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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152353
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】圧力変動吸着式ガス精製装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/047 20060101AFI20221004BHJP
   C01B 3/36 20060101ALI20221004BHJP
   G05D 16/20 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
B01D53/047
C01B3/36
G05D16/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055092
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】森 理嗣
(72)【発明者】
【氏名】松村 南月
(72)【発明者】
【氏名】中神 翔
(72)【発明者】
【氏名】松尾 日向子
(72)【発明者】
【氏名】池田 耕一郎
【テーマコード(参考)】
4D012
4G140
5H316
【Fターム(参考)】
4D012CA07
4D012CB16
4D012CD07
4D012CE01
4D012CE02
4D012CF02
4D012CF03
4D012CF10
4D012CH03
4D012CJ01
4D012CJ03
4D012CJ06
4D012CK03
4G140EA03
4G140EA06
4G140EB37
5H316AA02
5H316BB05
5H316CC01
5H316DD04
(57)【要約】
【課題】製品ガス路における圧力制御弁の下流側部分を流動する製品ガスの流動状態の大きな変動を抑制できる圧力変動吸着式ガス精製装置を提供する。
【解決手段】原料ガスから精製対象ガス成分以外の吸着対象成分を吸着して製品ガスを生成する複数の吸着塔1を備え、当該複数の吸着塔1の夫々において、原料ガスを供給して吸着塔1から製品ガスを製品ガス路5に排出する吸着工程、吸着塔1から残存ガスを排出する減圧工程、製品ガスを吸着塔の内部を通して流動させる洗浄工程、吸着塔1に製品ガスを供給して昇圧する昇圧工程を含む運転サイクルを、複数の吸着塔1の運転位相を互いに異ならせた状態で繰り返し行わせるように構成され、製品ガス路5に、上流側の圧力を設定圧力に維持する圧力制御弁Vが設けられ、洗浄工程において製品ガスを吸着塔1に供給する洗浄流路9が、製品ガス路5における圧力制御弁Vの下流側に接続されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料ガスから精製対象ガス成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着して製品ガスを生成する複数の吸着塔を備え、当該複数の吸着塔の夫々において、前記原料ガスを供給して前記吸着塔から前記精製対象ガス成分の濃度が高い製品ガスを製品ガス路に排出する吸着工程、前記吸着塔から残存ガスを排出する減圧工程、前記製品ガスを前記吸着塔の内部を通して流動させる洗浄工程、前記吸着塔に製品ガスを供給して昇圧する昇圧工程を含む運転サイクルを、複数の吸着塔の運転位相を互いに異ならせた状態で繰り返し行わせるように構成され、
前記製品ガス路に、上流側の圧力を設定圧力に維持する圧力制御弁が設けられた圧力変動吸着式ガス精製装置であって、
前記洗浄工程において前記製品ガスを前記吸着塔に供給する洗浄流路が、前記製品ガス路における前記圧力制御弁の下流側に接続されている圧力変動吸着式ガス精製装置。
【請求項2】
前記製品ガス路における前記圧力制御弁の下流側を流動する前記製品ガスを貯留する製品ガスタンクが設けられ、
前記洗浄流路が、前記製品ガス路における前記圧力制御弁と前記製品ガスタンクとの間の流路部分に接続されている請求項1に記載の圧力変動吸着式ガス精製装置。
【請求項3】
前記洗浄工程において前記洗浄流路を流動する前記製品ガスの流量を設定目標値に維持すべく、前記洗浄流路を流動する前記製品ガスの流量を検出する流量センサ検出値に基づいて、前記洗浄流路を流動する前記製品ガスの流量を調節する流量調節弁を制御する流量制御部が設けられている請求項1又は2に記載の圧力変動吸着式ガス精製装置。
【請求項4】
