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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152425
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】アンテナ取付構造及びアンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/22 20060101AFI20221004BHJP
   F16B 5/07 20060101ALI20221004BHJP
   B60R 11/02 20060101ALN20221004BHJP
【FI】
H01Q1/22 A
F16B5/07 Z
B60R11/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055197
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000165848
【氏名又は名称】原田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 勇太郎
【テーマコード(参考)】
3D020
3J001
5J047
【Fターム(参考)】
3D020BA13
3D020BB01
3D020BC13
3D020BC18
3D020BD01
3D020BD05
3J001FA02
3J001GA01
3J001GB01
3J001HA02
3J001HA07
3J001JD33
5J047AA03
5J047AA05
5J047AA07
5J047AA10
5J047AA14
5J047AA19
5J047EA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ベース板を軽量化でき、且つ、ベース板の製作を容易化できる車両用アンテナ取付構造を提供する。
【解決手段】アンテナを車両の外板に取り付けるためのアンテナ取付構造10であって、金属製のベース板20と、導電性部材からなる補強板30とを備える。ベース板20は、外板と対向する裏面22及び裏面22とは反対側の主面21を有し、主面21から裏面22に貫通する開口25を有する。アンテナは、ベース板20の主面21側に配置される。補強板30は、ベース板20の開口25を跨いで主面21上に配置される。補強板30は、主面21に接触するとともに主面21に沿って延在する。補強板30は、開口25に挿通されベース板20の厚み方向に延在する連結部材40を介して外板に向けて引き寄せられる。ベース板20および補強板30は、相対的な回転を抑止するための回転抑止構造を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを車両の外板に取り付けるための構造であって、
前記外板と対向する裏面、及び前記裏面とは反対側の主面を有し、前記主面側に前記アンテナが配置され、前記主面から前記裏面に貫通する開口を有する金属製のベース板と、
前記ベース板の前記開口を跨いで前記主面上に配置され、前記主面に接触するとともに前記主面に沿って延在する導電性部材からなる補強板と、
を備え、
前記補強板は、前記開口に挿通され前記ベース板の厚み方向に延在する連結部材を介して前記外板に向けて引き寄せられ、
前記ベース板および前記補強板は、相対的な回転を抑止するための回転抑止構造を有する、アンテナ取付構造。
【請求項2】
前記連結部材は導電性を有し、
前記ベース板は、前記回転抑止構造を構成する少なくとも一つの第1の係止部を前記補強板と対向する面に有し、
前記補強板は、前記回転抑止構造を構成し対応する前記第1の係止部と相互に係止する少なくとも一つの第2の係止部を前記ベース板と対向する面に有する、請求項1に記載のアンテナ取付構造。
【請求項3】
前記第1の係止部は、凹部及び凸部の一方であり、前記第2の係止部は、凹部及び凸部の他方であり、
前記第1の係止部及び前記第2の係止部は、前記開口を囲むようにそれぞれ複数設けられる、請求項2に記載のアンテナ取付構造。
【請求項4】
前記補強板は、前記主面に沿う第1方向に延在する一対の縁部を有し、
前記一対の縁部の一方または双方は、前記第1方向に対して垂直な断面がL字状となるように曲がっている、請求項1~3のいずれか1項に記載のアンテナ取付構造。
【請求項5】
前記補強板の平面形状は長手方向および短手方向を有し、
前記第1方向は前記長手方向と一致する、請求項4に記載のアンテナ取付構造。
【請求項6】
前記補強板は、前記厚み方向から見て前記開口と重なる貫通孔を有し、
前記連結部材は前記貫通孔に挿通され、
前記連結部材の前記車両側の一端は、前記外板と係合するボルトまたはナットと螺合することにより前記車両側に引き寄せられ、
前記連結部材の他端は、前記補強板と係合することにより前記補強板を前記外板に向けて引き寄せる、請求項1~5のいずれか1項に記載のアンテナ取付構造。
【請求項7】
前記貫通孔の平面形状は多角形であり、
前記連結部材の外形の少なくとも一部は前記貫通孔に嵌合する形状である、請求項6に記載のアンテナ取付構造。
【請求項8】
前記連結部材は前記補強板と一体であり、
