(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152031
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】電力回生型ランキンサイクルシステム及び電力回生型ランキンサイクルシステムの制御方法
(51)【国際特許分類】
F01D 21/00 20060101AFI20221004BHJP
F01D 17/08 20060101ALI20221004BHJP
F01D 17/00 20060101ALI20221004BHJP
F01K 13/02 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
F01D21/00 R
F01D17/08 A
F01D17/00 J
F01K13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054645
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】吉永 寛史
【テーマコード(参考)】
3G071
【Fターム(参考)】
3G071AA01
3G071AB01
3G071BA24
3G071CA02
3G071DA11
3G071EA01
3G071FA02
3G071FA03
3G071FA05
3G071FA06
3G071FA08
3G071GA06
3G071HA01
3G071HA05
3G071JA02
(57)【要約】
【課題】異常発生時に安全に運転を停止できる電力回生型ランキンサイクルシステムの提供。
【解決手段】フィードポンプ21が送出した作動流体を加熱流体との熱交換で蒸発させる蒸発器23と、蒸発した作動流体で回転することで機械仕事を得る膨張器25と、膨張後の作動流体を凝縮してフィードポンプ21に送出する凝縮器27と、蒸発器23と凝縮器27を直結する、作動流体の流路である開閉可能なバイパス路51と、膨張器25の回転で回生駆動する電動発電機40と、電動発電機40のトルクとバイパス路51の開閉を制御する制御部29を備える電力回生型ランキンサイクルシステム3において、制御部29は、通常運転と判断した場合はバイパス路51を閉鎖した状態を維持し、異常運転と判断した場合は、膨張器25の入口過熱度が予め定められた所定の過熱度閾値未満になった後で電動発電機40のトルク指示値を0にしてバイパス路を開放する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動流体を送出する回転式のポンプと、前記ポンプが送出した前記作動流体を加熱流体との熱交換で蒸発させる蒸発器と、蒸発した前記作動流体を膨張させて回転することで機械仕事を得る膨張器と、膨張後の前記作動流体を凝縮して前記ポンプに送出する凝縮器と、前記蒸発器と前記凝縮器を直結する、前記作動流体の流路である開閉可能なバイパス路と、前記膨張器の回転軸に駆動軸が接続されて前記膨張器の回転で回生駆動する電動発電機と、前記電動発電機のトルクと前記バイパス路の開閉を制御する制御部を備える電力回生型ランキンサイクルシステムにおいて、
前記制御部は、
前記作動流体の温度と圧力、前記ポンプに流入する前記作動流体の流量、及び前記凝縮器に冷媒を圧送する圧送ポンプの流量のうち、全てが予め定められた所定の範囲内の場合は通常運転と判断し、少なくとも1つが前記所定の範囲外の場合は異常運転と判断し、
通常運転と判断した場合は前記バイパス路を閉鎖した状態を維持し、
異常運転と判断した場合は、前記膨張器の入口過熱度が予め定められた所定の過熱度閾値未満になった後で前記電動発電機のトルク指示値を0にして前記バイパス路を開放することを特徴とする電力回生型ランキンサイクルシステム。
【請求項2】
前記制御部は、
異常運転と判断した場合は前記膨張器の入口過熱度が前記過熱度閾値未満になるまでの間、前記蒸発器に入力される前記加熱流体の熱量に基づき前記膨張器が回転可能な最低回転数が維持されるように前記電動発電機のトルクを制御する請求項1に記載の電力回生型ランキンサイクルシステム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記電動発電機のトルク指示値を0にして前記バイパス路を開放した後で、前記膨張器の出口温度である膨張器出口温度が予め定められたポンプ停止閾値未満に下がった場合に前記ポンプの回転を停止する請求項1又は2に記載の電力回生型ランキンサイクルシステム。
【請求項4】