起動運転用洗浄流路が、前記製品ガス路における前記圧力制御弁の上流側箇所に接続され、
前記起動運転用洗浄流路を通して前記製品ガスを流動させる起動運転状態と、前記洗浄流路を通して前記製品ガスを流動させる定常運転状態とに切換える洗浄状態切換部が設けられている請求項1~3のいずれか1項に記載の圧力変動吸着式ガス精製装置。
【請求項5】
複数の前記吸着塔の運転位相を互いに異ならせた状態で前記運転サイクルを繰り返し行わせる運転制御部が、運転を停止した状態から運転を開始する際に、前記洗浄工程を前記起動運転状態にて実行した後に前記洗浄工程を前記定常運転状態にて実行するように前記洗浄状態切換部を制御する請求項4に記載の圧力変動吸着式ガス精製装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料ガスから精製対象ガス成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着して製品ガスを生成する複数の吸着塔を備え、当該複数の吸着塔の夫々において、前記原料ガスを供給して前記吸着塔から前記精製対象ガス成分の濃度が高い製品ガスを製品ガス路に排出する吸着工程、前記吸着塔から残存ガスを排出する減圧工程、前記製品ガスを前記吸着塔の内部を通して流動させる洗浄工程、前記吸着塔に製品ガスを供給して昇圧する昇圧工程を含む運転サイクルを、複数の吸着塔の運転位相を互いに異ならせた状態で繰り返し行わせるように構成され、
前記製品ガス路に、上流側の圧力を設定圧力に維持する圧力制御弁が設けられた圧力変動吸着式ガス精製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる圧力変動吸着式ガス精製装置は、例えば、都市ガスを水蒸気改質処理する改質処理装置から供給される改質ガスを原料ガスとして、精製対象ガス成分としての水素成分の濃度が高い製品ガスを精製することや、炭鉱ガスを原料ガスとして、精製対象ガス成分としてのメタン分の濃度が高い製品ガスを精製することを行うことになる。
ちなみに、製品ガス路に、上流側の圧力を設定圧力に維持する圧力制御弁が設けられることにより、吸着工程において吸着対象成分を吸着剤に吸着するための圧力に吸着塔の内部圧を適切に維持できるなど、運転サイクルを適切に行わせることができる。
【0003】
圧力変動吸着式ガス精製装置の従来例として、洗浄工程において洗浄ガスを吸着塔に供給する洗浄流路が、製品ガス路における圧力制御弁の上流側に接続されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6305938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の圧力変動吸着式ガス精製装置においては、洗浄工程において、製品ガス路における圧力制御弁の上流側部分から洗浄ガスが流動されることにより、圧力制御弁の上流側部分の圧力が大きく低下することに起因して、圧力制御弁の上流側部分の圧力が大きな範囲で変動することになり、その結果、製品ガス路における圧力制御弁の下流側部分を流動する製品ガスの流動状態(流量や圧力)が大きく変動する不都合があり、改善が望まれるものであった。
【0006】
つまり、圧力制御弁の上流側部分の圧力が低下すると、圧力制御弁が上流側部分の圧力を上昇させるために閉動作を行うことになるが、圧力制御弁の上流側部分から洗浄ガスが流動されると、圧力制御弁の上流側部分の圧力が急激に大きく低下することになるため、圧力制御弁の閉動作がオーバーシュートを生じる形態で行われ、その結果、製品ガス路における圧力制御弁の下流側部分を流動する製品ガスの流動状態(流量や圧力)が大きく変動する不都合があり、改善が望まれるものであった。
【0007】
ちなみに、原料ガスの供給量を低流量に設定して運転するときには、圧力制御弁の上流側部分から洗浄ガスが流動されると、圧力制御弁の閉動作が全閉状態になるまでオーバーシュートを生じ、製品ガス路における圧力制御弁の下流側部分を流動する製品ガスの流量が零になる状態が瞬間的に現出される虞もあった。
そして、製品ガス路からの製品ガスを圧縮機にて他装置に供給する場合において、圧力制御弁の開度が全閉状態になる事態が生じると、圧縮機が故障する等のトラブルを招くことになるため、この点からも改善が望まれるものであった。
【0008】
