IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 永大産業株式会社の特許一覧

特開2022-152419支持部材、支持ユニット、および対象物ユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152419
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】支持部材、支持ユニット、および対象物ユニット
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/00 20180101AFI20221004BHJP
   A01G 9/02 20180101ALI20221004BHJP
【FI】
A01G9/00 B
A01G9/02 103T
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055188
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000413
【氏名又は名称】永大産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊能 大補
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327ND01
2B327NE01
2B327NE06
2B327NE11
2B327QA02
2B327QA05
2B327TA04
2B327TA07
2B327TA13
2B327TA18
2B327TA21
2B327TA27
2B327TA28
(57)【要約】
【課題】部品点数を少なくしつつ、対象物の支持態様を変更可能である。
【解決手段】栽培装置300を支持し、配置面430に配置される第1支持部材100であって互いに対向する箇所に第1面131および第2面132が形成された基部103と、基部103から第2面132の方向に延伸する第1延伸部101と、基部103から第2面132の方向に延伸する第2延伸部102とを備え、第1延伸部101の端部に第1端面111が形成され、第2延伸部102の端部に第2端面112が形成され、第1支持部材100による栽培装置300の支持態様は、第1支持態様と第2支持態様とを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を支持し、配置面に配置される支持部材であって、
互いに対向する箇所に第1面および第2面が形成された基部と、
前記基部から前記第2面の方向に延伸する第1延伸部と、
前記基部から前記第2面の方向に延伸する第2延伸部とを備え、
前記第1延伸部の端部に第1端面が形成され、
前記第2延伸部の端部に第2端面が形成され、
前記支持部材による前記対象物の支持態様は、第1支持態様と第2支持態様とを含み、
前記第1支持態様は、前記第1面の周縁が前記配置面に配置されている状態で、前記対象物を前記第1延伸部および前記第2延伸部で囲むように前記第2面で支持する態様であり、
前記第2支持態様は、前記第1端面および前記第2端面の少なくとも一部が前記配置面に配置されている状態で、前記対象物を前記第1面で支持する態様である、支持部材。
【請求項2】
前記第1端面と前記第2端面とは同一の平面にある、請求項1に記載の支持部材。
【請求項3】
前記支持部材は、該支持部材の厚み方向から平面視した場合にC字形状である、請求項1または請求項2に記載の支持部材。
【請求項4】
前記周縁は、平面形状である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の支持部材。
【請求項5】
第1支持部材および第2支持部材を備え、
前記第1支持部材および前記第2支持部材の各々は、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の支持部材である、支持ユニット。
【請求項6】
前記第1支持部材および前記第2支持部材の各々が、前記第1支持態様および前記第2支持態様のいずれかで前記対象物を支持する、請求項5に記載の支持ユニット。
【請求項7】
前記支持部材による前記対象物の支持態様は、第3支持態様を含み、
前記第3支持態様は、前記第1支持部材の前記第1端面および前記第2支持部材の前記第1端面が対向しており、前記第1支持部材の前記第2端面および前記第2支持部材の前記第2端面が対向している状態で、前記対象物の端部を、前記第1支持部材および前記第2支持部材で囲むように支持する態様である、請求項5または請求項6に記載の支持ユニット。
【請求項8】
前記支持部材による前記対象物の支持態様は、第3支持態様を含み、
前記第3支持態様は、前記第1支持部材の前記第1端面が形成されている端部および前記第2支持部材の前記第1端面が形成されている端部が結合しており、前記第1支持部材の前記第2端面が形成されている端部および前記第2支持部材の前記第2端面が形成されている端部が結合している状態で、前記対象物の端部を、前記第1支持部材および前記第2支持部材で囲むように支持する態様である、請求項5または請求項6に記載の支持ユニット。
【請求項9】
前記第1支持部材の前記第1端面と前記第2支持部材の前記第1端面との対向を固定する固定部材が配置される、請求項6または請求項7に記載の支持ユニット。
【請求項10】
対象物を指示し、配置面に配置される支持ユニットであって、
第1支持部材および第2支持部材を備え、
前記第1支持部材および前記第2支持部材の各々は、
互いに対向する箇所に第1面および第2面が形成された基部と、
前記基部から延伸する第1延伸部と、
前記基部から延伸する第2延伸部とを備え、
前記第1延伸部の端部に第1端面が形成され、
前記第2延伸部の端部に第2端面が形成され、
前記支持ユニットによる前記対象物の支持態様は、第1支持態様と第3支持態様とを含み、
前記第1支持態様は、前記第1面が前記配置面に配置されている状態で、前記対象物を前記第1延伸部および前記第2延伸部で囲むように前記第2面で支持する態様であり、
前記第3支持態様は、前記第1支持部材の前記第1端面および前記第2支持部材の前記第1端面が対向しており、前記第1支持部材の前記第2端面および前記第2支持部材の前記第2端面が対向している状態で、前記対象物の端部を、前記第1支持部材および前記第2支持部材で囲むように支持する態様である、支持ユニット。
【請求項11】
対象物を指示し、配置面に配置される支持ユニットであって、
第1支持部材および第2支持部材を備え、
前記第1支持部材および前記第2支持部材の各々は、
互いに対向する箇所に第1面および第2面が形成された基部と、
前記基部から延伸する第1延伸部と、
前記基部から延伸する第2延伸部とを備え、
前記第1延伸部の端部に第1端面が形成され、
前記第2延伸部の端部に第2端面が形成され、
前記支持ユニットによる前記対象物の支持態様は、第1支持態様と第3支持態様とを含み、
前記第1支持態様は、前記第1面が前記配置面に配置されている状態で、前記対象物を前記第1延伸部および前記第2延伸部で囲むように前記第2面で支持する態様であり、
前記第3支持態様は、前記第1支持部材の前記第1端面が形成されている端部および前記第2支持部材の前記第1端面が形成されている端部が結合しており、前記第1支持部材の前記第2端面が形成されている端部および前記第2支持部材の前記第2端面が形成されている端部が結合している状態で、前記対象物の端部を、前記第1支持部材および前記第2支持部材で囲むように支持する態様である、支持ユニット。
【請求項12】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の支持部材と、
前記対象物とを備える、対象物ユニット。
【請求項13】
請求項5~請求項11のいずれか1項に記載の支持ユニットと、
前記対象物とを備える、対象物ユニット。
【請求項14】
前記対象物は、電力を消費して駆動する駆動部品を有し、
前記第1支持部材および前記第2支持部材の少なくとも一方は、前記駆動部品に電力を供給する供給装置をさらに備える、請求項13に記載の対象物ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、支持部材、支持ユニット、および対象物ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
育成対象の植物を収容する植物育成装置が提案されている。特許文献1に記載の植物育成装置は、キャスターという支持部材により支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-165706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは、ユーザの嗜好に応じて、対象物の一例である植物育成装置の支持部材による支持の態様を変更したい場合がある。しかしながら、従来の支持部材では、態様に応じた支持部材が必要であり、部品点数が多くなるという問題が生じ得る。
【0005】
本開示は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、部品点数を少なくしつつ、対象物の支持態様を変更可能である支持部材、支持ユニット、および対象物ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に従うと、支持部材は、対象物を支持し、配置面に配置される。支持部材は、互いに対向する箇所に第1面および第2面が形成された基部と、前記基部から前記第2面の方向に延伸する第1延伸部と、前記基部から前記第2面の方向に延伸する第2延伸部とを備える。前記第1延伸部の端部に第1端面が形成される。前記第2延伸部の端部に第2端面が形成される。前記支持部材による前記対象物の支持態様は、第1支持態様と第2支持態様とを含む。第1支持態様は、前記第1面または前記第1面の周縁が前記配置面に配置されている状態で、前記対象物を前記第1延伸部および前記第2延伸部で囲むように前記第2面で支持する態様である。第2支持態様は、前記第1端面および前記第2端面の少なくとも一方が前記配置面に配置されている状態で、前記対象物を前記第1面で支持する態様である。
【0007】
別の局面に従うと、支持ユニットは、対象物を指示する。支持ユニットは、第1支持部材および第2支持部材を備える。第1支持部材および第2支持部材の各々は、基部と、基部から延伸する第1延伸部と、基部から延伸する第2延伸部とを備える。第1延伸部の端部に第1端面が形成される。第2延伸部の端部に第2端面が形成される。支持ユニットによる前記対象物の支持態様は、所定支持態様と、該所定支持態様と異なる態様とを含む。所定支持態様は、前記第1支持部材の前記第1端面および前記第2支持部材の前記第1端面が対向しており、前記第1支持部材の前記第2端面および前記第2支持部材の前記第2端面が対向している状態で、前記対象物の端部を、前記第1支持部材および前記第2支持部材で囲むように支持する態様である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、部品点数を少なくしつつ、対象物の支持態様を変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態の栽培ユニットの斜視図である。
図2】本実施の形態の栽培ユニットの斜視図である。
図3】本実施の形態の栽培ユニットを正面から見た図である。
図4】栽培ユニットを別の角度から見た図である。
図5】栽培ユニットの第2支持態様を示す図である。
図6】栽培ユニットの第3支持態様を示す図である。
図7】第3指示態様で支持されている栽培装置、第1支持部材、および第2支持部材を真上から見た図である。
図8】第1支持態様である場合における栽培装置を省略した場合の第1支持部材および第2支持部材の斜視図である。
図9】第1支持部材および第2支持部材の斜視図である。
図10】第2調整部を示す図である。
図11】扉部が開放している状態が示された図である。
