IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社藤井合金製作所の特許一覧 ▶ 大阪瓦斯株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ガス栓へのフランジ板取付構造 図1
  • 特開-ガス栓へのフランジ板取付構造 図2
  • 特開-ガス栓へのフランジ板取付構造 図3
  • 特開-ガス栓へのフランジ板取付構造 図4
  • 特開-ガス栓へのフランジ板取付構造 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152240
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ガス栓へのフランジ板取付構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 5/00 20060101AFI20221004BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
F16L5/00 A
F16L5/00 S
F16K27/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054937
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000151977
【氏名又は名称】株式会社藤井合金製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】玉城 康年
(72)【発明者】
【氏名】湯澤 典之
(72)【発明者】
【氏名】木村 充志
(72)【発明者】
【氏名】植田 陽介
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051AA04
3H051BB02
3H051CC15
(57)【要約】
【課題】ガス栓の六角筒状の配管接続部に容易に且つ確実にフランジ板を取付けることができるようにすること。
【解決手段】フランジ板(1)は、1枚の金属板からなり、中央孔(10)を有する環状板(11)と、その周縁から延設されると共に基端部で折り曲げられて環状板上に重ね合わされる連結帯(12)と、連結帯(12)の先端に連続し且つ環状板上に載置されて配管接続部(31)の開放端部が嵌入可能な六角嵌合部(13)とを有する形状とし、六角嵌合部(13)は一部に非連続部(S)が形成された非連続な六角形状であり、非連続部(S)の両側縁を環状板(11)の周縁へ向かって半径方向に延長させて、相互に対向する一対の延長片(14a)(14b)が形成され、延長片(14a)(14b)相互間の距離は締付け手段(16)によって弾性的に縮小可能とした。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
六角筒状の配管接続部の開放端部にフランジ板を取り付けるガス栓へのフランジ板取付構造において、
前記フランジ板は、1枚の金属板により、
中央孔を有する環状板と、
前記環状板の周縁から延設されると共にその基端部で折り曲げられて前記環状板上に重ね合わされる連結帯と、
前記連結帯の先端に連続すると共に前記中央孔を包囲するように前記環状板上に載置されて前記配管接続部の開放端部を密に嵌入可能な六角嵌合部とを有する形状に構成され、
前記六角嵌合部は一部に非連続部が形成された非連続な六角形状に構成されていると共に、前記非連続部の両側縁は前記環状板の周縁へ向かって半径方向に延長されて相互に対向する一対の延長片が形成され、
前記延長片相互間の距離は締付け手段によって弾性的に縮小可能としたことを特徴とするガス栓へのフランジ板取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載のガス栓へのフランジ板取付構造において、
前記環状板の周縁から、前記延長片間に並列可能な仕切り板が延設され、
前記締付け手段は締付けネジとすると共に、一方の延長片と前記仕切り板には、前記締付けネジが挿通可能なネジ挿通孔が同軸上に形成され、他方の延長片には、前記ネジ挿通孔を挿通させた前記締付けネジが螺合可能なネジ孔が形成されているガス栓へのフランジ板取付構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載のガス栓へのフランジ板取付構造において、
前記配管接続部にはフレキ配管が継手を介して接続され、
前記継手にはテーパ雄ネジ筒部が形成されていると共に、前記配管接続部には前記テーパ雄ネジ筒部が螺合可能なテーパ雌ネジ部が形成され、
前記テーパ雄ネジ筒部の基端部に、締付方向に弾性を有する弾性筒体を具備させた固定金具が外嵌され、