また、都市ガス等の炭化水素系ガスを水蒸気改質処理する改質処理装置から供給される改質ガスを原料ガスとして、精製対象ガス成分としての水素成分の濃度が高い製品ガスを精製する場合においては、圧力制御弁の上流側部分の圧力が大きな範囲で変動すると、改質処理装置の内部流路の圧力も大きく変動することになる。その結果、原料ガスに水蒸気を混合させるにあたり、S/C(スチーム/カーボン比)を適正値に維持しながら混合し難いものとなる等、改質処理装置の水蒸気改質処理に悪影響を与える虞があり、この点からも改善が望まれるものであった。
【0009】
本発明は、かかる実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、製品ガス路における圧力制御弁の下流側部分を流動する製品ガスの流動状態の大きな変動を抑制できる圧力変動吸着式ガス精製装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の圧力変動吸着式ガス精製装置は、原料ガスから精製対象ガス成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着して製品ガスを生成する複数の吸着塔を備え、当該複数の吸着塔の夫々において、前記原料ガスを供給して前記吸着塔から前記精製対象ガス成分の濃度が高い製品ガスを製品ガス路に排出する吸着工程、前記吸着塔から残存ガスを排出する減圧工程、前記製品ガスを前記吸着塔の内部を通して流動させる洗浄工程、前記吸着塔に製品ガスを供給して昇圧する昇圧工程を含む運転サイクルを、複数の吸着塔の運転位相を互いに異ならせた状態で繰り返し行わせるように構成され、
前記製品ガス路に、上流側の圧力を設定圧力に維持する圧力制御弁が設けられたものであって、その特徴構成は、
前記洗浄工程において前記製品ガスを前記吸着塔に供給する洗浄流路が、前記製品ガス路における前記圧力制御弁の下流側に接続されている点にある。
【0011】
すなわち、洗浄工程において、製品ガス路における圧力制御弁の下流側に接続されている洗浄流路を通して、洗浄用の製品ガスが吸着塔に供給されるから、製品ガス路における圧力制御弁の上流側部分の圧力は、洗浄工程が行われても変動することがなくなるため、製品ガス路における圧力制御弁の上流側部分の圧力が急激に大きく変動することがなくなる。
その結果、圧力制御弁がオーバーシュートを起こす状態で閉動作することがなくなるため、製品ガス路における圧力制御弁の下流側部分を流動する製品ガスの流量や圧力の大きな変動を抑制できることになる。
【0012】
ちなみに、都市ガス等の炭化水素系ガスを水蒸気改質処理する改質処理装置から供給される改質ガスを原料ガスとして、精製対象ガス成分としての水素成分の濃度が高い製品ガスを精製する場合においても、圧力制御弁の上流側部分の圧力が大きな範囲で変動しないものとなるから、改質処理装置の内部流路の圧力も大きく変動しないことになり、その結果、原料ガスに水蒸気を混合させるにあたり、S/C(スチーム/カーボン比)を適正値に維持しながら混合できるものとなる。
【0013】
要するに、本発明の圧力変動吸着式ガス精製装置の特徴構成によれば、製品ガス路における圧力制御弁の下流側部分を流動する製品ガスの流動状態の大きな変動を抑制できる。
【0014】
本発明の圧力変動吸着式ガス精製装置の更なる特徴構成は、前記製品ガス路における前記圧力制御弁の下流側を流動する前記製品ガスを貯留する製品ガスタンクが設けられ、
前記洗浄流路が、前記製品ガス路における前記圧力制御弁と前記製品ガスタンクとの間の流路部分に接続されている点にある。
【0015】
すなわち、圧力制御弁の下流側を流動する製品ガスの流動状態(流量や圧力)は、圧力制御弁の作動により変動することになるが、圧力制御弁の下流側を流動する製品ガスを貯留する製品ガスタンクが設けられているから、圧力制御弁の下流側を流動する製品ガスの流動状態(流量や圧力)の大きな変動を抑制できる。
【0016】
その結果、洗浄工程において、洗浄用の製品ガスを、洗浄流路を通して適切に流動させることができるものとなり、洗浄用の製品ガスを適切に流動させながら洗浄工程を良好に行うことができる。
【0017】
要するに、本発明の圧力変動吸着式ガス精製装置の更なる特徴構成によれば、洗浄用の製品ガスを適切に流動させながら洗浄工程を良好に行うことができる。
【0018】
本発明の圧力変動吸着式ガス精製装置の更なる特徴構成は、前記洗浄工程において前記洗浄流路を流動する前記製品ガスの流量を設定目標値に維持すべく、前記洗浄流路を流動する前記製品ガスの流量を検出する流量センサ検出値に基づいて、前記洗浄流路を流動する前記製品ガスの流量を調節する流量調節弁を制御する流量制御部が設けられている点にある。
【0019】