作動流体を送出する回転式のポンプと、前記ポンプが送出した前記作動流体を加熱流体との熱交換で蒸発させる蒸発器と、蒸発した前記作動流体を膨張させて回転することで機械仕事を得る膨張器と、膨張後の前記作動流体を凝縮して前記ポンプに送出する凝縮器と、前記蒸発器と前記凝縮器を直結する、前記作動流体の流路である開閉可能なバイパス路と、前記膨張器の回転軸に駆動軸が接続されて前記膨張器の回転で回生駆動する電動発電機を備える電力回生型ランキンサイクルシステムの制御方法であって、
前記作動流体の温度と圧力、前記ポンプに流入する前記作動流体の流量、及び前記凝縮器に冷媒を圧送する圧送ポンプの流量のうち、全てが予め定められた所定の範囲内の場合は通常運転と判断し、少なくとも1つが前記所定の範囲外の場合は異常運転と判断する運転条件判断工程と、
通常運転と判断した場合は前記バイパス路を閉鎖した状態を維持する閉鎖維持工程と、
異常運転と判断した場合は、前記膨張器の入口過熱度が予め定められた所定の過熱度閾値未満になった後で前記電動発電機のトルク指示値を0にして前記バイパス路を開放する開放工程と、
を実施することを特徴とする電力回生型ランキンサイクルシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力回生型ランキンサイクルシステム及び電力回生型ランキンサイクルシステムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力回生型ランキンサイクルシステムは、作動流体の蒸発・膨張で生成する圧力を利用して機械仕事を得る熱サイクルを利用し、機械仕事を電動発電機に入力して回生駆動させて電力を得るシステムである。電力回生型ランキンサイクルシステムは外燃機関だが、内燃機関で駆動する車両に搭載する場合がある。これは、作動流体を蒸発させる熱源として内燃機関の排ガスの熱を用いる場合があるためである。一方で電力回生型ランキンサイクルシステムは高温、高圧の作動流体を用いるため、異常が発生した場合は装置を損傷させずにシステムを停止する必要がある。例えば特許文献1には作動流体を膨張させる膨張器に蒸発した作動流体を供給する蒸発器と、膨張器から排出された蒸気を凝縮する凝縮器とを直結するバイパス流路を設け、膨張器が故障した場合はバイパス流路に作動流体を流入させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように異常が発生した場合に作動流体を蒸発器から凝縮器に流入させると、膨張器を介した場合よりも高温・高圧の蒸気が凝縮器に流入して凝縮器が故障する恐れがあった。また、電力回生型ランキンサイクルシステムで異常が発生した場合は電動発電機のトルク指示値を0にする必要があるが、加熱流体が膨張器を回転させられるエネルギーを異常発生時に持つ場合はトルク指示値を0にすると膨張器が無負荷回転になり損傷する可能性があった。
【0005】
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、異常発生時に安全に運転を停止できる電力回生型ランキンサイクルシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本開示の一態様は、作動流体を送出する回転式のポンプと、前記ポンプが送出した前記作動流体を加熱流体との熱交換で蒸発させる蒸発器と、蒸発した前記作動流体を膨張させて回転することで機械仕事を得る膨張器と、膨張後の前記作動流体を凝縮して前記ポンプに送出する凝縮器と、前記蒸発器と前記凝縮器を直結する、前記作動流体の流路である開閉可能なバイパス路と、前記膨張器の回転軸に駆動軸が接続されて前記膨張器の回転で回生駆動する電動発電機と、前記電動発電機のトルクと前記バイパス路の開閉を制御する制御部を備える電力回生型ランキンサイクルシステムにおいて、前記制御部は、前記作動流体の温度と圧力、前記ポンプに流入する前記作動流体の流量、及び前記凝縮器に冷媒を圧送する圧送ポンプの流量のうち、全てが予め定められた所定の範囲内の場合は通常運転と判断し、少なくとも1つが前記所定の範囲外の場合は異常運転と判断し、通常運転と判断した場合は前記バイパス路を閉鎖した状態を維持し、異常運転と判断した場合は、前記膨張器の入口過熱度が予め定められた所定の過熱度閾値未満になった後で前記電動発電機のトルク指示値を0にして前記バイパス路を開放することを特徴とする。
【0007】
