACの交流電圧の半周期の始点からオフ状態を継続し、調光レベルに応じた可変時間を残す時点で双方向スイッチ10がオフ状態からオン状態に切り替わるように双方向スイッチ10を制御する(本図(A))。正位相制御による調光制御では、調光レベルに応じたオン期間を確保したタイミングで双方向スイッチ10をオンし、ゼロクロス点でオフすることにより調光制御を行う。この場合、双方向スイッチ10をオンするタイミングでは電圧が高いときがあるため、本図(B)に示すように、LED器具200への突入電流が大きくなることがある。しかし、充放電速度制御回路30を有する場合(本図(C))は、双方向スイッチ10をオン状態からオフ状態に切り替える場合におけるスイッチ素子Q1、Q2のゲートに印加する電圧の減少速度に比べて、双方向スイッチ10をオフ状態からオン状態に切り替える場合におけるスイッチ素子Q1、Q2のゲートに印加する電圧の増加速度を遅くすることで、LED器具200への突入電流を低減することができる。
【0038】
なお、充放電速度制御回路30により、逆位相制御の場合にも、双方向スイッチ10をオフ状態からオン状態に切り替える場合におけるスイッチ素子Q1、Q2のゲートに印加する電圧の増加速度は相対的に遅くなるが問題を生ずることはない。また、充放電速度制御回路30により、正位相制御の場合にも、双方向スイッチ10をオン状態からオフ状態に切り替える場合におけるスイッチ素子Q1、Q2のゲートに印加する電圧の減少速度は相対的に速くなるが問題を生ずることはない。
【0039】
このように、充放電速度制御回路30が双方向スイッチ10をオフ状態からオン状態に切り替える場合におけるスイッチ素子Q1、Q2のゲートに印加する電圧の増加速度に比べて、双方向スイッチ10をオン状態からオフ状態に切り替える場合におけるスイッチ素子Q1、Q2のゲートに印加する電圧の減少速度を速くすることで、コンデンサインプット型整流回路を有するLED器具200に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる調光装置100を提供することができる。また、充放電速度制御回路30において充電回路に比べて放電回路のインピーダンスが小さいことで、コンデンサインプット型整流回路を有するLED器具200に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる簡便な機構を提供できる。
【0040】
<第二実施形態>
図5を参照し、本実施形態における調光装置100Aを説明する。なお、重複記載を避けるため、上記実施例と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。調光装置100Aは、コンデンサインプット型整流回路を有するLED器具200(照明負荷)を調光する調光装置であり、双方向スイッチ10と、制御系回路20(制御部)と、充放電速度制御回路30と、入力部40と、発振抑制回路50と、を備える。
【0041】
発振抑制回路50は、コンデンサC1と抵抗R5の直列回路、およびコンデンサC2と抵抗R6の直列回路である。コンデンサC1とコンデンサC2(容量性素子)の一方側は、充放電速度制御回路30とスイッチ素子Q1、Q2のゲートとの接続点に接続され、抵抗R5と抵抗R6の一方側は、グランドに接続されている。発振抑制回路50は、制御系回路20がスイッチ素子Q1、Q2をオフ/オンしたときにドレイン・ソース間の急激な電圧や電流の変化によりゲート/ソース間に振動電圧が発生し発振を起こすことがあるが、これを抑制するための回路である。
【0042】
本実施例における構成では、スイッチ素子Q1、Q2のゲート/ソース間にはコンデンサCgsを有しているので(
図6)、コンデンサC1、C2は、スイッチ素子Q1、Q2のゲート/ソース間に外付けでコンデンサCgsと並列に接続された容量性素子という位置づけになる。したがって、上記実施例に比べると、ゲートに電圧を印加してコンデンサCgsに電荷が蓄積されるのが遅くなるため、オン状態からオフ状態になる速度およびオフ状態からオン状態になる速度は全体的に遅くなる。
【0043】
しかし、スイッチ素子Q1、Q2のゲート/ソース間の寄生容量であるコンデンサCgsの容量と、外付けで接続される容量性素子であるコンデンサC1、C2の容量を比べると、定格のドレイン電流にもよるが、後者の方が5倍~10倍大きな容量を有する。したがって、調光装置100Aが発振抑制回路50を有する場合には、スイッチ素子Q1、Q2のスイッチング速度は、ほぼ外付けで接続されるコンデンサC1、C2の容量に依存することになる。そうすると、制御系回路20は、コンデンサC1、C2の充放電を制御することにより、双方向スイッチ10のオン/オフを切り替えると言える。
【0044】
そうすると、充放電速度制御回路30は、双方向スイッチ10をオフ状態からオン状態に切り替えるために、制御系回路20がコンデンサC1、C2を充電する場合の充電する速度に比べて、双方向スイッチ10をオン状態からオフ状態に切り替えるために、制御系回路20がコンデンサC1、C2を放電する場合の放電する速度を速くするように構成されている。なお、充電する速度とは、容量性素子の両端電圧を増加させる速度、放電する速度とは、容量性素子の両端電圧を低下させる速度を言う。これによれば、コンデンサインプット型整流回路を有するLED器具200に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる調光装置100Aを提供することができる。
【0045】
また、充放電速度制御回路30は、コンデンサC1、C2を充電する場合に電流が流れる充電回路と、コンデンサC1、C2を放電する場合に電流が流れる放電回路とを含み、充電回路に比べて放電回路のインピーダンスが小さいことを特徴としてもよい。これによれば、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる簡便な機構を提供できる。