前記連結部材の前記補強板とは反対側の端部は、前記外板と係合するボルトまたはナットと螺合することにより前記車両側に引き寄せられる、請求項1~5のいずれか1項に記載のアンテナ取付構造。
【請求項9】
前記補強板は前記ベース板と同じ材料からなる、請求項1~8のいずれか1項に記載のアンテナ取付構造。
【請求項10】
車両の外板に取り付けられるアンテナ装置であって、
請求項1~9のいずれか1項に記載のアンテナ取付構造と、
前記アンテナと、
を備える、アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナ取付構造及びアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車などの車両には、ラジオ放送、GPS(Global Positioning System)又はETC(Electronic Toll Collection system)等に用いられる電波を送受信するアンテナ装置が取り付けられる。例えば特許文献1には、車両のルーフ上に設置されるアンテナ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-162027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アンテナ装置を車両に固定する際には、アンテナ装置のベース板を車両の外板に沿って配置するとともに防水部材(例えば樹脂製のパッド)をベース板と車両の外板との間に挟み、車両の外板に形成された孔に、ベース板をボルト等の連結部材によって固定する。しかし、連結部材を締め付け過ぎると、ベース板における連結部材周辺の部分に応力が集中する。この応力集中によってベース板の連結部材周辺部が変形すると、アンテナ装置の固定及び電気的な性能の低下に繋がる。したがって、従来のアンテナ装置では、ベース板に機械的強度を持たせる為、ベース板を金属製(導電性)のダイカストとし、板厚を厚くしている。しかしながら、車両に搭載される設備には、コスト減に加えて、燃費の向上等のための軽量化が要求される。ダイカストによるベース板は、重い上に製作にコストが掛かる。また、金型の寿命が短いので、金型の製作に更にコストが掛かる。
【0005】
本開示は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、ベース板を軽量化でき且つベース板の製作を容易化できるアンテナ取付構造及びアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本開示の一態様によるアンテナ取付構造は、アンテナを車両の外板に取り付けるための構造であって、金属製のベース板と、導電性部材からなる補強板と、を備える。ベース板は、外板と対向する裏面、及び裏面とは反対側の主面を有する。アンテナはベース板の主面側に配置される。ベース板は、主面から裏面に貫通する開口を有する。補強板は、ベース板の開口を跨いで主面上に配置される。補強板は、ベース板の主面に接触するとともに主面に沿って延在する。補強板は、ベース板の開口に挿通されベース板の厚み方向に延在する連結部材を介して、外板に向けて引き寄せられる。ベース板および補強板は、相対的な回転を抑止するための回転抑止構造を有する。
【0007】
このアンテナ取付構造では、連結部材による、外板に向けて引き寄せられる力が、補強板を介してベース板の主面に与えられる。これにより、ベース板の連結部材周辺部における応力集中を低減できるので、ベース板の機械的強度を弱めることが許容される。したがって、例えば板金加工といった、製作容易且つ軽量化可能な方法によってベース板を製作することが可能になる。
【0008】
なお、上記のアンテナ取付構造において、ベース板は単一の板材から構成されてもよく、複数の板材を組み合わせて構成されてもよい。また、ベース板は単一種類の材料から構成されてもよく、複数種類の材料を組み合わせて構成されてもよい。
【0009】
上記のアンテナ取付構造において、連結部材は導電性を有し、ベース板は、回転抑止構造を構成する少なくとも一つの第1の係止部を補強板と対向する面に有し、補強板は、回転抑止構造を構成し対応する第1の係止部と相互に係止する少なくとも一つの第2の係止部をベース板と対向する面に有してもよい。アンテナ取付構造がこのような回転抑止構造を備えることによって、連結部材による固定の際に補強板が回転することを抑止し、ベース板に対する補強板の連結部材まわりの角度を安定させることができる。また、通常、ベース板は車両の外板と同電位(グランド電位)とされる。このアンテナ取付構造では、回転抑止構造が、少なくとも一つの第1の係止部と、該第1の係止部と相互に係止する少なくとも一つの第2の係止部とによって構成されることにより、第1の係止部と第2の係止部との当接部分を通じて、ベース板と補強板との良好な導電性を確保できる。故に、補強板及び連結部材を介する、ベース板と車両の外板との良好な導電性を確保して、ベース板のグランド電位を安定させ、アンテナ性能を高めることができる。
【0010】
上記のアンテナ取付構造において、ベース板及び補強板の一方が第1の係止部を有し、ベース板及び補強板の他方が第2の係止部を有する場合、第1の係止部は、凹部及び凸部の一方であり、第2の係止部は、凹部及び凸部の他方であってもよい。これにより、第1及び第2の係止部を簡易な構造により実現できる。また、第1の係止部及び第2の係止部は、開口を囲むようにそれぞれ複数設けられてもよい。これにより、補強板の連結部材まわりの角度をより確実に安定させることができ、またベース板と補強板との導電性を更に向上できる。