図12】扉部が開放している状態が示された図である。
図13】扉部が収容部を隠蔽している状態態が示された図である。
図14】光源の経路を示す図である。
図15】収容体の斜視図である。
図16】収容体の断面図である。
図17】収容体の断面図である。
図18】第1収容態様を示す図である。
図19】第2収容態様を示す図である。
図20】第2収容態様を示す図である。
図21】第2収容態様を示す図である。
図22】第2収容態様を示す図である。
図23】反射部材からの反射光を説明するための図である。
図24】反射部材からの反射光を示す図である。
図25】別の実施の形態の栽培装置を示す図である。
図26】別の実施の形態の栽培装置を示す図である。
図27】別の実施の栽培ユニットの構成例である。
図28】模様などが形成されたキャビネットの一例が示された図である。
図29】別の実施の形態の栽培装置を示す図である。
図30】別の実施の形態の支持部材を示した図である。
図31】別の実施形態の第1支持部材の断面形状を示す図である。
図32】別の実施形態の第1支持部材の断面形状を示す図である。
図33】第2収容態様の変形例を示す図である。
図34】第2収容態様の変形例を示す図である。
図35】第2収容態様の変形例を示す図である。
図36】支持部材の変形例を示す図である。
図37】第3支持態様の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に説明する実施の形態において、特に記載がある場合を除き、本実施の形態は言及された量に限定されない。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施の形態における構成の少なくとも一部を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
【0011】
[栽培ユニットの構成例]
図1および図2は、本実施の形態の栽培ユニット10の斜視図である。図3および図4は、栽培ユニット10を別の角度から見た図である。栽培ユニット10は、本開示の「対象物ユニット」に対応する。栽培ユニット10は、ユーザが栽培物400を水耕栽培するためのユニットである。栽培物400は、収容物の一例である。栽培物400は、たとえば、植物、および野菜などである。栽培ユニット10は、あらゆる施設(たとえば、個人の家)に設置可能である。栽培ユニット10は、施設の配置面430に配置される。配置面430は、施設の床面などである。
【0012】
栽培ユニット10は、第1支持部材100と、第2支持部材200と、栽培装置300を有する。栽培装置300は、本開示の「キャビネット」または「対象物」に対応する。本実施の形態の栽培装置300は、柱形状(延伸形状)を有し、より特定的には、円柱形状を有する。なお、栽培装置300は、円柱形状に限らず、たとえば、多角柱形状(たとえば、四角柱形状)を有していてもよい。
【0013】
栽培装置300は、本体部305と、扉部308とを備える。本体部305には、収容部306が形成されている。収容部306は、たとえば、円筒形状の部材において、該円筒形状の長手方向(延伸方向)の中央部が切削されることにより収容部306が形成される。また、該収容部306が形成された該円筒形状の部材が本体部305とされる。また、栽培物400は、収容体600に収容され、該収容体600が収容部306に収容される。また、ユーザは、収容体600を栽培装置300から着脱可能である。
【0014】
扉部308は、ユーザなどにより開閉される。扉部308が開放されることにより収容部306は開放される。一方、扉部308が閉鎖されることにより収容部306は隠蔽される(図3も参照)。なお、変形例として、扉部308は、完全に収容部306を隠蔽しないようにしてもよい。本実施の形態では、扉部308が閉鎖された栽培装置300は、円柱形状である(図3も参照)。栽培装置300の一端に円形の第1端面321が形成され、栽培装置300の他端に円形の第2端面322が形成される(図3参照)。
【0015】
以下では、栽培装置300(本体部305)の延伸方向を第1方向D1とする。収容部306の深さ方向を第2方向D2とする。第1方向D1と第2方向D2とは互いに直交する。第1方向D1と第2方向D2とのいずれにも直交する方向を第3方向D3とする。
【0016】
なお、図3は、扉部308が閉鎖された栽培ユニット10を第3方向D3から平面視した図である。図4は、扉部308が閉鎖された栽培ユニット10を第1方向D1から平面視した図である。また、図4では、便宜上、第1支持部材100と、栽培装置300とが離された状態が示されているが、実際は、栽培装置300は、第1支持部材100に接触している。
【0017】
扉部308のうち、収容部306側(扉部308の裏側)には、第1側壁308A、第2側壁308B、および湾曲壁308Cが形成されている。第1側壁308A、第2側壁308B、および湾曲壁308Cにより、光源収容部(光源収容空間)が形成される。光源収容部は、光源302を収容する。第1側壁308A、および第2側壁308Bは、栽培装置300の円周方向に沿って湾曲した半円形状を有する。また、湾曲壁308Cは、栽培装置300の円周方向に沿って湾曲した形状を有する。この湾曲壁308Cにより、光源収容部が形成する空間は、略半円柱形状を有する。
【0018】
扉部308の裏面には、光源302が設置されている。光源302は、栽培物400に対して光を発する。光源302は、本開示の「成分源」に対応する。また、光は、本開示の「所定成分」に対応する。栽培物400は、光源302からの光により光合成を行う。これにより、ユーザは、栽培物400を育成させることができる。また、栽培物400は、植物または野菜であることから、一般的に、光屈性を有する。たとえば、栽培物400は、光屈性により、光源302の方向に曲がって成長する。
【0019】
第1側壁308Aおよび第2側壁308Bには、円弧形状の貫通穴311が形成されている。また、貫通穴311からキャスタ313が突出している。この貫通穴311およびキャスタ313の役割については後述する。
【0020】
さらに、栽培装置300は、アダプタ371と、配線372とを有する。アダプタ371が電源差込口(図示せず)に挿入されると、AC電源(図示せず)からアダプタ371および配線372を通じて電力が光源302に供給される。光源302は、この電力により点灯する。
【0021】
図1の例では、光源302は、後述のアダプタ371からの電力を消費して発光する。光源302は、本開示の「駆動部材」に対応する。また、光源302は第1方向D1に延伸するLED(Light Emitting Diode)である。図1の例では、後述の第2調整部により、ユーザは、光源302の位置を調整できる。
【0022】
扉部308の中央の端部には持ち手部356が形成される。持ち手部356は、たとえば、凹形状とされる。ユーザは、凹形状の持ち手部356にユーザの手を挿入して扉部308の開閉を行う。栽培装置300は、扉部308の後述する開放度合いを調整する第1調整部310を有する。本実施の形態の第1調整部310は、ユーザにより実現された開放度合いを維持する。より具体的には、第1調整部310は、扉部308の開閉可能範囲内において、該開放度合いを維持する。第1調整部310は、典型的には、トルクヒンジである。本実施の形態では、扉部308において第1方向D1の両端に第1調整部310は配置されている。扉部308は、第1調整部310(トルクヒンジ)を基準にして回動する(後述の図11図13参照)。
【0023】
このように、第1調整部310は、たとえば、ユーザにより開放された扉部308の開放度合いを維持することにより該開放度合いを調整する。後述するように、第1調整部310による開放度合いにより、光源302と収容部306との距離は調整される。つまり、第1調整部310により、光源302からの栽培物400への光量を調整できる。
【0024】
なお、第1調整部310は、トルクヒンジでなくても他の機構が採用されてもよい。たとえば、栽培装置300は、第1調整部310として、ステーを備えてもよい。このステーにより、扉部308の開放度合いは調整されてもよい。
【0025】
また、2つの第1調整部310の間には、通気口359が形成されている。収容部306は、通気口359を通じて外部と連通している。したがって、扉部308が開放しているか閉鎖しているかに関わらず、通気口359からの空気が、栽培物400に供給される。なお、通気口359は形成されていなくてもよい。また、通気口359の位置に、第1調整部310(トルクヒンジ)が設けられていてもよい。
【0026】
第1支持部材100および第2支持部材200は、同一の形状を有する。図4に示すように、第1支持部材100は、該第1支持部材100の厚み方向M1(図9参照)から平面視した場合にC字形状となる。第2支持部材200も同様に第2支持部材200の厚み方向から平面視した場合にC字形状となる。
【0027】
図1の例では、円筒形状の栽培装置300は、第1支持部材100の2つの延伸部(後述する)および第2支持部材200の2つの延伸部で囲まれるように、支持される。図1の支持態様は「第1支持態様」とも称される。なお、図3および図4の残りの部分については後述する。
【0028】
また、第1支持態様および後述の第2支持態様においては、ユーザは、収容体600の向きを変更することができる。図1においては、後述の第2貫通穴602が、略第1方向D1に向いている。一方、図2においては、後述の第2貫通穴602が、略第3方向D3(手前側)に向いている。このように、ユーザは、ユーザの嗜好に応じて、収容体600の向きを変更することができる。また、図2において、ユーザは、第2貫通穴602から、培養液を注入できる。したがって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0029】
図5は、栽培ユニット10の第2支持態様を示す図である。第2支持態様は、第1支持態様での第1支持部材100および第2支持部材200が上下逆転された状態で、栽培装置300を支持する態様である。
【0030】
第2支持態様で支持されている場合の方が第1支持態様で支持されている場合よりも、栽培装置300の高さ位置(第2方向D2の位置)は高くなる。たとえば、扉部308が開放されておりかつ光源302が光を発している状態において、第2支持態様で栽培装置300が支持されている場合には、ユーザが該光を眩しく感じる場合がある。この場合には、ユーザは、第1支持態様に変更する。これにより、栽培装置300の高さ位置は、第2支持態様よりも低くなる。したがって、ユーザは、光源302からの光の眩しさを低減できる。
【0031】
また、第1支持態様で栽培装置300が支持されている場合には、ユーザの目から栽培物400までの距離が、第2指示態様よりも長い。このような場合において、ユーザは、栽培物400を近くで観察したい場合がある。この場合には、ユーザは、第2支持態様に変更する。これにより、栽培装置300の高さ位置は第1支持態様よりも高くなる。したがって、ユーザの目から栽培物400までの距離を短くできる。その結果、ユーザは、栽培物400を近くで観察することができる。
【0032】
図6は、栽培ユニット10の第3支持態様を示す図である。図7は、該第3指示態様で支持されている栽培装置300、第1支持部材100、および第2支持部材200を真上から見た図である。図6および図7の例では、円筒形状の栽培装置300が立って、該栽培装置300が第1支持部材100および第2支持部材200により保持される。
【0033】
たとえば、栽培ユニット10の配置スペースが狭い場合がある。第1支持態様および第2支持態様であれば、栽培ユニット10の配置スペースが広くなってしまい、栽培ユニット10が配置出来ない場合がある。この場合には、ユーザは、第3支持態様に変更する。これにより、栽培ユニット10の配置スペースを、第1支持態様および第2支持態様と比較して、狭くできる。したがって、栽培ユニット10の配置スペースが狭い場合であっても、ユーザは、栽培ユニット10を配置できる。
【0034】