また、本開示の他の態様は、作動流体を送出する回転式のポンプと、前記ポンプが送出した前記作動流体を加熱流体との熱交換で蒸発させる蒸発器と、蒸発した前記作動流体を膨張させて回転することで機械仕事を得る膨張器と、膨張後の前記作動流体を凝縮して前記ポンプに送出する凝縮器と、前記蒸発器と前記凝縮器を直結する、前記作動流体の流路である開閉可能なバイパス路と、前記膨張器の回転軸に駆動軸が接続されて前記膨張器の回転で回生駆動する電動発電機を備える電力回生型ランキンサイクルシステムの制御方法であって、前記作動流体の温度と圧力、前記ポンプに流入する前記作動流体の流量、及び前記凝縮器に冷媒を圧送する圧送ポンプの流量のうち、全てが予め定められた所定の範囲内の場合は通常運転と判断し、少なくとも1つが前記所定の範囲外の場合は異常運転と判断する運転条件判断工程と、通常運転と判断した場合は前記バイパス路を閉鎖した状態を維持する閉鎖維持工程と、異常運転と判断した場合は、前記膨張器の入口過熱度が予め定められた所定の過熱度閾値未満になった後で前記電動発電機のトルク指示値を0にして前記バイパス路を開放する開放工程と、を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、異常発生時に安全に運転を停止できる電力回生型ランキンサイクルシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態に係るランキンサイクルシステムを備える内燃機関の概略構成を示す図である。
【
図2】飽和蒸気圧における作動流体の温度と圧力の関係を示す例である。
【
図3】本開示の実施形態に係るランキンサイクルシステムの制御方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づき本開示の実施形態を詳細に説明する。まず
図1及び
図2を参照して本開示の実施形態に係る電力回生型ランキンサイクルシステム3を備える内燃機関1の概略構成を説明する。
図1では内燃機関1としてディーゼルエンジンを例示する。
図1に示すように内燃機関1は吸気路5、燃焼室7、排気路9、後処理装置11、切替バルブ13、及び電力回生型ランキンサイクルシステム3を備える。
【0011】
吸気路5は内燃機関1の燃焼に必要な空気を導入する管路であり、一端が大気開放され、他端が燃焼室7に接続される。燃焼室7は空気を酸化剤として燃料を燃焼させて機械仕事を得る部屋であり、円筒状の気筒7aと、気筒7a内に上下動可能に配置された円柱状のピストン7bと、気筒7aの上端部である図示しないシリンダヘッドに囲まれた空間である。
【0012】
この構造では、吸気路5から燃焼室7に導入された空気を、ピストン7bで燃料の発火点以上に圧縮加熱し、図示しない燃料噴射装置から燃焼室7に燃料を噴射して燃料を自己発火させピストン7bを押し出すことで機械仕事を得る。ピストン7bには図示しないコンロッドやクランクが連結されており、上下動を回転運動に変換する。
【0013】
排気路9は燃焼室7での燃焼で生じた排ガスを排出する管路であり、一端が燃焼室7に接続され、他端が二股に分かれて大気開放される。二股に分かれた管路の一方は排ガスを電力回生型ランキンサイクルシステム3に送出する管路9aであり、他方は電力回生型ランキンサイクルシステム3を介さずに排ガスを大気放出する管路9bである。
【0014】
後処理装置11は排ガス中のNOx、微粒子、未燃燃料、一酸化炭素、可溶有機成分等の大気放出が規制される物質を無害化する装置であり、排気路9の中途で管路9a、9bの上流側に設けられる。具体的な後処理装置11としては、NOxを還元する触媒であるSCR(Selective Catalytic Reduction)、微粒子を捕集するフィルタであるDPF(Diesel Particulate Filter)、未燃燃料や一酸化炭素、可溶有機成分等を酸化する触媒であるDOC(Diesel Oxidation Catalyst)を含む装置を例示できる。
【0015】
切替バルブ13は後処理装置11を通過した排ガスを電力回生型ランキンサイクルシステム3に送出する管路9aか、電力回生型ランキンサイクルシステム3を介さずに大気放出する管路9bかの何れかの管路に切り替える弁体である。切替バルブ13は排気路9の後処理装置11の下流であって、排気路9が二股に分かれる分岐点に設けられる。切替バルブ13は電力回生型ランキンサイクルシステム3を駆動する場合は管路9aを開放して管路9bを閉鎖し、電力回生型ランキンサイクルシステム3を駆動しない場合は管路9aを閉鎖して管路9bを開放する。切替バルブ13の駆動は電力回生型ランキンサイクルシステム3の制御部29が制御してもよいし、内燃機関1の制御部が制御してもよい。
【0016】
電力回生型ランキンサイクルシステム3は作動流体の蒸発・膨張で生成する圧力を利用して機械仕事を得る熱サイクルを利用した原動機である。ここでは作動流体を蒸発させる熱源である加熱流体として内燃機関1の排ガスを用いている。
【0017】
図1に示すように電力回生型ランキンサイクルシステム3はフィードポンプ21、蒸発器23、膨張器25、凝縮器27、圧送ポンプ31、バイパス路51、電動発電機40、制御部29、及びタンク35を備える。電力回生型ランキンサイクルシステム3は排気流量センサ45、排気温度センサ47、作動流体温度センサ41、作動流体圧力センサ42、フィードポンプ流量センサ50も備える。電力回生型ランキンサイクルシステム3は膨張器回転数検出手段43、圧送ポンプ流量センサ44、及び膨張器出口温度センサ48も備える。