すなわち、洗浄工程において、流量センサ検出値に基づいて流量調節弁が制御されることにより、洗浄流路を流動する製品ガスの流量が設定目標値に維持されるから、洗浄工程を行う吸着塔に対して洗浄用の製品ガスを過不足なく流動させることができる。
【0020】
従って、洗浄工程を行う吸着塔に対して洗浄用の製品ガスを過不足なく流動させて、洗浄工程を行う吸着塔を一層適切に洗浄することができる。
【0021】
要するに、本発明の圧力変動吸着式ガス精製装置の更なる特徴構成によれば、洗浄工程を行う吸着塔を一層適切に洗浄することができる。
【0022】
本発明の圧力変動吸着式ガス精製装置の更なる特徴構成は、起動運転用洗浄流路が、前記製品ガス路における前記圧力制御弁の上流側箇所に接続され、
前記起動用洗浄流路を通して前記製品ガスを流動させる起動運転状態と、前記洗浄流路を通して前記製品ガスを流動させる定常運転状態とに切換える洗浄状態切換部が設けられている点にある。
【0023】
すなわち、運転を停止した状態から運転を再開する際には、先ず、起動運転用洗浄流路を通して製品ガスを流動させる起動運転状態にて洗浄工程を行い、その後、洗浄流路を通して製品ガスを流動させる定常運転状態にて洗浄工程を行うことができるため、運転を再開する際にも、洗浄工程を適切に行うことができる。
【0024】
つまり、運転を停止した状態から運転を再開する際には、製品ガス路における圧力制御弁の下流側箇所には、製品ガスが流動しない等、洗浄流路を通して洗浄用の製品ガスを適切に流動させることができないものとなるが、製品ガス路における圧力制御弁の上流側箇所に接続される起動運転用洗浄流路を通して製品ガスを流動させる起動運転状態にて洗浄工程を行うことにより、運転を停止した状態から運転を再開する際にも、洗浄工程を行う吸着塔に対して洗浄用の製品ガスを不足なく流動させて、洗浄工程を行う吸着塔を適切に洗浄させることができる。
【0025】
要するに、本発明の圧力変動吸着式ガス精製装置の更なる特徴構成によれば、運転を停止した状態から運転を再開する際にも、洗浄工程を行う吸着塔を適切に洗浄させることができる。
【0026】
本発明の圧力変動吸着式ガス精製装置の更なる特徴構成は、複数の前記吸着塔の運転位相を互いに異ならせた状態で前記運転サイクルを繰り返し行わせる運転制御部が、運転を停止した状態から運転を開始する際に、前記洗浄工程を前記起動運転状態にて実行した後に前記洗浄工程を前記定常運転状態にて実行するように前記洗浄状態切換部を制御する点にある。
【0027】
すなわち、運転を停止した状態から運転を開始する際に、複数の吸着塔の運転位相を互いに異ならせた状態で運転サイクルを繰り返し行わせる運転制御部が、先ず、起動運転用洗浄流路を通して製品ガスを流動させる起動運転状態にて洗浄工程を行った後に、洗浄流路を通して製品ガスを流動させる定常運転状態にて洗浄工程を行うことになる。
【0028】
このように、運転を停止した状態から運転を開始する際に、運転制御部が、先ず、起動運転状態にて洗浄工程を行った後に、定常運転状態にて洗浄工程を行うことになるから、運転を停止した状態から運転を再開する際に、洗浄工程を良好に行うことができる。
【0029】
要するに、本発明の圧力変動吸着式ガス精製装置の更なる特徴構成によれば、運転を停止した状態から運転を再開する際に、洗浄工程を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】圧力変動吸着式水素製造装置を示す概略図である。
図2】単位処理期間の運転サイクルを説明する図である。
図3】第1ステップのガス流動状態を示す図である。
図4】第2ステップのガス流動状態を示す図である。
図5】第3ステップのガス流動状態を示す図である。
図6】第2ステップの起動運転状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(圧力変動吸着式水素製造装置の全体構成)
図1に示すように、例示する圧力変動吸着式水素製造装置(圧力変動吸着式ガス精製装置の一例)は、都市ガス等の炭化水素系ガスCGを改質装置Kによって水蒸気改質処理した改質ガスを原料ガスとして、4つの吸着塔1によって、水素成分の濃度が高い製品ガスを生成するように構成されている。
【0032】
改質ガスは、水素成分以外に、メタン、二酸化炭素、一酸化炭素、及び、窒素を含むものであり、水素以外の吸着対象成分として、メタン、二酸化炭素、一酸化炭素、及び、窒素が、吸着塔1の吸着剤に吸着されることになる。
つまり、吸着塔1が、改質ガスから精製対象ガス成分としての水素成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着して製品ガスを精製するように構成されている。
