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  • 特開-ペット用マッサージ機 図1
  • 特開-ペット用マッサージ機 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152091
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ペット用マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20221004BHJP
   A01K 29/00 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
A61H7/00 323E
A61H7/00 320A
A61H7/00 300J
A01K29/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054734
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】521131384
【氏名又は名称】株式会社サルビア
(74)【代理人】
【識別番号】100118393
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 康裕
(72)【発明者】
【氏名】奈良 成二
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AD11
4C100AD21
4C100BA01
4C100BB02
4C100CA01
4C100CA20
4C100DA05
4C100EA09
4C100EA13
(57)【要約】
【課題】本発明は、ペットに対するマッサージにおいて、人間が労力や時間を費やす必要がなく、また、効果的なマッサージが行えるようしたペット用マッサージ機を提供することを目的とする。
【解決手段】ペット用マッサージ機1は、脊椎Vの両側に位置するように配置された複数の揉み玉10と、揉み玉10を動かすために揉み玉10毎に備わる駆動部20と、駆動部20を制御する制御部30と、駆動部20及び制御部30のための電源部40と、これら揉み玉10、駆動部20、制御部30、電源部40を収納すると共に、四足動物である犬の胴体に着脱可能な装着部50と、で構成され、この構成によりわざわざ人間が労力や時間を費やす必要がなく、また、装着するだけで、効果的なマッサージを行うことができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四足動物における脊椎の両側に位置するように配置された揉み玉と、
前記揉み玉を動かす駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
前記駆動部及び前記制御部のための電源部と、
前記揉み玉、前記駆動部、前記制御部、前記電源部を収納すると共に、前記四足動物に着脱可能な装着部と、
を備えるペット用マッサージ機。
【請求項2】
前記脊椎を挟んで向かい合う前記揉み玉によって揉み玉部を構成することを特徴とする請求項1に記載のペット用マッサージ機。
【請求項3】
前記装着部は、着脱固定部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のペット用マッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペット用マッサージ機に関し、より詳しくはペットに装着させて使用するペット用マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
人間等は脊椎動物である。このように脊柱を有する脊椎動物は、脊椎より神経が出てきて、脊椎を中心に体が形成される。そのため脊椎が多くの筋の付着部となる。また、脊椎は、神経節、交感神経管、副交感神経管等の神経の集合体も形成されることから、非常に重要である。このような脊椎は、常に強いストレスにさらされる部位でもあるため、東洋医学的には脊椎の近くには多くの経穴、所謂ツボが集まっている。これは人間に限ったことではなく、犬や猫等の四足動物のペットも同じである。
また、四足動物は常に頭部の重さが頸椎に加わっている。したがって、四足動物の頸椎はとても強いストレスに曝されている
人間であればこのようなストレスに対する対処法の1つにマッサージがあり、様々なマッサージ機やマッサージ道具が製品化されている。
一方、ペットにも特許文献1~4にあるようなペット用のマッサージに関する発明が複数出願されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-333999号公報
【特許文献2】実用新案登録第3119277号公報
【特許文献3】特開2014-054310号公報
【特許文献4】特開2020-000293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に記載されているものは、ペットのツボの位置がわかるというだけなので、マッサージそのものは人間が行わなければならないため大変である。特に今後ペットの飼い主も高齢者が増えていく中で、人間自身によるペットへのマッサージは重労働となる。
【0005】
また、特許文献3、4に記載されているものも、マッサージ用の道具であることから、人間の手で直接マッサージを行う場合に比べると多少は人間にとって楽になるかもしれないが、マッサージのために時間も労力も必要となる。更には、特許文献3、4のような道具を用いる場合、使用者自身がペットのツボを知っていなければ、そのマッサージによる効果も半減してしまうことになる。
【0006】
