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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151927
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/13 20200101AFI20221004BHJP
   H05B 47/17 20200101ALI20221004BHJP
   H05B 47/195 20200101ALI20221004BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20221004BHJP
   F21V 14/02 20060101ALI20221004BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20221004BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221004BHJP
【FI】
H05B47/13
H05B47/17
H05B47/195
F21V23/00 110
F21V14/02
F21S2/00 300
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054483
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】鶴岡 恭生
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 清康
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K273PA05
3K273QA01
3K273SA02
3K273SA21
3K273SA24
3K273SA31
3K273SA35
3K273SA38
3K273SA46
3K273SA57
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA55
3K273UA17
3K273UA22
3K273VA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】遊戯性を向上できるカラオケシステムに用いられる照明装置を提供する。
【解決手段】カラオケシステムKS1は照明装置100と、演奏装置PDを備える。照明装置100は、照明部と、照明部に取り付けられた撮像部20と、照明部の向きを変更可能な駆動部と、駆動部を制御する制御部とを、備える。制御部50は、撮像部20に特定波長の赤外線を放射する対象が映った場合に駆動部によって照明部を対象に向けて動かす照射制御を実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射可能な照明部と、
前記照明部に取り付けられた撮像部と、
前記照明部の向きを変更可能な駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記撮像部に特定波長の赤外線を放射する対象が映った場合に前記駆動部によって前記照明部を前記対象に向けて動かす照射制御を実行可能である、照明装置。
【請求項2】
前記特定波長は、800nm以上、900nm以下である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記照明部が光を照射する向きと前記撮像部が撮像する向きとは、互いに同じである、請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記撮像部のレンズは、広角レンズである、請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記照射制御は、
第1制御モードと、
前記第1制御モードよりも前記照明部の向きが前記対象からずれた向きに制御される第2制御モードと、
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
カラオケシステムに備えられる照明装置であって、
前記対象は、マイクである、請求項1から5のいずれか一項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばカラオケシステムなどに備えられる照明装置が知られている。