[支持部材]
次に、第1支持部材100および第2支持部材200を説明する。図8および図9は、支持ユニット250の斜視図である。本実施の形態の支持ユニット250は、第1支持部材100および第2支持部材200により構成される。図8および図9は、第1支持部材100および第2支持部材200の斜視図である。図8は、第1支持態様である場合における栽培装置300を省略した場合の第1支持部材100および第2支持部材200の斜視図である。図9は、第2支持態様である場合における栽培装置300を省略した場合の第1支持部材100および第2支持部材200の斜視図である。また、必要に応じて、図4などが参照される。上述のように、第1支持部材100および第2支持部材200の形状は同一であることから、まず、第1支持部材100を説明する。
【0035】
第1支持部材100は、基部103と第1延伸部101と第2延伸部102とから構成される。なお、説明の便宜上、基部103と第1延伸部101と第2延伸部102とに分けて説明するが、基部103と第1延伸部101と第2延伸部102とは一体的に形成されてもよい。また、基部103と第1延伸部101と第2延伸部102と別個に形成されてもよい。図8および図9などの例では、便宜上、基部103と第1延伸部101との間、および基部103と第2延伸部102との間に破線の境界線が示されているが、実際は、このような境界線は形成されない。
【0036】
基部103は、C字形状の中央部の部材である。基部103には、第1面131および第2面132が形成されている。第1面131および第2面132は、それぞれ、基部103の互いに対向する箇所に形成される。ここで、「対向する箇所」については、「完全に対向する」ことを含む。また、「対向する箇所」については、第1支持部材100の製造上のばらつきが発生することなどにより、「略対向する箇所」も含む。
【0037】
本実施の形態では、第1面131は、凹形状となっている。より特定的には、第1面131は、断面円弧形状となっている。しかし、第1面131は、栽培装置300を支持できる形状であれば、他の形状であってもよい。たとえば、第1面131は、断面三角形形状または断面矩形形状としてもよい。また、第2面132も凹形状となっている。より特定的には、第2面132は、断面円弧形状となっている。しかし、第2面132は、栽培装置300を支持できる他の形状であってもよい。たとえば、第2面は、断面三角形形状または断面矩形形状としてもよい。
【0038】
また、基部103の一端103Aから、第2面132の方向に延伸する第1延伸部101が該一端103Aに設けられる。また、第1延伸部101の端部(一端103Aと反対側の端部)には、第1端面111が形成される。また、基部103の他端103Bから、第2面132の方向に延伸する第2延伸部102が該他端103Bに設けられる。また、第2延伸部102の端部(他端103Bと反対側の端部)には、第2端面112が形成される。また、第1延伸部101および第2延伸部102は、湾曲形状を有する。
【0039】
また、第1端面111と第2端面112とは同一の平面にある。換言すれば、第1端面111が形成する平面に、第2端面112が存在する。さらに換言すれば、第1端面111が形成する平面と、第2端面112が形成する平面とは同一平面である。なお、第1支持部材100の製造上のばらつきが発生することなどにより、第1端面111と第2端面112とが同一の平面に存在しないような構成であってもよい。
【0040】
第1支持部材100は、第1端面111および第2端面112に垂直な第1側面141(図3参照)を有する。また、第1支持部材100は、第1端面111および第2端面112に垂直な第2側面142(図3参照)を有する。第1側面141および第2側面142は互いに対向する。
【0041】
第1端面111には固定部材121が形成される。第2端面112には固定部材122が形成される。この固定部材については後述する。
【0042】
次に、第2支持部材200を説明する。第2支持部材200は、基部203と第1延伸部201と第2延伸部202とから構成される。なお、説明の便宜上、基部203と第1延伸部201と第2延伸部202とに分けて説明するが、基部203と第1延伸部201と第2延伸部202とは一体的に形成されてもよい。また、基部203と第1延伸部201と第2延伸部202と別個に形成されてもよい。
【0043】
基部203は、C字形状の中央部の部材である。基部203には、第1面231および第2面232が形成されている。第1面231および第2面232は、それぞれ、基部203の互いに対向する箇所に形成される。ここで、「対向する箇所」については、「完全に対向する」ことを含む。また、「対向する箇所」については、第2支持部材200の製造上のばらつきが発生することなどにより、「略対向する箇所」も含む。
【0044】
本実施の形態では、第1面231は、凹形状となっている。しかし、第1面231は他の形状であってもよい。たとえば、第1面231は、平面であってもよい。第2面232も凹形状となっている。しかし、第2面232は他の形状であってもよい。たとえば、第2面232は、平面であってもよい。
【0045】
また、基部203の一端203Aから、第2面232の方向に延伸する第1延伸部201が該一端203Aに設けられる。また、第1延伸部201の端部(一端203Aと反対側の端部)には、第1端面211が形成される。また、基部203の他端203Bから、第2面232の方向に延伸する第2延伸部202が該他端203Bに設けられる。また、第2延伸部202の端部(他端203Bと反対側の端部)には、第2端面212が形成される。また、第1延伸部201および第2延伸部202ともに湾曲形状を有する。
【0046】
また、第1端面211と第2端面212とは同一の平面にある。換言すれば、第1端面211が形成する平面に、第2端面212が存在する。さらに換言すれば、第1端面211が形成する平面と、第2端面212が形成する平面とは同一平面である。なお、第1支持部材100の製造上のばらつきが発生することなどにより、第1端面211と第2端面212とが同一の平面に存在しないような構成であってもよい。
【0047】
第2支持部材200は、第1端面211および第2端面212に垂直な第1側面241を有する。また、第2支持部材200は、第1端面211および第2端面212に垂直な第2側面242を有する。第1側面241および第2側面242は互いに対向する。
【0048】
第1端面211には固定部材221が形成される。第2端面212には固定部材222が形成される。また、図3などに示すように、第1支持部材100および第2支持部材200は、所定の厚みDを有する。なお、図9においては、第1支持部材100の厚み方向M1が示されている。
【0049】
また、第1支持部材100および第2支持部材200は、たとえば、C字形状の薄板部材が複数枚積層されることにより形成される。また、第1支持部材100および第2支持部材200の材質は如何なるものであってもよく、木製、樹脂製などであってもよい。
【0050】
次に、第1~第3支持態様の詳細を説明する。第1支持態様は、図1および図4に示すように、第1支持部材100の第1面131の周縁131Aおよび第2支持部材200の第1面231の周縁231Aが配置面430に配置されている状態である。第1支持態様は、この状態において、第1支持態様は、栽培装置300を、第1支持部材100の第1延伸部101および第2延伸部102で囲むように第2面132で支持し、かつ、第2支持部材200の第1延伸部201および第2延伸部202で囲むように第2面232で支持する態様である。
【0051】
第2支持態様(図5参照)は、第1支持部材100の第1端面111および第2端面112が配置面430に配置されているとともに、第2支持部材200の第1端面211および第2端面212が配置面430に配置されている状態である。第2支持態様は、この状態において、栽培装置300を、第1支持部材100の第1面131および第2支持部材200の第1面231で保持する態様である。
【0052】
なお、上述のように、第1支持部材100の製造の精度のばらつきなどにより、第1端面111と第2端面112とが同一の平面に存在しない構造となる場合がある。また、第2支持部材200の製造の精度のばらつきなどにより、第1端面211と第2端面212とが同一の平面に存在しない構造となる場合がある。このような場合であっても、第1端面111、第2端面112、第1端面211、および第2端面212の一部が配置面430に配置される。つまり、本実施の形態の第1支持部材100および第2支持部材200においては、第1端面111、第2端面112、第1端面211、および第2端面212の少なくとも一部が配置面430に配置される。
【0053】
第3支持態様(図6参照)は、第1支持部材100の第1側面141および第2支持部材200の第1側面241が配置面430に配置されている状態である。さらに、第1支持部材100の第1端面111および第2支持部材200の第1端面211が対向しており、かつ第1支持部材100の第2端面112および第2支持部材200の第2端面212が対向している状態である(図7参照)。このような状態において、第1支持部材100および第2支持部材200により囲まれた円柱状の空間が形成される。この空間の高さは、第1支持部材100および第2支持部材の厚みD(図3参照)に相当する。そして、ユーザなどにより、栽培装置300が立てて該空間に挿入されることにより、栽培装置300は、第3支持態様で支持される。また、この第3指示態様では、円形の第1端面321が配置面430に配置される。このように、栽培装置300の端部は、第1支持部材100および第2支持部材200により支持される。栽培装置300の端部は、第1支持部材100および第2支持部材200により囲まれた円柱状の空間内に位置する部分である。
【0054】
なお、第1支持部材100の第1端面111および第2支持部材200の第1端面211は離れていてもよく、接していてもよい。また、第1支持部材100の第2端面112および第2支持部材200の第2端面212は離れていてもよく、接していてもよい。図6および図7の例では、第1支持部材100の第1端面111および第2支持部材200の第1端面211は接しており、かつ、第1支持部材100の第2端面112および第2支持部材200の第2端面212は接している例が示されている。
【0055】
次に、固定部材について説明する。図8などで説明したように、第1支持部材100の第1端面111には固定部材121が形成され、第2端面112には固定部材122が形成される。また、第2支持部材200の第1端面211には固定部材221が形成され、第2端面212には固定部材222が形成される。
【0056】
これらの固定部材は、第3支持態様における第1支持部材100および第2支持部材200による支持を固定するための部材である。たとえば、第1支持部材100の第1端面111には固定部材121として磁石(たとえば、N極の磁石)が形成され、第2支持部材200の第1端面211には、該磁石と極性が異なる磁石(たとえば、S極の磁石)が形成される。また、第1支持部材100の第2端面112には固定部材122として磁石(たとえば、N極の磁石)が形成され、第2支持部材200の第2端面212には、該磁石と極性が異なる磁石(たとえば、S極の磁石)が形成される。これらの磁石の磁力により、第1支持部材100および第2支持部材200の第3支持態様による配置を安定的に維持できる。その結果、栽培装置300は、第1支持部材100および第2支持部材200により第3支持態様により安定的に支持される。なお、第1支持部材100の第2端面112の磁石および第2支持部材200の第2端面212の磁石は省略されてもよい。
【0057】
また、固定部材は、第1支持部材100の第1端面111と第2支持部材200の第1端面211との対向を固定する部材であれば、他の部材でもよい。たとえば、固定部材は両面テープ、または、マジックテープ(登録商標)としてもよい。なお、図1では、第1支持部材100および第2支持部材が固定部材を有していない例が示されている。
