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特開2022-151950フラックスゲート型磁気検出器及び磁気検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151950
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】フラックスゲート型磁気検出器及び磁気検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/04 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
G01R33/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054515
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】599161890
【氏名又は名称】NECネットワーク・センサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】今村 瑛
【テーマコード(参考)】
2G017
【Fターム(参考)】
2G017AA02
2G017AC09
2G017AD42
2G017AD47
2G017BA03
2G017BA05
2G017BA13
(57)【要約】
【課題】この発明は、微小磁界を高感度で検出することが可能なフラックスゲート型磁気検出器及び磁気検出方法を提供する。
【解決手段】磁性体からなるリングコア1と、該リングコア1に巻線されて電流印加によって駆動磁界を発生させる駆動コイル2と、電流印加時の磁界発生方向がリングコア1の周囲で同一方向となるように該リングコア1に巻線された検出コイル3とを有し、検出コイル3の線材は、複数本の導線からなる単線を撚り合わせることで形成されるリッツ線からなることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体からなるリングコアと、該リングコアに巻線されて電流印加によって駆動磁界を発生させる駆動コイルと、電流印加時の磁界発生方向がリングコアの周囲で同一方向となるように該リングコアに巻線された検出コイルと、を有し、
前記検出コイルの線材は、複数本の導線からなる単線を撚り合わせることで形成されるリッツ線からなることを特徴とするフラックスゲート型磁気検出器。
【請求項2】
前記検出コイルは、前記リングコアの対向位置に巻線された第1検出部と第2検出部とを有し、これら第1検出部と第2検出部とで、該リングコアへの巻方向が逆向きとなるように線材が巻線されていることを特徴とする請求項1に記載のフラックスゲート型磁気検出器。
【請求項3】
前記第1検出部にて螺旋状に巻回された前記検出コイルの線材は、前記第2検出部に引き廻されて該第2検出部でも螺旋状に巻回されるとともに、
前記第2検出部にて螺旋状に巻回された前記検出コイルの線材は、前記第1検出部に引き廻されて該第1検出部でも螺旋状に巻回され、
これら2本の線材の単線は互いに接続されて、前記第1及び第2検出部を直列配置することを特徴とする請求項2に記載のフラックスゲート型磁気検出器。
【請求項4】
前記第1検出部から前記第2検出部に引き廻された線材の単線は、該第2検出部にある線材と互い違いとなるように配置され、
前記第2検出部から前記第1検出部に引き廻された線材の単線は、該第1検出部にある線材と互い違いとなるように配置されることを特徴とする請求項3に記載のフラックスゲート型磁気検出器。
【請求項5】
磁性体からなるリングコアと、該リングコアに巻線されて電流印加によって駆動磁界を発生させる駆動コイルと、電流印加時の磁界発生方向がリングコアの周囲で同一方向となるように該リングコアに巻線された検出コイルと、を有するフラックスゲート型磁気検出器において、
前記検出コイルの線材に、複数本の導線からなる単線を撚り合わせることで形成されるリッツ線を用いることを特徴とするフラックスゲート型磁気検出器における磁気検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば地磁気等の微小磁界又は微小電流を高感度で検出可能なフラックスゲート型磁気検出器及び磁気検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のフラックスゲート型磁気検出器として特許文献1及び2が知られている。
特許文献1のフラックスゲート磁気センサでは、磁性体からなるコアに、互いに逆巻きで相互に接続された2つの検出コイルと励振コイルとが巻回された構造であって、前記コアが楕円又は長方形状のループ状とされ、そのループの長軸に沿った互いに対向する2辺部分に、前記2つの検出コイルがそれぞれ巻回されている。
【0003】
特許文献2のフラックスゲート磁気センサでは、基板上に、磁性体薄膜からなるループ状のコアと、そのコアの上下に絶縁層、導電体薄膜及びコンタクト部を有して設けられかつ該コアをループの内外を通りつつ螺旋状に周方向に巻回する励振コイル及び検出コイルと、を有している。
前記励振コイルはループ状コアに周方向に一様に巻回されている。また、前記検出コイルは、ループ状コアの1/4周ずつ4分割して巻回され、かつ、そのうちの対向する2つの検出コイル同士が互いに逆向きとなるように巻回されて相互接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09-318720号公報