【0011】
上記のアンテナ取付構造において、補強板は、主面に沿う第1方向に延在する一対の縁部を有し、一対の縁部の一方または双方は、第1方向に対して垂直な断面がL字状となるように曲がっていてもよい。これにより、補強板の曲げ強度を確保しつつ、補強板を薄くして軽量化できる。また、この場合、補強板の平面形状は長手方向および短手方向を有し、第1方向は長手方向と一致してもよい。これにより、補強板の曲げ強度及び軽量性を保ちつつ、補強板を長くしてベース板と重なる領域を大きくし、ベース板の連結部材周辺部における応力集中を効果的に低減できる。
【0012】
上記のアンテナ取付構造において、補強板は、厚み方向から見て開口と重なる貫通孔を有し、連結部材は貫通孔に挿通され、連結部材の車両側の一端は、外板と係合するボルトまたはナットと螺合することにより車両側に引き寄せられ、連結部材の他端は、補強板と係合することにより補強板を外板に向けて引き寄せてもよい。例えばこのような構造によって、補強板が連結部材を介して外板に向けて引き寄せられる構造を簡易に実現できる。また、この場合、貫通孔の平面形状が多角形であり、連結部材の外形の少なくとも一部が貫通孔に嵌合する形状であってもよい。これにより、連結部材の回転を抑止して、連結部材の一端とボルトまたはナットとの螺合を確実に行うことができる。
【0013】
上記のアンテナ取付構造において、連結部材は補強板と一体であり、連結部材の補強板とは反対側の端部は、外板と係合するボルトまたはナットと螺合することにより車両側に引き寄せられてもよい。例えばこのような構造によって、補強板が連結部材を介して外板に向けて引き寄せられる構造を簡易に実現できる。
【0014】
上記のアンテナ取付構造において、補強板はベース板と同じ材料からなってもよい。このように、補強板及びベース板の材料を互いに共通化することによって、製造コストの低減を図ることができる。
【0015】
本開示の一態様によるアンテナ装置は、車両の外板に取り付けられるアンテナ装置であって、上記いずれかのアンテナ取付構造と、アンテナと、を備える。このアンテナ装置によれば、上記いずれかのアンテナ取付構造を備えることによって、例えば板金加工といった、製作容易且つ軽量化可能な方法によってベース板を製作することが可能になる。また、ベース板と車両の外板との良好な導電性を確保して、ベース板のグランド電位を安定させ、アンテナ性能を高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示の一態様によるアンテナ取付構造及びアンテナ装置によれば、ベース板を軽量化でき且つベース板の製作を容易化できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、アンテナ装置の外観を示す側面図である。
図2図2は、アンテナ装置の外観を示す正面図である。
図3図3は、アンテナ装置の外観を示す平面図である。
図4図4は、アンテナ装置の内部構造を示す側面図である。
図5図5は、アンテナ装置の内部構造を示す平面図である。
図6図6は、アンテナ取付構造を示す平面図である。
図7図7は、アンテナ取付構造を示す切り欠き斜視図である。
図8図8は、ベース板を示す斜視図である。
図9図9は、ベース板の一部を拡大して示す切り欠き斜視図である。
図10図10は、ベース板の一部を拡大して示す切り欠き斜視図である。
図11図11は、補強板を示す斜視図である。
図12図12は、補強板を示す斜視図である。
図13図13は、補強板を示す切り欠き斜視図である。
図14図14は、補強板を示す切り欠き斜視図である。
図15図15は、連結部材を示す斜視図である。
図16図16は、一変形例に係るアンテナ取付構造を示す切り欠き斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本開示によるアンテナ取付構造及びアンテナ装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
図1は、一実施形態に係るアンテナ装置1を示す側面図である。図2は、アンテナ装置1を示す正面図である。図3は、アンテナ装置1を示す平面図である。このアンテナ装置1は、ボルト51の締結力により車両の外板に取り付けられる。以下の説明では、アンテナ装置1及びこれを構成する部品において、車両の前方方向を前端側とし、車両の後方方向を後端側とする。また、アンテナ装置1及びこれを構成する部品において、車両に取り付けられる側を下側とする。
【0020】
アンテナ装置1は、カバー2と、パッド3と、アンテナ取付構造10と、を備える。カバー2は、例えば電波を透過する樹脂製であり、後述するアンテナ4a~4c、回路基板5a~5c、及びベース板20(それぞれ図4を参照)を覆っている。カバー2は、その後端側から先端側に向かって徐々に高さが低くなる流線形状(シャークフィン形状)を有する。カバー2の両側面の距離は、その上端から中心部付近までほぼ一定であり、当該中心部付近から下端にかけて徐々に広がっている。カバー2は、例えば複数のねじを用いることによって、ベース板20に取り付けられている。カバー2の縁は、パッド3に接している。