例えば、特許文献1には、リモコン信号によって操作される照明装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-80585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような照明装置においては、例えばカラオケシステムに備えられる場合などにおいて、遊戯性の向上が求められていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、遊戯性を向上できる照明装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の照明装置の一つの態様は、光を照射可能な照明部と、前記照明部に取り付けられた撮像部と、前記照明部の向きを変更可能な駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記撮像部に特定波長の赤外線を放射する対象が映った場合に前記駆動部によって前記照明部を前記対象に向けて動かす照射制御を実行可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、照明装置によって遊戯性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態の照明装置が備えられるカラオケシステムを模式的に示す図であって、使用者が歌っていない状態を示す図である。
図2図2は、一実施形態の照明装置が備えられるカラオケシステムを模式的に示す図であって、使用者が歌っている状態を示す図である。
図3図3は、一実施形態の照明装置に備えられるカラオケシステムの構成を示すブロック図である。
図4図4は、一実施形態の照明装置を示す斜視図である。
図5図5は、一実施形態の制御部による照射制御の手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、一実施形態の制御部による照射制御が第1制御モードで実行されている場合を示す図であって、デュエットにおいて一方の使用者が歌っている状態を示す図である。
図7図7は、一実施形態の制御部による照射制御が第1制御モードで実行されている場合を示す図であって、デュエットにおいて他方の使用者が歌っている状態を示す図である。
図8図8は、一実施形態の照明装置による照射制御が第2制御モードで実行されている場合を示す図であって、デュエットにおいて一方の使用者が歌っている状態を示す図である。
図9図9は、一実施形態の変形例における照明装置が備えられるカラオケシステムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明において図に適宜示すZ軸は、上下方向Zを示している。Z軸の矢印が向く側は上側であり、Z軸の矢印が向く側と逆側は下側である。
【0010】
図1および図2に示すように、本実施形態の照明装置100は、カラオケシステムKS1に備えられる照明装置である。カラオケシステムKS1は、照明装置100と、演奏装置PDと、を備える。図3に示すように、カラオケシステムKS1は、操作端末OTをさらに備える。演奏装置PDは、ホスト制御部HCと、表示装置Dと、マイクMと、を有する。図示は省略するが、表示装置Dは、映像を表示可能な表示部と、楽曲を再生可能なスピーカ部と、を有する。
【0011】
ホスト制御部HCは、操作端末OTからの信号に基づいて、表示装置Dを制御する。より詳細には、ホスト制御部HCは、操作端末OTからの信号に基づいて、音楽ソフトMSの映像を表示装置Dの表示部に表示させ、かつ、音楽ソフトMSの楽曲を表示装置Dのスピーカ部に再生させる。音楽ソフトMSは、楽曲、画像表示情報、および情景情報などを含む。操作端末OTは、使用者Hの選曲情報などをホスト制御部HCに送る。操作端末OTは、操作端末OTの位置および姿勢に基づいて、操作端末OTを操作する使用者Hの位置および向きなどの情報をホスト制御部HCに送ってもよい。ホスト制御部HCは、マイクMに入力された音声を増幅して表示装置Dのスピーカ部から再生させる。
【0012】
マイクMは、使用者HがマイクMに向かって発した音声を特定波長の赤外線IRによって演奏装置PDに信号として送る。そのため、図2に示すように、使用者HがマイクMを用いて歌う場合など使用者HがマイクMに向かって音声を発した際に、マイクMからは特定波長の赤外線IRが放射される。本実施形態においてマイクMから放射される赤外線IRの特定波長は、800nm以上、900nm以下である。
【0013】
図1および図2に示すように、本実施形態において照明装置100は、カラオケシステムKS1が設けられる部屋Rの天井Cに取り付けられている。照明装置100は、照明部10と、撮像部20と、取付部60と、を備える。図3に示すように、照明装置100は、駆動部30と、角度センサ40と、制御部50と、をさらに備える。
【0014】
照明部10は、光Lを照射可能な部分である。本実施形態において照明部10は、スポットライトである。図4に示すように、照明部10は、筐体11と、レンズ12と、発光素子13と、を有する。筐体11は、照明部10の光軸AX1を中心とする円筒状である。筐体11は、光軸AX1の軸方向の一方側に開口する開口部11aを有する。開口部11aには、レンズ12が嵌め合わされている。
【0015】
筐体11は、貫通溝11bを有する。貫通溝11bは、筐体11の上側部分の壁部を上下方向Zに貫通している。貫通溝11bは、光軸AX1の軸方向に延びている。発光素子13は、筐体11の内部に収容されている。発光素子13は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)である。発光素子13から射出された光Lは、レンズ12を介して筐体11の外部に射出される。これにより、照明部10は、対象に向けて光Lを照射する。