【0046】
また、充電回路は、一端を制御系回路20に、他端をコンデンサC1、C2とスイッチ素子Q1、Q2のゲートとの接続点に接続された抵抗R1、R3から構成され、放電回路は、アノードをコンデンサC1、C2と当該ゲートとの接続点に、カソードを抵抗R2、R4の一端に接続されたダイオードD1、D2と、一端をダイオードD1、D2のカソードに、他端を制御系回路20に接続された抵抗R2、R4とから構成される直列回路と、抵抗R1、R3との並列回路から構成されていることを特徴としてもよい。これによれば、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる簡便な機構を備えた調光装置100Aを提供できる。
【0047】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【符号の説明】
【0048】
100 調光装置
10 双方向スイッチ
20 制御系回路(制御部)
30 充放電速度制御回路
40 入力部
50 発振抑制回路
200 LED器具(照明負荷)
【手続補正書】
【提出日】2021-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷と交流電源の間に電気的に直列に接続され、前記照明負荷を調光する調光装置であって、
前記交流電源の双方向電流のオン/オフを切り替えるように構成され、制御端子に印加される電圧が所定の閾値以上になるとオンになる双方向スイッチと、
前記双方向スイッチの前記制御端子に電気的に接続され、前記双方向スイッチのオン/オフを切り替え制御する制御部と、
前記制御端子と前記制御部の間に電気的に接続された充放電速度制御回路と、
を備え、
前記充放電速度制御回路は、前記制御部が前記双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合における前記制御端子に印加する電圧の増加速度に比べて、前記双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合における前記制御端子に印加する電圧の減少速度を速くするように構成されており、
前記充放電速度制御回路は、前記双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合に電流が流れる充電回路と、前記双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合に電流が流れる放電回路とを含み、前記充電回路に比べて前記放電回路のインピーダンスが小さく、
前記充電回路は、一端を前記制御部に、他端を前記制御端子に接続された第1抵抗から構成され、
前記放電回路は、アノードを前記制御端子に、カソードを第2抵抗の一端に接続されたダイオードと、一端を前記ダイオードのカソードに、他端を前記制御部に接続された前記第2抵抗とから構成される直列回路と、前記第1抵抗との並列回路から構成されている、
調光装置。
【請求項2】
前記制御部は、逆位相制御を行う場合において、前記双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合における前記制御端子に印加する電圧の増加速度に比べて、前記双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合における前記制御端子に印加する電圧の減少速度を速くするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の調光装置。
【請求項3】
前記制御部は、正位相制御を行う場合において、前記双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合における前記制御端子に印加する電圧の減少速度に比べて、前記双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合における前記制御端子に印加する電圧の増加速度を遅くするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の調光装置。
【請求項4】
コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷と交流電源の間に電気的に直列に接続され、前記照明負荷を調光する調光装置であって、
前記交流電源の双方向電流のオン/オフを切り替えるように構成された双方向スイッチと、
前記双方向スイッチの制御端子に電気的に接続された容量性素子と、
前記容量性素子の充放電を制御することにより、前記双方向スイッチのオン/オフを切り替える制御部と、
前記容量性素子と前記制御端子との接続点と前記制御部の間に電気的に接続された充放電速度制御回路と、
を備え、
前記充放電速度制御回路は、前記制御部が前記容量性素子を充電する場合の充電する速度に比べて、前記制御部が前記容量性素子を放電する場合の放電する速度を速くするように構成されており、
前記充放電速度制御回路は、前記容量性素子を充電する場合に電流が流れる充電回路と、前記容量性素子を放電する場合に電流が流れる放電回路とを含み、前記充電回路に比べて前記放電回路のインピーダンスが小さく、
前記充電回路は、一端を前記制御部に、他端を前記容量性素子と前記制御端子との接続点に接続された第1抵抗から構成され、
前記放電回路は、アノードを前記容量性素子と前記制御端子との接続点に、カソードを第2抵抗の一端に接続されたダイオードと、一端を前記ダイオードのカソードに、他端を前記制御部に接続された前記第2抵抗とから構成される直列回路と、前記第1抵抗との並列回路から構成されている、
調光装置。
【請求項5】