【0033】
説明を加えると、4つの吸着塔1の運転を制御する運転制御部Mが設けられている。この運転制御部Mが、複数(4つ)の吸着塔1の夫々において、改質ガスを供給して吸着塔1から水素成分の濃度が高い製品ガスを製品ガス路5に排出する吸着工程、吸着塔1から残存ガスをオフガス排出路4に排出する減圧工程、製品ガスを吸着塔1の内部を通して流動させる洗浄工程、吸着塔1に製品ガスを供給して昇圧する昇圧工程を含む運転サイクルを、複数の吸着塔1の運転位相を互いに異ならせた状態で繰り返し行わせることによって、水素成分を含む改質ガスから水素成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着させて製品ガスを生成するように構成されている。
【0034】
具体的に説明すると、図1に示すように、4つの吸着塔1として、A塔、B塔、C塔、D塔が設けられ、4つの吸着塔1の下部には、改質装置Kから圧送される改質ガスを供給する原料ガス供給路3、及び、オフガスを排出するオフガス排出路4が接続されている。
【0035】
4つの吸着塔1の上部には、4つの吸着塔1を互いに連通する製品ガス送出用連通路5A、4つの吸着塔1を互いに連通する昇圧用連通路6A、及び、4つの吸着塔1を互いに連通する洗浄用連通路7Aが設けられている。
そして、製品ガス路5が、製品ガス送出用連通路5Aに連通接続される状態で設けられている。
【0036】
製品ガス路5に、上流側の圧力を設定圧力に維持する圧力制御弁Vが設けられている。
圧力制御弁Vは、周知の構成であるので詳細な説明は省略するが、当該圧力制御弁Vの上流側の圧力が入力される調節計Vaにより、上流側の圧力を設定圧力に維持するように開度が制御される。
また、製品ガス路5における圧力制御弁Vの下流側を流動する製品ガスを貯留する製品ガスタンクT2が設けられている。
【0037】
洗浄工程において洗浄ガスとしての製品ガスを吸着塔1に供給する洗浄流路9が、製品ガス路5における圧力制御弁Vの下流側に接続されている。つまり、本実施形態では、洗浄流路9が、製品ガス路5における圧力制御弁Vと製品ガスタンクT2との間の流路部分に接続されている。
また、起動運転用洗浄流路7が、製品ガス路5における圧力制御弁Vの上流側箇所に接続されている。
そして、起動運転用洗浄流路7を通して製品ガスを流動させる起動運転状態と洗浄流路9を通して製品ガスを流動させる定常運転状態とに切換える洗浄状態切換部Qが設けられている。
【0038】
原料ガス供給路3に供給される改質ガスは、炭化水素系ガスCGを改質装置Kに供給する圧縮機2の供給圧を用いて、原料ガス供給路3に供給されるように構成されている。
そして、4つの吸着塔1の夫々に対応して、原料ガス供給路3を開閉する原料ガス供給弁A1、B1、C1、D1、及び、オフガス排出路4を開閉するオフガス排出弁A5、B5、C5、D5が設けられている。
尚、原料ガス供給路3における改質装置Kの下流側箇所には、水素ガス製造運転を停止する際に閉じる元ガス弁3Aが設けられている。
【0039】
製品ガス路5を流動する製品ガスの一部を昇圧用連通路6Aに導く昇圧用流路6が、製品ガス路5と昇圧用連通路6Aとを接続する状態で設けられている。
また、昇圧用連通路6A及び洗浄用連通路7Aは、均圧用流路として兼用されるものであって、昇圧用連通路6Aと洗浄用連通路7Aとの間には、均圧用接続路8が接続されている。
【0040】
そして、4つの吸着塔1の夫々に対応して、製品ガス送出用連通路5Aとの連通を断続する製品ガス送出弁A2、B2、C2、D2、昇圧用連通路6Aとの連通を断続する第1断続弁A3、B3、C3、D3、及び、洗浄用連通路7Aとの連通を断続する第2断続弁A4、B4、C4、D4が設けられている。
【0041】
昇圧用流路6には、当該昇圧用流路6を開閉する昇圧用開閉弁6a及び当該昇圧用流路6の開度を調節する昇圧調節弁6bが設けられている。
均圧用接続路8には、当該均圧用接続路8を開閉する均圧用開閉弁8a及び当該均圧用接続路8の開度を調節する均圧調節弁8bが設けられている。
【0042】
洗浄流路9には、当該洗浄流路9を開閉する洗浄用開閉弁9a、製品ガスの流量を調節する流量調節弁9b、及び、当該洗浄流路9を流動する製品ガスの流量を検出する流量センサ9cが設けられている。
同様に、起動運転用洗浄流路7には、当該起動運転用洗浄流路7を開閉する起動運転用洗浄開閉弁7a、製品ガスの流量を調節する起動運転用流量調節弁7b、及び、当該起動運転用洗浄流路7を流動する製品ガスの流量を検出する起動運転用流量センサ7cが設けられている。
