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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152235
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】積層コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/04 20060101AFI20221004BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
H01F17/04 F
H01F17/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054929
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】大島 由也
(72)【発明者】
【氏名】小森田 健二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 多之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雄大
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 武尊
(72)【発明者】
【氏名】大澤 滋
(72)【発明者】
【氏名】石井 雄大
(72)【発明者】
【氏名】角田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】小澤 翼
(72)【発明者】
【氏名】吉野 真
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB10
5E070BA12
5E070CB02
5E070CB13
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】
【課題】クラックによるコイルの分裂の抑制が図られた積層コイル部品を提供する。
【解決手段】積層コイル部品10において、空孔部30は、素体12の側面12dの近傍に設けられており、外部電極14A、14Bの先端位置Pから空孔部30までの距離D1が、外部電極14A、14Bの先端位置Pからコイル20までの距離D2よりも短くなるように設計されている。そのため、素体12の実装面12dにおける外部電極14A、14Bの先端位置Pを起点にクラックが生じた場合には、クラックは、コイル20よりも近い距離にある空孔部30に向かって進行する。そのため、積層コイル部品10においては、クラックがコイル20を分裂する事態が抑制され得る。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数の層を含み、前記複数の層の積層方向に対して平行な実装面と、前記複数の層の積層方向に対して平行な第1方向において互いに対向する一対の端面とを有する素体と、
前記素体内に設けられ、前記第1方向に対して平行なコイル軸を有するコイルと、
前記素体の端面のそれぞれから前記実装面まで連続的に延びる一対の外部電極と、
前記コイルと前記端面との間に位置する前記素体の層に貫設され、前記コイルの端部と電気的に接続されるとともに前記素体の端面から露出して前記外部電極と接続される一対の引出導体と、
前記引出導体が貫設された層に設けられた脆弱部と
を備え、
前記実装面に対して直交するとともに前記コイル軸に対して平行な断面において、前記実装面における前記外部電極の先端位置から前記脆弱部までの距離が、前記実装面における前記外部電極の先端位置から前記コイルまでの距離より短い、積層コイル部品。
【請求項2】
前記脆弱部が、前記第1方向に対して平行に延びる長尺形状を有する、請求項1に記載の積層コイル部品。
【請求項3】
複数の前記脆弱部が、前記一対の端面の一方と前記コイルとの間に位置する前記素体の層に設けられている、請求項1または2に記載の積層コイル部品。
【請求項4】
前記実装面に対して直交するとともに前記コイル軸に対して平行な断面において、前記コイル軸に関する前記実装面の側および前記実装面とは反対側のそれぞれに、前記脆弱部が設けられている、請求項3に記載の積層コイル部品。
【請求項5】
前記脆弱部が前記素体の層を貫く空孔である、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層コイル部品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、積層構造を有する素体内に、積層方向に対して平行なコイル軸を有するコイルが設けられた積層コイル部品が知られている。下記特許文献1には、積層コイル部品が実装される基板に対してコイルのコイル軸が平行となる姿勢で、積層コイル部品を基板上にはんだ実装した構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-173197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術に係る積層コイル部品においては、実装された基板に撓みが生じたとき、基板の撓みに応じた撓み応力が素体内に生じ、基板と対面する素体の実装面を起点としてクラックが生じ得る。このクラックは素体の層に対して平行に進行しやすく、コイルの分裂が起こり得る。