【0018】
フィードポンプ21は電力回生型ランキンサイクルシステム3の作動流体を送出する回転式のポンプである。フィードポンプ21は所望の流量の作動流体を送出でき、回転数を自動制御できる構造であれば公知の遠心ポンプやギアポンプを用いればよい。作動流体は沸点が内燃機関1の排ガスの温度以下で、電力回生型ランキンサイクルシステム3を構成する装置を腐食させない材料であれば適宜選択できる。一般にはエタノールが用いられるが、水やフロン系の流体でもよい。
【0019】
蒸発器23はフィードポンプ21が送出した作動流体を加熱流体との熱交換で蒸発させる装置であり、フィードポンプ21の出力部と管路で接続される。本実施形態では加熱流体が内燃機関1の排ガスであるため、蒸発器23は内燃機関1の排気路9の管路9aに接して設けられ、排ガスの熱を作動流体に伝達して蒸発させられるボイラである。
【0020】
膨張器25は蒸発器23で蒸発した作動流体を膨張させ機械仕事を得る装置であり、蒸発器23の出力部と管路で接続される。膨張器25は蒸発した作動流体から機械仕事を得られる構造であれば公知の構造を用いることができるが、作動流体の膨張力で回転するスクリュロータを有するスクリュー膨張器を例示できる。
【0021】
凝縮器27は膨張後の作動流体を冷却することで凝縮して液体に戻してフィードポンプ21に送出する装置であり、膨張器25の出力部及びフィードポンプ21の入力部と管路で接続される。凝縮器27は作動流体を所望の温度まで冷却できる構造であれば冷媒は公知のものを用いればよい。以下の説明では冷媒として冷却水を用いた水冷式の凝縮器27を例に説明する。
【0022】
圧送ポンプ31は凝縮器27に導入された作動流体を冷却する冷却水を凝縮器27に圧送するポンプである。より具体的には圧送ポンプ31は内燃機関1のラジエータやサブラジエータから送出された内燃機関1用の冷却水やインタークーラ用の冷却水を凝縮器27内に設けられた図示しない管体に圧送し、管体を介して冷却水と作動流体を熱交換させて作動流体を冷却する。圧送ポンプ31は凝縮器27内の作動流体を所望の温度に冷却できる程度の流量、圧力で冷却水を凝縮器27内に圧送できるのであれば、公知のポンプを用いればよい。
【0023】
バイパス路51は作動流体の流路の1つであり、蒸発器23と凝縮器27を直結する流路である。バイパス路51は流路の入口に設けられた弁体であるバイパス路バルブ53によって開閉可能な流路である。
図2ではバイパス路バルブ53として、蒸発器23から流入する作動流体を膨張器25かバイパス路51のいずれかに選択的に流出させる三方弁を例示している。バイパス路51は、電力回生型ランキンサイクルシステム3の動作時には基本的に閉鎖されているが、異常運転時には開放され、蒸発器23から排出された作動流体を、膨張器25を介さずに凝縮器27に送出する。
【0024】
電動発電機40は、膨張器25の回転で得られる機械仕事で駆動軸を回転させることで回生電力を生成する装置である。電動発電機40が生成した電力は図示しない蓄電池に充電される。電動発電機40は始動時のように膨張器25が機械仕事を出力していない場合は、始動を速めるために図示しない蓄電池から電力の供給を受けて力行する場合もあり、この場合、電動発電機40は電動機として機能する。
図1に示す電動発電機40は膨張器25の回転軸に駆動軸が同軸に接続され、膨張器25の機械仕事による動力が伝達される。ただし、ギヤ等を介して接続することで動力を伝達する構造でもよい。
【0025】
電動発電機40は電力回生型ランキンサイクルシステム3の運転時の膨張器25の回転数とトルクで電力を生成でき、かつ膨張器25の回転数を制御できる範囲のトルクを出力できるのであれば、公知の電動発電機を用いればよい。
【0026】
制御部29は電力回生型ランキンサイクルシステム3の動作を制御するコンピュータである。特に、電動発電機40のトルクとバイパス路51の開閉を制御する。より具体的には制御部29は電力回生型ランキンサイクルシステム3の運転が通常運転か異常運転かを判断し、異常運転と判断した場合に安全に動作を停止する制御を行う。通常運転とは、作動流体の温度と圧力、フィードポンプ21に流入する作動流体の流量、及び凝縮器27に冷媒を圧送する圧送ポンプ31の流量のうち、全てが予め定められた所定の範囲内で電力回生型ランキンサイクルシステム3が運転している場合を示す。なお、作動流体の温度と圧力は流路の位置によって異なる。具体的にはフィードポンプ21から送出された作動流体は蒸発器23を通過すると温度と圧力が上昇し、膨張器25を通過すると温度と圧力が低下し、凝縮器27を通過すると温度と圧力がさらに低下してフィードポンプ21に戻る。よって、通常運転における作動流体の温度と圧力が「予め定められた所定の範囲内」というのは、これらの一連の流路におけるすべての流路における温度と圧力が、その位置における「予め定められた所定の範囲内」であることを意味する。