【0016】
照明部10は、取付部60によって、天井Cに取り付けられている。取付部60は、筐体11に取り付けられている。取付部60は、筐体11から上側に延びる柱状である。取付部60の上側の端部は、天井Cに固定されている。取付部60は、筐体11に取り付けられた第1部分61と、天井Cに固定された第2部分62と、を有する。
【0017】
第1部分61は、筐体11から上側に延びている。第1部分61の下側の端部は、貫通溝11b内に挿入されている。第1部分61の下側の端部は、筐体11に対して、上下方向Zと直交する方向に延びる第1回転軸J1回りに回転可能に取り付けられている。第2部分62は、第1部分61の上側の端部に対して、上下方向Zに延びる第2回転軸J2回りに回転可能に取り付けられている。
【0018】
撮像部20は、照明部10に取り付けられている。本実施形態において撮像部20は、照明部10の下側の端部における先端側の端部に取り付けられている。照明部10の先端側の端部とは、照明部10のうち光軸AX1の軸方向において開口部11aに近い側の端部である。撮像部20は、筐体21と、レンズ22と、撮像素子23と、フィルタ24と、を有する。撮像部20は、赤外線を撮像可能である。筐体21は、照明部10の筐体11に繋がっている。筐体21は、筐体11から光軸AX1の径方向外側に突出している。本実施形態において筐体11と筐体21とは、同一の単一部材の一部である。
【0019】
筐体21は、撮像部20の光軸AX2を中心とする筒状である。光軸AX2は、光軸AX1と平行である。筐体21は、光軸AX2の軸方向の一方側に開口する開口部21aを有する。開口部21aが開口する向きは、照明部10の開口部11aが開口する向きと同じである。開口部21aには、レンズ22が嵌め合わされている。本実施形態においてレンズ22は、広角レンズである。レンズ22の水平画角は、例えば、90°以上、170°以下である。
【0020】
レンズ22の表側には、フィルタ24が取り付けられている。これにより、レンズ22には、照明装置100の外部からフィルタ24を通過した光が入射する。本実施形態においてフィルタ24は、可視光カットフィルタである。そのため、フィルタ24によって、外部からレンズ22を視認できなくできる。これにより、カラオケシステムKS1の使用者Hに、撮像部20が監視カメラではないことを示すことができる。フィルタ24は、波長が800nmよりも短い光を遮蔽し、波長が800nm以上の光を透過させる。
【0021】
撮像素子23は、筐体21の内部に収容されている。フィルタ24およびレンズ22を介して筐体21内に入射した光は、撮像素子23に入射する。撮像部20は、撮像素子23によってレンズ22に映る対象を撮像可能である。撮像素子23は、例えば、フレームレート30fps以上で画像を取得する。
【0022】
本実施形態において照明部10が光Lを照射する向きと撮像部20が撮像する向きとは、互いに同じである。撮像部20によって撮像される範囲には、照明部10によって光Lが照射される範囲が含まれている。撮像部20によって撮像される範囲は、照明部10によって光Lが照射される範囲よりも広い。
【0023】
駆動部30は、照明部10の向きを変更可能である。本実施形態において駆動部30は、照明部10を第1回転軸J1回りおよび第2回転軸J2回りに回転させることで、照明部10の向きを変更可能である。第1回転軸J1と第2回転軸J2とは、互いに直交する方向に延びている。駆動部30は、第1駆動部30Aと、第2駆動部30Bと、を有する。
【0024】
第1駆動部30Aは、照明部10の筐体11内に設けられている。第1駆動部30Aは、取付部60に対して、筐体11を第1回転軸J1回りに回転させる。これにより、駆動部30は、照明部10の向きを第1回転軸J1回りに変更可能である。第1駆動部30Aによって照明部10を第1回転軸J1回りに回転させる速度は、例えば、10°/秒以上が好ましく、20°/秒以上がより好ましい。
【0025】
第2駆動部30Bは、取付部60の第1部分61内に設けられている。第2駆動部30Bは、第2部分62に対して第1部分61を第2回転軸J2回りに回転させることで、第1部分61に取り付けられた照明部10を第2回転軸J2回りに回転させる。これにより、駆動部30は、照明部10の向きを第2回転軸J2回りに変更可能である。第2駆動部30Bによって照明部10を第2回転軸J2回りに回転させる速度は、例えば、10°/秒以上が好ましく、20°/秒以上がより好ましい。
【0026】
図3に示すように、駆動部30は、モータ31と、モータ31に接続された減速機32と、減速機32を介してモータ31に連結された出力軸33と、を有する。モータ31と減速機32と出力軸33とは、第1駆動部30Aと第2駆動部30Bとにそれぞれ設けられている。
【0027】
角度センサ40は、駆動部30の出力軸33の回転角度を検出可能である。本実施形態において角度センサ40は、第1駆動部30Aと第2駆動部30Bとに対して、それぞれ設けられている。
【0028】