【0058】
[栽培装置]
次に、栽培装置300の詳細な構成を説明する。図10は、第2調整部355を示す図である。図10は、たとえば、図1の第3方向D3から光源302を平面視した場合が示された図である。上述のように、第1調整部310により(扉部308の開放度合いにより)、光源302からの栽培物400への光量を調整できる。本実施の形態では、さらに、第2調整部355で、光源302からの栽培物400への光量を調整できる。
【0059】
第2調整部355は、保持部352と、円弧形状の貫通穴311(図1参照)と、棒部314と、キャスタ313とを備える。
【0060】
保持部352は、保持面352Aと、当接面352Bと、当接面352Cとを有する。保持部352は、保持面352Aで光源302を保持する。当接面352Bは、第1側壁308Aの内側の面に当接される。当接面352Cは、第2側壁308Bの内側の面に当接される。また、保持部352には棒部314が形成されており、該棒部は、貫通穴311を貫通している。さらに、棒部314の貫通穴311からの突出部分には、キャスタ313が形成されている。
【0061】
ユーザは、たとえば、キャスタ313を把持して該キャスタ313を操作することにより、棒部314は、貫通穴311の形状(本実施の形態では、円弧状)に沿ってスライドする。したがって、ユーザは、貫通穴311の形状(本実施の形態では、円弧状)に光源302を移動させることができる。
【0062】
図11図13の各々は、図3における線AAの断面図である。図11および図12は、扉部308が開放している状態が示されている。図13は、扉部308が収容部306を隠蔽している状態である。
【0063】
本実施の形態では、収容部306は、直方体形状に形成されている。本実施の形態では、収容部306は、第1側壁306Aと、第2側壁306Bと、底壁306Cとにより囲まれた空間である。なお、上述のように、ユーザは、キャスタ313を把持して、光源302を円弧状に沿って(貫通穴311の形状に沿って)移動させることができる。図11図13の例では、光源302の配置可能な場所として、場所M1、M2、M3が示されている。
【0064】
上述のように、扉部308は、ユーザにより開閉される。栽培装置300は、第1調整部310を有する。なお、図11図13は、線AAの断面図であることから、実際には、線AAの位置に第1調整部310は存在しないが、図11図13では、便宜上、第1調整部310が記載されている。図11図13において、第1調整部310を回動軸329と称する場合がある。扉部308は、この回動軸329を基点にユーザにより回動される。
【0065】
また、図11での扉部308の開放度合いは、図12での扉部308での開放度合いよりも大きい。ここで、開放度合いは、収容部306が外部(外気)に開放されている度合いをいう。開放度合いが大きいほど、ユーザは、より多くの部分の栽培物400を視認することができる。
【0066】
開放度合いは、扉部308の本体部305に対する回動角度θで表される。図11の例では、回動角度θ1は、本体部305の水平線305A(水平面)と、扉部308の水平線308P(水平面)とにより定まる角度である。水平線305Aは、回動軸329と本体部305の端部305Bとを結んだ線である。水平線308Pは、回動軸329と本体部305の端部308B(たとえば、持ち手部356)とを結んだ線である。
【0067】
また、図12では回動角度θ2が示されており、図13では回動角度θ3(=ゼロ)が示されている。θ1>θ2>θ3となる。図11図13に示すように、回動角度θが大きいほど、開放度合いは大きくなる。換言すれば、回動角度θが小さいほど、開放度合いは小さくなる。また、扉部308が、収容部306を隠蔽している場合には、回動角度θはゼロになる。なお、本実施の形態では、「回動角度θが大きいほど、開放度合いは大きくなる」という関係は、回動角度θが所定範囲に属するときに成立する。所定範囲は、たとえば、0度以上であり120度以下であり、より特定的には、所定範囲は、たとえば、0度以上であり90度以下である。所定範囲は、上述の開閉可能範囲に対応する。
【0068】
また、図11の例では、光源302が場所M2に位置する場合に、光源302から収容部306のうちの任意点までの距離L1が示されている。本実施の形態では、任意点は、底壁306Cの第3方向D3における中点306Xであるとする。つまり、距離L1は、M2から中点306Xまでの距離である。なお、任意点は他の点としてもよい。図12の例では、光源302が場所M2に位置する場合に、光源302から中点306Xまでの距離L2が示されている。図13の例では、光源302が場所M2に位置する場合に、光源302から中点306Xまでの距離L3が示されている。また、L1>L2>L3となる。
【0069】
このように、開放度合いが大きくなるにつれて、光源302から収容部306の任意点(図11図13の例では、中点306X)までの距離Lは長くなる。逆に、開放度合いが小さくなるにつれて、光源302から収容部306までの距離Lは短くなる。
【0070】
図14は、光源302の経路Qを示す図である。上述の第2調整部355により光源302は円弧状に移動可能である。つまり、光源302の経路Qは、円弧形状となる。本実施の形態では、経路Qは、中心点308Xを中心とした円弧形状となる。この中心点308Xは、たとえば、扉部308の開放度合いが最小となった場合(たとえば、図13の状態である場合)に、収容部306内の空間に属する点である。なお、中心点308Xは他の点としてもよい。
【0071】
次に、収容体600を説明する。収容体600は、1単位の栽培物400および該栽培物400を育成するための培養物Wが収容される箱である。1単位の栽培物400は、たとえば、1以上の本数の栽培物400を示す。栽培装置300には、1単位の栽培物が収容された収容体が1以上配置される。収容体600で栽培物400を栽培させることにより、ユーザは、栽培物400の所望単位ずつの栽培を行うことができる。また、本実施の形態では、培養物Wは、液体肥料(培養液)とする。なお、培養物Wは、固体の肥料であってもよく、また、該液体肥料がしみこんだ吸収体(たとえば、ウレタン培地など)であってもよい。収容体600の材質は如何なるものであってもよい。収容体600は、金属製、樹脂製、および木製など如何なるものであってもよい。
【0072】
図15は、収容体600の透過斜視図である。図16は、図15における線BBの収容体600の断面図である。図16の例では、収容体600は、断面五角形形状である。収容体600は、基準板610(基準面)と、第1板611(第1面)と、第2板612(第2面)と、第3板613(第3面)と、第4板614(第4面)とを有する。また、基準板610と、第1板611と、第2板612と、第3板613と、第4板614とにより形成される空間が、収容部640として機能する。収容部640には、栽培物400と、培養物Wとが収容される。
【0073】
第1板611は、基準板610に対して平行である。第2板612は、基準板610に対して斜めであり、かつ第1板611に接合されている。第3板613は、基準板610に対して垂直であり、かつ第1板611および基準板610に接合されている。第4板614は、基準板610に対して垂直であり、かつ第2板612および基準板610に接合されている。
【0074】
第1板611には、第1貫通穴601が設けられている。第2板612には、第2貫通穴602が設けられている。栽培物400は、第1貫通穴601から該栽培物400の先端が露出しつつ、該栽培物400の根元が培養物Wに浸るように収容体600に収容される。また、栽培物400は、第2貫通穴602から該栽培物400の先端が露出しつつ、該栽培物400の根元を培養物Wに浸るように収容体600に収容される。ユーザは、栽培物400の先端を、第1貫通穴601から露出させるか第2貫通穴602から露出させるかを選択できる。
【0075】
第1貫通穴601および第2貫通穴602の直径は、好ましくは、10mm以上25mm以下の範囲内の値である。仮に、第1貫通穴601および第2貫通穴602の直径が10mm未満であると、適切に、栽培物400を露出させることができない場合がある。また、第2貫通穴602の直径が25mmより大きいと、栽培物400の自重により栽培物400が収容体600から抜け落ちる場合がある。また、第1貫通穴601および第2貫通穴602の直径は、15mm以上25mm以下の範囲内の値としてもよい。
【0076】
また、図16に示すように、第1貫通穴601に栽培物400が収容される方向を「収容方向E1」と称する。収容方向E1は、第1貫通穴601が形成する第1平面601Aの法線方向でもある。また、第2貫通穴602に栽培物400が収容される方向を「収容方向E2」と称する。収容方向E2は、第2貫通穴602が形成する第2平面602Aの法線方向でもある。
【0077】
第1平面601Aの延伸方向(つまり、図16の紙面と垂直方向)から平面視した場合に、収容方向E1の直線と、収容方向E2の直線とがなす角度を、「角度ω」と称する。角度ωは、20度以上であり70度以下の範囲内の角度である。より好ましくは、角度ωは、30度以上であり60度以下の範囲内の角度である。
【0078】
また、収容体600は、蓋部を有する。図17は、蓋部630が開放されていることを示す図である。なお、図16は、蓋部630が閉塞していることを示す図である。収容体600は、蓋部630の収容部640に対する開放度合いを調整する調整部620を有する。調整部620は、ユーザによる開放度合いが維持される。調整部620は、たとえば、トルクヒンジにより構成される。このように、蓋部630は、回動軸としての調整部620を基準に回動する。なお、蓋部630は、回動する構成ではなく、他の構成としてもよい。たとえば、蓋部630は、収容体600の本体(蓋部630以外の部分)から着脱可能としてもよい。
【0079】
また、蓋部630は、第2貫通穴602を含む。具体的には、第2貫通穴602が形成された第2板612の一部が蓋部630として機能する。なお、変形例として、蓋部630は、第1貫通穴601を含むようにしてもよい。つまり、第1貫通穴601が形成された第1板611の一部が蓋部630として機能するようにしてもよい。また、蓋部630は、第1貫通穴601および第2貫通穴602のいずれも形成されていない板(たとえば、第3板613)の少なくとも一部が、蓋部630として機能してもよい。
【0080】
また、図17に示すように、収容体600は、第1貫通穴601を塞ぐための第1栓部6011を有する。第1栓部6011の形状は、第1貫通穴601の形状に応じた形状となる。図17の例では、第1栓部6011の形状は、たとえば、円柱形状とされる。また、第1栓部6011の形状は他の形状としてもよく、たとえば、円錐形状としてもよい。
【0081】
仮に、第1栓部6011と第1貫通穴601との隙間が生じてしまうと、収容部640内の培養液がこぼれる可能性がある。また、該隙間が生じてしまうと、該隙間から収容体600内に光が入射してしまい、アオコなどが発生し収容体600の内部が汚染されてしまう可能性がある。そこで、第1栓部6011と第1貫通穴601との隙間が生じることなく、第1栓部6011は、第1貫通穴601を塞ぐ。また、第1栓部6011は、たとえば、弾力性を有する素材(たとえば、ウレタンゴムまたはシリコンゴムなどの合成ゴム)により構成される。また、第1栓部6011の遮光性を担保するために、第1栓部6011には、所定の素材(たとえば、染料または顔料など)が添加される。第1栓部6011は、収容体600内の培養液がこぼれない構造であれば、如何なる構造であってもよい。第1栓部6011は、たとえば、スクリューキャップ、ヒンジキャップ、およびツイストキャップのいずれであってもよい。
【0082】
図17の例では、第1栓部6011は、収容体600から着脱可能な構成である。しかし、たとえば、第1栓部6011が結合部を有し、第1栓部6011は、結合部により収容体600に結合されている構成としてもよい。また、結合部は、たとえば、紐状としてもよい。また、図17では図示しないが、収容体600は、第2貫通穴602を塞ぐための第2栓部を有していてもよい。