前記テーパ雄ネジ筒部を前記テーパ雌ネジ部に最終締付状態に達するまで締め付けると、前記フランジ板は、前記固定金具の弾性筒体によって弾性的に押されて前記ガス栓に押し付けられるように設定されているガス栓へのフランジ板取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、 ガス栓にフランジ板を取り付ける取付構造、特に、壁板に添設固定させるフランジ板をガス栓の六角筒状の配管接続部に取り付ける取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
壁板(4)内に収容されているガス管としてのフレキ配管(44)が継手(41)を介して接続されるガス栓(3)を、壁板(4)の表面に固定するために、ガス栓(3)の六角筒状の配管接続部(31)の開放端に、金属製のフランジ板(33)が半径方向外側に張り出すように設けられている(図5参照)。
配管接続部(31)にはテーパ雌ネジ部(32)が形成されてあり、継手(41)にはこれに螺合可能なテーパ雄ネジ筒部(42)が形成されている。
【0003】
実開平2-74679号(特許文献1)のフランジ板は中央孔を有する環状板であり、前記配管接続部の開放端面に前記中央孔の周辺域を直接ネジ止めにより固定する取付構造と、円形の前記中央孔を囲むように突設させた六角嵌合部内に前記六角筒状の配管接続部の開放端部を嵌入させて一体とする構造が開示されている。後者のものでは、図5に示すように、締付けナット(43)を螺合させた状態の継手(41)のテーパ雄ネジ筒部(42)を、六角嵌合部(34)に嵌入させた状態の配管接続部(31)のテーパ雌ネジ部(32)に螺入させ、最終締付位置に達するまで締め付ける。その後、締付けナット(43)を締め付けると、フランジ板(33)の中央孔(30)の周縁部分が、締付けナット(43)によって押されて配管接続部(31)の開放端面に強固に押し付けられることとなり、フランジ板(33)は配管接続部(31)に抜け止め状態に確実に取り付けられる。
【0004】
フランジ板(33)には複数のネジ挿通孔(35)が設けられており、上記要領にてガス栓(3)の配管接続部(31)に取り付けられたフランジ板(33)を壁板(4)の表面に添設させ、取付金具(5)を壁板(4)の裏面に添設させ、フランジ板(33)のネジ挿通孔(35)に挿通させる取付けネジ(51)を取付金具(5)に設けたネジ孔(55)に螺合させて締め付ける。これにより、フランジ板(33)と取付金具(5)とで、壁板(4)の開口(40)の周縁が挟圧された状態となり、ガス栓(3)は壁板(4)の表面に固定されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平2-74679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来例のうち、前者のものでは、配管接続部の開放端面にネジ孔が設けられた専用のガス栓を製造しておく必要があり、施工現場で対応することができない上に、コスト面に無駄が生じる。後者のものでは、フランジ板(33)に設けた六角嵌合部(34)に配管接続部(31)を嵌入させた状態のガス栓(3)のテーパ雌ネジ部(32)に、継手(41)のテーパ雄ネジ筒部(42)を螺合させた後に、締付けナット(43)を締め付けることで、通常のガス栓(3)の配管接続部(31)にフランジ板(33)を施工現場で取り付けることができるが、ガス栓(3)に具備させたフランジ板(33)と、配管接続部(31)に螺合させた継手(41)のテーパ雄ネジ筒部(42)の基端部との間の僅かな隙間に設けられた締付けナット(43)を締め付ける作業は行い難く、フランジ板の取付け作業が困難である。また、締付けナット(43)の締め付け力が弱いと、六角嵌合部(34)内で配管接続部(31)ががたつく不都合が生じる。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みて成されたもので、ガス栓を壁板の表面に固定するためのフランジ板をガス栓の六角筒状の配管接続部に容易に且つ確実に取付けることができるガス栓へのフランジ板取付構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する為の本発明の技術的手段は、『六角筒状の配管接続部の開放端部にフランジ板を取り付けるガス栓へのフランジ板取付構造において、
前記フランジ板は、1枚の金属板により、
中央孔を有する環状板と、
前記環状板の周縁から延設されると共にその基端部で折り曲げられて前記環状板上に重ね合わされる連結帯と、
前記連結帯の先端に連続すると共に前記中央孔を包囲するように前記環状板上に載置されて前記配管接続部の開放端部を密に嵌入可能な六角嵌合部とを有する形状に構成され、