【0021】
パッド3は、例えば可撓性を有する樹脂製(ゴム等)であり、アンテナ装置1において車両の外板に接する。パッド3は、後述するベース板20(図5を参照)の縁を覆って支持するようにベース板20に取り付けられており、車両の外板とカバー2との間に位置する大きさを有する。特に、図1及び図2に示されるように、パッド3の下縁3aは、カバー2よりも下方に位置している。また、パッド3の上縁とカバー2の周縁とは互いに密着している。これにより、パッド3とカバー2との間からカバー2の内部空間に水が浸入することを抑制している。
【0022】
図4及び図5は、アンテナ装置1の内部構造をそれぞれ示す側面図及び平面図である。図4及び図5に示されるように、アンテナ装置1は、アンテナ4a,4bと、パッチアンテナ4cと、回路基板5a,5b,5cと、を更に備える(図5ではアンテナ4a,4b及びパッチアンテナ4cを省略)。アンテナ取付構造10は、アンテナ4a,4b及びパッチアンテナ4cを車両の外板に取り付けるための構造であって、金属製のベース板20と、導電性部材からなる補強板30と、連結部材40と、ボルト51と、を有する。
【0023】
アンテナ4a,4b及びパッチアンテナ4cは、ベース板20の主面21側に配置されている。アンテナ4a,4bは、金属又は合金等の導電性の板材から構成される。アンテナ4aは、例えばAM波帯及びFM波帯のラジオ用の信号を受信する。アンテナ4aは、アンテナ装置1の後端寄りに配置されている。アンテナ4aは、絶縁性の(例えば樹脂製である)アンテナ台4dによってベース板20上に固定され、アンテナ台4dの上端を覆うように取り付けられている。このようにアンテナ4aを高い位置に配置することにより、アンテナ4aの電気的特性を向上できる。アンテナ4bは、電話用の信号を送受信する。アンテナ4bは、アンテナ装置1の略中央部に配置されている。アンテナ4bは、平板状を呈し、その厚み方向がアンテナ装置1の左右方向に沿うように、ベース板20上に立設されている。パッチアンテナ4cは、アンテナ装置1の前端寄りに配置されている。パッチアンテナ4cは、例えばGPS(global positioning system)などのGNSS(global navigation satellite system)に用いられる電波を送受信する。
【0024】
回路基板5a,5b,5cは、プリント配線基板と、プリント配線基板上に実装された集積回路及びコンデンサ等の電子部品とを含んで構成されている。回路基板5a,5b,5cは、ベース板20の主面21上において、それらの板面が主面21に沿うように固定されている。回路基板5aは主面21上の後端寄りの領域に配置され、回路基板5bは主面21上の中央部付近の領域に配置され、回路基板5cは主面21上の前端寄りの領域に配置されている。回路基板5aは、アンテナ4aと電気的に接続されており、アンテナ4aから信号を受ける。回路基板5bは、アンテナ4bと電気的に接続されており、アンテナ4bから信号を受ける。回路基板5cは、パッチアンテナ4cを搭載しており、アンテナ4cから信号を受ける。回路基板5a~5cは、アンテナ4a~4cによって受信された信号の増幅等を行う。回路基板5a~5cには図示しないケーブルの一端が接続されており、ケーブルの他端は車両内に配設される。回路基板5a~5cは、これらのケーブルを介して、車両内の電子装置と電気的に接続される。
【0025】
図6は、アンテナ取付構造10を示す平面図である。図7は、アンテナ取付構造10を部分的に拡大して示す切り欠き斜視図である。図8は、ベース板20を示す斜視図である。図9及び図10は、ベース板20の一部を拡大して示す切り欠き斜視図である。
【0026】
ベース板20は、例えば板金加工により形成された板状の導電性の部材である。ベース板20の平面形状は、略卵形又は略長円形である。ベース板20は、例えばSPCC(鉄鋼材料)、ステンレス板、又は非鉄金属等といった金属からなり、その厚みは例えば0.5mm以上2.5mm以下である。ベース板20は、互いに反対を向く主面21及び裏面22を有する。裏面22は、車両の外板と対向する。また、図9及び図10に示されるように、ベース板20は、下方向に突出する丘状部23を裏面22に有する。この丘状部23は、ベース板20を補強するとともに、ベース板20とパッド3との隙間を小さくする(又は無くす)ために設けられている。丘状部23は、例えばプレス加工により裏面22に段差を形成することによって形成され得る。その場合、主面21には、丘状部23の平面形状に対応する平面形状を有する窪み24が形成される。図示例では、窪み24の平面形状は、前半分の長方形又は正方形と、後半分の半円形とを組み合わせた形状である。したがって、窪み24は、前後方向に沿って延在し互いに対向する一対の内側面241,242(図8を参照)を有する。補強板30は、ベース板20の主面21上であって窪み24内の領域に配置されている。窪み24の深さは例えば1.5mm以上3.0mm以下であり、その底面は、後述する係止用凹部28を除いて平坦である。
【0027】