制御部50は、駆動部30を制御する。本実施形態において制御部50は、第1駆動部30Aと第2駆動部30Bとをそれぞれ制御する。制御部50は、第1駆動部30Aと第2駆動部30Bとのそれぞれにおいて、角度センサ40の検出結果に基づいてモータ31を制御する。本実施形態において制御部50は、照明部10の発光素子13および撮像部20の撮像素子23と接続されている。本実施形態において制御部50は、照明部10および撮像部20も制御する。制御部50は、ホスト制御部HCとの間で無線または有線により通信可能である。図4に示すように、制御部50は、照明部10の筐体11内に収容されている。制御部50は、回路基板51を有する。
【0029】
制御部50は、撮像部20に特定波長の赤外線IRを放射する対象が映った場合に駆動部30によって照明部10を当該対象に向けて動かす照射制御を実行可能である。図2に示すように、本実施形態において赤外線IRを放射する対象は、マイクMである。上述したように、マイクMは、使用者HがマイクMに向かって音声を発した場合に赤外線IRを放射する。そのため、本実施形態において照射制御を実行する制御部50は、使用者HがマイクMを用いて歌い始めた場合に、駆動部30によって照明部10をマイクMに向けて動かす。
【0030】
具体的に本実施形態では、制御部50は、図5に示すフローチャートに沿って、照射制御を実行する。使用者HがカラオケシステムKS1の使用を開始する前の初期状態において、制御部50は、照明部10によって所定の箇所に光Lを照射する(ステップS1)。図1に示すように、本実施形態において所定の箇所は、部屋Rの壁Wである。つまり、マイクMを用いて歌う使用者Hがいない場合などにおいて、照明装置100は、壁Wに光Lを照射している。壁Wに照明部10の光Lが照射されることで、照明装置100は、例えば、部屋Rの間接照明として機能する。
【0031】
図5に示すように、照射制御において制御部50は、演奏装置PDによって楽曲が開始されたか否かを判定する(ステップS2)。制御部50は、演奏装置PDからの信号に基づいて、楽曲が開始されたか否かを判定する。楽曲が開始されていないと判定した場合(ステップS2:NO)、制御部50は、照明部10による壁Wへの光Lの照射を継続しつつ、ステップS2の判定を繰り返し続ける。一方、楽曲が開始されたと判定した場合(ステップS2:YES)、制御部50は、撮像部20に特定波長の赤外線IRを放射する対象、つまりマイクMが映っているか否かを判定する(ステップS3)。
【0032】
撮像部20に特定波長の赤外線IRを放射する対象が映っていない場合(ステップS3:NO)、制御部50は、照明部10による壁Wへの光Lの照射を継続しつつ、ステップS3の判定を繰り返し続ける。一方、撮像部20に特定波長の赤外線IRを放射する対象が映っている場合(ステップS3:YES)、制御部50は、駆動部30によって、赤外線IRを放射する対象、つまりマイクMに照明部10を向ける(ステップS4)。これにより、図2に示すように、照明部10から照射される光LがマイクMに向けられる。したがって、照明部10からの光Lが、マイクMおよびマイクMを持って歌う使用者Hに照射される。
【0033】
制御部50は、駆動部30を制御して照明部10をマイクMに向ける際、撮像部20によって撮像される画像中におけるマイクMが映る位置に基づいて照明部10を動かす。より詳細には、制御部50は、駆動部30を制御して照明部10をマイクMに向ける際、撮像部20によって撮像される画像のほぼ中央部にマイクMが映る向きに、照明部10の向きを調整する。図2の例では、照明部10の光軸AX1がマイクMを通る向きに、照明部10が向けられている。この場合、制御部50は、例えば、撮像部20によって撮像される画像の中央部に対して照明部10の光軸AX1と撮像部20の光軸AX2とのオフセット量だけずれた位置にマイクMが映る向きに、照明部10の向きを調整する。
【0034】
なお、例えば、マイクMに向けられる照明部10の光軸AX1は、照明部10から照射される光Lが使用者Hを好適に照らすことができる範囲内で、マイクMに対してずれていてもよい。図6では、照明部10の光軸AX1がマイクMに対して僅かにずれている例を示している。
【0035】
図5に示すように、照明部10をマイクMに向けた後、制御部50は、楽曲が終了したか否かを判定する(ステップS5)。制御部50は、演奏装置PDからの信号に基づいて、楽曲が終了したか否かを判定する。楽曲が終了していないと判定した場合(ステップS5:NO)、制御部50は、ステップS3およびステップS4を繰り返す。
【0036】
ここで、図6および図7に示すように、2名の使用者H1,H2がデュエットする場合には、歌っている使用者Hが変わると、赤外線IRが放射されるマイクMが変わる。そのため、制御部50は、歌っている使用者Hが使用者H1と使用者H2との間で変わる度に照明部10の向きを変更して、歌っている使用者HのマイクMおよび歌っている使用者Hに照明部10の光Lを照射する。なお、図6では、2名の使用者H1,H2のうち一方の使用者H1が歌っている場合を示している。図7では、2名の使用者H1,H2のうち他方の使用者H2が歌っている場合を示している。