前記六角嵌合部は一部に非連続部が形成された非連続な六角形状に構成されていると共に、前記非連続部の両側縁は前記環状板の周縁へ向かって半径方向に延長されて相互に対向する一対の延長片が形成され、
前記延長片相互間の距離は締付け手段によって弾性的に縮小可能としたこと』である。
【0009】
上記技術的手段は次のように作用する。
フランジ板は、1枚の金属板から、環状板と連結帯と六角嵌合部とが一体的に連続する形状に加工されている。連結帯の基端部が折り曲げられることにより、中央孔を囲むように環状板上に載置される六角嵌合部は、一部に非連続部が設けられた非連続な六角形状に形成されている。前記非連続部の幅は、前記金属板の弾性によって調整可能であり、前記六角嵌合部は環状板上にて拡縮自在である。よって、ガス栓の六角筒状の配管接続部を嵌入させる際には非連続部の幅を弾性的に広げて、六角嵌合部を拡大させれば容易に嵌入作業を行うことができる。そして、ガス栓の配管接続部の六角嵌合部への嵌入後には、締付け手段によって前記非連続部の両側縁から延長する延長片相互を締め付けて、両者間の距離を縮小させれば、六角嵌合部の大きさを縮小させることができる。これにより、前記配管接続部は六角嵌合部によって強固に締め付けられるから、ガス栓の配管接続部は、六角嵌合部内に密に嵌入されることとなり、フランジ板に対してガス栓ががたつくことなく保持される。
【0010】
上記ガス栓へのフランジ板取付構造において、好ましくは、『前記環状板の周縁から、前記延長片間に並列可能な仕切り板が延設され、
前記締付け手段は締付けネジとすると共に、一方の延長片と前記仕切り板には、前記締付けネジが挿通可能なネジ挿通孔が同軸上に形成され、他方の延長片には、前記ネジ挿通孔を挿通させた前記締付けネジが螺合可能なネジ孔が形成されている』ことである。
【0011】
前記仕切り板は、前記環状板の周縁から延設されているため、前記環状板上における前記仕切り板の位置は固定される。この仕切り板の両側に、六角嵌合部から延設させた延長片を位置させ、締付けネジによってネジ止めすることにより、延長片の位置も固定される。これにより、前記環状板上における六角嵌合部の位置は、前記仕切り板と前記連結帯によって確実に固定された状態となり、その状態で保持される。
【0012】
上記ガス栓へのフランジ板取付構造において、好ましくは、『前記配管接続部にはフレキ配管が継手を介して接続され、
前記継手にはテーパ雄ネジ筒部が形成されていると共に、前記配管接続部には前記テーパ雄ネジ筒部が螺合可能なテーパ雌ネジ部が形成され、
前記テーパ雄ネジ筒部の基端部に、締付方向に弾性を有する弾性筒体を具備させた固定金具が外嵌され、
前記テーパ雄ネジ筒部を前記テーパ雌ネジ部に最終締付状態に達するまで締め付けると、前記フランジ板は、前記固定金具の弾性筒体によって弾性的に押されて前記ガス栓に押し付けられるように設定されている』ことである。
【0013】
締付方向に弾性を有する弾性筒体を具備させた固定金具を前記継手のテーパ雄ネジ筒部に外嵌させた状態で、前記テーパ雄ネジ筒部を配管接続部のテーパ雌ネジ部に螺合させ、最終締付状態に達するまで締め付ける。すると、その締付力によって、固定金具はフランジ板側へ押されるが、固定金具に具備させた弾性筒体の弾性力によって、その締付度合が調整されながら、前記フランジ板はガス栓に弾性的に押し付けられる。これにより、ガス栓は、配管接続部がフランジ板の六角嵌合部に嵌入された状態でより一層強固にフランジ板に取り付けられる。
【発明の効果】
【0014】
六角嵌合部は、環状板に一体的に設けられておらず、また、一部に非連続部が設けられているから、その大きさは拡縮可能である。よって、ガス栓の配管接続部の嵌入時には前記非連続部の幅を僅かに拡大させることで、六角嵌合部を拡径させることができ、六角嵌合部内へガス栓の配管接続部を容易に嵌入させることができる。そして、嵌入後には、締付け手段の締め付けによって、六角嵌合部の非連続部の両側縁から延長させた一対の延長片間の距離を縮小させることにより、六角嵌合部の大きさを縮小させれば、ガス栓の配管接続部の周面に六角嵌合部を強固に締め付けた状態で固定することができる。このように、ガス栓の配管接続部へのフランジ板の取付作業が容易となる上に、ガス栓の配管接続部にフランジ板を確実に取り付けることができる。
ガス栓の配管接続部の周面に六角嵌合部を強固に締め付けることで、配管接続部と六角嵌合部との間にがたつきが生じない。これにより、使用者がガス栓を操作する際に、ガス栓ががたつくといった違和感を感じることなく、安心してガス栓を使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本願発明の実施の形態のガス栓へのフランジ板取付構造に採用したフランジ板の正面図である。