【0083】
次に、栽培装置300による収容態様を説明する。図18は第1収容態様を説明するための図である。第1収容態様は、上述の第1保持態様および第2保持態様で実現される収容態様である。
【0084】
図18では、本体部305と、光源302などが示されている。また、図18の例では、4つの収容体600が配置されている。図18の例では、第1収容態様は、収容方向E1と、第1方向D1(栽培装置300の延伸方向)と直交するように、収容体600は配置される態様である。また、第1収容態様は、収容体600に収容された栽培物400が第1貫通穴から露出した態様である。
【0085】
図18の例では、基準板610が、底壁306Cに接するように収容体600は、収容部306に収容される。栽培物400および収容体600の自重により、収容体600は安定的に配置される。また、栽培物400は、光源302の方向に向くことから、栽培物400に対して光源302から光を当てることができる。その結果、栽培装置300は、栽培物400を適切に育成させることができる。
【0086】
図19は、第2収容態様を説明するための図である。第2収容態様は、上述の第3保持態様で実現される収容態様である。また、図19に示すように、4つの収容体600のそれぞれを、収容体600A、収容体600B、収容体600C、収容体600Dとも称する。
【0087】
また、栽培装置300は、収容体600を保持する保持機構を有する。第2収容態様の収容は、該保持機構により実現される。本実施の形態では、保持機構は、凸部材により構成される。ここで、凸部材は、ダボ653である。ダボ653は、第1側壁306Aと、第2側壁306Bとの双方に配置される。なお、ダボ653は、ダボ穴に挿入可能である。また、図19の例では、ダボ653により基準板610が保持される。図19の例では、さらに、収容体600の一部(図19の例では、収容体600の頂部654)が、収容部306の一部(図19の例では、底壁306C)により保持される。図20は、第2収容態様の変形例を示す図である。図20に示すように、収容体600の一部が、ダボ653により保持されるようにしてもよい。
【0088】
図21は、ダボ653と、ダボ653が挿入されるダボ穴とが主に示された図である。図21の例では、栽培装置300および収容体600が破線で示されている。また、図22は、第1側壁306Aと、第2側壁306Bとに形成されたダボ穴の一例を示す図である。図22は、第1保持機構が形成されている面(つまり、第1側壁306Aの面)の法線方向から平面視した図である。図21の例では、ダボ653が挿入されているダボ穴は、黒丸で示されており、ダボ653が挿入されていないダボ穴は、白丸で示されている。
【0089】
ところで、図6に示す第2収容態様の例では、第2端面322が配置面430に配置されている例が示されている。この図6の例では、扉部308が閉塞している栽培装置300にユーザが対面した場合に、ユーザの左側に持ち手部356が存在し、扉部308は、ユーザの右方向に回動して開く。ところが、栽培装置300の配置環境などにより、扉部308が閉塞している栽培装置300にユーザが対面した場合に、ユーザが、扉部308を左方向に回動して開きたい場合がある。この場合を鑑みて、第1端面321が配置面430に配置される、つまり、栽培装置300の上下が反転されて配置されてもよい。このように、第1端面321が配置面430に配置されても、栽培装置300は、第2収容態様で収容体600を収容可能である。以下では、第1端面321が配置面430に配置される第2収容態様を「第2収容態様A」と称し、第2端面322が配置面430に配置される第2収容態様を「第2収容態様B」と称する。なお、図6で示した第2収容態様は、第2収容態様Bとなる。ユーザは、栽培装置300の配置環境などを鑑みて、第2収容態様Aおよび第2収容態様Bのいずれかで栽培装置300を配置させることができる。
【0090】
図22は、第1側壁306Aおよび第2側壁306Bに形成されているダボ穴653Aおよびダボ穴653Bを示す図である。図22の例では、隣接する2つのダボ穴653A(斜めに向かい合う2つのダボ穴)と、該2つのダボ穴653Aのそれぞれに挿入されたダボ653と、隣接する2つのダボ穴653Bと、該2つのダボ穴653Bのそれぞれに挿入されたダボ653とが保持機構となる。なお、図22の例では、便宜上、隣接する2つのダボ穴653Aと、隣接する2つのダボ穴653Bとが「保持機構671」として示されている。なお、図22では、1つの保持機構671のみが示されているが、他のダボ穴により3つの保持機構671が構成される。
【0091】
隣接する2つのダボ穴653Aの各々に挿入されたダボ653が第1保持機構を構成する。また、隣接する2つのダボ穴653Bの各々に挿入されたダボ653が第2保持機構を構成する。第1保持機構は、第2収容態様Aであるときに、収容体600を保持する。また、第2保持機構は、第2収容態様Bであるときに、収容体600を保持する。
【0092】
また、図22に示すように、隣接する2つのダボ穴653Aを結ぶ直線を直線654Aと称する。また、隣接する2つのダボ穴653Bを結ぶ直線を654Bと称する。そして、直線654Aと直線654Bとの交点を交点Gとする。第1保持機構は、交点Gを中心にして、第2保持機構を90度回転させることにより形成される(図22の矢印β参照)。また、「90度」については、ダボ穴653Aおよびダボ穴653Bの製造上のばらつきが発生することなどにより、「略90度」も含む。
【0093】
たとえば、第2収容態様Aで収容体600が栽培装置300に収容されている場合において、ユーザが第2収容態様Bに変更する場合には、以下のように行う。まず、ユーザは、全ての収容体600を取り外し、ダボ穴653Aに挿入されているダボ653を取り外す。その後、ユーザは、栽培装置300の上下を逆転して配置させる。そして、ユーザは、ダボ穴653Bにダボ653挿入させて、該ダボ653に収容体600を保持させる。
【0094】
次に、収容方向E2と、第1方向D1との関係を説明する。図23は、収容方向E2と、第1方向D1との関係を示す図である。図20の例では、光源302および収容体600を第2平面602Aの延伸方向から平面視した場合に、第2収容態様は、収容方向E2と、第1方向D1(栽培装置300の延伸方向)と直交しないように、収容体600は配置される態様である。より特定的には、収容方向E2と、第1方向D1とは平行および略平行である。図23では、収容方向E2と、第1方向D1とが略平行である例が示されている。図23には、第2貫通穴602が形成する第2平面602Aから、収容体600の内部の方向とは反対側の方向に延伸する法線F2が示されている。法線F2は、収容方向E2に沿った直線でもある。また、光源302の延伸方向の直線302Lが示されている。直線302Lは、第1方向D1に沿った直線でもある。そして、光源302および収容体600を平面視すると、法線F2と、直線302Lとは点Sで交わる。以上のように、「収容方向E2と、第1方向D1とが略平行である態様」とは、「光源302および収容体600を平面視すると、法線F2と、直線302L(第1方向D1がなす直線)とが点Sで交わる」ということである。また、法線F2と、直線302Lとがなす角度を「角度φ」とする。また、角度φは90度とは異なる角度となる。
【0095】
このように、法線F2と、直線302Lとが点Sで交わるように、栽培物400を収容させることで(つまり、栽培物400を第2収容態様で収容することで)栽培物400を光源302に向かせることができる。したがって、たとえば、光源302からの栽培物400への照度を増加させることができる。
【0096】
また、角度φが大きくなるほど、光源302からの栽培物400への照度を増加させることができる。しかし、角度φが大きすぎると、収容体600に収容されている液体養分が第2貫通穴602からこぼれてしまう。よって、角度φは、光源302からの栽培物400への照度および液体養分が貫通穴からこぼれるか否かなどにより適宜決定される。
【0097】
また、図19および図20の例では、栽培物400の奥側400A(栽培物400のうち光源302側と反対側)には、光源302からの光が十分に当たらない場合がある。そこで、本実施の形態では、収容体600は、光源からの光を栽培物400の全体的に当てるための反射部材662を備える。反射部材662は、光を反射する部材であれば、如何なる部材であってもよく、たとえば、鏡、レフ、またはアルミ箔などである。図20の例では、反射部材662は、薄板状の部材である。
【0098】
以下では、最下部の収容体600D以外の収容体(つまり、収容体600A~600C)は、「第1収容体」とも称される。また、最上部の収容体600A以外の収容体(つまり、収容体600B~600D)は、「第2収容体」とも称される。また、第1収容体と第2収容体とは隣接して収容される。反射部材662は、第1収容体(つまり、収容体600A~600Cの各々)の基準板に配置される。
【0099】
図24は、反射部材662からの反射光を説明するための図である。図24の例では、第1収容体として、収容体600Aが示されており、第2収容体として、収容体600Bとが示されている。図24に示すように、光源302からの光は、収容体600Bの第2貫通穴602の収容体600Bの内部670と反対側の空間Eに主に反射する。空間Eは、「収容体600Bに栽培物400が収容されたと仮定した場合に、第2貫通穴602からの栽培物400の露出部分が位置する空間」である。
【0100】
このように、栽培装置300が反射部材662を備えることにより、栽培物400の全体的に光を当てることができる。なお、反射部材662の設置場所は、第1収容体に限らず、他の場所であってもよい。他の場所は、たとえば、収容部306または扉部308などである。より特定的には、他の場所は、収容部306の壁面などである。
【0101】
[小括]
(1-1) たとえば、従来の栽培装置において、ユーザが、成分源の一例である光源から、対象物の一例である植物への光量を調整したい場合がある。この場合において、キャビネットの一例である植物育成装置に、光源と植物との距離を調整する調整機構を、上述の扉部とは別に設ける必要がある。したがって、部品点数が多くなるという問題が生じ得る。
【0102】
これに対し、本実施の形態では、図11図13等に示すように、光源302を扉部308に配置させ、第1調整部310は、扉部308の収容部306に対する開放度合いを調整する。さらに、開放度合いが大きくなるにつれて、光源302は収容部306から離れる。したがって、光源302と収容部306(収容部306に収容されている栽培物400)との距離Lを調整する調整機構と、扉部308の収容部306に対する開放度合いを調整する調整機構とを兼用させることができる。したがって、従来の栽培装置と比較して、部品点数を少なくできる。これとともに、栽培装置300は、栽培物400に発する光量を調整できる。
【0103】
(1-2) また、第1調整部310は、扉部308の収容部306に対する開放度合いを維持する。したがって、ユーザの所望の開放度合いとすることができる。
【0104】
(1-3) また、図10等に示したように、栽培装置300は、光源302から収容部306までの距離Lを調整する第2調整部355をさらに備える。したがって、ユーザは、第1調整部310の調整とは別に、第2調整部355の調整も可能となり、より細やかな調整が可能となる。
【0105】
(1-4) たとえば、栽培物400が、光屈性を有する場合には、該栽培物400は光源302に向かって成長する。このような状況に備えて、ユーザは栽培物400に対する光源302からの光の投射方向を変更したい場合がある。そこで、図14などに示したように、第2調整部355は、光源302を円弧状に移動させる。これにより、栽培物400に対する光量のみならず、栽培物400に対する光源302からの光の投射方向も変更できる。したがって、栽培物400が、光屈性を有していたとしても、適切に栽培物400を育成させることができる。