【0037】
図5に示すように、楽曲が終了したと判定した場合(ステップS5:YES)、制御部50は、駆動部30によって、照明部10の向きを所定の箇所に光Lを照射する向きに戻す(ステップS6)。つまり、ステップS6において制御部50は、駆動部30によって照明部10の向きを、壁Wを向く向きに戻す。制御部50は、以上のステップS1からステップS6を繰り返すことによって、照射制御を実行する。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、制御部50は、撮像部20に特定波長の赤外線IRを放射する対象が映った場合に駆動部30によって照明部10を当該対象に向けて動かす照射制御を実行可能である。そのため、上述したように、使用者Hが歌い始めた場合に、当該歌っている使用者Hに照明部10からの光Lを照射することができる。これにより、歌っている使用者Hの感情および情景などの表現力を向上させることができる。また、歌っている使用者Hの高揚感などを高めることもできる。したがって、本実施形態によれば、照明装置100によってカラオケシステムKS1の遊戯性を向上できる。
【0039】
また、本実施形態によれば、赤外線IRの特定波長は、800nm以上、900nm以下である。この数値範囲の波長の赤外線IRは、カラオケなどで使用されるマイクMから音声信号の伝達のために放射される。この数値範囲の波長の赤外線IRを音声信号の伝達に用いることで、他の電波との干渉を抑制でき、マイクMから演奏装置PDへと音声信号を好適に送ることができる。このように、制御部50によって800nm以上、900nm以下の波長を有する赤外線IRを放射する対象に対して照明部10を向ける構成とすることで、照明装置100を、カラオケシステムKS1において歌っている使用者Hを照明部10で追従して照らす照明装置として好適に用いることができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、照明部10が光Lを照射する向きと撮像部20が撮像する向きとは、互いに同じである。そのため、撮像部20によって撮像される画像内における対象の位置に基づいて、照明部10の向きを対象へと向けて容易に制御しやすい。具体的に本実施形態では、上述したように、撮像部20によって撮像される画像内のほぼ中央部にマイクMが位置する向きに照明部10の向きを制御することで、照明部10をマイクMに容易に向けることができる。このような制御は、撮像部20が照明部10に取り付けられて、照明部10と共に移動する構成となっているため採用しやすい。
【0041】
また、本実施形態によれば、撮像部20のレンズ22は、広角レンズである。そのため、撮像部20によって部屋R内の比較的広い範囲を撮像することができる。これにより、使用者Hが部屋R内のいずれの位置において歌っていても、制御部50は、撮像部20によってマイクMの位置を認識して、照明部10をマイクMに向けて好適に制御しやすい。また、図6および図7のように、部屋Rに複数の使用者Hがいる場合であっても、複数の使用者Hを同時に撮像部20によって撮像しやすい。そのため、制御部50は、デュエットが行われる場合などに、照明部10の向きを、異なる使用者Hが持つマイクM同士の間で容易に切り替えることができる。本実施形態においてレンズ22の水平画角は、90°以上、170°以下である。レンズ22の水平画角をこのような数値範囲内とすることで、撮像部20の撮像範囲内からマイクMが外れることを抑制できる。また、撮像部20によって撮像される画像の輝度が不足することを抑制でき、撮像範囲内のマイクMを認識できないことを抑制できる。
【0042】
本実施形態において照射制御は、第1制御モードMO1と、第2制御モードMO2と、を含む。第1制御モードMO1は、歌っている使用者Hに対して照明部10からの光Lを好適に照射するモードである。図2図6、および図7は、照射制御が第1制御モードMO1である場合を示している。第1制御モードMO1において制御部50は、照明部10を赤外線IRが放射されるマイクMに向ける際、撮像部20によって撮像される画像のほぼ中央部にマイクMが位置する向きに照明部10を向けて、光LをマイクMおよびマイクMを持つ使用者Hに好適に照射する。第1制御モードMO1においては、例えば、歌っている使用者Hの頭部全体に光Lが照射される。
【0043】
第2制御モードMO2は、第1制御モードMO1よりも照明部10の向きがマイクMからずれた向きに制御されるモードである。図8は、照射制御が第2制御モードMO2である場合を示している。図8に示すように、本実施形態の第2制御モードMO2では、照明部10からの光Lが歌っている使用者H1の頭部の少なくとも一部に照射されない程度に照明部10の向きがマイクMからずれた向きに制御される。本実施形態において第2制御モードMO2は、2名の使用者H1,H2がデュエットを行う場合に用いられる制御モードである。制御部50は、例えば、デュエット用の楽曲が開始された場合に、照射制御を第2制御モードMO2で実行する。
【0044】