図2】本願発明の実施の形態のガス栓へのフランジ板取付構造に採用したフランジ板の側面図である。
図3】本願発明の実施の形態のガス栓へのフランジ板取付構造に採用したフランジ板の分解斜視図である。
図4】本願発明の実施の形態のガス栓へのフランジ板取付構造に採用したフランジ板をガス栓に取り付ける様子を示す分解斜視図である。
図5】従来のガス栓へのフランジ板取付構造の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態のフランジ板(1)の正面図であり、図2はその側面図である。
フランジ板(1)を構成するには、まず、1枚の金属板を、打ち抜き加工により、中央孔(10)を有する環状板(11)の周縁の相互に対向する各位置から、連結帯(12)と仕切り板(15)がそれぞれ延長すると共に、連結帯(12)の先端には六角嵌合部(13)を構成する長尺帯(13a)が左右に延設された形状に打ち抜く。
【0017】
金属板を上記形状に打ち抜いた後、曲げ加工により、図1及び図2に示すように、環状板(11)と連結帯(12)との境界部(1a)を二つ折りにして連結帯(12)を環状板(11)の表面上に重ね合わせると共に、連結帯(12)と長尺体(13a)との境界部(1b)を直角に折り曲げて、長尺体(13a)を環状板(11)上に起立させる。長尺体(13a)は、ほぼ等間隔に位置するコーナ部(1c)で各々約120度に折り曲げられることにより、連結帯(12)の反対側にて非連続部(S)を有する六角嵌合部(13)が環状板(11)の中央孔(10)を囲むように載置される態様となる。なお、非連続部(S)を介して対向している長尺体(13a)の両端には、環状板(11)の周縁に向かって延長する一対の延長片(14a)(14b)が、非連続部(S)を介して対向するように形成されている。
【0018】
また、仕切り板(15)と環状板(11)との境界部(1d)を環状板(11)の表面側へ略直角に折り曲げると共に、さらに、所定個所を環状板(11)上へ折り曲げて、延長片(14a)(14b)間の空間(S)内に差し込まれる形状とする。
なお、一方の延長片(14a)と、仕切り板(15)には、それぞれ、締付けネジ(16)が挿通するネジ挿通孔(140a)(150)が形成されていると共に、他方の延長片(14b)には、締付けネジ(16)が螺合可能なネジ孔(140b)が同軸上に形成されている。
【0019】
なお、図3に示すように、環状板(11)の表面側であって上記要領により構成された六角嵌合部(13)の底部には、中央孔(10)と同径の穴が形成された六角形状の環状パッキン(17)が収容されると共に、環状板(11)の裏面側には、その周縁に添った環状の裏パッキン(18)が添設されている。
また、環状板(11)の中央孔(10)に対して対称な位置には、壁板の裏側に位置させる取付金具(図示せず)にネジ止めするための取付けネジ(51)を挿通させるためのネジ挿通孔(19)が貫通している。
【0020】
上記したフランジ板(1)をガス栓(3)の配管接続部(31)に取り付ける取付構造について、図4に基づいて説明する。
なお、ガス栓(3)及びフレキ管(44)の下流端に具備させる継手(41)は、図5に示した上記従来例と同様のものが採用可能する。
【0021】
まず、ガス栓(3)の上流側に位置する六角筒状の配管接続部(31)を、フランジ板(1)の環状板(11)上に載置されている六角嵌合部(13)内に嵌め込む。このとき、六角嵌合部(13)から延設されている延長片(14a)(14b)と仕切り板(15)は、締付けネジ(16)によって締め付けられていない。
六角嵌合部(13)は、延長片(14a)(14b)間に空間(S)が設けられた非連続な六角形状に形成されていると共に、環状板(11)上に一体的に設けられていないから、六角嵌合部(13)の大きさを僅かに拡大させながら配管接続部(31)を嵌入させることができる。
【0022】
配管接続部(31)の開放端面を、六角嵌合部(13)の底部に設けられている環状パッキン(17)に押圧させた嵌入状態にて、一方の延長片(14a)及び仕切り板(15)のネジ挿通孔(140a)(150)に挿通させた締付けネジ(16)を、他方の延長片(14b)のネジ孔(140b)に螺合させて締め付ける。これにより、仕切り板(15)の表裏に延長片(14a)(14b)が近接すると同時に、空間(S)が消滅することで、六角嵌合部(13)の大きさが縮小することとなるから、配管接続部(31)の周面に六角嵌合部(13)が強固に締め付けられる。また、環状板(11)上における六角嵌合部(13)の位置は、連結帯(12)と仕切り板(15)によって固定されているから、フランジ板(1)はガス栓(3)の配管接続部(31)にがたつくことなく強固に固定されることとなる。