【0106】
(1-5) また、ユーザは、栽培物の収容態様は、第1収容態様および第2収容態様のいずれかに変更可能である。したがって、ユーザは、栽培ユニット10の配置スペースなどに応じて、収容態様を変更できる。さらに、第1収容態様は、栽培物400の収容方向E1が、第1方向D1(栽培装置300の延伸方向)に対して垂直である態様である。また、第2収容態様は、栽培物400の収容方向E2が、第1方向D1(栽培装置300の延伸方向)に対して垂直ではない態様である。したがって、第1収容態様および第2収容態様のいずれにおいても、光源302からの光を栽培物400に対して適切に投射できる。
【0107】
(1-6) また、第1収容態様は、収容体600に収容された栽培物400が第1貫通穴601から露出した態様であり、第2収容態様は、収容体600に収容された栽培物400が第2貫通穴602から露出した態様である。このような構成により、収容体600による栽培物400の栽培を実現できるとともに、第1収容態様および第2収容態様での収容を実現できる。
【0108】
(1-7) また、ユーザは、収容体600を栽培装置300から着脱可能である。したがって、ユーザは、収容体600の栽培物400の交換、および収容体600の清掃を容易に実行できる。
【0109】
(1-8) また、栽培装置300は、反射部材662を有する。図24に示すように、反射部材662は、光源302からの光を、収容体600の第2貫通穴602の収容体の内部670と反対側の空間Eに反射する。これにより、栽培物400の奥側400Aなどにも光源302からの光を投射することができる。したがって、光源302は、栽培物400の全体的に光を投射できる。
【0110】
(1-9) また、反射部材662は、第1収容体(つまり、収容体600A~600C)は、反射部材662を有する。反射部材662は、光源302からの光を、第2収容体(つまり、収容体600B~600D)の第2貫通穴602の第2収容体の内部670と反対側の空間Eに反射する。この構成であれば、栽培物400の近い場所で、光源302からの光を反射させることができる。
【0111】
(1-10) また、栽培装置300は、第1保持機構(隣接するダボ穴653Aおよび該ダボ穴に挿入されるダボ653)と、第2保持機構(隣接するダボ穴653Bおよび該ダボ穴に挿入されるダボ653)とを備える。さらに、第1保持機構および第2保持機構が形成されている面(第1側壁306Aおよび第2側壁306Bの面)において、第1保持機構によりなす直線654Aと第2保持機構によりなす直線654Bとの交点Gを中心にして、第1保持機構は、第2保持機構を90度回転させることにより形成される。このような構成により、栽培装置300は、上述の第2収容態様Aと上述の第2収容態様Bとのいずれにおいても、収容体600を収容できる。
【0112】
(2-1) また、キャスターという支持部材により支持されている植物育成装置が堤南されている。この植物育成装置において、ユーザは、ユーザの嗜好に応じて、植物育成装置の支持部材による支持の態様を変更したい場合がある。しかしながら、従来の支持部材では、態様に応じた支持部材が必要であり、部品点数が多くなるという問題が生じ得る。
【0113】
そこで、本実施の形態の支持ユニット250では、ユーザは栽培装置300の支持態様を第1支持態様(図8参照)および第2支持態様(図9参照)のいずれかに変更可能である。したがって、部品点数を少なくしつつ、ユーザは、栽培装置300の支持態様を変更することができる。
【0114】
栽培装置300が第1支持態様で支持されている場合には(図1および図8参照)、栽培装置300は、配置面430から基部103、203の高さに位置する。一方、栽培装置300が第2支持態様で支持されている場合には(図5および図9参照)、第1延伸部101、201および第2延伸部102、202の長さに対応する高さに位置する。したがって、栽培装置300の配置面430からの高さは、第2支持態様の方が第1支持態様よりも高い。よって、ユーザが光源302からの光を眩しく感じる場合には、ユーザは、栽培装置300の支持態様を第1支持態様にする。また、ユーザが、栽培物400を近くで観察したい場合には、ユーザは、栽培装置300の支持態様を第2支持態様にする。
【0115】
(2-2) また、図5に示すように、第1支持部材100の第1端面111と第2端面112とは同一の平面にある。そして、第2支持部材200の第1端面211と第2端面212とは同一の平面にある。したがって、第2支持態様において、第1支持部材100および第2支持部材200を配置面430に対して安定的に配置させることができる。
【0116】
(2-3) また、第1支持部材100および第2支持部材200は、C字形状とされる。したがって、たとえば、円筒形状である栽培装置300を第1支持態様で支持する場合には、第1延伸部101、201および第2延伸部102、202が、該栽培装置300を囲むように支持する。したがって、支持ユニット250は、栽培装置300を安定的に支持できる。
【0117】
なお、上述の実施の形態においては、図4および図8などで示したように、栽培装置300が有する円柱形状(C字形状)に応じて、第1支持部材100および第2支持部材200の内周の形状(第1支持態様で、栽培装置300の接する箇所の形状)が半円形状である構成を説明した。しかしながら、該内周の形状は、1つ以上の屈曲部を有する形状としてもよい。たとえば、該内周の形状が、2つの屈曲部を有する構成は、後述の図31に示す形状である。本実施の形態においては、C字形状は、内周が1つ以上の屈曲部を有する形状を含む。
【0118】
また、栽培装置300の形状に応じて内周の形状は設計されてもよい。たとえば、栽培装置300が、四角柱形状である場合には、第1支持部材100および第2支持部材200の内周は、2つの屈曲部を有するようにしてもよい。また、栽培装置300が、六角柱形状である場合には、第1支持部材100および第2支持部材200の内周は、3つの屈曲部を有するようにしてもよい。
【0119】
(2-4) また、円形の第1端面321の中心を通りかつ該第1端面321に垂直である面における栽培装置300の断面は略矩形状となる。第1支持態様および第2支持態様では、栽培ユニット10の配置面430における占有面積は、大略して、略矩形状の断面の面積となり、該占有面積は比較的大きくなる。
【0120】
一方、第3支持態様では、栽培ユニット10の配置面430における占有面積は、第1支持部材100の外周および第2支持部材200の外周により形成される略円形状の面積となる(図7参照)。したがって、第3支持態様では、第1支持態様および第2支持態様よりも、栽培ユニット10の配置面430における占有面積を小さくできる。
【0121】
よって、たとえば、栽培ユニット10の配置可能なスペースが狭い場合には、ユーザは、支持ユニット250に第3支持態様で栽培装置300を支持させる。これにより、栽培ユニット10の配置可能なスペースが狭い場合であっても、支持ユニット250に第3支持態様で栽培装置300を支持できる。また、第3支持態様では、栽培装置300を立てて支持できることから、ユーザは、第1支持態様および第2支持態様とは異なる視点で、栽培物400を観察できる。
【0122】
(2-5) また、第1支持部材100の第1端面111と第2支持部材200の第1端面211との対向を固定する固定部材121、221(たとえば、それぞれ極性が異なる磁石)が配置される。また、第1支持部材100の第2端面112と第2支持部材200の第2端面212との対向を固定する固定部材122、222(たとえば、それぞれ極性が異なる磁石)が配置される。したがって、栽培装置300の支持態様が第3支持態様である場合において、第1端面111と第1端面211との対向、および第2端面112と第2端面212との対向を安定させることができる。
【0123】
(3-1) また、従来の植物育成装置において、ユーザの所望単位の栽培物を収容させる収容箱を用いて、栽培物を栽培させることが考えられる。しかしながら、このような収容箱においては、ユーザの嗜好に応じた栽培物の栽培方法について鑑みられていなかった。これに対し、図16の収容体600は、栽培物400と、該栽培物を栽培させるための培養物Wとが収容される収容部640と、前記収容部640に収容されている前記栽培物400が露出する第1貫通穴601と、第2貫通穴602とを備える。
【0124】
このような構成によれば、栽培物400を、第1貫通穴601および第2貫通穴602の少なくとも一方から露出させることができる、または、第1貫通穴601から栽培物400を露出させ第2貫通穴602からは培養物Wを供給できる、といった栽培方法を実現できる。なお、栽培物400を露出させるための貫通穴の直径は、10mm以上25mm以下とされ、なお特定的には、15mm以上25mm以下とされる。
【0125】
(3-2) また、第2貫通穴602は、栽培物400が露出するための穴としてもよい。このような構成によれば、ユーザは、ユーザの嗜好に応じておよび収容体600の配置環境などに応じて、第1貫通穴601から栽培物400を露出させる態様と、第2貫通穴602から栽培物400を露出させる態様と、第1貫通穴601および第2貫通穴602の双方から栽培物400を露出させる態様とを選択できる。
【0126】
(3-3) また、図16に示すように、前記第1貫通穴601により形成される第1平面の延伸方向から平面視した場合に、前記第1貫通穴601により形成される第1平面601Aの第1法線(収容方向E1による直線)と、前記第2貫通穴602により形成される第2平面602Aの第2法線(収容方向E2による直線)とがなす角度ωは、20度以上70度未満の範囲内である。
【0127】
このような構成によれば、収容部640に収容された培養液がこぼれなることを抑制しつつ、ユーザは、ユーザの嗜好に応じて、栽培物400の収容態様を変更することができる。
【0128】
(3-4) また、収容体600により栽培物400の栽培を進めていくにつれて、収容体600の内部において(収容部640において)、不要物(汚れまたはアオコなど)が発生する場合がある。そこで、図17に示すように、収容体600は、収容部640を開放可能な蓋部630をさらに備えるようにしてもよい。このような構成により、ユーザは、蓋部630を開放することにより、収容部640を外部に露出することができる。したがって、ユーザは、収容部640を容易に清掃でき、その結果、上述の不要物を除去できる。
【0129】
(3-5) 蓋部630は、第1貫通穴601および第2貫通穴602のいずれかを含むようにしてもよい。このような構成によれば、ユーザは、該ユーザの指などを第1貫通穴601および第2貫通穴602のいずれかに挿入して蓋部630を開けることができる。したがって、ユーザは、容易に蓋部630を開けることができる。
【0130】
(3-6) 図17に示すように、栽培装置300は、第1貫通穴601を塞ぐための第1栓部6011をさらに備える。したがって、第1栓部6011により第1貫通穴601が塞がれることにより、第1貫通穴601から培養液がこぼれることを防止できる。
【0131】
なお、収容体600は、栽培装置300に収容させずに、単独で用いられてもよい。たとえば、1つの収容体600に栽培物400を収容させて、該1つの収容体600はユーザ所望の位置に配置されてもよい。
【0132】
[その他の実施形態]
(1) 上述の実施の形態では、第1調整部310としてトルクヒンジが使用される構成を説明した。しかしながら、トルクヒンジが経年劣化することなどにより、扉部308の開放度合いが維持できなくなる場合がある。この場合において、たとえば、回動角度θ(図11図13参照)が、90度以上となると、光源302からの光を適切に栽培物400に投射できない。そこで、本実施の形態の栽培装置は、光源を扉部から突出させる突出機構をさらに備える。
【0133】