本実施形態の第2制御モードMO2において照明部10がマイクMからずれる向きは、照明部10の光軸AX1が、歌っていない使用者H2に近づく向きである。制御部50は、1つの楽曲内で2名の使用者H1,H2が少なくとも1回ずつ以上歌っている間に各使用者H1,H2のマイクMが位置する向きを記憶しておき、当該記憶した後に、歌っている使用者H1のマイクMに向ける照明部10の向きを、歌っていない使用者H2のマイクMが位置する側にずらした向きに制御する。このように、第2制御モードMO2によって、照明部10の向きをあえて対象からずらすことで、光Lが好適に照射される位置へと使用者H1を誘導することができる。
【0045】
具体的に、図8の例では、使用者H1を二点鎖線で示す位置に誘導できる。図8において二点鎖線で示す位置は、照明部10からの光Lが使用者H1に対して好適に照射される位置であり、他方の使用者H2に近づく位置である。したがって、デュエットが行われる場合の第2制御モードMO2では、照明部10によって誘導することで、デュエットする2名の使用者H1,H2同士の歌う位置を近づけることができる。以上のように、照射制御を第2制御モードMO2で実行することで、照明装置100によってカラオケシステムKS1の遊戯性をより向上できる。
【0046】
制御部50は、複数のマイクMから赤外線IRが放射されていた場合、つまり複数の使用者Hが別々のマイクMで同時に歌っていた場合、複数のマイクMに対して順番に照明部10を向けていってもよいし、最も赤外線IRの発光量が多いマイクMに照明部10を向けてもよい。制御部50は、マイクMから放射される赤外線IRの輝度に応じて、照明部10から照射される光Lの光量を制御可能である。制御部50は、例えば、マイクMから放射される赤外線IRの輝度が高いほど、照明部10から照射される光Lの光量を多くできる。制御部50は、再生される楽曲の情報に基づいて、照明部10から照射される光Lの色を変更可能である。これらの制御部50における制御のON/OFFの切り替え、およびパラメータの調整などは、例えば、使用者Hが操作端末OTを操作することで行われる。
【0047】
制御部50は、照射制御を行う状態と、照射制御を行わない状態とに、切り替え可能となっている。照射制御のON/OFFの切り替えは、例えば、操作端末OTから行うことができる。照射制御を行わない状態において制御部50は、照明部10をどのように制御してもよい。照射制御を行わない状態において制御部50は、常に壁Wに光Lを照射し続けていてもよい。照射制御を行わない状態において制御部50は、操作端末OTに入力された状態に基づいて、照明部10の向きを変更してもよい。制御部50は、操作端末OTに入力された状態に基づいて、照明部10をマイクMに向けてもよい。
【0048】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。制御部は、撮像部に特定波長の赤外線を放射する対象が映った場合に駆動部によって照明部を対象に向けて動かす照射制御を実行可能であれば、他にどのような制御ができてもよいし、他にどのような制御もできなくてもよい。照射制御において照明部が向けられる対象は、特に限定されず、マイクでなくてもよい。照射制御において撮像部で認識される赤外線の特定波長は、特に限定されず、800nmより短くてもよいし、900nmより長くてもよい。
【0049】
照明部は、光を照射可能であれば、どのような構造であってもよい。照明部は、図9に示すカラオケシステムKS2の照明装置200における照明部210のような構成であってもよい。図9に示すように、照明部210は、光源制御部215と、光源制御部215によって制御される発光素子213と、を有する。光源制御部215は、演奏装置PDのホスト制御部HCによって制御される。図9の構成において照明装置200の制御部250は、ホスト制御部HCを介して、光源制御部215を制御して照明部210を制御する。
【0050】
撮像部は、照明部に取り付けられ、特定波長の赤外線を撮像可能であれば、どのような構造であってもよい。撮像部のレンズは、広角レンズでなくてもよい。撮像部には、可視光カットフィルタなどのフィルタが設けられなくてもよい。駆動部は、照明部の向きを変更可能であれば、どのような構造であってもよい。駆動部は、照明部を1つの軸回りにのみ回転可能であってもよいし、照明部を3つ以上の軸回りに回転可能であってもよいし、照明部を所定の方向へとスライド移動可能であってもよい。
【0051】
本発明が適用される照明装置の用途は、特に限定されない。照明装置は、カラオケシステム以外のシステムまたは機器に備えられてもよい。なお、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0052】
10,210…照明部、20…撮像部、22…レンズ、30…駆動部、50,250…制御部、100,200…照明装置、IR…赤外線、KS1,KS2…カラオケシステム、L…光、M…マイク(対象)、MO1…第1制御モード、MO2…第2制御モード、PD…演奏装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9