前記制御部は、逆位相制御を行う場合において、前記容量性素子を充電する場合の充電する速度に比べて、前記容量性素子を放電する場合の放電する速度を速くするように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の調光装置。
【請求項6】
前記制御部は、正位相制御を行う場合において、前記容量性素子を放電する場合の放電する速度に比べて、前記容量性素子を充電する場合の充電する速度を遅くするように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の調光装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記課題を解決するために、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷と交流電源の間に電気的に直列に接続され、照明負荷を調光する調光装置であって、交流電源の双方向電流のオン/オフを切り替えるように構成され、制御端子に印加される電圧が所定の閾値以上になるとオンになる双方向スイッチと、双方向スイッチの制御端子に電気的に接続され、双方向スイッチのオン/オフを切り替え制御する制御部と、制御端子と制御部の間に電気的に接続された充放電速度制御回路と、を備え、充放電速度制御回路は、制御部が双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の増加速度に比べて、双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の減少速度を速くするように構成されており、充放電速度制御回路は、双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合に電流が流れる充電回路と、双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合に電流が流れる放電回路とを含み、充電回路に比べて放電回路のインピーダンスが小さく、充電回路は、一端を制御部に、他端を制御端子に接続された第1抵抗から構成され、放電回路は、アノードを制御端子に、カソードを第2抵抗の一端に接続されたダイオードと、一端をダイオードのカソードに、他端を制御部に接続された第2抵抗とから構成される直列回路と、第1抵抗との並列回路から構成されている調光装置が提供される。
これによれば、充放電速度制御回路が双方向スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の増加速度に比べて、双方向スイッチをオン状態からオフ状態に切り替える場合における制御端子に印加する電圧の減少速度を速くすることで、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる調光装置を提供することができる。さらに、充放電速度制御回路において充電回路に比べて放電回路のインピーダンスが小さいことで、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる簡便な機構を提供できる。さらに、充放電速度制御回路がかかる回路から構成されることで、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる簡便な機構を備えた調光装置を提供できる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
上記課題を解決するために、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷と交流電源の間に電気的に直列に接続され、照明負荷を調光する調光装置であって、交流電源の双方向電流のオン/オフを切り替えるように構成された双方向スイッチと、双方向スイッチの制御端子に電気的に接続された容量性素子と、容量性素子の充放電を制御することにより、双方向スイッチのオン/オフを切り替える制御部と、容量性素子と制御端子との接続点と制御部の間に電気的に接続された充放電速度制御回路と、を備え、充放電速度制御回路は、制御部が容量性素子を充電する場合の充電する速度に比べて、制御部が容量性素子を放電する場合の放電する速度を速くするように構成されており、充放電速度制御回路は、容量性素子を充電する場合に電流が流れる充電回路と、容量性素子を放電する場合に電流が流れる放電回路とを含み、充電回路に比べて放電回路のインピーダンスが小さく、充電回路は、一端を制御部に、他端を容量性素子と制御端子との接続点に接続された第1抵抗から構成され、放電回路は、アノードを容量性素子と制御端子との接続点に、カソードを第2抵抗の一端に接続されたダイオードと、一端をダイオードのカソードに、他端を制御部に接続された第2抵抗とから構成される直列回路と、第1抵抗との並列回路から構成されている調光装置が提供される。
これによれば、充放電速度制御回路が容量性素子を充電する場合の充電速度に比べて、容量性素子を放電する場合の放電速度を速くするように構成されていることで、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる調光装置を提供することができる。さらに、充放電速度制御回路において充電回路に比べて放電回路のインピーダンスが小さいことで、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる簡便な機構を提供できる。さらに、充放電速度制御回路がかかる回路から構成されることで、コンデンサインプット型整流回路を有する照明負荷に対して、正位相制御方式または逆位相制御方式のどちらであっても、突入電流を低減しかつ正確な調光制御を行うことができる簡便な機構を備えた調光装置を提供できる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】削除
【補正の内容】