図25は、本実施の形態の栽培装置300Aを示す図である。図25の例では、突出機構369を備える。図25の例では、突出機構369は、スライドレールにより構成される。突出機構369は、アウターレール342と、インナーレール341とを含む。アウターレール342と、インナーレール341とは、共に延伸形状を有する。また、インナーレール341は、アウターレール342に対してスライド可能に係合されている。光源302は、インナーレール341の延伸方向にユーザにより移動可能とされる。
【0134】
図25(A)では、回動角度θが90度以上となっている状態が示されている。この状態では、光源302からの光を収容部306に収容されている栽培物400に投射することができない。
【0135】
そこで、ユーザは、図25(B)に示すように、インナーレール341をスライドさせることにより、光源302を扉部308から突出させる。したがって、光源302からの光を収容部306に収容されている栽培物400に投射することができる。
【0136】
このように、栽培装置300Aが突出機構369を有することにより、光源302の位置のユーザによる調整の自由度を向上させることができる。たとえば、回動角度θが、90度以上になったとしても、突出機構369により光源302を扉部308から突出させることで、光源302からの光を収容部306に収容されている栽培物400に投射することができる。また、ユーザは、扉部308から光源302の突出度合いに応じて、光源302から栽培物400の投射方向を調整することができる。
【0137】
(2) 図26は、別実施形態の栽培装置300Bの構成例を示す図である。栽培装置300は、天井面913から該栽培装置300Bを吊下げるための吊下部材を備える。図26の例では、吊下部材は、フックである。また、図26の例では、吊下部材は、収容部306の両脇に取り付けられている。具体的には、収容部306の第1脇部381には、第1吊下部材911が配置される。また、収容部306の第2脇部382には、第2吊下部材912が配置される。
【0138】
図26の例では、さらに、吊下棒が用いられる。具体的には、第1吊下棒921の一端は、第1吊下部材911に取り付けられ、第1吊下棒921の他端は、天井面913に取り付けられる。また、第2吊下棒922の一端は、第2吊下部材912に取り付けられ、第2吊下棒922の他端は、天井面913に取り付けられる。
【0139】
このように、栽培装置300Bは、第1吊下部材911および第2吊下部材912により天井面913から吊り下げることができる。したがって、たとえば、栽培装置の配置スペースが確保できない場合であっても、ユーザは、栽培装置300Bにより、水耕栽培を実現できる。また、ユーザは、上述の第1支持態様~第3支持態様とは異なる視点で、栽培物400を観察できる。
【0140】
(3) 図1などの例では、栽培装置300がアダプタ371および配線372を有する構成を説明した。しかしながら、栽培装置300を移動させるときなどにおいて、ユーザが、アダプタ371および配線372を煩雑に感じる場合がある。そこで、本実施の形態では、栽培装置300がアダプタ371および配線372を有さない構成を説明する。
【0141】
図27は、本実施形態の栽培ユニット10Cの構成例である。栽培ユニット10Cは、栽培装置300Cと、第1支持部材100Cと、第2支持部材200とを備える。栽培装置300Cは、アダプタ371および配線372を有さない。また、栽培装置300Cは、第2接続端子902と、バッテリ903とを有する。バッテリ903は、たとえば、二次電池などにより構成される。バッテリ903は、該バッテリ903が蓄積している電気を光源302に供給する。
【0142】
また、第1支持部材100は、供給装置941を備える。供給装置941は、アダプタ371と、配線372と、第1接続端子901とを有する。第1接続端子901と第2接続端子902とは対応しており、第1接続端子901と第2接続端子902とは接続可能とされている。また、第1接続端子901と、第2接続端子902とはそれぞれ対応する箇所に配置されている。また、第1接続端子901は、第1面131および第2面132の少なくとも一方に設けられる。図27の例では、第1接続端子901は、第1面131に設けられている例が示されている。
【0143】
たとえば、栽培装置300Cが第1支持態様で支持される場合には、ユーザは、栽培装置300Cに配置されている第2接続端子902と、第1支持部材100の第2面132に配置されている第1接続端子901とを接続させる。これにより、AC電源(図示せず)の電流が、アダプタ371、配線372、第1接続端子901、第2接続端子902、およびバッテリ903の順番で供給されることにより、バッテリ903に電気が蓄積される。そして、バッテリ903に蓄積された電気は、電力として、光源302に供給される。
【0144】
また、栽培装置300Cが第2支持態様で支持される場合には、ユーザは、栽培装置300に配置されている第2接続端子902と、第1支持部材100の第1面131に配置されている第1接続端子901とを接続させる。これにより、AC電源(図示せず)の電流が、アダプタ371、配線372、第1接続端子901、第2接続端子902、およびバッテリ903の順番で供給されることにより、バッテリ903に電気が蓄積される。そして、バッテリ903に蓄積された電気は、電力として、光源302に供給される。
【0145】
このような構成によれば、第1支持態様および第2支持態様のいずれにおいても、栽培ユニット10Cは、バッテリ903に充電させることができる。したがって、栽培装置300Cが、アダプタ371および配線372を有さない構成であっても、バッテリ903が光源302に電力を供給することができる。
【0146】
また、駆動部品(光源302)に電力を供給する供給装置941は、他の構成であってもよい。たとえば、供給装置941は、ワイヤレス給電により、バッテリ903に充電するようにしてもよい。たとえば、第1支持部材100Cの第1接続端子901が、送電コイルとなり、栽培装置300Cの第2接続端子902が、受電コイルとなる。そして、送電コイルと、受電コイルとによりワイヤレス充電が実現される。
【0147】
また、図27の例では、第1支持部材100Cが、上述の供給装置941を備える構成を説明したが、第2支持部材200が、上述の供給装置941を備える構成であってもよい。また、第1支持部材100および第2支持部材の双方が上述の供給装置941を備えるようにしてもよい。
【0148】
(4) 上述の実施の形態では、対象物ユニットは、栽培ユニットとして適用される構成を説明した。しかしながら、対象物ユニットは、他の例に適用されてもよい。以下では、上述の栽培装置300に対応するものを「キャビネット」と称し、栽培物400に対応するものを「収容物」と称する。
【0149】
たとえば、対象物ユニットは、殺菌ユニットに適用されてもよい。ここで、殺菌ユニットは、対象物を殺菌するユニットである。たとえば、収容物は、殺菌対象物である。殺菌対象物は、たとえば、医療施設で使用されたスリッパなどである。また、対象物ユニットが殺菌ユニットに用いられる場合には、成分源(上述の実施の形態では光源302)は、殺菌灯であり、所定成分は、たとえば、紫外線である。このような殺菌ユニットであっても、扉部の収容部に対する開放度合いを調整する第1調整部を備え、開放度合いが大きくなるにつれて、成分源(殺菌灯)は収容部から離れる。したがって、このような殺菌ユニットであっても、部品点数を少なくしつつ対象物(殺菌対象物)に発せられる成分量(紫外線量)を調整できる。
【0150】
また、対象物ユニットは、加熱ユニットに適用されてもよい。ここで、加熱ユニットは、対象物を加熱するユニットである。たとえば、収容物は、加熱対象物である。加熱対象物は、たとえば、食料などである。また、対象物ユニットが加熱ユニットに用いられる場合には、成分源(上述の実施の形態では光源302)は、熱源であり、所定成分は、たとえば、熱である。このような加熱ユニットであっても、扉部の収容部に対する開放度合いを調整する第1調整部を備え、開放度合いが大きくなるにつれて、成分源(熱源)は収容部から離れる。したがって、このような加熱ユニットであっても、部品点数を少なくしつつ対象物(加熱対象物)に発せられる成分量(熱量)を調整できる。
【0151】
また、対象物ユニットは、冷却ユニットに適用されてもよい。ここで、冷却ユニットは、対象物を冷却するユニットである。たとえば、収容物は、冷却対象物である。冷却対象物は、たとえば、食料などである。また、対象物ユニットが冷却ユニットに用いられる場合には、成分源(上述の実施の形態では光源302)は、冷却源であり、所定成分は、たとえば、低温の熱である。このような冷却ユニットであっても、扉部の収容部に対する開放度合いを調整する第1調整部を備え、開放度合いが大きくなるにつれて、成分源(冷却源)は収容部から離れる。したがって、このような冷却ユニットであっても、部品点数を少なくしつつ対象物(冷却対象物)に発せられる成分量(熱量)を調整できる。
【0152】
また、対象物ユニットは、展示ユニットに適用されてもよい。ここで、展示ユニットは、対象物を展示するユニットであり、たとえば、ショーケースなどに適用される。たとえば、収容物は、展示対象物である。展示対象物は、たとえば、企業などが販売を促進している対象物である。また、対象物ユニットが展示ユニットに用いられる場合には、成分源は、光源であり、所定成分は、たとえば、光である。また、ユーザは、対象物に対する光量を調整することにより、対象物の見せ方を多様にできる。このような展示ユニットであっても、扉部の収容部に対する開放度合いを調整する第1調整部を備え、開放度合いが大きくなるにつれて、成分源(展示源)は収容部から離れる。したがって、このような展示ユニットであっても、部品点数を少なくしつつ対象物(展示対象物)に発せられる成分量(光)を調整できる。以上のように、成分源は、熱源または光源である。また、所定成分は、熱または光である。
【0153】
(5) また、キャビネットの外面に対して、模様もしくは色彩またはこれらの結合が形成されてもよい。図28は、キャビネット300Dの外面に対して、模様910が形成された一例が示された図である。また、図28の例では、扉部308が閉じられた状態が示されている。そして、図28の例では、本体部305および扉部308に亘って模様910が形成されている。図28の例では、模様910は、「ABCジュース」という文字である。たとえば、対象物ユニットが、上述の展示ユニットに適用される場合において、対象物がABCジュースである場合には、ABCジュースの缶が模倣されたキャビネット300Dに、ABCジュースが収容される。したがって、このような展示ユニットであれば、ABCジュースの斬新な販売促進を行うことができる。
【0154】
(6) また、栽培装置300などのキャビネットは、該キャビネットの少なくとも一部は、収容物を視認させるための透過性を有するようにしてもよい。たとえば、本体部および扉部のうち少なくとも一部は、透過性を有する。このような構成によれば、扉部を開放しなくても、ユーザは、収容物を視認することができる。
【0155】
(7) 上述の実施の形態では、扉部308の収容部306に対する開放度合いを調整し、開放度合いが大きくなるにつれて、光源302は収容部306から離れる構成が実現されるために、第1調整部310はトルクヒンジであり、扉部308は、このトルクヒンジを中心に回動する構成を説明した。しかしながら、扉部308の収容部306に対する開放度合いを調整し、開放度合いが大きくなるにつれて、光源302は収容部306から離れる構成であれば、如何なる構成が採用されてもよい。
【0156】
図29は、本実施の形態の栽培装置300Eの構成例である。図29(A)は、扉部308が収容部306を隠蔽している状態を示す図である。図29(B)は、扉部308が収容部306を開放している状態を示す図である。
【0157】
図29(A)に示すように、栽培装置300Eは、本体部305と扉部308とを備える。また、扉部308の裏側に光源302が設置されている。また、本体部305の内部には、スライド棒収容部337が形成されている。該スライド棒収容部337にスライド棒333が収容されている。