【0027】
ただし実機では流路の全域の温度と圧力を検出することはできないため、温度と圧力が変化する地点の前後にセンサを配置して、センサの検出値の全てが「予め定められた所定の範囲内」であれば通常運転とみなす。また、作動流体は蒸発器23、膨張器25、凝縮器27を通過すると温度と圧力が変化するため、「予め定められた所定の範囲内」が具体的にどの程度かは温度と圧力を検出する位置により異なる。より具体的にはセンサによる検出地点に設けられた装置が損傷しない温度と圧力の範囲が「予め定められた所定の範囲内」である。
【0028】
一方で異常運転時とは、その状態で運転を続行した場合に電力回生型ランキンサイクルシステム3を構成する各装置が損傷する可能性がある状態を意味する。具体的には運転中に作動流体の温度と圧力、フィードポンプ21に流入する作動流体の流量、及び凝縮器27に冷媒を圧送する圧送ポンプ31の流量のうち、少なくとも1つが予め定められた所定の範囲外である場合を示す。なお、ここでいう異常運転時とは、運転中の異常を示すものであるため、始動時のように電力回生型ランキンサイクルシステム3が機械仕事を出力していない場合は含まれない。
【0029】
制御部29は通常運転と判断した場合はバイパス路51を閉鎖した状態を維持する。この状態では作動流体は蒸発器23、膨張器25、凝縮器27、及びフィードポンプ21を循環しつつ、膨張器25で機械仕事を生成して電動発電機40を回生駆動させて電力を得ることで排ガスからエネルギーを回収する。
【0030】
一方で制御部29は異常運転と判断した場合は、電力回生型ランキンサイクルシステム3を安全に停止する。具体的には、膨張器25の入口過熱度が予め定められた所定の過熱度閾値未満になった後で電動発電機40のトルク指示値を0にして、バイパス路バルブ53を制御してバイパス路51を開放する。この際、作動流体が膨張器25に流れ込まないようにバイパス路バルブ53を制御する。膨張器25の入口過熱度が過熱度閾値未満になった後で電動発電機40のトルク指示値を0にして、バイパス路51を開放する理由は以下の通りである。
【0031】
まずトルク指示値を0にするタイミングについて説明する。異常が発生した場合は、電力回生型ランキンサイクルシステム3の動作を停止する必要があり、膨張器25の回転を停止する必要がある。一方で膨張器25は回転数を直接制御できないため、膨張器25の回転を停止させる際には電動発電機40の指示トルクを0にすることで膨張器25の回転を停止させる必要がある。しかしながら指示トルクを0にした際に、膨張器25の過熱度が高く膨張器25を回転させるエネルギーを作動流体が持っている場合、指示トルクを0にした状態で膨張器25は回転する。この状態では無負荷で膨張器25が回転するが、膨張器25は自身や他の装置の損傷を防ぐために無負荷運転が禁止されている。そのため異常検知と同時に指示トルクを0にすることはできない。そこで本実施形態では、制御部29が異常運転と判断した場合は膨張器25の入口過熱度が過熱度閾値未満になった後で電動発電機40のトルク指示値を0にする。過熱度閾値とは、膨張器25の運転最低過熱度、つまり膨張器25が運転できる過熱度の下限である。膨張器25の入口過熱度が過熱度閾値未満の場合は膨張器25を回転させるエネルギーを作動流体が持っていないため、指示トルクを0にしても膨張器25が回転して無負荷運転になることはない。これが膨張器25の入口過熱度が過熱度閾値未満になった後で電動発電機40のトルク指示値を0にする理由である。
【0032】
なお、入口過熱度とは膨張器25に導入される作動流体の蒸気温度が飽和水蒸気圧の温度から何度高いかを示す値である。飽和水蒸気圧における温度と圧力の関係が
図2に示す関係にある場合、膨張器25に導入される作動流体の蒸気の圧力がPvの場合、飽和蒸気圧における温度はTvとなる。このTvを膨張器25に導入される作動流体の温度から引いた値が入口過熱度である。
【0033】