【0005】
本発明の一側面は、クラックによるコイルの分裂の抑制が図られた積層コイル部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る積層コイル部品は、積層された複数の層を含み、複数の層の積層方向に対して平行な実装面と、複数の層の積層方向に対して平行な第1方向において互いに対向する一対の端面とを有する素体と、素体内に設けられ、第1方向に対して平行なコイル軸を有するコイルと、素体の端面のそれぞれから実装面まで連続的に延びる一対の外部電極と、コイルと端面との間に位置する素体の層に貫設され、コイルの端部と電気的に接続されるとともに素体の端面から露出して外部電極と接続される一対の引出導体と、引出導体が貫設された層に設けられた脆弱部とを備え、実装面に対して直交するとともにコイル軸に対して平行な断面において、実装面における外部電極の先端位置から脆弱部までの距離が、実装面における外部電極の先端位置からコイルまでの距離より短い。
【0007】
上記積層コイル部品において、素体の実装面における外部電極の先端位置を起点にクラックが生じた場合、クラックは、コイルに向かって進行せず、コイルよりも近い距離にある脆弱部に向かって進行する。それにより、クラックがコイルを分裂する事態が効果的に抑制されている。
【0008】
他の側面に係る積層コイル部品は、脆弱部が、第1方向に対して平行に延びる長尺形状を有する。
【0009】
他の側面に係る積層コイル部品は、複数の脆弱部が、一対の端面の一方とコイルとの間に位置する素体の層に設けられている。
【0010】
他の側面に係る積層コイル部品は、実装面に対して直交するとともにコイル軸に対して平行な断面において、コイル軸に関する実装面の側および実装面とは反対側のそれぞれに、脆弱部が設けられている。
【0011】
他の側面に係る積層コイル部品は、脆弱部が素体の層を貫く空孔である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の種々の側面によれば、クラックによるコイルの分裂の抑制が図られた積層コイル部品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る積層型インダクタを示す斜視図である。
図2図1に示した積層コイル部品を示す断面図である。
図3図1に示した素体の積層状態を示す分解斜視図である。
図4図2、3に示した空孔が設けられた磁性体層を示す平面図である。
図5図2に示した積層コイル部品が実装されたときの様子を示す断面図である。
図6図5の要部を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しつつ本発明を実施するための形態を説明する。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0015】
図1~3を参照して、実施形態に係る積層コイル部品の構成について説明する。図1に示すように、実施形態に係る積層コイル部品10は、素体12および一対の外部電極14A、14Bを備えて構成されている。
【0016】
素体12は、略直方体状の外形を有し、素体12の延在方向において互いに対向する一対の端面12a、12bを有する。素体12は、端面12a、12bの対向方向に延在して端面12a、12b同士を結ぶ4つの側面12c~12fをさらに有する。本実施形態においては、側面12dは、積層コイル部品10が実装された際に実装基体と対向する実装面であり、側面12dと対向する側面12cは、実装された際に頂面となる。素体12の寸法は、端面12a、12bの対向方向に関する寸法を長さ、側面12e、12fの対向方向に関する寸法を幅、側面12c、12dの対向方向に関する寸法を厚さとすると、一例として長さ0.7mm×幅0.3mm×厚さ0.45mmである。
【0017】
素体12は、磁性体16の内部に内部導体18が設けられた構成を有する。素体12は積層構造を有する。磁性体16は、複数の磁性体層17が端面12a、12bの対向方向に積層された積層構造を有する。本実施形態では、磁性体16は、素体12の積層方向から見て、側面12c、12dの対向方向に対して長辺が平行である長方形の外形を有する。以下の説明では、端面12a、12bの対向方向を、素体12の積層方向または第1方向とも称す。
【0018】
磁性体16は、たとえばフェライト等の磁性材料で構成されている。磁性体16は、磁性体層17となる磁性体シート(フェライトグリーンシート)または磁性体ペースト(たとえば、フェライトペースト)を複数重ねて焼成することで得られる。すなわち、素体12は、磁性体層17が複数積層された積層構造を有し、焼成された磁性体層17が積層された焼成素体である。素体12を構成する磁性体層17は、後述する各コイル層20b~20eが形成される磁性体層17A、後述する接続層20aが形成される磁性体層17B、後述する接続層20fが形成される磁性体層17C、後述する各引出層23が形成される磁性体層17Dで構成されている。一例として、素体12を構成する磁性体層17の層数は全体で50~60層であり、磁性体層17Aの層数は40~50層、磁性体層17Bと磁性体層17Cと磁性体層17Dとの層数は合計で10~20層である。素体12を構成する磁性体層17の層数は適宜増減することができる。実際の素体12では、複数の磁性体層17は、その層間の境界が視認できない程度に一体化されている。