【0158】
ユーザは、扉部308を開放する場合には、ユーザは、凹形状の持ち手部356にユーザの手を挿入して扉部308を上昇させる(第2方向D2に移動させる)。そうすると、スライド棒333は、スライド棒収容部337から露出し、扉部308が上昇した状態が維持される。扉部308の収容部306の開放度合いは、扉部308と収容部との距離Yに応じた値となる。また、距離Yと、光源302と収容部306との距離とは対応した値である。したがって、図29の構成であっても、扉部308の収容部306開放度合いが大きくなるにつれて、光源302は収容部306から離れる。このように、図29の構成であっても、上述の実施の形態の効果と同様の効果を奏する。
【0159】
(8) 上述の実施の形態では、支持ユニット250は、2つの支持部材(第1支持部材100および第2支持部材200)である構成を説明した。しかしながら、支持ユニット250は、1つの支持部材で構成されてもよく、3つ以上の支持部材で構成されてもよい。
【0160】
図30は、支持ユニットが1つの支持部材である構成を示した図である。図30の第1支持部材100Aの厚みD1は、上述の第1支持部材100の厚みDよりも厚い。支持ユニット250が、1つの第1支持部材100Aで構成されていたとしても、上述の実施の形態の効果と同様の効果を奏する。
【0161】
また、第1支持部材100Aは、十分な厚みD1を有することから、第4支持態様として、1つの第1支持部材100Aで栽培装置300を立てて保持するようにしてもよい。この第4支持態様においては、第3支持態様と比較して、さらに占有面積を削減させることができる。さらに、第1支持部材100Aと、栽培装置300とを固定する固定部材(たとえば、磁石)を、第1支持部材100Aの内周部分に設けるようにしてもよい。
【0162】
(9) 上述の実施の形態では、支持部材は、C字形状である構成を説明した。つまり、第1延伸部および第2延伸部はとも湾曲形状を有する構成を説明した。しかしながら、第1延伸部および第2延伸部は、他の構成であってもよい。図31は、他の実施形態の第1支持部材100Bの断面形状を示す図である。
【0163】
図31の例では、第1延伸部101および第2延伸部102は、湾曲形状を有さず、直線形状を有する。また、特に図示しないが、第1延伸部101および第2延伸部102は、湾曲形状ではなく、屈曲形状を有していてもよい。また、特に図示しないが、第2支持部材は、第1支持部材と同様の形状としてもよく、異なる形状としてもよい。図31のような支持部材であっても、上述の実施の形態の効果と同様の効果を奏する。
【0164】
(10) 上述の実施の形態では、支持ユニット250による栽培装置300の支持態様は、第1支持態様~第3支持態様を含む構成を説明した。しかしながら、支持ユニット250の支持態様は、第1支持態様と、第3支持態様とである構成が採用されてもよい。
【0165】
図32は、本実施の形態の第1支持部材100Cを示す図である。図32の例では、第1支持部材100Bの凹形状の第1面131が形成されておらず、該第1面131が平面131Xに代替されている。このような第1支持部材100と、該第1支持部材100Cと同一の第2支持部材とにより構成される支持ユニットにより、第3支持態様および第1支持態様による栽培装置300の支持が可能となる。一方、該支持ユニットにより、第2支持態様では栽培装置300は支持されない。
【0166】
このように、支持ユニットは、栽培装置300が、第1支持態様および第3支持態様による支持が可能であるが、第2支持態様では支持されない構成が採用されてもよい。
【0167】
(11) 上述の実施の形態では、扉部308は、収容部306に対して完全に隠蔽する構成を説明した、しかしながら、扉部308は、収容部306に対して完全に隠蔽されない構成が採用されてもよい。また、上述の実施の形態では、栽培装置300である対象物は、延伸形状を有する構成を説明した。しかしながら、対象物は、延伸形状を有していなくてもよい。
【0168】
(12) 上述の実施の形態では、第2収容態様を実現するための保持機構671は、ダボ穴と、ダボである構成を説明した(図22など参照)。しかしながら、保持機構671は、他の構成としてもよい。他の構成は、たとえば、セパレータと、該セパレータが係合される溝とを含む。
【0169】
図33は、変形例の保持機構671の一例を示す図である。図33の例では、保持機構671は、セパレータ680により構成される。セパレータ680は、たとえば、薄板状の部材である。図33の例では、セパレータ680は、基準板610を保持している。また、セパレータ680は、上述の反射部材を有してもよい。
【0170】
図34は、セパレータ680と、溝とが主に示された図である。図34の例では、栽培装置300および収容体600が破線で示されている。また、図35は、第1側壁306Aと、第2側壁306Bとに形成された溝の一例を示す図である。図34の例では、セパレータ680が挿入されている溝は、ハッチングが付されており、セパレータ680が挿入されていない溝は、ハッチングが付されていない。
【0171】
図35は、第1側壁306Aおよび第2側壁306Bに形成されている溝680Aおよび溝680Bを示す図である。図35の例では、第1側壁306Aおよび第2側壁306Bの各々において、溝680Aおよび溝680Bが交差して形成されている。
【0172】
図35の例では、第1側壁306Aおよび第2側壁306Bの各々に形成された溝680Aに挿入されたセパレータ680が、上述の第1保持機構を構成する。また、第1側壁306Aおよび第2側壁306Bの各々に形成された溝680Bに挿入されたセパレータ680が、上述の第2保持機構を構成する。収容態様が第2収容態様Aであるときに、第1保持機構が収容体600を保持する。また、収容態様が第2収容態様Bであるときに、第2保持機構が収容体600を保持する。
【0173】
また、図35は、第1保持機構が形成されている面(つまり、第1側壁306Aの面)の法線方向から平面視した図である。溝680Aに沿った直線(第1保持機構によりなす線)と、溝680Bに沿った直線(第1保持機構によりなす線)との交点として交点Gが示されている。第1保持機構は、交点Gを中心にして、第2保持機構を90度回転させることにより形成される(図35の矢印β参照)。
【0174】
このような第1保持機構および第2保持機構であっても、栽培装置300は、第2収容態様Aおよび第2収容態様Bのいずれかで収容体600を収容できる。
【0175】
(13) 上述の実施の形態では、第1支持部材100の周縁131Aが頂部形状である構成を説明した(図4参照)。しかしながら、周縁131Aは、平面であってもよい。図36は、第1支持部材の変形例である第1支持部材100Dの一例を示す図である。図36の第1支持部材100Dの周縁131Sは、平面形状である。なお、特に図示しないが、第2支持部材200の周縁も平面形状とされる。このように周縁131Sを平面形状とすることにより、支持態様が第1支持態様である場合に、安定して、第1支持部材および第2支持部材を配置面430に配置させることができる。
【0176】
(14) 上述の実施の形態では、第3支持態様においては、第1支持部材100の第1端面111と第2支持部材200の第1端面211とを対向させ、かつ、第1支持部材100の第2端面112と第2支持部材200の第2端面212とを対向させる構成を説明した(図7参照)。
【0177】
図37は、第3支持態様の変形例の一例を示す図である。図37の例では、第3支持態様は、第1支持部材100Eの第1端面111が形成されている端部および第2支持部材200Eの第1端面211が形成されている端部が結合している。また、第1支持部材100Eの第2端面112が形成されている端部および第2支持部材200Eの第2端面212が形成されている端部が結合している。
【0178】
図37の例では、第1支持部材100Eの第1端面111が形成されている端部には、凸部1001Aおよび凹部1002Aが形成されている。第1支持部材100Eの第2端面112が形成されている端部には、凸部1001Bおよび凹部1002Bが形成されている。第2支持部材200Eの第1端面211が形成されている端部には、凸部2001Aおよび凹部2002Aが形成されている。第2支持部材200Eの第2端面212が形成されている端部には、凸部2001Bおよび凹部2002Bが形成されている。
【0179】
そして、第3支持態様においては、凸部1001Aが凹部2002Aに係合し、凸部2001Aが凹部1002Aに係合し、凸部1001Bが凹部2002Bに係合し、凸部2001Bが凹部1002Bに係合する。このように、第1支持部材100Eおよび第2支持部材200Eの各端部の結合により、より強固な第3支持態様が実現可能である。
【0180】
(15) 上述の実施の形態では、扉部308は、栽培装置300の長手方向の回動軸329(図11など参照)を基準に回動する構成を説明した。しかしながら、扉部308は、栽培装置300の短手方向の回動軸を基準に回動するようにしてもよい。また、上述の実施の形態では、扉部308は、1つである構成を説明した。しかしながら、扉部308の数は2つ以上としてもよい。また、扉部308の数が2つである場合には、該2つの扉部308により、観音開き扉が構成されてもよい。
【0181】
(16) 上述の実施の形態においては、収容体600が蓋部630を有する構成を説明した。しかしながら、収容体600は、蓋部630を有していなくてもよい。このような構成の場合には、培養物Wは、第1貫通穴601または第2貫通穴602から収容部640に対してユーザにより供給される。また、培養物Wが、ウレタン培地である場合には、第1貫通穴601または第2貫通穴602からウレタン培地は挿入される。また、培養物Wが、ウレタン培地である場合において、該ウレタン培地が小さいと、ウレタン培地の吸収性が低下する。そこで、ウレタン培地の吸水性を担保するために、ウレタン培地の大きさは、たとえば、一辺約25mmのキューブ状とされる。しかしながら、第1貫通穴601および第2貫通穴602の直径があまりに小さいと、ウレタン培地を挿入できない。そこで、第1貫通穴601および第2貫通穴602の直径は、15mm以上であることが好ましい。
【0182】
また、今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0183】
10 栽培ユニット、100 第1支持部材、101,201 第1延伸部、102,202 第2延伸部、103,203 基部、103A,203A 一端、103B,203B 他端、111,211,321 第1端面、112,212,322 第2端面、121,122,221,222 固定部材、131,231 第1面、131A,231A 周縁、132,232 第2面、141,241 第1側面、142,242 第2側面、200 第2支持部材、250 支持ユニット、300,300A,300B,300C,300E 栽培装置、300D キャビネット、302 光源、305 本体部、306 収容部、306A,308A 第1側壁、306B,308B 第2側壁、308 扉部、310 第1調整部、311 貫通穴、313 キャスタ、314 棒部、329 回動軸、333 スライド棒、337 スライド棒収容部、341 インナーレール、342 アウターレール、352 保持部、352A 保持面、355 第2調整部、359 通気口、369 突出機構、371 アダプタ、372 配線、381 第1脇部、382 第2脇部、400 栽培物、430 配置面、600 収容体、601 第1貫通穴、602 第2貫通穴、610 基準板、611 第1板、612 第2板、613 第3壁、614 第4壁、662 反射部材、653 ダボ、670 内部、901 第1接続端子、902 第2接続端子、903 バッテリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37