【特許文献2】特開平11-023683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に示すフラックスゲート型磁気検出器では、コアに対する検出コイルの巻き方を工夫しただけの構成であるので、微小磁界を高感度で検出するには十分でないという問題がある。
【0006】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、地磁気等の微小磁界又は微小電流を高感度で検出することが可能なフラックスゲート型磁気検出器及び磁気検出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第1態様に示すフラックスゲート型磁気検出器では、磁性体からなるリングコアと、該リングコアに巻線されて電流印加によって駆動磁界を発生させる駆動コイルと、電流印加時の磁界発生方向がリングコアの周囲で同一方向となるように該リングコアに巻線された検出コイルと、を有し、前記検出コイルの線材は、複数本の導線からなる単線を撚り合わせることで形成されるリッツ線からなることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2態様に示すフラックスゲート型磁気検出方法では、磁性体からなるリングコアと、該リングコアに巻線されて電流印加によって駆動磁界を発生させる駆動コイルと、電流印加時の磁界発生方向がリングコアの周囲で同一方向となるように該リングコアに巻線された検出コイルと、を有するフラックスゲート型磁気検出器において、前記検出コイルの線材に、複数本の導線からなる単線を撚り合わせることで形成されるリッツ線を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フラックスゲート型磁気検出器の検出コイルの線材として、複数本の導線からなる単線を撚り合わせたリッツ線を使用することで、該検出コイルにて、地磁気等の微小磁界又は微小電流を高感度で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るフラックスゲート型磁気検出器を示す概略図である。
図2】第1実施形態に係るフラックスゲート型磁気検出器の概略図である。
図3】電圧測定回路を示す図である。
図4】第2実施形態に係るフラックスゲート型磁気検出器の概略図である。
図5】第3実施形態に係るフラックスゲート型磁気検出器の概略図である。
図6】変形例に係るフラックスゲート型磁気検出器の概略図である。
図7図6の変形例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係るフラックスゲート型磁気検出器10の最小構成について、図1を参照して説明する。
本発明のフラックスゲート型磁気検出器10は、リングコア1と、駆動コイル2及び検出コイル3を主な構成要素とする。
【0012】
リングコア1は環状に形成された磁性体である。
駆動コイル2はリングコア1に巻線されて電流印加によって駆動磁界を発生させる。
検出コイル3は電流印加時の磁界発生方向がリングコア1の周囲で同一方向となるように該リングコア1に巻線されたものである。
また、検出コイル3の線材は、複数本の導線からなる単線を撚り合わせることで形成されるリッツ線からなる。
【0013】
そして、以上のようなフラックスゲート型磁気検出器10では、検出コイル3の線材として、複数本の導線を撚り合わせたリッツ線を使用することで、該検出コイル3にて、地磁気等の微小磁界又は微小な電流を高感度で検出することができる。
【0014】
(第1実施形態)
本実施形態に係るフラックスゲート型磁気検出器100について図2及び図3を参照して説明する。
このフラックスゲート型磁気検出器100は、図2に示すように、リングコア101と、駆動コイル102、検出コイルR103及び検出コイルL104を主な構成要素とする。
【0015】
リングコア101は環状に形成された磁性体である。
駆動コイル102はエナメル線により構成されたものであって、リングコア101にトロイダル状に巻線されて電流印加によって駆動磁界を発生させる。
検出コイルR103及び検出コイルL104は検波コイル105を構成するものであって、駆動コイル102に電流印加した際の磁界発生方向が、リングコア101の周囲で同一方向となるように該リングコア101に巻線されている。
また、検出コイルR103及び検出コイルL104の線材(符号SA1,SA2で示す)は、複数本の導線を撚り合わせることで形成されるリッツ線からなる。
【0016】
検出コイルR103及び検出コイルL104は、リングコア101の180°離間した対向位置に巻線された第1検出部M1と第2検出部M2とを有し、これら第1検出部M1と第2検出部M2とで、該リングコア101への巻方向が逆向きとなるように線材SA1,SA2が巻線されている。
【0017】
より具体的には、検出コイルR103の線材SA1は、駆動コイル102の巻始め(符号102Aで示す)近傍を巻始め位置(符号103Aで示す)とし、駆動コイル102と同じ巻線の進行方向及び回転方向で巻線されている。
また、検出コイルL104の線材SA2は、駆動コイル102の巻終り(符号102Bで示す)近傍を巻始め位置(符号104Aで示す)とし、かつ検出コイルR103と対向する位置にて、駆動コイル102と反対の巻線の進行方向及び回転方向で巻線されている。