【0019】
各磁性体層17の厚さについては、たとえば、磁性体層17Aの厚さが5~10μm、磁性体層17Bの厚さが5~10μm、磁性体層17Cの厚さが15~20μm、磁性体層17Dの厚さが15~20μmである。全ての磁性体層17が同一の厚さ(たとえば、20μm)でもよい。
【0020】
内部導体18は、一つのコイル20と、一対の引出導体22A、22Bとを備えて構成されている。内部導体18のコイル20および引出導体22A、22Bはいずれも、素体12の積層方向に関する積層構造を有する。
【0021】
コイル20は、図2に示すように、素体12の積層方向に対して平行なコイル軸Zを有し、コイル軸Z周りに巻回されている。本実施形態では、コイル20は、素体12の積層方向から見て、側面12c、12dの対向方向(第2方向)に対して長辺が平行である長方形環状を呈する。本実施形態では、コイル軸Zは、素体12の積層方向から見て、素体12の中心を通るように設計されている。
【0022】
本実施形態では、コイル20は、図3に示すように、接続層20a、20fと、4種類のコイル層20b~20eを含む。接続層20a、20fおよびコイル層20b~20eは、たとえばAg等の金属を含む導電材料で構成されている。コイル20は、印刷法によって形成される。具体的には、コイル20は、接続層20a、20fおよびコイル層20b~20eとなる導電ペースト(たとえば、Agペースト)を磁性体層17A~17Cとなるグリーンシート上に塗布して焼成することにより得られる。
【0023】
コイル層20b~20eはいずれも素体12の積層方向から見てU字状を呈し、コイル20のおよそ3/4ターン分を構成する。たとえば、コイル層20bは、素体12の積層方向から見て、長方形環状のコイル20の1対の短辺部分と1つの長辺部分とを含んだ形状を有する。コイル層20cは、素体12の積層方向から見て、長方形環状のコイル20の1対の長辺部分と1つの短辺部分とを含んだ形状を有する。コイル層20dは、コイル層20b同様、素体12の積層方向から見て、長方形環状のコイル20の1対の短辺部分と1つの長辺部分とを含み、コイル層20bとはコイル軸Zに関して点対称の関係を有する。コイル層20eは、コイル層20c同様、素体12の積層方向から見て、長方形環状のコイル20の1対の長辺部分と1つの短辺部分とを含み、コイル層20cとはコイル軸Zに関して点対称の関係を有する。
【0024】
素体12の積層方向において順に並んだ1組のコイル層20b~20eは、素体12の積層方向において端部同士が重なり合っており、磁性体層17Aに貫設されたビア導体(図示せず)を介して互いに電気的に接続されている。1組のコイル層20b~20eにより、コイル20の3ターン分が構成される。本実施形態において、コイル20は、複数組のコイル層20b~20eを含んでいる。
【0025】
接続層20aは、コイル20の最上層に設けられ、コイル20の一方の端部を構成する。接続層20aは、下層に位置するコイル層とビア導体を介して接続されるとともに、一方の引出導体22Aを構成する上層の引出層23と接続される。接続層20fは、コイル20の最下層に設けられ、コイル20の他方の端部を構成する。接続層20fは、上層に位置するコイル層とビア導体を介して接続されるとともに、他方の引出導体22Bを構成する下層の引出層23と接続される。
【0026】
一対の引出導体22A、22Bは、コイル20の端部を構成する接続層20a、20fを素体12の端面12a、12bまで引き出す。一対の引出導体22A、22Bのそれぞれは、コイル20の端部を構成する接続層20a、20fと電気的に接続される。また、一対の引出導体22A、22Bは、素体12の端面12aから露出して一対の外部電極14A、14Bとそれぞれ接続される。
【0027】
一対の引出導体22A、22Bのそれぞれは、コイル20と素体12の端面12a、12bとの間に位置する磁性体層17Dに貫設されている。一対の引出導体22A、22Bのそれぞれは、複数の引出層23が積層された構成を有する。図3では積層された3層の引出層23を図示している。各引出層23は、コイル軸Zが通る磁性体層17Dの中央に設けられている。各引出層23は、たとえばAg等の金属を含む導電材料で構成されている。各引出層23は、磁性体層17Dとなるグリーンシートに設けた貫通孔に、引出層23となる導電ペースト(たとえば、Agペースト)を充填して焼成することにより得られる。
【0028】
引出層23が設けられた磁性体層17Dには、図4(a)に示すように、磁性体層17Dの長辺方向において引出層23を挟む位置に、2組の空孔31が設けられている。空孔31の各組は、6個の円形状の空孔31で構成されており、6個の空孔31は磁性体層17Dの短辺方向に沿って2列に整列されている。素体12の積層方向において上下に重なる磁性体層17Dでは、空孔31の位置が一致している。そのため、引出層23が設けられた磁性体層17D同士が重ね合わされると、それぞれの磁性体層17Dに設けられた空孔31同士が連通し、複数の磁性体層17Dに跨がるとともに素体12の積層方向に対して平行に延びる長尺形状の空孔部30が構成される。