次に、バイパス路51を開放するタイミングについて説明する。異常運転時は膨張器25の回転を停止する必要がある。そのため、膨張器25に作動流体が流れ込まないようにバイパス路51を開放し、蒸発器23から排出された作動流体を、膨張器25を介さずに凝縮器27に送出する。一方で異常発生時に入口過熱度が過熱度閾値以上の場合にバイパス路51を開放し、蒸発器23から排出された作動流体を、膨張器25を介さずに凝縮器27に送出すると、通常運転時を超える温度、圧力の作動流体が凝縮器27に流れ込む。これにより凝縮器27が損傷する可能性がある。これは、通常運転時には膨張器25を通過した作動流体は通過前よりも温度と圧力が下がるのに対し、膨張器25を介さずに凝縮器27に送出された作動流体は温度と圧力が下がらないためである。よって本実施形態では膨張器25の入口過熱度が過熱度閾値未満になった後でバイパス路51を開放する。入口過熱度が過熱度閾値未満の作動流体は膨張器25を回転させるエネルギーを持っていないため、通常運転時に膨張器25に流れ込む作動流体の温度、圧力と大きな差がないためである。
【0034】
このように、制御部29は異常運転と判断した場合は膨張器25の入口過熱度が過熱度閾値未満になった後で電動発電機40のトルク指示値を0にして、バイパス路バルブ53を制御してバイパス路51を開放する。よって異常発生時に膨張器25が無負荷運転にならず、かつ通常運転時よりも高温、高圧の作動流体が凝縮器27に流れ込むことも無いので、異常発生時に安全に運転を停止できる。
【0035】
一方で制御部29は異常運転と判断した場合に直ちに電動発電機40の指示トルクを0にすることはできないが、作動流体の過熱度を早く下げられるような指示トルクで電動発電機40を制御するのが好ましい。
【0036】
そこで、制御部29は異常運転と判断した場合は、膨張器25の入口過熱度が予め定められた所定の過熱度閾値未満になるまでの間、回転数が一定に維持される指示トルクで電動発電機40を制御するのが好ましい。具体的には蒸発器23に入力される加熱流体である排ガスの熱量に基づき膨張器25が回転可能な最低回転数が維持されるように電動発電機40のトルクを制御するのが好ましい。排ガスの熱量を示す物理量としては排気温度と排気流量を用いることができる。
図1の膨張器25は電動発電機40と駆動軸が同軸に接続されているため、電動発電機40の回転数は膨張器25の回転数と同じである。一方で所定のギヤ比のギヤを介して電動発電機40と膨張器25が接続されている場合、電動発電機40と膨張器25の回転数はギヤ比に応じた値になる。
【0037】
このように、制御部29が異常運転時に電動発電機40と膨張器25の回転数を最低回転数に維持することで、無負荷運転にならない範囲で、かつ作動流体の過熱度を下げられる範囲に回転数が維持されるため、作動流体の過熱度を早く下げられる。
【0038】
また、異常運転時に電力回生型ランキンサイクルシステム3を完全に停止するためには電動発電機40のトルクが0になり、バイパス路51が開放されるだけでなく、フィードポンプ21の回転も停止する必要がある。一方で、作動流体の温度・圧力が十分に低下しない状態でフィードポンプ21を停止すると、高温の作動流体が滞留して、滞留した位置に設置された流路や装置を損傷させる可能性がある。
【0039】
そこで制御部29は、電動発電機40のトルク指示値を0にしてバイパス路51を開放した後で、膨張器25の出口温度である膨張器出口温度が予め定められたポンプ停止閾値未満に下がった場合にフィードポンプ21の回転を停止するのが好ましい。ここでいう膨張器出口温度とは膨張器25及びバイパス路51から送出される作動流体の温度である。また、ポンプ停止閾値とは、フィードポンプ21を停止すると電力回生型ランキンサイクルシステム3を構成する各装置、特に凝縮器27が損傷する可能性がある膨張器出口温度の下限である。
【0040】
このように制御部29はバイパス路51を開放して電動発電機40の指示トルクを0にした後で膨張器25の出口温度である膨張器出口温度がポンプ停止閾値未満に下がった場合にポンプの回転を停止するのが好ましい。この構成では、高温・高圧の流体が凝縮器27等の装置や流路に滞留する可能性がなくなった時点でフィードポンプ21の回転を停止するため、高温・高圧の流体が凝縮器27等の装置や流路に滞留して損傷させる可能性が益々低下する。
【0041】
制御部29は通常運転か異常運転かを判断するための作動流体の温度・圧力、フィードポンプ21に流入する作動流体の流量、及び圧送ポンプ31が圧送する冷却水の流量を示す信号が入力されるように構成されている。制御部29は過熱度を求めるための、膨張器25に導入される作動流体の温度及び圧力を示す信号が出力されるようにも構成されている。
【0042】
制御部29は電動発電機40と電気的に接続され、トルク指示値を入力できるように構成されている。制御部29は膨張器25が回転可能な最低回転数が維持されるように電動発電機40のトルクを制御するために、膨張器25の回転数を示す信号、加熱流体の流量である排気流量を示す信号、及び加熱流体の温度である排気温度を示す信号が入力される。制御部29は異常運転時にフィードポンプ21を停止するタイミングを決めるために、膨張器25の出口温度を示す信号が入力されるようにも構成されている。
【0043】