そこで、本発明は、ペットに対するマッサージにおいて、人間が労力や時間を費やす必要がなく、また、効果的なマッサージが行えるようしたペット用マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のペット用マッサージ機は、四足動物における脊椎の両側に位置するように配置された揉み玉と、前記揉み玉を動かす駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、前記駆動部及び前記制御部のための電源部と、
前記揉み玉、前記駆動部、前記制御部、前記電源部を収納すると共に、前記四足動物に着脱可能な装着部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明のペット用マッサージ機によれば、マッサージを行う揉み玉が駆動部で動く構成となっているため、わざわざ人間が労力や時間を費やす必要がなく、また、揉み玉が脊椎の両側に位置するように配置された構成となっているため、ペット用マッサージ機をペットに装着するだけで、効果的なマッサージを行うことができる。
【0009】
また、本発明の一つの態様に係るペット用マッサージ機は、前記脊椎を挟んで向かい合う前記揉み玉によって揉み玉部を構成することを特徴とする。本発明のペット用マッサージ機によれば、向かい合う揉み玉による連携動作によって、より複雑なマッサージ動作を実現でき、またマッサージ効果を高めることができる。
【0010】
また、本発明の一つの態様に係るペット用マッサージ機は、前記装着部は、着脱固定部を備えていることを特徴とする。本発明のペット用マッサージ機によれば、ペット用マッサージ機をペットに装着させた際に、装着状態が安定することになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1Aは実施形態1のペット用マッサージ機の構成を示した平面概念図であり、図1Bはその側面概念図である。
図2図2Aは実施形態2のペット用マッサージ機の構成を示した平面概念図であり、図1Bは揉み玉部の動きを示した概念図である。
図3】変形例のペット用マッサージ機の構成を示した平面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態及び図面を参照にして本発明を実施するための形態を説明するが、以下に示す実施形態は、本発明をここに記載したものに限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。なお、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。
[実施形態1]
【0013】
図1を用いて、本実施形態のペット用マッサージ機1の要部を説明する。図1Aは実施形態1のペット用マッサージ機1の構成を示した平面概念図であり、図1Bは側面概念図である。
【0014】
ペット用マッサージ機1は、四足動物、具体的には犬や猫の胴体や首に巻き付けるように装着して使用する。なお、この実施形態では胴体に巻き付けて使用するペット用マッサージ機1として説明する。そして、図1では、ペット用マッサージ機1を犬の胴体に装着する場合の例として示している。
【0015】
ペット用マッサージ機1は、犬の脊椎V、より具体的には胸椎の位置に装着する。この状態において、ペット用マッサージ機1は、脊椎Vの両側に位置するように配置された複数の揉み玉10と、揉み玉10を動かすために揉み玉10毎に備わる駆動部20と、駆動部20を制御する制御部30と、駆動部20及び制御部30のための電源部40と、これら揉み玉10、駆動部20、制御部30、電源部40を収納すると共に、四足動物である犬の胴体に着脱可能な装着部50と、で構成されている。
【0016】
揉み玉10は、既にある人間用のマッサージ機で使用されているものと同じものを用いることができる。なお、当然ながら大きさはペット用として小型化しても構わない。この複数の揉み玉10は、図1Aに示すように平面視において脊椎Vと重ならないよう、そして脊椎Vの両側に沿って配置されている。また、揉み玉10が脊椎Vの両側に配置されることによって、図1Bに示すように揉み玉10が脊椎Vを挟み込むような位置になるため、装着された犬の胴体からペット用マッサージ機1がズレ難くなる。
【0017】
揉み玉10毎に備わっている駆動部20についても、人間用のマッサージ機で揉み玉を動かす機構と同様となっている。そして、この駆動部20によって、揉み玉10は、振動動作や移動動作、回転動作等を行うことになり、この動作でマッサージが行われることになる。
【0018】
なお、揉み玉10の動作としては、図1Bの平面方向Hでの動作のように、脊椎Vへ近づいたり離れたりする動作もあるが、垂直方向Pの動作のように犬の胴体側へ近づいたり離れたりする動作の方が押し込むような動作となるため、犬に対するマッサージの効果が高まり好ましい。また、図1では揉み玉10を球体で示しているが、当然ながらこの形状に限定されるわけではない。
【0019】
制御部30は、駆動部20の動きを制御するものであり、図示していないメモリに記憶されている各種のプログラムに基づいて処理を行う。なお、駆動部20と制御部30との間は配線31によって接続されている。
【0020】
電源部40は、駆動部20や制御部30を動作させるための電力を供給するためのものである。電源部40としては、家庭用電源を用いることもできるが、充電可能な電池が好ましい。なお、電源部40で供給される電力は、例えば、揉み玉10自体が温まる構成の場合に、揉み玉10を温めるために用いることもできる。
【0021】
装着部50は、駆動部20、制御部30、電源部40を収納しておく収納部として機能する。このため装着部50は、図1Bに示すように表地51と裏地52で構成することができる。なお、裏地52に開口を設け、この開口から揉み玉10の一部が露出するような構成でも構わない。このような構成の場合、揉み玉10の表面はコーティング等により弾力性を持たせておくとよい。
【0022】