ベース板20は、主面21から裏面22に貫通する開口25を有する。開口25は、ベース板20のほぼ中央部であって窪み24の底面内の領域に形成されている。開口25の平面形状は、四角形、六角形等の多角形であり、図示例では正六角形である。開口25は、例えば抜き加工により形成され得る。なお、窪み24の底面内には、前述したケーブルを通すための開口29が、開口25の後方に形成されている。
【0028】
ベース板20は、下方向に突出する一又は複数(図示例では4つ)の凸部27(図9を参照)を裏面22に有する。図示例では、凸部27は丘状部23の頂面に形成されている。凸部27が複数設けられる場合、複数の凸部27は開口25を囲むように周方向に並んで設けられる。これらの凸部27は、車両の外板に接することによって、アンテナ装置1の車両から突出する高さを決める。凸部27は、例えばプレス加工により裏面22(具体的には丘状部23の頂面)に段差を形成することによって形成され得る。その場合、主面21(具体的には窪み24の底面)には、凸部27の平面形状に対応する平面形状を有する係止用凹部28が形成される。図示例では、複数の係止用凹部28が開口25を囲むように周方向に並んで設けられる。
【0029】
図8に示されるように、ベース板20の主面21側には、上方向に突出する複数の支柱26が設けられている。複数の支柱26は、前述した回路基板5a~5cを支持する。具体的には、一つの回路基板につき4つの支柱26が配置されており、これらの支柱26は各回路基板5a~5cの4隅をそれぞれ支える。各支柱26の上端には、回路基板5a~5cを係止する突起26aが設けられている。突起26aは、回路基板5a~5cに形成された孔に挿通された後、回路基板5a~5cの板面に沿って曲げられることにより回路基板5a~5cを係止する。
【0030】
図11及び図12は、補強板30を示す斜視図である。図11は補強板30の第1面31側から見た外観を示しており、図12は補強板30の第2面32側から見た外観を示している。図13及び図14は、補強板30を示す切り欠き斜視図である。補強板30は、例えば板金加工により形成された板状の導電性の部材である。補強板30は、例えばSPCC(鉄鋼材料)、ステンレス板、又は非鉄金属等といった金属からなり、その厚みは例えば0.5mm以上2.5mm以下である。一例では、補強板30はベース板20と同じ材料からなる。なお、補強板30は、導電性であれば、ベース板20と異なる材料(例えば導電性樹脂など)からなってもよい。補強板30は、主面21上に配置され、主面21に沿って延在している。言い換えると、補強板30は、その厚み方向がベース板20の厚み方向と一致する態様にて、主面21上に配置されている。前述したように、本実施形態の補強板30は、主面21のうち窪み24内の領域に配置されている。
【0031】
補強板30は、互いに反対を向く第1面31及び第2面32を有する。補強板30の平面形状(第1面31及び第2面32の法線方向から見た形状)は、方向D1(第1方向)を長手方向とし、方向D1と直交する方向D2(第2方向)を短手方向とする形状である。なお、補強板30をベース板20の主面21上に配置した状態において、方向D1及びD2は主面21に沿っており、一例では方向D1及びD2は主面21と平行である。図示例では、補強板30は、長手方向がアンテナ装置1の左右方向と一致し、短手方向がアンテナ装置1の前後方向と一致する態様にて配置されている。また、図示例では、補強板30の平面形状は長方形である。
【0032】
第2面32は、ベース板20の主面21(具体的には窪み24の底面)と対向する。図6及び図7に示されるように、補強板30は、ベース板20の開口25を跨いで配置される。具体的には、第2面32のうち、方向D1における補強板30の一方の端部付近の領域32aは、主面21のうち開口25近傍に位置する第1領域21aと面的に接触する。また、第2面32のうち、方向D1における補強板30の他方の端部付近の領域32bは、主面21のうち開口25を挟んで第1領域21aとは反対側に位置する第2領域21bと面的に接触する。なお、図示例のように、第2面32のほぼ全面が主面21と接触してもよい。
【0033】
補強板30は、方向D1に沿って延在する一対の縁部33,34を有する。一対の縁部33,34は、長方形の一対の辺を構成し、互いに平行であり、方向D2において互いに対向する。一対の縁部33,34は、方向D1に対して垂直な断面がL字状となるように曲がっている。このような形状は、例えば曲げ加工により形成され得る。なお、図示例では一対の縁部33,34の双方がL字状に曲げられているが、一方の縁部33又は34のみがL字状に曲げられていてもよい。また、補強板30の厚みが十分にある等の理由により補強板30の曲げ強度を高める必要が無い場合には、一対の縁部33,34の双方がL字状に曲げられていなくてもよい。補強板30の一対の縁部33,34を除く他の部分は、平板状であってよい。
【0034】
補強板30の略中央部には、貫通孔37が形成されている。図7に示されるように、貫通孔37は、ベース板20及び補強板30の厚み方向から見てベース板20の開口25と重なる位置に形成されている。貫通孔37の平面形状は、四角形、六角形等の多角形であり、図示例では正六角形である。貫通孔37の平面形状及び大きさは、ベース板20の開口25の平面形状及び大きさと一致していてもよい。貫通孔37は、例えば抜き加工により形成され得る。
【0035】