タンク35は作動流体を貯留する容器であり、凝縮器27とフィードポンプ21の間の流路に設けられる。タンク35は凝縮器27で液体に戻った作動流体を貯留してフィードポンプ21の駆動によって作動流体をフィードポンプ21に送出する。
【0044】
排気流量センサ45は加熱流体である排ガスの流量としての排気流量を検出するセンサであり、ここでは内燃機関1の排気路9に設けられて排ガスの流量を検出するセンサである。排気流量センサ45は制御部29と電気的に接続されており、検出した排気流量を示す信号を制御部29に送信する。これは、制御部29は加熱流体の流量に基づき膨張器25の最低回転数を算出するためである。排気流量センサ45は公知の流量センサを用いればよい。
【0045】
排気温度センサ47は加熱流体である排ガスの温度としての排気温度を検出するセンサであり、
図1では蒸発器23への排ガスの入口となる排気路9の管路9aに設けられる。排気温度センサ47は制御部29と電気的に接続されており、検出した温度を示す信号を制御部29に送信する。これは、制御部29は加熱流体の温度に基づき膨張器25の最低回転数を算出するためである。排気温度センサ47は排ガス中の物質で腐食せず、所望の精度で排気温度を検出できるのであれば公知の温度センサを用いることができる。
【0046】
作動流体温度センサ41は作動流体の温度を検出するセンサであり、制御部29と電気的に接続されて検出値を出力する。これは、制御部29は作動流体の温度に基づき正常運転か異常運転かを判断するためである。ここでは作動流体温度センサ41として、膨張器25の入口に設けられて膨張器25に流入する作動流体の温度を検出する温度センサを例示しているが、他の装置に流入/流出する作動流体の温度を検出する図示しない温度センサも設けられる。作動流体温度センサ41は作動流体で腐食せず、所望の精度で温度を求められるのであれば、公知の温度センサを用いることができる。
【0047】
作動流体圧力センサ42は作動流体の圧力を検出するセンサであり、制御部29と電気的に接続されて検出値を出力する。これは、制御部29は作動流体の圧力に基づき正常運転か異常運転かを判断するためである。ここでは作動流体圧力センサ42として、膨張器25の入口に設けられて膨張器25に流入する作動流体の圧力を検出する圧力センサを例示しているが、他の装置に流入/流出する作動流体の圧力を検出する図示しない圧力センサも設けられる。作動流体圧力センサ42は作動流体で腐食せず、所望の精度で作動流体の圧力を求められるのであれば公知の圧力センサを用いればよい。
【0048】
フィードポンプ流量センサ50はフィードポンプ21に流入する作動流体の流量を検出するセンサであり、制御部29と電気的に接続されて検出値を出力する。これは、制御部29はフィードポンプ21に流入する作動流体の流量に基づき正常運転か異常運転かを判断するためである。ここではフィードポンプ流量センサ50として、フィードポンプ21の入口に設けられた流量計を例示している。フィードポンプ流量センサ50は作動流体で腐食せず、所望の精度で作動流体の流量を求められるのであれば公知の流量計を用いればよい。
【0049】
膨張器回転数検出手段43は膨張器25の回転数を検出するセンサであり、制御部29と電気的に接続されて検出値を出力する。これは、制御部29は異常運転時に膨張器25の回転数を一定に維持するために膨張器25の回転数の検出値を用いるためである。
図1では膨張器回転数検出手段43として回転計を例示しているが、電動発電機40の回転数と膨張器25の回転数は、同軸の場合は同じであり、ギヤを介している場合はギヤ比に対応した回転数になる。そのため、電動発電機40の回転数から膨張器25の回転数を検出してもよい。
【0050】
圧送ポンプ流量センサ44は圧送ポンプ31が圧送する冷却水の流量を検出するセンサであり、制御部29と電気的に接続されて検出値を出力する。これは、制御部29は圧送ポンプ31が圧送する冷却水の流量に基づき正常運転か異常運転かを判断するためである。圧送ポンプ流量センサ44は冷却水で腐食せず、所望の精度で冷却水の流量を検出できるのであれば、公知の流量計を用いればよい。
【0051】
膨張器出口温度センサ48は膨張器出口温度を検出するセンサであり、制御部29と電気的に接続されて検出値を出力する。これは、制御部29は膨張器出口温度に基づき異常運転時にフィードポンプ21を停止するか否かを判断するためである。膨張器出口温度センサ48は作動流体で腐食せず、所望の精度で作動流体の圧力を求められるのであれば公知の流量計を用いればよい。以上が本開示の実施形態に係る電力回生型ランキンサイクルシステム3を備える内燃機関1の概略構成の説明である。
【0052】
次に本開示の本実施形態に係る電力回生型ランキンサイクルシステム3の制御方法の一例について