また、装着部50は、犬の胴体に装着する装着部としても機能する。このため装着部50は、ナイロンやポリエステル等の合成繊維を用い柔軟性を備えた布状やメッシュ状の生地で構成されている。また、装着部50の両端には簡単に脱げないよう固定しておくための着脱固定部53を備えている。この着脱固定部53としては、固定が容易な面ファスナーを用いることができるが、ボタン状のものや、ベルトのバックルのようなものを用いることもできる。
【0023】
また、装着する犬の大きさや、使用時の犬の姿勢も様々であるため、装着部50は適度な伸縮性を有していることが好ましい。この伸縮性は、装着部50の材質そのもので実現してもよく、また、着脱固定部53の構成によっても実現することができる。
【0024】
ペット用マッサージ機1は、以上のような構成となっている。そして、マッサージを行う揉み玉10が駆動部20で動く構成となっているため、わざわざ人間が労力や時間を費やす必要がない。また、揉み玉10が脊椎Vの両側に位置するように配置された構成となっているため、ペット用マッサージ機1を犬に装着するだけで、効果的なマッサージを行うことができる。
【0025】
なお、制御部30や電源部40は、図1Aに示すように、着脱部50の一方の着脱固定部53の近くに配置されている。このような位置に制御部30や電源部40が位置することによって、装着時のペット用マッサージ機1の位置が安定し易い。特に、ペット用マッサージ機1を使用している際、犬の姿勢は様々な姿勢になる。したがって、装着時に揉み玉10とちょうど反対側に位置するような場所に制御部30や電源部40が配置されることで、ペット用マッサージ機1が安定し易くなる。
[実施形態2]
【0026】
次に第2実施形態のペット用マッサージ機について説明する。図2Aはペット用マッサージ機1Aの構成を示した平面概念図であり、図2Bは揉み玉部11における揉み玉10Aの動きを断面状態で示した概念図である。なお、第2実施形態のペット用マッサージ機1Aにおいては、第1実施形態のペット用マッサージ機1と構成が同一の部分については同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略し、構成が異なる同一名の部分については参照符号に添え字「A」を付す。
【0027】
ペット用マッサージ機1Aは、第1実施形態のペット用マッサージ機1と同様に、脊椎Vの両側に位置するように配置された複数の揉み玉10Aと、揉み玉10Aを動かすための駆動部20Aと、駆動部20Aを制御する制御部30と、駆動部20A及び制御部30のための電源部40と、これら揉み玉10A、駆動部20A、制御部30、電源部40を収納すると共に、四足動物である犬の胴体に着脱可能な装着部50と、で構成されている。
【0028】
そして、ペット用マッサージ機1Aは、脊椎Vを挟んで対向する2つの揉み玉10Aによって揉み玉部11を構成しており、この2つの揉み玉部11が駆動部20Aによって動く構成となっている。
【0029】
駆動部20Aは、図2Bに一例として示すように本体21の両端から駆動アーム22がそれぞれ伸びており、駆動アーム22に揉み玉10Aが取り付けられた構成となっている。そして、駆動アーム22は軸23を支点として、矢印のように揺動する。
【0030】
このように、2つの揉み玉10Aで揉み玉部11を構成することにより、向き合う揉み玉10Aの連携動作によって実施形態1よりも複雑なマッサージ動作を実現することができる。例えば、揉み玉部11の2つの揉み玉10Aが、矢印で示すように同時に互いに近づいたり離れたりする動作を行うことで、ペット用マッサージ機1Aは脊椎Vに向かって揉むように押し込むマッサージ動作を行うことができる。このような動きは、例えば、人間が犬の脊椎Vの周りを両側から摘まむような動作に近いものとなる。また、同時に近づいたり離れたりする動作ではなく、別々に近づいたり離れたりする動作とすることもできる。なお、連携するような動作ではなく、それぞれ異なる動きとすることもできる。
【0031】
また、揉み玉部11は、脊椎Vを挟んで向かい合う揉み玉10Aによって揉み玉部11が構成されているため、脊椎Vを支点に両側に揉み玉10Aがバランスよく位置することになり、装着時にペット用マッサージ機1Aが安定することになる。
【0032】
なお、図2のペット用マッサージ機1Aでは、脊椎Vを挟んで同じ位置で向かい合う2つの揉み玉10Aによって揉み玉部11を構成している例を示しているが、脊椎Vを挟んで向かい合う揉み玉10Aが、例えば互い違いの位置で向き合っていても構わない。
[変形例]
【0033】
実施形態においてペット用マッサージ機1は、犬の胴体に巻き付けるように装着するものとして説明したが、犬に限定されるわけではなく、当然ながら猫等、他の四足動物に使用しても構わない。
また、胴体に巻き付けるだけでなく、脊椎Vとして頸椎の位置である首に巻き付けても構わない。
【0034】
そして、このように巻き付ける対象や位置によって、ペット用マッサージ機1の大きさは大きく変わってくるので、装着部50の構造によるサイズ調整が難しければ、例えば、首用のマッサージ機と胴体用のマッサージ機として別々に構成することもできる。また、サイズにあわせて、ペット用マッサージ機1は揉み玉10の数を増減させて構わない。
【0035】
また、ペット用マッサージ機1の使用時、ペットの姿勢は様々となる。このような様々な姿勢に対応できるように、図3に示すように、ペット用マッサージ機1Bを複数の装着部50Bで構成しておくことで、個々の装着部50Bがペットの姿勢に追従し易くしてもよい。
【0036】
なお、図3のペット用マッサージ機1Bにおいては、脊椎Vを挟んで対向する4つの揉み玉10Bによって揉み玉部11Bを構成しており、揉み玉部11Bが駆動部20Bによって動く例を示している。また、揉み玉部11Bにおける揉み玉10Bの個数は図2図3のように2つや4つに限定されるわけではない。
【符号の説明】
【0037】
1、1A、1B:ペット用マッサージ機
10、10A、10B:揉み玉
11、11B:揉み玉部
20、20A、20B:駆動部
30:制御部
40:電源部
50、50B:装着部
53:着脱固定部
図1
図2
図3