本実施形態においては、洗浄状態切換部Qが、洗浄用開閉弁9a及び起動運転用洗浄開閉弁7aを主要部として構成される。
【0043】
オフガス排出路4には、オフガスを回収しかつ回収したオフガスを燃焼装置としてのバーナBに供給するオフガスタンクT1が設けられている。ちなみに、このバーナBは、詳細な説明は省略するが、上述した改質装置Kが備える改質器の改質反応管を昇温させるためのものである。
【0044】
改質装置Kは、周知の構成であるので詳細な説明は省略するが、炭化水素系ガスCGを脱硫処理する脱硫器、脱硫処理後の炭化水素系ガスCGに水蒸気を供給する水蒸気供給部、水蒸気が供給された脱硫処理後の炭化水素系ガスCGを水蒸気改質処理する改質器、改質器からの改質ガスに含まれる一酸化炭素を変成処理するCO変成器等を備えるものである。
そして、圧縮機2による供給圧力により、脱硫器、改質器、CO変成器を一連に接続する流路を通して、ガス(炭化水素系ガスCG及び改質後の改質ガス)が流動されて、原料ガス供給路3に供給されるように構成されている。
ちなみに、脱硫処理後の炭化水素系ガスCGに供給する水蒸気量が、適正なS/C(スチーム/カーボン比)となるように調整されることになる。
【0045】
(運転サイクルの詳細)
本実施形態の圧力変動吸着式水素製造装置は、運転制御部Mが、上述した原料ガス供給弁A1、B1、C1、D1等の弁類を制御して、吸着工程、均圧用排出工程、減圧工程、洗浄工程、均圧受入工程、昇圧工程を含む運転サイクルを、4つの吸着塔1の運転位相を互いに異ならせた状態で、複数(4つ)の吸着塔1の夫々において繰り返し行わせるものである。
【0046】
つまり、図2に示すように、単位処理期間の間は、4つの吸着塔1のうちの1つについては、吸着工程を行い、吸着工程に続く工程を行う吸着塔1については、前段排出工程及び後段排出工程を含む均圧用排出工程を行い、均圧用排出工程に続く工程を行う吸着塔1については、減圧工程、洗浄工程及び均圧受入工程のうちの後段受入工程を含む脱着工程を行い、脱着工程に続く工程を行う吸着塔1については、均圧受入工程のうちの前段受入工程及び昇圧工程を含む復圧工程を行うことになる。
【0047】
ちなみに、図2においては、A塔が吸着工程を行い、B塔が復圧工程を行い、C塔が脱着工程を行い、D塔が均圧用排出工程を行う場合を例示する。
つまり、4つの吸着塔1を備える場合においては、4つの単位処理期間を備えることになり、図示は省略するが、B塔が吸着工程を行う単位処理期間においては、C塔が復圧工程を行い、D塔が脱着工程を行い、A塔が均圧用排出工程を行うことになる。
【0048】
同様に、C塔が吸着工程を行う単位処理期間においては、D塔が復圧工程を行い、A塔が脱着工程を行い、B塔が均圧用排出工程を行うことになる。
また、D塔が吸着工程を行う単位処理期間においては、A塔が復圧工程を行い、B塔が脱着工程を行い、C塔が均圧用排出工程を行うことになる。
【0049】
単位処理期間は、第1ステップから第3ステップまでの3段階のステップに区分され、例えば、第1ステップの長さが、20秒に設定され、第2ステップの長さが、160秒に設定され、第3ステップの長さが20秒に設定されている。
【0050】
4つの吸着塔1の夫々は、吸着工程、均圧用排出工程、脱着工程、復圧工程を順次行うことになるが、以下の説明においては、4つの吸着塔1のうち、A塔が吸着工程を行い、B塔が復圧工程を行い、C塔が脱着工程を行い、D塔が均圧用排出工程を行う場合を代表として説明する。
【0051】
次に、図3図6に基づいて、第1ステップ~第3ステップにおけるガス流動状態を説明するが、各図においては、ガスが流動するガス流動状態の流路は太線で示し、ガスが流動しないガス非流動状態の流路は細線で示す。
図3図6に示すように、第1ステップ~第3ステップにおいて、A塔に対応する原料ガス供給弁A1及び製品ガス送出弁A2を開いて、A塔については、単位処理期間の間は吸着工程を行う。
【0052】
図3に示すように、第1ステップでは、D塔の第2断続弁D4、B塔の第1断続弁B3、及び、均圧用開閉弁8aの夫々を開いて、D塔の内部ガスをB塔に供給する処理を行うことになり、この処理は、D塔については、均圧用排出工程のうちの前段排出工程に相当し、B塔については、均圧受入工程のうちの前段受入工程に相当する。
また、第1ステップでは、C塔のオフガス排出弁C5を開き、脱着工程のC塔と製品ガスタンクT2とを連通させる減圧工程を行う。
【0053】