図3を参照して説明する。まず前提として電力回生型ランキンサイクルシステム3が運転中で、バイパス路51が閉鎖されているとする。
【0053】
この状態では制御部29は、作動流体温度センサ41、作動流体圧力センサ42、フィードポンプ流量センサ50、圧送ポンプ流量センサ44、膨張器出口温度センサ48の検出値を取得する。さらに取得した検出値から運転状態が通常運転か異常運転かを判断する(
図3のS1、運転条件判断工程)。具体的には、作動流体の温度と圧力、フィードポンプ21に流入する作動流体の流量、及び凝縮器27に冷媒を圧送するポンプの流量のうち、全てが予め定められた所定の範囲内の場合は通常運転と判断する。一方で少なくとも1つが所定の範囲外の場合は異常運転と判断する。S1で通常運転と判断した場合、制御部29はS2に進み、異常運転と判断した場合はS3に進む。
【0054】
S1で通常運転と判断した場合、制御部29はバイパス路51を閉鎖した状態を維持してS1に戻る(
図3のS2、閉鎖維持工程)。また、フィードポンプ21の回転数や電動発電機40のトルク指示は、電力回生型ランキンサイクルシステム3に入力される排ガスの熱量に基づき、適宜設定する。
【0055】
S1で異常運転と判断した場合は、制御部29は電動発電機40を制御して膨張器25の回転数を一定にする(
図3のS3)。具体的には、まず制御部29は排気流量センサ45が検出した排気温度と排気温度センサ47が検出した排気流量に基づき膨張器25の最低回転数を求め、次に膨張器回転数検出手段43の検出値から実回転数を求める。制御部29はさらに、膨張器25の回転数が最低回転数に維持されるように最低回転数と実回転数の差を0にするようにフィードバック制御等で電動発電機40のトルクを指示する。この際、必要に応じて切替バルブ13を制御して管路9aから電力回生型ランキンサイクルシステム3に送出される排ガスの流量を減らす等して、作動流体の温度や圧力を下げる制御を行っても良い。
【0056】
電動発電機40のトルクを指示すると、制御部29は膨張器25に導入される作動流体の温度と圧力を作動流体温度センサ41と作動流体圧力センサ42に検出させ、検出値から入口過熱度を求める。さらに制御部29は求めた入口過熱度が過熱度閾値未満か否かを判断し、過熱度閾値未満の場合はS5に進み、過熱度閾値以上の場合はS3に戻る(
図4のS4)。S5で入口過熱度が過熱度閾値未満と判断した場合、制御部29は電動発電機40のトルク指示値を0にしてバイパス路51を開放する(
図3のS5、開放工程)。
【0057】
次に制御部29は膨張器出口温度センサ48の検出値を取得して、膨張器25の出口温度がポンプ停止閾値未満であるか否かを判断し、ポンプ停止閾値未満の場合はS7に進み、ポンプ停止閾値以上である場合はS8に進む(
図3のS6)。
【0058】
S6で膨張器25の出口温度がポンプ停止閾値未満と判断した場合、制御部29はフィードポンプ21の回転を停止して終了する(
図3のS7)。S6で膨張器25の出口温度がポンプ停止閾値以上と判断した場合、制御部29はフィードポンプ21の回転を停止せずにS6に戻る(
図3のS8)。以上が本開示の実施形態に係る電力回生型ランキンサイクルシステム3の制御方法の一例の説明である。
【0059】
このように本開示の実施形態に係る電力回生型ランキンサイクルシステム3は、異常運転と判断した場合は、膨張器25の入口過熱度が予め定められた所定の過熱度閾値未満になった後で電動発電機40のトルク指示値を0にしてバイパス路51を開放する。
【0060】
そのため、異常発生時に膨張器25が無負荷運転にならず、かつ通常運転時よりも高温・高圧の作動流体が凝縮器27に流れ込むことも無いので、異常発生時に安全に運転を停止できる。
【0061】
以上、実施形態に基づき本開示を説明したが本開示は実施形態に限定されない。当業者であれば本開示の技術思想の範囲内において各種変形例及び改良例に想到するのは当然のことであり、これらも当然に本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1 :内燃機関
3 :電力回生型ランキンサイクルシステム
5 :吸気路
7 :燃焼室
7a :気筒
7b :ピストン
9 :排気路
9a :管路
9b :管路
11 :後処理装置
13 :切替バルブ
21 :フィードポンプ
23 :蒸発器
25 :膨張器
27 :凝縮器
29 :制御部
31 :圧送ポンプ
35 :タンク
40 :電動発電機
41 :作動流体温度センサ
42 :作動流体圧力センサ
43 :膨張器回転数検出手段
44 :圧送ポンプ流量センサ
45 :排気流量センサ
47 :排気温度センサ
48 :膨張器出口温度センサ
50 :フィードポンプ流量センサ
51 :バイパス路
53 :バイパス路バルブ