図12に示されるように、補強板30は、少なくとも一つ(図示例では4つ)の係止用凸部35を第2面32に有する。係止用凸部35が複数設けられる場合、複数の係止用凸部35は貫通孔37を囲むように周方向に並んで設けられる。これらの係止用凸部35は、例えばプレス加工により第2面32に段差を形成することによって形成され得る。その場合、第1面31には、係止用凸部35の平面形状に対応する平面形状を有する凹部36が形成される。
【0036】
図9に示されたように、ベース板20の主面21には、少なくとも一つ(図示例では4つ)の係止用凹部28が形成されている。係止用凸部35は係止用凹部28と対向する位置に設けられ、係止用凸部35の数は、係止用凹部28の数と等しい。そして、補強板30がベース板20上に配置された状態において、係止用凸部35は係止用凹部28内に収容され、主面21に沿う方向において係止用凹部28により係止される。すなわち、これらの係止用凹部28及び係止用凸部35は、ベース板20と補強板30との相対的な回転を抑止するための回転抑止構造11を構成する。係止用凹部28は、本実施形態における第1の係止部12を構成する。係止用凸部35は、対応する第1の係止部12と相互に係止する第2の係止部13を構成する。なお、図示例ではベース板20に第1の係止部12としての係止用凹部28が設けられ、補強板30に第2の係止部13としての係止用凸部35が設けられているが、ベース板20に第1の係止部12としての凸部が設けられ、補強板30に該凸部を収容する第2の係止部13としての係止用凹部が設けられてもよい。
【0037】
図15は、連結部材40を示す斜視図である。連結部材40は、ベース板20の厚み方向に延在する略円筒状の外観を有する導電性の部材である。連結部材40の中心軸線Cは、ベース板20及び補強板30の厚み方向に沿っており、一例では該厚み方向と平行である。連結部材40は、例えばSPCC(鉄鋼材料)、ステンレス板、又は非鉄金属等といった金属からなる。連結部材40は、図7に示されるように、ベース板20の開口25及び補強板30の貫通孔37に挿通される。連結部材40の少なくとも車両側の一端において、円筒の内周面41にはネジ山が形成されており、連結部材40はボルト51と螺合する。ボルト51の頭部511は、ワッシャー52を介して車両の外板と係合する。言い換えると、車両の外板は、ボルト51の頭部511及びワッシャー52とベース板20との間に位置する。これにより、連結部材40は車両側に引き寄せられるので、補強板30は、連結部材40を介して車両の外板に向けて引き寄せられる。このとき、連結部材40の下端側の一部は、車両の外板に形成された開口に挿通されてもよい。なお、連結部材40の内周面41のネジ山に代えて、連結部材40の外周面42にネジ山が形成されていてもよい。その場合、連結部材40は、車両の外板と係合するナットと螺合することにより車両側に引き寄せられる。この場合、連結部材40はボルトであってもよい。
【0038】
連結部材40は、車両とは反対側の他端にフランジ部43を有する。フランジ部43の外径は開口25及び貫通孔37の内径よりも大きく、ベース板20の厚み方向においてフランジ部43は補強板30と係合する。したがって、連結部材40は、補強板30を車両の外板に向けて引き寄せる。
【0039】
連結部材40の外形の少なくとも一部、例えば貫通孔37及び開口25に挿通されている部分44(図15を参照)の外形(挿通方向に垂直な断面形状)は、貫通孔37及び開口25と嵌合する形状である。図示例では、部分44は、貫通孔37及び開口25と略同じ断面形状を有する。貫通孔37及び開口25の平面形状が六角形である場合、部分44の断面もまた六角形である。貫通孔37及び開口25の平面形状が四角形である場合、部分44の断面もまた四角形である。
【0040】
以上の構成を備える本実施形態のアンテナ装置1及びアンテナ取付構造10によって得られる効果について説明する。本実施形態のアンテナ装置1及びアンテナ取付構造10では、連結部材40による、車両の外板に向けて引き寄せられる力が、補強板30を介してベース板20の主面21に与えられる。これにより、ベース板20の連結部材40周辺部における応力集中を低減できるので、ベース板20の機械的強度を弱めることが許容される。したがって、例えば板金加工といった、製作容易且つ軽量化可能な方法によってベース板20を製作することが可能になる。
【0041】
本実施形態のように、連結部材40は導電性を有し、ベース板20は、回転抑止構造11を構成する少なくとも一つの第1の係止部12を、補強板30と対向する主面21に有してもよい。また、補強板30は、回転抑止構造11を構成し対応する第1の係止部12と相互に係止する少なくとも一つの第2の係止部13を、ベース板20と対向する第2面32に有してもよい。アンテナ取付構造10がこのような回転抑止構造11を備えることによって、連結部材40による固定の際に補強板30が回転することを抑止し、ベース板20に対する補強板30の連結部材40まわり(より具体的には連結部材40の中心軸線Cまわり)の角度を安定させることができる。なお、本実施形態では、連結部材40の部分44の外形が、ベース板20の開口25及び補強板30の貫通孔37の双方と嵌合する形状なので、ベース板20に対する補強板30の回転を連結部材40の部分44が妨げ得る。しかしながら、例えば、連結部材40の部分44の外形がベース板20の開口25と嵌合しない(例えば円柱面状であるような)場合には、この回転抑止構造11が効果的に機能する。