続く、第2ステップの起動運転では、図6に示すように、B塔の第1断続弁B3及び昇圧用開閉弁6aを開いて、製品ガスをB塔に供給する昇圧工程を行い、且つ、C塔のオフガス排出弁C5、C塔の第2断続弁C4及び起動運転用洗浄開閉弁7aの夫々を開いて、製品ガスをC塔の内部を通して流動させる洗浄工程を行うことになる。
ちなみに、C塔から排出されるオフガスは、オフガスタンクT1に回収されながら、バーナBに供給される。
【0054】
同様に、第2ステップの定常運転では、図4に示すように、B塔の第1断続弁B3及び昇圧用開閉弁6aを開いて、製品ガスをB塔に供給する昇圧工程を行い、且つ、C塔のオフガス排出弁C5、C塔の第2断続弁C4及び洗浄用開閉弁9a夫々を開いて、製品ガスをC塔の内部を通して流動させる洗浄工程を行うことになる。
ちなみに、C塔から排出されるオフガスは、オフガスタンクT1に回収されながら、バーナBに供給される。
【0055】
また、第3ステップでは、図5に示すように、D塔の第2断続弁D4、C塔の第1断続弁C3、及び、均圧用開閉弁8aの夫々を開いて、D塔の内部ガスをC塔に供給する処理を行うことになり、この処理は、D塔については、均圧用排出工程のうちの後段排出工程に相当し、C塔については、均圧受入工程のうちの後段受入工程に相当する。
ちなみに、第3ステップでは、オフガスタンクT1に貯留されているオフガスがバーナBに供給されることになる。
【0056】
(起動運転から定常運転への切換について)
複数(4つ)の吸着塔1の夫々にて生成される製品ガスについて、当該製品ガスに含まれる吸着対象成分の濃度である吸着対象成分濃度を計測する濃度計測部Nが設けられている。
本実施形態においては、吸着対象成分濃度として、一酸化炭素(CO)の濃度を計測するように構成されている。つまり、濃度計測部Nが、一酸化炭素(CO)の濃度を計測するCOセンサを用いて構成されている。
【0057】
また、本実施形態においては、濃度計測部Nが、複数(4つ)の吸着塔1の夫々に接続された製品ガス路5を流動する製品ガスの吸着対象成分濃度を計測するように設けられている。つまり、濃度計測部Nが、製品ガス路5における製品ガス送出用連通路5Aとの接続部に近い箇所に設けられている。
そして、濃度計測部Nの検出情報が運転制御部Mに入力されている。
【0058】
運転制御部Mが、複数(4つ)の吸着塔1の夫々における運転サイクルの進み状況に基づいて、製品ガス路5を流動する製品ガスと当該製品ガスを生成した吸着塔1とを対応付けるよう構成されている。
つまり、第1ステップ~第3ステップからなら単位処理期間は、200秒であり、その単位処理期間が経過するごとに、異なる吸着塔1からの製品ガスが製品ガス路5を流動することになるものの、単位処理期間の間は、1つの吸着塔1が吸着工程を行うことになるから、同じ吸着塔1からの製品ガスが製品ガス路5を流動することになる。
【0059】
したがって、運転制御部Mが、製品ガス路5を流動する製品ガスと吸着工程を実行している吸着塔1との関係を時間経過に基づいて対応付けることによって、製品ガス路5を流動する製品ガスの吸着対象成分濃度と当該製品ガスを生成した吸着塔1とを対応付けるように構成されている。
ちなみに、吸着塔1から排出された製品ガスが濃度計測部Nの設置箇所に流動するには、数秒程度の遅れが発生するものとなるから、製品ガス路5を流動する製品ガスと吸着工程を実行している吸着塔1との関係を時間経過に基づいて対応付ける際には、その遅れ時間を考慮することになる。
【0060】
又、図1に示すように、製品ガス路5における圧力制御弁Vよりも下流側箇所には、濃度計測部Nにて計測された吸着対象成分濃度が設定濃度(例えば、0.1ppm)よりも高い未完成の製品ガスを外部に放出する放出路10が設けられ、当該放出路10を開閉する放出弁10Aが設けられている。
また、製品ガス路5における放出路10の分岐箇所よりも下流側箇所に、製品ガス路5を開閉する製品ガス弁5aが設けられている。
【0061】
そして、運転制御部Mが、洗浄用開閉弁9a及び起動運転用洗浄開閉弁7aを開閉制御して洗浄工程を実行することになる。
つまり、運転制御部Mが、運転を停止した運転停止状態から起動させる起動運転を行うときには、図6に示す如く、洗浄用開閉弁9aを閉じかつ起動運転用洗浄開閉弁7aを開き、且つ、製品ガス弁5aを閉じかつ放出弁10Aを開いて、起動運転用洗浄流路7を通して製品ガスを流動させる状態で洗浄工程を行うように構成されている。
そして、その起動運転を行うときには、未完成の製品ガスが放出路10を通して外部に放出されるように構成されている。
【0062】