【0018】
この後、検出コイルR103の線材SA1及び検出コイルL104の線材SA2の巻終り(符号103B,104Bで示す)は接続部106にて互いに接続される。これにより、これら検出コイルR103と検出コイルL104とは直列に配線され、入力側が検出コイルR103の巻始め側(符号103Aで示す)、出力側が検出コイルL104の巻始め側(符号104Aで示す)となる検波コイル105が形成される。
【0019】
図3に符号20で示すものは電圧測定回路であって、出力回路21と電圧検出回路22とを有する。
出力回路21は、一定の周期で駆動コイル102に励振電流を印加する発振回路23、位相調整器24及び増幅器25を有する。
電圧検出回路22は、検波器26、27、ハイパスフィルタ28(HPF:High-pass filter)、増幅器29及び集積器30を有するものであって、発振回路23の発振周期に応じて検出コイルR103及び検出コイルL104から信号を取り込む。
【0020】
このような電圧測定回路20では、出力回路21の電流印加により駆動コイル102に励振電流となる交流電流を流すことができる。
そして、駆動コイル102に交流電流を流した場合には、リングコア101に沿って交流磁束が発生するとともに、該交流磁束が、各検出コイルR103及び検出コイルL104の内部を互いに逆向きに貫くことになる。
この状態で、検出コイルR103及び検出コイルL104に外部磁気が作用した場合には、その磁気による磁束が各検出コイルR103及び検出コイルL104に対して同方向に作用する。
【0021】
これにより各検出コイルR103及び検出コイルL104を貫いている交流磁束は、外部磁気によって互いに逆向きにバイアスがかかった状態となる。
その結果、当該検出コイルR103及び検出コイルL104の両端では、外部磁気に比例し、かつ、励振電流の2倍の周波数の交流電圧信号を取り出すことができる。
すなわち、外部磁界Hsが印加された場合においては、検出コイルR103、検出コイルL104での外部磁束Hsと交流磁束によって生じた駆動磁界Hdrの関係はそれぞれ「Hdr-Hs」、「Hdr+Hs」となり、検波コイル105には出力差「2Hs」に比例した出力信号が誘起される。
【0022】
この出力信号は例えば交流増幅器29で増幅し、整流した後に検波することによって、外部磁気に比例した電圧信号を得ることができ、感度が良好で温度に対して安定した磁気センサとなる。
一方、外部磁界Hsが存在しない場合には、検出コイルR103、検出コイルL104の部分では巻線の回転方向が異なるため、互いに逆極性の電圧が誘起し、検波コイル105には出力が生じることがない。
【0023】
そして、以上のようなフラックスゲート型磁気検出器100では、検出コイルR103及び検出コイルL104の線材として、複数本の導線を撚り合わせたリッツ線が使用されているので、これら検出コイルR103及び検出コイルL104を高密度に配置することができ、地磁気等の微小磁界又は微小な電流を高感度で検出することが可能となる。
【0024】
(第2実施形態)
第2実施形態に係るフラックスゲート型磁気検出器200について図4を参照して説明する。
第2実施形態に示すフラックスゲート型磁気検出器200が、第1実施形態に示すフラックスゲート型磁気検出器100と構成を異にする点は、検出コイルR103及び検出コイルL104を形成する線材SA1,SA2の巻き方である。
【0025】
すなわち、第1検出部M1にて螺旋状に巻回された検出コイルR103の線材SA1は、第2検出部M2に引き廻された後、該第2検出部M2にて螺旋状に巻回される。
第2検出部M2にて螺旋状に巻回された検出コイルL104の線材SA2は、第1検出部M1に引き廻されて該第1検出部M1にて螺旋状に巻回される。
このとき、第1検出部M1及び第2検出部M2ではリングコア101への巻方向が逆向きとなるように線材SA1,SA2が巻線されている。
第1検出部M1の線材SA1は単線a及びbの撚線により構成され、第2検出部M2の線材SA2は単線c及びdの撚線により構成される。
また、これら2本の線材SA1,SA2は接続部107~109にて互いに接続されることで、「a→c→b→d」で示す順番で単線が配線される。
【0026】
すなわち、本例では、検出コイルR103から検出コイルL104に引き廻された線材SA1の単線aが、該検出コイルL104にて線材SA2の単線cとなり、かつ該線材SA2の他の単線dと互い違いかつ交互に密に配置された例が示されている。
さらに、検出コイルL104から検出コイルR103に引き廻された線材SA2の単線cは、該検出コイルR103にて線材SA1の単線bとなり、かつ該線材SA1の他の単線aと互い違いかつ交互に密に配置された例が示されている。
【0027】
そして、このようなフラックスゲート型磁気検出器200においても、検出コイルR103及び検出コイルL104の線材SA1,SA2として、複数本の導線を撚り合わせたリッツ線が使用されているので、これら検出コイルR103及び検出コイルL104にて、地磁気等の微小磁界又は微小な電流を高感度で検出することが可能となる。
さらに、これら検出コイルR103及び検出コイルL104では、それぞれ対向する検出コイルL104及び検出コイルR103を経た線材SA1,SA2の単線が、互い違いかつ交互に配置される構成である。