【0042】
また、通常、ベース板20は車両の外板と同電位(グランド電位)とされる。このアンテナ取付構造10では、回転抑止構造11が、少なくとも一つの第1の係止部12と、該第1の係止部12と相互に係止する少なくとも一つの第2の係止部13とによって構成される。これにより、第1の係止部12と第2の係止部13との当接部分を通じて、ベース板20と補強板30との良好な導電性(接触抵抗の低下)を確保できる。故に、補強板30及び連結部材40を介する、ベース板20と車両の外板との良好な導電性を確保して、ベース板20のグランド電位を安定させ、アンテナ性能を高めることができる。
【0043】
本実施形態のように、ベース板20が第1の係止部12を有し、補強板30が第2の係止部13を有する場合、第1の係止部12は、凹部及び凸部の一方(図示例では係止用凹部28)であり、第2の係止部13は、凹部及び凸部の他方(図示例では係止用凸部35)であってもよい。これにより、第1の係止部12及び第2の係止部13を簡易な構造により実現できる。また、ボルト51の締結時には、補強板30に与えられる回転トルクによって、凹部と凸部との当接圧力が増大する。したがって、ベース板20と補強板30との導電性が更に向上する。
【0044】
また、第1の係止部12及び第2の係止部13は、開口25を囲むようにそれぞれ複数設けられてもよい。これにより、補強板30の連結部材40まわりの角度をより確実に安定させることができ、またベース板20と補強板30との導電性を更に向上できる。
【0045】
本発明者は、第1の係止部12が係止用凹部28であり、第2の係止部13が係止用凸部35である場合における、ベース板20と補強板30との接触抵抗を測定した。この実験ではベース板20及び補強板30の組み合わせを3つ用意し、(1)ベース板20及び補強板30を単に重ねた状態(ボルト締結前)、(2)ベース板20及び補強板30をボルトにより規定トルクにて締結した状態(規定トルク締結後)、及び(3)ベース板20及び補強板30をボルトにより規定トルクよりも大きいトルクにて締結した状態(高トルク締結後)、のそれぞれについて接触抵抗を測定した。
【0046】
また、本発明者は、比較例として、ベース板20及び補強板30が第1の係止部12及び第2の係止部13をそれぞれ有していない(すなわち互いの当接面が平坦である)場合における、ベース板20と補強板30との接触抵抗を測定した。この実験においても上記と同様にベース板20及び補強板30の組み合わせを3つ用意し、(1)ボルト締結前、(2)規定トルク締結後、及び(3)高トルク締結後、のそれぞれについて接触抵抗を測定した。
【0047】
その結果、第1の係止部12及び第2の係止部13が設けられない場合には、ベース板20及び補強板30を規定トルクで締結するとこれらの接触抵抗が僅かに増減し、規定トルクよりも大きいトルクで締結するとこれらの接触抵抗が格段に増大した。これは、補強板30がベース板20に対して相対的に回転することにより、補強板30とベース板20との接触が弱くなり易いためと考えられる。これに対し、第1の係止部12及び第2の係止部13が設けられた場合、ベース板20及び補強板30を規定トルクで締結するとこれらの接触抵抗が減少し、規定トルクよりも大きいトルクで締結するとこれらの接触抵抗が更に減少した。この実験結果からも明らかなように、第1の係止部12及び第2の係止部13が設けられることによって、ベース板20と補強板30との良好な導電性を確保することができる。
【0048】
本実施形態のように、補強板30は、主面21に沿う方向D1に沿って延在する一対の縁部33,34を有してもよい。そして、一対の縁部33,34の一方または双方は、方向D1に対して垂直な断面がL字状となるように曲がっていてもよい。これにより、補強板30の曲げ強度を確保しつつ、補強板30を薄くして軽量化できる。また、この場合、補強板30の平面形状は長手方向および短手方向を有し、方向D1は長手方向と一致してもよい。これにより、補強板30の曲げ強度及び軽量性を保ちつつ、補強板30を長くしてベース板20と重なる領域を大きくし、ベース板20の連結部材40周辺部における応力集中を効果的に低減できる。
【0049】
本実施形態のように、補強板30は、厚み方向から見て開口25と重なる貫通孔37を有し、連結部材40は貫通孔37に挿通され、連結部材40の車両側の一端は、外板と係合するボルト51またはナットと螺合することにより車両側に引き寄せられ、連結部材40の他端は、補強板30と係合することにより補強板30を外板に向けて引き寄せてもよい。例えばこのような構造によって、補強板30が連結部材40を介して外板に向けて引き寄せられる構造を簡易に実現できる。また、この場合、貫通孔37の平面形状が多角形であり、連結部材40の外形の少なくとも一部(図示例では部分44)が貫通孔37に嵌合する形状であってもよい。これにより、連結部材40の回転を抑止して、連結部材40の一端とボルト51またはナットとの螺合を確実に行うことができる。
【0050】
本実施形態のように、補強板30はベース板20と同じ材料からなってもよい。このように、補強板30及びベース板20の材料を互いに共通化することによって、製造コストの低減を図ることができる。補強板30の厚みとベース板20の厚みとが同じであれば、製造コストの低減効果は更に顕著である。