【0023】
上記したように、フランジ板(1)を具備させたガス栓(3)を壁板へ取り付ける取付け構造について説明する。
壁板(図4に図示せず)の裏側に配設されているガス配管としてのフレキ配管(44)には継手(41)が接続されてあり、この継手(41)をフレキ配管(44)と共に、壁板に設けられている開口から室内に引出し、継手(41)のテーパ雄ネジ筒部(42)に固定金具(2)を外嵌させる。
固定金具(2)は、図4に示すように、金属環(21)の内周縁部に、たとえばゴム等の弾性材料製の弾性筒体(20)を嵌め込んで一体としたもので、弾性筒体(20)の上流側開放端縁(22)が、テーパ雄ネジ筒部(42)の基端部側端面(45)に当接するように、テーパ雄ネジ筒部(42)に外嵌させる。
【0024】
上記したように、固定金具(2)を外嵌させたテーパ雄ネジ筒部(42)を、ガス栓(3)の配管接続部(31)のテーパ雌ネジ部(32)に螺合させる。これにより、フレキ配管(44)が継手(41)を介してガス栓(3)に接続されることとなる。
ガス栓(3)の配管接続部(31)には、上記した要領にて、フランジ板(1)が取り付けられており、また、テーパ雄ネジ筒部(42)には固定金具(2)を外嵌させていることから、テーパ雄ネジ筒部(42)をテーパ雌ネジ部(32)に最終締付状態に達するまで締め付けると、弾性筒体(20)は、その上流側開放端縁(22)が継手(41)の基端部側端面(45)で押圧されることにより、その弾性力によって、固定金具(2)がフランジ板(1)の中央孔(10)の周囲を裏面側から押圧する。これにより、フランジ板(1)がガス栓(3)側へ押圧されるから、配管接続部(31)は、その開放端縁が環状パッキン(17)に押圧する態様で六角嵌合部(13)内に嵌入された状態で強固に固定される。
【0025】
上記したように、締付けネジ(16)の締付力と、固定金具(2)に具備させた弾性筒体(20)の弾性力によって、フランジ板(1)は、配管接続部(31)の開放端部を六角嵌合部(13)内にがたつくことなく密に収容させた状態で、ガス栓(3)の配管接続部(31)に確実に取り付けられる。また、固定金具(2)の弾性筒体(20)によって、配管接続部(31)のテーパ雌ネジ部(32)に対する継手(41)のテーパ雄ネジ筒部(42)の締付度合いが調整されるから、継手(41)を締め付け過ぎることはない。
【0026】
フランジ板(1)を、室内側の壁板の開口周囲に、裏環状パッキン(18)を介して添設されると共に、前記壁板の裏側の開口周囲には、図示しないが、取付金具を添設させる。この取付金具とフランジ板(1)とで、壁板を挟み込み、フランジ板(1)の環状板(11)に設けたネジ挿通孔(19)に、取付けネジ(51)を挿通させると共に、前記取付金具に設けられているネジ孔に螺合させて締め付けることにより、フランジ板(1)と取付金具とで壁板の開口の周縁を挟圧した状態でガス栓(3)が取り付けられる。
【0027】
壁板の表面側に添設固定させたフランジ板(1)の表面側に、一対の座金半体(52a)(52b)からなる化粧座金(52)を左右から被覆させる。これにより、壁板の表面に化粧座金(52)が添設されその中央から配管接続部(31)が突出する態様でガス栓(3)が壁板に固定されることとなる。
【0028】
この実施の形態のフランジ板(1)を採用することにより、フランジ板(1)の六角嵌合部(13)内にガス栓(3)の配管接続部(31)を嵌入させ易く、嵌入後に、締付けネジ(16)を締め付けることにより、配管接続部(31)は六角嵌合部(13)内にてがたつくことなく密に嵌入されることとなり、フランジ板(1)を配管接続部(31)に確実に取り付けることができる。また、配管接続部(31)に、継手(41)のテーパ雄ネジ筒部(42)に固定金具(2)を外嵌させておくことにより、テーパ雄ネジ筒部(42)を配管接続部(31)のテーパ雌ネジ部(32)に螺合させる際に、固定金具(2)に具備させた弾性筒体(20)の弾性力によって、フランジ板(1)がガス栓(3)の配管接続部(31)に一層強固に押し付けられるから、使用者はガス栓(3)を使用する際に、がたつき等の違和感を感じることなく安心して操作することができる。
【符号の説明】
【0029】
(1) ・・・・・・・フランジ板
(10)・・・・・・・中央孔
(11)・・・・・・・環状板
(12)・・・・・・・連結帯
(13)・・・・・・・六角嵌合部
(14a)(14b)・・・・延長片
(16)・・・・・・・締付けネジ(締付け手段)
(44)・・・・・・・フレキ配管
(3) ・・・・・・・ガス栓
(31)・・・・・・・配管接続部
(S) ・・・・・・・非連続部
図1
図2
図3
図4
図5