これにより、上記検出コイルR103及び検出コイルL104では、該線材SA1,SA2の巻き数を増加させて該線材SA1,SA2をより高密度に配置することができ、この点においても、地磁気等の微小磁界等を高感度で検出することが可能となる。
【0028】
(第3実施形態)
第3実施形態に係るフラックスゲート型磁気検出器300について図5を参照して説明する。
第3実施形態に示すフラックスゲート型磁気検出器200が、第2実施形態に示すフラックスゲート型磁気検出器200と構成を異にする点は、検出コイルR103及び検出コイルL104を形成する線材SA1,SA2の巻き方である。
【0029】
すなわち、第3実施形態に示す検出コイルR103の線材SA1は、図中左側から右側に向けてリングコア101上を螺旋状に巻回された後、対向位置にて、検出コイルL104となって同様に図中左側から右側に向けてリングコア101上を螺旋状に巻回される。
一方、検出コイルL104の線材SA2は、図中右側から左側に向けてリングコア101上を螺旋状に巻回された後、対向位置にて、検出コイルR103となって同様に図中右側から左側に向けてリングコア101上を螺旋状に巻回される。
【0030】
このとき、第1検出部M1及び第2検出部M2では、リングコア101への巻方向が逆向きとなるように線材SA1,SA2が巻線されている。
第1検出部M1の線材SA1は単線a及びbの撚線により構成され、第2検出部M2の線材SA2は単線c及びdの撚線により構成される。
また、これら2本の線材SA1,SA2は接続部107~109にて互いに接続されることで、「a→c→b→d」で示す順番で単線が配線される。
【0031】
すなわち、本例では、検出コイルR103から検出コイルL104に引き廻された線材SA1の単線aが、該検出コイルL104にて線材SA2の単線cとなり、かつ該線材SA2の他の単線dと互い違いかつ交互に密に配置された例が示されている。
さらに、検出コイルL104から検出コイルR103に引き廻された線材SA2の単線cは、該検出コイルR103にて線材SA1の単線bとなり、かつ該線材SA1の他の単線aと互い違いかつ交互に密に配置された例が示されている。
【0032】
これにより、第3実施形態の検出コイルR103及び検出コイルL104では、第2実施形態と同様、それぞれ対向する検出コイルL104及び検出コイルR103を経た線材SA1,SA2の単線が、互い違いかつ交互に配置される構成であるので、該線材SA1,SA2をより高密度に配置することができ、この点においても、地磁気等の微小磁界等を高感度で検出可能となる。
【0033】
(変形例)
変形例に係るフラックスゲート型磁気検出器400,400´について図6及び図7を参照して説明する。
このフラックスゲート型磁気検出器400,400´が、第1~第3実施形態に示すフラックスゲート型磁気検出器100,200,300と構成を異にする点は、検出コイル及び駆動コイルの線材として用いたリッツ線L1,L2の配置である。
【0034】
図6及び図7は、単線2本撚りのリッツ線L1,L2を2本使用した巻線構造を示している。
リッツ線L1は、単線S1(太線で示す)と単線S2(実線で示す)の撚線からなる。
リッツ線L2は、単線S3(破線で示す)と単線S4(一点鎖線で示す)の撚線からなる。
また、これら単線S1~S4において、単線S2(実線で示す)と単線S4(一点鎖線で示す)は駆動コイル102として用いられる。また、単線S1(太線で示す)と単線S3(破線で示す)は検出コイルR103,L104として用いられる。
また、図6及び図7において、符号410及び411は単線を接続する接続部である。
【0035】
なお、図6及び図7にて、単線S1(太線で示す)、単線S3(破線で示す)は図の複雑化を避ける為に途中の箇所が省略されている。
また、図6及び図7において、使用するリッツ線L1,L2の構成及び用途は巻方向以外同じである。
具体的には、図6において、リッツ線L1及びL2は、A位置からB位置まで共に時計周りに巻かれている。また、図7において、A位置からB位置までリッツ線L1は時計周りに、リッツ線L2は反時計周りにそれぞれ巻かれている。
【0036】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、例えば地磁気等の微小磁界又は微小電流を高感度で検出可能なフラックスゲート型磁気検出器及び磁気検出方法に関する。
【符号の説明】
【0038】
1 リングコア
2 駆動コイル
3 検出コイル(リッツ線)
10 フラックスゲート型磁気検出器
20 電圧測定回路
21 出力回路
22 電圧検出回路
100 フラックスゲート型磁気検出器
101 リングコア
102 駆動コイル
102A 巻始め
102B 巻終り
103 検出コイルR
103A 巻始め
103B 巻終り
104 検出コイルL
104A 巻始め
104B 巻終り
105 検波コイル
106 接続部
107 接続部
108 接続部
109 接続部
200 フラックスゲート型磁気検出器
300 フラックスゲート型磁気検出器
400 フラックスゲート型磁気検出器
400´ フラックスゲート型磁気検出器
SA1 線材(リッツ線)
SA2 線材(リッツ線)
SB 線材
L1 リッツ線
L2 リッツ線
M1 第1検出部
M2 第2検出部
m1 第1部分
m2 第2部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7