また、運転制御部Mが、起動運転を行った後の定常運転を行うときには、洗浄用開閉弁9aを開きかつ起動運転用洗浄開閉弁7aを閉じ、且つ、製品ガス弁5aを開きかつ放出弁10Aを閉じて、洗浄流路9を通して製品ガスを流動させる状態で洗浄工程を行うように構成されている。
【0063】
すなわち、運転制御部Mが、運転を停止した運転停止状態から起動運転を行うときには、第1ステップ~第3ステップを繰り返し行うことになるが、洗浄工程については、起動運転用洗浄流路7を通して製品ガスを流動させる状態で行い、そして、圧力制御弁Vを通して排出される製品ガスを、放出路10を通して放出するように構成されている。
【0064】
そして、運転制御部Mが、起動運転を行っているときに、4つの吸着塔1の夫々について濃度計測部Nにて計測された吸着対象成分濃度の全てが設定濃度よりも低くなると、起動運転状態から定常運転状態に切換えるように構成されている。
具体的には、本実施形態では、起動運転を行っているときに、4つの吸着塔1の夫々について濃度計測部Nにて計測された吸着対象成分濃度の全てが設定濃度よりも低くなるに伴って、直ちに、製品ガス弁5aを開きかつ放出弁10Aを閉じて、製品ガスを製品ガスタンクT2に貯留することになるが、単位処理期間が設定回数繰り返されるまでは、洗浄用開閉弁9aを閉じかつ起動運転用洗浄開閉弁7aを開く状態にて洗浄工程を実行するように構成されている。
【0065】
つまり、製品ガスが製品ガスタンクT2に設定量以上貯留される状態になるまで、洗浄用開閉弁9aを閉じかつ起動運転用洗浄開閉弁7aを開く状態にて洗浄工程を実行し、製品ガスが製品ガスタンクT2に設定量以上貯留される状態になると、洗浄用開閉弁9aを開きかつ起動運転用洗浄開閉弁7aを閉じる形態にて洗浄工程を実行するように構成されている。
ちなみに、図示は省略するが、製品ガスタンクT2に貯留された製品ガスは、例えば、製品ガス供給用圧縮機を用いてガス消費機器に供給される等、各種用途に使用される。
【0066】
また、起動運転を行うときには、起動運転用洗浄流路7を流動する製品ガスの流量を設定目標値に維持すべく、運転制御部Mが、起動運転用流量センサ7cの検出情報に基づいて起動運転用流量調節弁7bを制御するように構成されている。
同様に、定常運転を行うときには、洗浄流路9を流動する製品ガスの流量を設定目標値に維持すべく、運転制御部Mが、流量センサ9cの検出情報に基づいて流量調節弁9bを制御するように構成されている。
本実施形態では、流量調節弁9bや起動運転用流量調節弁7bを制御する流量制御部Pが、運転制御部Mにて構成される場合を例示するが、流量制御部Pと運転制御部Mとを別々に設ける形態で実施してもよい。
【0067】
ちなみに、製品ガスの生産量を検出する構成として、製品ガス路5における圧力制御弁Vと起動運転用洗浄流路7との間の流路部分に設けた流量センサの検出値から流量センサ9cの検出値を減算する構成を採用することができ、また、別の構成として、製品ガス路5における洗浄流路9の分岐位置よりも下流側の流路部分に流量センサを設けて、当該流量センサの検出値から求める構成を採用することができる。
【0068】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態においては、吸着対象成分の濃度として、一酸化炭素(CO)の濃度を計測する場合を例示したが、例えば、窒素(N)等、他の吸着対象成分の濃度を計測する形態で実施してもよい。
【0069】
(2)上記実施形態においては、原料ガスとしての改質ガスから水素成分の濃度が高い製品ガスを製造する場合を例示したが、本発明の圧力変動吸着式ガス精製装置は、原料ガスとしての炭鉱ガスからメタン濃度の高い製品ガスを製造するのに適用する等、種々のガスを原料ガスとして適用できるものである。
【0070】
(3)上記実施形態では、圧力変動吸着式水素製造装置として、4つの吸着塔1を備える装置を説明したが、本発明は、3つや5つ以上の吸着塔1を備える圧力変動吸着式水素製造装置にも適用できるものである。
【0071】
(4)上記実施形態では、複数(4つ)の吸着塔1に対して1つの濃度計測部Nを装備する場合を例示したが、複数(4つ)の吸着塔1に対して各別に濃度計測部Nを装備する形態で実施してもよい。
【0072】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 吸着塔
5 製品ガス路
7 起動運転用洗浄流路
9 洗浄流路
9b 流量調節弁
9c 流量センサ
T2 製品ガスタンク
Q 洗浄状態切換部
V 圧力制御弁
M 運転制御部
N 濃度計測部
図1
図2
図3
図4
図5
図6