【0029】
一対の外部電極14A、14Bは、素体12の端面12a、12bにそれぞれ設けられている。本実施形態において、外部電極14Aは、端面12aの全領域と、端面12aと隣り合う領域の側面12c~12fとを一体的に覆っている。同様に、外部電極14Bは、端面12bの全領域と、端面12bと隣り合う領域の側面12c~12fとを一体的に覆っている。図2には、各外部電極14A、14Bが、素体12の端面12a、12bから側面12c、12dまで連続的に延びている様子が示されている。本実施形態では、側面12c、12dにおける各外部電極14A、14Bは、引出導体22A、22Bを超えてコイル20と重なる位置まで達している。各外部電極14A、14Bは、1層または複数層の電極層で構成されている。各外部電極14A、14Bを構成する電極材料には、たとえばAg等の金属材料を採用することができる。
【0030】
上述した積層コイル部品10は、図5に示すように基板50上にはんだ実装することができる。より詳しくは、積層コイル部品10は、基板50の主面50aに対してコイル20のコイル軸Zが平行となる姿勢で基板50の電極52A、52B上に搭載されて、はんだ54により実装される。
【0031】
ここで、基板50に撓みが生じたときには、基板50の撓みに応じた撓み応力が積層コイル部品10の素体12内に生じ、素体12にクラックが発生することがある。クラックの起点は、応力が集中しやすい箇所、すなわち、基板50と対面する素体12の実装面12dにおける外部電極14A、14Bの先端位置Pとなり得る。クラックが、素体12の磁性体層17に対して平行(すなわち、素体12の厚さ方向に沿って)に進行した場合には、クラックによってコイル20が分裂される事態が起こり得る。
【0032】
上述した積層コイル部品10においては、引出導体22A、22Bが設けられた磁性体層17Dに、空孔部30(脆弱部)が設けられている。空孔部30は空乏部分であるため、空孔部30の内部およびその周辺部分の機械的強度は、磁性体16を構成する磁性材料が存在する部分の機械的強度よりも低い。空孔部30は、素体12の側面12dの近傍に設けられており、図6に示すように、外部電極14A、14Bの先端位置Pから空孔部30までの距離D1が、外部電極14A、14Bの先端位置Pからコイル20までの距離D2よりも短くなるように設計されている。
【0033】
そのため、素体12の実装面12dにおける外部電極14A、14Bの先端位置Pを起点にクラックが生じた場合には、クラックは、コイル20に向かって素体12の厚さ方向に進行せず、コイル20よりも近い距離にある空孔部30に向かって素体12の厚さ方向に対して交差する方向に進行する。したがって、積層コイル部品10においては、クラックがコイル20を分裂する事態が効果的に抑制されている。
【0034】
なお、空孔部30を構成する空孔31の断面形状は、円形状に限らず、多角形状や楕円形状であってもよい。磁性体層17Dにおける空孔31の位置および空孔31の位置については、適宜変更することができる。たとえば、図4(b)に示したように、4つの空孔31を磁性体層17Dの四隅に配置してもよい。また、2組の空孔31を、素体12の厚さ方向において引出層23を挟む位置に設けてもよい。この場合、実装面12dに対して直交するとともにコイル軸Zに対して平行な断面において、コイル軸Zに関する実装面12dの側および実装面12dとは反対側のそれぞれに空孔31の組が配置される。それにより、空孔部30を、素体12の側面12dおよび側面12cの両方の近傍に配置することができる。空孔部30は、素体12の側面12dの近傍にのみ配置してもよい。
【0035】
素体12の積層方向において隣り合う空孔31は、互いに連通していてもよく、連通していなくてもよい。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0037】
たとえば、脆弱部は、中空であってもよく中実であってもよい。たとえば、脆弱部は、素体を構成する層に設けられた貫通孔が充填材で充たされた構成であってもよい。充填材には、素体を構成する層の材料よりも脆性破壊しにくい材料(たとえばAg等の金属材料)を採用することができる。
【0038】
コイルの形状は、長方形環状に限らず、正方形環状、多角形環状、円環状、楕円環状であってもよい。コイルの形状が正方形環状を呈する場合、素体の端面形状/断面形状は正方形であってもよい。
【0039】
素体の実装面に対するコイルの高さ位置(コイル軸)の高さ位置は、素体の中間位置(素体を二等分する位置)に限らず、実装面と対向する頂面側に偏った位置であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
10…積層コイル部品、12…素体、12a、12b…端面、14A、14B…外部電極、17、17A~17D…磁性体層、20…コイル、20b~20e…コイル層、22A、22B…引出導体、30…空孔部、31…空孔、Z…コイル軸。

図1
図2
図3
図4
図5
図6