(変形例)
【0051】
図16は、一変形例に係るアンテナ取付構造10Aを示す切り欠き斜視図である。本変形例と前述したアンテナ取付構造10との相違点は、補強板と連結部材との接続態様である。本変形例のアンテナ取付構造10Aは、前述した連結部材40に代えて、補強板30と一体化された連結部材40Aを備える。連結部材40Aは、ベース板20の厚み方向に延在する略円筒状の外観を有し、補強板30の第2面32から下方に突出している。連結部材40Aの中心軸線Cは、ベース板20及び補強板30の厚み方向に沿っており、一例では該厚み方向と平行である。連結部材40Aは、例えば補強板30を板金加工により形成する際に、円筒絞り加工且つ深絞り加工を行うことによって形成され得る。この場合、連結部材40Aは補強板30と同じ材料から成る。或いは、円筒状の連結部材40Aを補強板30とは別に作製し、連結部材40Aの一端を補強板30に溶接等により接合してもよい。
【0052】
連結部材40Aは、ベース板20の開口25に挿通される。連結部材40Aの少なくとも車両側の一端において、円筒の内周面41にはネジ山が形成されており、連結部材40Aはボルト51と螺合する。これにより、連結部材40Aの補強板30とは反対側の端部は車両側に引き寄せられるので、補強板30は、連結部材40Aを介して車両の外板に向けて引き寄せられる。なお、連結部材40Aの内周面41のネジ山に代えて、連結部材40Aの外周面42にネジ山が形成されていてもよい。その場合、連結部材40Aは、車両の外板と係合するナットと螺合することにより車両側に引き寄せられる。
【0053】
本変形例のように、連結部材40Aは補強板30と一体であってもよい。そして、連結部材40Aの補強板30とは反対側の端部は、外板と係合するボルト51またはナットと螺合することにより車両側に引き寄せられてもよい。例えばこのような構造によって、補強板30が連結部材を介して外板に向けて引き寄せられる構造を簡易に実現できる。
【0054】
本開示によるアンテナ取付構造及びアンテナ装置は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、図示例のベース板20は単一の板材から構成されているが、ベース板20は複数の板材を組み合わせて構成されてもよい。例えば、ベース板20は、互いに厚さが異なる複数の板材を組み合わせて構成されてもよく、互いに製法が異なる(板金とダイカストなど)複数の板材を組み合わせて構成されてもよい。また、図示例のベース板20は単一種類の材料から構成されているが、ベース板20は複数種類の材料(例えは金属と樹脂など)を組み合わせて構成されてもよい。
【0055】
また、上述した実施形態では第1の係止部12及び第2の係止部13が凹部及び凸部により構成される場合を例示したが、第1の係止部12及び第2の係止部13は、溝又は孔等、互いに引っ掛かる構造であればよい。また、凹部に代えて、開口が設けられてもよい。
【0056】
また、上述した実施形態では補強板30の平面形状として長方形を例示したが、補強板30の平面形状はこれに限られず、種々の形状を採用することができる。また、アンテナ装置1の小型化のため、アンテナ4a~4c又は回路基板5a~5cといったアンテナ装置1の構成部材の少なくとも一つが、補強板30を覆う位置に配置されてもよい。
【0057】
また、上述した実施形態では開口25及び貫通孔37の平面形状が多角形である場合を例示したが、開口25及び貫通孔37の平面形状はこれに限られず、例えば円形等の他の形状であってもよい。
【0058】
また、上述した実施形態では、ボルト51を用いて車両の外板の内側から(言い換えるとベース板20の裏面22側から)ベース板20を車両の外板に固定しているが、ベース板20を車両の外板に固定する方式はこれに限られず、例えばベース板20の主面21側からボルトを挿入する等により、主面21側からベース板20を車両の外板に固定してもよい。
【0059】
また、上述した実施形態では、シャークフィン形状のLPA(LowProfile Antenna)に本開示の構造を適用した例を示したが、本開示の構造は、例えば車両のルーフから棒状に突出するルーフマウントアンテナ(RMA)といった、他の形状の車載アンテナにも適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…アンテナ装置、2…カバー、3…パッド、3a…下縁、4a,4b…アンテナ、4c…パッチアンテナ、4d…アンテナ台、5a,5b,5c…回路基板、10,10A…アンテナ取付構造、11…回転抑止構造、12…第1の係止部、13…第2の係止部、20…ベース板、21…主面、22…裏面、23…丘状部、24…窪み、241,242…内側面、25,29…開口、26…支柱、26a…突起、27…凸部、28…係止用凹部、30…補強板、31…第1面、32…第2面、33,34…縁部、35…係止用凸部、36…凹部、37…貫通孔、40,40A…連結部材、41…内周面、42…外周面、43…フランジ部、44…部分、51…ボルト、511…頭部、52…ワッシャー、C…中心軸線、D1,D2…方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図16